JPH08247257A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH08247257A
JPH08247257A JP7260306A JP26030695A JPH08247257A JP H08247257 A JPH08247257 A JP H08247257A JP 7260306 A JP7260306 A JP 7260306A JP 26030695 A JP26030695 A JP 26030695A JP H08247257 A JPH08247257 A JP H08247257A
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JP
Japan
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gear
oil
differential
gears
differential device
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JP7260306A
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Inventor
Hiroya Sekiguchi
博也 関口
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドギヤと相手側部材との摺動面を充分に
潤滑する。 【解決手段】 エンジンによって回転駆動されるデフケ
−ス3と、デフケ−ス3の内部に配置された出力側のヘ
リカルサイドギヤ13、15と、ギヤ13、15を連結
するヘリカルピニオンギヤ43、45からなる差動ギヤ
機構と、ギヤ13、15の軸方向端部及びこれと接触す
る相手側部材27、29との間に設けられた凹部35、
31とを備え、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
ってギヤ13、15と相手側部材27、29とが押圧さ
れると、各凹部35、31が閉塞され遠心力によるオイ
ル洩れのないオイル溜り37、33を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭61−165049号公報に図
6、7のようなデファレンシャル装置201が記載され
ている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、エン
ジンに回転駆動されるデフケ−ス203、デフケ−ス2
03の内部に配置された出力側のヘリカルサイドギヤ2
05、207、各サイドギヤ205、207の間に配置
されたスペ−サ209、互いに噛み合うと共にサイドギ
ヤ205、207と各別に噛み合ったヘリカルピニオン
ギヤ211、213からなる複数組のピニオンギヤ組、
各ピニオンギヤ211、213摺動回転自在に収納する
収納孔215、217などを備えている。
【0004】このように構成されているデファレンシャ
ル装置201は、トルクの伝達中、噛み合い反力によっ
てピニオンギヤ211、213と各収納孔215、21
7との間で摩擦抵抗が発生し、更に、ヘリカルギヤの噛
み合いスラスト力によって、各ピニオンギヤ211、2
13の端面とデフケ−ス203との間で摩擦抵抗が発生
すると共に、サイドギヤ205、207とデフケ−ス2
03との間で、また、スペ−サ209を介してサイドギ
ヤ205、207の間でそれぞれ摩擦抵抗が発生する。
【0005】これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の
差動制限機能を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】デファレンシャル装置
201のようにヘリカルギヤの噛み合いスラスト力を利
用して差動制限力を得る構成では、ヘリカルギヤの捩じ
れ角を大きくすることによって差動制限力が強化される
が、各摺動面の負担はそれだけ大きくなる。
【0007】従って、このような構成では、焼き付き、
かじり、異音、異常摩耗などを防止し、差動制限機能を
安定させるために、各摺動面を充分に潤滑する必要があ
る。
【0008】そこで、デファレンシャル装置201で
は、図7に示すように、各サイドギヤ205、207の
スペ−サ209との対向端面に、潤滑用のオイル溝21
9が設けられている。
【0009】しかし、これらのオイル溝219は、サイ
ドギヤ205、207の縁部221を径方向に抜けてい
る。従って、オイルは遠心力を受けてオイル溝219か
ら外側に散出してしまう。
【0010】噛み合いスラスト力が掛かっていないと
