JP3686987B2 - Ipmモータの制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造(例えば、実開平4−28745号公報、実開平3−97354号公報参照)を有する同期電動機であるIPMモータの速度及びトルクの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、一般的なIPMモータの駆動装置の一構成例を示す構成ブロック図である。
本従来例は図5に示すように、負荷504に接続されたIPMモータ502と、IPMモータ502の回転を検出する回転検出器503と、IPMモータ502の駆動を制御する駆動制御装置500と、IPMモータ502と駆動制御装置500とを接続する信号ケーブル509及びケーブル505とから構成されており、駆動制御装置500内には、制御信号をIPMモータ502を駆動するための電力に変換する電力変換部501と、IPMモータ502の電機子に流れる電流及び回転磁界を制御するdq軸電流制御部511と、IPMモータ502の速度、トルク及び定出力特性等を制御するアプリケーション制御部521とが設けられている。
【0003】
上記のように構成された駆動装置においては、電力変換部501から出力された電力がケーブル505を介してIPMモータ502に供給され、IPMモータ502において供給された電力が回転子のトルクに変換されてその回転トルクによって負荷504が駆動する。また、IPMモータ502の回転は、回転検出器503によって検出され、信号ケーブル509を介して駆動制御装置500に入力される。
以下に、上述したIPMモータの制御装置における駆動方法について説明する。
図6は、図5に示した駆動装置におけるIPMモータの駆動方法を説明するためのブロック図である。
【0004】
まず、回転検出器503においてIPMモータ502の回転が検出され、検出された回転信号が信号ケーブル509を介してdq軸電流制御部511に入力される。
すると、dq軸電流制御部511内に設けられた回転位置信号演算器516において、入力された信号に基づいてIPMモータ502における磁極の回転角度θが算出され、算出結果が座標変換器A515及び座標変換器B512に入力される。
IPMモータ502における磁極の回転角度θが座標変換器A515に入力されると、座標変換器A515において、入力された磁極の回転角度θを用いて、電流検出器506において検出されたIPMモータ502に流れる3相の電流のうちu層とv層に流れる電流iu,ivが2相dq軸座標の信号Id,Iqに変換され、出力される。
【0005】
次に、アプリケーション制御部521において演算されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *に対し、座標変換器A515から出力されたd軸電流Id及びq軸電流Iqをそれぞれ帰還することによって得られたd軸電流制御偏差信号及びq軸電流制御偏差信号が比例積分演算器が備えられているd軸電流制御器514及びq軸電流制御器513にそれぞれ入力され、d軸電流制御偏差信号及びq軸電流制御偏差信号がd軸電流制御器514及びq軸電流制御器513においてぞれぞれ増幅されて出力される。
また、速度検出信号演算器517において、回転検出器503から出力された信号に基づいて電動機回転速度ωrが求められ、出力される。
次に、電動機回転速度ωr、d軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *がフィードフォワード補償器518に入力され、dq軸電流制御の外乱となっている誘起電圧を打ち消すための外乱補償信号が算出される。
【0006】
次に、フィードフォワード補償器518において算出された外乱補償信号とd軸電流制御器514から出力された信号とが加算され、d軸電圧指令Vd *として座標変換器B512に入力される。
同様に、フィードフォワード補償器518において算出された外乱補償信号とq軸電流制御器513から出力された信号とが加算され、q軸電圧指令Vq *として座標変換器B512に入力される。
次に、座標変換器B512において、d軸電圧指令Vd *及びq軸電圧指令Vq *のdq軸の2相電圧指令がVu *,Vv *,Vw *の3相の電圧指令に変換され、出力される。
次に、座標変換器B512から出力された3相指令Vu *,Vv *,Vw *がPWM制御器508に入力され、PWM制御器508に入力された3相指令Vu *,Vv *,Vw *に対応して電力変換器507が作動し、IPMモータ502における駆動制御に必要となる周波数で電圧が制御され、IPMモータ502の各相にiu,iv,iwの電流が流される。
【0007】
以下に、アプリケーション制御部521の動作について説明する。
速度検出信号演算器517から出力された電動機速度信号ωrが速度指令信号ωr *に対して帰還され、その偏差信号が比例積分器が備えられている速度制御器522に入力され、速度制御器522において増幅されてq軸電流指令信号Iq *としてdq軸電流制御部511に対して出力される。
