JPH08319289A - ポリエン系化合物 - Google Patents

ポリエン系化合物

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JPH08319289A
JPH08319289A JP7122899A JP12289995A JPH08319289A JP H08319289 A JPH08319289 A JP H08319289A JP 7122899 A JP7122899 A JP 7122899A JP 12289995 A JP12289995 A JP 12289995A JP H08319289 A JPH08319289 A JP H08319289A
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compound
formula
nerve
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disease
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JP7122899A
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English (en)
Inventor
Takako Sugawara
孝子 菅原
Hideki Shinonaga
英樹 篠永
Yoji Shimura
洋史 志村
Reiko Yoshikawa
玲子 吉川
Kyoko Yamamoto
京子 山本
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 神経成長因子産生促進作用および神経栄養因
子作用を有する新規な化合物を提供する。 【構成】 式(a)、式(b)または式(c)で示され
る化合物。 【効果】 式(a)、式(b)、式(c)で示される化
合物は、NGF産生促進作用、神経栄養因子作用に加え
て大脳皮質神経細胞の生存延長活性をも有しており、従
って神経変性に伴う神経障害や特発性の末梢性神経変性
に伴う症状・疾病の改善・治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は神経成長因子(以下、N
GFと称する。)産生促進作用及び神経栄養因子作用を
有するポリエン系化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年増えつつあるアルツハイマー型痴呆
において、大脳基底核神経細胞であるアセチルコリン作
動性神経の変性および脱落が、記憶障害および知的活動
低下に深く係わっていることが最近報告されている。
【0003】NGFは繊維切断による中枢性アセチルコ
リン作動性神経の変性および脱落を抑制することが報告
されており、また、老齢ラットにおける試験において迷
路学習障害を改善すると共にアセチルコリン作動性神経
細胞の萎縮を抑制することが報告されている。また、脳
虚血スナネズミにおける試験において海馬神経細胞死を
防ぐことも確かめられており、末梢神経損傷の回復を早
める作用も持っている。さらにある種の神経細胞の生存
・機能維持を担っており、変性修復・保護作用を有して
いる。
【0004】これらのことからNGFがヒトに対しても
アルツハイマー型痴呆の治療剤、脳卒中後遺症治療剤、
さらに末梢神経障害治療剤としても有用であることが示
唆される。
【0005】またNGFの他にも、神経栄養因子と呼ば
れている神経細胞の生存・機能維持作用あるいは変性修
復活性を示す生体成分が数多く見つかっている。従っ
て、これら神経栄養因子は、神経細胞変性に伴う中枢性
神経障害及び末梢性神経障害の治療剤として有用である
ことが示唆される。
【0006】しかし、NGFおよび神経栄養因子はタン
パク質であり、医薬として用いる際その物性から判断し
て直接脳室内投与が必要となることなどが予想されるの
で実用的でない。従って、NGFの産生促進作用または
神経栄養因子作用を有する、より簡単な投与方法が可能
な低分子化合物が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、NG
F産生促進作用および神経栄養因子作用を有する化合物
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記事情
を鑑み、多数の菌株を土壌及び植物より分離し、その菌
株の代謝産物について種々検討した結果、ある種の菌株
が生産する化合物がNGF産生促進作用及び神経栄養因
子作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は式
【0010】
【化4】
【0011】で示される化合物(以下、NG−391と
略称する。)、式
【0012】
【化5】
【0013】で示される化合物(以下、NG−392と
略称する。)および式
【0014】
