JP2833426B2 - 誘導モータ制御装置 - Google Patents
誘導モータ制御装置Info
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- JP2833426B2 JP2833426B2 JP5207418A JP20741893A JP2833426B2 JP 2833426 B2 JP2833426 B2 JP 2833426B2 JP 5207418 A JP5207418 A JP 5207418A JP 20741893 A JP20741893 A JP 20741893A JP 2833426 B2 JP2833426 B2 JP 2833426B2
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- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気自動車等に用い
られる誘導モータの制御装置に関し、特に、その高効率
駆動制御技術に関する。
られる誘導モータの制御装置に関し、特に、その高効率
駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導モータの制御方法としては、
例えば、特開平2−23085号公報に記載されている
ものがある。この制御方法は、従来のd−q軸座標によ
る誘導モータモデルのd軸成分にのみRMという鉄損抵
抗を新たに設けて、誘導モータの損失(銅損、鉄損)を
記述し、これらの損失が定常時に最小となるように誘導
モータを駆動するものである。具体的には、誘導モータ
のトルク制御方法として一般的に用いられているベクト
ル制御を用い、定常損失最小の条件から導出されたすべ
り周波数で制御するものである。鉄損抵抗RMはモータ
回転速度に応じて変化するので、モータ回転速度から鉄
損抵抗RMのテーブルマップを読み取り、損失最小条件
式を解けば、損失最小すべり周波数が得られる。ベクト
ル制御を用いた場合に、誘導モータの損失として銅損を
考えると、銅損Lcは下記(数1)式のようになる。
例えば、特開平2−23085号公報に記載されている
ものがある。この制御方法は、従来のd−q軸座標によ
る誘導モータモデルのd軸成分にのみRMという鉄損抵
抗を新たに設けて、誘導モータの損失(銅損、鉄損)を
記述し、これらの損失が定常時に最小となるように誘導
モータを駆動するものである。具体的には、誘導モータ
のトルク制御方法として一般的に用いられているベクト
ル制御を用い、定常損失最小の条件から導出されたすべ
り周波数で制御するものである。鉄損抵抗RMはモータ
回転速度に応じて変化するので、モータ回転速度から鉄
損抵抗RMのテーブルマップを読み取り、損失最小条件
式を解けば、損失最小すべり周波数が得られる。ベクト
ル制御を用いた場合に、誘導モータの損失として銅損を
考えると、銅損Lcは下記(数1)式のようになる。
【0003】
【数1】
【0004】ただし、Te:トルク、ωse:すべり周波
数、φr:回転子磁束、P:極対数、M:相互インダク
タンス、Lr:回転子自己インダクタンス、Rr:回転子
抵抗、Rs:固定子抵抗、K1、K2:モータによって決
まる定数であり、また、各電流成分iγs、iδs、i
γr、iδrにおいて、添字γ、δは各軸成分、rは回転
子、sは固定子を表わす。よって、定常時を考えればd/
dt φr=0となるので、銅損Lcを最小とするすべり周
波数ωoptは下記(数2)式のようになる。
数、φr:回転子磁束、P:極対数、M:相互インダク
タンス、Lr:回転子自己インダクタンス、Rr:回転子
抵抗、Rs:固定子抵抗、K1、K2:モータによって決
まる定数であり、また、各電流成分iγs、iδs、i
γr、iδrにおいて、添字γ、δは各軸成分、rは回転
子、sは固定子を表わす。よって、定常時を考えればd/
dt φr=0となるので、銅損Lcを最小とするすべり周
波数ωoptは下記(数2)式のようになる。
【0005】
【数2】
【0006】このすべり周波数(定常損失最小すべり周
波数ωopt)を保つようにすれば、高効率運転が可能と
なる。ところが、ベクトル制御では、すべり周波数ωse
とトルク電流iTおよび回転子磁束φrとの間に下記(数
3)式が成立していなければならない。
波数ωopt)を保つようにすれば、高効率運転が可能と
なる。ところが、ベクトル制御では、すべり周波数ωse
とトルク電流iTおよび回転子磁束φrとの間に下記(数
3)式が成立していなければならない。
【0007】
【数3】
【0008】(数3)式から判るように、すべり周波数
ωseを(数2)式のωoptに保つということは、トルク
電流iTと回転子磁束φrとの比を一定にすることを意味
している。また、ベクトル制御では、トルクTeは下記
(数4)式で示される。
ωseを(数2)式のωoptに保つということは、トルク
電流iTと回転子磁束φrとの比を一定にすることを意味
している。また、ベクトル制御では、トルクTeは下記
(数4)式で示される。
【0009】
【数4】
【0010】また、回転子磁束φrと励磁電流iφとの
関係は、下記(数5)式で与えられる。
関係は、下記(数5)式で与えられる。
【0011】
【数5】
【0012】したがって、(数3)式と(数4)式から
トルク電流iTを消去すると、トルク指令値Te'に対し
て、定常損失を最小とする回転子磁束φr'は、下記(数
6)式で与えられる。
トルク電流iTを消去すると、トルク指令値Te'に対し
て、定常損失を最小とする回転子磁束φr'は、下記(数
6)式で与えられる。
【0013】