ここで、電動機速度が定トルク制御領域の回転速度であるときは、最大トルク制御器523において、速度制御器522から出力されたq軸電流指令信号Iq *に対して以下の公知の数式14によって電動機トルクが最大となるd軸電流指令値Id1 *が算出され、出力される。
【0008】
【数32】
【0009】
但し、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]
(φ1:回転子永久磁石の1次鎖交磁束の最大値,Lq:q軸インダクタンス,Ld:d軸インダクタンス,I1r:電動機定格電流)とする。
一方、電動機速度が基準速度を超えた場合、定出力制御器524において、速度制御器522から出力されたq軸電流指令Iq *と速度検出信号演算器517から出力された電動機速度信号ωrとを用いて以下に示す公知の数式15によって電動機の使用上限電圧V1w付近でほぼ一定の電圧に制御するためのd軸電流指令Id2 *が算出され、出力される。
【0010】
【数33】
【0011】
その後、d軸電流指令値Id1 *及びd軸電流指令Id2 *が切替器525に入力され、切替器525において、電動機が定トルク領域で運転される場合は、最大トルク制御器523から出力されたd軸電流指令値Id1 *が、また、電動機が定出力領域で運転される場合は、定出力制御器524から出力されたd軸電流指令Id2 *がdq軸電流制御部511におけるd軸電流制御指令Id *としてdq軸電流制御部511に対して出力される。
そして、アプリケーション制御部521において演算されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *によってdq軸の電流が制御され、定トルク制御領域における最大トルク制御特性と、電動機速度が基準速度以上となった場合における定出力特性とが得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のものにおいては、以下に示す問題点があった。
(1)IPMモータのトルクTとd軸電流Id及びq軸電流Iqとの間に以下に示すような関係がある。
【0013】
【数34】
【0014】
(m1:1次相数,P:極対数,Lq:q軸インダクタンス,Ld:d軸インダクタンス,φ1:回転子永久磁石の1次鎖交磁石の最大値)
最大トルク制御においては、d軸電流が制御されているため、数式16においては電動機トルクTがq軸電流Iqとd軸電流Idの関数の積となっており、電動機トルクTは、速度制御の出力信号Iq *との間に比例関係がなく、非線形となる。
このため、d軸電流指令値を最大トルク制御によって変化させると、速度ループゲインが変化してしまい、安定性に欠け、扱い難い制御系となっている。
(2)定出力特性を得るために負のd軸電流を流して電動機の1次電圧が使用上限値付近でほぼ一定となるように制御しているため、速度制御器の出力信号は電動機トルクと比例関係似なく、非線型で安定性に欠け、扱い難い。
【0015】
(3)定出力制御が行われている場合、流れる電流の大きさによって磁界飽和の影響を受けてdq軸インダクタンスの値が変化するため、電動機に印加される電圧が不足したり、過電圧となって、安定で良好な出力特性を得ることができない。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、安定で良好な出力を得ることができるIPMモータの駆動装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以下に、上記目的を達成するための手段について述べる。
d軸電流Id及びq軸電流Iqは、d軸電流指令値Id *及びq軸電流指令値Iq *にそれぞれ従って制御されており、また、電動機トルクTは電動機トルク指令T*に従って制御されているので、定常状態においては以下の関係が成り立つ。
【0017】
【数35】
【0018】
但し、Trは定格トルクとし、I1rは極対数Pと回転子の永久磁石による1次鎖交磁束の最大値φ1により次の関係が成り立つように決定された定格電流とする。
【0019】
【数36】
【0020】
ここで、数式16を数式21及び数式22を用いて変形すると、
【0021】
【数37】
【0022】
但し、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]とし、φ1は回転子永久磁石による1次鎖交磁束の最大値、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンスである。
等価1次電流指令値をI1 *(p・u)として考えると、Id *とIq *との間に次の関係がある。
【0023】
【数38】
【0024】
最大トルク効率制御条件は、与えられたトルク指令値T*に対し、等価1次電流指令値I*が最小となるd軸電流指令値Id *の演算式より得られるので、数式24のI1 *のId *に対する変化率を求める。
【0025】
【数39】
【0026】
与えられたトルク指令値T*に対して等価1次電流指令値I1 *が最小となるのは、数式25の分子が0となる場合、すなわち、次式のId *に関する4次方程式の負の根Id1 *にd軸電流指令値Id *が等しくなる場合である。
【0027】
【数40】
