JPH08312754A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

Info

Publication number
JPH08312754A
JPH08312754A JP7123325A JP12332595A JPH08312754A JP H08312754 A JPH08312754 A JP H08312754A JP 7123325 A JP7123325 A JP 7123325A JP 12332595 A JP12332595 A JP 12332595A JP H08312754 A JPH08312754 A JP H08312754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
differential
gear
magnet
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7123325A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Teraoka
正夫 寺岡
Yoshihiro Ishikawa
佳宏 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP7123325A priority Critical patent/JPH08312754A/ja
Publication of JPH08312754A publication Critical patent/JPH08312754A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0483Axle or inter-axle differentials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0402Cleaning of lubricants, e.g. filters or magnets
    • F16H57/0404Lubricant filters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 速度感応型差動制限機能を与える封入オイル
から摩耗粉を除去する。 【構成】 エンジンに回転駆動されるデフケース3と、
出力側のサイドギヤ17、19と、ギヤ17、19を連
結する4対のピニオンギヤと、デフケース3に形成され
たポケット部25と、ポケット部25の一部をなし各ピ
ニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔と、ポケッ
ト部に封入され各ギヤのポンプ作用によっ循環するオイ
ルと、ポケット部25に形成された空間69に配置され
オイル中の磁性粉を吸着して除去する磁石75と、作動
に伴ってオイルを磁石75の方向に送るアキュムレータ
77とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭64−87940号公報と特開平
2−197426号公報にそれぞれデファレンシャル装
置が記載されている。
【0003】特開昭64−87940号公報のデファレ
ンシャル装置は、ウォームとウォームホイールとからな
る一対のウォームギヤと、それぞれのウォームを連結す
るスパーギヤとから構成されており、ウォームギヤの大
きなトルク伝達ロスによるトルク感応型の差動制限機能
を備えている。
【0004】又、特開平2−197426号公報のデフ
ァレンシャル装置は、ベベルギヤ式の差動機構、カム、
ピストン、オイル室を備えており、差動機構に差動回転
が生じると、カムが作動してピストンがオイル室を加圧
すると共に、オイル室からの反力を受けてピストンがカ
ムを押し返し、差動回転速度に感応する速度感応型の差
動制限機能を得ている。
【0005】車両の差動制限機能は、例えば、トルクを
掛けて急旋回するようなスポーティ走行時の操縦安定性
を向上させるために必要であり、悪路などで一輪が空転
した時に走破性を向上させるために必要である。しか
し、トルク感応型の差動制限機能は、前者には有効であ
るが後者には不充分であり、速度感応型の差動制限機能
は、後者には有効であるが前者には不充分である。しか
し、これら両タイプの差動制限機能を備えたデファレン
シャル装置は、構造が複雑で高価である。
【0006】そこで、本出願人は、両タイプの差動制限
機能を備え、構造が簡単で安価な図4のようなデファレ
ンシャル装置201を先に提案した。
【0007】このデファレンシャル装置201は、出力
側のサイドギヤ203、205と、互いに噛み合ってサ
イドギヤ203、205を連結する複数組のピニオンギ
ヤ207、209とを備えている。デフケース211の
内部には粘性の高いオイルが封入されており、このオイ
ルは各ギヤの噛み合い部のポンプ作用によって加圧さ
れ、デフケース211の内部を循環する。各噛み合い部
や摺動部は循環するオイルによって潤滑される。
【0008】デファレンシャル装置201では、各ギヤ
の噛み合い反力やヘリカルギヤの噛み合いスラスト力な
どによってピニオンギヤ207、209とサイドギヤ2