【化6】
【0015】で示される化合物(以下、NG−393と
略称する。)である。
【0016】本発明の新規活性物質NG−391、39
2、393を生産する菌株は、本発明者らが自然界で新
たに分離した菌株であり、微生物の名称「 Fusarium s
p. TF-0452」および微生物寄託番号「FERM P−1
4924」として、工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託されている。
【0017】この菌株の菌学的性状を以下に示す。
【0018】1)形態 本菌株は、バレイショ・ブドウ糖寒天培地、オートミー
ル寒天培地、麦芽エキス寒天培地、YpSs寒天培地、
サブロー寒天培地、ツアペック・ドックス寒天培地等で
良好な生育を示し、サブロー寒天培地を除く他の寒天培
地上では分生子の形成も良好である。尚、光学顕微鏡観
察の結果、不完全菌亜門中のFusarium属に特徴的な三日
月形分生子が多数観察されたため、カーネーションリー
フアガー(CLA)上、26℃、14日間培養して形成
させた分生子形成細胞及び分生子を形態観察試料とし
た。分生子形成細胞(フィアライド)は気生菌糸から直
接または短い分生子柄から単生し、先端に球状の胞子塊
を形成する。分生子柄は気生菌糸から単生または稀に基
部で2又分岐し、円筒形で、無色、表面は平滑であり大
きさは、12.0 - 31.0 × 3.0 - 4.8μmである。フィア
ライドは基部から先端に向かって次第に細くなった先細
りの円筒形で、先端に明瞭なカラーが認められる。表面
は平滑、無色で大きさは、18.0 - 54.0 × 3.0 - 4.8μ
mで、大分生子柄と小分生子柄の区別は不明瞭である。
分生子はFusarium属に特徴的な三日月形の大分生子及び
長楕円形の小分生子の2種が観察される。大分生子は先
端がやや鈍角な三日月型、一端に明瞭な柄束細胞(Foot
cell)が認められ、通常0−3隔壁、極めて稀に4隔
壁のものが観察される。大分生子の大きさは0隔壁で1
0.6- 16.4 × 2.8-5.0μm、1隔壁で10.6 - 28.0 ×
3.8-5.8μm、2隔壁で27.0- 32.2 × 4.8-5.0μm、3
隔壁以上では29.0 - 55.0 × 5.0-6.2μmである。小分
生子は長楕円形、0隔壁で大きさは5.0 - 14.8 × 2.0
- 4.6μmである。
【0019】なお、培養を3週間に延長したがテレオモ
ルフの形態は認められなかった。
【0020】2)培地上での生育状態 各種培地上で、26℃、14日間培養した場合の肉眼的
観察結果を表1に示した。なお色の表示は日本規格協
会、JIS色名帳(1985年)の系統色名を引用し
た。
【0021】
【表1】
【0022】3)生理的性質 生育温度範囲及び最適温度 本菌株はpH6.0のサブロー液体培地において、10
〜40℃の範囲で生育し、最適温度は28〜32℃であ
る。
【0023】生育pH範囲及び最適pH 本菌株はYpSs液体培地中26℃においてpH3〜1
0の範囲で生育し、最適pHは6〜9である。
【0024】4)好気性,嫌気性の区別 ; 好気性 上記の形態的特徴および培養上の性状から、本菌株が不
完全菌亜門、Fusarium属の一菌種であることが明かとな
り、C. Booth 著『The Genus Fusarium』(C.A.B.,1971
年)に報告されている多くの既知菌種と比較検討した。
その結果、本菌の形態的特徴と完全に一致する菌種は認
められなかった。
【0025】以上のことから、本菌株を「Fusarium sp.
TF-0452」と命名した。
【0026】NG−391、392、393の生産は、
大略一般の発酵生成物を生産する場合に準じ、各種の栄
養物質を含む培地で Fusarium sp. TF-0452を好気的条
件下で培養することにより行う。
【0027】培地は主として液体培地を用い、炭素源、
窒素源、無機塩よりなり、必要に応じてビタミン類、先
駆物質、消泡剤を加えることができ、pHは6前後に調
整する。炭素源としては、例えばグルコース、マルトー
ス、デキストリン、グリセリン、澱粉などを単独かまた
は混合して用いる。窒素源としては、例えば酵母エキ
ス、ペプトン、肉エキス、大豆粉、コーン・スティープ
・リカー、尿素、アンモニウム塩などを単独かまたは混
合して用いる。無機塩としては、例えばリン酸一カリウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウ
ムなどを単独かまたは混合して用いる。消泡剤としては
アデカノール、シリコン化合物などを用いることができ
る。
【0028】培養方法としては振盪培養、通気攪拌培養
などの好気的培養が適しており、pH5〜7、25〜3
0℃で3〜5日間、望ましくはpH5〜7、25〜27
℃で4日間培養する。
【0029】この培養により生産されたNG−391、
392、393を単離するには、発酵生産物を採取する
