JPH083219B2 - 外壁パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は建物の外壁パネルに関するものである。

〔従来の技術〕

建物の外壁をタイル仕上げとすると掃除がし易く見栄
えが良い為、最近では広く実施されている。

また、外壁をタイル仕上げとする場合、現場施工の短
縮化の見地から躯体施工後その表面にタイルを一枚一枚
張り付けるのではなく、予め工場等でタイルとコンクリ
ート躯体とを一体的に成形した外壁パネルを使用するが
一般的になっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、この種の外壁パネルは躯体部分のコンクリー
トが充分な強度を発現するまで相当の期間を要する為、
パネル完成に至るまで長期間かかりパネル製造上の大き
な難点になっていた。

また、相当重いため、運搬、取付等の取り扱いも容易
でないことも解決すべき課題であった。

この発明はこのような前記従来の課題を解消する為に
提案されたもので、製造期間を大幅に短縮することが可
能であると共に軽量で取り扱い容易な外壁パネルを提供
することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は形鋼からなる格子枠状をした構造フレーム
の室外側に防錆金属パネルを取付け、当該防錆金属パネ
ルの室外側に複数枚のタイル貼りユニットを取付けるこ
とにより構成される外壁パネルに関するもので、前記タ
イル貼りユニットは下地パネルと当該下地パネルの室外
側に取付けられた複数枚のタイルとから構成され、か
つ、当該下地パネルは先端を内側に折曲した断面Ｕ字形
の薄い金属板からなり、その折曲片に突設された複数の
取付けボルトにより構造フレームに固定され、更に、各
タイルはその裏側若しくは縁端部に設けられた係止溝を
前記下地パネルの室外側に設けられた爪に係合して取付
けた構成とすることにより前記目的を達成するものであ
る。

〔実施例〕

以下、この発明を図示する一実施例に基づいて説明す
る。

外壁パネル１は構造フレームの室外側に防錆金属パネ
ル３を張り付け、当該防錆金属パネル３の室外側にその
全面にわたって複数枚のタイル貼りユニット4,4…を張
り付けることにより構成されている。

構造フレームは縦長の格子枠状に構成され、その上下
及び左右縁端の各枠材５には溝形鋼が使用され、中枠材
６にはＨ形鋼と山形鋼が使用されている。

防鯖金属パネル３は主に室内側に雨水が浸入するのを
阻止する為のもので、薄い金属板が使用され、且つその
表面には防錆塗料を塗着するなどして十分な防錆処理が
施されている。

タイルユニット４は下地パネル７の室外側に複数枚の
タイルや石を張り付けることにより構成されている。

下地パネル７は薄い金属板より形成され、その左右縁
端部にはこの部分を折り曲げることにより断面略溝状の
補強リブ8,8が上下方向に連続して形成され、且つ当該
補強リブ8,8には室内側に突出する複数本の取付ボルト
9,9が上下方向に一定間隔おきに突設されている。

また、下地パネル７の室外側には第９図〜第11図に図
示するような様々な形状をした複数個の爪10,…がパネ
ル全体にわたって突設されている。

爪９は下地パネル７に多くの切り込みをいれその部分
を室外側に所定の形状に引き起こすといった極めて簡易
な方法で形成されている。

このように形成された下地パネル７は構造フレームの
防錆金属パネル３の室外側に添え付けられ、かつ、取付
ボルト9,9を構造フレーム２の中枠材６の取付孔6a,6aに
貫通させると共にその貫通部分に固定ナット11,11を螺
合することにより固定されている。

このように取り付けられた下地パネル７の室外側にそ
の全面にわたって複数枚のタイル12,12…が張り付けら
れ、外壁パネル１全体の室外側が仕上げられている。

各タイル12の裏側若しくは上下縁端部には爪10を引っ
掛けられるような蟻溝や凹溝状の係止溝13が形成され、
各タイル12はこの係止溝13に爪10を引っ掛けることによ
り下地パネル７の室外側に上下左右方向に並べて張り付
けられている。

この様に構成された外壁パネル１は建物の上下スラブ
14,14間若しくは上下梁間に建て付けられ、その上下両
端部をスラブ若しくは梁14に複数個のファスナー15,15
によって固定することにより取付けられている。

また、構造フレームの各枠材５には、止水の為、上下
左右の外壁パネル１と接する部分全周にわたって防水目
地材16が取り付けられている。

〔発明の効果〕

この発明は以上の構成からなるので以下の効果を有す
る。

コンクリートを一切使用しない為、従来のコンクリー
ト製外壁パネルの製造には必ず必要とされたコンクリー
トの養生期間を省略することができる。したがって製造
時間の大幅短縮化が図れる。

また、重量も大幅に軽減される為、運搬・取付等に際
しても取り扱い易く、作業効率が大幅に向上する。

さらに、構造フレームは形鋼から格子枠状に組み建て
られている為、強度的にも優れ、時に耐震的に優れてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第11図はこの発明の一実施例を示したもので、
第１図は外壁パネルの取付状態を示す建物の一部縦断面
図、第２図は第１図に於ける一部縦断面図、第３図はタ
イル貼りユニットの斜視図、第４図及び第５図は下地パ
ネルを示すもので、第４図はその平面図、第５図はその
正面図、第６図〜第８図はタイル貼りユニットを取付け
る前の外壁パネルを示すもので、第６図はその背面図、
第７図はその正面図、第８図はその縦断面図、第９図〜
第11図は下地パネル表面に突設された爪を示す下地パネ
ルの一部拡大断面図である。 １……外壁パネル、３……防錆金属パネル、４……タイ
ル貼りユニット、５……枠材、６……中枠材、７……下
地パネル、８……補強リブ、９……取付ボルト、10……
爪、11……固定ナット、12……タイル、13……係止溝、
14……スラブ、15……ファスナー、16……防水目地材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】形鋼からなる格子枠状をした構造フレーム
   の室外側に防錆金属パネルを取付け、当該防錆金属パネ
   ルの室外側に複数枚のタイル貼りユニットを取付けるこ
   とにより構成される外壁パネルであり、前記タイル貼り
   ユニットは下地パネルと当該下地パネルの室外側に取付
   けられた複数枚のタイルとから構成され、かつ、当該下
   地パネルは先端を内側に折曲した断面Ｕ字形の薄い金属
   板からなり、その折曲片に突設された複数の取付けボル
   トにより構造フレームに固定され、更に、各タイルはそ
   の裏側若しくは縁端部に設けられた係止溝を前記下地パ
   ネルの室外側に設けられた爪に係合して取付けてあるこ
   とを特徴とする外壁パネル。