03、205とデフケース211などの間で生じる摩擦
抵抗により、伝達トルクに感応するトルク感応型の差動
制限機能が得られると共に、オイルを循環させるギヤの
ポンプ仕事と、オイルの剪断抵抗と、オイルの圧力を受
けて生じる各ギヤ間や各ギヤとデフケース211間の摩
擦抵抗などによって、速度感応型の差動制限機能が得ら
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デファレンシ
ャル装置201では、各ギヤの噛み合い部や摺動部で発
生する鉄粉などの摩耗粉がオイルと共にデフケース21
1の内部を循環して噛み合い部や摺動部に入り込み易
く、この場合、差動機能やトルク感応型と速度感応型の
両差動制限機能や耐久性などに悪影響が生じる。
【0010】そこで、この発明は、トルク感応型差動制
限機能と、封入オイルによる速度感応型差動制限機能と
を備えると共に、この封入オイル中から摩耗粉を除去す
ることによって差動機能と両差動制限機能と耐久性など
が長期にわたって正常に保たれるデファレンシャル装置
の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に配置された一対の出力
側サイドギヤと、これらのサイドギヤと各別に噛み合う
第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少な
くとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され各
ギヤを内包するポケット部と、このポケット部の一部を
なし各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔
と、ポケット部に封入され各ギヤ噛み合い部のポンプ作
用によってポケット部内を循環するオイルと、ポケット
部に配置されオイル中の磁性粉を吸着して除去する磁石
とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2のデファレンシャル装置は、ポケ
ット部の一部に、その内部をオイルが移動する空間が形
成され、磁石がこの空間に配置された請求項1のデファ
レンシャル装置である。
【0013】請求項3のデファレンシャル装置は、ポケ
ット部にアキュムレータが配置されると共に、アキュム
レータの作動に伴ってオイルが磁石の方向に送られる請
求項2のデファレンシャル装置である。
【0014】請求項4のデファレンシャル装置は、アキ
ュムレータが、デフケースに設けられたシリンダ部と、
シリンダ部に係合したピストンと、ピストンを押圧しオ
イル圧を蓄えるばねとからなり、このシリンダ部が空間
と連通した請求項3のデファレンシャル装置である。
【0015】
【作用】各請求項のデファレンシャル装置は、サイドギ
ヤとの噛み合い反力によってピニオンギヤと収納孔との
間に生じる摩擦抵抗や、各ギヤがヘリカルギヤ構成の場
合はヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって各ギヤ
が押圧され各ギヤ間であるいはデフケースとの間で生じ
る摩擦抵抗によって、トルク感応型の差動制限機能が得
られる。これに加えて、オイルを循環させるギヤのポン
プ仕事と、オイルの剪断抵抗と、オイルの圧力を受けて
生じる各ギヤ間や各ギヤとデフケースとの摩擦抵抗など
によって、速度感応型の差動制限機能が得られる。
【0016】このように、トルク感応型と速度感応型の
両差動制限機能を備えているから、このデファレンシャ
ル装置を用いた車両は、トルク感応型の差動制限機能に
よりスポーティ走行時の操縦安定性が向上すると共に、
速度感応型の差動制限機能により悪路での走破性が向上
する。
【0017】又、トルク感応型の差動制限機能を有する
デファレンシャル装置のデフケースにオイルを封入する
ことによって速度感応型の差動制限機能を得る構造は簡
単であり、低コストである。
【0018】又、オイルを封入したポケット部に磁石を
配置したから、各摺動部やギヤの噛み合い部などで発生
する鉄粉のような摩耗粉(磁性粉)はオイルの循環に伴
いこの磁石に吸着されて除去され、オイルの汚れが防止
される。オイルの循環はギヤのポンプ作用によって促進
されるから、磁石による摩耗粉の除去は効果的に行われ
る。
【0019】こうして、各摺動部やギヤの噛み合い部な
どでの摩耗粉の噛み込みが防止されるから、差動機能と
両差動制限機能の両方が安定すると共に、各摺動部やギ
ヤの噛み合い部などが循環オイルによって充分に潤滑さ
れ、デファレンシャル装置の耐久性が向上する。
【0020】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、ポケット部に部
分的な空間を形成し、磁石をこの空間内に配置したもの
である。
【0021】デファレンシャル装置が差動回転しないと
き(ギヤがポンプ作用をしないとき)空間はオイル溜り
となる。オイルの粘性により摩耗粉が磁石まで移動して
吸着されるまでにはある程度の時間が必要であるが、オ
イル中の摩耗粉は空間内に溜まっている間に効率よく吸
着されて除去される。又、差動回転が発生しギヤがポン
プ作用を始めるとオイルは循環し空間内のオイルは押し
