JP2550757B2 - 無段変速機を備えた車両用動力伝達装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両用動力伝達装置

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JP2550757B2 JP2198377A JP19837790A JP2550757B2 JP 2550757 B2 JP2550757 B2 JP 2550757B2 JP 2198377 A JP2198377 A JP 2198377A JP 19837790 A JP19837790 A JP 19837790A JP 2550757 B2 JP2550757 B2 JP 2550757B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、無段変速機を備えた車両用動力伝達装置の
潤滑に関するものである。
従来の技術 たとえばベルト式無端変速機のような変速比が無段階
に変化させられる無段変速機が知られている。そして、
その無段変速機を前後進切換を目的とした遊星歯車機構
と駆動輪との間に介挿し、シフトレバーのニュートラル
レンズへの操作に関連して遊星歯車機構の入力軸および
出力軸間の連結を解くことにより、無段変速機の前段に
おいて動力伝達を遮断する形式の車両用動力伝達機構が
提案されている。たとえば、特開昭61−105345号公報に
示されている無段変速機を備えた車両用動力伝達装置が
それである。
発明が解決しようとする課題 ところで、上記従来の車両用動力伝達装置では、車両
が高速或いは長時間にわたって牽引されると、無段変速
機の前段にある遊星歯車機構の潤滑不足に起因してその
耐久性が損なわれる不都合があった。すなわち、無段変
速機の前段に遊星歯車機構を備えた車両においては、シ
フト操作部材のニュートラル位置への操作に関連して遊
星歯車機構が中立とされるので、車両の被牽引時にはエ
ンジンの停止に拘わらず車両を走行させるために上記シ
フト操作部材を操作して遊星歯車機構が中立とされる。
また、無段変速機を備えた車両では、一般に、車両の停
止に際しては再発進のために変速比を最減速側へ変化さ
せる変速比制御が実行される。このため、上記車両の被
牽引時には、無段変速機の出力軸よりも入力軸が高速回
転させられて潤滑油を必要とする一方、エンジンにより
駆動される油圧ポンプの停止により、通常走行時には供
給される潤滑油が遊星歯車機構に送られて来ないため、
遊星歯車機構内が潤滑不足となって、耐久性が損なわれ
る場合があるのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、車両の被牽引時において
も遊星歯車機構の潤滑が行われ得る無段変速機を備えた
車両用動力伝達装置を提供することにある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するための、本発明の要旨とするとこ
ろは、無段変速機を備え、その無段変速機の出力軸が車
両の駆動輪とともに回転し且つその無段変速機の入力軸
の前段に遊星歯車機構が設けられることにより、車両の
被牽引時において車両の駆動輪とともに前記無段変速機
の入力軸が回転させられる形式の車両用動力伝達装置で
あって、(a)前記無段変速機の入力軸とともに回転す
る部材内において径方向に形成され、その入力軸の回転
に基づいて遠心油圧を発生させる径方向油路と、(b)
その径方向油路の外周側端部に接続され、前記遊星歯車
機構内を潤滑するために前記遠心油圧に基づいて潤滑油
を放出する放出穴と、(c)前記径方向油路の内周側端
部に接続され、前記車両の被牽引時に潤滑油が満たさ
れ、前記遠心油圧に基づいてその径方向油路の内周側端
部に発生する負圧により潤滑油が吸引される潤滑油溜り
とを、含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、車両の被牽引時において無段変速
機の入力軸が出力軸よりも高速に回転させられると、そ
の入力軸とともに回転する部材内に設けられた径方向油
路内に遠心油圧が発生する。このため、車両の被牽引時
に潤滑油が満たされている潤滑油溜り内の潤滑油が径方
向油路の内周側端部に発生する負圧により吸引されてそ
の径方向油路に供給されるとともに、遊星歯車機構内を
潤滑するために放出穴から上記遠心油圧に基づいて潤滑
油が放出される。従って、車両の被牽引時において比較
的高速で回転させられる入力軸に連結された遊星歯車機
構において、潤滑が好適に行われ、遊星歯車機構の耐久
性が損なわれることが解消されるのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は、本発明の一実施例のベルト式無段変速機を
含む車両用動力伝達装置を示す骨子図である。この動力
伝達装置は、FF車両の横置トランスアクスル内に設けら
れるものである。図において、エンジン10の動力はロッ
クアップクラッチ付トルクコンバータ12、前後進切換装
置14、ベルト式無段変速機(以下、CVTという)16、減
速ギヤ装置18、および差動歯車装置20を経て車軸22に連
結された駆動輪24へ伝達されるようになっている。
上記トルクコンバータ12は、エンジン10のクランク軸
