JP3508971B2 - 誘導電動機のトルク制御装置 - Google Patents
誘導電動機のトルク制御装置Info
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Description
誘導電動機のトルクを制御する装置に関するものであ
る。
置の一例を示すブロック図であり、図2において、電流
検出器4は、誘導電動機3の一次の電流ベクトルiを検
出する。また速度検出器5は前記誘導電動機3の回転子
の速度を検出する。電流検出器4、速度検出器5より、
検出された電流ベクトルiと回転速度ωmを入力して演
算手段6でトルクの大きさTと磁束ベクトル大きさφと
その位相角θを演算する。トルクTとその指令値T*と
の誤差をトルク誤差演算手段71で演算し、トルク誤差
増幅手段81で増幅されてトルク分電圧指令VTとな
る。演算手段6の出力の磁束ベクトルの大きさφとその
指令値φ*との誤差を磁束誤差演算手段72で求め、磁
束誤差増幅手段82で増幅されて磁束分電圧Vφとな
る。
座標変換手段9において、電圧指令ベクトルV*は、 V* =(Vφ+jVT)exp(jθ)───(1) の演算式で表せる回転座標変換をする。ここで、jは−
1の平方根で虚数部を表す。また式(1)で演算されて
座標変換手段9からの出力は電圧指令ベクトルV*であ
り、これが電圧制御インバータ2に入力される。ここで
は電圧指令ベクトルV* に応じた三相の電圧を誘導電
動機3に印加して、直流電源1から電力を誘導電動機3
に供給する。
いて、トルク誤差増幅手段81と磁束誤差増幅手段82
は一般的に比例積分増幅器で構成され、トルク誤差が無
くてもトルク誤差増幅器81の出力トルク分電圧指令V
Tは誘導電動機3の回転速度にほぼ比例した値となる。
また磁束誤差が無い場合、磁束誤差増幅器82の出力磁
束分電圧Vφは誘導電動機3の一次抵抗の電圧降下程度
の値となる。ここで一次抵抗の電圧降下程度の値はわず
かであり無視すると、式(1)から電圧指令ベクトルV
*の大きさは誘導電動機3の回転速度にほぼ比例する出
力トルク分電圧指令VTに等しいことが解る。
に広げようとすると、インバータ2は直流電源1の電圧
により出力電圧の最大値が制限されるため、高速域で指
令通りの電圧が誘導電動機3に印加できない。この領域
では磁束誤差がないものとして成立させた従来の制御方
法では磁束の大きさφは指令値φ*に追従できるが、ト
ルクの大きさTが制御ができなくなる。
2が指令値通りの電圧を出力できる場合の出力トルク分
電圧指令VTと出力磁束分電圧Vφの大きさについて述
べる。インバータ2の出力電圧ベクトルVと磁束ベクト
ルψの関係は式(2)で表され、 V=dψ/dt──────(2) となる。ただし、誘導電動機3の一次抵抗の電圧降下は
考慮していない。ここで、ψ=φexp(jθ)とする
と式(2)は式(3)で表され、 V=d(φexp(jθ))/dt+jωφexp(jθ)───(3) となる。
従来方式において電圧制御インバータ2が忠実に指令値
通りの電圧ベクトルVを誘導電動機に印加するならば、
式(1)の電圧指令ベクトルV*は式(3)の出力電圧
ベクトルVと等しくなるので、実部と虚数部でまとめる
と、式(4),(5)で表され、 Vφ=dφ/dt─────(4) VT=ωφ────────(5) となる。磁束の回転角速度ωは、ほぼ誘導電動機の回転
速度ωmに等しいので式(5)より出力トルク分電圧指
令VTが概略速度に比例し、式(4)より出力磁束分電
圧Vφは磁束の変化率に等しいためほとんど値を持たな
いことが解る。したがって、電圧指令ベクトルV*の大
きさを決定付けるのは速度に比例するトルク分電圧指令
VTであることが解る。
力できる理由とできない理由を述べる。インバータ2の
出力可能な瞬時の電圧ベクトルはゼロベクトルを含んだ
7種類の電圧ベクトルからなり、正六角形の中心が大き
さゼロのゼロベクトルで、6つの頂点が残り6 種類の電
圧ベクトルで構成されており、電圧指令ベクトル(V
*)に近いゼロベクトル(Vo)を含んだ3種類の電圧
ベクトル(Vo、Va、Vb)とそれぞれの出力時間
(To、Ta、Tb)との積のベクトル和が電圧指令ベ
クトル(V*)と前記出力時間の総和(Ts)との積に
等しくなるように3種類の電圧ベクトル(Vo、Va、
Vb)を順次それぞれの出力時間(To、Ta、Tb)
出力することにより電圧指令ベクトルV*に等しい電圧