出されて入れ替わり、空間の中で摩耗粉を除去され浄化
されたオイルは噛み合い部などの潤滑箇所へ押し出され
る。このように、空間を設けたことによって、磁石によ
る摩耗粉の除去効果が顕著に向上する。
【0022】又、空間を設けたことにより磁石に当たる
オイルの流れが緩和されるから、一旦磁石に吸着された
摩耗粉がオイルの強い流れに押されて、再びオイル中に
拡散することが防止される。
【0023】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項2のデファレンシャル装置において、ポケット部にア
キュムレータを配置すると共に、アキュムレータの作動
に伴って磁石の方向にオイルが送られるように構成し
た。
【0024】アキュムレータは、ポンプ作用の開始と停
止及び各ギヤの回転数変化によるオイル圧の変動に伴っ
て、オイル圧が上昇すると圧力を蓄え、オイル圧が降下
すると圧力を放出することにより、ポケット部内のオイ
ル圧変動を小さく抑え、速度感応型差動制限機能を安定
させる。
【0025】又、アキュムレータの動作によって磁石の
方向にオイルが押し出されるから、磁石による摩耗粉の
除去効果が大きく向上する。
【0026】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項3のデファレンシャル装置において、アキュムレータ
を、デフケースに設けられたシリンダ部とシリンダ部に
係合したピストンとピストンを押圧しオイル圧を蓄える
ばねとで構成すると共に、シリンダ部を空間と連通させ
たものである。
【0027】このアキュムレータは、オイル圧が上昇す
るとピストンが移動しばねが撓んで圧力を蓄え、オイル
圧が降下するとばねが伸びて圧力を放出し、オイル圧を
均等化して速度感応型差動制限機能を安定させる。又、
ばねが伸びる際ピストンに押されたオイルがシリンダ部
と連通した空間を介して磁石の方向に送られるから、摩
耗粉が効果的に磁石に吸着されて除去される。更に、オ
イルの浄化により摩耗粉の噛み込みが防止されるから、
ピストンの移動が円滑になり、アキュムレータの機能が
正常に保たれる。
【0028】又、シリンダ部を外部と連通する開口にす
れば、アキュムレータを取り外すことによって、デファ
レンシャル装置を分解せずに、磁石の交換やオイルの充
填と交換とを容易に行うことができる。
【0029】
【実施例】図1ないし図3により本発明の一実施例を説
明する。この実施例は請求項4の特徴を備えている。図
1はこの実施例のデファレンシャル装置1を示してい
る。なお、左右の方向は図1での左右の方向であり、符
号を与えていない部材等は図示されていない。
【0030】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケース3はケーシング本体5とカバー7とを、図
2、3のように、4本のボルト9で固定して構成されて
いる。ケーシング本体5とカバー7との間にはOリング
11が配置され、デフケース3を密封構造にしている。
【0031】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケース3の左右のボス部1
3、15はベアリングを介してデフキャリヤに支承され
ている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられてお
り、デファレンシャル装置1は、静止状態では下部がこ
のオイル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りか
らオイルを撥ね上げる。
【0032】デファレンシャル装置1は、それぞれがヘ
リカルギヤで構成された左右のサイドギヤ17、19
(出力側サイドギヤ)及び、図2、3のように、4対の
長短のピニオンギヤ21、23を備えている。
【0033】デフケース3の内部にはポケット部25が
形成されており、このポケット部25は各ギヤを内包し
ている。又、ポケット部25には高粘度のオイルが封入
されている。
【0034】各サイドギヤ17、19の中空のボス部2
7、29はデフケース3の支承部31、33によって回
転自在に支承されていると共に、互いの間に形成された
支承部35によって各自由端を支承し、センターリング
し合っている。又、サイドギヤ17、19の間にはワッ
シャ37が配置されている。又、各ボス部27、29と
デフケース3との間にはシールリング39、39(断面
がX字状のシール)が配置されていると共に、各ボス部
27、29の対抗端部にはカバー41、41が装着さ
れ、外部へのオイル洩れを防止している。
【0035】左右の車輪側出力軸はそれぞれデフケース
3のボス部13、15を貫通し、サイドギヤ17、19
のボス部27、29に形成されたスプライン部43、4
5にスプライン連結され、それぞれ止め輪47で固定さ
れている。
【0036】又、デフケース3の各ボス部13、15内
周には螺旋状のオイル溝49、51とオイル流路53、
55とが形成されている。デフケース3が回転すると、
これらのオイル溝49、51とオイル流路53、55と
からオイル溜りのオイルが流出入し、ボス部27、29
のスプライン部43、45やシールリング39、39の
