JPH08285043A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH08285043A
JPH08285043A JP8379295A JP8379295A JPH08285043A JP H08285043 A JPH08285043 A JP H08285043A JP 8379295 A JP8379295 A JP 8379295A JP 8379295 A JP8379295 A JP 8379295A JP H08285043 A JPH08285043 A JP H08285043A
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JP
Japan
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gear
clearance
differential
differential case
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Application number
JP8379295A
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English (en)
Inventor
Kazumitsu Ugajin
和光 宇賀神
Yoshinori Fukuda
義則 福田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドギヤの倒れと、この倒れによるピニオ
ンギヤへの悪影響及び噛み合い不良、かじり、焼き付
き、磨耗などを防止する。 【構成】 デフケース3と、出力軸13、15と各別に
連結された出力側サイドギヤ9、11と、ギヤ9、11
を連結するピニオンギヤ49、51と、ギヤ49、51
を収納する収納孔45、47とを備え、ギヤ9、11の
対向端部がセンターリング部材33との支持部35、3
7を介して支持し合い、ギヤ9、11の軸方向外側端部
が出力軸13、15とケース3との支持部21、23で
ケース3に支持され、支持部21、23、35、37の
クリアランスをAとし、ギヤ49、51と収納孔45、
47とのクリアランスをBとしたとき、A≦Bとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−207646号公報に図3の
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
このデファレンシャル装置201は、デフケース203
と、同軸配置された出力側のヘリカルサイドギヤ20
5、207と、これらの径方向外側に互いに軸方向反対
向きに平行配置されたヘリカルピニオンギヤ209、2
09とを備えている。
【0003】サイドギヤ205、207はそれぞれ出力
軸211、213と連結されており、ピニオンギヤ20
9、209は互いに噛み合うと共にサイドギヤ205、
207と各別に噛み合ってこれらを連結している。又、
ピニオンギヤ209、209はデフケース203の収納
孔215、215にそれぞれ収納され、外周を摺動回転
自在に支持されている。各サイドギヤ205、207の
軸方向外側端部は出力軸211、213とデフケース2
03との間に形成された支持部217、219を介して
それぞれデフケース203に支持され、対向端部は互い
の間に形成された支持部221で互いにセンターリング
しながら支持し合っている。
【0004】エンジンの駆動力はデフケース203を回
転させ、ピニオンギヤ209、209からサイドギヤ2
05、207を介して車輪側に伝達される。トルクを伝
達している間、ピニオンギヤ209、209はサイドギ
ヤ205、207との噛み合い反力により歯先を収納孔
215、215の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が生じ
ると共に、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によっ
て、サイドギヤ205、207の間で、あるいは、各ギ
ヤとデフケース203との間で摩擦抵抗が生じ、これら
の摩擦抵抗によりトルク感応型の差動制限機能を得てい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サイドギヤ2
05、207の各支持部217、219、221は、サ
イドギヤ205、207の倒れ、この倒れによるピニオ
ンギヤ209、209との噛み合い不良、ピニオンギヤ
209、209の倒れなどを配慮して管理されてはいな
い。
【0006】サイドギヤ205はピニオンギヤ209、
209から噛み合い反力を受けるから、各支持部21
7、219、221のクリアランス管理を行わないと大
きな倒れ(回転中心軸に対する傾斜)が生じることにな
る。ピニオンギヤ209、209に倒れが生じると、ピ
ニオンギヤ209、209との噛み合い不良が発生し、