【数6】
【0014】上記のφr'を前記(数4)式に代入する
と、この時のトルク電流iTは、下記(数7)式で示さ
れる。
と、この時のトルク電流iTは、下記(数7)式で示さ
れる。
【0015】
【数7】
【0016】一方、励磁電流iφは前記(数5)式でφ
r=φr'として計算できるが、(数5)式にはd/dt φr
が含まれているため、トルク指令値Te'が急激に変化し
た場合にはiφの過渡電流が増加してしまう。
r=φr'として計算できるが、(数5)式にはd/dt φr
が含まれているため、トルク指令値Te'が急激に変化し
た場合にはiφの過渡電流が増加してしまう。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の誘
導モータ制御方法においては、損失最小条件をモータの
定常特性から導出し、過渡特性を考慮していないため、
モータトルクの過渡応答時の損失は最小とはならない。
そして、従来方法のように、すべり周波数をモータ回転
速度のみの関数にしてしまうと、トルク指令値がステッ
プ的に変化した場合には、回転子磁束をステップ的に変
化させる必要があり、そのためには過渡的に大電流を流
す必要がある。したがって、従来技術のように過渡特性
を考慮しないで損失最小条件を設定した場合には、モー
タの過渡損失の増加やモータ駆動装置の電流容量増加を
招くという問題がある。逆に、電流容量を増加させない
ように設定すれば、トルクレスポンスを遅くしなければ
ならない、という問題が生じる。本発明は、上記のごと
き従来技術の問題を解決するためになされたものであ
り、定常損失ばかりでなく過渡損失も低減することので
きる誘導モータ制御装置を提供することを目的とする。
導モータ制御方法においては、損失最小条件をモータの
定常特性から導出し、過渡特性を考慮していないため、
モータトルクの過渡応答時の損失は最小とはならない。
そして、従来方法のように、すべり周波数をモータ回転
速度のみの関数にしてしまうと、トルク指令値がステッ
プ的に変化した場合には、回転子磁束をステップ的に変
化させる必要があり、そのためには過渡的に大電流を流
す必要がある。したがって、従来技術のように過渡特性
を考慮しないで損失最小条件を設定した場合には、モー
タの過渡損失の増加やモータ駆動装置の電流容量増加を
招くという問題がある。逆に、電流容量を増加させない
ように設定すれば、トルクレスポンスを遅くしなければ
ならない、という問題が生じる。本発明は、上記のごと
き従来技術の問題を解決するためになされたものであ
り、定常損失ばかりでなく過渡損失も低減することので
きる誘導モータ制御装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、従来と同様のベクトル制御演算部とモータ駆動
部の他に、トルク指令値と、そのときの動作状態におい
て誘導モータの定常損失を最小にするすべり周波数ω
optとを入力し、与えられたトルク指令値において定常
損失を最小とする回転子磁束を演算する定常損失最小磁
束演算部と、上記トルク指令値を入力し、遮断周波数ω
Tのローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導モー
タの目標トルクを演算する目標トルク演算部と、上記目
標トルク伝達関数の遮断周波数ωTと上記定常損失を最
小にするすべり周波数ωoptとを入力し、目標磁束伝達
関数の遮断周波数ωφを演算する目標磁束遮断周波数演
算部と、上記定常損失最小磁束を入力し、上記目標磁束
遮断周波数演算部で設定された遮断周波数ωφのローパ
ス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標
磁束の一階微分値を演算する目標磁束演算部と、を設け
ている。上記の目標磁束遮断周波数演算部は、例えば請
求項2に記載するごとく、目標トルク伝達関数の遮断周
波数ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωoptとか
ら、下記の式に基づいて目標磁束伝達関数の遮断周波数
ωφを演算するものである。 ωφ=√(ωT・ωopt) また、上記の定常損失を最小にするすべり周波数ωopt
は、例えば請求項3に記載のごとく、少なくとも誘導モ
ータの温度を含む動作変数に基づいて設定される値であ
る。なお、上記の目標トルク伝達関数の遮断周波数ωT
は、例えば一定値でもよいし、または駆動用電源(車載
バッテリ)の充電状態等に応じて変化する値を与えるよ
うに構成してもよい。また、上記の定常損失最小磁束演
算部、目標磁束演算部、目標トルク演算部および目標磁
束遮断周波数演算部は、例えば、後記図1の実施例にお
ける定常損失最小磁束演算部11、目標磁束演算部1
2、目標トルク演算部14および目標磁束遮断周波数演
算部19にそれぞれ相当する。また、電流指令値は、例
えば後記図1または図2の実施例における励磁電流指令
値iφ'、トルク電流指令値iT'および電流の位相角θ
に相当する。
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、従来と同様のベクトル制御演算部とモータ駆動
部の他に、トルク指令値と、そのときの動作状態におい
て誘導モータの定常損失を最小にするすべり周波数ω
optとを入力し、与えられたトルク指令値において定常
損失を最小とする回転子磁束を演算する定常損失最小磁
束演算部と、上記トルク指令値を入力し、遮断周波数ω
Tのローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導モー