【0028】
しかし、数式26の4次方程式を制御装置に組み込んで制御するには、演算時間がかかりすぎて高い応答が得られないので、次の近似式に基づいて制御する。
数式26においてI11は一般的に3以上の値となるので、Id */I11<<1として数式26の左辺の(1−Id */I11)3を次式のように近似する。
【0029】
【数41】
【0030】
数式27の近似を用いて数式26の方程式を解く。
【0031】
【数42】
【0032】
さらに、T*/I11<<1の場合は、数式28を近似する。
【0033】
【数43】
【0034】
Id1 */I11が1に接近した値となる場合は、次の方法によって近似根を求める。
数式26の左辺をG1(Id1 *)とする。
【0035】
【数44】
【0036】
G1(Id1 *)のId1 *に関する微分値をG1’(Id1 *)とすると、以下に示す数式31の近似演算を制御装置の演算サイクル毎に演算することにより、時間の経過に従って近似根Id1 *は真値に収束する。
【0037】
【数45】
【0038】
ここで、Id1 *(i−1)は前回の演算サイクルにおける演算結果であり、Id1 *(i)は今回の演算サイクルにおける演算結果である。
数式28、数式29及び数式31のいずれか1つを用いて得られた演算値Id1 *をd軸電流指令Id *とするとともにそのd軸電流指令Id *と前記トルク指令T*とから数式23に従って演算し、得られた値をq軸電流指令Iq *としてd軸とq軸の電流が制御される。
上述した数式28、数式29及び数式31のいずれか1つを用いて得られたd軸電流指令Id *、並びに、数式23によって算出されたq軸電流指令Iq *は、最大トルク効率点にて制御されるd軸電流指令Id *の近似値であるが、電動機定数の測定誤差や磁気飽和の影響を受けた場合、最大トルク効率点からはずれてしまうことになる。
【0039】
そこで、最大トルク効率点におけるd軸電流指令Id *を、予め測定した電動機定数から演算するのではなく、運転中の電動機に流れる1次電流から求めることができれば、電動機定数の測定誤差や磁気飽和の影響を受けずに制御を行うことが可能となる。
まず、電動機に流れる1次電流I1を、dq軸変換によって得られるdq軸電流Id,Iqを用いて次の数式から求める。
【0040】
【数46】
【0041】
上記数式から求められた1次電流I1とd軸電流Idとを用いて次の方法により1次電流I1のd軸電流Idに対する変化率を求める。
最大トルク効率制御においては、一定周期毎に演算が実行されているものとすると、今回の演算周期における1次電流値と前回の演算周期における1次電流値との差ΔI1と、今回の演算周期におけるd軸電流と前回の演算周期におけるq軸電流Idとの差ΔIdとの比、すなわちΔI1/ΔId=dI1/dIdを算出する。
次に、d軸電流Idに対する1次電流I1の変化率dI1/dIdを比例積分演算器によって増幅し、得られる信号をd軸電流補正信号Id4 *として、数式28、数式29及び数式31のいずれか1つにしたがって得られた演算値Id1 *から減ずることにより補正すれば、電動機定数の測定誤差や磁気飽和の影響を受けずに最大トルク効率点において制御が可能となる。
【0042】
以上は、電動機に流れる1次電流から最大トルク効率点におけるd軸電流を補正演算する手段であるが、dq軸電流Id,Iqはそれぞれ、dq軸電流指令Id *,Iq *に対して制御を行っているので、Id *≒Id,Iq *≒Iqとなる関係を用いて最大トルク効率点におけるdq軸電流指令の演算においてIdの代わりにId *、Iqの代わりにIq *を用いても同様の演算結果が得られ、同様の制御効果が得られる。
また、以下に電動機のd軸、q軸上の電圧Vd、Vqに関する公知の方程式を示す。
【0043】
【数47】
【0044】
【数48】
【0045】
(R:1次巻線1相分の抵抗値,Ld:d軸インダクタンス,Lq:q軸インダクタンス,ωI:1次電圧の角周波数,ωr:回転子の回転角速度,φ1:電動機1次鎖交磁束数の最大値,P:極対数)
また、1次電圧V1(相電圧)とd軸電圧Vd及びq軸電圧Vqとの間には次の関係がある。
【0046】
【数49】
【0047】
また、1次電圧の角周波数ωIと回転子の角周波数ωrとの間には次の関係がある。
【0048】
【数50】
【0049】
定出力制御領域において、1次電圧V1をV1w(相電圧)でほぼ一定となるように制御する条件を求める。
数式32と数式33のId,Iqの過渡項LdIdS,LqIqSを無視し、数式32のVdと数式33のVqを数式34に代入する。
【0050】
【数51】
【0051】
(ωrB:電動機の基準速度における回転角速度,V1r:電動機定格電圧(相電圧))
数式36の(Id/I1r)と(Iq/I1r)をd軸電流指令Id *とq軸電流指令Iq *に置き換える。
【0052】
【数52】
【0053】
ここで、係数kV1,kV2,kV3は次式による。
【0054】
【数53】
【0055】
数式37に数式23のIq *を代入し、整理すると、Id *に関する4次方程式が得られる。
【0056】
【数54】
【0057】