26と接続されているポンプ翼車28と、上記クランク軸26
と後段の前後進切換装置14の中心軸54との間においてそ
れらと同心に設けられたコンバータ出力軸32に固定され
ポンプ翼車28からのオイルを受けて回転させられるター
ビン翼車34と、一方向クラッチ36を介して非回転部材に
固定されたステータ翼車38と、ダンパ40を介してコンバ
ータ出力軸32に固定されたロックアップクラッチ42とを
備え、ロックアップクラッチ42の非係合状態では、入出
力回転速度比に応じた増幅率でトルクを伝達するように
なっている。上記ロックアップクラッチ42は、たとえば
車速、エンジン回転速度、またはタービン翼車34の回転
速度が所定値以上になると作動させられて、クランク軸
26とコンバータ出力軸32とを直結状態にするものであ
る。
前後進切換装置14は、図示しないシフトレバーの操作
位置に従って前進ギヤ段または後進ギヤ段に択一的に切
り換えられるダブルピニオン型の遊星歯車装置であっ
て、コンバータ出力軸32とCVT16の入力軸44との間にお
いて同心的に設けられている。この遊星歯車装置は、前
後進切換装置14の入力軸として機能するコンバータ出力
軸32に固定されたサンギヤ46と、このサンギヤ46と同心
に設けられたリングギヤ48と、それらリングギヤ48およ
びサンギヤ46の一方および他方と噛み合い且つ互いに噛
み合う一対の遊星ギヤ50および52と、サンギヤ46および
リングギヤ48と同心に設けられた中心軸54とこの中心軸
54から外周側へ延びるフランジ部56とこのフランジ部56
から上記中心軸54の軸心と平行な方向へ立設されて一対
の遊星ギヤ50および52を回転可能に支持するキャリヤピ
ン58とを有するキャリヤ60と備えている。さらに、この
遊星歯車装置は、コンバータ出力軸32とキャリヤ60との
間を連結するための前進クラッチ62と、リングギヤ48と
位置固定のハウジング63との間を連結するための後進ブ
レーキ64とを備えている。したがって、前進クラッチ62
が係合させられると、コンバータ出力軸32とキャリヤ60
との間が連結されて、コンバータ出力軸32と中心軸54と
が一体的に回転するので、CVT16以下が前進方向へ回転
させられる。反対に、上記前進クラッチ62に替えて後進
ブレーキ64が係合させられると、ハウジング63とリング
ギヤ48との間が連結されてリングギヤ48が非回転状態と
されるので、コンバータ出力軸32に対して中心軸54が反
対方向に回転させられ、CVT16以下が後進方向へ回転さ
せられる。
CVT16は、その入力軸44および出力軸45にそれぞれ設
けられた可変プーリ66および68と、それら可変プーリ66
および68に巻き掛けられた伝動ベルト70とを備えてい
る。可変プーリ66および68は、入力軸44および出力軸45
にそれぞれ固定された固定回転体72および74と、入力軸
44および出力軸45にそれぞれ軸方向の移動可能かつ軸回
りの相対回転不能に設けられた可動回転体76および78と
から成り、可動回転体76および78が油圧アクチュエータ
として機能する油圧シリンダ80および82によって移動さ
せられることによりV溝幅すなわち伝動ベルト70の掛り
径(有効径)が変更されて、CVT16の変速比γ(=入力
軸44の回転速度Nin/出力軸45の回転速度Nout)が変更さ
れるようになっている。油圧シリンダ80は専ら変速比γ
を変更するために作動させられ、油圧シリンダ82は専ら
伝動ベルト70のすべりが生じない範囲で最小の挟圧力が
得られるように作動させられる。なお、油圧ポンプ84は
図示しないCVT油圧制御装置の油圧源を構成するもので
あって、エンジン10とともに回転するポンプ翼車28によ
り常時回転駆動されるようになっている。上記CVT油圧
制御装置としては、たとえば、特開昭62−9055号、特開
昭62−196445号、特願平2−193599号に記載されたもの
の全体若しくは一部が用いられ、トルクコンバータ12の
ロックアップクラッチ42、前後進切換装置14、およびCV
T16が制御される。CVT16の変速比γは、図示しない電子
制御装置により、最小燃費率および運転性が得られる最
適曲線に沿って制御される一方、車両の停止に際しては
再発進に備えて最減速側(変速比最大側)へ変化させら
れる。
CVT16の出力軸45には、出力歯車として機能する第1
歯車86が設けられている。また、第1歯車86の軸心と平
行な軸心まわりに回転可能に設けられた回転軸88には、
第1歯車86と噛み合う第2歯車90とそれよりも小径の第
3歯車92とが固設されており、第3歯車92は差動歯車装
置20の大径歯車94と噛み合わされている。上記第1歯車
86、第2歯車90、および第3歯車92は、前記減速ギヤ装
置18を構成しているのである。
差動歯車装置20は、車軸22の回転軸心と直交する軸ま
わりに回転可能に支持され且つ大径歯車94と一体的に回
転する一対の差動小歯車96と、この差動小歯車96と噛み
合い且つ車軸22に連結された一対の差動大歯車98とを備
えている。したがって、減速ギヤ装置18から伝達された
動力は、差動歯車装置20において左右の車軸22へ均等に
分配された後、左右の駆動輪24へ伝達される。
第2図は、第1図の骨子図に示された動力伝達装置を
更に詳しく示す図である。図において、ハウジング63
