JP3331784B2 - 誘導機の磁束制御装置 - Google Patents

誘導機の磁束制御装置

Info

Publication number
JP3331784B2
JP3331784B2 JP27877194A JP27877194A JP3331784B2 JP 3331784 B2 JP3331784 B2 JP 3331784B2 JP 27877194 A JP27877194 A JP 27877194A JP 27877194 A JP27877194 A JP 27877194A JP 3331784 B2 JP3331784 B2 JP 3331784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic flux
induction machine
value
command value
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27877194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08149897A (ja
Inventor
康彦 北島
吉典 山村
一真 大蔵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP27877194A priority Critical patent/JP3331784B2/ja
Publication of JPH08149897A publication Critical patent/JPH08149897A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3331784B2 publication Critical patent/JP3331784B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導機のベクトル制御
における界磁の制御装置に関し、詳しくは、弱め界磁領
域において誘導機への電力供給源である直流電源電圧が
急激に変化したり、誘導機の出力トルクや誘導機に印加
する周波数を素早く変化させたりする場合においても安
定な電流制御を可能にする磁束制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来における誘導機の界磁制御技術として
は、例えば、特開昭56ー22590号公報、特開昭5
9ー149785号公報、特開昭55ー111686号
公報(以下、これらを第1の従来例と記す)等に記載さ
れたものがある。
【0003】以下、まず誘導機のベクトル制御における
磁束制御方法について説明する。
【0004】なお、図4は誘導機のT形等価回路であ
り、以後の文章および数式で用いる記号は図4および下
記に示す定義で用いている。 Rs:固定子抵抗 ius:U相固定子電流 Rr:回転子抵抗 ivs:V相固定子電流 Ls:固定子インダクタンス iws:W相固定子電流 Lr:回転子インダクタンス φγs:γ軸固定子磁束 M:相互インダクタンス φδs:δ軸固定子磁束 vγs:γ軸固定子電圧 φγr:γ軸回転子磁束 vδs:δ軸固定子電圧 φδr:δ軸回転子磁束 iγs:γ軸固定子電流(励磁電流) ω:電源周波数 iδs:δ軸固定子電流(トルク電流) ωre:モータ回転周波数(電気角) iγr:γ軸回転子電流 N:モータ回転速度(rpm) iδr:δ軸回転子電流 P:微分演算子 p:極対数 誘導機のベクトル制御とは、誘導機に印加する電圧の周
波数(以降、電源周波数ωと記す)に同期して回転する
直交座標系(γ-δ座標)の一方の座標軸と回転子磁束
とを一致させ、出力トルクが回転子磁束とこれと直交す
る固定子電流の積に比例するように制御する手法であ
る。これは、電源周波数ωと誘導機の回転周波数ωre
(電気角)の差であるすべり周波数ωseを下記(数1)
式のように制御することで実現できる。
【0005】
【数1】
【0006】このとき誘導機の出力トルクTeは、下記
(数2)式で表わされる。
【0007】
【数2】
【0008】上記(数2)式に示すように、回転子磁束
φγrとトルク電流iδsの積の値が同じであれば出力ト
ルクの値も同じとなるので、回転子磁束φγrとトルク
電流iδsの分配は自由にできることになる。しかし、
バッテリ出力をインバータ等の電力変換器で交流電力に
変換して誘導機を駆動する場合には、電力変換器が出力
できる電圧には上限がある。例えば、一般的な三角波比
較方式のPWMインバータの場合には、誘導機に印加で
きる最大相電圧はバッテリ電圧の1/2である。そのた
め、回転子磁束φγrとトルク電流iδsの分配には制限
がつくことになる。
【0009】図5は、ベクトル制御を行った場合の回転
子磁束φγrと電力変換器の出力電圧(誘導機に印加す
る電圧)の振幅Vpmagの関係を示す図である。図5か
ら、電力変換器が出力可能な最大電圧によって回転子磁
束の大きさの範囲が決まることがわかる。同図に示すよ
うに、例えば電力変換器が出力可能な最大電圧をVomax
とすると、この電力変換器で制御可能な回転子磁束φγ
rの範囲は、下記(数3)式に示すようになる。
【0010】
【数3】
【0011】上記の範囲は、図5および図6に示すよう
に出力トルクTe、電力変換器が出力可能な最大電圧Vm
ax、誘導機の回転速度N(正確には、電源周波数ω)に
応じて変化する。通常、回転子磁束φγrは、回転子磁
束と誘導機印加電圧が単調増加の領域(図6で特性が右
上がりの部分)を使用するので、誘導機の制御において
は磁束の上限値を定めるリミッタを設け、出力電圧の指
令値が、電力変換器の出力可能な最大電圧以下になるよ
うにしている。
【0012】一般に、誘導機は図7に示すような領域で
使用される。図7において、回転数の低い方から順に、
領域Aは主に電力変換器の電流容量で制限される定トル