一般的な方法に準じて行えばよい。すなわち、培養終了
後、遠心分離または濾過により得られた培養濾液をダイ
ヤイオンHP−20(商品名、三菱化成社製)などのポ
リスチレン樹脂に吸着させた後、低級アルコール、アセ
トンなどの有機溶媒で溶出させる。菌体は低級アルコー
ル、アセトンなどの有機溶媒で抽出する。次いでこの菌
体抽出液及び吸着樹脂からの溶出液をあわせて減圧濃縮
し有機溶媒を除去した後、酢酸エチル、ベンゼン、塩化
メチレンなどの非水溶性有機溶媒に転溶し、これを減圧
濃縮してシロップ状とする。このシロップを再度酢酸エ
チル、ベンゼン、塩化メチレン、アセトン、メタノール
などの有機溶媒に溶解し、シリカゲルを用いたカラムク
ロマトグラフィー、逆相分配用シリカゲルODSを充填
したカラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグ
ラフィーに付すことによりNG−391、392、39
3を精製、単離することができる。
【0030】以上の精製によって得られた本発明の目的
物質であるNG−391,392,393は、その分子
量、紫外線吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル、
13C−NMRスペクトル等の解析結果より構造式が決定
された。
【0031】NG−391の理化学的性質は以下の通り
である。
【0032】(a)外観:黄色粉末 (b)融点 89.5〜90.0℃ (c)分子量: 417 (d)分子式:C2227NO7 (e)HREIマススペクトル 実測値 417.1784 理論値 417.1787 (C2227NO7として
計算) (f)EIマススペクトル: m/z 417 (M+) (g)比旋光度 +39.3゜(c=0.5,メタノー
ル溶液中で測定) (h)紫外線吸収スペクトル: (メタノール溶液中で測定) (i)赤外吸収スペクトル:Neat法で測定した結果
を図1に示す。
【0033】(j)1H−NMRスペクトル:CDCl3
中、500MHzで測定した結果を図2に示す。
【0034】(k)13C−NMRスペクトル:CDCl
3中、125MHzで測定した結果を図3に示す。
【0035】(l)溶剤に対する溶解性: クロロホルム、メタノール、エタノールに可溶 n-ヘキサン、ベンゼン、水に不溶 (m)呈色反応; 陽性:H2SO4、モリブデン酸アンモニウム硫酸、I2 陰性:ニンヒドリン、FeCl3、アンスロン硫酸 (n)塩基性、酸性、中性の区別:中性。
【0036】NG−392の理化学的性質は以下の通り
である。
【0037】(a)外観:黄色粉末 (b)分子量: 417 (c)分子式:C2227NO (d)HREIマススペクトル 実測値 417.1782 理論値 417.1787 (C2227NO7として
計算) (e)EIマススペクトル: m/z 417 (M+) (f)比旋光度 −13.4゜(c=0.5,メタノー
ル溶液中で測定) (g)紫外線吸収スペクトル: (メタノール溶液中で測定) (h)赤外吸収スペクトル:Neat法で測定した結果
を図4に示す。
【0038】(i)1H−NMRスペクトル:CDCl3
中、500MHzで測定した結果を図5に示す。
【0039】(j)13C−NMRスペクトル:CDCl
3中、125MHzで測定した結果を図6に示す。
【0040】(k)溶剤に対する溶解性: クロロホルム、メタノール、エタノールに可溶 n-ヘキサン、ベンゼン、水に不溶 (l)呈色反応; 陽性:H2SO4、モリブデン酸アンモニウム硫酸、I2 陰性:ニンヒドリン、FeCl3、アンスロン硫酸 (m)塩基性、酸性、中性の区別:中性。 NG−393の理化学的性質は以下の通りである。
【0041】(a)物質の色:黄色粉末 (b)分子量: 417 (c)分子式:C2227NO7 (d)HREIマススペクトル 実測値 417.1782 理論値 417.1787 (C2227NO7として
計算) (e)EIマススペクトル: m/z 417 (M+) (f)比旋光度 +32.0゜(c=0.5,メタノー
ル溶液中で測定) (g)紫外線吸収スペクトル: (メタノール溶液中で測定) (h)赤外吸収スペクトル:Neat法で測定した結果
を図7に示す。
【0042】(i)1H−NMRスペクトル:CDCl3
中、500MHzで測定した結果を図8に示す。
【0043】(j)13C−NMRスペクトル:CDCl
3中、125MHzで測定した結果を図9に示す。
【0044】(k)溶剤に対する溶解性: クロロホルム、メタノール、エタノールに可溶 n-ヘキサン、ベンゼン、水に不溶 (l)呈色反応; 陽性:H2SO4、モリブデン酸アンモニウム硫酸、I2 陰性:ニンヒドリン、FeCl3、アンスロン硫酸 (m)塩基性、酸性、中性の区別:中性
【0045】
【発明の効果】本発明の化合物は後記試験例から明らか
なようにNGF産生促進作用および神経栄養因子作用を
有するので医薬として有用である。
【0046】さらに本発明の化合物は、それ自身による