外側の支承部31、33などを潤滑する。
【0037】デフケース3にはポケット部25の一部を
なす長短の収納孔57、59が、図2、3のように、周
方向に4組形成されている。長短のピニオンギヤ21、
23はこれらの収納孔57、59にそれぞれ摺動回転自
在に収納されている。
【0038】長いピニオンギヤ21は、第1と第2のギ
ヤ部61、63とこれらを連結する小径の軸部65とか
らなり、第1ギヤ部61は右のサイドギヤ19と噛み合
っている。又、短いピニオンギヤ23は、第1のギヤ部
と第2のギヤ部からなり、第1ギヤ部は左のサイドギヤ
17と噛み合い、第2ギヤ部はピニオンギヤ21の第2
ギヤ部63と噛み合っている。このように、各サイドギ
ヤ17、19はピニオンギヤ21、23との噛み合いに
よって径方向外側から支持されている。又、ピニオンギ
ヤ21の軸部65はワッシャ37の孔67を貫通し、ワ
ッシャ37の回り止めをしている。
【0039】図1のように、ポケット部25には円筒形
の空間69とオイル流路71、73とが形成されてい
る。図2、3のように、これらは等間隔に2箇所に配置
されている。これら空間69の左端部には磁石75が固
定されている。又、デフケース3には各空間69の軸方
向右方に2対のアキュムレータ77、77が組付けられ
ている。
【0040】各アキュムレータ77は、デフケース3に
形成されたシリンダ部79と、Oリング81を介してシ
リンダ部79に係合するピストン83と、デフケース3
に螺合したボルト85と、ピストン83とボルト85と
の間に配置されピストン83を押圧するコイルばね87
(ばね)とから構成されている。シリンダ部79は空間
69と連通しており、コイルばね87はピストン83を
介して空間69のオイル圧を受け、オイル圧の大きさに
応じて撓み量が変化する。又、ボルト85はコイルばね
87の撓み量とピストン83の押圧力とを調整する。
【0041】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンギヤ21、23からサイドギヤ17、1
9を介して左右の出力軸側に分配される。又、例えば悪
路走行中に、出力軸間に駆動抵抗差が生じると各ピニオ
ンギヤ21、23の自転によってエンジンの駆動力は左
右各側に差動分配される。
【0042】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ21、2
3の歯先はサイドギヤ19、17との噛み合い反力によ
り収納孔57、59の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
ってピニオンギヤ21、23とサイドギヤ17、19の
各端面とデフケース3との間で摩擦抵抗が発生し、ワッ
シャ37を介してサイドギヤ17、19とデフケース3
との間で摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によっ
てトルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0043】又、差動回転が生じると、各ギヤの噛み合
い部のポンプ作用によってオイルが加圧され、ポケット
部25の内部を循環する。このとき、各ギヤはポンプ仕
事に伴いオイルの剪断抵抗を受けて制動され、差動が制
限される。これに加えて、各ギヤとワッシャ37にはオ
イルからの反力が掛かり、各ギヤとデフケース3との間
あるいは各ギヤの間で摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗に
よって差動が制限される。これらのポンプ仕事及びオイ
ルからの反力はギヤの差動回転速度に応じて増減するか
ら、この差動制限機能は速度感応型である。
【0044】各アキュムレータ77は、上記のように、
オイル圧が上昇したときはピストン83が右方に移動し
コイルばね87が撓んで蓄圧し、オイル圧が下降したと
きはコイルばね87が伸びてピストン83を左方へ押し
戻し圧力を吐き出す。こうして、オイル圧を均等化し、
速度感応型の差動制限機能を安定させる。
【0045】又、各アキュムレータ77のボルト85を
回転操作すると、コイルばね87の撓み量とピストン8
3の押圧力とが変化し、アキュムレータ77の蓄圧量と
吐き出し圧力とを調整することができる。
【0046】各ギヤがポンプ作用を行うと、ヘリカルギ
ヤの噛み合いの移動方向とその反対方向にそれぞれ正圧
と負圧とが生じるが、ワッシャ37はこれらの正圧と負
圧とを分断することにより、これらが互いに干渉し相殺
されるのを防止し、速度感応型の差動制限機能を更に安
定させる。
【0047】こうして、速度感応型差動制限力の低下と
変動とが防止され、大きな速度感応型差動制限機能が安
定して得られる。
【0048】オイル中には各ギヤの噛み合い部や摺動部
などから発生する鉄粉のような摩耗粉が拡散している
が、オイルがポケット部25の内部を循環し、空間69
を通過する際に摩耗粉は磁石75に吸着されて除去され
る。又、上記のように、空間69がアキュムレータ77
のシリンダ部79と連通し、磁石75が空間69を介し
てピストン83の軸方向に対抗して配置されている。従
って、アキュムレータ77が作動するとピストン83に