き、サイドギヤ205、207とスペ−サ209との間
にはオイルを保持する僅かな隙間があって潤滑される
が、噛み合いスラスト力によりサイドギヤ205、20
7がスペ−サ209に押しつけられると、この隙間が消
失し、サイドギヤ205、207とスペ−サ209との
摺動面はオイル切れの状態になる。
【0011】この現象は、車両の発進時、加速時、低速
走行時のように大きなトルクが掛かるときに顕著になる
が、上記のように、オイル溝219にはオイルを保持す
る機能がないから、このような場合の潤滑性を改善でき
ない。
【0012】そこで、この発明は、ヘリカルギヤの噛み
合いスラスト力により差動制限力を発生するサイドギヤ
とその相手部材との摺動面を充分に潤滑することができ
るデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケ−スと、デフケ−スの内部で回転自在に支承された
一対の出力側ヘリカルサイドギヤ及びこれらのサイドギ
ヤを連結するピニオンギヤからなる差動ギヤ機構と、サ
イドギヤの軸方向端部及びこれと接触する相手側部材と
の間に設けられた凹部とを備え、ヘリカルギヤの噛み合
いスラスト力によってサイドギヤと相手側部材とが押圧
されると、この凹部は閉塞され遠心力によるオイル洩れ
のないオイル溜りを形成することを特徴とする。
【0014】デフケ−スを回転させるエンジンの駆動力
は、ピニオンギヤとサイドギヤから出力軸を介して各車
輪に分配されると共に、悪路などを走行中、車輪間に駆
動抵抗差が生じるとピニオンギヤの自転によってエンジ
ンの駆動力は各車輪側に差動分配される。
【0015】また、トルクの伝達中は、例えば、噛み合
い反力とヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって、
ピニオンギヤとデフケ−スとの間で摩擦抵抗が生じると
共に、ヘリカルギヤの噛み合いスラストによって、サイ
ドギヤの間及びサイドギヤとデフケ−スとの間で摩擦抵
抗が生じ、これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の差
動制限力が得られる。
【0016】請求項1のデファレンシャル装置では、サ
イドギヤの軸方向端部及びこれと接触する相手側部材
(例えば、ワッシャ)との間に凹部を設け、ヘリカルギ
ヤの噛み合いスラスト力によってサイドギヤと相手側部
材とが押圧されると、この凹部が、遠心力を受けてもオ
イルが漏出しないオイル溜りを形成するようにした。
【0017】デファレンシャル装置が静止している間
は、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力が生じないか
ら、サイドギヤと相手側部材との摺動面に適度な隙間が
生じ、オイル溜りにオイルが補給される。
【0018】次に、車両が発進し、デファレンシャル装
置が回転を開始してトルクを伝達すると、噛み合いスラ
スト力が生じてサイドギヤが相手側部材に押しつけられ
る。このとき、デファレンシャル装置が回転しても、上
記のように、噛み合いスラスト力によってオイル溜りか
らのオイル洩れが防止され、オイルがオイル溜りに保持
される。
【0019】ここで、デファレンシャル装置が差動回転
すると、オイル溜りに保持されたオイルがサイドギヤと
相手側部材との摺動面に供給されて充分な潤滑が行われ
ることにより、焼き付き、かじり、異音、異常摩耗など
が防止され、差動制限機能が安定すると共に耐久性が向
上する。
【0020】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、径方向に長い多
数のオイル溜りを放射状に設けたものであり、請求項1
のデファレンシャル装置と同様に、オイル溜りからのオ
イルの漏出を防止したことにより、サイドギヤと相手側
部材との摺動面に充分なオイルが供給され、焼き付き、
かじり、異音、異常摩耗などが防止され、差動制限機能
が安定すると共に耐久性が向上する。
【0021】これに加えて、各オイル溜りを径方向に長
く形成したことにより、それだけオイルの保持量が増え
ると共に、サイドギヤと相手側部材との摺動面に広くオ
イルを供給することが可能になり、それだけ潤滑性が向
上し、差動制限機能を更に安定させる。
【0022】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、半球状の多数の
オイル溜りを分散配置したものであり、請求項1のデフ
ァレンシャル装置と同様に、オイル溜りからのオイルの
漏出を防止したことにより、サイドギヤと相手側部材と
の摺動面に充分なオイルが供給され、焼き付き、かじ
り、異音、異常摩耗などが防止され、差動制限機能が安