数式38におけるI11は、一般的には3以上の値となり、Id *<<1として数式38の左辺に次の数式39を近似して数式38の方程式の近似解Id *=Id2 *が得られる。
【0058】
【数55】
【0059】
【数56】
【0060】
Id2 */I11が1に接近した値となる場合は、次の方法によって近似解を求める。
数式38の左辺をG2(Id2 *)とし、その微分値をG2’(Id2 *)とすると、制御装置の演算サイクル毎に演算することにより時間の経過に従って近似根Id2 *は真値に収束する。
【0061】
【数57】
【0062】
ここで、Id2 *(i−1)は、前回の演算サイクルにおける演算結果であり、Id2 *(i)は今回の演算サイクルにおける演算結果である。
また、磁界飽和の影響が小さな場合においては、以下の方法が有効である。
数式28、数式29、数式31のいずれか1つを用いて演算し、得られた定トルク制御値のd軸電流指令値Id1 *と、数式40と数式41のいずれか1つを用いて算出された定出力制御時のd軸電流指令値Id2 *の2つの信号の中から最小値優先回路により符号付きで小さな値の信号を選別し、その信号をd軸電流指令Id *とする。
トルク指令T*とd軸電流指令Id *から数式23を用いてq軸電流指令Iq *を算出する。
【0063】
d軸電流指令Id *とq軸電流指令Iq *に従ってd軸とq軸の電流を制御することにより定トルク制御と定出力制御をバンプレスに切り替え、定出力制御では電動機の1次電圧が使用上限値付近でほぼ一定値に維持されるものである。
また、電動機の端子電圧が磁気飽和の影響によるインダクタンスの変化に連動して変化することに着目してd軸電流制御ループ内にあるd軸電圧指令値Vd *とq軸電流制御ループ内にあるq軸電圧指令値Vq *とから磁気飽和の影響を受けた1次電圧指令値V1 *を次の数式により演算する。
【0064】
【数58】
【0065】
磁気飽和の影響が大きな場合、電動機の使用上限電圧V1wと数式42にしたがって求めた1次電圧指令値V1 *との偏差信号を比例積分演算器により増幅して得られたd軸電流補正信号Id3 *を数式28、数式29、数式31のいずれか1つの演算式より求めたd軸電流指令値Id1 *に加えることによって得られたd軸電流指令Id *によりd軸の電流を制御し、そのd軸電流指令Id *と電動機トルク指令T*から数式23に従って演算したq軸電流指令Iq *によりq軸の電流を制御することにより、定出力制御領域の電動機に対して電圧を電動機の使用上限値電圧V1wの付近のほぼ一定値になるように制御される。
(作用)
d軸とq軸の電流を制御することにより、電動機トルクに対して1次電流I1が最小の値となるように制御され、かつ、電動機トルクが速度制御器より出力されるトルク指令T*に比例するように制御される。
【0066】
また、電動機の定出力制御領域における電動機の端子電圧が電動機の使用上限電圧付近でほぼ一定値に維持され、かつ、電動機トルクが速度制御器より出力されるトルク指令値T*に比例するように制御される。
また、電動機定数の測定誤差や磁気飽和の影響を受けてd軸とq軸のインダクタンスが変化する場合においても、最大トルク効率点へのd軸電流指令Id *の補正演算を行い、dq軸の電流を制御することにより、電動機トルクに対して1次電流I1が最小の値となるように制御され、かつ、電動機トルクが速度制御器から出力されるトルク指令T*に比例するように制御される。
また、電動機の定出力制御領域における電動機の端子電圧が電動機の使用上限電圧付近でほぼ一定値に維持され、かつ、電動機トルクが速度制御器より出力されるトルク指令T*に比例するように制御される。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のIPMモータの制御装置の第1の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
本形態は図1に示すように、負荷4に接続されたIPMモータ2と、IPMモータ2の回転を検出する回転検出器3と、制御信号をIPMモータ2を駆動するための電力に変換する電力変換部1と、IPMモータ2の電機子に流れる電流及び回転磁界を制御するdq軸電流制御部11と、IPMモータ2の速度、トルク及び定出力特性等を制御するアプリケーション制御部21と、IPMモータ2とdq軸電流制御部11とを接続する信号ケーブル9と、IPMモータ2と電力変換部1とを接続するケーブル5とから構成されている。
【0068】
以下に、上記のように構成されたIPMモータの制御装置におけるIPMモータの駆動方法について説明する。
まず、回転検出器3においてIPMモータ2の回転が検出され、検出された回転信号が信号ケーブル9を介してdq軸電流制御部11に入力される。
すると、dq軸電流制御部11内に設けられた回転位置信号演算器16において、入力された信号に基づいてIPMモータ2における磁極の回転角度θが算出され、算出結果が座標変換器A15及び座標変換器B12に入力される。
IPMモータ2における磁極の回転角度θが座標変換器A15に入力されると、座標変換器A15において、入力された磁極の回転角度θを用いて、電流検出器6において検出されたIPMモータ2に流れる3相の電流のうちu層とv層に流れる電流iu,ivが2相dq軸座標の信号Id,Iqに変換され、出力される。