よって磁石75の方向にオイルが押し出され、オイル中
の摩耗粉が効率よく磁石75に吸着され除去される。
【0049】ポンプ作用が行われていない間、空間69
はオイル溜りとなり、オイルは空間69に溜まってい
る。この間に摩耗粉は磁力を受けてオイル中を移動し磁
石75に吸着される。こうして、オイルが高粘度であっ
てもオイル中の摩耗粉は効果的に除去され、浄化され
る。
【0050】ポンプ作用が始まると、空間69の中で浄
化されたオイルは各潤滑箇所へ移動し、空間69には潤
滑箇所からのオイルが流入してくる。このとき、空間6
9によってオイルの流速が適度に緩和されるから、一旦
磁石75に吸着された摩耗粉が流速の速いオイルに押さ
れて再び流れだすことが防止され、オイルの汚れが防止
される。
【0051】又、ポケット部25を循環する浄化された
オイルによって、各ギヤの噛み合い部、各ギヤ間及び各
ギヤとデフケース3との摺動部、収納孔57、59など
が充分に潤滑される。
【0052】こうして、オイルの浄化と各部の充分な潤
滑により、デファレンシャル装置1の差動機能とトルク
感応型及び速度感応型の両差動制限機能とが長期にわた
って正常に保たれると共に、耐久性が大幅に向上する。
【0053】又、オイルの浄化によって、各アキュムレ
ータ77のシリンダ部79とピストン83の間での摩耗
粉の噛み込みが防止されるから、アキュムレータ77の
動作が長期にわたって正常に保たれる。
【0054】更に、アキュムレータ77のシリンダ部7
9が外部に開口していると共に、アキュムレータ77の
軸方向奥部に磁石75を配置したから、アキュムレータ
77を取り外すことによって、デファレンシャル装置1
を分解せずに、吸着した摩耗粉と一緒に磁石75を取り
出して、新しいものと交換するか、あるいは、摩耗粉を
拭き取って再び装着することができる。又、シリンダ部
79からポケット部25にオイルを充填することも、オ
イルを交換することもできる。
【0055】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0056】上記のように、トルク感応型の差動制限機
能を持ったデファレンシャル装置のデフケースにオイル
を封入しただけで速度感応型の差動制限機能を得ている
デファレンシャル装置1は、構造が簡単で低コストであ
る。
【0057】又、トルク感応型と速度感応型の両方の差
動制限機能を備えたこのデファレンシャル装置1を用い
た車両は、スポーティ走行中はトルク感応型差動制限機
能によって優れた操縦安定性が得られ、片輪がスリップ
するような悪路などでは、安定した大きな速度感応型差
動制限機能によって走破性が高く保たれる。
【0058】なお、上記実施例は、ばね式のアキュムレ
ータを用いた例であるが、アキュムレータはガス圧でピ
ストンを押すように構成した気体圧式のものでもよい。
又、アキュムレータはサイドギヤの間に配置してもよ
い。
【0059】本発明において、ピニオンギヤとサイドギ
ヤはヘリカルギヤでなくスパーギヤで構成してもよい。
【0060】又、この発明のデファレンシャル装置は、
フロントデフ(前輪側の車軸デフ)や、リヤデフ(後輪
側の車軸デフ)や、センターデフ(前輪と後輪とにエン
ジンの駆動力を分配するデファレンシャル装置)のいず
れにも用いられる。
【0061】
【発明の効果】各請求項のデファレンシャル装置は、噛
み合い反力あるいは噛み合いスラスト力によって各ギヤ
間やギヤとデフケースとの間で生じる摩擦抵抗によって
トルク感応型の差動制限機能が得られると共に、ポケッ
ト部に封入されたオイルを循環させるギヤのポンプ仕事
と、オイルの剪断抵抗と、各ギヤがオイルからの反力を
受けて生じる摩擦抵抗などによって、速度感応型の差動
制限機能が得られる。
【0062】このように、トルク感応型と速度感応型の
両差動制限機能を備えた本発明のデファレンシャル装置
を用いた車両は、トルク感応型の差動制限機能によりス
ポーティ走行時の操縦安定性が向上し、速度感応型の差
動制限機能により悪路での走破性が向上する。又、トル
ク感応型の差動制限機能を有するデファレンシャル装置
のデフケースにオイルを封入するだけで速度感応型の差
動制限機能を得る構造は簡単であり、低コストである。
【0063】又、内部で発生する鉄粉などの摩耗粉はポ
ケット部に配置された磁石に吸着されオイルから除去さ
れると共に、摩耗粉の除去はギヤのポンプ作用によって
オイルの循環が促進されるから効果的に行われる。
【0064】このようなオイルの浄化によって、各摺動
部やギヤの噛み合い部などでの摩耗粉の噛み込みが防止
されるから差動機能と両差動制限機能とが安定すると共
に、各潤滑部が循環オイルによって充分に潤滑されるか
らデファレンシャル装置の耐久性が大幅に向上する。
【0065】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、ポケット部にオ
イルが移動する空間を形成し、磁石をこの空間に配置し
たことにより、オイルが空間の内部に溜っている間に摩
耗粉は効率よく吸着されて除去される。又、空間によっ
てオイルの流れが緩和され、摩耗粉が磁石から再びオイ
ル中に拡散することが防止される。このように、空間を
設けたことにより、磁石による摩耗粉の除去効果が顕著