デファレンシャル装置201の差動機能と差動制限機能
の両方が阻害されると共に、支持部217、219、2
21の摺動不良によってかじりや磨耗などが発生し、耐
久性が低下する。
【0007】更に、倒れたサイドギヤ205、207に
押されて、ピニオンギヤ209、209にも倒れが生
じ、収納孔215、215との摺動不良によってかじ
り、焼き付き、磨耗などが発生すると共に、サイドギヤ
205、207とピニオンギヤ209、209との噛み
合い部に大きな力が働いてピッチング(強い押圧力を受
けて金属の薄片が剥脱する現象)が生じる。
【0008】なお、サイドギヤ205、207の間にス
ラストワッシャを配置した場合の焼き付きと、ピニオン
ギヤ209、209と収納孔215、215とのかじり
などが試験品で確認されている。
【0009】そこで、この発明は、収納孔の内部で外周
を摺動回転自在に支持されたピニオンギヤを介してサイ
ドギヤを連結するように構成したデファレンシャル装置
であって、サイドギヤの倒れと、この倒れによるピニオ
ンギヤへの悪影響及び噛み合い不良、かじり、焼き付
き、磨耗などを防止したデファレンシャル装置の提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に相対回転自在に配置さ
れた一対の出力側サイドギヤと、デフケースに貫入しサ
イドギヤと各別に連結された一対の出力軸と、サイドギ
ヤの径方向外側に平行配置されこれらのサイドギヤと各
別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み合う第2ギヤ部と
を有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケース
に形成されピニオンギヤの外周を摺動回転自在に支持す
る収納孔とを備え、各サイドギヤの対向端部が互いの間
に形成されたセンターリング支持部で直接に、又はセン
ターリング部材との間に形成されたセンターリング支持
部を介して間接に、センターリングしながら支持し合う
と共に、各サイドギヤの軸方向外側端部がデフケースと
の間に形成されたセンターリング支持部で直接に、又は
各出力軸とデフケースとの間に形成されたセンターリン
グ支持部を介して間接に、センターリングされながらデ
フケースに支持されており、これらサイドギヤの各セン
ターリング支持部のクリアランスをAとし、各ピニオン
ギヤと収納孔とのクリアランスをBとしたとき、A≦B
であることを特徴とする。
【0011】請求項2のデファレンシャル装置は、サイ
ドギヤの各センターリング支持部のクリアランスAを
0.2mm以下にした請求項1のデファレンシャル装置
である。
【0012】
【作用】請求項1のデファレンシャル装置は、両方のサ
イドギヤが各対向端部を互いの間の支持部で直接、又は
センターリング部材との間の支持部を介して間接に、セ
ンターリングしながら支持し合い、各軸方向外側端部が
デフケースとの間の支持部で直接、又は各出力軸とデフ
ケースとの間の支持部を介して間接に、センターリング
されながらデフケースに支持されるように構成すると共
に、サイドギヤの各センターリング支持部のクリアラン
スをAとし、各ピニオンギヤと収納孔とのクリアランス
をBとしたとき、A≦Bにしたものであり、こうして、
各サイドギヤのセンターリング支持部のクリアランスA
を、各ピニオンギヤと収納孔とのクリアランスBを超え
ない範囲内に限定した。
【0013】このように、各サイドギヤのクリアランス
Aを制限し、倒れ角を小さい範囲に抑えたことにより、
ピニオンギヤとの噛み合い不良が防止され、デファレン
シャル装置の差動機能と差動制限機能とがそれぞれ正常
に機能すると共に、サイドギヤの各センターリング支持
部の摺動不良、かじり、焼き付き、磨耗などが防止さ
れ、耐久性が向上する。
【0014】又、サイドギヤがクリアランスAの範囲内
で最も大きく倒れた場合でも、上記のようにクリアラン
スAはクリアランスBを超えないから、各ピニオンギヤ
は収納孔に強く押し付けられることがなく、収納孔との
摺動不良と、摺動不良による焼き付き、磨耗などが防止
される。又、ピニオンギヤとサイドギヤの噛み合い部の
ピッチングも防止される。
【0015】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、サイドギヤの各
センターリング支持部のクリアランスAを0.2mm以
下に設定したものである。
【0016】各ピニオンギヤと収納孔とのクリアランス
Bを狭くすると、収納孔によるピニオンギヤの支持状態
が向上して倒れが防止されるが、収納孔に潤滑油が入り
にくくなって潤滑不良になる。しかし、クリアランスB
を広くすると、収納孔の潤滑不足は避けられるが、ピニ
オンギヤの倒れが大きくなり、上記のように、収納孔と
の摺動不良、焼き付き、磨耗、ピニオンギヤとサイドギ
ヤのピッチングなどが発生する。
【0017】本出願人は、このように両立が困難なピニ
オンギヤの倒れ防止と潤滑性の向上とを両立させるため
に、ピニオンギヤと収納孔との適正クリアランス範囲を