ベクトルVを出力することができる。つまり次に示す式
(6)の条件を満足する必要がある。 V*・Ts=Vo・To+Va・Ta+Vb・Tb───(6)
六角形の大きさより大きいと指令値に等しい電圧ベクト
ルVは出力できない。しかも電圧指令ベクトルV*の大
きさを決定付けているのはトルク分電圧指令VTであ
り、トルクの大きさTと指令値T*の誤差によりトルク
誤差増幅手段81の出力トルク分電圧指令VTが増加す
ると、式(1)より電圧指令ベクトルV*はますます大
きくなる傾向にあり、実際に誘導電動機に印加される電
圧ベクトルVとの差も増加し、トルクTが指令値に追従
できない状態になる。
り磁束分電圧Vφが増幅した場合、式(1)より磁束分
電圧Vφはトルク分電圧指令VTに対して直角のベクト
ルであり、VφはVTに対して十分に小さいため、V*
の大きさ方向の増加はほとんど無く、V*の位相角方向
の変化として現れる。たとえV*が前記正六角形の大き
さより大きいくインバータが指令値に等しい大きさの電
圧ベクトルを出力できない場合でも位相方向の変化には
対応できるため、磁束の大きさφは指令値φ*に追従す
る。
*の大きさがインバータの入力直流電圧により制限され
る最大の電圧ベクトルVの大きさより大きい場合にトル
クの制御ができないという問題があった。本発明は上述
した点に鑑みて創案されたもので、その目的とするとこ
ろは、これらの欠点を解決する誘導電動機のトルク制御
装置を提供することにある。
するための手段は、電圧指令と電圧制御インバータの入
力電源の電圧から前記電圧制御インバータが指令値と等
価の電圧を出力可能か否かを判断する判別手段と、この
判別手段の出力と前記誘導電動機の回転方向または一次
角速度の回転方向とを入力し前記判別手段により出力不
可能と判断された場合には前記誘導電動機または一次角
速度の回転方向の電圧ベクトルを選択し前記電圧制御イ
ンバータの電圧指令として出力する電圧ベクトル選択手
段と、磁束誤差増幅手段が比例積分増幅器である場合
に、前記判別手段により出力不可能と判別された場合に
は磁束誤差増幅手段の積分器の出力を更新させない磁束
誤差積分値固定手段とを設けることによって構成されて
いる。
が正六角形の外側にあると判断した場合には、インバー
タは電圧指令ベクトルV*と等価の電圧を出力できな
い。そこで、電圧ベクトル選択手段により、回転方向の
電圧ベクトルV**正6角形の頂点の1つ)を選択し、
電圧指令ベクトルV*に置き換えると、磁束誤差積分値
固定手段により磁束の大きさφは指令値φ*に追従せず
に小さくなり、トルクの大きさTは指令値T*にほぼ追
従することができる。従ってトルクの制御ができる。以
下に理由を述べる。
出力できる電圧範囲(正六角形)の外側にある場合、電
圧ベクトル選択手段により磁束ベクトルの回転方向の電
圧ベクトルを選択することにより磁束の大きさφを指令
値φ*より小さくすることができる。
(4)で示されるように磁束分電圧指令に対して十分に
大きい場合はV*に対して回転方向の電圧ベクトルV*
は式(1)で示されるVφに対してマイナス方向に存在
し、V*を出力することにより強制的にマイナスのVφ
を出力したことになる。すると式(4)より磁束の大き
さφは指令値φ*によらずに小さくなることが解る。磁
束の大きさφが小さくなると、式(5)よりVTも小さ
くなることが解る。
さくなると磁束誤差増幅手段によりVφはプラス方向に
増加するが、磁束誤差積分値固定手段によりVφの誤差
積分による増加を防ぎ、Vφは単に磁束の大きさφと指
令値φ*との誤差に比例した値と固定された積分値との
和になる。
できる電圧範囲を超えると、電圧指令ベクトルV*に対
して、回転方向の電圧ベクトルV**を誘導電動機に印
加し、磁束の積分器の働きを停止させることにより、V
φの増加を防ぎながら磁束の大きさφを指令値φ*に追
従させずにVTを下げ、V*とV**の誤差を発散させ
ないことにより、トルクTを指令値T*に追従させるこ
とを可能にしている。以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳述する。
ロック図であり、図中、図2の従来技術を示すブロック
図と同一な部分は説明を省略し異なる部分(図1の点線
内)のみ説明する。図1において、判別手段11は検出
器10より検出された直流電源1の電圧Vdcと、座標
変換手段9から出力される電圧指令ベクトルV*とを入