定すると共に耐久性が向上する。
【0023】これに加えて、半球状のオイル溜りは、加
工が容易であると共に、サイドギヤと相手側部材との摺
動面に多数のオイル溜りを分散配置することにより、こ
の摺動面にオイルを広く供給することが可能になり、そ
れだけ潤滑性が向上し、差動制限機能を更に安定させ
る。
【0024】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1ないし3のいずれかのデファレンシャル装置におい
て、差動ギヤ機構が、一対の出力側サイドギヤと、これ
らサイドギヤの径方向外側に配置されサイドギヤと各別
に噛み合う第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を
有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デフケ−スに
形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納
孔とから構成されるものであり、請求項1ないし3のデ
ファレンシャル装置と同様に、オイル溜りからのオイル
の漏出を防止したことにより、サイドギヤと相手側部材
との間に充分なオイルが供給され、焼き付き、かじり、
異音、異常摩耗などが防止され、差動制限機能が安定す
ると共に耐久性が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1ないし3により本発明の第1
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、
3、4の特徴を備えており、図1はこの実施形態のデフ
ァレンシャル装置1を示している。なお、左右の方向は
図1での左右の方向であり、符号を与えていない部材等
は図示されていない。
【0026】デファレンシャル装置1は、車両の前輪側
または後輪側の車軸(出力軸)上に配置される。
【0027】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケ−ス3は、ケ−シング本体5にカバ−7をボルト
で固定して構成されている。デフケ−ス3にはリングギ
ヤがボルトで固定されており、このリングギヤはエンジ
ンの駆動力を伝達する動力伝達系の出力ギヤと噛み合っ
ている。こうして、デフケ−ス3はエンジンの駆動力に
より回転駆動される。
【0028】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケ−ス3のボス部9、11
はベアリングを介してデフキャリヤに支承されている。
デフキャリヤにはオイル溜りが設けられており、デファ
レンシャル装置1は、静止状態では下部がこのオイル溜
りに浸されており、回転するとオイル溜りからオイルを
撥ね上げる。
【0029】デフケ−ス3の内部には、それぞれヘリカ
ルギヤで構成された出力側のサイドギヤ13、15が配
置されている。
【0030】各サイドギヤ13、15は後述するピニオ
ンギヤ43、45との噛み合いによって回転自在に支承
されている。ボス部17、19に形成された大径部2
1、23には、これらの内周に跨がってスラストブロッ
ク25が配置され、サイドギヤ13、15の各自由端を
支承しセンタ−リングしている。
【0031】サイドギヤ13のボス部17は左の車軸に
スプライン連結され、サイドギヤ15のボス部19は右
の車軸にスプライン連結されている。これらの車軸はス
ラストブロック25を介して互いに付き当てられてい
る。
【0032】サイドギヤ13、15とデフケ−ス3との
間にはそれぞれスラストワッシャ27(相手側部材)が
配置されている。また、サイドギヤ13、15の間(ス
ラストブロック25の外周側)にはスラストワッシャ2
9(相手側部材)が配置されている。
【0033】図2、3のように、サイドギヤ13、15
の互いに向き合った内側端面には多数の半球状の凹部3
1がほぼ均等に分散して形成され、スラストワッシャ2
9との間でオイル溜り33を形成している。また、図1
のように、サイドギヤ13、15の外側端面には径方向
に長い凹部35が放射状に形成され、スラストワッシャ
27との間でそれぞれオイル溜り37、37を形成して
いる。
【0034】デフケ−ス3には収納孔39、41が周方
向に複数組形成されており、これらの収納孔39、41
にはそれぞれヘリカルピニオンギヤ43、45が摺動回
転自在に収納されている。
【0035】一方のピニオンギヤ43は、第1のギヤ部
47と第2のギヤ部49、51と、第1ギヤ部47と第
2ギヤ部51とを連結する小径の軸部53とからなり、
第1ギヤ部47はサイドギヤ13と噛み合っている。ま
