JP5072672B2 - 遊星歯車装置の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は自動変速機や無段変速機などに用いられる遊星歯車装置の潤滑構造、特にピニオンギヤへの潤滑油の油路構造に関するものである。
車両用の自動変速機や無段変速機の前後進切替機構として、遊星歯車装置が広く用いられている。このような遊星歯車装置として、特許文献1には、サンギヤを入力要素とし、リングギヤを出力要素とし、サンギヤに入力された駆動力をキャリアに支持されたピニオンギヤを介してリングギヤへ伝達するものが開示されている。
図7は、特許文献1に示された遊星歯車装置を示す。入力軸100にはサンギヤ101がスプライン結合され、サンギヤ101とかみ合うピニオンギヤ103はピニオン軸104を介してキャリア105によって支持されている。ピニオンギヤ103はリングギヤ106ともかみ合っている。キャリア105の内径部には軸方向前方(エンジン側)に延びる軸受取付部105aと、後方へ延びる軸支持部105bとが一体に形成され、これら軸受取付部105aと軸支持部105bとがブッシュ107を介して入力軸100上に回転自在に支持されている。軸受取付部105aとサンギヤ101との間にはボールベアリング108が取り付けられている。
キャリア105に対してピニオン軸104を介して連結されたキャリアプレート109と、ケース110との間には多板ブレーキ111が介装されている。多板ブレーキ111はケース110に配置されたピストン112によって締結、解放される。キャリアプレート109とサンギヤ101との間には多板クラッチ113が介装されている。この多板クラッチ113はポンプカバー114に配置されたピストン115によって締結、解放される。多板クラッチ113を解放して多板ブレーキ111を締結すると、入力軸100の回転が逆転され、かつ減速されてリングギヤ106へ伝えられ、前進走行状態となる。逆に、多板ブレーキ111を解放して多板クラッチ113を締結すると、キャリア105とサンギヤ101とが一体に回転するので、入力軸100とリングギヤ106とが一体回転し、後退走行状態となる。
上記遊星歯車装置の場合、ピニオンギヤ103や、ピニオンギヤ103とピニオン軸104との間に設けられるニードルベアリング116などを常時潤滑する必要があるため、入力軸100の軸心部に設けられた潤滑穴100aへ潤滑油を供給している。供給された潤滑油は、入力軸100に形成された半径方向の孔100bを通り、ブッシュ107を潤滑するとともに、キャリア105に半径方向に形成された内部孔105c、及びピニオン軸104に形成された油孔104aを通ってピニオンギヤ103を潤滑している。ピニオンギヤ103を潤滑した油は、その後、遠心力により半径方向へ流れて多板ブレーキ111を潤滑している。また、ボールベアリング108を潤滑するために、入力軸100には潤滑穴100aと連通する別の半径方向の孔100cが形成されている。
上記遊星歯車装置では、キャリア105はブッシュ107を介して入力軸100の外周面で支持されているため、キャリア105の荷重が常時ブッシュ107に作用し、経時的にブッシュ107が摩耗しやすい。ブッシュ107が摩耗すると、ブッシュ107を介した潤滑油のリーク量が増大し、ピニオンギヤ103への潤滑油量が不足する可能性がある。また、キャリア105の軸受取付部105aとサンギヤ101との間にボールベアリング108が取り付けられているが、このボールベアリング108の内径側には入力軸100と軸受取付部105aとが存在するので、入力軸100の軸径と軸受取付部105aの厚みを確保する必要上、ボールベアリング108の径方向寸法が増大するという欠点がある。
特開2007−113683号公報
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、ピニオンギヤへの潤滑油量を安定して確保でき、かつラジアルベアリングの径方向寸法を小さくできる遊星歯車装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、サンギヤを入力要素とし、リングギヤを出力要素とし、入力軸からサンギヤに入力された駆動力をキャリアに支持されたピニオンギヤを介してリングギヤへ伝達する遊星歯車装置において、上記サンギヤが入力軸の軸端部に一体形成され、当該入力軸の軸端部に大径部と小径部とを有する段付きの凹部が形成され