は、たとえば、アルミニウムダイキャスト製品であっ
て、図示しない多数のボルトにより互いに一体的に連結
された第1ケース100a、第2ケース100b、第3ケース10
0cから構成されており、ハウジング63内には、トルクコ
ンバータ12を収容する第1室102と、前後進切換装置14
を収容する第2室104と、CVT16を収容する第3室106
と、減速ギヤ装置18および差動歯車装置20を収容する第
4室108とが設けられている。図に表されているボルト1
09は、第1ケース100aと第2ケース100bとを固定してい
る。
油圧ポンプ84のロータ110は、歯車状を成しており、
相対回転可能に且つ偏心した状態でポンプ翼車28の油圧
ポンプ84側の端部に形成された小径円筒部118に嵌め着
けられている。油圧ポンプケース112は、上記ロータ110
と噛み合う内周歯を備えており、第2ケース100bの開口
114に嵌合された状態で、第1ケース100aの第1室102と
第2室104との間の仕切壁にボルト116により固定されて
いる。
第3図は、第1室102内に収容されているトルクコン
バータ12を詳しく示す図である。図において、ポンプ翼
車28は、大径短円柱状の内部空間を有し且つ小径円筒部
118を通して開口する容器状の外殻120と、この外殻120
の外周部の内壁面において周方向において複数枚配列さ
れたポンプブレード122とを備えており、図示しないス
タータと噛み合う環状外周歯124を備えた連結プレート1
26を介してクランク軸26とボルト128によって連結され
ている。また、前記油圧ポンプケース112に一端部が嵌
め着けられた位置固定の管状部材130が外殻120の小径円
筒部118内に差し入れられており、トルクコンバータ12
のステータ翼車38は、上記管状部材130にスプライン嵌
合されたボス部材132およびその外周面に設けられた一
方向クラッチ36により支持された一方向回転部材134
と、その外周部に固定された固定ブレード136とを備え
ている。上記一方向回転部材134は、軸方向において油
圧ポンプ84側へ偏在させられるとともに、ステータ翼車
38の油圧ポンプ84側端部を片持状に支持しており、ター
ビンブレード148および固定ブレード136の内周側に環状
空間を形成している。
また、タービン翼車34は、コンバータ出力軸32の軸端
にスプライン嵌合されたボス部材138と、このボス部材1
38の外周面にビーム溶接され且つ固定ブレード136の内
周側(出力側)へ向かって湾曲させられることによりタ
ービンブレード148の内周輪に環状空間を形成する断面
C字状の環状部材140と、この環状部材140の外周フラン
ジ部142にリベット144により固定され且つ前記ポンプブ
レード122に対向する部分が湾曲した外周部材146と、そ
の外周部材146の内壁面において周方向において複数枚
配列されたタービンブレード148とを備えている。上記
環状部材140内の環状空間内には、コイル状のダンパス
プリング156が周方向において等間隔で複数個収容され
ており、上記外周部材146の内周縁部147がダンパスプリ
ング156の外周面と接触可能に内周側へ付き出され、ダ
ンパスプリング156が確実に保持されるようになってい
る。
ロックアップクラッチ42は、ボス部材138の外周面よ
りエンジン10側であってそれより小径に設けられた段付
面150において摺動可能に嵌合された本体152と、この本
体152に固着された摩擦部材154と、環状部材140内の環
状空間内に収容されたダンパスプリング156の一端と係
合するためにリベット158により固定された爪部材160と
を備えており、上記本体152によって外殻120内が係合側
油室162および解放側油室164に分割されている。このた
め、図示しない油圧制御回路によって係合側油室162に
クラッチ圧が作用され且つ解放側油室164に大気圧が作
用されると、本体152がエンジン10側へ移動してロック
アップクラッチ42が係合状態とされ、反対に、係合側油
室162に大気圧が作用され且つ解放側油室164にクラッチ
圧が作用されると、本体152が油圧ポンプ84側へ移動し
てロックアップクラッチ42が解放状態とされる。なお、
上記ダンパスプリング156の他端には、環状部材140の一
部が曲げ起されることにより形成された爪部166が係合
させられており、正トルク(エンジン10から見て右まわ
りの回転方向)の急増加時においてダンパスプリング15
6の全長が縮小し、ロックアップクラッチ42の係合ショ
ックなどが緩和されるようになっている。なお、ダンパ
スプリング156の一端側には、その周方向の位置を決め
るための図示しない突起が環状部材140に設けられてい
る。外殻120内の各部材が相対回転可能な状態で軸方向
に位置決めされるように、それらの間には複数個のニー
ドルベアリング168が介挿されている。
上記のように、ダンパスプリング156は、環状部材140
内の環状空間内に収容されることによりタービンブレー
ド148の内周側に形成されている環状空間内に位置させ
られて、ダンパスプリング156および環状部材140はター
ビンブレード148および固定ブレード136と径方向におい
て重なった状態で位置させられているだけでなく、環状
部材140は、タービンブレード148を支持すると同時にダ