ク領域、領域Bは最大出力で規定される定出力領域、領
域Cは電力変換器が出力可能な最大電圧で制限される等
価直流直巻電動機領域である。上記の領域A、B、Cの
全ての領域でベクトル制御を可能にするためには、出力
電圧を飽和させないような回転子磁束とトルク電流にな
るように制御しなければならないが、そのための回転子
磁束の最大値φmaxは、図8および図9に示すようにな
る。なお、図8は電源電圧Vdcをパラメータとし、図9
はトルクTeをパラメータとして回転子磁束の上限値φm
axと回転速度Nとの関係を示した特性図である。
【0013】したがって、誘導機の制御回路の外部から
与えられるか、或いは内部で演算されて求められた磁束
指令値φγr*が、回転子磁束の上限値φmax以上である
場合には、実際の磁束をφmax以下に弱めてやる必要が
ある。前記第1の従来例に記載された技術においては、
図8、図9に示した関係、すなわち電力変換器の最大出
力電圧(なお、前記第1の従来例では電力変換器の電源
電圧と記載されているが等価である)と誘導機の回転速
度に対する回転子磁束の上限値の関係を簡単化して、上
限値磁束が電源電圧に比例し、かつ回転速度に反比例す
るように界磁を弱める制御手法を開示されている。ま
た、前記第1の従来例には記載が無いが、図9に示すよ
うに、回転子磁束の上限値は誘導機の出力トルクによっ
ても変化するため、電力変換器の最大出力電圧と誘導機
の回転速度に加えて出力トルク相当の値(例えば、トル
ク指令値)をも考慮して界磁弱めを行う方法も考えられ
る。さらに、特開平3−169293号公報(以下、第
2の従来例と記す)には、回転速度が上昇して、低トル
ク領域Aから定出力領域Bに入る時点におけるdφ/d
tを小さくすることにより、過渡的に相電圧が大きくな
って指令値どおりに電流を制御することが不可能となる
ことがないように構成した技術が記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従
来例に記載の磁束の制御方法には以下のような問題点が
ある。 (1)図5、図6、図8、図9に示した関係は、回転子
磁束φγrと誘導機に印加される電圧間のダイナミクス
が考慮されていないため、回転子磁束が定常状態である
場合のみにしか成立しない。したがって、電源電圧や回
転速度やトルク等の時間変化が大きい場合には、第1の
従来例に記載の方法で界磁弱め制御を行うと、電力変換
器の電源電圧よりも非常に大きな電圧が必要になること
になってしまう。すなわち、弱め界磁が必要な領域で、
電源電圧、回転速度、トルク等が急速に変化すると、磁
束指令値φγr*が急変化するため、伝達特性Gmの微分
的伝達特性によって要求される電圧は過渡的に極めて大
きな値となり、出力可能な最大電圧Vmaxよりも大きく
なってしまう。そのため、このような実現不可能な指令
値に基づいて誘導機の駆動を行うと、出力トルクがトル
ク指令値と大きく異なってしまう結果となる。例えば、
電気自動車においては、電源としてバッテリを用いてい
るため、高回転で急速に出力を増減させた場合等には、
電源電圧が急速に大きく変化することがあり、また、誘
導機の出力トルクが大きいため、車輪が空転した場合に
回転速度が急上昇する等の現象が発生し、素早く磁束を
変化させる必要が生じることがあるので、このような場
合には、上記の理由で出力トルクがトルク指令値と大幅
に異なってしまう。したがって回転子磁束φγrと誘導
機に印加される電圧Vpagのダイナミクスを無視するこ
とはできない。なお、上記の高回転で急速に出力を増減
させた場合とは、例えばアクセル全開で走行し、所望の
速度に達してからアクセルを全閉にして走行し、速度が
低下したら再度アクセルを開く場合などであり、また、
車輪が空転して回転速度が急上昇する場合とは、例え
ば、摩擦係数μの小さな路面で、アクセルを急に踏み込
むと、タイヤが空転して回転速度が急上昇する場合など
である。 (2)制御で用いる上限値磁束を定常状態のみを考慮し
た上限値磁束と比べて常に十分小さい値に設定しておけ
ば、上記の問題点を避けることができるが、前記(数
2)式で示したように、出力トルクは回転子磁束とトル
ク電流との積に比例するので、回転子磁束を小さくした
分だけトルク電流を大きくしなければならない。この場
合、誘導機に流れる線電流が大きくなり、効率が悪化し
てしまう。すなわち、励磁電流iγsとトルク電流iδs
とには、図10に示すような関係があり、特定の条件で
最高効率動作点がある。また、線電流の振幅Ipmagは、
下記(数4)式で示される。
【0015】
【数4】
【0016】図10における最高効率動作点よりも回転
子磁束φγrを小さくするためには、励磁電流iγsを小
さくてトルク電流iδsを大きくする必要があるが、そ
のようにすると、上記(数4)式から分かるように、線
電流の振幅Ipmagが大きくなり、したがって効率が悪化
してしまう。
【0017】次に、第2の従来例に記載の磁束の制御方
法においては、電源電圧が低下する状態では、やはり電
流制御を正しく行なうことが出来なくなる、という問題
がある。すなわち、dφ/dtが大きいと正しい制御が
行なわれなくなるのは、磁束φから相電圧の振幅値Vpm
agまでの伝達特性Gmが微分的特性を有しているためで
あるが、単純にdφ/dtを小さくするだけでは、電源
電圧が低下する状態ではGmの定常項によって相電圧が
上限値よりも大きくなることがあるため、正しい制御は
行なわれない。上記のように、第1および第2の従来例
においては、それぞれ問題があり、常に安定したベクト
ル制御を行なうことは困難である、という問題があっ
た。
【0018】特に、最近、電気自動車用として注目され
ているリチウムイオン電池は、内部抵抗が高いため、電
源電圧の変動が大きいので、上記のごとき問題点が特に
顕著となる。