た、他方のピニオンギヤ45は、第1のギヤ部55と第
2のギヤ部57、59と、第1ギヤ部55と第2ギヤ部
57とを連結する小径の軸部61とからなり、第1ギヤ
部55はサイドギヤ15と噛み合っている。また、これ
らの第2のギヤ部49、51、57、59はサイドギヤ
13、15の軸方向両側で互いに噛み合っている。
【0036】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンギヤ43、45とサイドギヤ13、15
から車軸を介して各車輪に分配され、悪路などを走行中
に車輪間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギヤ43、
45の自転によってエンジンの駆動力は各車輪側に差動
分配される。
【0037】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ43、4
5の歯先はサイドギヤ13、15との噛み合い反力によ
りそれぞれの収納孔39、41の壁面に押し付けられて
摩擦抵抗が発生する。また、ヘリカルギヤの噛み合いス
ラスト力により、各ピニオンギヤ43、45の端面とデ
フケ−ス3との間で摩擦抵抗が発生すると共に、スラス
トワッシャ27を介してサイドギヤ13、15とデフケ
−ス3との間で、また、スラストワッシャ29を介して
サイドギヤ13、15の間でそれぞれ摩擦抵抗が発生す
る。
【0038】これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の
差動制限機能が得られる。
【0039】また、このとき噛み合いスラスト力によっ
てサイドギヤ13、15とスラストワッシャ27、2
7、29とが押圧され、凹部31、35を閉塞する。こ
うして、遠心力を受けても、各オイル溜り33、37、
37からのオイル洩れが防止される。
【0040】デフケ−ス3には開口63、65が形成さ
れており、デファレンシャル装置1の回転時と静止時と
を問わず、デフキャリヤのオイル溜りからオイルがこれ
らの開口63、65を介してデフケ−ス3に流出入す
る。流入したオイルは、各ギヤの噛み合い部、各収納孔
39、41、トルク感応型の差動制限力を発生する各摺
動部、各スラストワッシャ27、27、29とサイドギ
ヤ13、15との摺動面などに供給され、これらの潤滑
箇所を潤滑する。
【0041】特に、サイドギヤ13、15とスラストワ
ッシャ29との摺動面及びサイドギヤ13、15とスラ
ストワッシャ27との摺動面には、上記のように形成さ
れたオイル溜り33、37、37から充分なオイルが供
給され、焼き付き、かじり、異音、異常摩耗などが防止
され、差動制限機能が安定すると共に耐久性が向上す
る。
【0042】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0043】デファレンシャル装置1を搭載した車両
は、そのトルク感応型の差動制限機能によって、発進時
や加速時のように大きなトルクが掛かった時の車体の挙
動が向上すると共に、駆動トルクが緩和される旋回時に
は適度な差動制限力によって円滑で安定した旋回走行が
行える。また、オイル溜り33、37、37を設けて潤
滑性を向上させたことにより、このように優れた操安性
が長期にわたって得られる。
【0044】これに加えて、上記のように、各オイル溜
り33、37、37は、噛み合いスラスト力によって閉
塞されるから、従来例でのオイル溝219と異なって、
デファレンシャル装置1の遠心力を受けてもオイルが外
部に漏出せず、充分なオイルを保持する。
【0045】従って、各スラストワッシャ27、27、
29とサイドギヤ13、15との摺動面が、噛み合いス
ラスト力を受けてオイルを最も必要とする状態で、充分
に潤滑され、焼き付きなどを効果的に防止する。
【0046】また、オイル溜り33は、凹部31を半球
状にしたから加工が容易であると共に、サイドギヤ1
3、15とスラストワッシャ29との全摺動面に多数の
オイル溜り33を分散させることによって、この摺動面
に広くオイルを供給することが可能になり、それだけ潤
滑性が向上し、差動制限機能を更に安定させる。
【0047】更に、オイル溜り37、37は、凹部35
を径方向に長く形成したことにより、それだけオイルの
保持量が増えると共に、サイドギヤ13、15とスラス
トワッシャ27、27の摺動面に広くオイルを供給する
ことが可能であり、それだけ潤滑性が向上し、差動制限
機能を更に安定させる。
【0048】なお、上記実施形態のデファレンシャル装
置1は、サイドギヤ13、15の内側端部に半球状のオ
イル溜り33を設け、外側端部に径方向に長いオイル溜
り37を設けた例であるが、下記の第2実施形態のよう
