JPH08313833A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

Info

Publication number
JPH08313833A
JPH08313833A JP7119806A JP11980695A JPH08313833A JP H08313833 A JPH08313833 A JP H08313833A JP 7119806 A JP7119806 A JP 7119806A JP 11980695 A JP11980695 A JP 11980695A JP H08313833 A JPH08313833 A JP H08313833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
optical
mirror
image
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7119806A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Yamaguchi
雅夫 山口
Takashi Shiraishi
貴志 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7119806A priority Critical patent/JPH08313833A/ja
Priority to US08/649,238 priority patent/US5801746A/en
Publication of JPH08313833A publication Critical patent/JPH08313833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/12Scanning systems using multifaceted mirrors
    • G02B26/123Multibeam scanners, e.g. using multiple light sources or beam splitters

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明の目的は、色ずれのないカラー画像を
提供できる画像形成装置およびその画像形成装置に適し
た光走査装置を提供することにある。 【構成】この発明の光走査装置1は、色分解された色成
分に対応するY,M,CおよびBの4本のレーザビーム
Lをひとまとめにした状態で偏向する光偏向装置5と、
光偏向装置により偏向された4本のレーザビームを、対
応する画像が形成される第1ないし第4の感光体ドラム
58 (Y,M,CおよびB) のそれぞれに案内する第1
ないし第3の折返しミラー33B,33Y,33M,3
3C,35Y,35M,35C,37Y,37Mおよび
37Cと、それぞれのミラーにより感光体ドラムに向け
て折返された4本のレーザビームに対して所定の角度で
配置された第1ないし第4の平行平板ガラス39B,3
9Y,39Mならびに39Cを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速レーザプリンタ
装置、複数ドラム方式カラー複写機あるいはデジタルカ
ラー複写機などの画像形成装置に利用されるマルチビー
ム光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、複数ドラム方式カラープリン
タあるいは複数ドラム方式カラー複写機などの画像形成
装置では、色分解された色成分に対応する複数の画像形
成部、及び、この画像形成部に、色成分に対応する画像
データすなわち複数のレーザビームを提供するレーザ露
光装置すなわち光走査装置が利用されている。
【0003】一般に、光走査装置は、光源としての半導
体レーザ素子、レーザ素子から出射されたレーザビーム
のビーム径を所定の大きさに絞り込む第1のレンズ群、
第1のレンズ群により絞り込まれたレーザビームを記録
媒体が搬送される方向と直交する方向に連続的に反射す
る光偏向装置、光偏向装置により偏向されたレーザビー
ムを記録媒体の所定の位置に結像させる第2のレンズ群
などを有している。この種の光走査装置としては、適用
される画像形成装置に合わせて、各画像形成部のそれぞ
れに対応して複数の光走査装置が配置される例と、複数
のレーザビームを提供可能に形成されたマルチビーム光
走査装置が配置される例とが知られている。
【0004】マルチビーム光走査装置としては、特開平
5−83485号公報に見られるように、マルチビーム
のビーム数をNとするとき、光源である半導体レーザ素
子、シリンダレンズおよびfθレンズなどを含むレンズ
群をNセット、ならびに、光偏向装置をN/2セット使
用する例がある。すなわち、特開平5−83485号公
報に示されている例では、4レーザビームの場合、レー
ザ素子およびレンズ群が4セット、ならびに、光偏向装
置が2セットが利用される。
【0005】これとは別に、fθレンズを2群用意し、
光偏向装置に近い第1のfθレンズ群を1セットのみと
して光偏向装置で偏向された全てのレーザビームを入射
させる一方で、光偏向装置から離れた第2のfθレンズ
群は全てのレーザビームのそれぞれに対応する複数枚と
する例も提案されている。すなわち、この例では、4レ
ーザビームの場合、第2のfθレンズのみ、4セット利
用される。
【0006】特願昭62−232344号公報には、f
θレンズ群を1組のみとして、fθレンズ群の少なくと
も1面のレンズ面にトーリック面を配置したうえで、全
てのレーザビームを同一のfθレンズに入射させる方法
が示されている。
【0007】また、特開平5−34612号公報には、
複数のハーフミラーを利用して、4本のレーザビーム
を、実質的に1本のレーザビームとみなすことのできる
レーザビームとして順に重ね合わせて光偏向装置に案内
する方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−83485
号公報に見られるマルチビーム光走査装置が利用される
場合、複数の光走査装置が利用される場合に比較して、
光走査装置に占有される空間の大きさは低減されるもの
の、光走査装置単体としては、レンズあるいミラーの数
が増大することによる部品代および組み立てコストのア
ップ、または、光走査装置単体としての大きさおよび重
さの増大などがある。また、fθレンズの形状誤差また
は固体誤差あるいは取り付け誤差などにより、各色成分
ごとのレーザビームの主走査線の曲り、あるいは、fθ
特性などに代表される結像面における収差特性の偏差が
不均一になることが知られている。
【0009】第1のfθレンズのみを共通に利用する例
では、第2のfθレンズの形状誤差または固体誤差ある
いは取り付け誤差などにより、上記特開平5−8348
5号公報に見られる例と同様の不都合が生じる問題があ
る。
【0010】また、特願昭62−232344号公報に
見られる例では、形状が最適化されていないトーリック
面が配置されているのみであるから、複数のレーザビー
ムのいずれかのレーザビームに主走査線曲りが発生する
問題がある。なお、上記特開昭62−232344号公
報に関連して、走査装置に向かうレーザビームの一部を
光軸方向へ制御する例が提案されているが、すべての結
像領域で十分に収差特性を補正することは困難である。
【0011】さらに、上記特願昭62−232344号
公報に見られる例では、プラスチックにより形成された
レンズの屈折率の温度の変化による変化量が比較的大き
いことから、広範囲に亘る環境条件、特に、温度条件の
下では、像面湾曲、主走査線曲りあるいはfθ特性など
の特性が大きく変動する問題がある。この例では、しか
しながら、特に副走査方向の全域における色消し、像面
湾曲、像面歪曲および横倍率などの諸条件を満足しなけ
ればならないため、レンズの枚数が増加される問題があ
る。同時に、各レーザビームの主走査線の平行度を確保
するために、ハウジングの精度を非常に高くしなければ
ならずコストアップとなる。
【0012】なお、上述したいくつか公報にも示されて
いるが、複数の画像形成部のそれぞれにおいて、レーザ
素子からのレーザビームのそれぞれの主走査線が相互に
平行になるよう案内するためには、ミラーの枚数が増大
されるごとに各ミラーの角度誤差が逓倍されることある
いはハウジングの精度が非常に高くなければならないこ
と、などの理由により、各ミラー相互の角度を確実に調
整しなければならないことが知られている。
【0013】このことは、調整作業のためのコストを増
大させるばかりでなく、偏向装置回転軸の傾きあるいは
トーリックレンズの光軸回りの傾きなどに代表されるミ
ラーの位置ずれ以外の要因による主走査線の傾きを分離
できないことにより、それらの原因による主走査線の傾
きもミラー位置で調整するために、ますます、その相互
位置が設計値からずれてしまい、像面湾曲などの劣化を
引き起こすことも知られている。
【0014】これらの提案を考慮すると、マルチビーム
光走査装置の大きさおよびコストを低減するためには、
結像レンズすなわちfθレンズは、全てのレーザビーム
に対してただ1組のみ配置し、さらに、fθレンズを通
過されたのち感光体ドラムに向かうレーザビームの光路
すなわちレーザビームを、複数の反射ミラーにより折り
曲げることが有益であることが認められる。
【0015】しかしながら、複数の反射ミラーが、回転
方向あるいは平行移動方向のいづれか一方にのみ移動可
能に配置される場合、fθレンズを通過されたのち感光
体ドラムに向かうそれぞれのレーザビームに関し、平行
度ならびにデフォーカス量の双方を同時に調整すること
は、実質的に困難であることが知られてる。この発明の
目的は、色ずれのないカラー画像を提供できる画像形成
装置およびその画像形成装置に適した光走査装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記問題点
に基づきなされたもので、複数の光を走査対象物に向け
て走査する走査手段と、前記複数の光のそれぞれに対し
て所定の光学特性を与える少なくとも1つの光学手段
と、この光学手段と前記走査対象物との間に前記複数の
光のそれぞれに対応して配置される反射手段と、この反
射手段により前記走査対象物に向かう光の光路に対して
非垂直に配置された平行平板と、を含み、前記走査手段
により走査された前記光を前記走査対象物の所定の位置
に結像する結像手段とを有する光走査装置を提供するも
のである。
【0017】また、この発明によれば、複数の光を走査
対象物に向けて走査する走査手段と、前記複数の光のそ
れぞれに対して所定の光学特性を与える少なくとも1つ
の光学手段と、この光学手段と前記走査対象物との間に
前記複数の光のそれぞれに対応して配置される反射手段
と、nで規定される屈折率が、n≦1.7を満足すると
ともに、前記反射手段により前記走査対象物に向かう光
の光路に対して非垂直に配置された平行平板と、を含
み、前記走査手段により走査された前記光を前記走査対
象物の所定の位置に結像する結像手段とを有する光走査
装置が提供される。
【0018】さらに、この発明によれば、複数の光を走
査対象物に向けて走査する走査手段と、前記複数の光の
それぞれに対して所定の光学特性を与えるただ1組の光
学手段と、この光学手段と前記走査対象物との間に前記
複数の光のそれぞれに対応して配置される第1の反射手
段と、前記複数の光のそれぞれに対応して前記第1の反
射手段よりも前記走査対象物の側に配置され、前記第1
の反射手段により反射された前記それぞれの光を前記走
査対象物に向けてさらに反射する第2の反射手段と、こ
の第2の反射手段により前記走査対象物に向かう光の光
路に対して非垂直に配置された平行平板と、を含み、前
記走査手段により走査された前記光を前記走査対象物の
所定の位置に結像する結像手段とを有する光走査装置が
提供される。
【0019】またさらに、この発明によれば、複数の光
を走査対象物に向けて走査する走査手段と、前記複数の
光のそれぞれに対して所定の光学特性を与える少なくと
も1つの光学手段と、この光学手段と前記走査対象物と
の間に、前記走査対象物に向かう前記複数の光のそれぞ