タの目標トルクを演算する目標トルク演算部と、上記目
標トルク伝達関数の遮断周波数ωTと上記定常損失を最
小にするすべり周波数ωoptとを入力し、目標磁束伝達
関数の遮断周波数ωφを演算する目標磁束遮断周波数演
算部と、上記定常損失最小磁束を入力し、上記目標磁束
遮断周波数演算部で設定された遮断周波数ωφのローパ
ス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標
磁束の一階微分値を演算する目標磁束演算部と、を設け
ている。上記の目標磁束遮断周波数演算部は、例えば請
求項2に記載するごとく、目標トルク伝達関数の遮断周
波数ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωoptとか
ら、下記の式に基づいて目標磁束伝達関数の遮断周波数
ωφを演算するものである。 ωφ=√(ωT・ωopt) また、上記の定常損失を最小にするすべり周波数ωopt
は、例えば請求項3に記載のごとく、少なくとも誘導モ
ータの温度を含む動作変数に基づいて設定される値であ
る。なお、上記の目標トルク伝達関数の遮断周波数ωT
は、例えば一定値でもよいし、または駆動用電源(車載
バッテリ)の充電状態等に応じて変化する値を与えるよ
うに構成してもよい。また、上記の定常損失最小磁束演
算部、目標磁束演算部、目標トルク演算部および目標磁
束遮断周波数演算部は、例えば、後記図1の実施例にお
ける定常損失最小磁束演算部11、目標磁束演算部1
2、目標トルク演算部14および目標磁束遮断周波数演
算部19にそれぞれ相当する。また、電流指令値は、例
えば後記図1または図2の実施例における励磁電流指令
値iφ'、トルク電流指令値iT'および電流の位相角θ
に相当する。
【0019】
【作用】上記のごとく、本発明においては、定常損失最
小磁束演算部と目標磁束演算部と目標トルク演算部と目
標磁束遮断周波数演算部とを一般的なベクトル制御演算
部に付加し、トルク応答性と磁束応答性とを独立に可変
できる制御系構成とし、かつ、目標トルク伝達関数の遮
断周波数ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωopt
とから目標磁束伝達関数の遮断周波数ωφを演算してい
るので、モータの動作状況や目標トルク応答の変化、あ
るいは変更があった場合にも、常に過渡時の損失を最小
とするように制御することが出来る。したがって、定常
時の高効率運転だけでなく、応答性を保ちながら、過渡
損失を軽減することが出来、モータの諸定数あるいは目
標トルク応答が変化した場合でも、目標磁束応答をリア
ルタイムで修正し、広い動作領域において過渡損失、定
常損失を最小にすることが出来る。また、請求項2に記
載のごとき簡単な式によって過渡損失を最小とする目標
磁束応答を演算できるので、構成が簡略になり、演算装
置のメモリを少なくすることが可能である。
小磁束演算部と目標磁束演算部と目標トルク演算部と目
標磁束遮断周波数演算部とを一般的なベクトル制御演算
部に付加し、トルク応答性と磁束応答性とを独立に可変
できる制御系構成とし、かつ、目標トルク伝達関数の遮
断周波数ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωopt
とから目標磁束伝達関数の遮断周波数ωφを演算してい
るので、モータの動作状況や目標トルク応答の変化、あ
るいは変更があった場合にも、常に過渡時の損失を最小
とするように制御することが出来る。したがって、定常
時の高効率運転だけでなく、応答性を保ちながら、過渡
損失を軽減することが出来、モータの諸定数あるいは目
標トルク応答が変化した場合でも、目標磁束応答をリア
ルタイムで修正し、広い動作領域において過渡損失、定
常損失を最小にすることが出来る。また、請求項2に記
載のごとき簡単な式によって過渡損失を最小とする目標
磁束応答を演算できるので、構成が簡略になり、演算装
置のメモリを少なくすることが可能である。
【0020】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例図であり、図1は
図2における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロ
ック図、図2はシステム全体の構成を示すブロック図で
ある。まず、図2において、1は高効率駆動制御演算部
(詳細後述)であり、例えば、アクセルペダル等の操作
量に対応したトルク指令値Te'と回転速度センサ5で検
出したモータ回転速度N(rpm)とを入力し、励磁電流
指令値iφ'、トルク電流指令値iT'および電流の位相
角θを演算して出力する。なお、高効率駆動制御演算部
1には、定常損失最小すべり周波数ωoptと目標トルク
伝達関数の遮断周波数ωTも入力する(詳細後述)。ま
た、2は座標変換部であり、モータの電源周波数で回転
する座標系で演算された上記の励磁電流指令値iφ'、
トルク電流指令値iT'および電流の位相角θを三相交流
電流指令値iu'、iv'、iw'に変換する。3は電流制御
PWM(パルス幅変調)インバータであり、誘導モータ
4に流れる三相交流電流iu、iv、iwをそれぞれの指
令値に追従させる。5は誘導モータ4の回転速度を検出
する回転速度センサ、6は電流制御PWMインバータ3
に電力を供給する直流電源(誘導モータ駆動用電源)で
ある。
図1および図2は、本発明の一実施例図であり、図1は
図2における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロ
ック図、図2はシステム全体の構成を示すブロック図で
ある。まず、図2において、1は高効率駆動制御演算部
(詳細後述)であり、例えば、アクセルペダル等の操作
量に対応したトルク指令値Te'と回転速度センサ5で検
出したモータ回転速度N(rpm)とを入力し、励磁電流
指令値iφ'、トルク電流指令値iT'および電流の位相
角θを演算して出力する。なお、高効率駆動制御演算部
1には、定常損失最小すべり周波数ωoptと目標トルク
伝達関数の遮断周波数ωTも入力する(詳細後述)。ま
た、2は座標変換部であり、モータの電源周波数で回転
する座標系で演算された上記の励磁電流指令値iφ'、
トルク電流指令値iT'および電流の位相角θを三相交流
電流指令値iu'、iv'、iw'に変換する。3は電流制御
PWM(パルス幅変調)インバータであり、誘導モータ
4に流れる三相交流電流iu、iv、iwをそれぞれの指
令値に追従させる。5は誘導モータ4の回転速度を検出
する回転速度センサ、6は電流制御PWMインバータ3
に電力を供給する直流電源(誘導モータ駆動用電源)で
ある。
【0021】次に、図1において、11は定常損失最小
磁束演算部、12は目標磁束演算部、13は励磁電流演
算部、14は目標トルク演算部、15はトルク電流演算
部、16はすべり周波数演算部、17はモータ回転数演
算部、18は積分演算部、19は目標磁束遮断周波数演
算部である。なお、励磁電流演算部13、トルク電流演
算部15、すべり周波数演算部16、モータ回転数演算
部17および積分演算部18は、一般的なベクトル制御
演算を行なう部分である。
磁束演算部、12は目標磁束演算部、13は励磁電流演
算部、14は目標トルク演算部、15はトルク電流演算
部、16はすべり周波数演算部、17はモータ回転数演
算部、18は積分演算部、19は目標磁束遮断周波数演
算部である。なお、励磁電流演算部13、トルク電流演
算部15、すべり周波数演算部16、モータ回転数演算
部17および積分演算部18は、一般的なベクトル制御
演算を行なう部分である。
【0022】次に作用を説明するが、最初に各演算部の
概略の動作を説明し、続いて本実施例の特徴とする部分
について詳細に説明する。図1において、目標磁束遮断
周波数演算部19は、目標トルク伝達関数の遮断周波数
ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωoptとを入力
し、目標磁束伝達関数の遮断周波数ωφを演算する。上
記の定常損失最小すべり周波数ωoptは、例えば誘導モ
ータの温度に応じて予め設定されたマップから読み出さ
れた値である。また、上記の目標トルク伝達関数の遮断
周波数ωTは、一定値でもよいが、例えば駆動用電源
(車載バッテリ)の充電状態(残存容量)等に応じて可
変にしてもよい。また、定常損失最小磁束演算部11
は、トルク指令値Te'と定常損失最小すべり周波数ω
optとを入力し、そのトルク指令値Te'において定常状
態での損失(銅損)を最小とする磁束φr'を演算して出
力する。なお、トルク指令値Te'は、例えば運転者の操
作するアクセルペダルの操作量に対応した値(図示しな
いアクセルセンサ出力)である。また、目標磁束演算部
12は、上記の定常損失最小磁束φr'を入力し、定常時
においては上記の定常損失最小磁束φr'に対応し、過渡
時においては磁束応答をトルク応答に応じた最適な値と
する目標磁束φrと、その一階微分値d/dt φrとを演算
して出力する。また、その演算の際の伝達関数の遮断周
波数ωφは、上記目標磁束遮断周波数演算部19で設定
した値を用いる。また、目標トルク演算部14は、トル
ク指令値Te'を入力し、所定の伝達関数(要求される応
答性や許容される電流容量等に応じて設定する)に基づ
いて目標トルクTmを演算する。なお、上記伝達関数の
遮断周波数は前記のωTである。また、励磁電流演算部
13、トルク電流演算部15、すべり周波数演算部16
の部分は、一般的なベクトル制御演算を行なう部分であ
る。まず、励磁電流演算部13は、上記目標磁束演算部
12から与えられる目標磁束φrと一階微分値d/dt φr
とに基づいて、励磁電流指令値iφ'を演算して出力す
る。また、トルク電流演算部15は、目標トルク演算部
14の目標トルクTmと目標磁束演算部12の目標磁束
φrとを入力し、トルク電流指令値iT'を演算して出力
する。また、すべり周波数演算部16は、目標磁束演算
部12の目標磁束φrとトルク電流演算部15のトルク
電流指令値iT'とを入力し、すべり周波数ωseを演算し
て出力する。また、モータ回転数演算部17は、図2の
回転速度センサ5から与えられるモータ回転速度Nに当
該誘導モータ固有の極対数Pを乗算してモータ回転数
(電気角)ωreを演算する。すなわちωre=(π/3
0)N×Pである。このモータ回転数ωreと上記のすべ
り周波数ωseとを加算したものが電源周波数ωとなる。
すなわち、ω=ωse+ωreである。そして、積分演算部
18は、上記の電源周波数ωを積分した値を電流の位相
角θとして出力する。上記の励磁電流指令値iφ'、ト
ルク電流指令値iT'および電流の位相角θが電流指令値
として図2の座標変換部2に送られる。
概略の動作を説明し、続いて本実施例の特徴とする部分
について詳細に説明する。図1において、目標磁束遮断
周波数演算部19は、目標トルク伝達関数の遮断周波数
ωTと定常損失を最小にするすべり周波数ωoptとを入力
し、目標磁束伝達関数の遮断周波数ωφを演算する。上
記の定常損失最小すべり周波数ωoptは、例えば誘導モ
ータの温度に応じて予め設定されたマップから読み出さ
れた値である。また、上記の目標トルク伝達関数の遮断
周波数ωTは、一定値でもよいが、例えば駆動用電源
(車載バッテリ)の充電状態(残存容量)等に応じて可
変にしてもよい。また、定常損失最小磁束演算部11
は、トルク指令値Te'と定常損失最小すべり周波数ω
optとを入力し、そのトルク指令値Te'において定常状
態での損失(銅損)を最小とする磁束φr'を演算して出
力する。なお、トルク指令値Te'は、例えば運転者の操
作するアクセルペダルの操作量に対応した値(図示しな
いアクセルセンサ出力)である。また、目標磁束演算部
12は、上記の定常損失最小磁束φr'を入力し、定常時
においては上記の定常損失最小磁束φr'に対応し、過渡
時においては磁束応答をトルク応答に応じた最適な値と
する目標磁束φrと、その一階微分値d/dt φrとを演算
して出力する。また、その演算の際の伝達関数の遮断周
波数ωφは、上記目標磁束遮断周波数演算部19で設定
した値を用いる。また、目標トルク演算部14は、トル
ク指令値Te'を入力し、所定の伝達関数(要求される応
答性や許容される電流容量等に応じて設定する)に基づ
いて目標トルクTmを演算する。なお、上記伝達関数の
遮断周波数は前記のωTである。また、励磁電流演算部
13、トルク電流演算部15、すべり周波数演算部16
の部分は、一般的なベクトル制御演算を行なう部分であ
る。まず、励磁電流演算部13は、上記目標磁束演算部
12から与えられる目標磁束φrと一階微分値d/dt φr
とに基づいて、励磁電流指令値iφ'を演算して出力す
る。また、トルク電流演算部15は、目標トルク演算部
14の目標トルクTmと目標磁束演算部12の目標磁束
φrとを入力し、トルク電流指令値iT'を演算して出力
する。また、すべり周波数演算部16は、目標磁束演算
部12の目標磁束φrとトルク電流演算部15のトルク
電流指令値iT'とを入力し、すべり周波数ωseを演算し
て出力する。また、モータ回転数演算部17は、図2の
回転速度センサ5から与えられるモータ回転速度Nに当
該誘導モータ固有の極対数Pを乗算してモータ回転数
(電気角)ωreを演算する。すなわちωre=(π/3
0)N×Pである。このモータ回転数ωreと上記のすべ
り周波数ωseとを加算したものが電源周波数ωとなる。
すなわち、ω=ωse+ωreである。そして、積分演算部
18は、上記の電源周波数ωを積分した値を電流の位相
角θとして出力する。上記の励磁電流指令値iφ'、ト
ルク電流指令値iT'および電流の位相角θが電流指令値
として図2の座標変換部2に送られる。
【0023】次に、各演算部の詳細について説明する。
まず、励磁電流演算部13、トルク電流演算部15、す
べり周波数演算部16の部分は、一般的なベクトル制御
演算を行なう部分なので、詳細な説明は省略するが、例
えば、ベクトル制御は、すべり周波数ωseを下記(数
8)式で与えることによって、誘導モータの出力トルク
Teを下記(数9)式の形に導くものである。
まず、励磁電流演算部13、トルク電流演算部15、す
べり周波数演算部16の部分は、一般的なベクトル制御
演算を行なう部分なので、詳細な説明は省略するが、例
えば、ベクトル制御は、すべり周波数ωseを下記(数
8)式で与えることによって、誘導モータの出力トルク
Teを下記(数9)式の形に導くものである。
【0024】
【数8】
【0025】ただし、ω:電源周波数、ωre:モータ回
転数(電気角)、M:相互インダクタンス、Lr:回転
子自己インダクタンス、Rr:回転子抵抗、iT:トルク
電流、φr:回転子磁束
転数(電気角)、M:相互インダクタンス、Lr:回転
子自己インダクタンス、Rr:回転子抵抗、iT:トルク
電流、φr:回転子磁束
【0026】
【数9】
【0027】ただし、P:極対数 また、このとき回転子磁束φrと励磁電流iφとの関係
は下記(数10)式に示すようになる。
は下記(数10)式に示すようになる。
【0028】
【数10】
【0029】ただし、S:ラプラス演算子 したがって、励磁電流演算部13で行なわれる励磁電流
指令値iφ'の演算式は、上記(数10)式から下記
(数11)式に示すようになる。
指令値iφ'の演算式は、上記(数10)式から下記
(数11)式に示すようになる。
【0030】
【数11】
【0031】また、トルク電流演算部15で行なわれる
トルク電流指令値iT'の演算式は上記(数9)式から下
記(数12)式に示すようになる。
トルク電流指令値iT'の演算式は上記(数9)式から下
記(数12)式に示すようになる。
【0032】
【数12】
【0033】ただし、Te':トルク指令値 なお、すべり周波数演算部16におけるすべり周波数ω
seの演算式は、前記(数8)式で示したとおりである。
また、モータ回転数演算部17および積分演算部18に
おける演算は、前記のとおりである。
seの演算式は、前記(数8)式で示したとおりである。
また、モータ回転数演算部17および積分演算部18に
おける演算は、前記のとおりである。
【0034】次に、本実施例の特徴とする定常損失最小
磁束演算部11、目標磁束演算部12、目標トルク演算
部14、目標磁束遮断周波数演算部19の部分について
説明する。まず最初に、過渡損失を最小とする目標磁束
応答の演算式を導く。過渡トルク応答では、ピーク電流
を押さえる必要がある。従って、少ない電流で大きなト
ルクを出力する制御を行なう必要があるが、ベクトル制
御では、固定子電流はトルク電流iTと励磁電流iφと
のベクトル和となるため、iφ=iTのときにトルク効
率が最大となる。すなわち、ベクトル制御では下記(数
13)式が成立する。
磁束演算部11、目標磁束演算部12、目標トルク演算
部14、目標磁束遮断周波数演算部19の部分について