特定して、先に提案した。
【0018】0.2mm以下の限定範囲はこの適正クリ
アランス範囲の中から選ばれたものである。上記のよう
にA≦Bであり、ピニオンギヤ側のクリアランスBがサ
イドギヤ側のクリアランスAより小さくなることはない
から、クリアランスAを0.2mm以下に設定すること
により、クリアランスAがこの範囲内で最も大きい値を
とり、クリアランスBが最も小さい値をとった場合で
も、クリアランスBは0.2mmを超えることはなく、
前記の適正クリアランス範囲を逸脱しない。
【0019】こうして、サイドギヤの倒れを防止しなが
ら、ピニオンギヤの倒れ防止と潤滑性の向上とを両立さ
せることが可能であり、ピニオンギヤの歯先と収納孔の
壁面との摺動が極めて安定し、差動機能と差動制限機能
とが正常に保たれ、耐久性が大幅に向上する。
【0020】
【実施例】図1により本発明の第1実施例を説明する。
なお、左右の方向は図1での左右の方向であり、符号を
与えていない部材等は図示されていない。
【0021】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケース3はケーシング本体5とカバー7とから構成
されており、これらはボルトで固定されている。デファ
レンシャル装置1はデフキャリヤの内部に配置され、ベ
アリングを介して回転自在に支承されている。デフキャ
リヤにはオイル溜りが設けられており、デファレンシャ
ル装置1は、静止状態では下部がこのオイル溜りに浸漬
されており、回転するとオイル溜りからオイルを撥ね上
げる。
【0022】デフケース3の内部には、それぞれヘリカ
ルギヤで構成された左右のサイドギヤ9、11(出力側
サイドギヤ)が配置されている。
【0023】左右の出力軸13、15はそれぞれデフケ
ース3のボス部17、19を貫通し、ボス部17、19
との間に形成されたセンターリング支持部21、23に
よって回転自在に支持され、センターリングされてい
る。各サイドギヤ9、11は中空のボス部25、27で
これらの出力軸13、15にそれぞれガタがなくスプラ
イン連結されることにより、出力軸13、15とセンタ
ーリング支持部21、23とを介して、軸方向外側端部
がデフケース3に支持され、センターリングされてい
る。
【0024】又、ボス部25、27の内側には大径部2
9、31が形成されており、これらの内周に跨がってス
ラストブロック33(センターリング部材)が配置され
ている。出力軸13、15はスラストブロック33を介
して互いに付き当てられる。スラストブロック33と大
径部29、31との間にはセンターリング支持部35、
37が形成されており、各サイドギヤ9、11は、これ
らのセンターリング支持部35、37を介して対向端部
を互いに支持し合い、センターリングし合っている。
【0025】サイドギヤ9、11とデフケース3との間
にはスラストワッシャ39、41がそれぞれ配置されて
おり、サイドギヤ9、11の間(スラストブロック33
の外周側)にはスラストワッシャ43が配置されてい
る。
【0026】デフケース3には長短の収納孔45、47
が周方向に複数組形成されている。これらの収納孔4
5、47にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短の
ピニオンギヤ49、51が収納され、外周を摺動回転自
在に支持されている。
【0027】長いピニオンギヤ49は、第1と第2のギ
ヤ部53、55とこれらを連結する小径の軸部57とか
らなり、第1ギヤ部53は右のサイドギヤ11と噛み合
っている。又、短いピニオンギヤ51は、互いの間に軸
部を持たない第1と第2のギヤ部59、61からなり、
第1ギヤ部59は左のサイドギヤ9と噛み合い、第2ギ
ヤ部61はピニオンギヤ49の第2ギヤ部55と噛み合
っている。
【0028】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力はピニオンギヤ49、51からサイドギヤ9、11を
介して左右の出力軸13、15側に分配される。又、例
えば悪路走行中に、出力軸13、15間に駆動抵抗差が
生じると各ピニオンギヤ49、51の自転によりエンジ
ンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0029】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ49、5
1の歯先はサイドギヤ9、11との噛み合い反力により
収納孔45、47の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が発
生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によっ
て各ピニオンギヤ49、51の端面とデフケース3との
間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ39、41を
介してサイドギヤ9、11とデフケース3との間で、又