ンパスプリング156を直接的に保持する機能を兼ねてい
るので、比較的大容積の大径のダンパスプリング156を
収容することができて係合ショックを吸収するための好
適な特性を得ることができるとともに、ダンパスプリン
グ156を保持するための部材を設ける場合に比較してト
ルクコンバータ12の軸方向寸法が大幅に小さくされてい
る。すなわち、環状部材140が断面C字状に湾曲させら
れることにより形成された環状空間内にダンパスプリン
グ156が位置させられるので、径方向においてダンパス
プリング156とタービンブレード148とが重なることとな
って軸方向寸法が小さくされるだけでなく、ダンパスプ
リング156が環状部材140によって直接的に保持されるこ
とから、ダンパスプリング156を保持するための専用の
保持部材が不要となるので、その専用の保持部材を配設
するためのスペースが不要となって軸方向寸法が小さく
される。したがって、軸方向寸法が小さいロックアップ
クラッチ付流体継手12が得られるとともに、これを車両
に採用すれば、軸方向寸法の小さいトランスアクスルが
得られるのである。
第4図は、前後進切換装置14を詳しく示す図である。
図において、油圧ポンプケース112を通して第1室102か
ら第2室104へ突き出されたコンバータ出力軸32の軸端
部には、前後進切換装置14の中心軸54が相対回転可能に
嵌合されるとともに、サンギヤ46がスプライン嵌合され
ている。また、コンバータ出力軸32の軸端部には、円環
状のシリンダボアを備えたクラッチドラム170がビーム
溶接などによって一体的に固着されており、このクラッ
チドラム170内には円環状のクラッチピストン172が摺動
可能に嵌合されているとともに、クラッチドラム170内
には、クラッチピストン172を戻すためのリターンスプ
リング174と、後述の複数枚の摩擦材176間に挟まれた複
数枚の摩擦プレート178が相対回転不能且つ軸方向の移
動可能に取り付けられている。上記クラッチドラム17
0、クラッチピストン172、リターンスプリング174、摩
擦板176、摩擦プレート178などが前進クラッチ62を構成
しているのである。
キャリヤ60は、中心軸から外周側へ一体に突設された
キャリヤ本体180と、遊星ギヤ50および52をニードルベ
アリング181を介して回転可能にそれぞれ支持するため
にキャリヤ本体180に立設された複数本のキャリヤピン1
82と、キャリヤピン182の先端部に固定されたハブ184と
を備えており、前記複数枚の摩擦材176はこのハブ184に
相対回転不能且つ軸方向の移動可能に取り付けられてい
る。したがって、摩擦材176および摩擦プレート178がク
ラッチピストン172と位置固定のエンドプレート186との
間で相互に挟圧されることによりコンバータ出力軸32と
中心軸54とが連結されて、車両を前進させる方向の動力
が伝達されるようになっている。なお、クラッチピスト
ン172には、供給圧が低下すると球状弁子177が開く弁17
9が設けられており、前進クラッチ62の解放が速やかに
行われるようになっている。
また、リングギヤ48の外周面には、複数枚の摩擦材18
8が相対回転不能且つ軸方向の移動可能に取り付けられ
ている一方、第2ケース100bの内周壁には、上記摩擦材
188に挟まれる複数の摩擦プレート190が相対回転不能且
つ軸方向の移動可能に取り付けられている。また、第2
ケース100bの内側には、ブレーキピストン192が摺動可
能に嵌合される環状のシリンダボア194が形成されてお
り、ブレーキピストン192を戻すためのリターンスプリ
ング196が設けられている。それら摩擦材188、摩擦プレ
ート190、ブレーキピストン192などが後進ブレーキ64を
構成しているのである。したがって、摩擦材188および
摩擦プレート190が位置固定のエンドプレート198とブレ
ーキピストン192との間で相互に挟圧されることにより
コンバータ出力軸32と中心軸54とが反対方向に回転させ
られて、車両を後進させる方向の動力が伝達されるよう
になっている。
ここで、潤滑油路200を介して供給される所定圧の潤
滑油は、コンバータ出力軸32内に軸方向に形成された油
路202、中心軸54内に軸方向に形成された油路204、キャ
リヤ本体180内において径方向に形成された径方向油路2
06、キャリヤピン182内において軸方向に形成された油
路208、および径方向に形成された放出穴210を通して、
遊星ギヤ50および52の内周面に向かって放出されるよう
になっており、ニードルベアリング181、遊星ギヤ50お
よび52、その外周側のリングギヤ48などの潤滑が行われ
るようになっている。また、上記コンバータ出力軸32の
一端を支持するニードルベアリング212は、そのコンバ
ータ出力軸32に形成された放出穴214から潤滑されるよ
うになっており、中心軸544の一端を支持するニードル
ベアリング216は、中心軸54に形成された放出穴218から
潤滑されるようになっている。この放出穴218から放出
された潤滑油は、コンバータ出力軸32の軸端に設けられ
た穴220を通してサンギヤ46へ導かれる。中心軸54に
は、ニードルベアリング222を潤滑するための放出穴22
4、ニードルベアリング226および228を潤滑するための
放出穴230、入力軸44と中心軸54とのスプライン嵌合部
