JPH0610386B2 - 窯業系外装材の取付構造とその施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は押出成形されて内部に全長に亘つて中空部を有
する窯業系外装材の取付構造とその施工方法に関するも
のである。

〔背景技術〕

外装材には木質系、金属系、窯業系などいろいろあるが
そのうち窯業系外装材の伸びが著しい。窯業系外装材に
してかつては５〜６mm厚さの石綿スレートが最も一般的
であつたが、最近は防火性にすぐれた防火サイデイング
が多く使われてきている。窯業系防火サイデイングは多
種多様であるが、代表的なものとして木片セメント板
系、ケイ酸カルシウム板系、炭酸マグネシウム板系、特
殊セメント系、石綿セメント中空押出系がある。このう
ち、石綿セメント中空押出板以外は釘を脳天から打ちつ
けて胴縁に取付ける工法を用いている。つまり第１図に
示すように胴縁(7)に外装材(A)′を重ね、外装材(A)′
の外面から釘(8)′を胴縁(7)まで貫通するように打ちつ
けて外装材(A)′を取付けている。また石綿セメント中
空押出板はポルトランドセメント、メチルセルロース、
石綿を主原料とし、これを水と混練したのち、押出機を
用いて金型の先端より一定形状の板状体を押し出すつく
り方となつている。

一般的には材料の軽減、取扱い時の重さをかるくする目
的の為に中空構造をとることが多い。このようにして得
られる板状体は自由な形状ができるという利点の他に高
強度で吸収率が低く耐凍害性にもすぐれており外装材と
して広くつかわれるようになつてきた。しかし押出機に
よる製法を採用している為、素材の密度が１．６〜２．
０と高く硬いので、前記木片セメント板やケイ酸カルシ
ウム板のように脳天釘打ちにより胴縁に取付けることは
むずかしい。釘で留め付けを行うには予めドリルなどで
先穴をあけたのち、釘打ちするとか、特殊な取付金具を
用いてその金具を釘で留めて外装材を取付けるなどの方
法をとつている。つまり第２図に示すような外装材
(A)″にドリルで先穴(9)をあけ、この先穴を利用して釘
(8)″を脳天打ちしたり、また第３図に示すように断面
略Ｚ字状の取付金具(10)を胴縁(7)に釘(8)にて取付
け、胴縁(7)に重ねた複数枚の外装材(A)の雌実(11)と
雄実(12)とを嵌合すると共にこの嵌合部に取付金具(10)
を引掛け係止したりしている。しかし予めドリルで先穴
(9)をあけたり、取付金具(10)を用いて取付ける施工法
は手間がかかつたり、技術的なむずかしさの為に施工を
する大工さんから嫌われる大きな原因となつている。

〔発明の目的〕

本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであつて、本発
明の目的とするところは簡単に胴縁に取付け施工できる
窯業系外装材の取付構造とその施工方法を提供するにあ
る。

〔発明の開示〕

本発明は窯業系材料を押出成形することにより形成され
ると共に内部に押出方向に亘って中空部(1)を有する窯
業系外装材(A)を胴縁(7)の外面に配置し、両側端に外方
に広がる係止片(5)を有する断面略Ｕ字状の取付金具(6)
の底部(6a)を胴縁(7)に当接してこの取付金具(6)の底部
(6a)を胴縁(7)に固定すると共に窯業系外装材(A)の背面
に押出方向全長に亘って設けた取付溝(2)に上記取付金
具(6)を挿入し、取付溝(2)に取付溝(2)が奥部に行く程
巾が狭くなるように両側面が傾斜面(3a)となった金具挿
入ガイド溝(3)を設けると共に取付溝(2)の奥部に巾広と
なった金具係止溝(4)を設けて金具係止溝(4)に取付金具
(6)の両側端の係止片(5)を係止した成ることを特徴とす
る窯業系外装材の取付構造を特定発明とし、併せて両側
端に外方に広がる係止片(5)を有する断面略Ｕ字状の取
付金具(6)の底部(6a)を胴縁(7)は当接してこの底部(6a)
を釘(8)にて胴縁(7)に固定し、次いで窯業系外装材(A)
背面に全長に亘つて設けた取付溝(2)を上記取付金具(6)
に対応させ、窯業系外装材(A)を表面側から押圧して取
付溝(2)の奥部へ行く程巾が狭くなるように両側面が傾
斜面(3a)となつた金具層ガイド溝(3)をガイドとして取
付金具(6)を取付溝(2)に挿入すると共に取付金具(6)の
弾性にて取付金具(6)の係止片(5)を金具係止溝(4)に係
止させることを特徴とする窯業系材料の施行方法を併合
発明とするものに係り、上記のように構成することによ
り従来例の欠点を解決したものである。