スラストワッシャ43を介してサイドギヤ9、11の間
で摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗により、トル
ク感応型の差動制限機能が得られる。
【0030】デフケース3には開口63、65が設けら
れており、ボス部17、19の内周には螺旋状のオイル
溝67、69が設けられている。デフケース3には、デ
ファレンシャル装置1の回転時と静止時とに係わらず、
これらの開口63、65とオイル溝67、69とからオ
イル溜りのオイルが流出入し、収納孔45、47、各ギ
ヤの噛み合い部、センターリング支持部21、23、3
5、37などを潤滑する。
【0031】これらのセンターリング支持部21、2
3、35、37のクリアランスAは各ピニオンギヤ4
9、51と収納孔45、47のクリアランスBを超えな
い範囲(A≦B)に設定されている。又、各サイドギヤ
9、11のボス部25、27とデフケース3との間は支
承部71、73になっており、これらのクリアランスは
クリアランスAより大きく設定されている。
【0032】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0033】デファレンシャル装置1は、上記のよう
に、センターリング支持部21、23、35、37のク
リアランスAを制限し、各サイドギヤ9、11の倒れ角
を小さい範囲に抑えたから、ピニオンギヤ49、51と
の噛み合い不良が防止され、デファレンシャル装置1の
差動機能と差動制限機能とが正常に機能すると共に、各
センターリング支持部21、23、35、37での摺動
不良、かじり、焼き付き、磨耗などが防止され、耐久性
が向上する。
【0034】又、サイドギヤ9、11がクリアランスA
の範囲内で最も大きく倒れた場合でも、クリアランスA
はクリアランスBを超えないから、各ピニオンギヤ4
9、51は収納孔45、47に強く押し付けられること
がなく、従って、収納孔45、47との摺動不良、焼き
付き、磨耗などが防止され、更に、ピニオンギヤ49、
51とサイドギヤ9、11との噛み合い不良によるピッ
チングも防止される。
【0035】又、デファレンシャル装置1では、センタ
ーリング支持部21、23がデフケース3のボス部1
7、19に形成されているから、オイルが供給され易く
潤滑性に優れていると共に、センターリング支持部3
5、37の軸方向長さ(ボス部17、19の軸方向長
さ)が長いから、サイドギヤ9、11がそれだけ確実に
支持されている。
【0036】次に、図2により本発明の第2実施例を説
明する。なお、以下の説明において、第2実施例の部材
等と同機能の部材等には同一の符号を与えて引用すると
共に、これら同機能部材の説明は省く。又、符号を与え
ていない部材等は図示されていない。
【0037】図2のように、デファレンシャル装置75
のデフケース77はケーシング本体79とカバー81と
から構成されており、これらはボルトで固定されてい
る。デファレンシャル装置75はオイル溜りが設けられ
たデフキャリヤの内部に回転自在に配置されており、静
止状態では下部がこのオイル溜りに浸漬されており、回
転するとオイル溜りからオイルを撥ね上げる。
【0038】デフケース77の内部には、それぞれヘリ
カルギヤで構成された左右のサイドギヤ83、85(出
力側サイドギヤ)が配置されている。
【0039】各サイドギヤ83、85は中空のボス部8
7、89とデフケース77との間に形成されたセンター
リング支持部91、93によって、各軸方向外側端部が
デフケース77に直接回転自在に支持され、センターリ
ングされている。左右の出力軸13、15はそれぞれデ
フケース77のボス部95、97を貫通し、サイドギヤ
9、11のボス部87、89にそれぞれスプライン連結
されている。
【0040】又、ボス部87、89の間にはセンターリ
ング支持部99が形成されており、各サイドギヤ83、
85はこのセンターリング支持部99を介して各対向端
部を互いに直接支持し合い、センターリングし合ってい
る。
【0041】サイドギヤ83、85とデフケース77と
の間にはスラストワッシャ39、41がそれぞれ配置さ
れており、サイドギヤ83、85の間にはスラストワッ
シャ43が配置されている。
【0042】デフケース77には長短の収納孔101、
103が周方向に複数組形成されており、これらにはそ
れぞれ長短のピニオンギヤ49、51が摺動回転自在に
収納されている。長いピニオンギヤ49の第1ギヤ部5
3は右のサイドギヤ85と噛み合っており、短いピニオ
ンギヤ51の第1ギヤ部59は左のサイドギヤ83と噛
み合っている。
【0043】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力はピニオンギヤ49、51からサイドギヤ83、85
を介して左右の出力軸13、15側に分配され、出力軸
13、15間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ4
9、51の自転によりエンジンの駆動力は左右各側に差
動分配される。