【0069】
次に、アプリケーション制御部21において演算されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *に対し、座標変換器A15から出力されたd軸電流Id及びq軸電流Iqをそれぞれ帰還することによって得られたd軸電流制御偏差信号及びq軸電流制御偏差信号が、比例積分演算器が備えられているd軸電流制御器14及びq軸電流制御器13にそれぞれ入力され、d軸電流制御偏差信号及びq軸電流制御偏差信号がd軸電流制御器14及びq軸電流制御器13においてぞれぞれ増幅されて出力される。
また、速度検出信号演算器17において、回転検出器3から出力された信号に基づいて電動機回転速度ωrが求められ、出力される。
次に、電動機回転速度ωr、d軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *がフィードフォワード補償器18に入力され、dq軸電流制御の外乱となっている誘起電圧を打ち消すための外乱補償信号が算出される。
【0070】
次に、フィードフォワード補償器18において算出された外乱補償信号とd軸電流制御器14から出力された信号とが加算され、d軸電圧指令Vd *として座標変換器B12に入力される。
同様に、フィードフォワード補償器18において算出された外乱補償信号とq軸電流制御器13から出力された信号とが加算され、q軸電圧指令Vq *として座標変換器B12に入力される。
次に、座標変換器B12において、d軸電圧指令Vd *及びq軸電圧指令Vq *のdq軸の2相電圧指令がVu *,Vv *,Vw *の3相の電圧指令に変換され、出力される。
次に、座標変換器B12から出力された3相指令Vu *,Vv *,Vw *がPWM制御器8に入力され、PWM制御器8に入力された3相指令Vu *,Vv *,Vw *に対応して電力変換器7が作動し、IPMモータ2における駆動制御に必要となる周波数で電圧が制御され、IPMモータ2の各相にiu,iv,iwの電流が流される。
【0071】
以下に、アプリケーション制御部21の動作について説明する。
速度検出信号演算器17から出力された電動機速度信号ωrが速度指令信号ωr *に対して帰還され、その偏差信号が比例積分器が備えられている速度制御器22に入力され、速度制御器22において増幅されて電動機トルク指令T*として最大トルク効率制御d軸電流指令演算器27、定出力制御d軸電流指令値演算器33及びq軸電流指令演算器26に対して出力される。
すると、最大トルク効率制御d軸電流指令演算器27において、電動機トルク指令T*を用いて数式28、数式29及び数式31のいずれか1つにしたがってd軸電流指令演算値Id1 *が算出される。
また、定出力制御d軸電流指令値演算器33においては、電動機トルク指令T*と速度検出信号演算器17から出力された電動機速度検出信号ωrとを用いて数式40、数式41のいずれか1つにしたがってd軸電流指令値Id2 *が算出される。
【0072】
次に、最小値優先回路34において、d軸電流指令値Id1 *とId2 *との2つの信号の中から符号付で小さな信号が選択され、d軸電流指令Id *として出力される。
その後、q軸電流指令演算器26において、電動機トルク指令T*とd軸電流指令Id *とを用いて数式23にしたがってq軸電流指令Iq *が算出される。
以上のように算出されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *がdq軸電流制御部11に出力され、d軸とq軸の電流が制御される。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明のIPMモータの制御装置の第2の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【0073】
本形態は図2に示すように、図1に示したものと比べてアプリケーション制御部121における制御のみが異なるものであり、他の制御においては同様であるため、アプリケーション制御部121における制御のみついて以下に説明する。
速度検出信号演算器117から出力された電動機速度信号ωrが速度指令信号ωr *に対して帰還され、その偏差信号が比例積分器が備えられている速度制御器122に入力され、増幅されて得られた信号が電動機トルク指令T*として最大トルク効率制御d軸電流指令演算器127及びq軸電流指令演算器126に対して出力される。
すると、最大トルク効率制御d軸電流指令演算器127において、電動機トルク指令T*を用いて数式25、数式26及び数式27のいずれか1つにしたがってd軸電流指令Id1 *が算出される。
【0074】
また、定出力制御d軸電流補正演算器128においては、電動機1次電圧指令値演算器132において、定出力領域での電動機1次電圧使用上限値とdq軸電流制御部111から出力される電動機d軸電圧指令値Vd *及びq軸電圧指令値Vq *とを用いて数式42にしたがって演算が行われ、その後、比例積分演算器129において1次電圧指令値V1 *の偏差信号が増幅され、その後、信号制御器131において、比例積分演算器129から出力される信号が正であれば0が出力され、負であれば比例積分演算器129から出力される信号がそのままd軸電流指令補正信号Id3 *として出力される。