、上記キャリアの軸心部に上記入力軸の凹部に嵌合される軸部が形成され、上記凹部の大径部内周と上記軸部外周との間に、ボールベアリング又はローラベアリングからなるラジアルベアリングが嵌着されて、上記ラジアルベアリングは上記サンギヤの半径方向内側に配置されており、上記凹部の小径部と上記軸部との間に、合口部を持つシールリングが配置され、上記入力軸の軸心部に、一端部が上記凹部内に開放された潤滑油路が形成され、上記キャリアの軸部の軸心部に上記入力軸の潤滑油路と連通する軸心油路が形成されるとともに、上記キャリアに上記軸心油路と連通する半径方向の内部油路が形成され、上記潤滑油路を介して供給された潤滑油が、上記キャリアの軸心油路及び内部油路を介して上記キャリアに支持されたピニオンギヤに供給され、上記潤滑油路を介して供給された潤滑油の一部は、上記シールリングの合口部を介して上記ラジアルベアリングへ供給されることを特徴とする遊星歯車装置の潤滑構造を提供する。
入力軸の潤滑油路へ供給された潤滑油は、凹部内に流れ込む。シールリングはラジアルベアリング側へ流れるのを制限するので、凹部内に流れ込んだ油の大部分は、キャリアの軸心油路、内部油路を介してピニオンギヤへ供給され、ピニオンギヤは強制潤滑される。そのため、ピニオンギヤへの潤滑油量が不足することがない。入力軸とキャリアとの位置関係はラジアルベアリングによって規定されているので、シールリングには荷重が掛からず、摩耗等による潤滑油量の変化がない。
入力軸とキャリアとの間にラジアルベアリングが配置され、入力軸にサンギヤが一体形成されているので、サンギヤとキャリア、ひいてはサンギヤとピニオンギヤとの位置関係も安定する。そのため、ギヤ摩耗やギヤ騒音を効果的に低減できる。ラジアルベアリングは、入力軸の段付き凹部の大径部内周面とキャリアの軸部外周面との間に配置される。つまり、ラジアルベアリングの内径側にはキャリアの軸部だけが存在するので、ラジアルベアリングの内径寸法を従来より小さくでき、小型のラジアルベアリングを使用できる。なお、ラジアルベアリングとしては、内側レースと外側レースとの間に転動体を配置したベアリングであればよく、ボールベアリングのほか、ローラベアリングでもよい。
潤滑油路を介して供給された潤滑油の一部を、シールリングの合口部を介してラジアルベアリングへ供給するようにしてもよい。シールリングは一部が開口したC型構造を有するので、その合口部の寸法を規定することにより、ラジアルベアリングへの潤滑油量を規定量に絞ることができる。
サンギヤを入力軸の軸端部に形成し、ラジアルベアリングをサンギヤの半径方向内側に配置するのが望ましい。入力軸にサンギヤを一体形成すると、サンギヤの内径側に肉厚部が存在するので、この肉厚部を利用して段付きの凹部を形成し、この凹部にラジアルベアリングを配置することにより、スペース効率よくラジアルベアリングを配置できる。
本発明によれば、入力軸の軸端部に段付きの凹部を形成し、この凹部にキャリアの軸部を嵌合させ、凹部の大径部と軸部との間にラジアルベアリングを配置し、凹部の小径部と軸部との間にシールリングを配置したので、入力軸の潤滑油路へ供給された潤滑油のシールリングで遮蔽されてラジアルベアリングへの油量を絞ることができる。シールリングはブッシュとは異なり、キャリアの支持荷重を受けないので、リーク量の経時変化がない。凹部に流れ込んだ潤滑油の大部分は、キャリアの軸心油路、内部油路を介してピニオンギヤへ供給されるので、ピニオンギヤへの潤滑油量が不足するという事態を解消できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明にかかる遊星歯車装置を適用した無段変速機の一例の骨格図である。この実施例はFF横置き式の自動車用無段変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替機構4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30で構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