に向上する。
【0066】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項2のデファレンシャル装置において、ポケット部の中
にアキュムレータを配置すると共に、アキュムレータの
作動に伴って磁石の方向にオイルが送られるように構成
したことにより、アキュムレータによってオイル圧の変
動が小さく抑えられ速度感応型差動制限機能が安定する
と共に、アキュムレータの動作によって磁石の方向にオ
イルが押し出され、摩耗粉の除去効果が大きく向上す
る。
【0067】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項3のデファレンシャル装置において、デフケースのシ
リンダ部に係合したピストンをばねで押圧してオイル圧
を蓄えるようにアキュムレータを構成すると共に、この
シリンダ部を空間と連通させたことにより、請求項3の
デファレンシャル装置と同様に、速度感応型差動制限機
能が安定し、ばねが伸びる際ピストンに押されたオイル
が磁石の方向に送られるから、摩耗粉が効果的に除去さ
れ、更に、摩耗粉の除去によってピストンの移動が円滑
になり、アキュムレータの機能が正常に保たれる。
【0068】又、シリンダ部を外部と連通させれば、ア
キュムレータを取り外すことにより、デファレンシャル
装置を分解せずに磁石やオイルを容易に交換することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図であり、図3の
AーA断面図に相当する。
【図2】図1のBーB断面図である。
【図3】図1のC矢視図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 17、19 出力側サイドギヤ 21、23 ピニオンギヤ 25 ポケット部 57、59 収納孔 69 空間 75 磁石 77 アキュムレータ 79 シリンダ部 83 ピストン 87 コイルばね(ばね)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの内部に配置された一対の出
    力側サイドギヤと、これらのサイドギヤと各別に噛み合
    う第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少
    なくとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され
    各ギヤを内包するポケット部と、このポケット部の一部
    をなし各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔
    と、ポケット部に封入され各ギヤ噛み合い部のポンプ作
    用によってポケット部内を循環するオイルと、ポケット
    部に配置されオイル中の磁性粉を吸着して除去する磁石
    とを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 ポケット部の一部に、その内部をオイル
    が移動する空間が形成され、磁石がこの空間に配置され
    た請求項1のデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 ポケット部にアキュムレータが配置され
    ると共に、アキュムレータの作動に伴ってオイルが磁石
    の方向に送られる請求項2のデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 アキュムレータが、デフケースに設けら
    れたシリンダ部と、シリンダ部に係合したピストンと、
    ピストンを押圧しオイル圧を蓄えるばねとからなり、こ
    のシリンダ部が空間と連通した請求項3のデファレンシ
    ャル装置。
JP7123325A 1995-05-23 1995-05-23 デファレンシャル装置 Pending JPH08312754A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7123325A JPH08312754A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 デファレンシャル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7123325A JPH08312754A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 デファレンシャル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08312754A true JPH08312754A (ja) 1996-11-26

Family