定出力制御d軸電流補正値演算器128からd軸電流指令補正信号Id3 *が出力されると、最大トルク効率制御のd軸電流指令値Id1 *に定出力制御時のd軸電流指令補正値Id3 *が加えられ、補正されることによってd軸電流指令Id *が算出される。
【0075】
その後、q軸電流指令演算器126において、電動機トルク指令T*とd軸電流指令Id *とを用いて数式23にしたがってq軸電流指令Iq *が算出される。
以上のように算出されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *にしたがってd軸とq軸の電流が制御される。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明のIPMモータの制御装置の第3の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
本形態は図3に示すように、図1に示したものと比べてアプリケーション制御部221における制御のみが異なるものであり、他の制御においては同様であるため、アプリケーション制御部221における制御のみついて以下に説明する。
【0076】
速度検出信号演算器217から出力された電動機速度信号ωrが速度指令信号ωr *に対して帰還され、その偏差信号が比例積分器が備えられている速度制御器222に入力され、増幅されて得られた信号が電動機トルク指令T*として最大トルク効率制御d軸電流指令演算器227及びq軸電流指令演算器226に対して出力される。
すると、最大トルク効率制御d軸電流指令演算器227において、電動機トルク指令T*を用いて数式28、数式29及び数式31のいずれか1つにしたがってd軸電流指令Id1 *が算出される。
また、d軸電流指令補正演算器233においては、1次電流演算器234において、電動機に流れる1次電流を座標変換器A215においてdq軸変換することによって得られるdq軸電流Id,Iqを用いて数式32にしたがって1次電流I1が算出され、その後、微分演算器235において、1次電流演算器234にて算出された1次電流I1のd軸電流Idに対する変化率が求められ、その後、比例積分演算器229において、微分演算器235にて算出された変化率が増幅されてd軸電流補正信号Id4 *として出力される。
【0077】
そして、最大トルク効率制御d軸電流指令演算器227において算出されたd軸電流指令Id1 *からd軸電流補正信号Id4 *が減算されて補正されることによってd軸電流指令Id *が算出される。
その後、q軸電流指令演算器226において、電動機トルク指令T*とd軸電流指令Id *とを用いて数式23にしたがってq軸電流指令Iq *が算出される。
以上のように算出されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *がdq軸電流制御部211に出力され、d軸とq軸の電流が制御される。
(第4の実施の形態)
図4は、本発明のIPMモータの制御装置の第4の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【0078】
本形態は図4に示すように、図3に示したものと比べて、図3に示したものが、1次電流からdq軸変換を行って得られるdq軸電流Id,Idを用いてd軸電流補正信号Id4 *が算出されているのに対して、本形態は、d軸電流指令補正演算器333においてdq軸電流Id,Idの代わりにdq軸電流指令信号Id *,Id *を用いて図3に示したものと同様な演算によりd軸電流補正信号Id4 *が算出されているものであり、他の制御については図3に示したものと同様である。
そして、最大トルク効率制御d軸電流指令演算器327において算出されたd軸電流指令Id1 *からd軸電流補正信号Id4 *が減算されて補正されることによってd軸電流指令Id *が算出される。
その後、q軸電流指令演算器326において、電動機トルク指令T*とd軸電流指令Id *とを用いて数式23にしたがってq軸電流指令Iq *が算出される。
【0079】
以上のように算出されたd軸電流指令Id *及びq軸電流指令Iq *がdq軸電流制御部311に出力され、d軸とq軸の電流が制御される。
【0080】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載するような効果を奏する。
電動機トルクと速度制御器により出力される電動機トルク指令間のリニアリティは、常に良好に維持されるとともに定トルク制御領域では、最大トルク効率状態となるようにd軸電流とq軸電流が制御可能となり、定出力制御領域においても電動機1次電圧が電動機使用上限電圧付近において、ほぼ一定値となるようにd軸電流とq軸電流が制御可能となり、非線形な制御特性が改善され、安定性が高く、良好な制御特性を得ることができる。