に、オイル溜りの形状と配置箇所との組み合わせはこの
例に限らない。
【0049】図4、5は本発明の第2実施形態を示し、
他の組み合わせの例である。以下、デファレンシャル装
置1の部材と同機能の部材は同一の符号を与えて引用す
る。
【0050】ヘリカルサイドギヤ67、69は、内側端
面に径方向に長い凹部71及び内周側が空間74と連通
した長い凹部72が交互に放射状に形成され、スラスト
ワッシャ29との間でオイル溜りを形成している。
【0051】ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力を受け
てサイドギヤ67、69がスラストワッシャ29に押圧
されると、このオイル溜りは閉塞され、遠心力を受けて
もオイルが外部に漏出せず、充分なオイルを保持する。
【0052】従って、スラストワッシャ29とサイドギ
ヤ67、69との摺動面が、噛み合いスラスト力を受け
オイルを最も必要とする状態で充分に潤滑されるから、
焼き付き、かじり、異音、異常摩耗などが防止され、差
動制限機能が安定すると共に耐久性が向上する。
【0053】また、凹部72は内周側が空間74と連通
しているので車軸中心側からの凹部72内へのオイル導
入がスムーズに行われる。
【0054】また、第1実施形態と同様に、径方向に長
く形成したオイル溜りはオイルの保持量が多いと共に、
サイドギヤ67、69とスラストワッシャ29の摺動面
に広くオイルを供給可能であり、それだけ潤滑性が向上
し、差動制限機能を更に安定させる。
【0055】なお、オイル溜りの形状は、実施形態のよ
うな径方向に長く放射状に形成したものや半球状のもの
に限らず、他の形状でもよい。分散配置するものは、例
えば、ドリルの先端で円錐状に加工してもよい。
【0056】また、凹部は、サイドギヤに形成するだけ
でなく、ワッシャのような相手側部材、あるいは、サイ
ドギヤと相手側部材の両方に形成してもよい。
【0057】実施形態は、請求項4に記載した差動ギヤ
機構において、一対のピニオンギヤをサイドギヤの軸方
向両側で噛み合わせた例であるが、一対のピニオンギヤ
はサイドギヤの軸方向片側で噛み合わせても、また、サ
イドギヤの間で噛み合わせてもよい。後者の場合は、従
来例のようにサイドギヤの間に厚いスペ−サ(相手側部
材)を配置する。
【0058】更に、本発明において、差動ギヤ機構は、
請求項4に記載した差動ギヤ機構の他に、例えば、ウォ
−ムギヤ式の差動ギヤ機構でもよい。
【0059】本発明のデファレンシャル装置は、フロン
トデフ(前輪側の車軸上に配置されたデファレンシャル
装置)、リヤデフ(後輪側の車軸上に配置されたデファ
レンシャル装置)、センタ−デフ(エンジンの駆動力を
前輪側と後輪側に分配するデファレンシャル装置)のい
ずれにも用いることができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、ト
ルクの伝達中、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って、ピニオンギヤとデフケ−スとの間や、サイドギヤ
の間及びサイドギヤとデフケ−スとの間で摩擦抵抗が生
じ、トルク感応型の差動制限力が得られる。
【0061】また、サイドギヤの軸方向端部及びこれと
接触する相手側部材との間にオイル溜りを設け、噛み合
いスラスト力でサイドギヤと相手側部材とを押圧してオ
イル溜りを閉塞し、遠心力を受けてもオイルが漏出しな
いように構成した。
【0062】従って、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト
力が生じないデファレンシャル装置の静止時は、サイド
ギヤと相手側部材との間に生じる隙間からオイル溜りに
オイルが補給され、デファレンシャル装置が回転してト
ルクが伝達されると、噛み合いスラスト力が生じてオイ
ル溜りが閉塞され、遠心力によるオイル洩れが防止され
る。
【0063】こうして、オイルがオイル溜りからサイド
ギヤと相手側部材との摺動面に供給されて充分な潤滑が
行われ、焼き付き、かじり、異音、異常摩耗などが防止
され、差動制限機能が安定し耐久性が向上する。
【0064】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、オイル溜りから
のオイルの漏出を防止して、サイドギヤと相手側部材と
の間に充分なオイルを供給することにより、焼き付き、
かじり、異音、異常摩耗などが防止され、差動制限機能
が安定し耐久性が向上する。
【0065】これに加えて、径方向に長く形成したオイ
ル溜りはオイルの保持量が多いと共に、サイドギヤと相
手側部材との摺動面に広くオイルを供給することが可能