培養大脳皮質神経細胞の生存延長活性をも示している。
従って、これらの化合物は生体内で直接、間接に神経細
胞に働き、神経変性に伴う神経障害、例えば外傷性ある
いは炎症性、アルコールや抗癌剤などの薬剤性、糖尿病
などに見られる代謝性、さらには特発性の末梢性神経変
性に伴う症状・疾患の改善・治療剤として有用である。
さらに中枢性神経変性に伴う症状・疾患、例えば、アル
ツハイマー型及び脳血管性痴呆、ダウン症候群、パーキ
ンソン病、ハンチントン舞踏病、脳虚血・脳梗塞・脳出
血などの脳血管障害の後遺症、健忘症、脊髄性神経麻ひ
症などの改善・治療剤としても有用である。
【0047】
【実施例】以下、実施例及び試験例を示し、本発明を更
に詳細に説明する。
【0048】実施例1 グルコース2g、酵母エキス0.2g、ポリペプトン
0.5g、硫酸マグネシウム0.05g、リン酸カリウ
ム0.1gを含むpH6の液体培地100mLを500
mLの三角フラスコに入れ120℃、2気圧で20分間
殺菌した。次いで、この無菌液体培地にFusarium sp. T
F-0452株を接種し、26℃、96時間振盪培養し、種培
養液とした。次に内容量150Lのジャーファ−メンタ
−1基を用いて、種培養と同じ組成の無菌培地120L
に前記種培養液1Lを接種し、26℃、96時間通気攪
拌培養を行った。
【0049】培養終了後得られた培養液120Lを遠心
分離により濾液と菌体に分けた。菌体をアセトン15L
で2回抽出した。また、濾液をダイヤイオンHP−20
(商品名、三菱化成社製)6Lに吸着させた後、活性物
質を6Lのメタノールで2回溶出した。これらを合わせ
減圧下溶媒留去後、得られた水層を酢酸エチル5Lで3
回抽出し、酢酸エチル層を合わせ、無水硫酸ナトリウム
で脱水後、減圧濃縮し褐色のシロップ状物質11.3g
を得た。
【0050】この褐色シロップ状物質11.3gを塩化
メチレンに溶解し、塩化メチレンで調製したシリカゲル
[Silica gel 60 (Merck社製)]の800mLの
カラムに吸着させた。塩化メチレンで洗浄後、塩化メチ
レン、塩化メチレン−メタノール(98:2)の混合溶
媒で順次溶出を行い、これらの区分を除去した。さらに
塩化メチレン−メタノール(90:10)の混合溶媒で
溶出し、得られた分画を濃縮乾固し黄色物質3.3gを
得た。
【0051】この黄色物質を少量のメタノ−ルに溶解
し、メタノールで調製したセファデックスLH−20
(商品名、ファルマシア社製)を充填した0.9Lのカ
ラムを用いてメタノールを溶媒としてゲル濾過を行い、
得られた活性画分を集め減圧下濃縮乾固し黄色物質2.
6gを得た。この黄色物質をメタノ−ルに溶解し、この
溶液を35%アセトニトリルを移動相とした分取高速液
体クロマトグラフィ−[使用装置:日本分光社製UV−
970,PU−986;カラム:YMC−PackAM
−322−3 ODS−AM(10φ×150mm)]
を用い、UV吸収215nmでモニタ−しながら流速
3.0ml/min条件で22.0〜23.0minに
溶出されるピ−クを分取し、減圧濃縮乾固してNG−3
91の黄色粉末537mgを得た。また、25.0〜2
7.0minに溶出されるピ−クを分取し、NG−39
2の黄色粉末183mgを、20.0〜22.0min
に溶出されるピ−クを分取し、NG−393の黄色粉末
411mgを、それぞれ得た。
【0052】純度の確認は、カラム:YMC−Pack
AM−301−3 ODS−AM(4.6φ×100
mm)を用い、UV吸収350nmでモニタ−しながら
流速1.0ml/min条件で行った。
【0053】試験例1 [NGF産生促進作用試験] NGF産生促進作用は、以下の方法を用いて評価した。
【0054】(検体)実施例1で得られた黄色粉末をD
MSOに溶解し、NG−391、392、393をそれ
ぞれ0.1mg/ml〜3mg/mlの溶液とした。
【0055】(試験細胞) マウス前脳由来アストログリア細胞(NGF産生細胞) (試験方法)マウス前脳より調製したアストログリア細
胞を、20%牛胎児血清、100ユニット/mlペニシ
リン、100μg/mlストレプトマイシンを含有する
ダルベッコ改変イーグル培地(ギブコ社製、高グルコー
ス含有)にて、8×105細胞/mlに調製し、96孔
プレート(培養孔あたりの面積0.32cm2、ファルコン社
製)へ0.1ml/孔ずつまき、37℃、5%CO2
培養した。72時間後、培地を除き、新たに0.5%牛
アルブミン粉末(アーマー社製)、100ユニット/m
lペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを
含有するダルベッコ改変イーグル培地0.1ml/孔を
加えた後、37℃、5%CO2 で培養した。72時間
後、各種濃度の検体を含む上記培地0.1ml/孔と交
換した。ここで、本発明化合物はDMSOに溶解し、最
終濃度が下記表2に示す各種濃度となるように添加し
た。なお、比較として、DMSOのみを加えた培地(対