【0044】トルクの伝達中、第1実施例と同様に、噛
み合い反力とヘリカルギヤの噛み合いスラスト力とによ
って各ギヤとデフケース77との間で摩擦抵抗が発生
し、トルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0045】デフケース77には開口105、107が
設けられており、ボス部95、97の内周には螺旋状の
オイル溝109、111が設けられている。デフケース
77には、デファレンシャル装置75の回転時と静止時
とに係わらず、これらの開口105、107とオイル溝
109、111とからオイル溜りのオイルが流出入し、
収納孔45、47、各ギヤの噛み合い部、センターリン
グ支持部91、93、99などを潤滑する。
【0046】これらのセンターリング支持部91、9
3、99のクリアランスAは各ピニオンギヤ49、51
と収納孔101、103のクリアランスBを超えない範
囲(A≦B)に設定されている。又、クリアランスAは
0.2mm以下に設定されている。
【0047】こうして、デファレンシャル装置75が構
成されている。
【0048】デファレンシャル装置75は、上記のよう
に、クリアランスAを制限して各サイドギヤ83、85
の倒れ角を小さい範囲に抑えたから、ピニオンギヤ4
9、51との噛み合い不良が防止され、デファレンシャ
ル装置75の差動機能と差動制限機能とが正常に機能す
ると共に、各センターリング支持部91、93、99で
の摺動不良、かじり、焼き付き、磨耗などが防止され、
耐久性が向上する。
【0049】又、サイドギヤ83、85がクリアランス
Aの範囲内で最も大きく倒れた場合でも、クリアランス
AはクリアランスBを超えないから、各ピニオンギヤ4
9、51が収納孔101、103に強く押し付けられる
ことがなく、従って、収納孔101、103との摺動不
良、焼き付き、磨耗などが防止される。又、ピニオンギ
ヤ49、51とサイドギヤ83、85との噛み合い部の
ピッチングも防止される。
【0050】又、センターリング支持部91、93、9
9のクリアランスAは、上記のように0.2mm以下に
設定されている。
【0051】ピニオンギヤ49、51の倒れ防止と潤滑
性の向上とを両立させる目的でピニオンギヤ49、51
と収納孔101、103とのクリアランスBには、前述
のように適正範囲が特定されている。
【0052】クリアランスAの限定範囲0.2mm以下
はこのクリアランスBの適正クリアランス範囲の中から
選ばれたものである。上記のようにA≦Bであるから、
ピニオンギヤ49、51側のクリアランスBがサイドギ
ヤ83、85側のクリアランスAより小さくなることは
ない。従って、クリアランスAを0.2mm以下に設定
することにより、クリアランスAがこの範囲内で最も大
きい値をとり、クリアランスBが最も小さい値をとった
場合でも、クリアランスBは0.2mmを超えず、前記
の適正クリアランス範囲を逸脱しない。
【0053】こうして、サイドギヤ83、85の倒れを
防止しながら、ピニオンギヤ49、51の倒れ防止と潤
滑性の向上とを両立させることが可能になり、ピニオン
ギヤ49、51の歯先と収納孔101、103の壁面と
の摺動が極めて安定し、デファレンシャル装置75の差
動機能と差動制限機能とが正常に保たれ、耐久性が大幅
に向上する。
【0054】又、デファレンシャル装置75では、セン
ターリング支持部91、93がデフケース77との間で
直接形成されているから、クリアランスAの精度を高く
出し易い。又、センターリング支持部99もサイドギヤ
83、85の間で直接形成されているから、クリアラン
スAの精度を高く出し易いと共に、センターリング部材
が不要であり、部品点数がそれだけ少なくてすむ。
【0055】なお、本発明において、サイドギヤの軸方
向外側端部を、第1実施例のように、出力軸を介して間
接にセンターリング支持する構成にし、対向端部側を、
第2実施例のように、サイドギヤ間で直接センターリン
グ支持する構成にしてもよい。又、サイドギヤの軸方向
外側端部を、第2実施例のように、サイドギヤをデフケ
ースで直接センターリング支持する構成にし、対向端部
側を、第1実施例のように、センターリング部材を介し
て間接にセンターリング支持する構成にしてもよい。
【0056】又、本発明において、ピニオンギヤとサイ
ドギヤはヘリカルギヤでなくスパーギヤで構成してもよ
い。
【0057】又、この発明のデファレンシャル装置はリ
ヤデフ(後輪側の車軸デフ)や、フロントデフ(前輪側
の車軸デフ)や、センターデフ(前輪と後輪とに駆動力
を分配するデファレンシャル装置)に用いられる。
【0058】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、両
方のサイドギヤの各対向端部が互いの間の支持部で直
接、又はセンターリング部材との間の支持部を介して間
接に、センターリングしながら支持し合い、各軸方向外
側端部がデフケースとの間の支持部で直接、又は各出力
軸とデフケースとの間の支持部を介して間接に、センタ