【0019】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、良好な効率が得られ
ると共に電源電圧や回転速度が急変した場合でも常に正
常なベクトル制御を行なうことの出来る誘導機の磁束制
御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。な、以後の説明において、トルク指
令値は、例えば運転者の操作するアクセル手段の信号と
して外部から与えられる。また、磁束指令値は、例えば
一定値、もしくはトルク指令値に応じた値である。ま
、誘導機の磁束目標値から実際に誘導機に与えられる
相電圧までの伝達特性Gmとは、例えば後記図1の実施
例におけるベクトル制御演算器6の入力φγrからPW
Mインバータ9の出力電圧Vu、Vv、Vwの振幅までの
伝達特性である。
【0021】まず、請求項に記載の発明は、えられ
たトルク指令値に追従するように、誘導機に流す一次電
流の励磁電流およびトルク電流と出力周波数とを誘導機
の定数を用いて演算することにより、該一次電流と出力
周波数とを制御する誘導機のベクトル制御装置におい
て、少なくとも上記トルク指令値と回転速度とに基づい
て、誘導機の定常状態における磁束指令値の上限値を設
定する上限値設定手段と、上記トルク指令値から磁束目
標値を演算する磁束目標値演算手段と、上記磁束目標値
演算手段の出力が上記上限値設定手段の出力よりも大き
いときに両者の差を出力する差分演算手段と、上記差分
演算手段の出力を入力し、ベクトル制御駆動された場合
における誘導機の磁束目標値から実際に誘導機に与えら
れる相電圧までの伝達特性Gmの逆伝達特性1/Gmと、
該Gmと同じ定常ゲインkmsの特性を有する磁束磁束補
償手段と、上記磁束磁束補償手段の出力を上記磁束目標
値演算手段の出力から減算する減算手段と、上記トルク
指令値に基づいたトルク目標値と、上記減算手段の出力
と、誘導機の回転速度とに基づいて、励磁電流指令値、
トルク電流指令値および出力周波数を演算するベクトル
制御手段と、を備えるように構成している。なお、上記
の構成は、例えば後記図2の実施例に相当する。
【0022】次に、請求項に記載の発明は、与えられ
たトルク指令値に追従するように、誘導機に流す一次電
流の励磁電流およびトルク電流と出力周波数とを誘導機
の定数を用いて演算することにより、該一次電流と出力
周波数とを制御する誘導機のベクトル制御装置におい
て、上記トルク指令値と誘導機の回転速度とに応じて磁
束指令値を演算する磁束指令値演算手段と、上記磁束指
令値を入力し、誘導機の定常状態における該磁束指令値
の上限値を設定する上限値設定手段と、上記上限値設定
手段の上限値と上記磁束指令値の大小を比較する比較手
段と、上記比較手段の結果に応じて変化する演算特性で
磁束目標値を演算する磁束目標値演算手段と、上記トル
ク指令値に基づいたトルク目標値と、上記磁束目標値演
算手段の出力と、誘導機の回転速度とに基づいて励磁電
流指令値、トルク電流指令値および出力周波数を演算す
るベクトル制御手段と、を備えるように構成している。
なお、上記の構成は、例えば後記図3の実施例に相当す
る。また、請求項に記載のように、請求項における
磁束目標値演算手段は、上記比較手段の比較結果が磁束
指令値≦上限値の場合には、過渡損失が最小となる磁束
目標値を出力し、磁束指令値>上限値の場合には、ベク
トル制御駆動された場合における誘導機の磁束目標値か
ら実際に誘導機に与えられる相電圧までの伝達特性が定
数となる応答特性で磁束目標値を演算するものである。
【0023】また、請求項に記載するように、上記請
求項1〜請求項の各磁束制御装置は、直流電源として
リチウムイオン電池を用い、該電池の直流電力を交流電
力に変化して上記誘導機を駆動する装置、例えば電気自
動車の駆動装置に適用されるものである。
【0024】
【作用】まず、誘導モータの等価回路を用いた回路方程
式とベクトル制御則から誘導機の回転子磁束と誘導機に
印加される端子電圧との関係を示す。なお、各符号は前
記と同様である。先述のγ-δ座標系によって誘導機の
回路方程式を記述すると下記(数5)式に示すようにな
る。
【0025】
【数5】
【0026】また、誘導機の回転子磁束φγr、φδrと
固定子電流iγs、iδsおよび回転子電流iγr、iδr
の関係は下記(数6)式、(数7)式に示すようにな
る。
【0027】
【数6】
【0028】
【数7】
【0029】また、誘導機をベクトル制御した場合には
下記(数8)式〜(数10)式に示すような関係があ
る。
【0030】
【数8】
【0031】
【数9】
【0032】
【数10】
【0033】そして上記(数5)式の第1行、第2行と
(数6)式〜(数10)式より、下記(数11)式、
(数12)式に示す関係が得られる。
【0034】
【数11】
【0035】
【数12】
【0036】また、3相誘導機の相電圧Vpの振幅Vpma
gは下記(数13)式で示される。
【0037】
【数13】
【0038】上記(数13)式に(数11)式と(数1
2)式を代入することで、誘導機をベクトル制御した場
合の回転子磁束φγrと相電圧の振幅Vpmagの関係が得
られる。ここで、誘導機の駆動を行う電力変換器が図1
1に示すように直流電源電圧がVdcであって、例えば一
般的な三角波比較PWM方式のインバータである場合に
は、電圧利用率が√3/2であるため、インバータが出
力できる相電圧の最大値はVdc/2となる。したがって
(数13)式から下記(数14)式が得られる。
【0039】
【数14】
【0040】(数11)式〜(数14)式より、電源電
圧がVdcであるインバータで誘導機を駆動する場合の回
転子磁束の範囲を求めることができる。
【0041】前記した従来の磁束制御方式は、(数1
1)式、(数12)式の微分演算子Pが存在する項を無
視した制御である。しかし、(数11)式〜(数13)
式から分かるように、ダイナミクスを考慮しないで磁束