および入力軸44を支持するベアリング232を潤滑するた
めの放出穴234がそれぞれが設けられている。
第2ケース100bの内壁には、第4室108内の大径歯車9
4によってハウジング63内の底部から掻き上げられた潤
滑油が溜められる潤滑油溜り236が形成されている。前
記潤滑油路200は、油圧ポンプ84により圧送された油の
一部を潤滑油として送油する主潤滑油路238と上記潤滑
油溜り236とに択一的に接続する選択弁240を介してそれ
ぞれ接続されている。この選択弁240は、上端部におい
て潤滑油溜り236と連通し、下端部において主潤滑油路2
38と連通し、中間部において潤滑油路200と連通する長
手状の弁室242と、主潤滑油路238から潤滑油が圧送され
るときには弁室242内の上端開口部に着座して潤滑油の
潤滑油溜り236への漏出を防止するが、主潤滑油路238か
ら潤滑油が圧送されないときには弁室242内の下端開口
部に着座して潤滑油溜り236内の潤滑油を潤滑油路200へ
導く球状弁子244とを備えている。このため、車両の被
牽引時においては、車両の走行とともに中心軸54が回転
し、キャリヤ本体180内の径方向油路206内において遠心
油圧が発生するので、径方向油路206内の内周側部分が
負圧となる。この結果、エンジン10に駆動される油圧ポ
ンプ84が停止していても、被牽引時に駆動輪24とともに
回転する大径歯車94により潤滑油溜り236内に潤滑油が
満たされるとともに、その潤滑油溜り236内の潤滑油は
選択弁240を通って潤滑油路200へ吸引され、放出穴210
から潤滑油が連続的に放出される。したがって、エンジ
ン10とともに油圧ポンプ84が停止して潤滑油が圧送され
ない車両の被牽引時において、長時間にわたって或いは
高速で入力軸44が回転させられても、上記のように径方
向油路206のポンプ作用によって放出穴210から潤滑油が
放出されるので、前後進切換装置14の潤滑不良や、それ
に起因する摩耗或いは焼付が生じることがなく、耐久性
の低下が解消される。
なお、第2図においては、理解を容易とするために、
入力軸44と出力軸45および第1歯車86と第2歯車90およ
び第3歯車92と車軸22の各軸心が共通の平面内に表され
ているが、実際は、第5図に示すように、立体的に配置
されている。なお、前記潤滑油溜り236は、第5図の高
さ方向において回転軸88と車軸22との間に設けられる
が、好ましくは入力軸44より上の位置に設けられる。こ
のようにすれば、潤滑油溜り236内の潤滑油が高低差に
よっても中心軸54内の油路204へ導かれることができる
ので、径方向油路206の内周側に発生する負圧が小さく
ても潤滑油が放出穴210へ充分に補給される利点があ
る。
第4図に戻って、第2ケース100bの第2室104と第3
室106との間の仕切壁246の開口248には、前記ベアリン
グ232が嵌め着けられた壁部材250が嵌合されており、そ
の壁部材250の中心穴251を通して第3室106へ突き出し
た中心軸54とスプライン嵌合されているCVT12の入力軸4
4は、上記ベアリング232と第3ケース100cに嵌め着けら
れたベアリング252とにより回転可能に支持されてい
る。また、CVT12の出力軸45は、第3ケース100cに嵌め
着けられたベアリング254と上記仕切壁246に嵌め着けら
れたベアリング256とにより、入力軸44と平行な軸線ま
わりに回転可能に支持されている。
CVT16は第6図および第7図に詳しく示すように構成
されている。第6図において、入力側の可変プーリ66で
は、可動回転体76が第3ケース100c側に設けられる一
方、入力軸44の外周面において軸方向に形成されたガイ
ド溝260と可動回転体76の円筒状のボス部262の内周面に
おいて軸方向に形成されたガイド溝264とには、ガイド
ボール266が嵌め入れられており、可動回転体76が入力
軸44に対して相対回転不能且つ軸方向の移動可能に装着
されている。変速比γを検出するための変速比検知弁26
8が入力軸44内の仕切壁246側に設けられており、その変
速比検知弁268から第3ケース100c側へ突き出された検
知棒270は、前記ボス部262に両端部が固定され且つ穴27
2を通して入力軸44を径方向に貫通するロッド274に当接
させられている。
入力軸44の両端部には、大径穴280および中径穴282が
それぞれ軸方向に形成されるとともに、それら大径穴28
0および中径穴282を連通させる小径穴284が中間部に形
成されており、その小径穴284に前記検知棒270が摺動可
能に嵌合されている。前記中心軸54の端面には軸方向に
有底穴286が形成されているとともに、中心軸54の有底
穴286が形成されている側の軸端が上記大径穴280の開口
部内に嵌め入れられ、中心軸54の軸端の外周面と大径穴
280の開口部内周面との間でスプライン嵌合されてい
る。入力軸44および中心軸54のスプライン嵌合されてい
る部分は、径方向において重なる第1連結部276および
第2連結部278を構成している。
上記大径穴280は段付穴であって、その大径部内に段
突管状のスプールガイド288の大径部が嵌め入れられる
とともにシム287を介して止め輪289により取り着けら
れ、そのスプールガイド288の小径部が上記中心軸54の
有底穴286内に液密に嵌合されている。このスプールガ