図2に示すように、無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。トルクコンバータ2と前後進切替機構4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6は、変速機ケース5に固定されたポンプボデー7と、ポンプボデー7に対して固定されたポンプカバー8と、ポンプボデー7とポンプカバー8との間に収容されたポンプギヤ9とで構成されている。ポンプギヤ9はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介してポンプカバー8により支持されている。
前後進切替機構4は、遊星歯車装置40と逆転ブレーキ50と直結クラッチ60とで構成されている。遊星歯車装置40のサンギヤ41は入力回転部材である入力軸3と一体に形成され、リングギヤ42は出力回転部材である駆動軸10にスプラインにより連結されている。遊星歯車装置40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチ60はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。直結クラッチ60を解放して逆転ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられ、前進走行状態となる。逆に、逆転ブレーキ50を解放して直結クラッチ60を締結すると、遊星歯車装置40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結され、後退走行状態となる。なお、前後進切替機構4の具体的構造については後述する。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。油圧サーボ12への油圧を制御することにより、変速制御が実施される。従動プーリ21は、従動軸20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。油圧サーボ22の油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
ここで、前後進切替機構4の具体的構造について、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。サンギヤ41は入力軸3の軸端部に一体に形成されている。入力軸3上であって、サンギヤ41より前側(エンジン側)には、直結クラッチ60のクラッチハブ61が固定されており、クラッチハブ61の外周に直結クラッチ60の内側クラッチ板62の内径部がスプライン係合している。入力軸3の軸端部であって、サンギヤ41の半径方向内側には、大径部33aと小径部33bとを有する段付きの凹部33が形成されている。
リングギヤ42は、円板状のフランジ部42aと、内周にギヤ部を有するドラム部42bとで構成され、一端が閉じられた袋構造となっている。フランジ部42aの内周端は駆動軸10にスプライン結合されている。ドラム部42bの軸方向他端部が開放端となっている。
キャリア44の軸心部には、入力軸3に向かって突出する段付きの軸部45が一体に突設されており、この軸部45は入力軸3の凹部33に嵌合されている。凹部33の大径部33aと軸部45の大径部45aとの間にラジアルベアリングの一例であるボールベアリング57が嵌着されている。ボールベアリング57はサンギヤ41の内径側に配置されているため、サンギヤ41とピニオンギヤ43との噛み合い反力によるモーメントがキャリア44に作用しても、キャリア44の傾きを効果的に抑制できる。凹部33の小径部33bと軸部45の小径部45bとの間にシールリング58が配置されている。シールリング58は、図5に示すように、合口部58aを有するC型リングである。なお、合口部58aの形状は図5に限るものではない。軸部45の小径部45bの外周面には周溝45cが形成されており、この周溝45cにシールリング58は嵌合されている。シールリング58の持つ半径方向へのばね力により、シールリング58は凹部33の小径部33bの内周面に接触している。なお、合口部58aは斜めにカットされたものに限らない。
キャリア44には軸方向に突出する複数の柱状部44a(図2参照)が一体に形成され、これら柱状部44aの先端部外周にキャリアプレート46が嵌合固定されている。キャリア44とキャリアプレート46との間に、ピニオン軸47が架け渡して固定されている。キャリア44に挿入されたピニオン軸47の一端部は、図4に示すように、キャリア44の半径方向外方から圧入されたローラピン49によって、キャリア44に対して所定の位相となるように回り止めされかつ抜け止めされている。すなわち、ピニオン軸47の内部に形成された油穴47aの開口端が、キャリア44の内部に半径方向に形成された内部油路71の開口端と対応するように位置決めされる。ピニオンギヤ43はピニオン軸47上にニードルベアリング48を介して回転自在に支持され、各ピニオンギヤ43は上述の柱状部44aの間の周方向空間に配置されている。