れに対し、所定の角度および所定の光路長を提供可能に
配置され、前記それぞれの光を前記走査対象物の所定の
位置に案内する反射手段と、を含み、前記走査手段によ
り走査された前記光を前記走査対象物の所定の位置に結
像する結像手段とを有する光走査装置が提供される。
【0020】さらにまた、この発明によれば、複数の光
を走査対象物に向けて走査する走査手段と、前記複数の
光のそれぞれに対して所定の光学特性を与える少なくと
も1つの光学手段と、この光学手段と前記走査対象物と
の間に、前記走査対象物に向かう前記複数の光の少なく
とも1つに対し、前記光学手段からの前記光に対して光
路長の差および内部反射の影響を与えることのないよう
所定の角度で固定されるとともに、前記それぞれの光を
前記走査対象物の所定の位置に案内する反射手段と、を
含み、前記走査手段により走査された前記光を前記走査
対象物の所定の位置に結像する結像手段とを有する光走
査装置が提供される。
【0021】
【作用】この発明の光走査装置は、光学手段と走査対象
物との間に複数の光のそれぞれに対応して配置される反
射手段から走査対象物に向かう光の光路に対して非垂直
に配置された平行平板を有することから、光学手段によ
り複数の光のそれぞれに与えられた光学特性を、平行平
板の傾きに応じて、さらに最適な光学特性となるよう、
それぞれの光ごとに調整できる。従って、それぞれの光
が通過される光学手段を1つとした状態で、光学手段を
通過されて走査対象物に案内される光を、それぞれの光
ごとに、微調整可能となる。
【0022】また、平行平板は、光学手段を通過された
あとの光に対して平行平板の屈折率が影響する程度がお
おむね線形に維持される範囲に形成されることから、平
行平板を、実質的に光学手段の特性を補正することので
きる第2の光学手段として利用可能となる。この平行平
板は、通常、光走査装置と外部との間を気密するために
利用されることから、部品点数を低減できる。さらに、
光学手段は、複数の光に対してただ1組のみ用意される
ことから、光走査装置の大きさを低減できる。
【0023】またさらに、反射手段は、光学手段から走
査対象物に向かう光に対して光路長を変更可能であっ
て、かつ、光学手段によりそれぞれの光に与えられる光
学特性の一部の特性を補正可能であることから、光学手
段が負担すべき光学特性が低減され、簡単な形状の光学
手段の利用が可能となる。これにより、光学手段を製造
するためのコストが低減される。
【0024】さらにまた、反射手段の少なくとも1つ
は、光走査装置の所定の位置に、光路長の差および内部
反射の影響を与えることのないよう反射面があらかじめ
所定の位置に固定され、他の反射手段を調整するための
基準となることから、調整に必要なコストが低減され
る。
【0025】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。図1は、この発明の実施例であるマルチカラー光
走査装置が組み込まれる4連ドラム式カラー画像形成装
置の正面断面図である。
【0026】画像形成装置100は、色分解された色成
分すなわちY=イエロー,M=マゼンタ,C=シアンお
よびB=ブラックごとに画像を形成する第1ないし第4
の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有
している。
【0027】各画像形成部50 (Y,M,CおよびB)
は、光走査装置1の第3の折返しミラー37Y,37
M,37Cおよび第1の折返しミラー33Bを介して各
色成分画像に対応するレーザビームL (Y,M,Cおよ
びB) が出射される位置に対応して、光走査装置1の下
方に、50Y,50M,50Cおよび50Bの順で直列
に配置されている。
【0028】それぞれの画像形成部50 (Y,M,Cお
よびB) の下方には、各画像形成部50 (Y,M,Cお
よびB) により形成された画像を搬送する搬送ベルト5
2が配置されている。
【0029】搬送ベルト52は、図示しないモータによ
り矢印の方向に回転されるベルト駆動ローラ56および
テンションローラ54に掛け渡され、ベルト駆動ローラ
56が回転される方向に所定の速度で回転される。
【0030】各画像形成部50 (Y,M,CおよびB)
は、それぞれ、円筒ドラム状で、矢印の方向に回転可能
に形成され、印字すべき画像情報に対応する静電潜像が
形成される感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび
58Bを有している。
【0031】各感光体ドラム58 (Y,M,Cおよび
B) の周囲の所定の位置には、各感光体ドラム58
(Y,M,CおよびB) の表面に所定の表面電位を提供
する帯電装置60Y,60M,60Cおよび60B、各
感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に形成
された静電潜像を、対応する色が与えられているトナー
で現像する現像装置62Y,62M,62Cおよび62
B、搬送ベルト52を感光体ドラム58 (Y,M,Cお
よびB) との間に介在させた状態で感光体ドラム58
(Y,M,CおよびB) に対向され、搬送ベルト52ま
たは搬送ベルト52を介して搬送される記録用紙Pに、
各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上のトナー
像を転写する転写装置64Y,64M,64Cおよび6
4B、転写装置64 (Y,M,CおよびB) を介してト
ナー像が転写されたあとに感光体ドラム58 (Y,M,
CおよびB) 表面に残った残存トナーを除去するクリー
ナ66Y,66M,66Cおよび66B、及び、転写装
置64 (Y,M,CおよびB) を介してトナー像が転写
されたあとにそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,C
およびB) 上に残った残存電位を除去する除電装置68
Y,68M,68Cおよび68Bが、各感光体ドラム5
8 (Y,M,CおよびB) の回転方向に沿って順に配置
されている。
【0032】なお、光走査装置1の各ミラー37Y,3
7M,37Cおよび33Bにより案内されるレーザビー
ムLY,LM,LCおよびLBは、それぞれ、各帯電装
置60 (Y,M,CおよびB) と各現像装置62 (Y,
M,CおよびB) との間に照射される。
【0033】搬送ベルト52の下方には、各画像形成部
50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像が転
写されるための記録媒体すなわち用紙Pを収容する用紙
カセット70が配置されている。
【0034】用紙カセット70の一端部であって、テン
ションローラ54の近傍には、用紙カセット70に収容
されている用紙Pを (最上部から) 1枚ずつ取り出す半
月ローラ (送り出しローラ) 72が配置されている。送
り出しローラ72とテンションローラ54との間には、
カセット70から取り出された1枚の用紙Pの先端と各
画像形成部50 (Y,M,CおよびB) 、特に、50B
によりそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,Cおよび
B) 、特に、58Bに形成されたトナー像の先端とを整
合させるためのレジストローラ74が配置されている。
【0035】レジストローラ74と第1の画像形成部5
0Yとの間であって、テンションローラ54の近傍、実
質的に、搬送ベルト52を挟んでテンションローラ54
の外周上には、レジストローラ72を介して所定のタイ
ミングで搬送される1枚の用紙Pに、所定の静電吸着力
を提供する吸着ローラ76が配置されている。なお、吸
着ローラ76の軸線とテンションローラ54は、平行に
配置される。
【0036】搬送ベルト52の一端であって、ベルト駆
動ローラ56の近傍、実質的に、搬送ベルト52を挟ん
でベルト駆動ローラ56の外周上には、搬送ベルト52
あるいは搬送ベルトにより搬送される用紙P上に形成さ
れた画像の位置を検知するためのレジストセンサ78お
よび80が、ベルト駆動ローラ56の軸方向に所定の距
離をおいて配置されている (図1は、正面断面図である
から、後方のセンサ80のみが示されている) 。
【0037】ベルト駆動ローラ56の外周に対応する搬
送ベルト52上には、搬送ベルト52上に付着したトナ
ーあるいは用紙Pの紙かすなどを除去する搬送ベルトク
リーナ82が配置されている。
【0038】搬送ベルト52を介して搬送された用紙P
がテンションローラ56から離脱されてさらに搬送され
る方向には、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定
着する定着装置84が配置されている。
【0039】図2および図3には、この発明の実施例で
あるマルチビーム光走査装置のハウジングを取り除いた
状態の概略平面図、ならびに、概略断面図が示されてい
る。なお、図1において既に説明したように、図1に示
したカラーレーザビームプリンタ装置では、イエロー=
Y、マゼンタ=M、シアン=Cおよびブラック=Bの各
色成分ごとに色分解された4種類の画像データと、Y,
M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画
像を形成するさまざまな装置が4組利用されることか
ら、同様に、各参照符号にY,M,CおよびBを付加す
ることで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応す
る装置を識別する。
【0040】図2に示されるように、マルチビーム光走
査装置1は、色成分ごとの画像データに対応するレーザ
ビームLY,LM,LCおよびLBを発生する光源とし
ての第1ないし第4の半導体レーザ (以下、レーザ素子
と示す) 3Y,3M,3Cおよび3B、及び、それぞれ
のレーザ素子3 (Y,M,CおよびB) から出射された
レーザビームL (Y,M,CおよびB) を、所定の位置
に配置された対象物すなわち画像形成装置100の第1
ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび
50Bのそれぞれの感光体ドラム58Y,58M,58
Cおよび58Bに向かって所定の線速度で走査すなわち
偏向する走査手段としての光偏向装置5などにより構成
される。
【0041】それぞれのレーザ素子3Y,3M,3Cお
よび3Bは、光偏向装置5に対し、所定の角度で、3
Y,3M,3Cおよび3Bの順に配置されている。な
お、レーザ素子3Bすなわち黒 (B) 画像に対応される
レーザ素子は、光偏向装置5の反射面に向けて直接入射
可能に配置される。
【0042】それぞれのレーザ素子3 (Y,M,Cおよ
びB) と光偏向装置5との間には、レーザ素子3 (Y,
M,CおよびB) からのレーザビームL (Y,M,Cお
よびB) の断面ビームスポット形状を所定の形状に整え
る光源側光学系すなわち偏向前光学系7Y,7M,7C
および7Bが配置されている。
【0043】光偏向装置5は、たとえば、8面の平面反
射鏡 (面) が正多角形状に配置された多面鏡本体5a
と、多面鏡本体5aを、一定の速度で所定の方向に回転
させるモータ5mにより構成される。なお、多面鏡本体
5aは、たとえば、アルミニウム合金により形成され
る。
【0044】偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB)
は、各レーザ素子3 (Y,M,CおよびB) により出射
されるそれぞれのレーザビームL (Y,M,Cおよび
B) に対し、光偏向装置5により各レーザビームL
(Y,M,CおよびB) が偏向される方向 (以下、主走
査方向と示す) および主走査方向ならびに主走査方向と
直交する副走査方向の双方に関して所定の収束性を与え
る有限焦点レンズ9Y,9M,9Cおよび9B、それぞ
れの有限焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB) を通過さ
れたそれぞれのレーザビームL (Y,M,CおよびB)
に、副走査方向に関してのみさらに収束性を与えるハイ
ブリッドシリンダレンズ11Y,11M,11Cおよび