イド288の小径部内にはスプール弁子290が摺動可能に嵌
合されており、このスプール弁290と検知棒270に固定さ
れたばね受け292との間にはスプール弁子290を閉弁方向
へ付勢するスプリング294が介挿されるとともに、検知
棒270に固定されたばね受け292とスプールガイド288の
大径部との間には検知棒270を突き出す方向へ付勢する
スプリング296が介挿されている。上記検知棒270 スプ
ールガイド288、スプール弁子290、スプリング294、お
よびスプリング296などが変速比検知弁268を構成してお
り、大径穴280および有底穴286が、入力軸44および中心
軸54にわたって形成された弁収容穴を構成しているので
ある。
上記のように構成された変速比検知弁268では、ライ
ン油路300内のライン圧Plが絞り298、仕切壁246内に形
成された油路302、壁部材250内に形成された油路304、
中心軸54内に形成された油路306を通して弁室308に導か
れると、スプール弁子290は、その端面に作用する弁室3
08内の圧力に基づく開弁方向の推力とスプリング294の
付勢力に基づく閉弁方向の推力とが平衡するように位置
させられる。閉弁方向の推力は可動回転体76の位置すな
わちCVT16の変速比γに対応した大きさであるので、ス
プールガイド288の小径部に設けられたドレンポート310
の開口面積がCVT16の変速比γに応じて変化させられ
る。このため、前記絞り298の下流側に、CVT16の変速比
γを表す変速比圧Prが発生させられて、上記油路306、3
04、302により取り出されるのである。なお、スプリン
グ294および296が収容されている大径穴280の小径部内
は連通穴312により大気圧とされている。
上記のように構成されたCVT16では、スプールガイド2
88の小径部が中心軸54の有底穴286に嵌合されており、
スプールガイド288の小径部が入力軸44と中心軸54との
スプライン嵌合部と径方向において重ねられた構成とさ
れ、中心軸54の一部が変速比検知弁268のバルブホデー
の一部として機能している。このため、入力軸44と動力
入力部材として機能する中心軸54とにわたって形成され
た前記弁収容穴およびこれに収容された変速機検知弁26
8は、入力軸44の一部である第1連結部276と中心軸54の
一部である第2連結部278と径方向において重ねられた
状態で構成されているので、入力軸44の軸方向寸法が小
さくされる一方、変速比検知弁268により発生させられ
る変速比圧Prは中心軸54内に弁収容穴と連通して形成さ
れた油路306により取り出されることから、入力軸44に
形成された油路を通してその入力軸44の外周面から取り
出す場合に比較して入力軸44を軸方向に短くできる。し
たがって、スプールガイド288を入力軸44内のみに嵌合
し、その入力軸44の軸端に中心軸54とのスプライン嵌合
部を更に設ける場合に比較して、軸方向寸法の小さいベ
ルト式無段変速機を得ることができるのである。
入力側の油圧シリンダ80において、可変プーリ66の第
3ケース100c側に位置している可動回転体76は、ボス部
262、ディスク状の本体部318、およびその本体部318の
背面においてボス部262の外周側に一体に突設された円
筒状の中径シリンダ部320から構成されており、その中
径シリンダ部320の先端には、軸方向において上記可動
回転体76の本体部318と重なる環状ピストン部材322がピ
ン324により位置決めされた状態で嵌め着けられてい
る。入力軸44には、ボス部262を収容可能な有底円筒部
状を成し且つ外周面において環状ピストン部材322の内
周縁と摺接する小径シリンダ部326とこの小径シリンダ
部326の開口から外周側へ伸び且つ上記可動回転体76と
環状ピストン部材322の間に位置して中径シリンダ部320
の内周面に摺接する第1フランジ部328とから成る第1
固定壁330と、円板状の第2フランジ部332とこの第2フ
ランジ部332の外周縁から可動回転体76側へ伸びる大径
シリンダ部334とから成る第2固定壁336とが固設されて
いる。図から明らかなように、それら第1固定壁330の
第1フランジ部328と第2固定壁336の第2フランジ部33
2は、軸方向において互いに離隔し且つ可動回転体76の
本体部318と重なり、第1固定壁330の小径シリンダ部32
6と第2固定壁336の大径シリンダ部334は、径方向にお
いて互いに離隔し且つ可動回転体76の中径シリンダ部32
0と重なるようになっている。そして、上記大径シリン
ダ部334の内周面には前記環状ピストン部材322の外周縁
が摺接させられている。これにより、可動回転体76の本
体部318、中径シリンダ部320、および第1フランジ部32
8により囲まれた第1油圧室338が形成されるとともに、
環状ピストン部材322、大径シリンダ部334、第2フラン
ジ部332、および小径シリンダ部326により囲まれた第2
油圧室340が形成されている。それら第1油圧室338およ
び第2油圧室340は、小径シリンダ部326に形成された貫
通穴342により連通させられており、図示しない変速制
御弁から一次側油路344を介して供給される作動油圧が
上記第1油圧室338および第2油圧室340に作用させられ
ることにより、伝動ベルト70を挟圧する方向の推力が発