また、電動機定数の測定誤差や磁気飽和の影響を受けてd軸とq軸のインダクタンスが変化する場合であっても、最大トルク効率点へのd軸電流指令Id *の補正演算を行い、dq軸の電流を制御することにより、電動機トルクに対して1次電流I1が最小の値となるように制御され、かつ、電動機トルクが速度制御器から出力されるトルク指令T*に比例するように制御されるため、安定性の高い制御特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のIPMモータの制御装置の第1の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】本発明のIPMモータの制御装置の第2の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】本発明のIPMモータの制御装置の第3の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【図4】本発明のIPMモータの制御装置の第4の実施の形態を示すブロックダイヤグラムである。
【図5】一般的なIPMモータの駆動装置の一構成例を示す構成ブロック図である。
【図6】図5に示した駆動装置におけるIPMモータの駆動方法を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1,101,201,301 電力変換部
2,102,202,302 IPMモータ
3,103,203,303 回転検出器
4,104,204,304 負荷
5,105,205,305 電動機回路ケーブル
6,106,206,306 電流検出器
7,107,207,307 電力変換器
8,108,208,308 PWM制御器
9,109,209,309 信号ケーブル
11,111,211,311 dp軸電流制御部
12,112,212,312 座標変換器B
13,113,213,313 q軸電流制御器
14,114,214,314 d軸電流制御器
15,115,215,315 座標変換器A
16,116,216,316 回転位置信号演算器
17,117,217,317 速度検出信号演算器
18,118,218,318 フィードフォワード補償器
21,121,221,321 アプリケーション制御部
22,122,222,322 速度制御器
26,126,226,326 q軸電流指令演算器
27,127,227,327 最大トルク効率制御d軸電流指令演算器
33 定出力制御d軸電流指令値演算器
34 最小値優先回路
128 定出力制御d軸電流指令補正演算器
129,229,329 比例積分演算器
131 信号制限器
132 電動機1次電圧指令値演算器
233,333 d軸電流指令補正演算器
234,334 1次電流演算器
235,335 微分演算器
Claims (11)
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器を設け、
電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、電動機定格電流をI1rとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]とし、かつ、前記速度制御器より出力される電動機トルク指令をT*として、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器を設け、
電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、電動機定格電流をI1rとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]とし、かつ、前記速度制御器より出力される電動機トルク指令をT*として、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを周期演算を用いて制御するIPMモータの制御方法において、 電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、電動機定格電流をI1rとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]とし、かつ、G1’(Id1 *)をG1(Id1 *)の微分値とした場合に、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
前記d軸電流の値を制御するd軸電流指令が複数ある場合に最小のd軸電流指令を選択する最小値優先回路を設け、
電動機1次使用上限電圧をV1w、電動機速度をωr、電動機基準速度角周波数をωrB、電動機1次定格電圧をV1r、電動機定格電流をT1r、電動機極対数をPとした場合に、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを周期演算を用いて制御するIPMモータの制御方法において、 前記d軸電流の値を制御するd軸電流指令が複数ある場合に最小のd軸電流指令を選択する最小値優先回路を設け、