を変化させると、過渡的に大きな電圧が必要になってし
まう。それに対して本発明においては、以下のように磁
束の制御を行う。まず、(数11)式〜(数13)式か
ら得られるγ軸固定子磁束φγr(磁束目標値)を入力
とし、相電圧の振幅Vpmagを出力とする伝達特性Gmの
逆伝達特性1/Gmを有する磁束補償手段を、従来の定
常状態しか考慮していない界磁弱め制御手段(上限値設
定手段)の後に設けるものである。図12に示すよう
に、γ軸固定子磁束φγrから相電圧の振幅Vpmagまで
の伝達特性がGm、定常ゲインがkmsの誘導機の場合、
kms/Gmの磁束補償手段の入力φγrl(φγrlは上限
値設定手段で制限された後のφγr)から誘導機の相電
圧の振幅Vpmagまでの伝達特性はGm(kms/Gm)=k
msであるからkmsに一致する。したがって、本発明にお
いては、定常状態においては勿論のこと、磁束指令値φ
γrlを素早く変化させた場合でもkms・φγrl(定数で
あるkmsとφγrlとの積)の相電圧を誘導機に印加する
だけで済むため、過渡的にも出力トルクがトルク指令値
に一致することになる。すなわち、どのような磁束指令
値が与えられても常に定常状態と同じ電圧の応答が得ら
れ、誘導機の電流制御が磁束指令値に追従不可能になる
ことがない。
【0042】次に、請求項に記載の発明においては、
本出願人の先行出願(特願平5−166998号)等に
記載されているように、過渡損失を最小とする磁束の応
答特性が存在することから、弱め界磁制御の必要がない
場合(磁束指令値が上限値設定手段の上限値以下の場
合)には損失が最小となる磁束指令値を与え、上記の損
失最小演算によって求められるれる磁束指令値が磁束の
上限値より大きい場合には、その差(磁束指令値−上限
値)を伝達特性がkms/Gmである前記磁束補償手段に
入力し、その出力をφmから減算した値をベクトル制御
演算に用いる磁束目標値するものである。このように構
成したことにより、界磁弱めの必要が無い場合には過渡
損失が最小となるように磁束を変化させ、界磁弱めが必
要な場合には出力電圧がVmax以上とはならないように
磁束を変化させる制御系を実現することが出来る。
【0043】次に、請求項および請求項に記載の発
明においては、弱め界磁制御の必要がない場合(磁束指
令値が上限値設定手段の上限値φmax以下の場合)には
損失が最小となる磁束指令値を与え、弱め界磁制御が必
要な場合には、上限値設定手段の出力φγrlから相電圧
の振幅Vpmagまでの伝達特性が定数(kms)となるよう
な磁束目標値を与えるように構成したものである。
【0044】次に、請求項は、誘導機を駆動する電源
として、リチウムイオン電池からなる直流電源の直流電
力を交流電力に変換して用いるように構成したものであ
る。一般に、直流電源は、リチウムイオン電池のような
非水系電解質二次電池や鉛−酸蓄電池などが用いられる
が、最近、電気自動車用として注目されているリチウム
イオン電池は、内部抵抗が高いため、電源電圧の変動が
大きいので、前記のごとき従来例の問題点が特に顕著と
なる。その点、本発明においては、上記の問題を容易に
解決することが出来るので、高性能のリチウムイオン電
池を電気自動車用として有効に活用することが可能にな
る。
【0045】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例のブロック図
である。図1は、誘導モータのベクトル制御システム全
体の構成を示している。このシステムは、運転者のアク
セル操作量に応じたトルク指令値Te*に基づいて誘導モ
ータの出力トルクをオープンループ制御するシステムで
ある。なお、図1においては、トルク指令値Te*から磁
束指令値φγr*を演算するように構成した例を示すが、
磁束指令値φγr*はトルク指令値Te*とは独立の値(例
えば一定値)を与えてもよい。図1において、アクセル
センサ1は、運転者のアクセル操作量に応じたトルク指
令値Te*を出力する。また、定常損失最小磁束演算回路
2は、与えられたトルク指令値Te*において定常損失を
最小とする回転子磁束の磁束指令値φγr*を演算する。
なお、この定常損失最小磁束演算回路2を設けず、単に
一定値の磁束指令値φγr*を与えてもよい。次に、磁束
リミッタ3(前記上限値設定手段に相当)は、従来と同
様の弱め界磁ブロックである。この回路は、定常状態で
PWMインバータ9の出力電圧が飽和しないように磁束
を回転子磁束の上限値以下に制限する回路であり、具体
的には、回転速度N(後記の速度センサ11の出力)と
直流電源14の電圧vdc(後記電圧センサ15の出力:
PWMインバータ9の電源電圧)とに応じて前記図8に
示した特性で回転子磁束の上限値φmaxを設定し、それ
によって制限された磁束指令値φγrlを出力する。次
に、補償器4(前記磁束補償手段に相当)は、本発明の
作用の項で説明したように、ベクトル制御を行った場合
における誘導モータ10のγ軸回転子磁束の目標値φγ
rから誘導モータに印加される相電圧Vu、Vv、Vwの振
幅Vpmagまでの伝達特性Gmの逆伝達特性1/Gmを有
し、定常ゲインが1であり、上記の磁束リミッタ3で制
限された磁束指令値φγrlを入力し、磁束目標値φγr
をベクトル制御演算器6へ送る。一方、トルクリミッタ
5は、誘導モータのトルクや出力を制限する為のリミッ
タであり、与えられたトルク指令値Te*に対して、例え
ば前記図7の特性で制限した信号Tel*をトルク目標値
としてベクトル制御演算器6へ送る。
【0046】ベクトル制御演算器6は、上記の磁束目標
値φγrとトルク目標値Tel*と回転速度Nとを入力して
ベクトル制御演算を行ない、励磁電流指令値iγs*,ト
ルク電流指令値iδs*、電源周波数指令値ωを出力す
る。なお、このベクトル制御演算器6以後の構成は、誘
導モータの一般的なベクトル制御システムである。座標
変換器12は、電流センサ16で検出した誘導モータの