生させられるようになっている。なお、第1フランジ部
328、中径シリンダ部320、環状ピストン部材322、およ
び小径シリンダ部326により囲まれた空室346には、潤滑
のためにベアリング252に供給された潤滑油の一部が第
1固定壁330および第2固定壁336に形成された油路348
により導き入れられ、環状ピストン部材322と中径シリ
ンダ部320との合わせ面の焼付が防止されるようになっ
ている。また、第1固定壁330および環状ピストン部材3
22の摺接部にはシール部材411が設けられている。
第7図に詳しく示すように、出力側の可変プーリ68で
は、出力軸45の外周面において軸方向に形成されたガイ
ド溝352と可動回転体78のボス部354の内周面において軸
方向に形成されたガイド溝356とには、ガイドボール358
が嵌め入れられており、可動回転体78が出力軸45に対し
て軸まわりの回転不能且つ軸方向の移動可能に装着され
ている。
出力側の油圧シリンダ82において、可変プーリ68の減
速ギヤ装置18側に位置している可動回転体78は、上記ボ
ス部354、ディスク状の本体部360、およびその本体部36
0の背面においてボス部354の外周側に一体に突設された
円筒状の大径シリンダ部362から構成されており、その
大径シリンダ部362の先端には、断面L字状のシュラウ
ド部材364が液密に固定されている。出力軸45には、ボ
ス部354を収容可能な有底円筒部状を成す小径シリンダ
部366とこの小径シリンダ部366の開口から外周側へ伸び
る第1フランジ部368とから成る第1固定壁370と、円板
状の第2フランジ部372とこの第2フランジ部372の外周
縁から可動回転体78側へ伸び且つ大径シリンダ部362の
内周面に摺接する中径シリンダ部374とから成る第2固
定壁376とが固設されている。図から明らかなように、
それら第1固定壁370の第1フランジ部368と第2固定壁
376の第2フランジ部372は、軸方向において互いに離隔
し且つ可動回転体78の本体部360と重なり、第1固定壁3
70の小径シリンダ部366と第2固定壁376の中径シリンダ
部374は、径方向において互いに離隔し且つ可動回転体7
8の大径シリンダ部362と重なるようになっている。そし
て、軸方向において第1フランジ部368と第2フランジ
部372との間に位置する第3フランジ部378と、径方向に
おいて中径シリンダ部374と小径シリンダ部366との間に
位置するシリンダ部380とから成るピストン部材382が設
けられており、その第3フランジ部378の内周縁は小径
シリンダ部366の外周面に摺接させられるとともに、そ
のシリンダ部380の内周面には第1フランジ部368の外周
縁が摺接させられており、上記シリンダ部380の端部は
本体部360の背面に当接させられている。これにより、
本体部360、第1固定壁370、およびシリンダ部380によ
り囲まれた第1油圧室384と、ピストン部材382、小径シ
リンダ部366、第2固定壁376、大径シリンダ部362、お
よび本体部360により囲まれた第2油圧室386とが形成さ
れている。それら第1油圧室384おび第2油圧室386は、
本体部360の背面の前記シリンダ部380が当接する付近に
形成された連通溝388を通して相互に連通させられてお
り、図示しない調圧弁により伝動ベルト70の張力を必要
かつ充分に維持するように調圧された張力制御油圧が二
次側油路390を介して第1油圧室384および第2油圧室38
6に作用されることにより、最適の張力を維持するため
の伝動ベルト70を挟圧する方向の推力が発生させられる
ようになっている。なお、可動回転体78と第1固定壁37
0との間には、補助的な推力を発生させるスプリング391
が介挿されている。
また、本実施例の油圧シリンダ82においては、第1油
圧室384および第2油圧室386内において発生する遠心油
圧に基づいて発生する推力の増加分を補償するために、
第1フランジ部368、小径シリンダ部366、第3フランジ
部378、およびシリンダ部380により囲まれた第1補償室
392が形成されており、第2固定壁376およびシュラウド
部材364により囲まれた第2補償室394が設けられてい
る。
出力軸45の端面には、第1歯車86が設けられた回転軸
396の軸端を嵌め入れるための有底穴398が形成されてお
り、回転軸396の軸端はその有底穴398の内周面とスプラ
イン嵌合されている。前記潤滑油路200内の潤滑油は、
上記回転軸396内に軸方向に形成された油路400へ導かれ
るとともに、ここで分岐され、一部の潤滑油は、出力軸
45の有底穴398から径方向に形成された油路402、第2固
定壁376および第1固定壁370内に形成された油路404お
よび406を通して第1補償室392へ供給され、他の一部の
潤滑油は、出力軸45の有底穴398から径方向に形成され
た油路408、第2固定壁376内に形成された油路410を通
して第2補償室394へ供給されて、第1補償室392および
第2補償室394が略大気圧の油により常時満たされるよ
うになっている。第1補償室392および第2補償室394は
シール部材411により油密に構成されているのである。
上記のように構成された油圧シリンダ82では、可動壁
として機能するビストン部材382と第1固定壁370との
間、すなわち、第1油圧室384と第2油圧室386との間の