11B、及び、それぞれのハイブリッドシリンダレンズ
11 (Y,M,CおよびB) を通過された4本のレーザ
ビームL (Y,M,CおよびB) を光偏向装置5の各偏
向面 (反射面) に向かって折り曲げる偏向前折返しミラ
ーブロック13などを有している。なお、レーザ素子3
(Y,M,CおよびB) 、有限焦点レンズ9 (Y,M,
CおよびB) 、ハイブリッドシリンダレンズ11 (Y,
M,CおよびB) 、及び、ミラーブロック13は、たと
えば、アルミニウム合金などによって形成された保持部
材15上に、一体的に配置されている。
【0045】有限焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB)
は、それぞれ、非球面ガラスレンズもしくは球面ガラス
レンズにUV硬化プラスチックで非球面を貼り合わせた
ものにより形成される。また、それぞれのレンズは、保
持部材15と実質的に熱膨張率の等しい材質によって形
成された図示しない鏡筒あるいはレンズ保持リングを介
して保持部材15上に固定される。
【0046】ハイブリッドシリンダレンズ11 (Y,
M,CおよびB) は、それぞれ、プラスチックシリンダ
レンズ17Y,17M,17Cおよび17Bとガラスシ
リンダレンズ19Y,19M,19Cおよび19Bとを
含んでいる。
【0047】それぞれのプラスチックシリンダレンズ1
7 (Y,M,CおよびB) とガラスシリンダレンズ19
(Y,M,CおよびB) とは、副走査方向に関し、実質
的に同一の曲率が与えられている。また、各プラスチッ
クシリンダレンズ17 (Y,M,CおよびB) は、たと
えば、PMMA (ポリメチルメタクリル) などの材質に
より形成される。ガラスシリンダレンズ19 (Y,M,
CおよびB) は、たとえば、SFS1などの材質により
形成される。また、それぞれのシリンダレンズ17およ
び19は、保持部材15と実質的に熱膨張率の等しい材
質によって形成された図示しない鏡筒 (レンズ保持リン
グ) を介して保持部材15上に固定される。なお、有限
焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB) とハイブリッドシ
リンダレンズ11 (Y,M,CおよびB) は、同一の鏡
筒により保持されてもよい。
【0048】光偏向装置5と感光体ドラム58との間に
は、光偏向装置5のそれぞれの反射面により偏向された
レーザビームL (Y,M,CおよびB) を、対応する感
光体ドラム58の所定の位置に、おおむね直線状に結像
させるための像面側光学系すなわち偏向後光学系21、
偏向後光学系21を通過されたそれぞれのレーザビーム
L (Y,M,CおよびB) の一部を検知する水平同期検
出器23、及び、偏向後光学系21と水平同期検出器2
3との間に配置され、偏向後光学系21を通過された4
本のレーザビームL (Y,M,CおよびB) の一部を水
平同期検出器23に向かって反射させる水平同期用折返
しミラー25が配置されている。なお、水平同期検出器
23および水平同期用折返しミラー25は、4本のレー
ザビームL (Y,M,CおよびB) に対して、ただ1組
のみ配置される。また、水平同期用折返しミラー25
は、図5を用いて後述するように、4本のレーザビーム
のそれぞれを、水平同期検出器23に順に入射可能に形
成されている。
【0049】次に、偏向後光学系21の光学特性を詳細
に説明する。偏向後光学系21は、広い偏向幅、すなわ
ち光偏向装置5により感光体ドラムに58に偏向された
レーザビームL (Y,M,CおよびB) の主走査方向の
長さ方向の全域で、光偏向装置5の各反射面により偏向
された4本のレーザビームL(Y,M,CおよびB)
に、所定の収差特性を与えるとともに、それぞれのレー
ザビームL (Y,M,CおよびB) の結像面の変動を一
定の範囲内に抑えるための第1ないし第3の結像レンズ
27,29および31を有している。
【0050】第1の結像レンズ27は、入射面27in
よび出射面27raの双方がトーリック面に形成された両
面トーリックレンズである。なお、入射面27inならび
に出射面27raの副走査方向の合成パワーは、正で、そ
れぞれの面のトーリック回転対称軸の方向は、入射面2
inが主走査方向に、また、出射面27raが副走査方向
に、それぞれ、規定されている。第2の結像レンズ29
は、入射面29inが回転対称面および出射面29raがト
ーリック面に形成された片面トーリックレンズである。
なお、入射面29inならびに出射面29raの副走査方向
の合成パワーは、負で、出射面29raのトーリック回転
対称軸の方向は、主走査方向に規定されている。
【0051】第3の結像レンズ31は、入射面31in
トーリック面および出射面31raが回転対称面に形成さ
れた片面トーリックレンズである。なお、入射面31in
ならびに出射面31raの副走査方向の合成パワーは、正
で、入射面31inのトーリック回転対称軸の方向は、主
走査方向に規定されている。以下、第1ないし第3の結
像レンズ27,29および31の光学特性を、表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】偏向後光学系21の第3の結像レンズすな
わち最も感光体ドラム58に近いレンズ31と感光体ド
ラム58との間には、レンズ31を通過された4本のレ
ーザビームLY,LM,LCおよびLBを感光体ドラム
58に向かって折り曲げる第1の折返しミラー33Y,
33M,33Cおよび33B、第1の折返しミラー33
Y,33Mおよび33Cにより折り曲げられたレーザビ
ームLY,LMおよびLCを、さらに折り返す第2の折
返しミラー35Y,35Mおよび35Cならびに第3の
折返しミラー37Y,37Mおよび37Cが配置されて
いる。なお、図3 (および図1) に示したように、Bす
なわち黒画像に対応するレーザビームLBは、第1の折
返しミラー33Bにより折り返されたのち、他のミラー
を経由せずに感光体ドラム58に案内される。すなわ
ち、第2の折返しミラー35Y,35Mおよび35Cな
らびに第3の折返しミラー37Y,37Mおよび37C
は、それぞれ、4つのレーザビームに対して3枚配置さ
れる。
【0054】第1、第2および第3の結像レンズ27,
29および31、及び、第1の折返しミラー33Bは、
光走査装置1の中間ベース1aに一体成型などにより形
成されている図示しない複数の固定部材に、それぞれ、
接着などにより固定される。なお、第1の折返しミラー
33Bは、ミラーの表面すなわちガラスなどの支持部材
に反射部材としての金属などが蒸着されている面と接触
される。これにより、それぞれのミラーに入射されるレ
ーザビームは、ミラーの支持部材の厚さおよび支持部材
による屈折ならびに内部反射の影響を受けることなく、
光路長を正確に設定できる。これに対して、第1の折返
しミラー33の残りすなわちミラー33(Y,Mおよび
C) 、第2の折返しミラー35 (Y,MおよびC) なら
びに第3の折返しミラー35 (Y,MおよびC) は、そ
れぞれ、図13を用いて後述するように、角度および位
置を変更可能に形成された固定部材に、反射面すなわち
ガラスなどの本体部材に、たとえば、アルミニウムなど
の反射部材が塗布あるいは蒸着されている側が接触され
るとともに、背面すなわち本体部材側から所定の圧力で
固定部材に圧接されることで、反射面の位置が変動しな
いよう固定されている。
【0055】第3の折返しミラー37Y,37Mおよび
37C、及び、第1の折返しミラー33Bと感光体ドラ
ム58との間であって、それぞれのミラー33B、37
Y,37Mおよび37Cを介して反射された4本のレー
ザビームL (Y,M,CおよびB) が光走査装置1から
出射される位置には、さらに、光走査装置1の内部を防
塵するための防塵ガラス39Y,39M,39Cおよび
39Bが配置されている。
【0056】この防塵ガラス39Y,39M,39Cお
よび39Bは、それぞれ、図3に示されるように、対応
するミラー33B,37Y,37Mおよび37Cを介し
て反射された4本のレーザビームLY,LM,LCおよ
びLBのそれぞれの主光線と非垂直に交わるように、所
定の角度で、ハウジング1に固定されている。
【0057】それぞれのレーザビームLY,LM,LC
およびLBは、第3の折返しミラー37Y,37Mおよ
び37C、及び、第1の折返しミラー33Bによって、
おおむね、等間隔で、光走査装置1の外部へ出射され
る。ここで、レーザビームLB(黒) は、第1の折返し
ミラー33B、ただ1枚を含む光路を介して光走査装置
1から感光体ドラム58に向けて出射される。なお、そ
れぞれの光路中のミラーの枚数は、1枚および3枚であ
るから、奇数に統一されている。このことは、偏向後光
学系の第1ないし第3の結像レンズ27,29および3
1のそれぞれのレンズの傾きなどによる像面に到達され
る各レーザビームL (Y,MおよびC) の主走査線の曲
りの方向 (主走査線曲りの位相) を、同一の方向にでき
る。また、レーザビームLBは、図4を用いて後述する
ように、ミラーブロック13の通過領域13Bを通過さ
れることから、残りのレーザビームL (Y,Mおよび
C) に比較して光路中に含まれる誤差が少なく、残りの
レーザビームL (Y,MおよびC) の平行度を調整する
際の基準として利用できる。
【0058】次に、ハイブリッドシリンダレンズ11Y
の光学特性を詳細に説明する。偏向後光学系21すなわ
ち第1ないし第3の結像レンズ27,29および31
は、プラスチック、たとえば、PMMAにより形成され
ることから、光走査装置の周辺温度が、たとえば、0°
Cから50°Cの間で変化することにより、屈折率n
が、1.4876から1.4789まで変化することが
知られている。この場合、第1ないし第3の結像レンズ
27,29および31を通過されたレーザビームL
(Y,M,CおよびB) が実際に集光される結像面すな
わち副走査方向結像位置は、±12mm程度変動してし
まう。ここで、偏向後光学系21に利用されるレンズの
材質と同一の材質のレンズを、曲率を最適化した状態で
偏向前光学系7に組み込むことによって、温度変化によ
る屈折率nの変動に伴って発生する結像面の変動を±
0.5mm程度に抑えることができる。すなわち、偏向
前光学系7がガラスレンズで、偏向後光学系21がPM
MAで形成されたレンズにより構成される従来の光学系
に比較して、偏向後光学系21のレンズの温度変化によ
る屈折率の変化に起因して発生する副走査方向の色収差
が補正できる。
【0059】なお、図3 (および図1) に示したよう
に、それぞれのレーザビームLY,LM,LCおよびL
Bは、副走査方向に関し、光走査装置1の光軸 (系の光
軸) に対して対称に入射されている。すなわち、レーザ
ビームLYおよびLBは、光軸Oを挟んで対称に、多面
鏡5aに入射される。また、レーザビームLMおよびL
Cは、同様に、光軸Oを挟んで対称に、かつ、レーザビ
ームLYおよびLBよりも光軸O側を、多面鏡5aに案
内される。このことは、それぞれのレーザビームL
(Y,M,CおよびB) に関し、偏向後光学系21を、
副走査方向の2箇所で最適化できることを示している。
従って、各レーザビームL (Y,M,CおよびB) の像
面湾曲および非点収差などの特性をより向上させたり、
偏向後光学系21のレンズ枚数を低減できる。
【0060】図4には、ミラーブロック13が詳細に示
されている。図4に示されるように、ミラーブロック1
3は、熱膨脹率が小さい材質、たとえば、アルミニウム
合金などにより形成されたブロック本体13aと、ブロ
ック本体13aの所定の面に形成され、画像形成可能な
色成分の数すなわち色分解された色の数よりも「1」だ
け少ない数だけ配置された複数の反射面13Y,13M
および13Cにより構成される。
【0061】図4によれば、ミラーブロック13は、第
1ないし第4のレーザビームLY,LM,LCおよびL
Bを、1つの束のレーザビームLoとして光偏向装置5
の各反射面に案内するために利用される。詳細には、ミ
ラーブロック13は、入射させるためにレーザ素子3Y
から出射されたレーザビームLYを折返して光偏向装置
5の各反射面に案内する第1の反射面13Y、レーザ素
子3MからのレーザビームLMおよびレーザ素子3Cか