電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、電動機定格電流をI1rとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]とし、かつ、G2’(Id2 *)をG2(Id2 *)の微分値とした場合に、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータに接続され、前記IPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを周期演算を用いて制御するIPMモータの制御装置において、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御を行う最大トルク効率制御d軸電流指令演算器及びq軸電流指令指令演算器と、
請求項4または請求項5に記載の制御を行う定出力制御d軸電流指令演算器と、
前記d軸電流の値を制御するd軸電流指令が複数ある場合に最小のd軸電流指令を選択する最小値優先回路と、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器とを有することを特徴とするIPMモータの制御装置。 - 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
電動機の使用上限電圧をV1w、d軸電流制御ループ内にあるd軸電圧指令値をVd *、q軸電流制御ループ内にあるq軸電圧指令値をVq *とした場合、
前記電動機使用上限電圧V1Wと前記電動機1次電圧指令値V1 *との偏差の信号を比例積分演算器より増幅した値をId30 *とし、
Id30 *が正であれば、d軸電流指令補正信号Id3 *=0とし、Id30 *が負であれば、Id3 *=Id30 *とし、
該d軸電流指令補正信号Id3 *を、
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータに接続され、前記IPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを周期演算を用いて制御するIPMモータの制御装置において、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御を行う最大トルク効率制御d軸電流指令演算器及びq軸電流指令指令演算器と、
請求項7に記載の制御を行う定出力制御d軸電流指令演算器と、
前記d軸電流の値を制御するd軸電流指令が複数ある場合に最小のd軸電流指令を選択する最小値優先回路と、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器とを有することを特徴とするIPMモータの制御装置。 - 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器と、
入力される信号を増幅して出力する比例積分演算器とを設け、
電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、相数をm、極対数をP、定格トルクをTrとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]、I1r=Tr/(mPφ1)とし、かつ、前記速度制御器より出力される電動機トルク指令をT*、d軸電流指令をId *、q軸電流指令をIq *、電動機に流れる電動機1次電流をdq軸変換することによって得られるd軸電流をId、q軸電流指令をIqとして、
前記d軸電流指令Id *に対する前記電動機1次電流指令I1 *の変化率dI1 */dId *を0とするd軸電流指令Id *に関する方程式
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを制御するIPMモータの制御方法において、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器と、
入力される信号を増幅して出力する比例積分演算器とを設け、
電動機1次鎖交磁束の最大値をφ1、q軸インダクタンスをLq、d軸インダクタンスをLd、相数をm、極対数をp、定格トルクをTrとした場合に、I11=φ1/[(Lq−Ld)I1r]、I1r=Tr/(mpφ1)とし、かつ、前記速度制御器より出力される電動機トルク指令をT*、d軸電流指令をId *、q軸電流指令をIq *として、
前記d軸電流指令Id *に対する前記電動機1次電流指令I1 *の変化率dI1 */dId *を0とするd軸電流指令Id *に関する方程式
- 回転子内部に永久磁石が埋め込まれた構造を有する同期電動機であるIPMモータに接続され、前記IPMモータのd軸電流及びq軸電流を制御することによって前記IPMモータの速度とトルクを周期演算を用いて制御するIPMモータの制御装置において、
請求項9または請求項10に記載のIPMモータの制御方法による制御を行う最大トルク効率制御d軸電流指令演算器及びq軸電流指令指令演算器と、
前記IPMモータの速度とトルクを制御する速度制御器とを有することを特徴とするIPMモータの制御装置。
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