ーリングしながらデフケースに支持されるように構成す
ると共に、サイドギヤの各センターリング支持部のクリ
アランスをAとし、各ピニオンギヤと収納孔とのクリア
ランスをBとしたとき、A≦Bにし、各サイドギヤのセ
ンターリング支持部のクリアランスAを、各ピニオンギ
ヤと収納孔とのクリアランスBを超えない範囲内に限定
した。
【0059】このように、クリアランスAの制限し各サ
イドギヤの倒れ角を小さい範囲に抑えたことにより、ピ
ニオンギヤとの噛み合い不良が防止され、デファレンシ
ャル装置の差動機能と差動制限機能とが正常に機能する
と共に、サイドギヤの各センターリング支持部の摺動不
良、かじり、焼き付き、磨耗などが防止され、耐久性が
向上する。
【0060】又、サイドギヤがクリアランスAの範囲内
で最も大きく倒れても、各ピニオンギヤは収納孔に強く
押し付けられることがなく、収納孔との摺動不良、焼き
付き、磨耗などが防止され、ピニオンギヤとサイドギヤ
との噛み合い部のピッチングも防止される。
【0061】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、サイドギヤ側の
クリアランスAを、ピニオンギヤの倒れ防止と潤滑性の
向上とを両立させるクリアランスBの適正範囲の中から
0.2mm以下に設定したことによって、クリアランス
Aがこの範囲内で最も大きい値をとり、クリアランスB
が最も小さい値をとった場合でも、クリアランスBは
0.2mmを超えることはなく、こうして、サイドギヤ
の倒れを防止し上記のような効果を得ながら、ピニオン
ギヤの倒れ防止と潤滑性の向上とを両立させることが可
能になり、ピニオンギヤの歯先と収納孔の壁面との摺動
が極めて安定し、デファレンシャル装置の差動機能と差
動制限機能とが正常に保たれ、耐久性が大幅に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図3】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、75 デファレンシャル装置 3、77 デフケース 9、11、83、85 出力側サイドギヤ 21、23、91、93 センターリング支持部(軸方
向外側端部) 33 スラストブロック(センターリング部材) 35、37、99 センターリング支持部(対向端部) 45、47、101、103 収納孔 49、51 ピニオンギヤ 53、59 第1ギヤ部 55、61 第2ギヤ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの内部に相対回転自在に配置
    された一対の出力側サイドギヤと、デフケースに貫入し
    サイドギヤと各別に連結された一対の出力軸と、サイド
    ギヤの径方向外側に平行配置されこれらのサイドギヤと
    各別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み合う第2ギヤ部
    とを有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケー
    スに形成されピニオンギヤの外周を摺動回転自在に支持
    する収納孔とを備え、各サイドギヤの対向端部が互いの
    間に形成されたセンターリング支持部で直接に、又はセ
    ンターリング部材との間に形成されたセンターリング支
    持部を介して間接に、センターリングしながら支持し合
    うと共に、各サイドギヤの軸方向外側端部がデフケース
    との間に形成されたセンターリング支持部で直接に、又
    は各出力軸とデフケースとの間に形成されたセンターリ
    ング支持部を介して間接に、センターリングされながら
    デフケースに支持されており、これらサイドギヤの各セ
    ンターリング支持部のクリアランスをAとし、各ピニオ
    ンギヤと収納孔とのクリアランスをBとしたとき、A≦
    Bであることを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 サイドギヤの各センターリング支持部の
    クリアランスAが、0.2mm以下である請求項1のデ
    ファレンシャル装置。
JP8379295A 1995-04-10 1995-04-10 デファレンシャル装置 Pending JPH08285043A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004261579A (ja) * 2002-09-17 2004-09-24 Biosense Inc 高勾配型再帰位置決めシステム

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JP2004261579A (ja) * 2002-09-17 2004-09-24 Biosense Inc 高勾配型再帰位置決めシステム

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