線電流iu、ivを電源周波数に同期して回転する座標系
であるγ-δ座標に変換する座標変換器であり、励磁電
流成分iγsとトルク電流成分iδsを出力する。上記の
座標変換する際には、積分演算器13で電源周波数指令
値ωを積分することによって求めた電源位相θを使用す
る。電流制御器7は、上記の座標変換によって求められ
た励磁電流成分iγsとトルク電流成分iδsを、ベクト
ル制御演算器6から出力される励磁電流指令値iγs*、
トルク電流指令値iδs*に追従させるための励磁電圧指
令値vγs*、トルク電圧指令値vδs*を演算する。座標
変換器8は、上記の励磁電圧指令値vγs*、トルク電圧
指令値vδs*および電源位相θを、固定座標系へ座標変
換することによって3相の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
を作成する。PWMインバータ9は、直流電源14の電
力を上記の3相電圧指令値に基づいてPWM変換し、3
相の交流電力として誘導モータ10へ与える。また、速
度センサ11は、誘導モータ10の回転速度N(rp
m)を検出し、電圧センサ15は、直流電源14の電圧
vdcを検出する。以上の構成により、電源電圧Vdcが急
低下したり、回転速度Nが急上昇した等の場合にも出力
トルクTeをトルク指令値Te*に一致させるように制御
できるシステムを実現することが出来る。なお、前記
(数11)式〜(数13)式から分かるように、回転子
磁束目標値φγrから誘導モータに印加される相電圧V
u、Vv、Vwの振幅Vpmagまでの伝達特性Gmは、非線形
関数で表わされる。従って、実際の制御システムではこ
れを線形化した伝達関数を使用して制御を行うのが現実
的である。
【0047】次に作用を説明する。図13は、本実施例
で誘導モータを駆動した場合の動作特性を示す特性図で
ある。図13において、(a)はトルク指令値Te*とト
ルクリミッタ5の出力Tel*(トルク目標値)の特性
図、(b)は出力トルクTeの特性図、(c)は磁束指
令値φγr*、磁束リミッタ3の出力φγrlおよび補償器
4の出力φγr(磁束目標値)の特性図、(d)は誘導
モータ10の回転速度Nの特性図、(e)はPWMイン
バータ9の電源電圧Vdcの特性図、(f)はPWMイン
バータ9の出力電圧Vpmagの特性図であり、横軸は全て
同一の時間tである。図13の特性は、時間t0では、
Te*=Te=Te0、φγr*=φγrl=φγr=φγr0、N
=N0、Vdc=Vdc0、Vpmag=Vpmag0であり、その後
も、トルク指令値Te*=Te0、磁束指令値φγr*=φγ
r0を与え続けた場合の動作を示している。
【0048】図示のごとく、時点t1まで徐々に回転速
度Nが上昇し、PWMインバータ9の出力電圧Vpmagも
上昇する。そして時点t1で最大出力となるため、Tel*
は回転速度の上昇に伴って低下する。また、PWMイン
バータ9の出力電圧がVdc0/2(前記のごとく最大出
力電圧は直流電源電圧の1/2とする)になった時点か
ら、出力電圧Vpmag=Vdc0/2となるようにφγrl、
φγrが低下する。次に、時点t2で電源電圧VdcがVdc
0からVdc1に低下したとする。この時、φγrlはステッ
プ的に低下するが、補償器4の出力φγrは、 φγr=(kms/Gm)φγrl となる。この補償器4の入力φγrlから誘導機の相電圧
Vpmagまでの伝達特性は、Gm(kms/Gm)=kmsであ
るから、Vpmagは、φγrlにほぼ比例してステップ的に
Vdc1/2まで低下する。次に、時点t3で電源電圧Vdc
がVdc1からVdc0に上昇したとする。この場合も、Vpm
agは、φγrlにほぼ比例してステップ的にVdc0/2ま
で上昇する。以上のように、本実施例においては、電源
電圧が急変化した場合にはVpmagは電源電圧と同じよう
に変化し、かつPWMインバータ9が出力可能な最大電
圧Vdc/2よりも大きくなることはない。従って、電源
電圧が急変化した場合にも、出力トルクはトルク指令値
と一致する。
【0049】次に、図2は、本発明の第2の実施例のブ
ロック図である。図2において、ベクトル制御演算器6
以後の構成は、図1と同様の一般的なベクトル制御シス
テムであるから説明を省略する。この実施例は、本出願
人の先行出願である特願平5−166998号の構成を
基礎としており、弱め界磁制御の必要がない場合には損
失が最小となる磁束目標値を与え、弱め界磁制御が必要
な場合、すなわち損失最小演算によって求めた磁束指令
値φγr*が磁束の上限値φγrlより大きい場合には、そ
の差(φγr*−φγrl)を伝達特性がkms/Gmである
補償器に入力し、その出力をφγr*から減算した値を磁
束目標値とすることにより、効率と界磁弱め制御とを両
立させるように構成している。
【0050】図2において、定常損失最小磁束演算回路
18は、トルク指令値Te*と誘導モータ10の回転速度
Nから定常状態での損失が最小となる磁束φγr*を演算
する。また、磁束目標値演算回路19は、上記の磁束φ
γr*を入力し、過渡損失を最小とする磁束目標値φγrm
を演算する。また、制限値回路21は、前記図1で説明
した磁束リミッタ3と類似のものであるが、この実施例
では、回転速度Nと電源電圧Vdcに加えてトルク指令値
Te*にも応じてこの制限値を変化させるように構成して
いるので、別個の名称を用いている。すなわち、図9に
示すように、電源電圧が一定であっても、トルクが大き
くなるに従って上限値磁束は小さくなる。そのため、制
限値回路21では、回転速度Nと電源電圧Vdcに加え
て、トルク指令値Te*をも用いて磁束の上限値を演算す
るようにしたものである。
【0051】次に、減算器22は、上記磁束目標値演算
回路19の磁束目標値φγrmから上記制限値回路21の
出力φγrlを減算する。そして差分出力回路23は、磁
束目標値φγrmが上限値φγrlよりも大きい場合にの