照)も調製した。
【0056】各種培地にて24時間培養した後、培地中
のNGF濃度を酵素免疫測定法[古川ら: ジャ−ナル
オブ ニュ−ロケミストリ−、第40巻、第734頁
〜第744頁、(1984年)]によって測定した。
【0057】本発明化合物のNGF産生促進活性は、対
照(DMSO)のNGF量を1.0としたときの比で表
した。
【0058】結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】試験例2 [神経栄養因子作用試験] 神経栄養因子作用は、以下の方法を用いて評価した。
【0061】(検体)実施例で得られた黄色粉末をDM
SOに溶解し、NG−391、392、393をそれぞ
れ2mg/ml〜10mg/mlの溶液とした。
【0062】(試験細胞) 胎生18日ラット大脳皮質由来神経細胞 (試験方法)試験細胞を、20%牛胎児血清を含有する
ダルベッコの最少必須培地(ギブコ社製)及びハムF−
12培地(ギブコ社製)を等量混合したDF培地にて、
1.6×106細胞/mlに調製し、ポリエチレンイミ
ンを塗布した24孔プレ−ト(培養孔あたりの面積2cm
2、コーニング社製)へ、0.5ml/孔ずつまき、3
7℃、5%CO2 で培養した。24時間後、培地を除
き、新たに各種濃度の検体、5μg/mlトランスフェ
リン、5μg/mlインスリン、20pmole/ml
プロゲステロンを含有する無血清の上記DF培地0.5
ml/孔を加えた。ここで、本発明化合物はDMSOに
溶解し、最終濃度が後記表3に示す各種濃度となるよう
に添加した。なお、比較として、DMSOのみを加えた
培地も調製した。各種培地にて72時間培養後、N2
2−CO2インキュベーター(タバイ社製、BNP−1
00型)により、酸素濃度を最低設定濃度の1%に下げ
4時間培養する低酸素負荷を施した。さらに48時間培
養し、生細胞数を定量した。培地を除き、Fluore
scien Diacetate(FDA)試薬を作用
させた。リン酸緩衝液(pH7.4)で洗浄後、蛍光強
度(Ex485/Em530)を測定した(ミリポア社
製、CytoFlour2300)。
【0063】本発明化合物の神経栄養因子活性は、対照
(DMSO添加)の吸光度を1.0としたときの比で表
した。
【0064】(結果)結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】Neat法で測定したNG−391の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図2】CDCl3中、500MHzで測定したNG−
391の1H−NMRスペクトルを示す。
【図3】CDCl3中、125MHzで測定したNG−
391の13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】Neat法で測定したNG−392の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図5】CDCl3中、500MHzで測定したNG−
392の1H−NMRスペクトルを示す。
【図6】CDCl3中、125MHzで測定したNG−
392の13C−NMRスペクトルを示す。
【図7】Neat法で測定したNG−393の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図8】CDCl3中、500MHzで測定したNG−
393の1H−NMRスペクトルを示す。
【図9】CDCl3中、125MHzで測定したNG−
393の13C−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 玲子 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 山本 京子 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で示される化合物、式 【化2】 で示される化合物または式 【化3】 で示される化合物。
JP7122899A 1995-05-23 1995-05-23 ポリエン系化合物 Pending JPH08319289A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226483A (ja) * 2001-02-01 2002-08-14 Inst Of Physical & Chemical Res 新規抗腫瘍剤
JP2014074037A (ja) * 2007-02-09 2014-04-24 Blanchette Rockefeller Neurosciences Inst 虚血/卒中誘導性の記憶障害および脳障害におけるブリオスタチン、ブリオログ、および他の関連物質の治療効果

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