らのレーザビームLCを、それぞれ、光偏向装置5の各
反射面に向かって折り返す第2および第3の反射面13
Mおよび13C、及び、レーザ素子3Bからのレーザビ
ームLBをそのまま光偏向装置5の各反射面に案内する
通過領域13Bを有している。
【0062】それぞれの反射面13Y,13Mおよび1
3Cは、ブロック本体13aの各反射面に対応する位置
が所定の角度に切り出されたのち、切削面に、たとえ
ば、アルミニウムなどの反射率の高い材質がが塗布また
は蒸着されることにより提供される。なお、ブロック本
体13aの各反射面に対応する位置は、切削後、研磨に
より鏡面加工されてもよい。
【0063】図4に示したミラーブロックによれば、各
反射面13Y,13Mおよび13Cは、1つのブロック
本体13aから切り出されることから、各ミラーごとの
相対的な傾き誤差が低減される。また、ブロック本体1
3aを、たとえば、ダイカストにより製造することで、
精度の高いミラーブロックが提供できる。
【0064】なお、レーザ素子3Bからのレーザビーム
LBは、すでに説明したように、ミラーブロック13と
交わることなく、ブロック本体13a上の通過領域13
Bを通過されて、光偏向装置5の各反射面に直接案内さ
れる。
【0065】ここで、ミラーブロック13により反射さ
れて光偏向装置5に案内される各レーザビームL (Y,
MおよびC) ならびに光偏向装置5に直接案内されるレ
ーザビームLBの強度 (光量) について考察する。
【0066】従来技術の項ですでに説明したように、特
開平5−34612号公報には、2以上のレーザビーム
を1つの束のレーザビームとして光偏向装置の反射面に
入射させる方法として、ハーフミーラにより、レーザビ
ームを、順に、重ねる方法が示されている。しかしなが
ら、複数のハーフミラーが利用されることで、1回の反
射および透過 (ハーフミラーを1回通過するごとに) に
対し、各レーザから出射されたレーザビームの光量の5
0%は無駄となってしまうことは公知である。この場
合、ハーフミラーの透過率と反射率を、それぞれ、各レ
ーザビームごとに最適化したとしても、すべてのハーフ
ミラーを通過されるいづれか1つのレーザビームの強度
(光量) は、レーザ素子から出力された光量の約25%
まで低減されてしまう。また、光路中にハーフミラーが
光路に傾いて存在すること、及び、各レーザビームが通
過するハーフミラーの枚数が異なること、などに起因し
て、像面湾曲あるいは非点収差など代表される光学特性
に、各レーザビームごとに差が生じることが知られてい
る。各レーザビームごとに像面湾曲および非点収差など
の特性が異なることは、全てのレーザビームを、同一の
有限焦点レンズおよびシリンダレンズのみによりそれぞ
れの感光体ドラムに結像させることを困難にする。
【0067】これに対して、図4に示されているミラー
ブロック13によれば、それぞれのレーザビームLY,
LMおよびLCは、光偏向装置5の多面鏡5aに入射す
る前段であって、各レーザビームLY,LMおよびLC
が副走査方向に分離している領域 (図6に網かけで示さ
れている) で、通常のミラーによって折り返される。従
って、多面鏡5aにより感光体ドラム58に向かって供
給 (反射) される各レーザビームL (Y,M,Cおよび
B) の光量は、出射光量のおおむね90%以上に維持で
きる。このことは、各レーザの出力を低減できるばかり
でなく、感光体ドラム58に到達される光の収差を均一
に補正できるため、レーザビームを小さく絞り、高精細
化への対応を可能とする。なお、B (黒) に対応するレ
ーザ素子3Bは、ミラーブロック13の通過領域13B
を通過されて多面鏡5aに案内されることから、レーザ
の出力容量が低減できるばかりでなく、反射面で反射さ
れることによる多面鏡5aへの入射角の誤差が除去され
る。
【0068】図5には、水平同期用折返しミラーが詳細
に示されている。図5によれば、水平同期用折返しミラ
ー25は、それぞれのレーザビームLY,LM,LCお
よびLBを、主走査方向には水平同期検出器23に異な
るタイミングで反射させるとともに、副走査方向には水
平同期検出器23上で実質的に同一の高さを提供できる
よう、主走査方向および副走査方向ともに異なる角度に
形成された第1ないし第4の折返しミラー面25Y,2
5M,25Cおよび25B、及び、それぞれのミラー2
5 (Y,M,CおよびB) を一体に保持するミラーブロ
ック25aを有している。
【0069】ミラーブロック25aは、たとえば、ガラ
ス入りPC (ポリカーボネイト) などにより成型され
る。また、各ミラー25 (Y,M,CおよびB) は、所
定の角度で成型されたブロック25aの対応する位置
に、たとえば、アルミニウムなどの金属が蒸着されて形
成される。
【0070】このようにして、光偏向装置5で偏向され
た各レーザビームLY,LM,LCおよびLBを、1つ
の検出器23に入射させることが可能となるばかりでな
く、たとえば、検出器が複数個配置される際に問題とな
る各検出器の感度あるいは位置ずれに起因する水平同期
信号のずれが除去できる。なお、水平同期検出器23に
は、水平同期用折返しミラー25により主走査方向1ラ
インあたりレーザビームLY,LM,LCおよびLBが
合計4回入射されることはいうまでもない。また、ミラ
ーブロック25aは、型のミラー面が1つにブロックか
ら切削加工により作成可能に設計され、アンダーカット
を必要とせずに、型から抜けるよう工夫されている。
【0071】次に、再び、図3 (および図1) を参照し
て、光偏向装置5の多面鏡5aで反射されたそれぞれの
レーザビームL (Y,M,CおよびB) と偏向後光学系
21を通って光走査装置1の外部へ出射される各レーザ
ビームLY,LM,LCおよびLBの傾きと折返しミラ
ー33B,37Y,37Mおよび37Cとの関係につい
て説明する。
【0072】既に説明したように、光偏向装置5の多面
鏡5aで反射され、第1ないし第3のプラスチックレン
ズ27,29および31により所定の収差特性が与えら
れた各レーザビームLY,LM,LCおよびLBは、そ
れぞれ、第1の折返しミラー33Y,33M,33Cお
よび33Bを介して所定の方向に折り返される。
【0073】このとき、レーザビームLBは、第1の折
返しミラー33Bで反射されたのち、そのまま防塵ガラ
ス39Bを通って感光体ドラム58に案内される。これ
に対し、残りのレーザビームLY,LMおよびLCは、
それぞれ、第2の折返しミラー35Y,35Mおよび3
5Cに案内され、第2の折返しミラー35Y,35Mお
よび35Cによって、第3の折返しミラー37Y,37
Mおよび37Cに向かって反射され、さらに、第3の折
返しミラー37Y,37Mおよび37Cで反射されたの
ち、それぞれ、防塵ガラス39Y,39Mおよび39C
により、おおむね等間隔でそれぞれの感光体ドラムに結
像される。この場合、第1の折返しミラー33Bで出射
されたレーザビームLBとレーザビームLBに隣り合う
レーザビームLCも、おおむね等間隔で感光体ドラム5
8Bおよび58Cのそれぞれに結像される。
【0074】ところで、図3および図6に示したよう
に、防塵ガラス39Y,39M,39Cおよび39B
は、ミラー33B、37Y,37Mおよび37Cで折り
返されて各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に
向かうそれぞれのレーザビームL(Y,M,CおよびB)
の主光線に対して所定の角度すなわち非直角で配置さ
れている。このことから、それぞれのレーザビームL
(Y,M,CおよびB) は、防塵ガラス39 (Y,M,
CおよびB) を通過されることで、防塵ガラス39に入
射される際の入射位置の延長線上とは異なる出射位置に
案内される。ここで、防塵ガラス39 (Y,M,Cおよ
びB) を通過されたそれぞれのレーザビームL(Y,
M,CおよびB) の入射位置と出射位置との間のずれ
は、光偏向装置5の多面鏡5aによる偏向角が0°の位
置で最小となり、偏向角が増大されるにつれて、次第に
増加される。これにより、それぞれのレーザビームL
Y,LM,LCおよびLBとそれぞれの防塵ガラス39
Y,39M,39Cおよび39Bとのなす角を、図7お
よび図8を用いて後述するように、各レーザビームごと
に最適に設定することで、第1ないし第3の結像レンズ
27,29および31を通過される際に、各レーザビー
ムL (Y,M,CおよびB) に与えられる主走査線の曲
りの大きさの偏差を補正できる。従って、画像形成装置
100において、4本のレーザビームが重ね合わせられ
ることにより生じる色ずれが低減される。
【0075】図7および図8は、各レーザビームLY,
LM,LCおよびLBとそれぞれに対応する防塵ガラス
39Y,39M,39Cおよび39Bとのなす角と、各
レーザビームLY,LM,LCおよびLBの主走査線曲
りとの関係を示す光路図である。
【0076】図7は、防塵ガラス39 (ここでは、Y,
M,CおよびBの1つを代表して説明する) すなわち平
行平板を、前段に配置されているミラーから対応する感
光体ドラムに向かうレーザビームのミラーの反射点と感
光体ドラム上の結像位置とを結ぶ線すなわちミラーと感
光体ドラムとの間に平行平板が存在しない場合のレーザ
ビームの光路に対して、角度θだけ傾けた状態を副走査
方向から見た断面図である。
【0077】図7に示されるように、平行平板 (39)
の厚さをd、平行平板 (39) の屈折率をnとすると、
平行平板へ入射するレーザビームの入射角はθで示され
ることから、レーザビームの入射面での屈折角θ´は、
スネルの法則により、 θ´ = sin-1 (sinθ/n) ‥‥‥ (2) と書き表せる。また、レーザビームは、屈折角θで平行
平板から出射される。すなわち、平行平板に入射された
レーザビームは、平行平板を通って入射レーザビームと
平行に出射される。
【0078】ここで、入射レーザビームと出射レーザビ
ームとの間の距離をΔxとすると、 Δx = d (tanθ−tanθ´) cosθ ‥‥‥ (3) で示される。
【0079】図8は、防塵ガラス39すなわち平行平板
を、前段に配置されているミラーから対応する感光体ド
ラムに向かうレーザビームのミラーの反射点と感光体ド
ラム上の結像位置とを結ぶ線すなわちミラーと感光体ド
ラムとの間に平行平板が存在しない場合のレーザビーム
の光路に対して、角度φだけ傾けた状態を主走査方向か
ら見た断面図である。なお、角度φは、平行平板がレー
ザビームに対して傾けられている量と等価であるが、レ
ーザビームが光偏向装置5の多面鏡5aにより偏向され
る量すなわちレーザビームの振り角を示している。
【0080】図8に示されるように、平行平板 (39)
の厚さをd、平行平板 (39) の屈折率をnとすると、
平行平板へ入射するレーザビームの入射角はφで示され
ることから、レーザビームの入射面での屈折角φ´は、
スネルの法則により、 φ´ = sin-1 (sinφ/n) ‥‥‥ (4) と書き表せる。また、レーザビームは、屈折角φで平行
平板から出射される。すなわち、平行平板に入射された
レーザビームは、平行平板を通って入射レーザビームと
平行に出射される。
【0081】このとき、角度φで平行平板に入射したレ
ーザビームが、平行平板内を進む距離d´は、 d´ = d/cosφ´ ‥‥‥ (5) で示される。なお、いうまでもなく、d´>dとなる。
【0082】ここで、図7のdをd´に置き換えて
(2) 式ないし (5) 式を整理すると、 Δx = d[tanθ−tan{sin -1(sinθ/n)}]cosθ/cos[sin -1(sinφ/n)] ‥‥‥ (6) が導きだされる。
【0083】図9は、 (6) 式に示した距離Δxと平行
平板の副走査方向の傾き角θとの関係を示すグラフであ
る。なお、図9では、レーザビームの振り角すなわち角
度φの最大値を25°、平行平板の屈折率nを、n=
1.47 (ガラスの材質はBK7) 、ならびに、平行平
板の厚さdを2ミリメートルとしている。
【0084】図9に示されるように、平行平板を副走査
方向に傾けることにより、入射レーザビームと出射レー
ザビームとの間の平行距離Δxがおおむね角度θに比例
して増大されることが認められる。このことは、平行平