み、その差φγrc(φγrc=φγr*−φγrl)を出力す
る。また、補償器4は、前記図1と同じものであり、φ
γrcを出力する。また、減算器17は、上記磁束目標値
演算回路19の磁束目標値φγrmから上記補償器4のφ
γrcを減算した値φγr(φγr=φγrm−φγrc)を出
力し、それをベクトル制御演算器6に磁束目標値として
与える。一方、トルク目標値演算回路17は、トルク指
令値Te*から所定の伝達特性に基づいてトルク目標値T
emを演算し、それをベクトル制御演算器6にトルク目標
値として与える。
【0052】次に、作用を説明する。図14は本実施例
で誘導モータを駆動した場合のシミュレーション結果を
示す特性図、図15は従来装置で誘導モータを駆動した
場合のシミュレーション結果を示す特性図である。図1
4の特性は、150Nmのトルク指令値Te*を与え、ま
た、電源電圧Vdcの初期電圧をVdc0とした場合に、電
源電圧を一定周期でVdc0→(2/3)Vdc0→Vdc0と変
化させた場合における各部の動作波形を示している。図
14のφγrcは補償器4の出力であるが、上記の効果に
より、電源電圧Vdcが変化すると同時にPWMインバー
タ9の出力電圧の振幅Vpmagも変化するため、常にVpm
agがVdc/2以下となっており、良好に磁束制御が行わ
れていることが確認できる。また、出力トルクTeはト
ルク指令値Te*にほぼ一致している。
【0053】一方、図15に示した従来例においては、
時点t4以降で電源電圧が大きく変動した時に、PWM
インバータ9に入力される電圧指令値Vpmag*がVdc/
2に比べて非常に大きな値となってしまい、ベクトル制
御が不可能になってしまったことが判る。したがって出
力トルクTeはトルク指令値Te*から大幅にはずれた値
になっている。従来の方法で上記のような問題を避ける
には、磁束の上限値を小さな値に設定しなければならな
い。例えば図15に示したような電源電圧が変化をする
用途においては、磁束の上限値を常に電源電圧が(2/
3)vdcである場合の値に設定しておかなければならな
い。しかし、そのようにすると効率が悪化してしまう。
例えば、図16は、誘導モータの回転速度に対する最高
効率で駆動するための磁束と、磁束の上限値との関係を
示している。図16から、磁束の上限値を電源電圧が低
い場合の値に設定すると効率が低下することが判る。
【0054】次に、図3は、本発明の第3の実施例のブ
ロック図である。図3において、ベクトル制御演算器6
以後の構成は、図1と同様の一般的なベクトル制御シス
テムであるから説明を省略する。この実施例も前記図2
の実施例と同様に、本出願人の先行出願である特願平5
−166998号の構成を基礎としている。すなわち、
弱め界磁制御の必要がない場合には損失が最小となる磁
束目標値を与え、弱め界磁制御が必要な場合には、制限
値回路で制限されたφγrlから相電圧の振幅Vpmagまで
の伝達特性が定数(kms)となるような特性で磁束目標
値を演算するように構成している。
【0055】図3において、定常損失最小磁束演算回路
18は、図2と同様に、トルク指令値Te*と誘導モータ
10の回転速度Nから定常状態での損失が最小となる磁
束φγr*を演算する。また制限値回路21は、図2と同
様に、回転速度Nと電源電圧Vdcに加えてトルク指令値
Te*にも応じて設定された上限値以下に磁束指令値を制
限する。また、比較器25は、制限値回路21の上限値
φlimと定常損失最小磁束演算回路18の出力φγr*と
の大小関係を判定し、その結果を磁束目標値演算回路2
4に送る。また、磁束目標値演算回路24は、制限値回
路21から与えられたφγrlを入力し、磁束目標値φγ
rを演算するが、その際、上記比較器25の判定結果に
応じて演算特性を切り換えて演算する。すなわち、φγ
r*≦φlimの場合には、過渡損失が最小となる磁束目標
値を出力し、φγr*>φlimの場合には、過大な電圧指
令値を発生させないような特性(前記のkms)で磁束目
標値を演算する。
【0056】その他の部分は、図2の実施例と同様であ
る。本実施例は、磁束目標値演算回路24において、弱
め界磁制御の必要がない場合と必要な場合とで磁束目標
値の応答特性を変える点に特徴がある。
【0057】なお、図1〜図3の実施例において、2〜
5、17〜25の各部分は、専用のアナログ回路でもよ
いし、或いはコンピュータによる演算処理として構成し
てもよい。また、図1〜の図3の実施例において、直流
電源14は、リチウムイオン電池のような非水系電解質
二次電池や鉛−酸蓄電池などが用いられるが、最近、電
気自動車用として注目されているリチウムイオン電池
は、内部抵抗が高いため、電源電圧の変動が大きいの
で、従来例の問題点が特に顕著となる。その点、本発明
においては、上記の問題を容易に解決することが出来る
ので、高性能のリチウムイオン電池を電気自動車用とし
て有効に活用することが可能になる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明においては、定常状態のみしか考慮していない従来
の界磁弱め演算の後に、誘導機の回転子磁束目標値φγ
rから相電圧Vpmagまでの伝達特性の逆伝達特性kms/
Gmを有する磁束補償手段を設けるように構成したこと
により、磁束補償手段の入力から相電圧の振幅Vpmagま
での伝達特性がkms(一定値)となり、電源電圧や回転
速度が急変化した場合にも正確なベクトル制御が可能と
なる。また、弱め界磁制御が必要ない場合には損失が最
小となる磁束目標値を与え、損失最小演算によって求め
た磁束指令値φγrmが磁束の上限値φγrlよりも大きい
場合には、その差(φγrm−φγrl)を伝達特性がkms
/Gmである磁束補償手段に入力し、その出力をφγrm
から減算した値をベクトル制御演算に用いる磁束目標値
するように構成したことにより、界磁弱めの必要が無い