キャリアプレート46には、前側(エンジン側)に向かって軸方向に突出する円筒部46aが一体に形成されており、円筒部46aの内周部に直結クラッチ60の外側クラッチ板63の外径部がスプライン係合しており、円筒部46aの外周部に逆転ブレーキ50の内側ブレーキ板51の内径部がスプライン係合している。このように円筒部46aは逆転ブレーキ50のブレーキハブと直結クラッチ60のクラッチドラムとを兼ねている。
逆転ブレーキ50のピストン53は、変速機ケース5の内側壁に摺動自在に配置されており、ピストン53と変速機ケース5との間に油圧を供給することにより、ピストン53は前方に向かって移動し、外側ブレーキ板52と内側ブレーキ板51とを締結することができる。ピストン53の圧力によって押された外側ブレーキ板52の端部を支える反力部材として、静止部材であるポンプカバー8から円筒状のストッパ部8aが一体に突設されている。
ポンプカバー8の後面側(遊星歯車装置側)には断面コ字形のピストン64が配置され、このピストン64によって直結クラッチ60は締結される。外側クラッチ板63とピストン64との間には、相対回転を許容するスラストベアリング65が配置されている。このスラストベアリング65は、ベアリングリテーナ66によってキャリアプレート46の円筒部46aの内径側に嵌合保持されている。スラストベアリング65によって、ピストン64の軸方向圧力は外側クラッチ板63に効果的に伝達され、かつピストン64が外側クラッチ板63と連れ回りするのが防止される。なお、外側クラッチ板63の後側にはキャリアプレート46の側面が位置しているため、ピストン64によって押された外側クラッチ板63の端部をキャリアプレート46で支えることができる。
ピストン64の外周部側面にはスプリングリテーナ67が配置されており、スプリングリテーナ67の外周端と逆転ブレーキ用ピストン53との間にリターンスプリング55が配置されている。このスプリング55は、直結クラッチ用ピストン64と逆転ブレーキ用ピストン53の両方のリターンスプリングを兼ねるものであり、逆転ブレーキ50の外側ブレーキ板52の外周側に適数個設けられている。逆転ブレーキ50と直結クラッチ60は同時に作動されることがないので、1種類のスプリング55で両者のリターンスプリングを兼ねることができる。
ここで、遊星歯車装置40の潤滑構造について、図3,図4を参照しながら説明する。入力軸3の軸心部には、一端部が凹部33内に開放された潤滑油路34が形成されている。この潤滑油路34に対して、ポンプカバー8の潤滑油供給路35から、半径方向孔36を介して所定圧の潤滑油が供給される。キャリア44の軸部45の軸心部には、入力軸3の潤滑油路34と対向して軸心油路70が形成されており、軸心油路70と潤滑油路34とは連通している。キャリア44には、軸心油路70に対して直交方向に連通する半径方向の内部油路71が形成されている。
入力軸3の潤滑油路34を通り凹部33へ供給された潤滑油は、キャリア44の軸心油路70へ導かれ、さらに内部油路71を通ってピニオン軸47の油孔47aへと供給される。また、凹部33へ供給された潤滑油の一部は、図5に示すように、シールリング58の合口部58aを介してボールベアリング57へ供給される。合口部58aの寸法を規定して、ボールベアリング57への潤滑油量を制限することで、ピニオン軸47へ導かれる潤滑油量を確保することができる。なお、キャリア44の軸心油路70の終端部にはオリフィス穴72が形成されており、このオリフィス穴72を介して潤滑油の一部は駆動軸10の軸端部に形成された空洞部73に流入し、遠心力により半径方向外側へ流れ、キャリア44とリングギヤ42との間に配置されたスラストベアリング74、リングギヤ42と駆動軸10とのスプライン嵌合部75、駆動軸10をケース5に対して支持するボールベアリング76等を潤滑することができる。