力し、式(6)を満足する出力時間Ta、Tbの和が総
和Tsより大きいときはA=1、小さいときはA=0を出
力する。電圧ベクトル選択手段12は判別手段11の出
力Aと、電圧指令ベクトルV*と、検出器5の回転速度
ωmを入力してA=0ならV**=V* を、A=1な
らωmの極性に応じて式(6)の電圧ベクトルVa、V
bのうち回転方向の電圧ベクトルを選び、V**=V
a、またはV**=Vbを出力し、インバータ2に入力
する。
手段11の出力Aを入力し、A=1の場合に磁束誤差増
幅手段821の積分器の値を更新させない。
クトルV*の大きさがインバータの入力直流電圧により
制限される最大の電圧ベクトルVの大きさより大きい場
合はトルクの制御ができなかったことが、本発明によ
り、電圧指令ベクトルV*の大きさがインバータの入力
直流電圧により制限される最大の電圧ベクトルVの大き
さより大きい場合でもトルクの制御ができる。
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 三相誘導電動機の磁束ベクトルとトルク
を演算する演算手段と、該演算手段の出力の磁束ベクト
ルとトルクの大きさとこれら磁束ベクトル及びトルクの
指令値とを比較するトルク誤差演算手段および磁束誤差
演算手段と、これらの誤差演算手段の出力を増幅するト
ルク誤差増幅手段および磁束誤差増幅手段と、これらの
誤差増幅手段の出力を前記演算手段の出力の磁束ベクト
ルの位相角で回転座標変換する座標変換手段と、該座標
変換手段の出力を電圧指令として入力して電圧波形に変
換する電圧ベクトル選択手段を経て三相の電圧を前記誘
導電動機に印加する電圧制御インバータとで構成される
誘導電動機のトルク制御装置において、前記電圧指令と
電圧制御インバータの入力電源の電圧から前記電圧制御
インバータが指令通りの電圧を出力できないことを判断
する判別手段と、該判別手段の出力と前記誘導電動機の
回転方向または一次角速度の回転方向とを入力し、電圧
が制限状態にあることを示す前記判別手段の出力に応じ
て前記誘導電動機または一次角速度の回転方向の電圧ベ
クトルを選択し、前記電圧制御インバータの電圧指令と
して出力するように為した電圧ベクトル選択手段とを設
けたことを特徴とする誘導電動機のトルク制御装置。 - 【請求項2】 前記磁束誤差増幅手段が比例積分増幅器
である場合に、前記判別手段により出力不可能と判別さ
れた場合には磁束誤差増幅手段の積分器の出力を更新さ
せない磁束誤差積分値固定手段を設けた請求項1記載の
誘導電動機のトルク制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27878496A JP3508971B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 誘導電動機のトルク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27878496A JP3508971B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 誘導電動機のトルク制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10108499A JPH10108499A (ja) | 1998-04-24 |
JP3508971B2 true JP3508971B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=17602138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27878496A Expired - Fee Related JP3508971B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 誘導電動機のトルク制御装置 |
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-
1996
- 1996-09-30 JP JP27878496A patent/JP3508971B2/ja not_active Expired - Fee Related
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