空間に油が満たされた第1補償室392が設けられている
ことから、油圧シリンダ82内において、本来的に存在す
る空間を利用して遠心油圧を補償することができる。
また、本実施例では、上記第1補償室392に加えて、
シュラウド部材364によって形成される第2補償室394が
設けられているので、第1油圧室384および第2油圧室3
86内に発生する遠心油圧に起因する推力の増加分と略同
様の大きさの相殺推力を発生させる遠心油圧が第1補償
室392および第2補償室394内に発生させられるので、外
部において遠心油圧を補償するために二次側油路390へ
供給する油圧を補正するという油圧調整が殆ど不要とな
る利点がある。
また、油圧シリンダ82において、第1油圧室384およ
び第2油圧室386は、ピストン部材382のシリンダ部380
を介して隣接させられており、そのシリンダ部380が当
接する付近の本体部360の背面に形成された連通溝388を
通して連通させられるので、専用の連通路を設ける場合
に比較して、少なくともその連通路の穴径だけ軸方向寸
法が小さくなる利点がある。
また、油圧シリンダ82において、ピストン部材382の
円周状の押付面、すなわち本体部360の背面に対するシ
リンダ部380の当接面は油中に存在しているので、大き
な面圧が加えられつつ出力軸45が回転しても、その押圧
面の固着が防止される。
なお、第2図に戻って、第4室108内において、大径
歯車94により掻き上げられた潤滑油は、高低差を利用し
て油路412により車軸22を支持するためのテーパローラ
ベアリング414へ導かれるとともに、第3室106内から仕
切壁246の還流穴416を通して第4室108内へ還流した潤
滑油は、高低差を利用して油路417により車軸22を支持
するためをテーパローラベアリング418へ導かれるよう
になっている。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例では、キャリヤ本180内に径
方向油路206が形成されていたが、他の部材であっても
よい。要するに、入力軸44とともに回転する部材であれ
ばよいのである。
また、前述の実施例では、径方向油路206内に発生す
る遠心油圧により潤滑油を放出する放出穴210は遊星ギ
ヤ50または52の内周面に向かって潤滑油を放出していた
が、サンギヤ46或いはリングギヤ48に向かって放出する
ように構成されてもよいし、放出穴210が複数設けられ
ていてもよいのである。
また、前述の実施例の無段変速機は伝動ベルト70が巻
き掛けられる形式のベルト式無段変速機16であったが、
入力軸側コーンおよび出力軸側コーン間に、それらに対
する接触径が変化させられるローラが挟圧されるトラク
ション式の無段変速機であっても差し支えない。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を含む動力伝達装置の骨子
図である。第2図は、第1図の動力伝達装置全体を詳し
く示す図である。第3図は、第2図のトルクコンバータ
を拡大して説明する図である。第4図は、第2図の前後
進切換装置を拡大して説明する図である。第5図は、第
2図の動力伝達装置を軸方向から見た図である。第6図
は、第2図のベルト式無段変速機の入力軸付近を拡大し
て説明する図である。第7図は、第2図のベルト式無段
変速機の出力軸付近を拡大して説明する図である。 14:前後進切換装置(遊星歯車機構) 16:ベルト式無段変速機 44:入力軸 45:出力軸 180:キャリヤ本体(入力軸とともに回転する部材) 206:径方向油路 210:放出穴 236:潤滑油溜り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 各務 道孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−42861(JP,A) 特開 昭60−205068(JP,A) 特開 昭61−105345(JP,A) 特開 昭61−24857(JP,A) 実開 昭51−15565(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無段変速機を備え、該無断変速機の出力軸
    が車両の駆動輪とともに回転し且つ該無段変速機の入力
    軸の前段に遊星歯車機構が設けられることにより、車両
    の被牽引時において車両の駆動輪とともに前記無段変速
    機の入力軸が回転させられる形式の車両用動力伝達装置
    であって、 前記無段変速機の入力軸とともに回転する部材内におい
    て径方向に形成され、該入力軸の回転に基づいて遠心油
    圧を発生させる径方向油路と、 該径方向油路の外周側端部に接続され、前記遊星歯車機
    構内を潤滑するために前記遠心油圧に基づいて潤滑油を
    放出する放出穴と、 前記径方向油路の内周側端部に接続され、前記車両の被
    牽引時に潤滑油が満たされ、前記遠心油圧に基づいて該
    径方向油路の内周側端部に発生する負圧により潤滑油が
    吸引される潤滑油溜りと、 を含むことを特徴とする無段変速機を備えた車両用動力
    伝達装置。
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