板を副走査方向に傾ける量と方向を最適化することで、
第1ないし第3の結像レンズ27,29および31によ
りそれぞれのレーザビームに付与される主走査線の曲り
を打ち消すことのできる可能性を示している。
【0085】図10は、図3に示した光走査装置1にお
いて、平行平板すなわち防塵ガラス39 (Y,M,Cお
よびB) を、それぞれのレーザビームL (Y,M,Cお
よびB) に関して副走査方向で±15°の範囲で傾けた
場合に、主走査線曲りの量が変化する状態を示すグラフ
である。
【0086】図10に示されるように、それぞれのレー
ザビームL (Y,M,CおよびB)に関して、主走査線
曲りが最小になる傾き角θが存在することが認められ
る。なお、レーザビームLY (イエロー) とレーザビー
ムLB (黒) とは、副走査方向に関して系の光軸Oに対
称であるから、レーザビームLYのみを表示している。
この場合、レーザビームLYとレーザビームLBとは、
極性 (方向) が逆向きになることから、光走査装置1に
おいて、防塵ガラス39Yと防塵ガラス39Bとが傾け
られる方向が逆になるが、本実施例では、実質的に極性
が無視できる程度まで改善される。
【0087】図11は、図10に示した主走査線曲りに
関し、平行平板すなわち防塵ガラス39 (Y,M,Cお
よびB) を、それぞれのレーザビームL (Y,M,Cお
よびB) に関して副走査方向で±3°の範囲で傾けて、
最適な傾き角θを求めたグラフである。なお、図11
は、実質的に図10に示したグラフを拡大したと同一で
あるから詳細な説明は省略する。
【0088】図11および図10に示されるように、各
レーザビームLY,LM,LCおよびLBのそれぞれの
主走査線曲りの量を求め、対応する防塵ガラス39Y,
39M,39Cおよび39Bのそれぞれを、ミラーと感
光体ドラムとの間に平行平板が存在しない場合のレーザ
ビームの光路に対して、所定量だけ傾けることで、各レ
ーザビームLY,LM,LCおよびLBの主走査線曲り
を最小にできる。
【0089】図12は、防塵ガラスに適した平行平板の
屈折率との関係を示している。図12に示されるよう
に、図9ないし図11を用いて求めた平行平板による主
走査線曲りの補正量は、平行平板の屈折率nの増加に対
して次第に増大されるものの非線形増加を示し、ある屈
折率をピークとして以降斬減する。ここで、 (6) 式に
より、補正量が最大となる屈折率nを求めると、おおむ
ね1.7となる。ところで、屈折率nが1.7を越える
平行平板は、比較的高価であることから、図12の結果
より、好ましくは、n≦1.7を満足する平行平板を利
用すればよい。以下、表2に、各防塵ガラス39Y,3
9M,39Cおよび39Bの傾き角θを示す。
【0090】
【表2】
【0091】図13 (a) および図13 (b) は、副走
査方向の間隔のずれおよび主走査方向の傾きを調整する
ための基準として利用される折返しミラー33Bを除い
た第3の折返しミラー37Y,37Mおよび37C、第
2の折返しミラー35Y,35Mおよび35Cならびに
第1の折返しミラー33Y,33Mおよび33C、すな
わち、光路長および副走査方向の間隔のずれおよび主走
査方向の傾きを調整可能な全ての折返しミラーを、所定
の角度ならびに光路長を満足する位置に支持するミラー
支持機構の一例を示す側面図および概略斜視図である。
なお、ここでは、1つのミラーで代表して説明する。
【0092】図13 (a) および図13 (b) に示され
るように、ミラーは、光走査装置1の中間ベース1aの
所定の位置に、中間ベース1aと一体的に形成された固
定部材1b、固定部材1bに対し、対応するミラーを挟
んで対向されるミラー保持部材1c、及び、固定部材1
bに一体的に配置され、ミラー保持部材1cに向けてミ
ラーを押圧するばね41により保持される。なお、固定
部材1b、ミラー保持部材1cおよびばね41は、対応
するミラーの主走査方向両端に対をなして形成されてい
る。
【0093】それぞれのミラー保持部材1cの高さ方向
のおおむね中央には、自身の旋回運動によってミラー保
持部材1c内を矢印AおよびB方向に移動可能であっ
て、ミラーに対向される側に所定の大きさの突起43a
が形成されている止めねじ43が配置されている。な
お、突起43aは、ミラーが矢印CおよびD方向に回転
されるための支点43fとして機能する1点で、ミラー
の表面すなわちガラスなどの支持部材に反射部材として
の金属などが蒸着されている面と接触される。これによ
り、それぞれのミラーに入射されるレーザビームは、ミ
ラーの支持部材の厚さおよび支持部材による屈折ならび
に内部反射の影響を受けることなく、支点43f (突起
43a) により管理される位置を反射位置として、光路
長を正確に設定できる。
【0094】各ミラー保持部材1cの止めねじ43の側
方すなわち高さ方向上下には、自身の旋回運動によって
ミラー保持部材1c内を矢印AおよびB方向に移動する
ことにより、ミラーを矢印AおよびB方向に移動させる
一対の傾き調整ねじ45aおよび45bが配置されてい
る。
【0095】図13 (a) および図13 (b) に示され
るように、ミラーは、止めねじ43ならびに傾き調整ね
じ45aおよび45bが矢印AおよびB方向のいづれか
に移動されることで、対応するミラーの一端部を、光走
査装置1のハウジングの中間ベース1aに沿って平行移
動される。また、ミラーは、止めねじ43の突起43a
とミラーとの接点43fを支点とし、傾き調整ねじ45
aおよび45bが相互に逆向きに移動されることで、傾
き調整ねじ45aおよび45bの移動量 (繰り出し量)
に対応して回転される。
【0096】次に、図13 (a) および図13 (b) に
示した傾き調整機構ならびに平行移動機構を用いて、折
返しミラー33Y,33M,33C,35Y,35M,
35C,37Y,37Mおよび37Cの少なくとも3枚
を平行移動または回転させることで光偏向装置5の反射
面と各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) との間
の光路長の最適化および副走査方向の間隔のずれおよび
主走査方向の傾きを最小にするための方法について説明
する。
【0097】表3ないし表5は、折返しミラー33Y,
33M,33C,35Y,35M,35C,37Y,3
7Mおよび37Cのそれぞれに関し、各ミラーを独立に
副走査方向に関して回転 (光偏向装置の反射面から感光
体ドラムに向かうレーザビームのミラーへの入射角およ
びミラーからの反射角を変化させる) および各ミラーの
主走査方向前側および奥側 (図3において紙面と直交す
る方向で紙面後方を奥側と示す) のそれぞれを独立に平
行移動したときの、像面でのデフォーカス量、副走査方
向の間隔のずれならびに主走査方向の傾きの変化をシミ
ュレーションにより計測した結果を示している。なお、
シミュレーションに用いるレーザビームは、レーザビー
ムの偏向角 (走査角) が最大となる両端部の2本とし、
各ミラーを平行移動する量は、反射面 (表面) 基準で、
0.2ミリメートルとした。
【0098】表3および表4は、上述した回転および平
行移動を与えるミラーの合計枚数を2枚、及び、回転な
らびに平行移動を与える回数 (調整箇所の合計数) を4
箇所としたときに、像面でのデフォーカス量および副走
査方向の間隔のずれならびに主走査方向の傾きの変化が
目標値になり得る位置を、減衰最小自乗法により解を求
める方法で検索した結果を示している。なお、表3およ
び表4に示した例は、それぞれ、第1のミラー33Y,
第2のミラー35Yおよび第3のミラー37Yについて
示しているが、残りの色に対応するミラーについても自
由度が同一であるから、実質的に同一の解が得られるこ
とになる。また、減衰最小自乗法は、レンズの自動設計
などに利用される手法の1つであって、たとえば、共立
出版株式会社より刊行されている「レンズ設計法」第1
31頁ないし第137頁などに示されている。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】表3および表4に示されるように、回転お
よび平行移動を与えるミラーの合計枚数を2枚ならびに
調整箇所の合計数を4箇所としたときに、 a) 第1のミラーの前側および奥側ならびに第2のミラ
ーの前側を平行移動して、第2のミラーを回転させたと
き、 b) 第1のミラーを回転させ、第1のミラーの前側およ
び奥側ならびに第3のミラーの奥側を平行移動したと
き、 c) 第1のミラーの前側および奥側ならびに第3のミラ
ーの奥側を平行移動して、第3のミラーを回転させたと
き、 d) 第3のミラーを回転させ、第1のミラーの奥側なら
びに第3のミラーの前側および奥側を平行移動したと
き、 e) 第2のミラーを回転させ、第2のミラーの奥側なら
びに第3のミラーの前側および奥側を平行移動したと
き、及び、 f) 第3のミラーを回転させ、第2のミラーの奥側なら
びに第3のミラーの前側および奥側を平行移動したと
き、 の6つの条件において、デフォーカス量および副走査方
向の間隔のずれならびに主走査方向の傾きの変化を目標
値に設定可能な位置を提供できることが認められる。
【0102】表5は、上述した回転および平行移動を与
えるミラーの合計枚数を3枚ならびに回転あるいは平行
移動を与える回数 (としたときに、像面でのデフォーカ
ス量および副走査方向の間隔のずれ,主走査方向の傾き
の変化が目標値になり得る位置を、減衰最小自乗法によ
り解を求める方法で検索した結果を示している。
【0103】
【表5】
【0104】表5に示されるように、調整箇所の合計数
を3箇所とした場合には、デフォーカス量および副走査
方向の間隔のずれならびに主走査方向の傾きの変化を目
標値に設定できる位置は、存在しないことが認められ
る。
【0105】図14は、図1に示した画像形成装置の画
像形成動作を制御する画像制御部の概略ブロック図であ
る。画像形成装置100は、画像制御部110を有して
いる。
【0106】画像制御部110は、画像制御CPU11
1、タイミング制御部113および各色成分に対応する
データ制御部115Y,115M,115Cおよび11
5Bなどの複数の制御ユニットを含んでいる。なお、画
像制御CPU111、タイミング制御部113および各
データ制御部115 (Y,M,CおよびB) は、それぞ
れ、バスライン112を介して相互に接続されている。
【0107】また、画像制御CPU111は、バスライ
ン112により、画像形成装置100の機械要素、たと
えば、モータあるいはローラなどの動作、および、電気
的要素、たとえば、帯電装置60 (Y,M,Cおよび
B) ,現像装置62 (Y,M,CおよびB) あるいは転
写装置64 (Y,M,CおよびB) に印加される電圧値
または電流量などを制御する主制御装置101と接続さ
れている。なお、主制御装置101には、装置100を
イニシャルするためのイニシャルデータあるいはテスト
パターンなどが記憶されている図示しないROM (リー
ド・オンリ・メモリ) 、入力された画像データあるいは
レジストセンサ78および80の出力に応じて算出され
る補正データなどを一時的に記憶するRAM102 (ラ
ンダム・アクセス・メモリ) 、及び、後述する調整モー
ドによって求められるさまざまな補正データを記憶する
不揮発性メモリ103などが接続されている。
【0108】タイミング制御部113には、各色成分ご
との画像データが記憶される画像メモリ114Y,11
4M,114Cおよび114B、各画像メモリ114
(Y,M,CおよびB) に基づいて、各画像形成部50
(Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,
M,CおよびB) に向かってレーザビームを照射するた
めに対応するレーザ素子3 (Y,M,CおよびB) を付
勢するレーザ駆動部116(Y,M,CおよびB) 、レ
ジストセンサ78および80からの出力に基づいてレー
ザビームLY,LM,LCおよびLBにより画像を書き
込むタイミングの補正量をレジストセンサ78および8
0からの信号に基づいて演算するレジスト補正演算装置
117、レジスト補正演算装置117からの信号に基づ
いて各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) および光