ID=14857770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7123325A Pending JPH08312754A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 デファレンシャル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08312754A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336850A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 シール構造
WO2015067264A1 (de) * 2013-11-07 2015-05-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Getriebevorrichtung
CN107850203A (zh) * 2015-07-31 2018-03-27 爱信艾达株式会社 动力传递装置
JP2019163794A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 いすゞ自動車株式会社 検出装置
CN116753297A (zh) * 2023-08-15 2023-09-15 黑龙江勃锦悍马农业装备制造有限公司 一种主动式破茬免耕播种机变速箱
DE102016216270B4 (de) 2015-09-04 2023-10-12 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verteilergetriebe mit einer Dichtung an dem Abtriebsrad und elektrische Antriebseinheit mit einem Verteilergetriebe

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336850A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 シール構造
WO2015067264A1 (de) * 2013-11-07 2015-05-14 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Getriebevorrichtung
CN107850203A (zh) * 2015-07-31 2018-03-27 爱信艾达株式会社 动力传递装置
CN107850203B (zh) * 2015-07-31 2020-05-12 爱信艾达株式会社 动力传递装置
DE102016216270B4 (de) 2015-09-04 2023-10-12 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Verteilergetriebe mit einer Dichtung an dem Abtriebsrad und elektrische Antriebseinheit mit einem Verteilergetriebe
JP2019163794A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 いすゞ自動車株式会社 検出装置
CN116753297A (zh) * 2023-08-15 2023-09-15 黑龙江勃锦悍马农业装备制造有限公司 一种主动式破茬免耕播种机变速箱
CN116753297B (zh) * 2023-08-15 2023-10-13 黑龙江勃锦悍马农业装备制造有限公司 一种主动式破茬免耕播种机变速箱

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012160887A1 (ja) 電気自動車用減速差動装置
JPH08312754A (ja) デファレンシャル装置
JPH0979350A (ja) デファレンシャル装置
JP4228869B2 (ja) 車両用差動歯車装置
JP5072672B2 (ja) 遊星歯車装置の潤滑構造
JPH08320057A (ja) デファレンシャル装置
JP4024897B2 (ja) デファレンシャル装置
JP2006242377A (ja) デファレンシャル装置
JP2018031447A (ja) 動力伝達装置
JP3217622B2 (ja) デファレンシャル装置
JP3219979B2 (ja) ディファレンシャル装置
JPH0996350A (ja) デファレンシャル装置
JPH08247257A (ja) デファレンシャル装置
JP3547815B2 (ja) デファレンシャル装置
JPH0289845A (ja) 差動制限機構付き差動装置
JP2002070996A (ja) 摩耗粉捕集構造及び捕集具の組み付け構造
JPH08338509A (ja) デファレンシャル装置
JP2012189202A (ja) 遊星歯車装置
JP2012042006A (ja) 電気自動車用減速差動装置
JPH08285043A (ja) デファレンシャル装置
JPH0893882A (ja) デファレンシャル装置
JP3662624B2 (ja) 差動制限装置のギヤ諸元設定方法
JPH11218211A (ja) デファレンシャル装置
JPH0942415A (ja) 動力伝達装置
JPH07332465A (ja) デファレンシャル装置