であり、それだけ潤滑性が向上し、差動制限機能を更に
安定させる。
【0066】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、オイル溜りから
のオイルの漏出を防止したことにより、サイドギヤと相
手側部材との摺動面に充分なオイルが供給され、焼き付
き、かじり、異音、異常摩耗などが防止され、差動制限
機能が安定すると共に耐久性が向上する。
【0067】これに加えて、半球状のオイル溜りは、加
工が容易であると共に、摺動面に多数のオイル溜りを分
散配置することにより、摺動面の広い範囲にオイルを供
給することが可能であり、それだけ潤滑性が向上し、差
動制限機能を更に安定させる。
【0068】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1ないし3のいずれかのデファレンシャル装置と同様
に、オイル溜りからのオイルの漏出を防止したことによ
り、サイドギヤと相手側部材との摺動面に充分なオイル
が供給され、焼き付き、かじり、異音、異常摩耗などが
防止され、差動制限機能が安定し耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図3のA矢視図であり、第1実施形態に用いら
れたサイドギヤの端面を示す。
【図3】第1実施形態に用いられたサイドギヤの縦断面
図である。
【図4】図5のB矢視図であり、本発明の第2実施形態
に用いられたサイドギヤの端面を示す。
【図5】第2実施形態に用いられたサイドギヤの縦断面
図である。
【図6】従来例の断面図である。
【図7】図6の従来例に用いられたサイドギヤの正面図
である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 13、15 出力側ヘリカルサイドギヤ 27、29 スラストワッシャ(相手側部材) 31 半球状の凹部 33、37 オイル溜り 35、71 径方向に長い凹部 39、41 収納孔 43、45 ヘリカルピニオンギヤ 47、55 第1ギヤ部 49、51、57、59 第2ギヤ部 53、61 軸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケ−スと、デフケ−スの内部で回転自在に支承され
    た一対の出力側ヘリカルサイドギヤ及びこれらのサイド
    ギヤを連結するピニオンギヤからなる差動ギヤ機構と、
    サイドギヤの軸方向端部及びこれと接触する相手側部材
    との間に設けられた凹部とを備え、ヘリカルギヤの噛み
    合いスラスト力によってサイドギヤと相手側部材とが押
    圧されると、この凹部は閉塞され遠心力によるオイル洩
    れのないオイル溜りを形成することを特徴とするデファ
    レンシャル装置。
  2. 【請求項2】 径方向に長い多数のオイル溜りが放射状
    に設けられた請求項1のデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 半球状の多数のオイル溜りが分散配置さ
    れた請求項1のデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 差動ギヤ機構が、一対の出力側サイドギ
    ヤと、これらサイドギヤの径方向外側に配置されサイド
    ギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部及び互いに噛み合う第
    2ギヤ部を有する少なくとも一対のピニオンギヤと、デ
    フケ−スに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収
    納する収納孔とからなる請求項1ないし3のいずれかの
    デファレンシャル装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005155856A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Nsk Ltd 遊星歯車装置
JP2008164176A (ja) * 2008-03-28 2008-07-17 Jtekt Corp 遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置およびその製造方法
JP2018001280A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 株式会社セーコウ 潤滑構造、穿孔装置、シート処理装置及び画像形成装置

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