場合には過渡損失が最小となるような磁束変化をし、界
磁弱めが必要な場合には出力電圧がVmax以上にならな
いような磁束変化をする制御系を実現することが出来
る。したがって、良好な効率が得られると共に電源電圧
や回転速度の急変化等が発生した場合にもベクトル制御
を可能とする制御系を得ることができる。また、請求項
2または請求項3に記載の発明においては、磁束目標値
演算回路において、弱め界磁制御の必要がない場合と必
要な場合とで磁束目標値の応答特性を変えるように構成
したことにより、請求項と同様の効果が得られる。ま
た、請求項4に記載の発明においては、内部抵抗が高い
ため、電源電圧の変動が大きいリチウムイオン電池を用
いても良好なベクトル制御が可能になるので、高性能の
リチウムイオン電池を電気自動車用として有効に活用す
ることが出来る、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図。
【図2】本発明の第2の実施例のブロック図。
【図3】本発明の第3の実施例のブロック図。
【図4】誘導機のT形等価回路図。
【図5】誘導機をベクトル制御した場合における回転子
磁束と相電圧の関係を出力トルクをパラメータとして示
す特性図。
【図6】誘導機をベクトル制御した場合の回転子磁束と
相電圧の関係を回転速度をパラメータとして示す特性
図。
【図7】誘導機の出力トルクと回転速度の関係を示す特
性図。
【図8】誘導機をベクトル制御した場合の回転子磁束の
上限値を電源電圧をパラメータとして示す特性図。
【図9】誘導機をベクトル制御した場合の回転子磁束の
上限値を出力トルクをパラメータとして示す特性図。
【図10】励磁電流iγsとトルク電流iδsとの関係を
示す特性図。
【図11】誘導機駆動システムの概略構成を示すブロッ
ク図。
【図12】制御系の伝達特性と補償器を示すブロック
図。
【図13】図1の実施例における動作波形を示す図。
【図14】図2の実施例における動作波形のシミュレー
ション結果を示す図。
【図15】従来装置における動作波形のシミュレーショ
ン結果を示す図。
【図16】誘導モータの回転速度に対する最高効率で駆
動するための磁束と、磁束の上限値との関係を示す特性
図。
【符号の説明】
1…アクセルセンサ 14…直流電源 2…定常損失最小磁束演算回路 15…電圧センサ 3…磁束リミッタ 16…電流センサ 4…補償器 17…トルク目標
値演算回路 5…トルクリミッタ 18…定常損失最
小磁束演算回路 6…ベクトル制御演算器 19…磁束目標値
演算回路 7…電流制御器 20…減算器 8…座標変換器 21…制限値回路 9…PWMインバータ 22…減算器 10…誘導モータ 23…差分出力
回路 11…速度センサ 24…磁束目標
値演算回路 12…座標変換器 25…比較器 13…積分演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−81679(JP,A) 特開 平6−245325(JP,A) 特開 平2−23085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 H02P 6/00 - 6/24 B60L 1/00 - 3/12 B60L 7/00 - 13/00 B60L 15/00 - 15/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられたトルク指令値に追従するよう
    に、誘導機に流す一次電流の励磁電流およびトルク電流
    と出力周波数とを誘導機の定数を用いて演算することに
    より、該一次電流と出力周波数とを制御する誘導機のベ
    クトル制御装置において、 少なくとも上記トルク指令値と回転速度とに基づいて、
    誘導機の定常状態における磁束指令値の上限値を設定す
    る上限値設定手段と、 上記トルク指令値から磁束目標値を演算する磁束目標値
    演算手段と、 上記磁束目標値演算手段の出力が上記上限値設定手段の
    出力よりも大きいときに両者の差を出力する差分演算手
    段と、 上記差分演算手段の出力を入力し、ベクトル制御駆動さ
    れた場合における誘導機の磁束目標値から実際に誘導機
    に与えられる相電圧までの伝達特性Gmの逆伝達特性1
    /Gmと、該Gmと同じ定常ゲインkmsの特性を有する磁
    束磁束補償手段と、 上記磁束磁束補償手段の出力を上記磁束目標値演算手段
    の出力から減算する減算手段と、 上記トルク指令値に基づいたトルク目標値と、上記減算
    手段の出力と、誘導機の回転速度とに基づいて、励磁電
    流指令値、トルク電流指令値および出力周波数を演算す
    るベクトル制御手段と、 を備えたことを特徴とする誘導機の磁束制御装置。
  2. 【請求項2】与えられたトルク指令値に追従するよう
    に、誘導機に流す一次電流の励磁電流およびトルク電流
    と出力周波数とを誘導機の定数を用いて演算することに
    より、該一次電流と出力周波数とを制御する誘導機のベ
    クトル制御装置において、 上記トルク指令値と誘導機の回転速度とに応じて磁束指
    令値を演算する磁束指令値演算手段と、 上記磁束指令値を入力し、誘導機の定常状態における該
    磁束指令値の上限値を設定する上限値設定手段と、 上記上限値設定手段の上限値と上記磁束指令値の大小を
    比較する比較手段と、 上記比較手段の結果に応じて変化する演算特性で磁束目
    標値を演算する磁束目標値演算手段と、 上記トルク指令値に基づいたトルク目標値と、上記磁束
    目標値演算手段の出力と、誘導機の回転速度とに基づい
    て励磁電流指令値、トルク電流指令値および出力周波数
    を演算するベクトル制御手段と、 を備えたことを特徴とする誘導機の磁束制御装置。
  3. 【請求項3】上記磁束目標値演算手段は、上記比較手段