走査装置1のレーザ素子3 (Y,M,CおよびB) を動
作させるためのさまざまなタイミングを規定するタイミ
ング設定装置118、及び、各画像形成部50 (Y,
M,CおよびB) ごとの固体誤差および光走査装置1内
の各光路の光路長の差に起因するずれを補正する発振周
波数可変回路 (ボルテージ・コントロールド・オシレー
タすなわち電圧制御発振回路、以下、VCOとする) 1
19Y,119M,119Cおよび119Bなどが接続
されている。
【0109】タイミング制御装置113は、内部に、補
正データを記憶できるRAM部を含むマイクロプロセッ
サであって、たとえば、個々の仕様に基づいて専用IC
(アプリケーション・スペシフィック・インテグレーテ
ッド・サーキット、以下、ASICとする) などに集積
されている。データ制御部115 (Y,M,Cおよび
B) は、それぞれ、複数のラッチ回路およびORゲート
などを含むマイクロプロセッサであって、同様に、AS
ICなどに集積されている。レジスト補正演算装置11
7は、少なくとも4組のコンパレータおよびORゲート
などを含むマイクロプロセッサであって、同様に、AS
ICなどに集積されている。VCO119(Y,M,C
およびB) は、それぞれ、出力される周波数が印加され
る電圧に応じて変化できる発振回路であって、±3%程
度の周波数可変範囲を有する。この種の発振回路として
は、調和発振回路、LC発振回路あるいはシミュレーテ
ッドリアクタンス可変LC発振回路などが利用される。
なお、VCO119として利用可能な素子として、出力
波形をサイン波から矩形波に変換する変換器が一体に組
み込まれた回路素子も知られている。
【0110】各画像メモリ114 (Y,M,Cおよび
B) には、図示しない外部記憶装置あるいはホストコン
ピュータなどからの画像データが記憶される。また、光
走査装置1の水平同期検出器23の出力は、水平同期信
号発生回路121を介して水平同期信号Hsyncに変
換され、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB)
に入力される。
【0111】次に、図1および図14を参照して、画像
形成装置100の動作を説明する。画像形成装置100
は、搬送ベルト52を介して搬送されている用紙P上に
画像を形成する画像形成 (通常) モードと搬送ベルト5
2上に直接画像を形成するレジスト補正 (調整) モード
との2つのモードで動作可能である。
【0112】以下、第1に、レジスト補正 (調整) モー
ドについて説明する。図15は、レジスト補正モードを
説明するために図1に示されている画像形成装置の搬送
ベルトの近傍を抜き出した概略斜視図である。既に説明
したように、レジストセンタ78および80は、搬送ベ
ルト52の幅方向すなわち副走査方向Hに所定の間隔で
配置されている。なお、レジストセンタ78および80
相互の中心を結ぶ線 (仮想) は、各画像形成部50
(Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,
M,CおよびB) の軸線におおむね平行に規定される。
レジストセンタ78および80の中心を結ぶ線は、好ま
しくは、画像形成部50Bの感光体ドラム58Bに、正
確に平行に配置される。
【0113】搬送ベルト52は、ベルト駆動ローラ54
が矢印の方向に回転されることにより、領域52aがロ
ーラ54からローラ56に向かう方向に移動される (以
下、この方向を副走査方向Hとする) 。
【0114】レジスト補正モードでは、それぞれの画像
形成部50 (Y,M,CおよびB)により、搬送ベルト
52の副走査方向Hと直交する方向 (以下、この方向を
主走査方向Vとする) に所定の距離をおいた2組のテス
ト画像178 (Y,M,CおよびB) および180
(Y,M,CおよびB) が形成される。
【0115】それぞれのテスト画像178 (Y,M,C
およびB) および180 (Y,M,CおよびB) は、R
OMにあらかじめ記憶されているレジスト調整用画像デ
ータに対応して形成される。
【0116】主走査方向Vに沿って距離を置いた一対の
テスト画像178および180は、搬送ベルト52の移
動にともなって副走査方向Hに沿って移動され、レジス
トセンサ78および80を通過される。この結果、テス
ト画像178および180とレジストセンサ78および
80との間のずれが検出される。なお、レジスト補正モ
ードでは、カセット70から用紙Pを給送する送り出し
ローラ72および定着装置84は、停止されたままであ
る。
【0117】詳細には、主制御装置101の制御によ
り、第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50
Cおよび50Bが付勢され、各画像形成部50 (Y,
M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,Cお
よびB) の表面に所定の電位が与えられる。同時に、画
像制御部110の画像制御CPU111の制御により光
走査装置1の光偏向装置5の多面鏡5aが所定の速度で
回転される。
【0118】続いて、画像制御CPU111の制御によ
りROMから取り込まれたテスト画像に対応する画像デ
ータが各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に取
り込まれる。こののち、タイミング制御部113によ
り、タイミング設定装置118により設定されたタイミ
ングデータおよびタイミング制御部113の内部RAM
に記憶されているレジスト補正データ (内部RAMにレ
ジスト補正データが記憶されていない初期状態では、R
OMに記憶されているイニシャルデータが利用される)
に基づいてタイミング制御部113から垂直同期信号V
syncが出力される。
【0119】タイミング制御部113により発生された
垂直同期信号Vsyncは、各データ制御部115
(Y,M,CおよびB) および各VCO119 (Y,
M,CおよびB) に供給される。
【0120】各データ制御部115 (Y,M,Cおよび
B) は、垂直同期信号Vsyncに基づいて、対応する
レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) により光走
査装置1の対応するレーザ素子3 (Y,M,Cおよび
B) を動作させ、レーザ素子3(Y,M,CおよびB)
から出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB)
が水平同期検出器23により検知され、水平同期信号発
生回路121から水平同期信号Hsyncが出力されて
から所定のクロック (レジストセンサ78および80か
らの出力が入力されるまでは、ROMに記憶されている
イニシャルデータが利用される) を計数したのち、画像
メモリ114 (Y,M,CおよびB) に記憶されている
画像データを所定のタイミングで出力する。このとき、
各VCO119 (Y,M,CおよびB) から各データ制
御部115 (Y,M,CおよびB)には、ROMに記憶
されているイニシャルデータである発振周波数データが
供給される。続いて、それぞれのデータ制御部115
(Y,M,CおよびB) の制御により、各レーザ駆動部
116 (Y,M,CおよびB) から画像データに対応す
るレーザ駆動信号がレーザ素子3 (Y,M,Cおよび
B) に出力され、レーザ素子3 (Y,M,CおよびB)
から画像データに基づいて強度変調されたレーザビーム
L (Y,M,CおよびB) が出力される。従って、あら
かじめ所定の電位に対応されている画像形成部50Y,
50M,50Cおよび50Bの各感光体ドラム58Y,
58M,58Cおよび58Bのそれぞれに、テスト画像
データに対応する静電潜像が形成される。この静電潜像
は、現像装置62Y,62M,62Cおよび62Bによ
り、対応する色が与えられているトナーで現像され、4
色2組のテストトナー像に変換される。
【0121】各感光体ドラム58 (Y,M,Cおよび
B) 上で現像された4色2組のテストトナー像は、転写
装置64Y,64M,64Cおよび64Bを介して搬送
ベルト52に転写され、レジストセンサ78および80
に向かって搬送される。2組のテストトナー像がレジス
トセンサ78および80を通過される際に、レジストセ
ンサ78および80の位置を基準としたそれぞれのテス
トトナー像の相対位置すなわちテストトナー像のずれに
対応する所定の出力がレジストセンサ78および80か
ら出力される。なお、搬送ベルト52上に形成された2
組のテストトナー像は、搬送ベルト52の回転にともな
ってさらに搬送され、ベルトクリーナ82により取り除
かれる。
【0122】レジストセンサ78および80からの各出
力は、レジスト補正演算装置117に入力され、各テス
トトナー像のずれの演算に利用される。レジスト補正演
算装置117は、副走査方向に所定の距離だけ離れて形
成された各色ごとのテストトナー像の対、すなわち、1
78Yと180Y、178Mと180M、178Cと1
80C、および、178Bと180Bごとに、副走査方
向の位置のずれを検出したのち、平均値を算出し、この
平均値とあらかじめ決められている設計値とのずれ量か
ら垂直同期信号Vsyncを出力するタイミングの補正
量Vrを規定する。これにより、光走査装置1のそれぞ
れのレーザ素子3(Y,M,CおよびB) の発光タイミ
ング、すなわち、各画像形成部50 (Y,M,Cおよび
B) が配置された間隔および光走査装置1から出射され
る各レーザビームL (Y,M,CおよびB) 相互の副走
査方向の距離に依存する副走査方向のずれが整合され
る。
【0123】また、レジスト補正演算装置117は、1
組のテストトナー像、たとえば、178Y,178M,
178Cおよび178Bのそれぞれの主走査方向の位置
のずれを検出したのち、平均値を算出し、この平均値と
あらかじめ決められている設計値とのずれ量から水平同
期信号Hsyncが出力されてから画像データを出力す
るタイミングの補正量Hrを規定する。これにより、光
走査装置1の各レーザ素子3 (Y,M,CおよびB) か
ら出射されるレーザビームL (Y,M,CおよびB) を
画像データで強度変調するタイミング、すなわち、それ
ぞれの画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光
体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に記録される画像
データの主走査方向の書きだし位置が整合される。
【0124】レジスト補正演算装置117は、さらに、
テストトナー像の対、すなわち、178Yと180Y、
178Mと180M、178Cと180C、および、1
78Bと180Bごとに、主走査方向の位置のずれを検
出したのち平均値を算出し、この平均値と予め決められ
ている設計値とのずれを算出することで、VCO119
(Y,M,CおよびB) から出力される発振周波数の補
正量Frを規定する。これにより、光走査装置1のそれ
ぞれのレーザ素子3 (Y,M,CおよびB) から各画像
形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム5
8 (Y,M,CおよびB) に向かって出射される各レー
ザビームの1クロック当たりの主走査方向の長さ、すな
わち、各感光体58 (Y,M,CおよびB) に結像され
る主走査方向の1ラインの長さが整合される。
【0125】なお、レジスト補正演算装置117により
求められたそれぞれの補正量Vr,HrおよびFrは、
それぞれ、タイミング制御部113内のRAM部に、一
時的に記憶される。この場合、それぞれの補正量Vr,
HrおよびFrは、不揮発性RAM103に記憶されて
もよい。また、これらの補正動作は、図示しないコント
ロールパネルにより補正モードの選択が指示されたと
き、画像形成装置100の図示しない電源スイッチがオ
ンされたとき、あるいは、図示しないカウンタなどによ
りカウントされるプリント枚数が所定枚数に達したとき
などのあらかじめ決められたタイミングで実行される。
【0126】次に、画像形成 (通常) モードについて説
明する。図示しない操作パネルあるいはホストコンピュ
ータから画像形成開始信号が供給されることで、主制御
装置101の制御により各画像形成部50 (Y,M,C
およびB) がウォームアップされるとともに、画像制御
CPU111の制御により光走査装置1の光偏向装置5
の多面鏡5aが所定の回転速度で回転される。
【0127】続いて、主制御装置101の制御により、
外部記憶装置あるいはホストコンピュータもしくはスキ
ャナ (画像読取装置) からプリントすべき画像データが
RAM102に取り込まれる。RAM102に取り込ま
れた画像データの一部 (あるいは全部) は、画像制御部
110の画像制御CPU111の制御により、各画像メ
モリ114 (Y,M,CおよびB) に収納される。ま
た、主制御装置101の制御により、所定のタイミン
グ、たとえば、タイミング制御部113からの垂直同期
信号Vsyncなどを基準として、送り出しローラ72
が付勢され、用紙カセット70から1枚の用紙Pが取り
出される。この取り出された用紙Pは、レジストローラ
72により各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) に
よる画像形成動作により提供されるY,M,CおよびB
の各トナー像とタイミングが整合され、吸着ローラ74
により搬送ベルト52に密着されて、搬送ベルト52の
回転にともなって、各画像形成部50に向かって案内さ
れる。
【0128】一方、用紙Pの給送および搬送動作と平行
してあるいは同時に、タイミング設定装置118により
設定されたデータおよびタイミング制御部113の内部
RAMから読み出されたレジストデータおよびクロック
データに基づいて、タイミング制御部113から垂直同
期信号Vsyncが出力される。
【0129】タイミング制御部113により垂直同期信
号Vsyncが出力されることで、各データ制御部11
5 (Y,M,CおよびB) の制御により各レーザ駆動部
116 (Y,M,CおよびB) が付勢され、各レーザ素
子3 (Y,M,CおよびB)から主走査方向の1ライン
分のレーザビームが各画像形成部50 (Y,M,Cおよ
びB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に
照射される。この1ライン分のレーザビームに基づいて
水平同期信号発生回路121から発生される水平同期信
号Hsyncの入力直後から各VCO119 (Y,M,
CおよびB) のクロック数がカウントされ、各VCO1
19 (Y,M,CおよびB) のクロック数が所定値に達
した時点で、各画像メモリ114 (Y,M,Cおよび
B) からプリントすべき画像データが読み出される。続
いて、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) の
制御により、各レーザ駆動部116 (Y,M,Cおよび
B)に対し、各レーザ素子3 (Y,M,CおよびB) か
ら出射される各レーザビームL (Y,M,CおよびB)
の強度を変化するために画像データが転送され、各画像
形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム5
8 (Y,M,CおよびB) に、ずれのない画像が形成さ
れる。この結果、それぞれの感光体ドラム58(Y,
M,CおよびB) に案内される各レーザビームL (Y,
M,CおよびB)が、各レーザ素子3 (Y,M,Cおよ
びB) から各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB)
までの間の光路の偏差あるいは各感光体ドラム58
(Y,M,CおよびB) の直径の偏差に起因する像面で
のビームスポット径の変動の影響を受けることなく各感
光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に正確に結像さ
れる。
【0130】各感光体ドラム58 (Y,M,Cおよび
B) に結像されたそれぞれのレーザビームL (Y,M,
CおよびB) は、予め所定の電位に帯電されている各感
光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の電位を、画像
データに基づいて変化させることで、各感光体ドラム5
8 (Y,M,CおよびB) に、画像データに対応する静
電潜像を形成する。この静電潜像は、各現像装置62
(Y,M,CおよびB) により、対応する色を有するト
ナーにより現像され、トナー像に変換される。
【0131】各トナー像は、それぞれの感光体ドラム5
8 (Y,M,CおよびB) の回転にともなって搬送ベル
ト52により搬送されている用紙Pに向かって移動さ
れ、予め決められたタイミングにより、転写装置64に
より、搬送ベルト52上の用紙Pに、所定のタイミング
で転写される。これにより、用紙P上で互いに正確に重
なりあった4色のトナー像が用紙Pに形成される。な
お、トナー像が用紙Pに転写されたあとの各感光体ドラ
ム58 (Y,M,CおよびB) は、対応するクリーナ6
6 (Y,M,CおよびB) および除電ランプ68 (Y,
M,CおよびB) により残存トナーおよび残存電位が除
去されたのち、引き続く画像形成に利用される。
【0132】4色のトナー像を静電的に保持した用紙P
は、搬送ベルト52の回転にともなってさらに搬送さ
れ、ベルト駆動ローラ56の曲率と用紙Pの直進性との
差によって搬送ベルト52から分離されて、定着装置8
4へ案内される。定着装置84へ導かれた用紙Pは、定
着装置84によりそれぞれのトナーが溶融されることに
より、カラー画像としてのトナー像が定着されたのち、
図示しない排出トレイに排出される。
【0133】一方、用紙Pを定着装置84に供給したあ
との搬送ベルト52はさらに回転されつつ、ベルトクリ
ーナ82により、表面に残った不所望なトナーが除去さ
れ、再び、カセット70から給送される用紙Pの搬送に
利用される。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の光走査
装置は、光学手段と走査対象物との間に複数の光のそれ
ぞれに対応して配置される反射手段から走査対象物に向
かう光の光路に対して非垂直に配置された平行平板を有
することから、光学手段により複数の光のそれぞれに与
えられた光学特性を、平行平板の傾きに応じて、さらに
最適な光学特性となるよう、それぞれの光ごとに調整で
きる。
【0135】また、平行平板は、光学手段を通過された
あとの光に対して平行平板の屈折率が影響する程度がお
おむね線形に維持される範囲に形成されることから、平
行平板を、実質的に光学手段の特性を補正することので
きる第2の光学手段として利用可能となる。
【0136】さらに、反射手段は、光学手段から走査対
象物に向かう光に対して光路長を変更可能であって、か
つ、光学手段によりそれぞれの光に与えられる光学特性
の一部の特性を補正可能であることから、光学手段が負
担すべき光学特性が低減され、簡単な形状の光学手段の
利用が可能となる。
【0137】これにより、それぞれの光が通過される光
学手段を1つとした状態で、光学手段を通過されて走査
対象物に案内される光を、それぞれの光ごとに、微調整
可能となる。また、部品点数が低減される。さらに反射
手段の少なくとも1つは、光走査装置の所定の位置に、
光路長の差および内部反射の影響を与えることのないよ
う反射面があらかじめ所定の位置に固定され、他の反射
手段を調整するための基準となることから、調整に必要
なコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるカラー画像形成装置の
概略断面図。
【図2】図1に示したカラー画像形成装置に利用される
光走査装置を第1ないし第3の結像レンズを中心とし
て,主走査方向から見た状態で展開した光路図。
【図3】図1に示したカラー画像形成装置に利用される
光走査装置を光偏向装置の反射面と感光体ドラムとの間
が最小値を示す位置で切断した概略断面図。
【図4】図2および図3に示した光走査装置に利用され
る折返しミラーブロックの概略斜視図。
【図5】図2および図3に示した光走査装置に利用され
る水平同期検出用折返しミラーの概略斜視図。
【図6】図2および図3に示した光走査装置の各レンズ
を通るレーザビームの副走査方向の位置を示す概略断面
図。
【図7】図2および図3に示した光走査装置の平行平板
ガラス部材の副走査方向の傾きと平行平板ガラス部材を
通過されるレーザビームの副走査方向の位置を示す概略
断面図。
【図8】図7に示した平行平板ガラス部材の副走査方向
の傾きと平行平板ガラス部材を通過されるレーザビーム
の主走査方向の距離を示す概略断面図。
【図9】図7に示した平行平板ガラス部材の副走査方向
の傾きと第1ないし第3の結像レンズを通過されたレー
ザビームの主走査線曲りとの関係を示すグラフ。
【図10】図7に示した平行平板ガラス部材の副走査方
向の傾きと第1ないし第3の結像レンズを通過されたレ
ーザビームの主走査線曲りとの関係を示すグラフ。
【図11】図7に示した平行平板ガラス部材の副走査方
向の傾きと第1ないし第3の結像レンズを通過されたレ
ーザビームの主走査線曲りとの関係を示すグラフ。
【図12】図7に示した平行平板ガラス部材の屈折率と
第1ないし第3の結像レンズを通過されたレーザビーム
の主走査線曲りとの関係を示すグラフ。
【図13】図2に示した光走査装置の出射ミラーの調整
機構を示す概略斜視図。
【図14】図1に示した画像形成装置の制御部を示す概
略ブロック図。
【図15】図1に示した画像形成装置の副走査方向のタ
イミングを整合する方法を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1…マルチビーム光走査装置、 3…半導体レー
ザ素子、5…光偏向装置、 7…偏
向前光学系、9…有限焦点レンズ、 11
…ハイブリッドシリンダレンズ、13…ミラーブロッ
ク、 15…保持部材、17…プラスチッ
クシリンダレンズ、 19…ガラスシリンダレンズ、2
1…偏向後光学系、 23…水平同期検
出器、25…水平同期用折返しミラー、 27…第
1の結像レンズ、29…第2の結像レンズ、
31…第3の結像レンズ、33…第1の折返しミラ
ー、 35…第2の折返しミラー、37…第3
の折返しミラー、 39…防塵ガラス、41…
ばね、 43…止めねじ、45
a,45b…傾き調整ねじ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の光を走査対象物に向けて走査する走
    査手段と、 前記複数の光のそれぞれに対して所定の光学特性を与え
    る少なくとも1つの光学手段と、この光学手段と前記走
    査対象物との間に前記複数の光のそれぞれに対応して配
    置される反射手段と、この反射手段により前記走査対象
    物に向かう光の光路に対して非垂直に配置された平行平
    板と、を含み、前記走査手段により走査された前記光を
    前記走査対象物の所定の位置に結像する結像手段と、
    を、有する光走査装置。
  2. 【請求項2】複数の光を走査対象物に向けて走査する走
    査手段と、 前記複数の光のそれぞれに対して所定の光学特性を与え
    る少なくとも1つの光学手段と、この光学手段と前記走
    査対象物との間に前記複数の光のそれぞれに対応して配
    置される反射手段と、nで規定される屈折率が、n≦
    1.7を満足するとともに、前記反射手段により前記走
    査対象物に向かう光の光路に対して非垂直に配置された
    平行平板と、を含み、前記走査手段により走査された前
    記光を前記走査対象物の所定の位置に結像する結像手段
    と、を、有する光走査装置。
  3. 【請求項3】複数の光を走査対象物に向けて走査する走
    査手段と、 前記複数の光のそれぞれに対して所定の光学特性を与え
    るただ1組の光学手段と、この光学手段と前記走査対象
    物との間に前記複数の光のそれぞれに対応して配置され
    る反射手段と、この反射手段により前記走査対象物に向
    かう光の光路に対して非垂直に配置された平行平板と、