説明する。まず最初に、過渡損失を最小とする目標磁束
応答の演算式を導く。過渡トルク応答では、ピーク電流
を押さえる必要がある。従って、少ない電流で大きなト
ルクを出力する制御を行なう必要があるが、ベクトル制
御では、固定子電流はトルク電流iTと励磁電流iφと
のベクトル和となるため、iφ=iTのときにトルク効
率が最大となる。すなわち、ベクトル制御では下記(数
13)式が成立する。
【0035】
【数13】
【0036】ただし、kは定数 すなわち、(iφ・iT)が一定であれば出力トルクTe
は一定である。したがって、図3に示すようなトルク一
定ラインが存在する。なお、図3のベクトルI1および
I2が固定子電流の大きさを示す。トルク一定ラインを
トレースする固定子電流の中で、それが最小となるの
は、iφ=iTのときである。従って本制御系の構成に
おいて、過渡時のピーク電流が最も大きくなるような、
ゼロ発進時(起動時、例えば車両が停車状態から発進す
る場合)のステップトルク応答を想定し、この時の過渡
時のiφとiTが等しくなるような、目標磁束応答を選
んでやることでピーク電流を最小化する。なお、図3に
おいては、iφ2=iT2であり、このときの固定子電流
I2が同じトルクとした場合の最小値となる。上記のご
とき制御を行なうため、定常損失最小磁束演算部11に
おける定常損失を最小とする回転子磁束φr'の演算式を
前記(数6)式で与え、目標磁束演算部12における目
標磁束φrの演算式を下記(数14)式で与える。
は一定である。したがって、図3に示すようなトルク一
定ラインが存在する。なお、図3のベクトルI1および
I2が固定子電流の大きさを示す。トルク一定ラインを
トレースする固定子電流の中で、それが最小となるの
は、iφ=iTのときである。従って本制御系の構成に
おいて、過渡時のピーク電流が最も大きくなるような、
ゼロ発進時(起動時、例えば車両が停車状態から発進す
る場合)のステップトルク応答を想定し、この時の過渡
時のiφとiTが等しくなるような、目標磁束応答を選
んでやることでピーク電流を最小化する。なお、図3に
おいては、iφ2=iT2であり、このときの固定子電流
I2が同じトルクとした場合の最小値となる。上記のご
とき制御を行なうため、定常損失最小磁束演算部11に
おける定常損失を最小とする回転子磁束φr'の演算式を
前記(数6)式で与え、目標磁束演算部12における目
標磁束φrの演算式を下記(数14)式で与える。
【0037】
【数14】
【0038】ただし、Sはラプラス演算子 また、目標トルク演算部14における目標トルクTmの
演算式を下記(数15)式で与える。
演算式を下記(数15)式で与える。
【0039】
【数15】
【0040】上記のように設定した場合、ステップトル
ク入力に対して、過渡時のiφとiTを等しくするωφ
(目標磁束演算部12における伝達関数の遮断周波数)
を求める。なお、ここではディジタルコンピュータで演
算することを想定している。サンプル周期をΔとおく
と、オイラー積分により、変数x(K)の積分は下記
(数16)式のようになる。
ク入力に対して、過渡時のiφとiTを等しくするωφ
(目標磁束演算部12における伝達関数の遮断周波数)
を求める。なお、ここではディジタルコンピュータで演
算することを想定している。サンプル周期をΔとおく
と、オイラー積分により、変数x(K)の積分は下記
(数16)式のようになる。
【0041】
【数16】
【0042】ただし、K=0、1、2、3…… 上記の関係を応用して、過渡時(K=1)におけるiφ
(1)とiT(1)とを等しくさせるωφを求める。トル
ク指令値Te'に対する励磁電流iφの伝達関数は、下記
(数17)式で与えられる。
(1)とiT(1)とを等しくさせるωφを求める。トル
ク指令値Te'に対する励磁電流iφの伝達関数は、下記
(数17)式で与えられる。
【0043】
【数17】
【0044】したがって、K=1におけるiφ(1)
は、下記(数18)式で求められる。
は、下記(数18)式で求められる。
【0045】
【数18】
【0046】この場合には、ステップ入力を仮定してい
るので、φr'(0)=φr'(1)であるから、(数18)
式は下記(数19)式となる。
るので、φr'(0)=φr'(1)であるから、(数18)
式は下記(数19)式となる。
【0047】
【数19】
【0048】一方、トルク指令値Te'に対する目標磁束
φrは、下記(数20)式で示される。
φrは、下記(数20)式で示される。
【0049】
【数20】
【0050】同様に、トルク指令値Te'に対する目標ト
ルクTmは、上記と同様の計算により、(数21)式で
与えられる。
ルクTmは、上記と同様の計算により、(数21)式で
与えられる。
【0051】
【数21】
【0052】したがって、K=1におけるトルク電流i
T(1)は、下記(数22)式で示される。
T(1)は、下記(数22)式で示される。
【0053】
【数22】
【0054】(数22)式が(数19)式と等しいとお
いて、整理すると下記(数23)式の関係が得られる。
いて、整理すると下記(数23)式の関係が得られる。
【0055】
【数23】
【0056】厳密には(数23)式を解いてωφと
ωT、およびωoptとの関係を求めればよいが、通常Δは
非常に小さいため、Δ≒0とおくと、(数23)式は下
記(数24)式となる。
ωT、およびωoptとの関係を求めればよいが、通常Δは
非常に小さいため、Δ≒0とおくと、(数23)式は下
記(数24)式となる。
【0057】
【数24】
【0058】したがって与えられたωTとωoptとから、
(数24)式に基づいて目標磁束の伝達関数の遮断周波