    の比較結果が磁束指令値≦上限値の場合には、過渡損失
    が最小となる磁束目標値を出力し、磁束指令値>上限値
    の場合には、ベクトル制御駆動された場合における誘導
    機の磁束目標値から実際に誘導機に与えられる相電圧ま
    での伝達特性が定数となる応答特性で磁束目標値を演算
    するものである、ことを特徴とする請求項に記載の誘
    導機の磁束制御装置。
  4. 【請求項4】直流電源としてリチウムイオン電池を用
    い、該電池の直流電力を交流電力に変換して上記誘導機
    を駆動することを特徴とする請求項1乃至請求項の何
    れかに記載の誘導機の磁束制御装置。
JP27877194A 1994-11-14 1994-11-14 誘導機の磁束制御装置 Expired - Fee Related JP3331784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27877194A JP3331784B2 (ja) 1994-11-14 1994-11-14 誘導機の磁束制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27877194A JP3331784B2 (ja) 1994-11-14 1994-11-14 誘導機の磁束制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08149897A JPH08149897A (ja) 1996-06-07
JP3331784B2 true JP3331784B2 (ja) 2002-10-07

Family

ID=17601962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27877194A Expired - Fee Related JP3331784B2 (ja) 1994-11-14 1994-11-14 誘導機の磁束制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3331784B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2779017B1 (fr) * 1998-05-20 2000-06-23 Inst Nat Polytech Grenoble Systeme de regulation de moteur asynchrone a energie minimale par commande a flux oriente
JP5634016B2 (ja) * 2008-05-30 2014-12-03 富士電機株式会社 誘導電動機の制御装置
JP5353195B2 (ja) * 2008-11-17 2013-11-27 株式会社ジェイテクト モータ制御装置および電気式動力舵取装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08149897A (ja) 1996-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6936991B2 (en) Method and apparatus for motor control
JP3746377B2 (ja) 交流電動機の駆動制御装置
JP3515460B2 (ja) 交流モータの制御装置
WO2014050283A1 (ja) 回転電機の駆動制御装置および電動車両駆動システム
JP3146791B2 (ja) 永久磁石型同期モータの駆動制御装置
MX2013001122A (es) Aparato de control para maquina giratoria de ca.
US8823300B2 (en) Electric motor control device
JP2001161099A (ja) 同期電動機の制御方式
US20210058018A1 (en) Permanent magnet synchronous electric motor control device, electric power steering device, and electric vehicle
JPH11332300A (ja) 同期フレ―ムにおける電流制御装置用の二次元変数限界値比例積分レギュレ―タ
JPH0654577A (ja) 電気自動車駆動システム用の自動モータートルク/磁束コントローラー
JP2000116198A (ja) 永久磁石リラクタンスモータの制御装置
CN106602950A (zh) 基于复矢量的电流环解耦控制方法及系统
JP4053511B2 (ja) 巻線界磁式同期機のベクトル制御装置
JP3331784B2 (ja) 誘導機の磁束制御装置
JP2638949B2 (ja) 誘導電導機の制御方法
Marques et al. Minimum loss conditions in a salient-pole wound-field synchronous machine drive
JP2008068666A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3474730B2 (ja) リニア誘導電動機のベクトル制御装置
JP3530721B2 (ja) 誘導電動機のトルク制御装置
JP3307122B2 (ja) 誘導モータ制御装置
JP3754740B2 (ja) 誘導モータのトルク制御方式およびトルク制御装置
JP2833422B2 (ja) 誘導モータ制御装置
JP5351205B2 (ja) 回転電機の制御装置
JP2003264999A (ja) 交流モータのベクトル制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees