JP3787285B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明分野】
この発明は、複数ドラム方式カラープリンタ、複数ドラム方式カラー複写機、高速レーザプリンタあるいはデジタル複写機などに利用可能な、複数のビームを走査するマルチビーム光走査装置ならびにこのマルチビーム光走査装置が利用される画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、複数ドラム方式カラープリンタあるいは複数ドラム方式カラー複写機などの画像形成装置では、色分解された色成分に対応する複数の画像形成部、及び、この画像形成部に、色成分に対応する画像データすなわち複数のレーザビームを提供する光走査装置 (レーザ露光装置) が利用される。
【0003】
この種の画像形成装置では、各画像形成部のそれぞれに対応して複数の光走査装置が配置される例と、複数のレーザビームを提供可能に形成されたマルチビーム光走査装置が配置される例とが知られている。
【0004】
一般に、光走査装置は、光源としての半導体レーザ素子、レーザ素子から出射されたレーザビームのビーム径を所定の大きさに絞り込む第1のレンズ群、第1のレンズ群により絞り込まれたレーザビームを記録媒体が搬送される方向と直交する方向に連続的に反射する光偏向装置、光偏向装置により偏向されたレーザビームを記録媒体の所定の位置に結像させる第2のレンズ群などを有している。なお、多くの場合、光偏向装置によりレーザビームが偏向される方向が主走査方向ならびに記録媒体が搬送される方向すなわち主走査方向と直交する方向が副走査方向と示される。
【0005】
ところで、光偏向装置の回転ミラーの回転数は、画像形成装置に要求される解像度および画像形成速度すなわちプロセススピードに比例することが知られている。また、画像周波数は、解像度およびプロセススピードの自乗に比例する。このことから、解像度あるいはプロセススピードを向上するためには、光偏向装置の回転ミラーの回転数を高めるとともに画像周波数を十分に確保しなければならないことが知られている。
【0006】
しかしながら、光偏向装置の回転ミラーの回転数を高めることは、回転ミラーの回転数が安定するまでに要求される時間を増大させることから、プリントリクエスト信号が入力されてから実際に画像が印字されるまでの時間を増大する問題がある。また、回転ミラーの回転数が高められることにより、たとえば、軸受けの材質あるいは耐久性もしくは組立精度などの要因により、大幅にコストが増大される問題が生じている。これとは別に、回転ミラーの回転数が高められることにより回転ミラーの風損が増大されるので、回転ミラーを回転させるために利用されるモータに対しても出力の向上が要求される。
【0007】
一方、画像周波数を高めるためには、信号線の長さを短くしかも線幅を細くする必要が生じるのみならず、浮遊容量あるいはノイズによる影響が加速度的に増大されることから、実質的に、コストが増大される問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録媒体に対して、たとえば、N本のレーザビームにより画像情報を記録できるならば、回転ミラーの回転数および画像周波数は、それぞれ、1/Nに低減される。このことから、これまでにも、多くのマルチビーム光走査装置が提案されている。
【0009】
たとえば、特開昭59−188616号公報には、マルチビームの数をNとするとき、光源である半導体レーザ、シリンダレンズおよびガラスfθレンズ群をNセット、及び、ポリゴンミラーをN/2枚使用する例が開示されている。
【0010】
しかしながら、特開昭59−188616号公報に開示された例では、光走査装置単体としては、レンズあるいミラーの数が増大することによる部品代および組み立てコストのアップ、または、光走査装置単体としての大きさおよび重さの増大などがある。また、fθレンズの形状誤差または個体誤差あるいは取り付け誤差などにより、各色成分ごとのレーザビームの主走査線の曲り、あるいは、fθ特性などに代表される結像面における収差特性の偏差が不均一になることが知られている。主走査線曲りは、像面に向けて走査されるレーザビームの軌跡が曲がることを示し、fθ特性が不均一となることは走査されたレーザビームの角度θに対する像面でのビーム位置が相互にずれることを示している。
【0011】
この主走査線曲がりあるいはfθ特性が不均一になることは、カラー画像形成装置に対し、たとえば、色ずれあるいは画像濃度のむらもしくは画像のにじみなどのさまざまな不具合を引き起こす問題がある。
【0012】
特開平2−58014号公報には、2枚組みのfθレンズのうちの一方には、2つのレーザビームを通過させ、残りのレンズは、レーザビームごとに2組利用する例が開示されている。しかしながら、この方法によっても、主走査線曲がりおよびfθ特性を均一にすることはできず、たとえば、色ずれあるいは画像濃度のむらが生じる問題がある。
【0013】
なお、特開昭59−188616号公報あるいは特開平2−58014号公報に示されている例では、M本のマルチビームを通過させることはできるが、M本のビームのそれぞれがNi (2以上) 本のビームを含む場合には、対応しない。従って、解像度あるいはプロセススピードを向上させるためには、回転ミラーの回転数と画像周波数を高めることが要求される。
【0014】
特開平4−50908号公報には、レンズの副走査方向の曲率半径を主走査方向の形状に拘りなく規定できるレンズが示されている。しかしながら、特開平4−50908号公報に示されているレンズは、光軸を含む主走査方向面内および副走査方向面内のそれぞれが対称であることから、走査幅を広くとる場合に、画像が劣化する問題がある。また、この公報に示されている例では、副走査方向断面が円弧であるため複数のビームを通すと、副走査方向のビーム間隔が一定しない問題がある。さらに、この公報に示されている例では、中央付近に比較して周辺部での光透過率が大きく低下されることから、中間調画像あるいはカラー画像に対して色むらを生じやすい問題がある。
【0015】
特開昭57−67375号公報には、複数のビームにより提供される水平同期を同一の検出器により検知する方法が示されている。しかしながら、特開昭57−67375号公報に示されている例では、複数のビームのそれぞれを分配器に案内するために、主走査方向に関してそれぞれのビームを分離することが要求される。このことから、各ビームごとの画像の書き込みタイミングを一致させることが困難になる問題がある。
【0016】
特開昭59−26005号ならびに26006号公報には、複数のレーザ素子の1つを発光させて水平同期を検出し、水平同期が検出された時点で、対応するレーザ素子の発光を停止して、他のレーザ素子を発光させる例が示されている。しかしながら、主走査方向に関してそれぞれのビームを分離することが要求される。このことから、各ビームごとの画像の書き込みタイミングを一致させることが困難になる問題がある。
【0017】
特開昭64−73369号公報には、1つのビームの水平同期信号に基づいて他のビームの書き込みタイミングを設定する例が示されている。しかしながら、この方法では、温度上昇などによりタイミングの再現性が変化しやすい問題がある。
【0018】
特開昭61−25366号公報には、解像度切り替え手段からの信号に基づいて、レーザパワー、走査速度および画像周波数のそれぞれを制御する例が示されている。しかしながら、特開昭61−25366号公報に示されている例では、2以上のビームを有する場合には利用できない問題がある。
【0019】
なお、多くのカラー画像形成装置では、カラー画像が出力される頻度に比較して黒画像が出力される頻度が高くなる傾向が見られる。また、黒画像は、カラー画像に比較して、画像のきれすなわちシャープさが要求される。しかしながら、カラー画像に対応するレーザビームに適した光学装置は、黒画像に対応するレーザビームに適した光学装置に比較して解像度が要求されないことから、黒画像に対応するレーザビームに適した光学装置を利用することは、コストを増大させることになる。
【0020】
この発明の目的は、色ずれのないカラー画像を低コストで提供できる画像形成装置に適したマルチビーム光走査装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、
ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、Niは1以上の整数で、N i のうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣNi本の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記偏向手段により偏向された前記光源からのΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置
を提供するものである。
【0022】
また、この発明は、
ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、N i は1以上の整数で、Niのうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣNi の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記ΣNi本の光全てに作用する単一の連続面で、入射面および出射面が形成されているレンズを含み、前記偏向手段により偏向された前記ΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置
を提供するものである。
【0023】
さらに、この発明は、
ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、N i は1以上の整数で、N i のうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
前記ΣNi個のそれぞれの光源から出射された光を合成するΣ(Ni−1)個の合成手段と、
前記合成手段からのΣNi本の出射光を主走査方向と直交する副走査方向に収束させるための副走査方向に正のパワーが与えられたM組の光学部材と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣN i 本の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記ΣNi本の光全てに作用する単一の連続面で、入射面および出射面が形成されているレンズを含み、前記偏向手段により偏向された前記ΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置
を提供するものである。
【0024】
【作用】
この発明の光走査装置は、複数のレーザビームに関し、副走査方向にのみ正のパワーを持つM個の光学部材に入射する前に、Ni本の入射ビームのそれぞれを主走査方向でおおむね重ね合わせて合成し、それぞれのNi本のビームが第2の光学手段の最も偏向手段側のレンズと像面との間で、副走査方向に関して交差するよう案内する。また、副走査方向にのみ正のパワーを有するレンズは、第2の光学手段のレンズと実質的に等しい素材で形成された副走査方向に負のパワーを有するシリンダレンズと、第2の光学手段のレンズよりも、温度および湿度に対する屈折率の変化の少ない素材により形成された副走査方向に正のパワーを有するシリンダレンズにより構成される。
【0025】
このことから、Niのビーム間距離に対し、温度および湿度の影響による屈折率、形状変化による変動の影響が低減される。また、M群のビームに対し、同様に、機能する。さらに、像面近傍でのビームウエスト位置の温度および湿度の変動による影響が抑えられることから、ビーム径の変動が低減される。
【0026】
これにより、Niのビーム間距離の変動、主走査線曲がりあるいはfθ特性が不均一になることが防止される。従って、色ずれあるいは画像濃度のむらもしくは画像のにじみなどのさまざまな不具合が除去される。
【0027】
また、この発明の光走査装置によれば、第2の光学手段は、第2の光学手段のレンズの少なくとも1面が、光軸を含み主走査方向に広がる走査面とレンズ面との交わる線の形状が前記レンズ面の光軸に対して非対称で、かつ回転対称軸を持たず、さらに、面対称の関係が与えられる面対称面が1面以下、になるよう構成される。
【0028】
面対称面が1面以下である面は、主走査方向の各位置での副走査方向曲率半径を、第2の光学手段の光軸を含み、主走査方向に広がる走査面とレンズ面の交わる線の形状と独立に設定可能である。また、面対称面が1面以下である面は、副走査方向の少なくとも4次以上の係数を、第2の光学手段の光軸を含み、主走査方向に広がる走査面とレンズ面の交わる線の形状と独立に設定可能である。なお、第2の光学手段は、光軸の近傍におけるパワーが、副走査方向には、それぞれ正が望ましい。第2の光学手段が2枚組レンズを含む場合、光軸近傍パワーは主走査方向には、偏向手段側のレンズでおおむね0、像面側のレンズで負になるよう規定された2枚のレンズにより構成されることにより、温湿度変化による諸特性のバラつきを抑えている。
【0029】
これらにより、偏向手段に対して入射光を正面以外の方向からも入射可能となることから、偏向手段の回転ミラーの非対称性に起因する主走査方向のさまざまな特性を改善できる。また、有効振り角あるいは走査幅を向上できる。さらに、回転ミラーの面倒れの補正率が拡大されることにより、副走査方向のビーム間隔が均一化される。またさらに、4次以上の項により、副走査方向の球面収差およびコマ収差歪曲収差等も改善される。さらにまた、副走査方向のビームの位置の変動が低減される。なお、シングルビームおよび複数ビームのいづれにも対応できる。
【0030】
このことから、中間調画像あるいはカラー画像に対して色むらを抑えることができる。
【0031】
さらに、この発明の光走査装置によれば、検出手段は、複数のビームに対して1つのみ配置され、第2の光学手段の所定の位置を通過したNi個のビームの相対位置を検出する。これにより、副走査方向のそれぞれNi−1またはNi個の位置制御手段で、各ビームごとの画像の書き込み副走査方向相対位置を一定に保つことができる。主走査方向に関しては、水平同期発生用検知手段として使用できる。これらにより、温度上昇などにより画像の書き込み相対位置が変化することが防止される。さらに、ハウジングなどが変形した場合であっても、Ni個のビームの相対位置を正確に検出できる。
【0032】
またさらに、この発明の光走査装置によれば、第2の光学手段のうちの1枚のレンズの主走査方向のパワーが、光軸近傍で負、レンズ端部で正に形成されることから、第1および第2のレーザ素子からのレーザビームを、温湿度変化によるfθ特性のfの値の変動を少なくしつつ、良好な特性で像面に結像できる。
【0033】
【実施例】
以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。
【0034】
図1には、この発明の第1の実施例であるマルチビーム光走査装置が利用される転写型カラー画像形成装置が示されている。なお、この種のカラー画像形成装置では、通常、Yすなわちイエロー、Mすなわちマゼンタ、CすなわちシアンおよびBすなわちブラック (黒) の各色成分ごとに色分解された4種類の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4組利用されることから、各参照符号に、Y,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する。
【0035】
図1に示されるように、画像形成装置100は、色分解された色成分すなわちY=イエロー,M=マゼンタ,C=シアンおよびB=ブラックごとに画像を形成する第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有している。
【0036】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、図2ないし図64を用いて後述するマルチビーム光走査装置1の第3の折り返しミラー37Y,37M,37Cおよび第1の折り返しミラー33Bを介して各色成分画像に対応するレーザビームL (Y,M,CおよびB) が出射される位置に対応して、光走査装置1の下方に、50Y,50M,50Cおよび50Bの順で直列に配置されている。
【0037】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の下方には、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像を搬送する搬送ベルト52が配置されている。
【0038】
搬送ベルト52は、図示しないモータにより矢印の方向に回転されるベルト駆動ローラ56およびテンションローラ54に掛け渡され、ベルト駆動ローラ56が回転される方向に所定の速度で回転される。
【0039】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、円筒ドラム状で、矢印の方向に回転可能に形成され、画像に対応する静電潜像が形成される感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bを有している。
【0040】
それぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の周囲には、感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に所定の電位を提供する帯電装置60Y,60M,60Cおよび60B、感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に形成された静電潜像に対応する色が与えられているトナーを供給することで現像する現像装置62Y,62M,62Cおよび62B、搬送ベルト52を感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) との間に介在させた状態で感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に対向され、搬送ベルト52または搬送ベルト52を介して搬送される記録媒体すなわち記録用紙Pに感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) のトナー像を転写する転写装置64Y,64M,64Cおよび64B、転写装置64 (Y,M,CおよびB) を介してトナー像が転写されたあとに感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上に残った残存トナーを除去するクリーナ66Y,66M,66Cおよび66B、及び、転写装置64 (Y,M,CおよびB) を介してトナー像が転写されたあとの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上に残った残存電位を除去する除電装置68Y,68M,68Cおよび68Bが、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の回転方向に沿って順に配置されている。
【0041】
なお、光走査装置1の各ミラー37Y,37M,37Cおよび33Bにより案内される感光体ドラム58上で副走査方向に2つのビームとなる、2本のビームを合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBは、それぞれ、各帯電装置60 (Y,M,CおよびB) と各現像装置62 (Y,M,CおよびB) との間に照射される。
【0042】
搬送ベルト52の下方には、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像が転写されるための記録媒体すなわち用紙Pを収容する用紙カセット70が配置されている。
【0043】
用紙カセット70の一端であって、テンションローラ54に近接する側には、おおむね半月状に形成され、用紙カセット70に収容されている用紙Pを、最上部から1枚ずつ取り出す送り出しローラ72が配置されている。送り出しローラ72とテンションローラ54との間には、カセット70から取り出された1枚の用紙Pの先端と画像形成部50B (黒) の感光体ドラム58Bに形成されたトナー像の先端とを整合させるためのレジストローラ74が配置されている。
【0044】
レジストローラ74と第1の画像形成部50Yとの間であって、テンションローラ54の近傍、実質的に、搬送ベルト52を挟んでテンションローラ54の外周上には、レジストローラ72を介して所定のタイミングで搬送される1枚の用紙Pに、所定の静電吸着力を提供する吸着ローラ76が配置されている。なお、吸着ローラ76の軸線とテンションローラ54は、平行に配置される。
【0045】
搬送ベルト52の一端であって、ベルト駆動ローラ56の近傍、実質的に、搬送ベルト52を挟んでベルト駆動ローラ56の外周上には、搬送ベルト52あるいは搬送ベルトにより搬送される用紙P上に形成された画像の位置を検知するためのレジストセンサ78および80が、ベルト駆動ローラ56の軸方向に所定の距離をおいて配置されている (図1は、正面断面図であるから、後方のセンサ80のみが示されている) 。
【0046】
ベルト駆動ローラ56の外周に対応する搬送ベルト52上には、搬送ベルト52上に付着したトナーあるいは用紙Pの紙かすなどを除去する搬送ベルトクリーナ82が配置されている。
【0047】
搬送ベルト52を介して搬送された用紙Pがテンションローラ56から離脱されてさらに搬送される方向には、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置84が配置されている。
【0048】
図2には、図1に示したカラー画像形成装置に利用されるマルチビーム光走査装置が示されている。なお、図1に示したカラー画像形成装置では、通常、Yすなわちイエロー、Mすなわちマゼンタ、CすなわちシアンおよびBすなわちブラック (黒) の各色成分ごとに色分解された4種類の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4組利用されることから、同様に、各参照符号にY,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する。
【0049】
図2に示されるように、マルチビーム光走査装置1は、光源としてのレーザ素子から出射されたレーザビームを、所定の位置に配置された像面すなわち図1に示した第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bの感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bのそれぞれの所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する偏向手段としてのただ1つの光偏向装置5を有している。なお、以下、光偏向装置5によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と示す。
【0050】
光偏向装置5は、複数、たとえば、8面の平面反射鏡 (面) が正多角形状に配置された多面鏡本体5aと、多面鏡本体5aを、主走査方向に所定の速度で回転させる図示しないモータとを有している。多面鏡本体5aは、たとえば、アルミニウムにより形成される。また、多面鏡5aの各反射面は、多面鏡本体5aが回転される方向を含む面すなわち主走査方向と直交する面、すなわち、副走査方向に沿って切り出されたのち、切断面に、たとえば、SiO2などの表面保護層が蒸着されることで提供される。
【0051】
光偏向装置5と像面との間には、光偏向装置5の反射面により所定の方向に偏向されたレーザビームに所定の光学特性を与える第1および第2の結像レンズ30aおよび30bからなる2枚組みの偏向後光学系30、偏向後光学系30の第2の結像レンズ30bから出射されたそれぞれの合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) の個々のビームが、画像が書き込まれる領域より前の所定の位置に到達したことを検知するためのただ1つの水平同期検出器23、及び、偏向後光学系21と水平同期検出器23との間に配置され、偏向後光学系21内の後述する少なくとも一枚のレンズを通過された4×2本の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) の一部を、水平同期検出器23に向かって主・副走査方向共異なる方向へ反射させるただ1組の水平同期用折り返しミラー25などが配置されている。
【0052】
次に、光源としてのレーザ素子と光偏向装置5との間の偏向前光学系について詳細に説明する。
【0053】
光走査装置1は、Ni (iは正の整数) を満たす第1および第2の2つ (N1=N2=N3=N4=2) のレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生する第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3B (M,Mは正の整数で、ここでは4) を有している。
【0054】
第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3Bは、それぞれ、Yすなわちイエロー画像に対応するレーザビームを出射するイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Yb、Mすなわちマゼンタ画像に対応するレーザビームを出射するマゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mb、Cすなわちシアン画像に対応するレーザビームを出射するシアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cb、ならびに、Bすなわちブラック (黒) 画像に対応するレーザビームを出射する黒第1レーザ3Baおよび黒第2レーザ3Bbを有している。なお、それぞれのレーザ素子からは、互いに対をなす第1ないし第4のレーザビームLYaおよびLYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCb、ならびに、LBaおよびLBbが出射される。
【0055】
それぞれのレーザ素子3Ya,3Ma,3Caならびに3Baと光偏向装置5との間には、それぞれの光源3Ya,3Ma,3Caならびに3BaからのレーザビームLYa,LMa,LCaならびにLBaの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える4組みの偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) が配置されている。
【0056】
ここで、イエロー第1レーザ3Yaから光偏向装置5に向かうレーザビームLYaを代表させて、偏向前光学系7 (Y) について説明する。
【0057】
イエロー第1レーザ3Yaから出射された発散性のレーザビームは、有限焦点レンズ9Yaにより所定の収束性が与えられたのち、絞り10Yaにより、断面ビーム形状が所定の形状に整えられる。絞り10Yaを通過されたレーザビームLYaは、ハイブリッドシリンダレンズ11Yを介して、副走査方向に対してのみ、さらに、所定の収束性が与えられて、光偏向装置5に案内される。
【0058】
有限焦点レンズ9Yaとハイブリッドシリンダレンズ11Yとの間には、ハーフミラー12Yが、有限焦点レンズ9Yaとハイブリッドシリンダレンズ11Yとの間の光軸に対して所定の角度で挿入されている。
【0059】
ハーフミラー12Yにおいて、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaが入射される面と反対の面には、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに対して副走査方向に所定のビーム間隔を提供可能に配置されたイエロー第2レーザ3YbからのレーザビームLYbが、イエロー第1レーザ3YaからのレーザビームLYaに対して副走査方向に所定のビーム間隔で入射される。なお、イエロー第2レーザ3Ybとハーフミラー12Yとの間には、イエロー第2レーザ3YbからのレーザビームLYbに所定の収束性を与える有限焦点レンズ9Ybおよび絞り10Ybが配置されている。
【0060】
ハーフミラー12Yを介して副走査方向に所定のビーム間隔を有する実質的に1本のレーザビームにまとめられたそれぞれのレーザビームLYaおよびLYbは、図8を用いて後述するレーザ合成ミラーユニット13を通過され、光偏向装置5に案内される。
【0061】
以下、同様に、Mすなわちマゼンタに関連して、マゼンタ第1レーザ3Maとレーザ合成ミラーユニット13との間には、有限焦点レンズ9Ma、絞り10Ma、ハイブリッドシリンダレンズ11M、ハーフミラー12M、マゼンタ第2レーザ3Mb、有限焦点レンズ9Mbおよび絞り10Mb、Cすなわちシアンに関連して、シアン第1レーザ3Caとレーザ合成ミラーユニット13との間には、有限焦点レンズ9Ca、絞り10Ca、ハイブリッドシリンダレンズ11C、ハーフミラー12C、シアン第2レーザ3Cb、有限焦点レンズ9Cbおよび絞り10Cb、ならびに、Bすなわち黒に関連して、黒第1レーザ3Baとレーザ合成ミラーユニット13との間には、有限焦点レンズ9Ba、絞り10Ba、ハイブリッドシリンダレンズ11B、ハーフミラー12B、黒第2レーザ3Bb、有限焦点レンズ9Bbおよび絞り10Bbが、それぞれ、所定の位置に配置されている。なお、それぞれの光源3 (Y,M,CおよびB) 、偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) 、および、レーザ合成ミラーユニット13は、たとえば、アルミニウム合金などによって形成された保持部材15により、一体的に保持されている。
【0062】
有限焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB) aおよび9 (Y,M,CおよびB) bには、それぞれ、非球面ガラスレンズもしくは球面ガラスレンズに図示しないUV硬化プラスチック非球面レンズを貼り合わせた単レンズが利用される。
【0063】
図3は、偏向前光学系7のハーフミラー12と光偏向装置5の反射面との間の光路に関し、折り返しミラーなどを省略した状態で副走査方向から見た部分断面図である。なお、図3では、1つのレーザビームLY (LYa) に対する光学部品のみが代表して示されている。
【0064】
ハイブリッドシリンダレンズ11 (Y) は、副走査方向に対して実質的に等しい曲率を持つPMMAのシリンダレンズ17 (Y) とガラスのシリンダレンズ19 (Y) とによって形成されている。PMMAのシリンダレンズ17 (Y) は、空気と接する面がほぼ平面に形成される。
【0065】
また、ハイブリッドシリンダレンズ11 (Y) は、シリンダレンズ17 (Y) とシリンダレンズ19 (Y) とが、シリンダレンズ17 (Y) の出射面とシリンダレンズ19 (Y) の入射面との間の接着により、あるいは、図示しない位置決め部材に向かって所定の方向から押圧されることで、一体に形成される。なお、ハイブリッドシリンダレンズ11 (Y) は、シリンダレンズ19 (Y) の入射面に、シリンダレンズ17 (Y) が一体に成型されてもよい。
【0066】
プラスチックシリンダレンズ17 (Y) 、たとえば、PMMA (ポリメチルメタクリル) などの材質により形成される。ガラスシリンダレンズ19 (Y) は、たとえば、TaSF21などの材質により形成される。また、それぞれのシリンダレンズ17 (Y) および19 (Y) は、保持部材15と一体に形成された位置決め部により、有限焦点レンズ9と正確な間隔で固定される。
【0067】
以下、表1に、偏向前光学系7の光学的数値データを示す。
【0068】
【表1】
【0069】
表1から明らかなように、それぞれの色成分に対応される有限焦点レンズ9およびハイブリッドシリンダレンズ11は、単体では、どの色成分に関しても、同一のレンズが利用される。なお、Y (イエロー) に対応される偏向前光学系7YおよびB (ブラック) に対応される偏向前光学系7Bは、実質的に、同一のレンズ配置を有する。また、M (マゼンタ) に対応される偏向前光学系7MおよびC (シアン) に対応される偏向前光学系7Cは、偏向前光学系7Yおよび7Bに比較して、有限焦点レンズ9とハイブリッドシリンダレンズ11との間隔が広げられている。
【0070】
図4には、図3および表1に示した偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) のそれぞれを、光偏向装置5の反射面の回転軸に直交する方向(副走査方向)のそれぞれのレーザ合成ミラーの反射面13Y,13Mおよび13Cから光偏向装置5に向かうレーザビームLY,LMおよびLCが示されている。(LYはLYaとLYb、LMはLMaとLMb、LCはLCaとLCbから成っている)。
【0071】
図4から明らかなように、それぞれのレーザビームLY,LM,LCおよびLBは、光偏向装置5の反射面の回転軸と平行な方向に、相互に異なる間隔で、光偏向装置5に案内される。また、レーザビームLMおよびLCは、光偏向装置5の反射面の回転軸と直交するとともに反射面の副走査方向の中心を含む面、すなわち、光走査装置1の系の光軸を含む面を挟んで非対称に、光偏向装置5の各反射面に案内される。なお、光偏向装置5の各反射面上でのレーザビームLY,LM,LCおよびLB相互の間隔は、LY−LM間で3.20mm、LM−LC間で2.70mm、及び、LC−LB間で2.30mmである。
【0072】
図5には、光走査装置1の光偏向装置5から各感光体ドラム58すなわち像面までの間に配置される光学部材に関し、光偏向装置5の偏向角が0°の位置で副走査方向から見た状態が示されている。
【0073】
図5に示されるように、偏向後光学系30の第2の結像レンズ30bと像面との間には、レンズ30bを通過された4×2本のレーザビームL (Y,M,CおよびB) を像面に向かって折り曲げる第1の折り返しミラー33 (Y,M,CおよびB) 、第1の折り返しミラー33Y,33Mおよび33Cにより折り曲げられたレーザビームLY,LMおよびLCを、さらに折り返す第2および第3の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cならびに37Y,37Mおよび37Cが配置されている。なお、図5から明らかなように、B (ブラック) 画像に対応するレーザビームLBは、第1の折り返しミラー33Bにより折り返されたのち、他のミラーを経由せずに、像面に案内される。
【0074】
第1および第2の結像レンズ30aおよび30b、第1の折り返しミラー33 (Y,M,CおよびB) 、及び、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cは、それぞれ、光走査装置1の中間ベース1aに、たとえば、一体成型により形成された図示しない複数の固定部材に、接着などにより固定される。
【0075】
また、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cは、図10を用いて後述する固定用リブと傾き調整機構を介して、ミラー面と垂直方向に関連した少なくとも1方向に関し、移動可能に配置される。
【0076】
第3の折り返しミラー37Y,37M,37Cおよび第1の折り返しミラー33Bと像面との間であって、それぞれのミラー33B、37Y,37Mおよび37Cを介して反射された4×2=8本のレーザビームL (Y,M,CおよびB) が光走査装置1から出射される位置には、さらに、光走査装置1内部を防塵するための防塵ガラス39 (Y,M,CおよびB) が配置されている。
【0077】
次に、ハイブリッドシリンダレンズ11と偏向後光学系30との間の光学特性について詳細に説明する。
【0078】
偏向後光学系30すなわち2枚組みの第1および第2の結像レンズ30aおよび30bは、プラスチック、たとえば、PMMAにより形成されることから、周辺温度が、たとえば、0°Cから50°Cの間で変化することで、屈折率nが、1.4876から1.4789まで変化することが知られている。この場合、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bを通過されたレーザビームが実際に集光される結像面、すなわち、副走査方向における結像位置は、±12mm程度変動してしまう。
【0079】
このことから、図3に示した偏向前光学系7に、偏向後光学系30に利用されるレンズの材質と同一の材質のレンズを、曲率を最適化した状態で組み込むことで、温度変化による屈折率nの変動に伴って発生する結像面の変動を、±0.5ミリメートル (以下、 [mm] と示す) 程度に抑えることができる。すなわち、偏向前光学系7がガラスレンズで、偏向後光学系30がプラスチックレンズにより構成される従来の光学系に比較して、偏向後光学系30のレンズの温度変化による屈折率の変化に起因して発生する副走査方向の色収差が補正できる。
【0080】
図6には、図5に示した光偏向装置5と像面との間を通過する第1ないし第4の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) と光走査装置1の副走査方向の系の光軸との関係を示す光路図である。
【0081】
図6に示されるように、光偏向装置5の反射面で反射された第1ないし第4の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、第1の結像レンズ30aと第2の結像レンズ30bとの間で、副走査方向に関し、系の光軸と交差して、像面に案内される。
【0082】
図7には、図2に示した偏向前光学系に利用されるレーザ素子の配列が詳細に示されている。
【0083】
図2を用いて既に説明したように、第1ないし第4の光源3 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、2個一組のイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Yb、マゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mb、シアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cb、ならびに、黒第1レーザ3Baおよび黒第2レーザ3Bbを有している。なお、対をなすそれぞれのレーザは、副走査方向に関し、後述する像面でのビーム間隔に対応される所定の間隔だけ距離をおいて配置されている。また、それぞれの対すなわち色成分に対応する組みは、図8に示すレーザ合成ミラーブロック13のそれぞれの反射領域に対応してあらかじめ規定される副走査方向距離で、副走査方向から見た状態で、4層に配置されている。
【0084】
図8には、第1ないし第4の合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBを、1つの束のレーザビームとして光偏向装置5の各反射面に案内すレーザ合成ミラーユニット13が示されている。
【0085】
レーザ合成ミラーユニット13は、画像形成可能な色成分の数 (色分解された色の数) よりも「1」だけ少ない数だけ配置される第1ないし第3のミラー13M,13Cおよび13Bと、それぞれのミラー13M,13Cおよび13Bを保持する第1ないし第3のミラー保持部13α,13βおよび13γならびにそれぞれの保持部13α,13βおよび13γを支持するベース13aにより構成される。なお、ベース13aならびにそれぞれの保持部13α,13βおよび13γは、熱膨脹率が小さい、たとえば、アルミニウム合金などにより一体的に形成されている。
【0086】
このとき、光源3Yすなわちイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3YbからのレーザビームLYは、すでに説明したように、光偏向装置5の各反射面に直接案内される。この場合、レーザビームLYは、光走査装置1の系の光軸よりもベース13a側すなわち第1の保持部13αに固定されるミラー13Mとベース13aとの間を通過される。
【0087】
ここで、合成ミラー13のそれぞれのミラー13M,13Cおよび13Bにより反射されて光偏向装置5に案内される各レーザビームLM,LCおよびLBならびに光偏向装置5に直接案内されるレーザビームLYの強度 (光量) について考察する。
【0088】
図8に示されているレーザ合成ミラーユニット13によれば、それぞれのレーザビームLM,LCおよびLBは、光偏向装置5の各反射面に入射する前段の各レーザビームLM,LCおよびLBが副走査方向に分離している領域で、通常のミラー (13M,13Cおよび13B) によって折り返される。従って、各反射面 (13M,13Cおよび13B) で反射されたのち多面鏡本体5aに向けて供給される各レーザビームL (M,CおよびB) の光量は、有限焦点レンズ9からの出射光量のおおむね90%以上に維持できる。各レーザ素子の出力を低減できるばかりでなく、傾いた平行平板による収差が発生しないため、像面に到達される光の収差を均一に補正できる。これにより、それぞれのレーザビームを小さく絞ることが可能となり、結果として、高精細化への対応を可能とする。なお、Y (イエロー) に対応するレーザ素子3Yは、合成ミラー13のいづれのミラーにも関与されることなく、直接、光偏向装置5の各反射面に案内されることから、レーザの出力容量が低減できるばかりでなく、 (合成ミラーにより反射される他のレーザビームに生じる虞れのある) ミラー (13M,13Cおよび13B) で反射されることによる各反射面への入射角の誤差が除去される。
【0089】
次に、図2および図5を参照して、光偏向装置5の多面鏡5aで反射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) と偏向後光学系30を通って光走査装置1の外部へ出射される各レーザビームLY,LM,LCおよびLBの傾きと折り返しミラー33B,37Y,37Mおよび37Cとの関係について説明する。
【0090】
既に説明したように、光偏向装置5の多面鏡5aで反射され、第1ないし第2の結像レンズ30aおよび30bにより所定の収差特性が与えられた各レーザビームLY,LM,LCおよびLBは、それぞれ、第1の折り返しミラー33Y,33M,33Cおよび33Bを介して所定の方向に折り返される。
【0091】
このとき、レーザビームLBは、第1の折り返しミラー33Bで反射されたのち、そのまま防塵ガラス39Bを通って感光体ドラム58bに案内される。これに対し、残りのレーザビームLY,LMおよびLCは、それぞれ、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cに案内され、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cによって、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cに向かって反射され、さらに、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cで反射されたのち、それぞれ、防塵ガラス39Y,39Mおよび39Cにより、おおむね等間隔でそれぞれの感光体ドラムに結像される。この場合、第1の折り返しミラー33Bで出射されたレーザビームLBとレーザビームLBに隣り合うレーザビームLCも、おおむね等間隔で感光体ドラム58Bおよび58Cのそれぞれに結像される。
【0092】
ところで、レーザビームLBは、多面鏡5aで偏向されたのち折り返しミラー33Bで反射されるのみで光走査装置1から感光体ドラム58に向かって出射される。このことから、実質的に折り返しミラー33B1枚のみで案内されるレーザビームLBが確保できる。
【0093】
このレーザビームLBは、光路中に複数のミラーが存在する場合に、ミラーの数に従って増大 (逓倍) される結像面での像のさまざまな収差特性の変動あるいは主走査線曲がりなどに関し、残りのレーザビームL (Y,MおよびC) を相対的に補正する際の基準光線として有益である。
【0094】
なお、光路中に複数のミラーが存在する場合には、それぞれのレーザビームLY,LM,LCおよびLBごとに利用されるミラーの枚数を奇数または偶数に揃えることが好ましい。すなわち、図5に示されるように、レーザビームLBに関与する偏向後光学系内のミラーの枚数は、光偏向装置5の多面鏡5aを除いて1枚 (奇数) で、レーザビームLC,LMおよびLYに関与する偏向後光学系内のミラーの枚数は、それぞれ、多面鏡5aを除いて3枚 (奇数) である。ここで、いづれか1つのレーザビームLC,LMおよびLYに関し、第2のミラー35が省略されたと仮定すれば、第2のミラー35が省略された光路 (ミラーの枚数は偶数) を通るレーザビームのレンズなどの傾きなどによる主走査線曲がりの方向は、他のレーザビームすなわちミラーの枚数が奇数のレンズなど傾きなどによる主走査線曲がりの方向と逆になり、所定の色を再現する際に有害な問題である色ズレを引き起こす。
【0095】
従って、4×2本のレーザビームLY,LM,LCおよびLBを重ねて所定の色を再現する際には、各レーザビームLY,LM,LCおよびLBの光路中に配置されるミラーの枚数は、実質的に、奇数または偶数に統一される。
【0096】
図9には、水平同期用折り返しミラーが詳細に示されている。
【0097】
図9によれば、水平同期用折り返しミラー25は、それぞれの合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBを、主走査方向には水平同期検出器23に異なるタイミングで反射させるとともに、副走査方向には水平同期検出器23上で実質的に同一の高さを提供できるよう、主走査方向および副走査方向ともに異なる角度に形成された第1ないし第4の折り返しミラー面25Y,25M,25Cおよび25B、及び、それぞれのミラー25 (Y,M,CおよびB) を一体に保持するミラーブロック25aを有している。
【0098】
ミラーブロック25aは、たとえば、ガラス入りPC (ポリカーボネイト) などにより成型される。また、各ミラー25 (Y,M,CおよびB) は、所定の角度で成型されたブロック25aの対応する位置に、たとえば、アルミニウムなどの金属が蒸着されて形成される。
【0099】
このようにして、光偏向装置5で偏向された各レーザビームLY,LM,LCおよびLBを、1つの検出器23の同一の検出位置に入射させることが可能となるばかりでなく、たとえば、検出器が複数個配置される際に問題となる各検出器の感度あるいは位置ずれに起因する水平同期信号のずれが除去できる。なお、水平同期検出器23には、水平同期用折り返しミラー25により主走査方向1ラインあたりレーザビームLY,LM,LCおよびLBが合計4回入射され1つのビームにつき2回づつの水平同期信号が得られることはいうまでもない。また、ミラーブロック25aは、型のミラー面が1つにブロックから切削加工により作成可能に設計され、アンダーカットを必要とせずに、型から抜けるよう工夫されている。
【0100】
図10は、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cの支持機構を示す概略斜視図である。
【0101】
図10によれば、第3の折り返しミラー37 (Y,MおよびC) は、それぞれ、光走査装置1の中間ベース1aの所定の位置に、中間ベース1aと一体的に形成された固定部41 (Y,MおよびC) 、及び、固定部41 (Y,MおよびC) に対し、対応するミラーを挟んで対向されるミラー押さえ板ばね43 (Y,MおよびC) により保持される。
【0102】
固定部41 (Y,MおよびC) は、各ミラー37 (Y,MおよびC) の両端部 (主走査方向) に一対形成されている。一方の固定部41 (Y,MおよびC) には、それぞれ、ミラー37 (Y,MおよびC) を2点で保持するための2つの突起45 (Y,MおよびC) が形成されている。なお、2つの突起45 (Y,MおよびC) は、図10に点線で示すように、リブ46 (Y,MおよびC) であってもよい。なお、残りの固定部41 (Y,MおよびC) には、突起45 (Y,MおよびC) で保持されているミラーを、ミラー面に垂直方向または光軸に沿って移動可能に支持する止めねじ47 (Y,MおよびC) が配置されている。
【0103】
図10に示されるように、それぞれのミラー37 (Y,MおよびC) は、止めねじ47 (Y,MおよびC) が所定の方向に移動されることで、突起45 (Y,MおよびC) を支点として、ミラー面に垂直方向または光軸方向に移動される。なお、この方法では、主走査方向の傾きすなわち主走査線の曲りについては補正可能であるが、合成されたレーザービームLY、LM、LCおよびLBの副走査方向の間隔のずれについては、対応できない。このため、副走査方向の間隔のずれについては、図11ないし図14を用いて後述する水平書き出しタイミングの変更により対応する。
【0104】
以下、レジスト補正 (調整) モードについて説明する。
【0105】
図11は、レジスト補正モードを説明するために図1に示されている画像形成装置の搬送ベルトの近傍を抜き出した概略斜視図である。既に説明したように、レジストセンタ78および80は、搬送ベルト52の幅方向すなわち主走査方向Hに所定の間隔で配置されている。なお、レジストセンタ78および80相互の中心を結ぶ線 (仮想) は、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体58 (Y,M,CおよびB) の軸線におおむね平行に規定される。レジストセンタ78および80の中心を結ぶ線は、好ましくは、画像形成部50Bの感光体58Bに、正確に平行に配置される。
【0106】
図12は、レジストセンサ78および80の概略断面図である (センサ78および80は実質的に同一であるから78が代表されている) 。
【0107】
センサ78 (80) は、ハウジング78a (80a) 、ハウジング78a (80a) の所定の位置に配置され、搬送ベルト52上の画像に所定の波長、少なくとも450,550および600nm近傍の波長、を含む光を照射する参照光光源78b (80b) 、参照光光源78b (80b) から発生された光を搬送ベルト52上の画像上に集束させるとともに、画像により反射された光を後述のフォトセンサ78d (80d) 上に結像させる凸レンズ78c (80c) 、及び、凸レンズ78c (80c) により集光された画像からの反射光を検知して電気信号に変換するフォトセンサ78d (80d) などを含んでいる。
【0108】
フォトセンサ78d (80d) は、図13に詳述するように、図11に示した副走査方向Vに直交する主走査方向Hに沿って2つに分割された第1および第2の光検出領域78Aおよび78B (80Aおよび80B) を有する領域分割型のピンダイオードを有している。
【0109】
なお、光源78b (80b) に利用されている光の波長は、それぞれ、Cすなわちシアン、YすなわちイエローおよびMマゼンタの各トナーの吸収スペクトラム分布のピーク波長であり、各トナーに対する検出感度を維持するために確保される。また、凸レンズ78c (80c) の横倍率は、−1である。
【0110】
図13は、レジストセンサ78および80を介して画像の位置が検知できる原理を示す模式図である。
【0111】
図13 (a) によれば、レジストセンサ78のフォトセンサ78dは、第1および第2の検出領域78Aおよび78Bの境界部78Cが、搬送ベルト52上に形成される画像の主走査方向Hに関連する基準位置Hoと一致するよう配置される。 (同様に、レジストセンサ80のフォトセンサ80dは、第1および第2の検出領域80Aおよび80Bの境界部80Cが搬送ベルト52上に形成される画像の主走査方向Hに関連する基準位置Hdと一致するよう配置される。) なお、画像は、例えば、B,C,M,Yの順にセンサを通過される (画像Yは省略されている) 。
【0112】
図13 (b) によれば、凸レンズ78c (80c) の横倍率が−1であるから各ピンダイオード78A (80A) および78B (80B) から出力される出力電圧は、主走査方向の設計中心Ho (Hd) と画像とのずれの方向が反転され、ずれが生じた方向と設計中心Ho (Hd) を挟んで反対側のピンダイオードで検知される。
【0113】
たとえば、画像Bは、主走査方向Hの基準位置Ho (Hd) に対して、おおむね、線対称であることから対応するピンダイオード78A (80A) および78B (80B) からの出力は、おおむね、同一となる。一方、画像Cは、主走査方向の基準位置Ho (Hd) を中心として、領域Bの側にずれていることから、対応するピンダイオード78A (80A) および78B (80B) からの出力は、A>Bとなる。
【0114】
ここで、それぞれの画像BおよびCに対応するピンダイオードの出力の和すなわちA+B、および、差すなわちA−Bを求め、それぞれを、所定のスレショルドレベルTHでスレショルドすることで、各画像BおよびCの副走査方向Vの中心および主走査方向Hの中心が検知できる。すなわち、ピンダイオードの出力の和 (A+B) がスレショルドレベルTHを越える位置(例えばTBとTC)を検知することで対応する画像の副走査方向Vの中心が、また、出力の差 (A−B) のレベルPsの値を検知することで、主走査方向Hの中心が、それぞれ、検知できる。
【0115】
図14は、図1に示した画像形成装置の画像形成動作を制御する画像制御部の概略ブロック図である。
【0116】
画像形成装置100は、画像制御部110を有している。
【0117】
画像制御部110は、画像制御CPU111、タイミング制御部113および各色成分に対応するデータ制御部115Y,115M,115Cおよび115Bなどの複数の制御ユニットを含んでいる。なお、画像制御CPU111、タイミング制御部113および各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、バスライン112を介して相互に接続されている。
【0118】
また、画像制御CPU111は、バスライン112により、画像形成装置100の機械要素、たとえば、モータあるいはローラなどの動作、および、電気的要素、たとえば、帯電装置60 (Y,M,CおよびB) ,現像装置62 (Y,M,CおよびB) あるいは転写装置64 (Y,M,CおよびB) に印加される電圧値または電流量などを制御する主制御装置101と接続されている。なお、主制御装置101には、装置100をイニシャルするためのイニシャルデータあるいはテストパターンなどが記憶されている図示しないROM (リード・オンリ・メモリ) 、入力された画像データあるいはレジストセンサ78および80の出力に応じて算出される補正データなどを一時的に記憶するRAM102 (ランダム・アクセス・メモリ) 、及び、後述する調整モードによって求められるさまざまな補正データを記憶する不揮発性メモリ103などが接続されている。
【0119】
タイミング制御部113には、各色成分ごとの画像データが記憶される画像メモリ114Y,114M,114Cおよび114B、各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に記憶された画像データに基づいて、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に向かってレーザビームを照射するために対応する光源3 (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,CbおよびBa,Bb) を付勢するレーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) 、レジストセンサ78および80からの出力信号に基づいて、合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBにより画像を書き込むタイミングの補正量をレジストセンサ78および80からの信号に基づいて演算するレジスト補正演算装置117、レジスト補正演算装置117からの信号に基づいて、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) および光走査装置1の光源3の各レーザ3 (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,CbおよびBa,Bb) を動作させるためのさまざまなタイミングを規定するタイミング設定装置118、及び、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) ごとの固体誤差および光走査装置1内の各光路の光路長の差に起因するずれを補正する発振周波数可変回路 (ボルテージ・コントロールド・オシレータすなわち電圧制御発振回路、以下、VCOとする) 119Y,119M,119Cおよび119Bなどが接続されている。
【0120】
タイミング制御装置113は、内部に、補正データを記憶できるRAM部を含むマイクロプロセッサであって、たとえば、個々の仕様に基づいて専用IC (アプリケーション・スペシフィック・インテグレーテッド・サーキット、以下、ASICとする) などに集積されている。
【0121】
データ制御部115 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、ラインメモリ、複数のラッチ回路およびORゲートなどを含むマイクロプロセッサであって、同様に、ASICなどに集積されている。
【0122】
レジスト補正演算装置117は、少なくとも4組のコンパレータおよびORゲートなどを含むマイクロプロセッサであって、同様に、ASICなどに集積されている。
【0123】
VCO119 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、出力される周波数が印加される電圧に応じて変化できる発振回路であって、±3%程度の周波数可変範囲を有する。この種の発振回路としては、調和発振回路、LC発振回路あるいはシミュレーテッドリアクタンス可変LC発振回路などが利用される。なお、VCO119としては、出力波形をサイン波から矩形波に変換する変換器が一体に組み込まれた回路素子も知られている。
【0124】
なお、各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) には、図示しない外部記憶装置あるいはホストコンピュータなどからの画像データが記憶される。また、光走査装置1の水平同期検出器23の出力は、水平同期信号発生回路121を介して水平同期信号Hsyncに変換され、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) に入力される。
【0125】
次に、図1および図14を参照して、画像形成装置100の動作を説明する。
【0126】
画像形成装置100は、搬送ベルト52を介して搬送されている用紙P上に画像を形成する画像形成 (通常) モードと搬送ベルト52上に直接画像を形成するレジスト補正 (調整) モードとの2つのモードで動作可能である。
【0127】
レジスト補正モードでは、図11に示したように、搬送ベルト52に、副走査方向Vと直交する主走査方向Hに所定の距離をおいた対をなす2組のテスト画像178 (Y,M,CおよびB) および180 (Y,M,CおよびB) が形成される。
【0128】
一対のテスト画像178 (Y,M,CおよびB) および180 (Y,M,CおよびB) は、ROMにあらかじめ記憶されているレジスト調整用画像データに対応して形成される。テスト画像178および180は、搬送ベルト52の移動に伴なって副走査方向Vに沿って移動され、レジストセンサ78および80を通過される。この結果、テスト画像178および180とレジストセンサ78および80との間のずれが検出される。なお、レジスト補正モードでは、カセット70から用紙Pを給送する送り出しローラ72および定着装置84は、停止されたままである。
【0129】
詳細には、主制御装置101の制御により、第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bが付勢され、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に所定の電位が与えられる。同時に、画像制御部110の画像制御CPU111の制御により光走査装置1の光偏向装置5の多面鏡5aが所定の速度で回転される。
【0130】
続いて、画像制御CPU111の制御によりROMから取り込まれたテスト画像に対応する画像データが各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に取り込まれる。こののち、タイミング制御部113により、タイミング設定装置118により設定されたタイミングデータおよびタイミング制御部113の内部RAMに記憶されているレジスト補正データ (この場合、内部RAMにレジスト補正データが記憶されていない場合には、ROMに記憶されているイニシャルデータが利用される) に基づいてタイミング制御部113から垂直同期信号Vsyncが出力される。
【0131】
タイミング制御部113により発生された垂直同期信号Vsyncは、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) および各VCO119 (Y,M,CおよびB) に供給される。
【0132】
各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) は、垂直同期信号Vsyncに基づいて、対応するレーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) により光走査装置1の対応する光源3の各レーザ3Ya,3Yb,3Ma,3Mb,3Ca,3Cb,3Baおよび3Bbを動作させ、光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) aおよび3 (Y,M,CおよびB) bから出射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) が水平同期検出器23により検知され、水平同期信号発生回路121から水平同期信号Hsyncが出力されてから所定のクロック (レジストセンサ78および80からの出力が入力されるまでは、ROMに記憶されているイニシャルデータが利用される) を計数したのち、画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に記憶されている画像データを所定のタイミングで出力する。
【0133】
このとき、各VCO119 (Y,M,CおよびB) から各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) には、ROMに記憶されているイニシャルデータである発振周波数データが供給される。
【0134】
続いて、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) の制御により、各レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) から画像データに対応するレーザ駆動信号が光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) aおよび3 (Y,M,CおよびB) bに出力され、画像データに基づいて強度変調されたレーザビームL (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,CbおよびBa,Bb) が出力される。
【0135】
これにより、あらかじめ所定の電位に対応されている画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bの各感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bのそれぞれに、テスト画像データに対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置62Y,62M,62Cおよび62Bにより、対応する色が与えられているトナーで現像され、4色 (2組) のテストトナー像に変換される。
【0136】
各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上の2組のテストトナー像は、転写装置64Y,64M,64Cおよび64Bを介して搬送ベルト52に直接転写され、レジストセンサ78および80に向かって搬送される。
【0137】
2組のテストトナー像がレジストセンサ78および80を通過される際に、レジストセンサ78および80の位置を基準としたそれぞれのテストトナー像の相対位置すなわちテストトナー像のずれに対応する所定の出力がレジストセンサ78および80から出力される。
【0138】
レジストセンサ78および80からの各出力は、レジスト補正演算装置117に入力され、各テストトナー像のずれの演算に利用される。
【0139】
レジスト補正演算装置117は、副走査方向に所定の距離だけ離れて形成された各色ごとのテストトナー像の対、すなわち、178Yと180Y、178Mと180M、178Cと180C、及び、178Bと180Bごとに、副走査方向の位置のずれを検出したのち、平均値を算出し、この平均値とあらかじめ決められている設計値とのずれ量から垂直同期信号Vsyncを出力するタイミングの補正量Vrを規定する。これにより、光走査装置1の各光源3 (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,CbおよびBa,Bb) の発光タイミング、すなわち、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) が配置された間隔および光走査装置1から出射される第1ないし第4の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) 相互の副走査方向の距離に依存する副走査方向のずれが整合される。
【0140】
また、レジスト補正演算装置117は、1組のテストトナー像、たとえば、178Y,178M,178Cおよび178Bのそれぞれの主走査方向の位置のずれを検出したのち、平均値を算出し、この平均値とあらかじめ決められている設計値とのずれ量から水平同期信号Hsyncが出力されてから画像データを出力するタイミングの補正量Hrを規定する。これにより、光走査装置1の各光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) から出射されるレーザビームL (Y,M,CおよびB) を画像データで強度変調するタイミング、すなわち、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に記録される画像データの主走査方向の書きだし位置が整合される。
【0141】
レジスト補正演算装置117は、さらに、テストトナー像の対、すなわち、178Yと180Y、178Mと180M、178Cと180C、及び、178Bと180Bごとに、主走査方向の位置のずれを検出したのち平均値を算出し、この算出された平均値とあらかじめ決められている設計値とのずれ量を求め、このずれ量に基づいて、VCO119 (Y,M,CおよびB) から出力される発振周波数の補正量Frを規定する。これにより、光走査装置1の各光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) から各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に向かって出射される各レーザビームの1クロック当たりの主走査方向の長さ、すなわち、各感光体58 (Y,M,CおよびB) に結像される主走査方向の1ラインの長さが整合される。
【0142】
なお、レジスト補正演算装置117により求められたそれぞれの補正量Vr,HrおよびFrは、それぞれ、タイミング制御部113内のRAM部に、一時的に記憶される。この場合、それぞれの補正量Vr,HrおよびFrは、不揮発性RAM103に記憶されてもよい。また、これらの補正動作は、図示しないコントロールパネルにより補正モードの選択が指示されたとき、画像形成装置100の図示しない電源スイッチがオンされたとき、あるいは、図示しないカウンタなどによりカウントされるプリント枚数が所定枚数に達したときなどのあらかじめ決められたタイミングで実行される。
【0143】
なお、上述、調整モードに利用された搬送ベルト52上のテストトナー像は、搬送ベルト52の回転にともなってさらに搬送され、ベルトクリーナ82により取り除かれる。
【0144】
次に、画像形成 (通常) モードについて説明する。
【0145】
図示しない操作パネルあるいはホストコンピュータから画像形成開始信号が供給されることで、主制御装置101の制御により各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) がウォームアップされるとともに、画像制御CPU111の制御により光走査装置1の光偏向装置5の多面鏡5aが所定の回転速度で回転される。
【0146】
続いて、主制御装置101の制御により、外部記憶装置あるいはホストコンピュータもしくはスキャナ (画像読取装置) からプリントすべき画像データがRAM102に取り込まれる。RAM102に取り込まれた画像データの一部 (あるいは全部) は、画像制御部110の画像制御CPU111の制御により、各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に収納される。
【0147】
また、主制御装置101の制御により、所定のタイミング、たとえば、タイミング制御部113からの垂直同期信号Vsyncなどを基準として、送り出しローラ72が付勢され、用紙カセット70から1枚の用紙Pが取り出される。この取り出された用紙Pは、レジストローラ72により各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) による画像形成動作により提供されるY,M,CおよびBの各トナー像とタイミングが整合され、吸着ローラ74により搬送ベルト52に密着されて、搬送ベルト52の回転にともなって、各画像形成部50に向かって案内される。
【0148】
一方、用紙Pの給送および搬送動作と平行してあるいは同時に、タイミング設定装置118により設定されたデータおよびタイミング制御部113の内部RAMから読み出されたレジストデータおよびクロックデータに基づいて、タイミング制御部113から垂直同期信号Vsyncが出力される。
【0149】
タイミング制御部113により垂直同期信号Vsyncが出力されると、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) により、各レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) が付勢され、各光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) aおよび3 (Y,M,CおよびB) bから主走査方向の1ライン分のレーザビームが各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に照射される。
【0150】
この1ライン分のレーザビームに基づいて水平同期信号発生回路121から発生される水平同期信号Hsyncの入力直後から各VCO119 (Y,M,CおよびB) のクロック数がカウントされ、各VCO119 (Y,M,CおよびB) のクロック数が所定値に達した時点で、各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) からプリントすべき画像データが読み出される。
【0151】
続いて、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) の制御により、各レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) に対し、各光源3から出射される各レーザビームL (Y,M,CおよびB) の強度を変化するために画像データが転送され、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に、ずれのない画像が形成される。
【0152】
この結果、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に案内される各レーザビームL (Y,M,CおよびB) が、各光源3の各レーザ3 (Y,M,CおよびB) から各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) までの間の光路の偏差あるいは各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の直径の偏差に起因する像面でのビームスポット径の変動の影響を受けることなく、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に正確に結像される。
【0153】
第1ないし第4の画像形成部50 (Y,M,CおよびB) のそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に結像された第1ないし第4の各レーザビームL (Y,M,CおよびB) は、予め所定の電位に帯電されている各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の電位を、画像データに基づいて変化させることで、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に、画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0154】
この静電潜像は、各現像装置62 (Y,M,CおよびB) により、対応する色を有するトナーにより現像され、トナー像に変換される。
【0155】
各トナー像は、それぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の回転にともなって搬送ベルト52により搬送されている用紙Pに向かって移動され、予め決められたタイミングにより、転写装置64により、搬送ベルト52上の用紙Pに、所定のタイミングで転写される。
【0156】
これにより、用紙P上で互いに正確に重なりあった4色のトナー像が用紙Pに形成される。なお、トナー像が用紙Pに転写されたあとに、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に残った残存トナーは、クリーナ66 (Y,M,CおよびB) により除去され、また、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に残った残存電位は、除電ランプ68 (Y,M,CおよびB) により除電されて、引き続く画像形成に利用される。
【0157】
4色のトナー像を静電的に保持した用紙Pは、搬送ベルト52の回転にともなってさらに搬送され、ベルト駆動ローラ56の曲率と用紙Pの直進性との差によって搬送ベルト52から分離されて、定着装置84へ案内される。定着装置84へ導かれた用紙Pは、定着装置84によりそれぞれのトナーが溶融されることにより、カラー画像としてのトナー像が定着されたのち、図示しない排出トレイに排出される。
【0158】
一方、用紙Pを定着装置84に供給したあとの搬送ベルト52はさらに回転されつつ、ベルトクリーナ82により、表面に残った不所望なトナーが除去され、再び、カセット70から給送される用紙Pの搬送に利用される。
【0159】
次に、光偏向装置5と像面との間の偏向後光学系について詳細に説明する。
【0160】
図15ないし図50ならびに表2ないし表6には、偏向後光学系30の第1の結像レンズ30aの第1面すなわち光入射面、第1の結像レンズ30aの第2面すなわち光出射面、第2の結像レンズ30bの第1面すなわち光入射面 (表5におけるレンズ面番号は「3」で示されている) 、第2の結像レンズ30bの第2面すなわち光出射面 (表6におけるレンズ面番号は「4」で示されている) のさまざまな光学特性およびレンズデータが示されている。
【0161】
【表2】
【0162】
【表3】
【0163】
【表4】
【0164】
【表5】
【0165】
【表6】
【0166】
なお、図15ないし図50においては、軸xは、偏向後光学系の系の光軸方向に一致され、光偏向装置5に向かって「+」、ならびに、像面に向かって「−」を付与するものとする。また、軸yは、主走査方向に一致され、光偏向装置5により偏向される光の方向すなわち光偏向装置の多面鏡5aが回転される方向が 「+」から「−」であることを示すものとする。なお、表2ないし表6でも、同様に表示されている。一方、軸zは、副走査方向に一致され、たとえば、図4に示したレーザビームLBが通過される側すなわち副走査方向の系の光軸に対して上方側を「+」で表示するものとする。
【0167】
従来から利用されている光走査装置において、トーリックレンズを使用する場合には、結像面における球面収差、コマ収差、像面湾曲あるいは倍率誤差などの収差特性を最適化するために、3枚以上の結像レンズが必要となることが知られている。
【0168】
ここで、第1および第2のプラスチックレンズ30aおよび30bにおけるそれぞれのレンズ面の入射面および出射面の形状を、表2の (1) 式に示した多項式により表現する方法で、シミュレートした結果について説明する。
【0169】
なお、 (1) 式において、Amnのn≠0かつAmn≠0の項により、副走査方向に関する球面収差、コマ収差、像面湾曲歪曲収差および倍率誤差など、また、Amnのm≠0かつAmn≠0の項により、主走査方向に関するさまざまな収差特性を最適化可能となる。ここで、第1および第2のプラスチックレンズ30aおよび30bの各レンズ面の形状をシミュレートした結果によれば、レンズ面番号1ないし4の4面のレンズ面の1面のレンズ面が (2) 式におけるAmnのn≠0かつAmn≠0の項を含む (すなわち特定の回転対称軸を含まない) レンズ面である場合には、コマ収差および球面収差の補正が不十分となり、結像面での断面ビームスポット径は、おおむね、100μm程度となることが判明した。また、Amnのn≠0かつAmn≠0の項を含むレンズ面が2面以上配置される場合には、結像面での断面ビームスポット径は、おおむね、40μm程度まで絞れることが明らかになった。
【0170】
なお、各レンズのレンズ面に対し、 (1) 式に示したAmnの合計数 (シグマの項の中身) についてシミュレートすると、表3ないし表6に示したように、
m≧11 および n≧2,
但し、 (m,n) = (0,0) , (2,0) および (0,1) を除く、 が満足される条件内で、主走査方向ならびに副走査方向のさまざまな収差特性を良好に設定できることが確認されている。
【0171】
図15には、第1の結像レンズ30aの第1面すなわち光入射面の形状が示されている。すなわち、図15に示されるように、第1の結像レンズ30aの第1面は、光軸すなわち (y=0,z=0) に対して非対称に形成されている。この面対象面は、z=0で定義される面の1面のみである。
【0172】
図16には、第1の結像レンズ30aの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率が示されている。すなわち、図16は、図15に示した第1面の副走査方向の形状の特徴すなわち光軸 (y=0,z=0) に対して第1の結像レンズ30aの第1面が非対称であることを示している。この図および表2中の式からも分るように、主走査方向と副走査方向の形状は独立に設定できる。このことにより、広い偏向角に対して、主走査線曲り、像面でのビーム径(副走査方向)、面倒れ補正を十分に行なうことができ、また他のレンズとの組合わせで温湿度変化の影響を受けにくい光学系とすることができる。
【0173】
図17には、第1の結像レンズ30aの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値が示されている。すなわち、図17は、図15に示した第1面の副走査方向の曲率の変化率が、主走査方向の光軸と交わる点に関して非対象に変化することを示している。図15によりレンズ30aの入射面は回転対称面を持たず、図18により系の光軸を含む主走査平面と、レンズ面との交線の系の光軸方向座標に対する主走査方向1次微分値が2つの極値を持つことが分る。この事により、図16の説明で述べた副走査方向の特性を保ちつつ、主走査方向に関しても、広い偏向角に対してレンズの厚みを大きくすることなく、fθ特性を補正することができる。レンズの厚みが厚くなると、特にプラスティック成形レンズの場合成形時間が長くなり、コストアップにつながる。
【0174】
図18には、第1の結像レンズ30aの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値が示されている。すなわち、図18は、図15に示した第1面の主走査方向の曲率の傾き (方向性) が、光軸と交わる点以外の位置で変化することを示している。
【0175】
図19には、第1の結像レンズ30aの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率半径が示されている。すなわち、図19は、図15に示した第1面の主走査方向の形状の特徴すなわち光軸 (y=0,z=0) に対して第1の結像レンズ30aの第1面が非対称であることを示している。また、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えている事を示しており、このことによりレンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすい事が知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計る事ができる。
【0176】
図20には、第1の結像レンズ30aの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置すなわち副走査方向の形状が示されている。すなわち、図20は、図15に示した第1面の副走査方向の形状が主走査方向に対し非対称であることを示している。
【0177】
図21には、第1の結像レンズ30aの第1面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示しており副走査方向に対して高次(4次以上)の項を含む形状であることを示している。また、図22には、第1の結像レンズ30aの第1面の主走査方向形状に関し、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が示されている。すなわち、図21および22には、第1の結像レンズ30aの第1面は、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが示されている。なお、図21に示されるように、副走査方向の少なくとも4次の項より大きな項の係数を、光軸を含み主走査方向に広がる走査面とレンズ面とが交わる線の形状および副走査方向曲率半径と独立に制御することで、主走査方向ならびに副走査方向のさまざまな収差特性を良好に設定できる。
【0178】
図23には、第1の結像レンズ30aの第2面すなわち光出射面の形状が示されている。図23に示されるように、第1の結像レンズ30aの第2面は、光軸すなわち (y,z) = (0,0) に対して非対称に形成されている。この面の面対称面は、z=0で定義される面の1面のみである。
【0179】
以下、図15ないし図22に示した第1の結像レンズ30aの第1面すなわち光入射面と同様に、図24ないし図30には、第1の結像レンズ30aの第2面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置すなわち副走査方向の形状、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレ、ならびに、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が、それぞれ、示されている。
【0180】
図23ないし図30に示されるように、第1の結像レンズ30aの第2面は、第1面と同様に、光軸 (y=0,z=0) に対して主走査方向および副走査方向のそれぞれに非対称であって、副走査方向の曲率の傾きおよび主走査方向の曲率の傾きのそれぞれが主走査方向の光軸と交わる点に関し非対称に変化し、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが認められる。図23よりレンズ30aの出射面は回転対称面を持たず、この面の面対称面は、z=0で作られる面の1面のみであることがわかる。このことにより、広い偏向角に対しても全域に渡って主、副走査方向の諸特性を改善することができる。
【0181】
また、図24は、このレンズ面が、副走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの副走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して副走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0182】
図26は系の光軸を含む主走査平面と、レンズ面との交線の系の光軸方向座標に対する主走査方向1次微分値が2つの極値を持つことを示しており、このことにより、主走査方向に関して、広い偏向角に対してレンズの厚みを大きくすることなくfθ特性を補正することができる。レンズの厚みが厚くなると、特にプラスティック成形レンズの場合成形時間が長くなり、コストアップにつながる。
【0183】
また、図27は、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことにより、レンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0184】
図28は、副走査方向形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点座標を0と置いた際の形状を示しており、副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対関係が主走査方向の途中で逆転していることを示し、これは、副走査方向の広い幅に渡って副走査方向の諸特性を向上させるために大きく役立っている。
【0185】
図29は、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示し副走査方向へも高次(4次以上)の項を含むことを示しており、このことにより、図28のような副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対関係が主走査方向の途中で逆転するような形状を実現することができる。
【0186】
以上、レンズ30aの両面が回転対称軸を持たず走査平面との交線の光軸座標に対する走査方向1次微分値が2つの極値を持つことがわかる。
【0187】
図31には、第2の結像レンズ30bの第1面すなわち光入射面の形状が示されている。図31に示されるように、第2の結像レンズ30bの第1面は、光軸すなわち (y,z) = (0,0) に対して非対称に形成されている。
【0188】
以下、図15ないし図22に示した第2の結像レンズ30bの第1面すなわち光入射面と同様に、図32ないし図38には、第2の結像レンズ30bの第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置すなわち副走査方向の形状、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレ、ならびに、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が、それぞれ、示されている。
【0189】
図31ないし図38に示されるように、第2の結像レンズ30bの第1面は、第1の結像レンズ30aの第1面と同様に、光軸 (y=0,z=0) に対して主走査方向および副走査方向のそれぞれに非対称であって、副走査方向の曲率の傾きおよび主走査方向の曲率の傾きのそれぞれが主走査方向の光軸に関し、非対称に変化し、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが認められる。
【0190】
図31よりレンズ30bの入射面は回転対称面を持たず、この面の面対称面は、z=0で作られる面の1面のみであることが分る。このことにより、広い偏向角に対しても全域に渡って主、副走査方向の諸特性を改善することができる。
【0191】
また、図32は、このレンズ面の副走査方向の曲率が、主走査方向の途中(y=80付近)で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの副走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して副走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0192】
また、図34は、このレンズ面が、主走査方向の傾きが、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの光軸方向の深さを浅くすることができ、金型製造を容易にし、成形時のレンズの反りを抑えるのに効果がある。
【0193】
また、図35は、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0194】
図37は、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示し副走査方向へも高次(4次以上)の項を含むことを示しており、これは、副走査方向の広い幅に渡って副走査方向の諸特性を向上させるために大きく役立っている。
【0195】
図39には、第2の結像レンズ30bの第2面すなわち光出射面の形状が示されている。図39に示されるように、第2の結像レンズ30bの第2面は、光軸すなわち (y,z) = (0,0) に対して非対称に形成されている。
【0196】
以下、図15ないし図22に示した第1の結像レンズ30aの第1面すなわち光入射面と同様に、図40ないし図46には、第2の結像レンズ30bの第2面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置すなわち副走査方向の形状、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレ、ならびに、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が、それぞれ、示されている。
【0197】
図39ないし図46に示されるように、第2の結像レンズ30bの第2面は、第1面と同様に、光軸 (y=0,z=0) に対して主走査方向および副走査方向のそれぞれに非対称であって、副走査方向の曲率の傾きおよび主走査方向の曲率の傾きのそれぞれが主走査方向の光軸と交わる点に関し非対称に変化し、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが認められる。
【0198】
図39よりレンズ30bの出射面は回転対称面を持たず、この面の面対称面は、z=0で作られる面の1面のみであることが分る。このことにより、広い偏向角に対しても全域に渡って主、副走査方向の諸特性を改善することができる。
【0199】
また、図40は、このレンズ面が、副走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの副走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して副走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0200】
また、図42は、このレンズ面が、主走査方向の傾きが、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの光軸方向の深さを浅くすることができ、金型製造を容易にし、成形時のレンズの反りを抑えるのに効果がある。
【0201】
また、図43は、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0202】
図45は、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示し副走査方向へも高次(4次以上)の項を含むことを示しており、これは、副走査方向の広い幅に渡って副走査方向の諸特性を向上させるために大きく役立っている。
【0203】
図47は、第1の結像レンズ30aに関し、光出射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率から光入射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率を取り除き、第1の結像レンズ30aの材質であるPMMAの屈折率nから1 (空気中の屈折率) を除いた数値との積を取ることで得られた、第1の結像レンズ30aを薄肉レンズと見なした状態における副走査方向の連続したパワーの分布を示している。また、図48には、図47と主走査方向曲率を使って同様の方法で求めれる、第1の結像レンズ30aを薄肉レンズと見なした状態でのレンズの主走査方向パワーの分布が示されている。
【0204】
図49は、第2の結像レンズ30bに関し、光出射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率半径から光入射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率を引き、第2の結像レンズ30bの材質であるPMMAの屈折率nから1 (空気中の屈折率) を除いた数値との積を取ることで得られた、第2の結像レンズ30bを薄肉レンズと見なした状態における副走査方向の連続したパワーの分布を示している。また、図50には、図47と同様の方法で求めれる、第2の結像レンズ30bを薄肉レンズと見なした状態でのレンズの主走査方向パワーが示されている。
【0205】
図47および図49に示されるように、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bは、それぞれ、主走査方向の光軸の近傍および周辺部を含む全域で、副走査方向に関し、正のパワーを有することが認められる。
【0206】
図48に示されるように、第1の結像レンズ30aの主走査方向のパワーは、主走査方向の光軸の近傍で「0」となることが認められる。また、図50に示されるように、第2の結像レンズ30bの主走査方向のパワーは、主走査方向の光軸の近傍で「負」で周辺部で「正」のパワーを有することが認められる。
【0207】
図51は、光源3 (Y,M,CおよびB) のそれぞれ、すなわち、イエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Yb,マゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mb,シアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cb、ならびに、黒第1レーザ3Baおよび黒第2レーザ3Bbのそれぞれから出射された互いに対をなす2つのレーザビームLYaおよびLYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCb、ならびに、LBaおよびLBbのそれぞれの副走査方向の相対位置を示している。図51に示されるように、互いに対をなす2つのレーザビームすなわちNi (iは正の整数で、i=2) のレーザビームは、副走査方向に関し、第1の結像レンズ30aの光入射面すなわち第1面と像面との間、特に、図6でも既に説明したように、第1の結像レンズ30aの第1面と第2の結像レンズ30bの第2面との間で、互いに交差するよう、各レンズの特性が規定されている。これにより、Ni (i=2) 本のレーザビームのビーム間隔を、温度および湿度の変化に拘らず、一定に維持できる。
【0208】
以下、図52ないし図64に、各レンズ面の形状が (1) 式により規定された第1および第2の結像レンズ30aおよび30bにより提供されるさまざまな特性について、主走査方向像面ビーム位置を横軸として、詳細に説明する。
【0209】
図52は、マゼンタ第1レーザ3Maから出射されたレーザビームLMaに関し、屈折率を変化させた状態を含む像面でのレーザビームの主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量すなわちx軸方向の変動を示している。なお、符号FSYは主走査方向、FSZは副走査方向、および、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。また、図53は、シアン第1レーザ3CaからのレーザビームLCaに関し、図52に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む像面でのレーザビームの主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量すなわちx軸方向の変動を示している。なお、符号FSYは主走査方向、FSZは副走査方向、および、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。一方、図54は、黒第1レーザ3Baおよびイエロー第1レーザ3YaのそれぞれからのレーザビームLBaおよびLYa (表1でも示したように、LBaおよびLYaは、系の光軸を挟んで副走査方向に対称である) に関し、図52に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む像面でのレーザビームの主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量すなわちx軸方向の変動を示している。なお、符号FSYは主走査方向、FSZは副走査方向、および、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。図52ないし図54に示されるように、それぞれのデフォーカス量は、最大のレーザビームで、±1.5 [mm] の範囲内に抑えられている。
【0210】
図55は、マゼンタ第1レーザ3Maから出射されたレーザビームLMaに関し、屈折率を変化させた状態を含む、像面でのレーザビームの主走査方向の走査線曲りの大きさを示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889に対応される。また、図56は、シアン第1レーザ3CaからのレーザビームLCaに関し、図55に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む、像面でのレーザビームの主走査方向の走査線曲りの状態を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889に対応される。一方、図57は、黒第1レーザ3Baおよびイエロー第1レーザ3YaのそれぞれからのレーザビームLBaおよびLYaに関し、図55に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む、像面でのレーザビームの主走査方向の走査線曲りの大きさを示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。図55ないし図57に示されるように、それぞれの走査線曲りの大きさは、最大のレーザビームで、±0.015 [mm] の範囲内に抑えられている。
【0211】
図58は、マゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mbから出射されたレーザビームLMaおよびLMbに関し、屈折率を変化させた状態を含む像面での主走査方向の相互の間隔のずれ (間隔の変動) の程度を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。また、図59は、シアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3CbからのレーザビームLCaおよびLCbに関し、図58に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む像面での主走査方向の相互の間隔のずれ (間隔の変動) の程度を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。一方、図60は、黒第1レーザ3Baおよび黒第2レーザ3Bbならびにイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3YbのそれぞれからのレーザビームLBaおよびLBbならびにLYaおよびLYbに関し、図58に示した例と同様に、屈折率を変化させた状態を含む像面でのレーザビームの主走査方向の相互の間隔のずれ (間隔の変動) の程度を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。図58ないし図57に示されるように、それぞれのビーム間隔の変動の大きさは、デフォーカス量は、最大のレーザビームで、0.0002 [mm] の範囲内に抑えられている。
【0212】
図61は、第1ないし第4のレーザビームLYaおよびlYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCb、ならびに、LBaおよびLBbのそれぞれの像面でのレーザビームの主走査方向ならびに副走査方向のビーム径の変動率すなわち収光角の逆数の変動率を示している。なお、符号YANGは主走査方向、ZYAGは副走査方向、および、添字1ならびに2は、第1レーザaおよび第2レーザbに対応される。図61に示されるように、ビーム径の変動率は、ピーク−ピークで7%程度に抑えられている。
【0213】
図62は、第1ないし第4のレーザビームLYa,LMa,LCaおよびLBaのそれぞれの像面でのレーザビームの主走査方向のfθ特性の変動率を示している。図62に示されるように、fθ特性は、レーザビームの種類によらず、おおむね、0.65%の範囲に抑えられている。
【0214】
図63は、光偏向装置の多面鏡の各反射面の面倒れが1分以内に収められた状態における第1ないし第4のレーザビームLMa,LCa,LYaおよびLBaのそれぞれの像面でのレーザビームの副走査方向のビーム位置の変動を示している。なお、添字1ならびに2はそれぞれレーザビームLMaおよびLCaに、添字3は、表1でも示したように、LBaおよびLYaは、系の光軸を挟んで副走査方向に対称であるからレーザビームLYaおよびLBaの双方に対応される。図63に示されるように、ビーム位置の変動は、最大で、0.003 [mm] 抑えられている。面倒れ補正が無い場合、これは0.186になり、レンズ30a、30bによる結像レンズ系は面倒れ補正率1/62であるといえる。
【0215】
図64は、第1ないし第4のレーザビームLYa,LMa,LCaおよびLBaのそれぞれの像面でのレーザビームの主走査方向の像面ビーム位置に対する透過率の変動率を示している。なお、添字1ならびに2はそれぞれレーザビームLMaおよびLCaに、添字3は、レーザビームLYaおよびLBaの双方に対応される。図64に示されるように、透過率の変動は、レーザビームの種類によらず、おおむね、3.5%の範囲に抑えられている。
【0216】
以上説明したように、 (1) 式により、第1の結像レンズ30aの光入射面および光出射面、ならびに、第2の結像レンズ30bの光入射面および光出射面のそれぞれの形状を最適化することで、2枚の結像レンズのみにより、像面における球面収差、コマ収差、像面湾曲あるいは倍率誤差などの収差特性を、所定の範囲内に収めることが可能となる。
【0217】
すなわち、主走査方向に広がる走査面とレンズ面の交わる線の形状をレンズ面を貫く系の光軸に対して非対称とすることにより、主走査方向の結像面が像面から大きく外れること、及び、fθ特性が主走査方向の光軸を挟んでずれることを防止できる。また、光軸から大きくずれるレーザビームに対しても、主走査方向および副走査方向のそれぞれに関し、フレアを低減可能となる。さらに、主走査方向のどの位置を通過されるビームの強度分布の変動量を所定の範囲以下に収めることができる。またさらに、主走査線の曲りを低減可能であって、しかも、光源から出射されるレーザビームがNi (iは正の整数) 本である場合に、それぞれのビームの副走査方向でのビーム間隔の変動を抑えることができる。さらにまた、光偏向装置の多面鏡の各反射面の面倒れによる像面の副走査方向の移動も低減できる。
【0218】
次に、図1ないし図64に示した第1の実施例の変形例について説明する。
【0219】
図69および図70には、図2に示した光走査装置1に組み込まれている水平同期検出器23および水平同期検出器23に向かってレーザビームLYaおよびLYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCbならびにLBaおよびLBbを反射させる水平同期用折り返しミラー25と、第2の結像レンズ30bから出射されたそれぞれのレーザビームが水平同期検出器23に入射されて水平同期信号が出力される関係が示されている。
【0220】
図69は、光走査装置1のミラーなどを取り除いた状態で、光学要素のみを抜き出した概略平面図ならびに図70は、図69に示した同期検出器23と1つの平面 (反射面) のみを有する水平同期用折り返しミラー25とを、水平同期用折り返しミラー25から同期検出器23に向かうレーザビームを副走査方向から見た状態を示す部分側面図である。
【0221】
図69および図70に示されるように、M群のレーザビームLYaおよびLYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCbならびにLBaおよびLBbは、それぞれ、水平同期用折り返しミラー25を介して主走査方向に関し、タイミングがずらされて、同期検出器23の所定の位置に、順に入射される。なお、同期検出器23は、周知のz方向の位置検知可能なポジションセンサであって、それぞれのレーザビームの副走査方向の位置を検出する。また、水平同期用折り返しミラー25は、第2の結像レンズ30bを通過されたレーザビームを折り返すことから、何らかの要因によりレーザビームが副走査方向にずれていることが同期検出器23により検出された場合に、たとえば、後述する図68に示す第2の実施例のビーム間隔変更機構を有する光源に対して、副走査方向のビーム間隔のずれを補正するためのフィードバックが可能である。
【0222】
以下、各レーザビームの水平同期の検出について詳細に説明する。
【0223】
第1に、第1の光源3Yのイエロー第1レーザ3Yaを発光させる。これにより、同期検出器23の所定の位置に、水平同期用折り返しミラー25により折り返され、系の光軸に対して副走査方向に所定の距離だけ離れたレーザビームLYaが入射される。従って、同期検出器23にレーザビームLYaが到達する際の同期検出器23の和信号のスロープ信号からレーザビームLYaの水平同期信号が得られる。続いて、同期検出器23の差信号から、レーザビームLYaのz軸方向の位置を測定する。
【0224】
こののち、イエロー第1レーザ3Yaを停止させ、イエロー第2レーザ3Ybを発光させる。ここで、今度は、同期検出器23の差信号から、レーザビームLYbのz軸方向の位置を測定し、同期検出器23からレーザビームLYbが外れる際の同期検出器23の和信号のスロープ信号からレーザビームLYbの水平同期信号が得られる。
【0225】
以下、LMaおよびLMb,LCaおよびLCbならびにLBaおよびLBbのそれぞれに関し、同様にして、水平同期信号およびz方向の位置情報が得られる。
【0226】
これにより、第1ないし第4の光源3 (Ya,Yb,Ma,Mb,Ca,CbおよびBa,Bb) を発光させるタイミングすなわち主走査方向書きだしタイミングが規定される。また、必要により、副走査方向のビーム間隔のずれを補正するために、M群の互いに対をなす2つのレーザビームLYaおよびLYb,LMaおよびLMb,LCaおよびLCbならびにLBaおよびLBbのそれぞれのビーム間隔がビーム間隔変更機構にフィードバックされる。
【0227】
図65には、この発明の第2の実施例であるマルチビーム光走査装置が利用される転写型カラー画像形成装置が示されている。なお、図1ないし図64を用いて既に説明した構成と実質的に等しい構成には、同一の符号を譜して詳細な説明を省略する。
【0228】
図65に示されるように、画像形成装置100は、色分解された色成分すなわちY=イエロー,M=マゼンタ,C=シアンおよびB=ブラックごとに画像を形成する第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有している。
【0229】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、図66ないし図71を用いて後述するマルチビーム光走査装置151の第3の折り返しミラー37Y,37M,37Cおよび第1の折り返しミラー33Bを介して各色成分画像に対応するレーザビームL (Y,M,CおよびB) が出射される位置に対応して、光走査装置151の下方に、50Y,50M,50Cおよび50Bの順で直列に配置されている。
【0230】
図66には、図65に示したカラー画像形成装置に利用されるマルチビーム光走査装置が示されている。なお、以下、第1の実施例に示したと同様に、各参照符号にY,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する。
【0231】
図66に示されるように、マルチビーム光走査装置151は、光源としてのレーザ素子から出射されたレーザビームを、所定の位置に配置された像面の所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する偏向手段としてのただ1つの光偏向装置5を有している。なお、以下、光偏向装置5によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と示す。
【0232】
光偏向装置5と像面との間には、光偏向装置5の反射面により所定の方向に偏向されたレーザビームに所定の光学特性を与える第1および第2の結像レンズ30aおよび30bからなる2枚組みの偏向後光学系30が配置されている。
【0233】
次に、光源としてのレーザ素子と光偏向装置5との間の偏向前光学系について詳細に説明する。
【0234】
光走査装置1は、Ni (iは正の整数でN4=2、N1=N2=N3=1、N4=2は黒のビームが2本であることを示す) を満たすレーザ素子を含み、色成分に色分解された画像データに対応するレーザビームを発生する第1ないし第4の光源3Y,3M,3Cおよび3B (Mは正の整数で、ここでは4) を有している。
【0235】
第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cは、それぞれ、Yすなわちイエロー画像に対応するレーザビームを出射するイエローレーザ3Y、Mすなわちマゼンタ画像に対応するレーザビームを出射するマゼンタレーザ3MおよびCすなわちシアン画像に対応するレーザビームを出射するシアンレーザ3C、ならびに、Bすなわちブラック (黒) 画像に対応するレーザビームを出射する黒第1レーザ3Baおよび黒第2レーザ3Bbを有している。すなわち、第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cは、N1=N2=N3=1で、第4の光源3Bは、N4=2を満足している。従って、第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cからは、それぞれ、1本のレーザビームLY,LMおよびLCが、ならびに、第4の光源3Bからは、副走査方向に関し、ビーム間隔が所定の距離で位置された対をなす2本のレーザビームLBaおよびLBbが出射される。
【0236】
それぞれのレーザ素子3Y,3M,3Cならびに3Baと光偏向装置5との間には、対応する光源3Y,3M,3Cならびに3BaからのレーザビームLY,LM,LCならびにLBaの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える4組みの偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) が配置されている。
【0237】
ここで、イエローレーザ3Yから光偏向装置5に向かうレーザビームLYを代表させて、偏向前光学系7Yについて説明する。
【0238】
イエローレーザ3Yから出射された発散性のレーザビームは、有限焦点レンズ9Yにより所定の収束性が与えられたのち、絞り10Yにより、断面ビーム形状が所定の形状に整えられる。絞り10Yを通過されたレーザビームLYは、ハイブリッドシリンダレンズ11Yを介して、副走査方向のみに対して、さらに、所定の収束性が与えられて、光偏向装置5に向けて出射される。
【0239】
以下、同様に、Mすなわちマゼンタに関連して、マゼンタレーザ3Mは、有限焦点レンズ9M、絞り10Mおよびハイブリッドシリンダレンズ11Mを通過されて、光偏向装置5に向けられる。また、Cすなわちシアンに関連して、シアンレーザ3Cは、有限焦点レンズ9C、絞り10Cおよびハイブリッドシリンダレンズ11Cを通過されて、光偏向装置5に向けられる。
【0240】
これに対して、黒第1レーザ3Baから出射された発散性のレーザビームは、有限焦点レンズ9Baにより所定の収束性が与えられたのち、絞り10Baにより、断面ビーム形状が所定の形状に整えられる。絞り10Baを通過されたレーザビームLBaは、ハイブリッドシリンダレンズ11Bを介して、副走査方向のみに対して、さらに、所定の収束性が与えられて、光偏向装置5に案内される。なお、有限焦点レンズ9Baとハイブリッドシリンダレンズ11Bとの間には、ハーフミラー12Bが、有限焦点レンズ9Baとハイブリッドシリンダレンズ11Bとの間の光軸に対して所定の角度で挿入されている。一方、ハーフミラー12Bにおいて、黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaが入射される面と反対の面には、黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaに対して副走査方向に所定のビーム間隔を提供可能に配置された黒第2レーザ3BbからのレーザビームLBbが、黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaに対して副走査方向に所定のビーム間隔および角度で入射される。なお、黒第2レーザ3Bbとハーフミラー12Bとの間には、黒第2レーザ3BbからのレーザビームLBbに所定の収束性を与える有限焦点レンズ9Bbおよび絞り10Bbが配置されている。
【0241】
ハイブリッドシリンダレンズ11Yを通過されたレーザビームLY、ハイブリッドシリンダレンズ11Mを通過されたレーザビームLM、ハイブリッドシリンダレンズ11Cを通過されたレーザビームLC、ならびに、ハイブリッドシリンダレンズ11Bを通過された対をなすレーザビームLBaおよびLBbは、第1の実施例において図8で示したレーザ合成ミラーユニット13と実質的に等しい詳述しないレーザ合成ミラーユニットにより他のレーザビームと実質的に1まとめにまとめられて光偏向装置5に案内される。なお、偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) のそれぞれに利用される光学要素は、それぞれの光学要素単体で、図1ないし図64に示した第1の実施例に利用される光学要素と実質的に同一であるから詳細な説明を省略する。
【0242】
図67には、光偏向装置5の多面鏡の各反射面によるレーザビームの偏向角が0°の状態で光偏向装置5から像面に向かうレーザビームの副走査方向断面が示されている。
【0243】
図67に示されるように、光偏向装置5の反射面で反射された第1ないし第4のレーザビームLY,LMおよびLC、ならびに、対をなす2本のレーザビームLBaおよびLBbが一まとめにまとめられたレーザビームLBは、それぞれ、第1の結像レンズ30aと第2の結像レンズ30bとの間で、副走査方向に関し、系の光軸と交差して、像面 (感光体ドラム58) に案内される。
【0244】
ところで、従来技術の項でも説明したように、カラー画像形成装置において、カラー画像が出力される頻度と黒画像が出力される頻度とを比較すると、黒画像が出力される頻度が高い傾向が見られる。また、黒画像は、カラー画像に比較して、画像のきれすなわちシャープさが要求される。しかしながら、カラー画像に対応するレーザビームに適した光学装置は、黒画像に対応するレーザビームに適した光学装置に比較して解像度が要求されないことから、黒画像に対応するレーザビームに適した光学装置を利用することは、コストを増大させることになる。
【0245】
このことから、N4(=2)は他のN1=N2=N3=1と異なる値として、黒は600DPI、イエロー、マゼンタ、シアンは300DPIとしている。また、図65に示した画像形成装置は、黒画像については、少なくとも600ドット・パー・インチ (以下、 [dpi] と示す) と400 [dpi] の2段階の解像度を提供可能に形成されている。なお、カラー画像すなわち第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cのそれぞれについては、固定である300 [dpi] が与えられている。
【0246】
以下に、図65に示した画像形成装置の解像度変更モードについて説明する。
【0247】
一般に、レーザビームのビーム径の有効エネルギー径は、周知のように、1/e2で示される。このとき、副走査方向の1/e2直径Doは、記録すべき画像の解像度に基づいて規定されるビーム間隔 (以下、GPと示す) に関し、
AMP × GP = Do, (1.2 ≦ AMP ≦ 1.6)
であることが望まれている (AMPはプロセスにより最適値が異なる) 。
【0248】
すなわち、解像度に依存して規定されるGPよりも、有効エネルギー径Doを僅かに大きき設定することで、たとえば、感光体ドラムの駆動により生じるジッタに起因する濃度むらが低減されることが知られている。ここにシングルビームで解像度DPIで書き込む際のライン間隔をLGPとする。
【0249】
このことから、図71に示されるように、解像度を600 [dpi] として、Ni=2本のレーザビームにより画像を記録するためには、それぞれのレーザビームの有効エネルギー径DoをGPの1.2倍〜1.6倍に設定するとともに、濃度むらをより有効に低減するために、レーザビーム相互の間隔を、解像度に依存して規定されるAMPをおおむね1.2〜1.6として、ビーム間隔をGP´に変更することが有益である。
【0250】
従って、たとえば、さまざまな解像度に対して、GP´を求めると、
が満足されるよう、図68を用いて後述する解像度変更機構により、対をなす2つのレーザビームの副走査方向のビーム間隔を変更すればよいことになる。
【0251】
なお、図65に示した画像形成装置の光走査装151は、最大の解像度がDPIo=600 [dpi] で、変更可能な解像度DPIは、DPI ≧ 1/Pi×DPIoに規定されている。
【0252】
ここで、DPIを400 [dpi] AMP=1.2とすると、Ni=2本における像面でのビーム間隔を42.3マイクロメートル (以下、 [μm] と示す) から25.4 [μm] に狭めるとともに、複数Pi (Piは、2以上の整数で、ここでは、Pi=2) 個のビームにより、1画素分の画像を形成する。
【0253】
この場合、プロセススピードを一定に維持するために、画像周波数は、
DPI2 × Pi / DPI2 = 0.8888倍
に、また、光偏向装置の偏向速度は、
DPI × Pi / DPIo = 1.3333倍
に、それぞれ、変化されることはいうまでもない。
【0254】
参考までに、DPIを、300 [dpi] とすると、ビーム間隔は、50.8 [μm] 、光偏向装置の偏向速度は、DPIo時と同一 (第1レーザおよび第2レーザを同時に発光させる) に、画像周波数は1/2に変更される。
【0255】
図68には、図65に示した光走査装置151に利用される第4の光源3Bの黒第2レーザ3Bbを保持する保持部すなわち解像度変更機構が示されている。
【0256】
図68に示されるように、黒第2レーザ3Bbは、黒第2レーザ3Bbを保持するレーザ保持部2Bbの所定の位置の形成されたレーザホルダ部に挿入され、図示しない接着剤により、レーザホルダ部に固定される。レーザ保持部2Bbの側方すなわちレーザホルダ部を介して保持されている黒第2レーザ3BbからのレーザビームLBbが出射される方向には、図示しない接着剤あるいは保持部2Bb側から提供される図示しないねじなどにより有限焦点レンズ9Bbを保持するレンズ保持部4Bbが固定されている。なお、有限焦点レンズ9Bbは、自身に一体的に形成されたレンズハウジングを有し、円筒状の外形を有している。これにより、有限焦点レンズ9Bbは、たとえば、板ばね6Bbにより、レンズ保持部4Bbの所定の方向に押しつけられる。また、絞り10Bbは、レンズ保持部4Bbの所定の位置にあらかじめ形成されている溝に挿入され、図示しない接着剤によりレンズ保持部4Bbに固着される。なお、有限焦点レンズ9Bbは、レンズ保持部4Bbにあらかじめ形成されている図示しない位置決め突起などにより、レーザ素子3Bbから出射されるレーザビームLBbに対して光軸が調整されたのち、レンズ保持部4B2に接着剤などで固定される。
【0257】
レンズ保持部4Bbおよびレーザ保持部2Bbは、光走査装置151のハウジング151aの所定の位置に、ハウジング151aとそれぞれの保持部の間に、印加される電圧に応じて厚さが変化される電磁アクチェータ14Bbを介在させた状態で配置されている。
【0258】
電磁アクチェータ14Bbは、前述した解像度の変更に対応して黒第1レーザ3Baから出射されるレーザビームLBaと黒第2レーザ3Bbから出射されるレーザビームLBbの副走査方向のビーム間隔を変化させるために、たとえば、600 [dpi] 、400 [dpi] および300 [dpi] の解像度に対応してあらかじめ決められている厚さを提供可能であって、図示しない電圧供給部を介して供給される解像度に対応する厚さに変化される。これらの量は、前述した同期検出器23の差信号を作ったZ方向の位置のLBa,LBbの差よりフィードバックを受ける。なお、電磁アクチェータ14Bbとしては、たとえば、周知のピエゾ素子が利用される。
【0259】
また、図65に示した光走査装置151では、黒第2レーザ3Bbは、ハイブリッドシリンダレンズ11B、ならびに、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bにより像面の所定の位置に案内されるが、電磁アクチェータ14Bbが変位されることによりレンズ保持部4Bbおよびレーザ保持部2Bbが移動される距離をdxとすると、像面において、−0.636dxとなる。なお、図65ないし図68に示した第2の実施例では、M=4ならびにNi=1 (Y) ,Ni=1 (M) ,Ni=1 (C) およびNi=2 (B) を例にビーム間隔調整機構がN4 −1=2−1=1つの際についてのみ説明したが、3Ba に対しても図68に示したビーム間隔調整機構が配置されても良い。また、本実施例ではビーム入射位置を調整しているが、ピエゾを傾きを発生させる様、4Bbの端に配し、他方をバネ等で押えることにより、入射角および入射位置を調整することも可能である。
【0260】
図72には、この発明の第3の実施例である2ビーム光走査装置が利用される単色画像形成装置が示されている。なお、図1ないし図64を用いて既に説明した第1の実施例の構成、ならびに、図65ないし図68に示した第2の実施例の構成と実質的に同一の構成には、200を付加した符号を譜して、詳細な説明を省略する。
【0261】
図72に示されるように、画像形成装置200は、周知のレーザビームプリンタ方式の画像形成部250を有している。
【0262】
画像形成部250は、図73ないし図98を用いて後述する光走査装置201の折り返しミラー233を介してレーザビームL1,L2が出射される位置に、配置されている。
【0263】
画像形成部250は、円筒ドラム状で、所定の方向に回転可能に形成され、画像に対応する静電潜像が形成される感光体ドラム258を有している。感光体ドラム258の周囲には、感光体ドラム258の表面に所定の電位を提供する帯電装置260、感光体ドラム258の表面に形成された静電潜像に対応する色が与えられているトナーを供給することで現像する現像装置262、搬送ベルト252を感光体ドラム258との間に介在させた状態で感光体ドラム258に対向され、搬送ベルト252または搬送ベルト252を介して搬送される記録媒体すなわち記録用紙Pに感光体ドラム258上のトナー像を転写する転写装置264、転写装置264を介してトナー像が転写されたあとに感光体ドラム258上に残った残存トナーを除去するクリーナ266および転写装置264を介してトナー像が転写されたあとの感光体ドラム258上に残った残存電位を除去する除電装置268が、感光体ドラム258の回転方向に沿って、順に、配置されている。
【0264】
なお、光走査装置201のミラー233により案内されるレーザビームL1およびL2は、帯電装置260と現像装置262との間に照射される。
【0265】
感光体258の下方には、画像形成部250により形成された画像が転写されるための記録媒体すなわち用紙Pを収容する用紙カセット270が配置されている。
【0266】
用紙カセット270の一端であって、テンションローラ254に近接する側には、おおむね半月状に形成され、用紙カセット270に収容されている用紙Pを最上部から1枚ずつ取り出す送り出しローラ272が配置されている。送り出しローラ272と感光体ドラム258との間には、カセット270から取り出された1枚の用紙Pの先端と感光体ドラム258に形成されたトナー像の先端とを整合させるためのレジストローラ276が配置されている。
【0267】
転写装置264により感光体ドラム258に形成された画像が転写された用紙Pが搬送される方向には、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置284が配置されている。
【0268】
図73には、図72に示した画像形成装置に利用される2ビーム光走査装置が示されている。
【0269】
図73に示されるように、光走査装置201は、光源としての第1および第2のレーザ素子203aおよび203b出射されたNi=2本のレーザビームを、所定の位置に配置された像面の所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する偏向手段としてのただ1つの光偏向装置205を有している。なお、以下、光偏向装置5によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と示す。
【0270】
光偏向装置5と像面との間には、光偏向装置205の反射面により所定の方向に偏向された第1および第2のレーザビームに所定の光学特性を与えるただ1枚の結像レンズ230が配置されている。なお、結像レンズ230と像面との間には、防塵ガラス239が配置されている。
【0271】
次に、光源としてのレーザ素子と光偏向装置5との間の偏向前光学系について詳細に説明する。
【0272】
光走査装置201は、Ni=2を満たす2つレーザ素子を含み、M (Mは正の整数で、ここでは1) 群の光源203を有している。
【0273】
光源203の第1のレーザ203aと光偏向装置5との間には、偏向前光学系としての有限焦点レンズ209a、絞り210a、ハーフミラー212、及び、ハイブリッドシリンダレンズ211が配置されている。また、ハーフミラー212の第1のレーザ203aからのレーザビームL1が入射される面と反対側の面には、第2のレーザ203b、有限焦点レンズ209bおよび絞り210bが配置されている。なお、偏向前光学系に利用される各光学要素の光学特性、形状および材質などは、すでに説明した第1および第2の実施例と実質的に同一であるから詳細な説明を省略する。
【0274】
次に、光偏向装置205と像面との間の1枚レンズ偏向後光学系について詳細に説明する。
【0275】
図73ないし図98ならびに表7および表8には、偏向後光学系230のただ1枚の結像レンズ230の第1面すなわち光入射面および第2面すなわち光出射面のさまざまな光学特性およびレンズデータが示されている。
【0276】
【表7】
【0277】
【表8】
【0278】
図74には、結像レンズ230の第1面すなわち光入射面の形状が示されている。すなわち、図74に示されるように、結像レンズ230の第1面は、光軸すなわち (y=0,z=0) に対して非対称に形成されている。
【0279】
図75には、結像レンズ230の第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率が示されている。すなわち、図75は、図74に示した第1面の副走査方向の形状の特徴すなわち光軸 (y=0,z=0) に対して結像レンズ230の第1面が非対称であることを示している。また、図75は、このレンズ面が、副走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの副走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して副走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0280】
図76には、結像レンズ230の第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値が示されている。すなわち、図76は、図74に示した第1面の副走査方向の曲率の傾き (方向性) が、主走査方向の光軸と交わる点に関して非対称に変化することを示している。
【0281】
図77には、結像レンズ230の第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値が示されている。すなわち、系の光軸を含む主走査平面と、レンズ面との交線の系の光軸方向座標に対する主走査方向1次微分値が2つの極値を持つことが分かる。このことにより、図75の説明で述べた副走査方向の特性を保ちつつ、主走査方向に関しても、広い偏向角に対してレンズの厚みを大きくすることなく、fθ特性を補正することができる。レンズの厚みが厚くなると、特にプラスティック成形レンズの場合成形時間が長くなり、コストアップにつながる。
【0282】
図78には、結像レンズ230の第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率が示されている。すなわち、図78は、図74に示した第1面の主走査方向の形状の特徴すなわち光軸 (y=0,z=0) に対して結像レンズ230の第1面が非対称であることを示している。また、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0283】
図79には、結像レンズ230の第1面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置が示されている。すなわち、図79は、図74に示した第1面の副走査方向の形状が主走査方向に関して非対称であることを示している。
【0284】
図80には、結像レンズ230の第1面の副走査方向形状に関し、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレ、また、図81には、結像レンズ230の第1面の主走査方向形状に関し、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が示されている。すなわち、図80および81には、結像レンズ230の第1面は、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが示されている。この面の面対称面は、z=0で定義される面の1面のみである。なお、図80に示されるように、副走査方向の少なくとも4次の項より大きな項の係数を、光軸を含み主走査方向に広がる走査面とレンズ面とが交わる線の形状および副走査方向曲率半径と独立に制御することで、主走査方向ならびに副走査方向のさまざまな収差特性を良好に設定できる。
【0285】
図82には、結像レンズ230の第2面すなわち光出射面の形状が示されている。図82に示されるように、結像レンズ230の第2面は、光軸 (y,z) = (0,0) に対して非対称に形成されている。
【0286】
以下、図74ないし図81に示した結像レンズ230の第1面すなわち光入射面と同様に、図83ないし図89には、結像レンズ230の第2面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面すなわち光走査面とレンズ面との交点における副走査方向の曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における主走査方向曲率、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置すなわち副走査方向の形状、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレ、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分が、それぞれ、示されている。
【0287】
図83ないし図89に示されるように、結像レンズ230の第2面は、第1面と同様に、光軸 (y=0,z=0) に対して主走査方向および副走査方向のそれぞれに非対称であって、副走査方向の曲率の傾きおよび主走査方向の曲率の傾きのそれぞれが主走査方向の光軸と交わる点に関し非対称に変化し、主走査方向および副走査方向のいづれにも回転対称面を含まないことが認められる。
【0288】
ところで既に説明した図23よりレンズ30aの出射面は回転対称面を持たず、この面の面対称面は、z=0で作られる面の1面のみであることがわかる。このことにより、広い偏向角に対しても全域に渡って主、副走査方向の諸特性を改善することができる。
【0289】
また、図24は、このレンズ面が、副走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの副走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して副走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0290】
一方、図26は系の光軸を含む主走査平面と、レンズ面との交線の系の光軸方向座標に対する主走査方向1次微分値が2つの極値を持つことを示しており、このことにより、主走査方向に関して、広い偏向角に対してレンズの厚みを大きくすることなく、fθ特性を補正することができる。レンズの厚みが厚くなると、特にプラスティック成形レンズの場合成形時間が長くなり、コストアップにつながる。
【0291】
また、図27は、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことにより、レンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく、広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの絶対値の大きな面ほど、収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0292】
図28は、副走査方向形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点座標を0と置いた際の形状を示しており、副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対関係が主走査方向の途中で逆転していることを示し、これは、副走査方向の広い幅に渡って副走査方向の諸特性を向上させるために大きく役立っている。
【0293】
図29は、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示し副走査方向へも高次(4次以上)の項を含むことを示しており、このことにより、図28のような副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対関係が主走査方向の途中で逆転するような形状を実現することができる。
【0294】
以上、レンズ30aの両面が回転対称軸を持たず走査平面との交線の光軸座標に対する走査方向1次微分値が2つの極値を持つことがわかる。
【0295】
これに対して、図86は、このレンズ面が、主走査方向の曲率が、主走査方向の途中で符号を変えていることを示しており、このことによりレンズの主走査方向パワーの絶対値を大きくすることなく広い偏向角に対して主走査方向諸特性を最適化することができる。レンズ面では、パワーの最大値の大きな面ほど収差を発生させやすいことが知られており、これを避ける意味でも性能の向上を計ることができる。
【0296】
図87は、副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点座標を0と置いた際の形状を示しており、副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対位置が主走査方向の途中で逆転していることを示し、これは、副走査方向の広い幅に渡って副走査方向の諸特性を向上させるために大きく役立っている。
【0297】
図88は、副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示し副走査方向へも高次(4次以上)の項を含むことを示しており、このことにより、図28のような副走査方向周辺部の副走査方向光軸部に対する相対位置が主走査方向の途中で逆転するような形状を実現することができる。
【0298】
以上、レンズ230の両面が回転対称軸を持たず、走査平面との交線の光軸座標に対する主走査方向1次微分値が2つの極値を持つことが分かる。
【0299】
図90は、結像レンズ230に関し、光出射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率から光入射面の各主走査方向位置に対応する副走査方向の曲率を取り除き、結像レンズ230の材質であるPMMAの屈折率nから1 (空気中の屈折率) を除いた数値との積を取ることで得られた、結像レンズ230を薄肉レンズと見なした状態の副走査方向の連続したパワーの分布を示している。
【0300】
図91は、結像レンズ230に関し、光出射面の各主走査方向位置に対応する主走査方向の曲率半径から光入射面の各主走査方向位置に対応する主走査方向の曲率半径を取り除き、結像レンズ230の材質であるPMMAの屈折率nから1 (空気中の屈折率) を除いた数値との積を取ることで得られた、結像レンズ230を薄肉レンズと見なした状態における主走査方向の連続したパワーの分布を示している。
【0301】
図92は、光源203の第1レーザ203aおよび第2レーザ203bのそれぞれから出射された互いに対をなす2つのレーザビームL1およびL2のそれぞれの副走査方向の相対位置を示している。図92に示されるように、互いに対をなす2つのレーザビームすなわちNi=2のレーザビームは、副走査方向に関し、結像レンズ230の光入射面すなわち第1面と像面との間、系の光軸と交差するよう、レンズの特性が規定されている。これにより、Ni=2本のレーザビームのビーム間隔を、温度および湿度の変化に拘らず、一定に維持できる。
【0302】
以下、図93ないし図98に、結像レンズ230により提供されるさまざまな特性について、主走査方向像面ビーム位置を軸として、詳細に説明する。
【0303】
図93は、屈折率を変化させた状態を含む像面でのレーザビームの主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量すなわちz軸方向の変動を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。図93に示されるように、それぞれのデフォーカス量は、最大で、±1.1 [mm] の範囲内に抑えられている。
【0304】
図94は、屈折率を変化させた状態を含む像面での主走査方向の相互の間隔のずれ (間隔の変動) の程度を示している。なお、添字1,2および3は、それぞれ、屈折率n=1.4855,n=1.4821およびn=1.4889の条件に対応される。図94に示されるように、それぞれのビーム間隔の変動の大きさは、最大のレーザビームで、0.0009 [mm] の範囲内に抑えられる。
【0305】
図95は、主走査方向ならびに副走査方向のビーム径の変動率すなわち収光角の逆数の変動率を示している。なお、符号YANGは主走査方向、ZYAGは副走査方向に、それぞれ対応される。図95に示されるように、ビーム径の変動率は、ピーク−ピークで8%程度に抑えられている。
【0306】
図96は、像面でのレーザビームの主走査方向のfθ特性の変動率を示している。図96に示されるように、fθ特性は、レーザビームの種類によらず、おおむね、0.3%の範囲に抑えられている。
【0307】
図97は、光偏向装置の多面鏡の各反射面の面倒れが1分以内に収められた状態におけるレーザビームの副走査方向のビーム位置の変動を示している。図97に示されるように、ビーム位置の変動は、最大で、0.001 [mm] に抑えられている。面倒れ補正が無い場合、この値は0.186になり、レンズ230は面倒れ補正率1/186であると言える。
【0308】
図98は、主走査方向の像面ビーム位置に対する透過率の変動を示している。図98に示されるように、透過率の変動は、レーザビームの種類によらず、おおむね、4%の範囲に抑えられている。
【0309】
以上説明したように、第1面すなわち入射面および第2面すなわち出射面の形状を主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれの位置で最適化することにより、ただ1枚の結像レンズのみにより、像面における球面収差、コマ収差、像面湾曲あるいは倍率誤差などの収差特性を、所定の範囲内に収めることが可能となる。
【0310】
すなわち、主走査方向に広がる走査面とレンズ面の交わる線の形状をレンズ面を貫く系の光軸に対して非対称とすることにより、主走査方向の結像面が像面から大きく外れること、及び、fθ特性が主走査方向の光軸を挟んでずれることを防止できる。また、光軸から大きくずれるレーザビームに対しても、主走査方向および副走査方向のそれぞれに関し、フレアを低減可能となる。さらに、主走査方向のどの位置を通過されるビームの強度分布の変動量を所定の範囲以下に収めることができる。
【0311】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光走査装置によれば、Niのビーム間距離に対し、温度および湿度の影響による屈折率、形状変化による変動の影響が低減される。また、M群のビームに対し、同様に、機能する。さらに、像面近傍でのビームウエスト位置の温度および湿度の変動による影響が抑えられることから、ビーム径の変動が低減される。
【0312】
またさらに、偏向手段に対して入射光を正面以外の方向からも入射可能となることから、偏向手段の回転ミラーの非対称性に起因する主走査方向のさまざまな特性を改善できる。また、有効振り角あるいは走査幅を向上できる。さらに、回転ミラーの面倒れの補正率が拡大されることにより、副走査方向のビーム間隔が均一化される。またさらに、4次以上の項により、副走査方向の球面収差およびコマ収差等も改善される。さらにまた、副走査方向のビームの位置の変動が低減される。
【0313】
さらにまた、各ビームごとの画像の書き込みタイミングを一致させることができる。また、温度上昇などによりタイミングの再現性が変化することが防止される。さらに、ハウジングなどが変形した場合であっても、Ni個のビームの位置を正確に検出できる。
【0314】
従って、主走査線曲がりあるいはfθ特性が不均一になることが防止される。また、色ずれあるいは画像濃度のむらもしくは画像のにじみなどのさまざまな不具合が除去される。
【0315】
さらに、中間調画像あるいはカラー画像に対して色むらを抑えることができる。またさらに、線幅の変化あるいは色ずれおよび色むらの少ない画像形成装置が提供される。
【0316】
これらにより、低コストでカラー画像を提供可能となる。
【0317】
なお、M群が1である場合には、結像レンズを1枚のみに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるマルチビーム光走査装置が利用される画像形成装置の概略断面図。
【図2】図1に示した画像形成装置に組み込まれる光走査装置の光学部材の配置を示す概略平面図。
【図3】図2に示した光走査装置を第1の光源と光偏向装置との間の系の光軸に沿って切断した部分断面図。
【図4】図2に示した光走査装置の副走査方向部分断面であって、光偏向装置に向かう第1ないし第4のレーザビームの状態を示す概略図。
【図5】図2に示した光走査装置を光偏向装置の偏向角が0°の位置で切断した概略断面図。
【図6】図5に示した光偏向装置の偏向角が0°の位置で切断した光走査装置のミラーなどを取り除いた光路展開図。
【図7】図2に示した光走査装置の偏向前光学系の各光学部材が配置される状態を示す概略平面図。
【図8】図2に示した光走査装置のレーザ合成ミラーユニットを示す平面図および側面図
【図9】図2に示した光走査装置の水平同期検出用折り返しミラーの概略斜視図。
【図10】図2に示した光走査装置の出射ミラーの調整機構を示す概略斜視図。
【図11】図1に示した画像形成装置におけるレジスト補正の原理を示す概略図。
【図12】図11に示したレジストセンサの概略断面図。
【図13】図12に示したレジストセンサのレジスト検知出力を示す模式図。
【図14】図1に示した画像形成装置の画像制御部のブロック図。
【図15】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の形状を示す斜視図。
【図16】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図17】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図18】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値を示すグラフ。
【図19】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図20】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図21】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示す概略図。
【図22】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分(yの奇数次項を含む項の値の和)を示す概略図。
【図23】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の形状を示す斜視図。
【図24】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図25】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図26】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値を示すグラフ。
【図27】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図28】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図29】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示す概略図。
【図30】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分(yの奇数次項を含む項の値の和)を示す概略図。
【図31】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の形状を示す斜視図。
【図32】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図33】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図34】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値を示すグラフ。
【図35】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図36】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図37】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示す概略図。
【図38】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分(yの奇数次項を含む項の値の和)を示す概略図。
【図39】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の形状を示す斜視図。
【図40】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図41】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図42】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における光軸方向座標の主走査方向座標に対する微分値を示すグラフ。
【図43】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図44】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図45】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示す概略図。
【図46】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分(yの奇数次項を含む項の値の和)を示す概略図。
【図47】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの副走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図48】図2に示した光走査装置の第1のfθレンズの主走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図49】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの副走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図50】図2に示した光走査装置の第2のfθレンズの主走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図51】図2に示した光走査装置のハイブリッドシリンダレンズを通過されたあとの各レーザビームのハイブリッドシリンダレンズの光軸に対する副走査方向の相対位置を示す概略図。
【図52】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子からのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量を示すグラフ。
【図53】図2に示した光走査装置のシアン用第1レーザ素子からのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのでフォーカス量を示すグラフ。
【図54】図2に示した光走査装置のブラック用第1レーザ素子およびイエロー用第1レーザ素子のそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのでフォーカス量を示すグラフ。
【図55】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子からのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査線曲りの程度を示すグラフ。
【図56】図2に示した光走査装置のシアン用第1レーザ素子からのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査線曲りの程度を示すグラフ。
【図57】図2に示した光走査装置のブラック用第1レーザ素子およびイエロー用第1レーザ素子シアン用のそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査線曲りの程度を示すグラフ。
【図58】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子および第2レーザ素子からのレーザビーム相互の主走査方向像面ビーム位置に対するビーム間隔のばらつきの程度を示すグラフ。
【図59】図2に示した光走査装置のシアン用第1レーザおよび第2レーザからのレーザビーム相互の主走査方向像面ビーム位置に対するビーム間隔のばらつきの程度を示すグラフ。
【図60】図2に示した光走査装置のブラック用第1レーザおよび第2レーザならびにイエロー用第1レーザおよび第2レーザのそれぞれからのレーザビーム相互の主走査方向像面ビーム位置に対するビーム間隔のばらつきの程度を示すグラフ。
【図61】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ、シアン用第1レーザ、ブラック用第1レーザおよびイエロー用第1レーザのそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する収光角の逆数すなわちビーム径の変動率を示すグラフ。
【図62】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子、シアン用第1レーザ素子、ブラック用第1レーザ素子およびイエロー用第1レーザ素子のそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対するfθ特性の変動率を示すグラフ。
【図63】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子、シアン用第1レーザ素子、ブラック用第1レーザ素子およびイエロー用第1レーザ素子のそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する面倒れ補正された副走査方向のビーム位置のばらつきの程度を示すグラフ。
【図64】図2に示した光走査装置のマゼンタ用第1レーザ素子、シアン用第1レーザ素子、ブラック用第1レーザ素子およびイエロー用第1レーザ素子のそれぞれからのレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する透過率の変動の程度を示すグラフ。
【図65】図1に示した画像形成装置とは異なる別の画像形成装置を示す概略断面図。
【図66】図65に示した画像形成装置に組み込まれる光走査装置の光学部材の配置を示す概略平面図。
【図67】図65に示した光走査装置を光偏向装置の偏向角が0°の状態で切断した部分断面図。
【図68】図2に示した光走査装置の光源すなわち発光ユニットの一例を示す概略図。
【図69】図2に示した光走査装置のレーザビームの間隔を検知する状態を示す概略平面図。
【図70】図2に示した光走査装置のレーザビームの間隔を検知する状態を示す概略断面図。
【図71】図65に示した画像形成装置における解像度切り替えのためにレーザビームの間隔を変更する例を示す概略図。
【図72】図1および図65に示した画像形成装置とはさらに異なる画像形成装置を示す概略断面図。
【図73】図72に示した画像形成装置に組み込まれる光走査装置の光学部材の配置を示す概略平面図。
【図74】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の形状を示す斜視図。
【図75】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図76】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図77】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向の1次微分値を示すグラフ。
【図78】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図79】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図80】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示すグラフ。
【図81】図73に示した光走査装置のfθレンズの入射面の主走査形状に関し、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分を示す概略図。
【図82】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の形状を示す斜視図。
【図83】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の副走査方向曲率を示すグラフ。
【図84】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点における副走査方向曲率の主走査方向座標に対する2次微分値を示すグラフ。
【図85】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向の1次微分値を示すグラフ。
【図86】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の主走査方向に広がる走査面とレンズ面で交わる部分の主走査方向曲率を示すグラフ。
【図87】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の副走査形状に関し、系の光軸を含み主走査方向に広がる平面とレンズ面との交点を基準としたレンズ面の主走査方向の各点での副走査方向の位置を示すグラフ。
【図88】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の副走査方向形状の副走査方向z=0での曲率を持った円弧との形状のズレを示すグラフ。
【図89】図73に示した光走査装置のfθレンズの出射面の主走査形状に関し、主走査方向に広がる走査面に対する非対称成分を示す概略図。
【図90】図73に示した光走査装置のfθレンズの副走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図91】図73に示した光走査装置のfθレンズの主走査方向の全域のパワーを示すグラフ。
【図92】図73に示した光走査装置のハイブリッドシリンダレンズを通過されたあとのハイブリッドシリンダレンズの光軸に対する第1および第2のレーザ素子からのレーザビームの副走査方向の相対位置を示す概略図。
【図93】図73に示した光走査装置の第1のレーザ素子のレーザビームの主走査方向像面ビーム位置に対する主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれのデフォーカス量を示すグラフ。
【図94】図73に示した光走査装置の第1のレーザの主走査方向像面ビーム位置に対する第2のレーザのビーム間隔のばらつきの程度を示すグラフ。
【図95】図73に示した光走査装置の第1のレーザ素子の主走査方向像面ビーム位置に対する収光角の逆数すなわちビーム径の変動率を示すグラフ。
【図96】図73に示した光走査装置の第1のレーザ素子の主走査方向像面ビーム位置に対するfθ特性の変動率を示すグラフ。
【図97】図73に示した光走査装置の第1のレーザ素子の主走査方向像面ビーム位置に対する面倒れ補正された副走査方向のビーム位置のばらつきすなわち偏差の程度を示すグラフ。
【図98】図73に示した光走査装置の第1のレーザ素子の主走査方向像面ビーム位置に対する透過率の変動の程度を示すグラフ。
【符号の説明】
1…マルチビーム光走査装置、 1a…中間ベース、
3Y,3M,3Cおよび3B…光源 (第1の光学手段) 、
3Ya…イエロー第1レーザ、 3Yb…イエロー第2レーザ、
3Ma…マゼンタ第1レーザ、 3Mb…マゼンタ第2レーザ、
3Ca…シアン第1レーザ、 3Cb…シアン第2レーザ、
3Ba…黒第1レーザ、 3Bb…黒第2レーザ、
5 …光偏向装置、 5a…多面鏡本体、
7Y,7M,7Cおよび7B…偏向前光学系 (第1の光学手段) 、
9Y,9M,9Cおよび9B…有限焦点レンズ (第1の光学手段) 、
11Y,11M,11Cおよび11B…ハイブリッドシリンダレンズ、
13…レーザ合成ミラーユニット、 13M…マゼンタ反射面、
13Y…シアン反射面、 13B…黒反射面、
13α…ベース、 15…保持部材、
17Y,17M,17Cおよび17B…プラスチックシリンダレンズ、
19Y,19M,19Cおよび19B…ガラスシリンダレンズ、
23…水平同期検出器、 25…水平同期用折り返しミラー
30…偏向後光学系 (第2の光学手段) 、
30a…第1の結像レンズ、 30b…第2の結像レンズ、
33Y,33M,33Cおよび33B…第1の折り返しミラー、
35Y,35Mおよび35C…第2の折り返しミラー、
37Y,37Mおよび37C…第3の折り返しミラー、
39Y,39M,39Cおよび39B…防塵ガラス、
41Y,41Mおよび41C…固定部、
43Y,43Mおよび43C…ミラー押さえ板ばね、
45Y,45Mおよび45C…突起、
47Y,47Mおよび47C…止めねじ、
50Y,50M,50Cおよび50B…画像形成部、
52…搬送ベルト、 54…ベルト駆動ローラ、
56…テンションローラ、
58Y,58M,58Cおよび58B…感光体ドラム、
60Y,60M,60Cおよび60B…帯電装置、
62Y,62M,62Cおよび62B…現像装置、
64Y,64M,64Cおよび64B…転写装置、
66Y,66M,66Cおよび66B…クリーナ、
68Y,68M,68Cおよび68B…除電装置、
70…用紙カセット、 72…送り出しローラ、
74…レジストローラ、 76…吸着ローラ、
78…レジストセンサ、 80…レジストセンサ、
82…搬送ベルトクリーナ、 84…定着装置、
100…画像形成装置、 101…主制御装置、
102…RAM、 103…不揮発性メモリ、
110…画像制御部、 111…画像制御CPU、
112…バスライン、 113…タイミング制御部、
114Y,114M,114Cおよび114…画像メモリ、
115Y,115M,115Cおよび115…データ制御部、
116Y,116M,116Cおよび116…レーザ駆動部、
117Y,117M,117Cおよび117…レジスト補正演算装置、
118Y,118M,118Cおよび118…タイミング設定装置、
119Y,119M,119Cおよび119…発振周波数可変回路、
121…水平同期信号発生回路、 P…用紙。
Claims (4)
- ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、Niは1以上の整数で、N i のうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣNi本の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記偏向手段により偏向された前記光源からのΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置。 - ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、N i は1以上の整数で、Niのうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣNi の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記ΣNi本の光全てに作用する単一の連続面で、入射面および出射面が形成されているレンズを含み、前記偏向手段により偏向された前記ΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置。 - ΣNi(N1+N2+・・・+NM)本で、Mは2以上の整数、N i は1以上の整数で、N i のうちの少なくとも1つは2以上である光源と、
前記ΣNi個のそれぞれの光源から出射された光を合成するΣ(Ni−1)個の合成手段と、
前記合成手段からのΣNi本の出射光を主走査方向と直交する副走査方向に収束させるための副走査方向に正のパワーが与えられたM組の光学部材と、
回転可能に形成された反射面を有し、前記光源からのΣN i 本の光を所定の方向に偏向するただ1つの偏向手段を含む第1の光学手段と、
前記ΣNi本の光全てに作用する単一の連続面で、入射面および出射面が形成されているレンズを含み、前記偏向手段により偏向された前記ΣNi本の光を所定像面に等速で走査するように結像する第2の光学手段と、
前記第2の光学手段と前記所定像面の間に配置され、M群の光を分離し、異なる場所に導く分離手段と、
を有することを特徴とする光走査装置。 - 前記分離手段は、M−1個のミラーであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光走査装置。
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