    を含み、前記走査手段により走査された前記光を前記走
    査対象物の所定の位置に結像する結像手段と、を、有す
    る光走査装置。
  4. 【請求項4】複数の光を走査対象物に向けて走査する走
    査手段と、 前記複数の光のそれぞれに対して所定の光学特性を与え
    る少なくとも1つの光学手段と、この光学手段と前記走
    査対象物との間に、前記走査対象物に向かう前記複数の
    光のそれぞれに対し、所定の角度および所定の光路長を
    提供可能に配置され、前記それぞれの光を前記走査対象
    物の所定の位置に案内する反射手段と、を含み、前記走
    査手段により走査された前記光を前記走査対象物の所定
    の位置に結像する結像手段と、を、有する光走査装置。
  5. 【請求項5】複数の光を走査対象物に向けて走査する走
    査手段と、 前記複数の光のそれぞれに対して所定の光学特性を与え
    る少なくとも1つの光学手段と、この光学手段と前記走
    査対象物との間に、前記走査対象物に向かう前記複数の
    光の少なくとも1つに対し、前記光学手段からの前記光
    に対して光路長の差および内部反射の影響を与えること
    のないよう所定の角度で固定されるとともに、前記それ
    ぞれの光を前記走査対象物の所定の位置に案内する反射
    手段と、を含み、前記走査手段により走査された前記光
    を前記走査対象物の所定の位置に結像する結像手段と、
    を、有する光走査装置。
JP7119806A 1995-05-18 1995-05-18 光走査装置 Pending JPH08313833A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7119806A JPH08313833A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 光走査装置
US08/649,238 US5801746A (en) 1995-05-18 1996-05-17 Image forming apparatus having a plurality of mirror members each capable of moving in a parallel or rotary direction

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7119806A JPH08313833A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 光走査装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005016120A Division JP2005202416A (ja) 2005-01-24 2005-01-24 光走査装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08313833A true JPH08313833A (ja) 1996-11-29

Family

ID=14770694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7119806A Pending JPH08313833A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 光走査装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5801746A (ja)
JP (1) JPH08313833A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH095656A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nec Corp カラー電子写真装置
US6088146A (en) * 1997-09-01 2000-07-11 Minolta Co., Ltd. Scanning optical system and a scanning optical apparatus
JP2006139200A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Fuji Xerox Co Ltd 光走査装置
JP2008026909A (ja) * 2007-07-30 2008-02-07 Toshiba Corp 光走査装置
KR100856591B1 (ko) * 2005-03-15 2008-09-03 캐논 가부시끼가이샤 주사광학장치 및 그것을 이용한 컬러화상형성장치
JP2011064717A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3851469B2 (ja) * 1999-07-21 2006-11-29 ペンタックス株式会社 マルチビーム光源走査装置
JP4850331B2 (ja) * 2000-09-13 2012-01-11 キヤノン株式会社 走査光学装置及びそれを用いたカラー画像形成装置
US6490072B2 (en) 2001-01-12 2002-12-03 Lexmark International, Inc. Mirror angle adjustment and mounting system for a laser scanner device
KR100452852B1 (ko) * 2002-01-09 2004-10-14 삼성전자주식회사 확대 광학계 및 그것을 갖는 화상형성 장치
JP2004021133A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Canon Inc 走査光学装置
JP4120311B2 (ja) * 2002-08-09 2008-07-16 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 タンデム型のレーザー走査装置
US7411712B2 (en) * 2003-03-19 2008-08-12 Ricoh Company, Limited Optical scanner and image formation apparatus
JP4363400B2 (ja) * 2005-12-27 2009-11-11 ブラザー工業株式会社 画像形成装置
JP4736935B2 (ja) 2006-04-28 2011-07-27 ブラザー工業株式会社 走査光学装置
US7777923B2 (en) * 2006-07-20 2010-08-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical beam scanning apparatus, image forming apparatus
JP5066224B2 (ja) * 2010-06-17 2012-11-07 シャープ株式会社 光走査装置及び画像形成装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07111509B2 (ja) * 1988-08-19 1995-11-29 キヤノン株式会社 光走査装置
US5181137A (en) * 1988-08-24 1993-01-19 Canon Kabushiki Kaisha Light scanning apparatus
US5457550A (en) * 1991-02-27 1995-10-10 Ricoh Company, Ltd. Optical scanner unit having recursive optical system
JPH05142489A (ja) * 1991-11-20 1993-06-11 Canon Inc 光走査装置
JP2830670B2 (ja) * 1992-12-29 1998-12-02 キヤノン株式会社 光走査装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH095656A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nec Corp カラー電子写真装置
US6088146A (en) * 1997-09-01 2000-07-11 Minolta Co., Ltd. Scanning optical system and a scanning optical apparatus
JP2006139200A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Fuji Xerox Co Ltd 光走査装置
JP4635574B2 (ja) * 2004-11-15 2011-02-23 富士ゼロックス株式会社 光走査装置
KR100856591B1 (ko) * 2005-03-15 2008-09-03 캐논 가부시끼가이샤 주사광학장치 및 그것을 이용한 컬러화상형성장치
JP2008026909A (ja) * 2007-07-30 2008-02-07 Toshiba Corp 光走査装置
JP2011064717A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US5801746A (en) 1998-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3375196B2 (ja) 光走査装置およびこの光走査装置に適した画像形成装置
JP3209656B2 (ja) 光走査装置
JP2004246290A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JPH08313833A (ja) 光走査装置
KR20030017433A (ko) 주사형 광학장치와 이를 이용한 화상형성장치
JPH1195140A (ja) マルチビーム露光装置
JPH08262352A (ja) 光走査装置ならびにこの光走査装置を利用した画像形成装置
JP2001091873A (ja) 光走査装置
JPH09179046A (ja) 光走査装置
JP3872872B2 (ja) 光学装置及び画像形成装置
JPH11352430A (ja) 光学装置
JP2005202416A (ja) 光走査装置および画像形成装置
US20050094235A1 (en) Optical scanning apparatus and image forming apparatus using the same
US7623147B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus using the same
JPH09184991A (ja) 光走査装置並びにこの光走査装置を利用した画像形成装置
JP2001103248A (ja) 光走査装置
JP3793212B2 (ja) 画像形成装置
JP3869529B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2008026909A (ja) 光走査装置
JP4546118B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いたカラー画像形成装置
JP4012207B2 (ja) 画像形成装置ならびに光走査装置
JPH1026732A (ja) 光走査装置並びにこの光走査装置を利用した画像形成装置
JP3787285B2 (ja) 光走査装置
JPH09179047A (ja) 光走査装置
JP4621232B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050420

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050519

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050715