上述のように、ピニオン軸47の油孔47aへ供給された潤滑油は、ニードルベアリング48を強制潤滑し、さらにピニオンギヤ43を強制潤滑する。そして、ピニオンギヤ43を潤滑した後、遠心力により半径方向外側へ流れ、リングギヤ42の内側に溜められる。リングギヤ42が袋構造となっているので、内部油路71を通して送られた潤滑油のほぼ全量がリングギヤ42の内側に溜まり、その開放端から排出されて逆転ブレーキ50へ供給される。そのため、ブレーキ50の焼き付きを確実に防止できる。なお、リングギヤ42の内周部には、内部油路71を介して供給された潤滑油だけでなく、オリフィス穴72を通って流れた潤滑油も集められ、これら潤滑油が集合されてリングギヤ42の開放端から流出し、逆転ブレーキ50を潤滑できる。
入力軸4の潤滑油路34に供給された潤滑油の一部は、入力軸4に半径方向に形成された小穴37を介して直結クラッチ60及びスラストベアリング65の内径側へ供給され、遠心力を利用して直結クラッチ60及びスラストベアリング65を潤滑している。そのため、潤滑油路34に供給された潤滑油は、前後進切替機構4を構成する全ての部品の潤滑を行うことができる。
図6は本発明の第2実施例を示す。第1実施例では、シールリング58の合口部58aを介してボールベアリング57に潤滑油を供給する例を示したが、シールリング58の合口部58aを狭く設定し、軸部45に半径方向のオリフィス孔45dを形成することで、このオリフィス孔45dを介してボールベアリング57に潤滑油を供給してもよい。
上記実施例の遊星歯車装置では、リングギヤを出力要素とした例を示したが、キャリアを出力要素としてもよい。
キャリア44の軸部45が大径部45aと小径部45bとを有する段付き構造の例を示したが、凹部33の小径部33bに嵌合し得る一定の直径を持つ軸部であってもよい。この場合には、ボールベアリング57の径方向寸法をさらに小さくできる。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の遊星歯車装置は、無段変速機だけでなく、一般の自動変速機にも適用できることは勿論である。
上記実施例では、シングルピニオン型の遊星歯車装置について説明したが、ダブルピニオン型の遊星歯車装置であってもよい。
本発明にかかる遊星歯車装置を適用した無段変速機の一例の骨格図である。 図1に示す無段変速機の前後進切替機構の詳細断面図である。 図2に示す遊星歯車装置の潤滑構造を示す要部断面図である。 図3に示す遊星歯車装置の主要部品の分解図である。 シールリングの斜視図である。 ボールベアリングへの潤滑構造を示す他の実施例の断面図である。 従来の遊星歯車装置の断面図である。
符号の説明
3 入力軸
4 前後進切替機構
10 駆動軸
33 凹部
33a 大径部
33b 小径部
34 潤滑油路
40 遊星歯車装置
41 サンギヤ
42 リングギヤ
43 ピニオンギヤ
44 キャリア
45 軸部
46 キャリアプレート
50 逆転ブレーキ
57 ボールベアリング(ラジアルベアリング)
58 シールリング
58a 合口部
60 直結クラッチ
70 軸心油路
71 内部油路

Claims (1)

  1. サンギヤを入力要素とし、リングギヤを出力要素とし、入力軸からサンギヤに入力された駆動力をキャリアに支持されたピニオンギヤを介してリングギヤへ伝達する遊星歯車装置において、
    上記サンギヤが入力軸の軸端部に一体形成され、当該入力軸の軸端部に大径部と小径部とを有する段付きの凹部が形成され、
    上記キャリアの軸心部に上記入力軸の凹部に嵌合される軸部が形成され、
    上記凹部の大径部内周と上記軸部外周との間に、ボールベアリング又はローラベアリングからなるラジアルベアリングが嵌着されて、上記ラジアルベアリングは上記サンギヤの半径方向内側に配置されており、
    上記凹部の小径部と上記軸部との間に、合口部を持つシールリングが配置され、
    上記入力軸の軸心部に、一端部が上記凹部内に開放された潤滑油路が形成され、
    上記キャリアの軸部の軸心部に上記入力軸の潤滑油路と連通する軸心油路が形成されるとともに、上記キャリアに上記軸心油路と連通する半径方向の内部油路が形成され、
    上記潤滑油路を介して供給された潤滑油が、上記キャリアの軸心油路及び内部油路を介して上記キャリアに支持されたピニオンギヤに供給され、
    上記潤滑油路を介して供給された潤滑油の一部は、上記シールリングの合口部を介して上記ラジアルベアリングへ供給されることを特徴とする遊星歯車装置の潤滑構造。
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