以下本発明を実施例により詳述する。(A)は石綿セメン
トや木片セメント等の窯業系材料にて形成せる窯業系外
装材であつて、押出成形にて連続的に製造されるもので
ある。この窯業系外装材(A)には内部に押出方向（長手
方向）に亘たる中空部(1)を複数個有し、窯業用外装材
(A)の背面には押出方向に亘つて取付溝(2)を凹設してあ
る。この取付溝(2)は第５図に示すように奥部へ行く程
巾が狭くなるように両側面が傾斜面(3a)となつた金具挿
入ガイド溝(3)と、奥部の巾広となつた金具係止溝(4)と
により構成されている。この取付溝(2)の傾斜面(3a)は
第６図に示すように僅かに円弧を有していてもよい。上
記傾斜面(3a)の傾斜角αは45゜〜80゜である。(6)は断
面Ｕ字状の取付金具であつて、弾性を有する金属にて形
成されている。取付金具(6)の両側片はやや外方に広が
るように傾斜していて先端に外方に広がる係止片(5)を
設けてあり、取付金具(6)の底部(6a)に釘孔(13)を穿孔
してある。取付金具(6)と取付溝(2)の寸法関係はl₂≒l₄
l₁＞l₃となつている。しかして窯業系外装材(A)を取
付けるに当つて、胴縁(7)に取付金具(6)を当接して底部
(6a)を釘(8)にて固定し、次いで窯業系外装材(A)の取付
溝(2)と取付金具(6)とを第８図のように対応させ、窯業
用外装材(A)を外面側から押圧して金具挿入ガイド溝(3)
をガイドとして取付溝(2)内に取付金具(6)を挿入して係
止片(5)を金具係止溝(4)に係止させる。

〔発明の効果〕

本発明は叙述の如く構成されているので、胴縁に取付金
具を取付けた後、取付金具と取付溝とを合致させて窯業
系外装材を押圧することにより金具挿入ガイド溝をガイ
ドとして取付金具を取付溝に挿入して取付金具の係止片
を取付溝の係止溝に係止させて窯業系外装材を取付ける
ことができるものであつて、窯業用外装材を簡単に取付
け施工できると共に従来のように重い外装材をたおれな
いように手で支えながら釘打ちするようなことがなくて
施工が楽に行なえるものであり、その上、取付溝が窯業
系外装材の押出方向全長に亘つているので取付溝の長手
方向のどの位置でも取付溝と取付金具とを簡単に対応さ
せることができてこの点でも取付けが容易にできるもの
であり、しかも取付溝は押出成形のとき簡単に形成する
ことができて窯業系外装材も簡単に製造できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図、第２図及び第３図は従来例の断面図、第４図は
本発明の施工後の状態の断面図、第５図、第６図は同上
の取付溝の拡大断面図、第７図は同上の取付金具の斜視
図、第８図は同上の施工途中の断面図であつて、(1)は
中空部、(2)は取付溝、(3)は金具挿入ガイド溝、(3a)は
傾斜面、(4)は金具係止溝、(5)は係止片、(6)は取付金
具、(6a)は底部、(7)は胴縁、(8)は釘、(A)は窯業系外
装材である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】窯業系材料を押出成形することにより形成
   されると共に内部に押出方向に亘って中空部を有する窯
   業系外装材を胴縁の外面に配置し、両側端に外方に広が
   る係止片を有する断面略Ｕ字状の取付金具の底部を胴縁
   に当接してこの取付金具の底部を胴縁に固定すると共に
   窯業系外装材の背面に押出方向全長に亘って設けた取付
   溝に上記取付金具を挿入し、取付溝が奥部に行く程巾が
   狭くなるように両側面が傾斜面となった金具挿入ガイド
   溝に取付溝を設けると共に取付溝の奥部に巾広となった
   金具係止溝を設けて金具係止溝に取付金具の両側端の係
   止片を係止した成ることを特徴とする窯業系外装材の取
   付構造。
2. 【請求項２】両側端に外方に広がる係止片を有する断面
   略Ｕ字状の取付金具の底部を胴縁に当接してこの底部を
   釘にて胴縁に固定し、次いで窯業系外装材背面の全長に
   亘って設けた取付溝を上記取付金具に対応させ、窯業系
   外装材の表面側から押圧して取付溝の奥部へ行く程巾が
   狭くなるように両側面が傾斜面となった金具挿入ガイド
   溝をガイドとして取金具を取付溝に挿入すると共に取付
   金具の弾性にて取付金具の係止片を金具係止溝に係止さ
   せることを特徴とする窯業系外装材の施工方法。