数ωφを計算すればよい。目標磁束遮断周波数演算部1
9では上記の演算を行なう。なお、一般に、ベクトル制
御は回転子時定数τr=Lr/Rr(ただし、Lrは回転子
自己インダクタンス、Rrは回転子抵抗)の変動がトル
ク制御性能に影響を与えるため、回転子抵抗Rrの温度
補正が行なわれる(参考文献“ニュードライブエレクト
ロニクス”pp206〜209,発行所 株式会社 電気書
院)。そして回転子抵抗Rrが変われば、前記(数2)
式に従って定常損失最小すべり周波数ωoptも変動する
ため、モータ温度に応じたωoptの値をマップ化してお
き、温度の変化に応じたωoptを読み出して目標磁束遮
断周波数演算部19に与え、それによって(数24)式
に基づいた遮断周波数ωφを計算し、その値で目標磁束
演算部12の遮断周波数を設定すれば、モータの動作状
況によらない高効率制御が可能となる。また、目標トル
ク伝達関数の遮断周波数ωTと定常損失最小すべり周波
数ωoptとに応じた目標磁束伝達特性の遮断周波数ωφ
を予め演算しておき、ωφの値をマップ化しておいて読
み出すように構成してもよい。
(数24)式に基づいて目標磁束の伝達関数の遮断周波
数ωφを計算すればよい。目標磁束遮断周波数演算部1
9では上記の演算を行なう。なお、一般に、ベクトル制
御は回転子時定数τr=Lr/Rr(ただし、Lrは回転子
自己インダクタンス、Rrは回転子抵抗)の変動がトル
ク制御性能に影響を与えるため、回転子抵抗Rrの温度
補正が行なわれる(参考文献“ニュードライブエレクト
ロニクス”pp206〜209,発行所 株式会社 電気書
院)。そして回転子抵抗Rrが変われば、前記(数2)
式に従って定常損失最小すべり周波数ωoptも変動する
ため、モータ温度に応じたωoptの値をマップ化してお
き、温度の変化に応じたωoptを読み出して目標磁束遮
断周波数演算部19に与え、それによって(数24)式
に基づいた遮断周波数ωφを計算し、その値で目標磁束
演算部12の遮断周波数を設定すれば、モータの動作状
況によらない高効率制御が可能となる。また、目標トル
ク伝達関数の遮断周波数ωTと定常損失最小すべり周波
数ωoptとに応じた目標磁束伝達特性の遮断周波数ωφ
を予め演算しておき、ωφの値をマップ化しておいて読
み出すように構成してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、過渡トルク応答時のピーク電流や過渡損失を減ら
し、かつ、定常時の高効率を達成することが出来る。ま
た、モータの動作状態の変化に応じて定常損失最小すべ
り周波数が変化しても、最適な磁束応答が得られ、過渡
損失を最小にすることが出来る。また、同様に、トルク
応答性を変化させる場合でも、過渡損失を最小となるよ
うな磁束応答が得られる。したがって、定常時の高効率
運転だけでなく、応答性を保ちながら、過渡損失を軽減
することが出来、モータの諸定数あるいは目標トルク応
答が変化した場合でも、目標磁束応答をリアルタイムで
修正し、広い動作領域において過渡損失、定常損失を最
小にすることが出来る。また、請求項2に記載のごとき
簡単な式によって過渡損失を最小とする目標磁束応答を
演算できるので、構成が簡略になり、演算装置のメモリ
を少なくすることが可能である、等の効果が得られる。
は、過渡トルク応答時のピーク電流や過渡損失を減ら
し、かつ、定常時の高効率を達成することが出来る。ま
た、モータの動作状態の変化に応じて定常損失最小すべ
り周波数が変化しても、最適な磁束応答が得られ、過渡
損失を最小にすることが出来る。また、同様に、トルク
応答性を変化させる場合でも、過渡損失を最小となるよ
うな磁束応答が得られる。したがって、定常時の高効率
運転だけでなく、応答性を保ちながら、過渡損失を軽減
することが出来、モータの諸定数あるいは目標トルク応
答が変化した場合でも、目標磁束応答をリアルタイムで
修正し、広い動作領域において過渡損失、定常損失を最
小にすることが出来る。また、請求項2に記載のごとき
簡単な式によって過渡損失を最小とする目標磁束応答を
演算できるので、構成が簡略になり、演算装置のメモリ
を少なくすることが可能である、等の効果が得られる。
【図1】図2における高効率駆動制御演算部1の詳細を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のシステム全体の構成を示す
ブロック図。
ブロック図。
【図3】誘導モータにおける励磁電流とトルク電流との
関係を示す特性図。
関係を示す特性図。
1:高効率駆動制御演算部 4:誘導モータ 2:座標変換部 5:回転速度セン
サ 3:電流制御PWMインバータ 6:直流電源 11:定常損失最小磁束演算部 15:トルク電流
演算部 12:目標磁束演算部 16:すべり周波
数演算部 13:励磁電流演算部 17:モータ回転
数演算部 14:目標トルク演算部 18:積分演算部 19:目標磁束遮断周波数演算部 Te':トルク指令値 Tm :目標トルク φr':定常損失最小磁束 φr :目標磁束 N :モータ回転速度(rpm) ω :電源周波数 ωse:すべり周波数 ωre:モータ回転
数(電気角) iφ':励磁電流指令値 iT':トルク電
流指令値 ωopt:定常損失最小すべり周波数 θ :電流の位
相角 ωT :目標トルク伝達特性の遮断周波数 ωφ :目標磁束伝達特性の遮断周波数 iu'、iv'、iw':三相交流電流指令値 iu、iv、iw :三相交流電流
サ 3:電流制御PWMインバータ 6:直流電源 11:定常損失最小磁束演算部 15:トルク電流
演算部 12:目標磁束演算部 16:すべり周波
数演算部 13:励磁電流演算部 17:モータ回転
数演算部 14:目標トルク演算部 18:積分演算部 19:目標磁束遮断周波数演算部 Te':トルク指令値 Tm :目標トルク φr':定常損失最小磁束 φr :目標磁束 N :モータ回転速度(rpm) ω :電源周波数 ωse:すべり周波数 ωre:モータ回転
数(電気角) iφ':励磁電流指令値 iT':トルク電
流指令値 ωopt:定常損失最小すべり周波数 θ :電流の位
相角 ωT :目標トルク伝達特性の遮断周波数 ωφ :目標磁束伝達特性の遮断周波数 iu'、iv'、iw':三相交流電流指令値 iu、iv、iw :三相交流電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 康彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 21/00 H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632
Claims (3)
- 【請求項1】トルク指令値と誘導モータの回転速度とに
応じて電流指令値を算出し、その電流指令値に対応した
多相交流電流で誘導モータを駆動する誘導モータ制御装
置において、 トルク指令値と、そのときの動作状態において誘導モー
タの定常損失を最小にするすべり周波数ωoptとを入力
し、与えられたトルク指令値において定常損失を最小と
する回転子磁束を演算する定常損失最小磁束演算部と、 上記トルク指令値を入力し、遮断周波数ωTのローパス
特性を有する伝達関数に基づいて誘導モータの目標トル
クを演算する目標トルク演算部と、 上記目標トルク伝達関数の遮断周波数ωTと上記定常損
失を最小にするすべり周波数ωoptとを入力し、目標磁
束伝達関数の遮断周波数ωφを演算する目標磁束遮断周
波数演算部と、 上記定常損失最小磁束を入力し、上記目標磁束遮断周波
数演算部で設定された遮断周波数ωφのローパス特性を
有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標磁束の一
階微分値を演算する目標磁束演算部と、 上記誘導モータの回路定数に基づき、上記目標磁束と上
記目標磁束の一階微分値と上記目標トルクと上記誘導モ
ータの回転速度とに応じて上記電流指令値を演算するベ
クトル制御演算部と、 上記誘導モータに流れる電流を上記電流指令値に追従さ
せるモータ駆動部と、 を備え、上記誘導モータの出力トルクを上記目標トルク
に対応した値とするように制御する誘導モータ制御装
置。 - 【請求項2】上記目標磁束遮断周波数演算部は、上記目
標トルク伝達関数の遮断周波数ωTと上記定常損失を最
小にするすべり周波数ωoptとから、下記の式に基づい
て上記目標磁束伝達関数の遮断周波数ωφを演算するも
のである、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導モー
タ制御装置。 ωφ=√(ωT・ωopt) - 【請求項3】上記定常損失を最小にするすべり周波数ω
optは、少なくとも誘導モータの温度を含む動作変数に
基づいて設定される値である、ことを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の誘導モータ制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5207418A JP2833426B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 誘導モータ制御装置 |
US08/267,930 US5444351A (en) | 1993-07-06 | 1994-07-06 | System and method for controlling induction motor applicable to electric motor-driven vehicle |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5207418A JP2833426B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 誘導モータ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0767398A JPH0767398A (ja) | 1995-03-10 |
JP2833426B2 true JP2833426B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16539429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5207418A Expired - Fee Related JP2833426B2 (ja) | 1993-07-06 | 1993-08-23 | 誘導モータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2833426B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-23 JP JP5207418A patent/JP2833426B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0767398A (ja) | 1995-03-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |