JP2689594B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JP2689594B2 JP10304689A JP10304689A JP2689594B2 JP 2689594 B2 JP2689594 B2 JP 2689594B2 JP 10304689 A JP10304689 A JP 10304689A JP 10304689 A JP10304689 A JP 10304689A JP 2689594 B2 JP2689594 B2 JP 2689594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、遊星歯車装置のサンギヤの偏心に起因する
耐久性の低下を改善する技術に関するものである。
従来の技術 遊星歯車装置は、車両或いは産業機械において広く利
用されており、特に、動力伝達中においても比較的滑ら
かに切り換えられ得ること或いは比較的小型であること
などから、自動車の自動変速機としても多く用いられて
おり、また、たとえば、特開昭60−252857号および特開
昭61−130656号に示されているように無段変速機の副変
速機としても利用されている。
そして、上記のような遊星歯車装置の一種に、スプラ
イン歯が形成された回転軸と、その回転軸の軸端部にお
いて相対回転不能にスプライン嵌合されるサンギヤと、
そのサンギヤと噛み合う遊星ギヤを回転可能に支持する
キャリアと、前記遊星ギヤと噛み合うリングギヤと、前
記回転軸とキャリヤとの間に設けられたクラッチとを備
え、前記回転軸とキャリヤとの間で動力が伝達される形
式のものがある。
発明が解決すべき課題 ところで、上記形式の遊星歯車装置において回転軸と
キャリヤとの間を連結するクラッチは、一般に、前記回
転軸とともに回転する回転軸側回転体により支持された
摩擦部材と前記キャリヤとともに回転するキャリヤ側回
転体により支持された摩擦部材とが摩擦係合させられる
ように構成され、上記回転軸側回転体が前記サンギヤの
非軸端側に隣接した状態で前記回転軸にスプライン嵌合
される。
しかしながら、通常、サンギヤと回転軸とのスプライ
ン嵌合には、所定の遊びを形成するための隙間が形成さ
れ、サンギヤと回転軸との軸芯に直角方向の相対的位置
精度が得られないため、種々の不都合があった。たとえ
ば、組み立てに際して、回転軸にクラッチの回転軸側回
転体とサンギヤとをスプライン嵌合させ、その後、キャ
リヤのボス部とサンギヤとの間にスラストベアリングを
介在させつつ、回転軸の軸端に嵌合されたサンギヤにキ
ャリヤを同心に組み合わせる場合には、サンギヤおよび
キャリヤの一方に予め取り付けられたスラストベアリン
グの環状突起をサンギヤおよびキャリヤの他方に嵌め入
れるとき、サンギヤの芯が出ていないために組み付け作
業が甚だ困難となっていた。また、スプライン部の歯筋
に沿って回転軸の軸端側へ向かって潤滑油が給送される
場合には、回転軸側回転体とサンギヤとの間から潤滑油
が放出されることにより、上記スラストベアリングが充
分に潤滑されない欠点があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、サンギヤの芯位置が高精
度に位置決めされる遊星歯車装置を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するため、本発明の要旨とするところ
は、スプライン歯が形成された回転軸と、その回転軸の
軸端部において相対回転不能にスプライン嵌合されるサ
ンギヤと、そのサンギヤと噛み合う遊星ギヤを回転可能
に支持するキャリヤと、前記遊星ギヤと噛み合うリング
ギヤと、前記回転軸とともに回転する回転軸側回転体に
より支持された摩擦部材と前記キャリヤとともに回転す
るキャリヤ側回転体により支持された摩擦部材とが摩擦
係合させられることにより、上記回転軸とキャリヤとの
間を連結するクラッチとを備え、クラッチの回転軸側回
転体がサンギヤの非軸端側に隣接した状態で前記回転軸
にスプライン嵌合される形式の遊星歯車装置において、
前記回転軸側回転体をハウジングにより回転可能に支持
し、且つその回転軸側回転体と前記サンギヤとを相互に
嵌め合せたことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、前記回転軸とともに回転するクラ
ッチの回転軸側回転体がハウジングにより回転可能に支
持され、且つその回転軸側回転体と前記サンギヤとが相
互に嵌め合せられているので、サンギヤは回転軸側回転
体を介してハウジングにより精度良く同心位置に支持さ
れる。このため、組み立てに際して、回転軸にクラッチ
の回転軸側回転体とサンギヤとをスプライン嵌合させ、
その後、キャリヤのボス部とサンギヤとの間にスラスト
ベアリングを介在させつつ、回転軸の軸端に嵌合された
サンギヤにキャリヤを同心に組み合わせる場合には、サ
ンギヤおよびキャリヤの一方に予め取り付けられたスラ
ストベアリングの環状突起をサンギヤおよびキャリヤの
他方へ容易に嵌め入れ得、組み立て作業が簡単となる。
また、スプライン歯の歯筋に沿って回転軸の軸端側へ潤
滑油が給送される場合には、連結部材とサンギヤとの間
から放出される潤滑油が容易に制限され得るので、スラ
ストベアリングが充分に潤滑されて遊星歯車の耐久性が
高められる。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図は、本発明の一実施例の遊星歯車装置を備えた
車両の動力伝達装置を示す骨子図である。この動力伝達
装置は、FF車両の横置トランスアクスル内に設けられる
ものである。図において、エンジン8の動力はロックア
ップクラッチ付フルードカップリング10、ベルト式無段
変速機(以下、CVTという)12、副変速機14、減速ギヤ
装置16、および差動歯車装置18を経て駆動軸20に連結さ
れた駆動輪21へ伝達されるようになっている。
フルードカップリング10は、エンジン8のクランク軸
22と接続されているポンプ翼車24と、CVT12の入力軸26
に固定されポンプ翼車24からのオイルにより回転させら
れるタービン翼車28と、ダンパ30を介して入力軸26に固
定されたロックアップクラッチ32とを備えている。ロッ
クアップクラッチ32は、たとえば車速、エンジン回転速
度、またはタービン翼車28の回転速度が所定値以上にな
ると作動させられて、クランク軸22と入力軸26とを直結
状態にするものである。
CVT12は、入力軸26および出力軸34にそれぞれ設けら
れた可変プーリ36および38と、それら可変プーリ36およ
び38に巻き掛けられた伝動ベルト40とを備えている。可
変プーリ36および38は、入力軸26および出力軸34にそれ
ぞれ固定された固定回転体42および44と、入力軸26およ
び出力軸34にそれぞれ軸方向の移動可能かつ軸回りの相
対回転不能に設けられた可動回転体46および48とから成
り、可動回転体46および48が油圧アクチュエータとして
機能する油圧シリンダ50および52によって移動させられ
ることによりV溝幅すなわち伝動ベルト40の掛り径(有
効径)が変更されて、CVT12の変速比γ(=入力軸26の
回転速度Nin/出力軸34の回転速度Nout)が変更されるよ
うになっている。油圧シリンダ50は所謂ダブルピストン
形式であって専ら変速比γを変更するために作動させら
れ、油圧シリンダ52は専ら伝動ベルト40のすべりが生じ
ない範囲で最小の挟圧力が得られるように作動させられ
る。なお、油圧ポンプ54は図示しないCVT油圧制御装置
の油圧源を構成するものであって、エンジン8とともに
回転するポンプ翼車24によって常時回転駆動されるよう
になっている。上記CVT油圧制御装置としては、たとえ
ば、特開昭62−9055号、特開昭62−196445号、および特
願昭62−208781号に記載されたものの全体若しくは一部
が用いられ、CVT12および副変速機14が制御される。
副変速機14は、CVT12の後段に直列に連結され且つ図
示しないシフトレバーの操作位置に従って前進ギヤ段ま
たは後進ギヤ段に択一的に切り換えられるダブルピニオ
ン型の遊星歯車装置であって、CVT12の出力軸34と同軸
的に設けられている。この遊星歯車装置は、出力軸34に
一体的に設けられたサンギヤ56と、このサンギヤ56と同
心に設けられたリングギヤ58と、それらリングギヤ58お
よびサンギヤ56の一方および他方と噛み合い且つ互いに
噛み合う一対の遊星ギヤ60および62と、サンギヤ56およ
びリングギヤ58と同心に設けられたボス部64とこのボス
部64から外周側へ延びるフランジ部66とこのフランジ部
66から上記ボス部64の軸心と平行な方向へ突設されて一
対の遊星ギヤ60および62を回転可能に支持するキャリヤ
ピン68とを有するキャリヤ70とを備えている。さらに、
この遊星歯車装置は、二次側可変プーリ38の固定回転体
44とキャリヤ70との間を選択的に連結する前進クラッチ
72と、リングギヤ58と位置固定のハウジング74との間を
選択的に連結する後進ブレーキ76とを備えている。した
がって、前進クラッチ72が係合させられると、固定回転
体44とキャリヤ70との間が連結されて、出力軸34とキャ
リヤ70とが一体的に回転するので、キャリヤ70のボス部
64と同心に連結された第1歯車78が前進方向へ回転させ
られる。また、上記後進ブレーキ76が係合させられる
と、ハウジング74とリングギヤ58との間が連結されてリ
ングギヤ58が非回転状態とされるので、出力軸34と反対
の方向、すなわち後進方向へキャリヤ70および第1歯車
78が回転させられる。この第1歯車78は、上記副変速機
14の出力歯車として機能する。
第2歯車80および第3歯車82は、共通の軸部を介して
一体的に連結されており、第1歯車78の軸心と平行な軸
心まわりに回転可能に設けられている。第2歯車80は第
1歯車78と噛み合わせられており、第1歯車78よりも大
径である。第3歯車82は、第2歯車80よりも小径であ
り、差動歯車装置18の大歯車84と噛み合わされている。
上記第1歯車78、第2歯車80、および第3歯車82は、減
速歯車装置として機能している。
差動歯車装置18は、大歯車84と一体的に回転する一対
の差動小歯車86と、この差動小歯車86と噛み合い且つ駆
動軸20に連結された一対の差動大歯車88とを備えてい
る。したがって、副変速機14から伝達された動力は、差
動歯車装置18において左右の駆動軸20へ均等に分配され
た後、左右の駆動輪21へ伝達される。
第3図は、第2図の骨子図に示された動力伝達装置を
更に詳しく示す図である。図において、ハウジング74
は、たとえば、アルミニウムダイキャスト製品であっ
て、ボルトにより互いに一体的に連結された第1ケース
74a、第2ケース74b、第3ケース74cから構成されてお
り、フルードカップリング10を収容する第1室90と、CV
T12を収容する第2室92と、副変速機14を収容する第3
室94と、減速ギヤ装置16および差動歯車装置18を収容す
る第4室96とが設けられている。図に表されているボル
ト98は、第1ケース74aと第2ケース74bとを固定してい
る。
油圧ポンプ54のロータ100は、歯車状を成しており、
相対回転可能に且つ偏心した状態でポンプ翼車24の円筒
部に嵌合されている。油圧ポンプケース102は、上記ロ
ータ100と噛み合う内周歯を備えており、第1ケース74a
と第1室90と第2室92との間に隔壁に相当する部分に形
成された穴103に嵌合された状態で、ボルト104により第
2ケース74bに固定されている。
第2ケース74bの一部には開口106が設けられている。
前進クラッチ72や後進ブレーキ76を制御するための制御
弁などが組み入れられたバルブボデー108には、アキュ
ムレータ110がボルト107により固定されており、バルブ
ボデー108がボルト112によって上記開口106の開口縁に
固定されることにより、アキュムレータ110が第2室92
内に収容されている。アキュムレータ110は、有底円筒
状の本体114とこの本体114内に摺動可能に嵌合されて内
容積を変化させるピストン116と内容積を小さくする方
向にピストン116を付勢するスプリング118とを備えてい
る。なお、バルブボデー108の一面には、差動油路を構
成するためのバルブプレート109がボルト111により固定
されており、それを覆うカバー113が前記ボルト112によ
って共締めにより固定されている。アキュムレータ110
は、前進クラッチ72または後進ブレーキ76を駆動する油
圧アクチュエータと接続され、内容積の変化により前記
制御弁により供給されさ作動油圧の上昇を緩和して前進
クラッチ72または後進ブレーキ76の係合を滑らかとする
ためのものである。上記のように、アキュムレータ110
が第2ケース74bと別体に構成されているので、第2ケ
ース74bにおいて巣穴の発生が抑制されて第2ケース74b
或いはアキュムレータ110の歩留まりが向上するととも
に、上記有底円筒状の本体114の裏側部分の無駄肉が除
去される。また、アキュムレータ110が第2ケース74bと
別体に構成されているので、第2ケース74bから取り外
した状態で単体の性能チェックが可能となる。さらに、
上記のように別体に構成されることにより、本体114内
にピストン116を嵌合するための穴あけ加工が簡単に行
われ得て、その穴あけ加工に対応する第2ケース74bの
加工ステーションが1つ不要となる。
前記CVT12の入力軸26は、第2ケース74bおよび第3ケ
ース74cに嵌め着けられたベアリング120および122によ
り、クランク軸22と同一軸線上において回転可能に支持
されている。CVT12の出力軸34は、第3ケース74cおよび
第2ケース74bに嵌め着けられたベアリング124および12
6により、入力軸26と平行な軸線まわりの回転可能に支
持されている。一方、第1ケース74aには、第1歯車7
8、第2歯車80および第3歯車82を支持するための第4
ケース74dが固定されている。この第4ケース74dは、前
記第3室94と第4室96との間の隔壁にも相当する。第1
歯車78の軸部は、第1ケース74aおよび第4ケース74dに
嵌め着けられたベアリング128および130により、出力軸
34と同じ軸線上に回転可能に支持されている。また、第
2歯車80および第3歯車82の共通の軸部も、第1ケース
74aおよび第4ケース74dに嵌め着けられたベアリング13
2および134により、第1歯車78と平行な軸線まわりの回
転可能に支持されている。そして、大歯車84が固定され
且つ差動小歯車86を回転可能に支持するピンが固定され
た差動ケース136は、第1ケース74aおよび第2ケース74
bに嵌め着けられたベアリング138および140により回転
可能に支持されている。なお、第1ケース74aには、大
歯車84、第3歯車82、第2歯車80の回転に伴って第4室
96内の底部から掻き上げられた潤滑油を受ける周壁144
とこの周壁144によって受けられた潤滑油をベアリング1
38へ導くための潤滑油路146が設けられている。
第1図は、副変速機14および減速ギヤ装置16を詳しく
示す図である。図において、第2ケース74bから第3室9
4側へ貫通させられた出力軸34の軸端部は小径に形成さ
れ、そこには、複数本のスプライン歯が形成されたスプ
ライン軸部148が設けられている。円環状のシリンダボ
アを備えたシリンダ本体、すなわちクラッチドラム150
は上記スプライン軸部148にスプライン嵌合された円筒
状の連結部材152に一体的に固設されており、このクラ
ッチドラム150内には円環状のピストン154が摺動可能に
嵌合されている。上記クラッチドラム150、ピストン15
4、リターンスプリング155などは、前進クラッチ72を作
動させるための油圧アクチュエータとして機能する。
上記前進クラッチ72は、クラッチドラム150の外周部
に相対回転不能且つ軸方向の移動可能に係合させられた
複数枚の円環状プレート157と、キャリヤ70の一部に固
定されたクラッチハブ159に相対回転不能且つ軸方向の
移動可能に係合させられるとともにプレート157間に交
互に位置させられた複数枚の円環状ディスク161とを備
えており、それらプレート157およびディスク161がピス
トン154によって相互に押圧されることにより動力が伝
達されるようになっている。本実施例では、上記プレー
ト157およびディスク161が前進クラッチ72の摩擦部材に
それぞれ対応し、前記クラッチドラム150および連結部
材152はプレート157を支持する回転軸側回転体に対応
し、上記クラッチハブ159はディスク161を支持するキャ
リヤ側回転体に対応している。
上記出力軸34を第3室94側へ貫通させるために第2ケ
ース74bに設けられた貫通穴156には、スリーブ158が嵌
め着けられており、上記連結部材152およびこれに固定
されたクラッチドラム150がベアリング160を介してスリ
ーブ158の内周面により支持されているとともに、この
スリーブ158の外周面の一部と貫通穴156の内周面との間
を通して、シリンダ本体150とシリンダ154とにより形成
された圧力室へ作動油圧を供給するための前進用油路16
2が形成されている。また、上記スリーブ158には、スプ
ライン軸部148へ潤滑油を強制的に供給する潤滑油路164
の一部を形成する貫通孔166が設けられている。この潤
滑油路164には、油圧ポンプ54により圧送された作動油
の一部、たとえば、ロックアップクラッチ32を作動させ
るなどのために調圧されてフルードカップリング10ヘ供
給されるクラッチ圧油の一部が供給される。なお、上記
前進クラッチ72を作動させるための油圧アクチュエータ
において、ピストン154には、上記圧力室へ作動油圧が
供給されてその圧力室内の圧力が高い場合には作動油の
流出を阻止するが、その圧力室内の作動油が排圧されて
低くなると、作動油の流出を許容する逆止弁168が設け
られており、前進クラッチ72の切れ特性が改善されてい
る。
前記出力軸34(スプライン軸部148)の軸端部には、
連結部材152に隣接した状態でサンギヤ56もスプライン
嵌合されている。この連結部材152のサンギヤ56側には
円筒状の突起170が設けられている一方、サンギヤ56の
連結部材152側にも円筒状の突起172が設けられており、
それら突起170および172が相対回転可能且つ液密に嵌合
されている。これにより、サンギヤ56は、連結部材152
およびベアリング160を介してハウジング74の第2ケー
ス74bにより回転可能に支持されるので、高精度に芯出
しされている。また、上記のように突起170および172が
嵌合されることにより、潤滑油路164からスプライン軸
部148の歯筋に沿って送給された潤滑油がサンギヤ56と
の嵌合部を通過し、サンギヤ56とキャリヤ70のボス部64
との間に介在させられたスラストベアリング174を通し
て外周側へ流出させられるようになっている。なお、ス
プライン軸部148の歯筋に沿って潤滑油を送給するに際
して、少数本のスプライン歯が除去されてもよい。上記
により、スプライン軸部148の潤滑に加えて、ベアリン
グ174を通して外周側へ流出する潤滑油によりサンギヤ5
6やその外周側に位置する遊星ギヤ60、62、リングギヤ5
8、後進ブレーキ76などの潤滑が行われる。また、連結
部材152には、漏出孔175が設けられており、ベアリング
160、およびスリーブ158と連結部材152との嵌合隙間を
通過した潤滑油が漏出孔175から遠心力により外周側へ
流出させられて前進クラッチ72の潤滑が行われるように
なっている。さらに、サンギヤ56に形成された円筒状の
突起172にも、漏出口177が設けられて前進クラッチ72の
潤滑が行われるようになっている。
出力歯車78の軸端部は出力軸34の端部に液密に嵌合さ
れており、油圧シリンダ52へ作動油を供給するための、
出力歯車78および出力軸34の軸心を貫通する油路176が
設けられている。また、出力歯車78の軸端部にもスプラ
イン軸部178が形成されており、そのスプライン軸部178
には、キャリヤ70のボス部64がスプライン嵌合されてい
る。前述のように、円筒状のボス部64の一部から外周側
へ向かって伸びる円板状のフランジ部66には複数のキャ
リヤピン68が立設されており、遊星ギヤ60および62がニ
ードルベアリング180を介してキャリヤピン68により回
転可能に支持されている。それらキャリヤピン68の先端
部は、円環状の連結板182によって互いに連結されてい
る。
遊星ギヤ60は、遊星ギヤ62の軸心よりも外周側に位置
する軸心まわりに回転可能に設けられており、リングギ
ヤ58の内周歯と噛み合わされている。リングギヤ58は、
摺動ワッシャ184および186を介して、第2ケース74bに
固定された位置決め板188とキャリヤ70のフランジ部66
とに挟まれることにより、軸方向に位置決めされてい
る。後進ブレーキ76は、第2ケース74bに固設された円
環状のアンカー部材190と、このアンカー部材190の内周
面において相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けら
れた複数のプレート192と、リングギヤ58の外周面にお
いて相対回転不能且つ軸方向の移動可能であってプレー
ト192と交互に設けられた複数のディスク194とを備えて
おり、ピストン198によりプレート192およびディスク19
4が相互に押圧されることによりリングギヤ58の回転が
阻止される。ピストン198は、第2ケース74bに形成され
た円環状のシリンダボア196内に摺動可能に嵌合されて
おり、リターンスプリング199により戻されるようにな
っている。上記シリンダ196、ピストン198、リターンス
プリング199などは、後進ブレーキ76を作動させるため
の油圧アクチュエータに対応する。
前記フランジ部66に立設されたキャリヤピン68には、
軸心方向に貫通し且つ一端が盲蓋200により閉塞された
貫通孔とこの貫通孔の中間部から内周側(キャリヤ70の
軸心側)へ抜ける孔とから成る貫通油路202が設けられ
ている。この貫通油路202は、遊星ギヤ60および62の内
周部および外周部を潤滑するために、フランジ部66の第
1歯車78側の一面から遊星ギヤ60および62へ向かって設
けられているのである。
キャリヤ70のフランジ部66には、筒状を成すレシーバ
部材204がキャリヤ70と同心に取り着けられている。こ
のレシーバ部材204は、第4ケース74dにおいてボス部64
を貫通させるために形成されている孔206内に所定の遊
びを形成しつつ嵌め入れられて先端部がベアリング130
に近接させられる円筒部208と、この円筒部208の端部か
ら離れる程大径となる円錐部210と、円錐部210の端部か
ら外周方向へ伸びる円板状部212とを順次備えており、
この円板状態212が、フランジ部66の第1歯車78側であ
って、前記貫通油路202の開口部よりも外周側に固定さ
れている。
なお、第3図においては、理解を容易とするために、
入力軸26の出力軸34および第1歯車78と第2歯車80およ
び第3歯車82と駆動軸20の各軸心が共通の平面内に表さ
れているが、実際は、立体的に配置されている。
したがって、以上のように構成された本実施例におい
ては、出力軸34のスプライン軸部148において、連結部
材152のサンギヤ56側に突設された円筒状の突起170がサ
ンギヤ56の連結部材152側に突設された円筒状の突起172
内に相対回転可能に嵌め入れられているので、サンギヤ
56は、連結部材152およびベアリング160を介してハウジ
ング74の第2ケース74bにより回転可能に支持されて高
精度に芯出しされている。このため、組み立てに際し
て、出力軸34のスプライン軸部148に連結部材152および
サンギヤ56をスプライン嵌合させ、その後、キャリヤ70
のボス部64とサンギヤ56との間にスラストベアリング17
4を介在させつつ、出力軸34の軸端に嵌合されたサンギ
ヤ56にキャリヤ70を同心に組み合わせる場合には、キャ
リヤ70の穴に装着されたスラストベアリング174の環状
突起をサンギヤ56の穴へ容易に嵌め入れ得、組み立て作
業が簡単となる。上記スラストベアリング174は、軸方
向に突き出す環状突起を有するリテーナを備えており、
遊星歯車装置の組み立てに先立って、そのリテーナの一
方の環状突起がサンギヤ56の穴およびキャリア70のボス
部64の穴の一方に予め挿し込まれることにより予め装着
され、出力軸34の軸端に嵌合されたサンギヤ56にキャリ
ヤ70を同心に組み合わせる際に、上記リテーナの他方の
環状突起がサンギヤ56およびキャリヤ70の他方に嵌め入
れられるのであるが、キャリヤ70の芯が出ていない場合
には、上記リテーナの他方の環状突起をサンギヤ56およ
びキャリヤ70の他方に嵌め入れることが困難であったの
である。
また、本実施例によれば、前述のように、潤滑油路16
4を通して圧送された潤滑油が、スプライン軸部148の歯
筋に沿って出力軸34の軸端側へ給送される場合には、漏
出孔177の径に従って連結部材152とサンギヤ56との間か
ら放出される潤滑油が容易に制限され得るので、スラス
トベアリング174が充分に潤滑されて遊星歯車の耐久性
が高められる。因に、連結部材152とサンギヤ56とが相
互に嵌合されない場合には、それら連結部材152とサン
ギヤ56との間から潤滑油が無制限に或いは不安定に漏出
してスラストベアリング174が充分に潤滑されない場合
があったのである。
また、本実施例によれば、サンギヤ56は、連結部材15
2およびベアリング160を介してハウジング74の第2ケー
ス74bにより回転可能に支持されているので、車両の後
退走行などにおいてCVT12の伝動ベルト40の張力に関連
して出力軸34に撓みが生じても、サンギヤ56が偏心せ
ず、その偏心に起因するギヤノイズの発生が好適に解消
される。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例においては、連結部材152の
一部である円筒状の突起170がサンギヤ56の連結部材152
側に突設された円筒状の突起172内に相対回転可能に嵌
め入れられていたが、逆に、連結部材152の一部である
円筒状の突起172が連結部材152の円筒状の突起170内に
嵌め入れられていてもよいのである。要するに、サンギ
ヤ56は軸芯に直角な方向に相対移動不能に連結部材152
と嵌合されていればよいのである。
また、前述の実施例において、連結部材152がベアリ
ング160を介して第2ケース74bに回転可能に支持される
ことにより、前進クラッチ72の回転軸側回転体が精度良
く位置決めされていたが、クラッチドラム150が第2ケ
ース74bに回転可能に支持されていてもよいのである。
また、前述の実施例において、前後進を切り換えるた
めのダブルピニオン式の遊星歯車装置(副変速機14)に
ついて説明されているが、シングルピニオン式の遊星歯
車装置、多段階の前進ギヤ段などを備えた遊星歯車装
置、複数の遊星歯車装置が連結された自動車用トランス
ミッションなどの他の形式の遊星歯車装置においても本
発明が適用され得るのである。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第2図は、本発明の一実施例を含む動力伝達装置の骨子
図である。第3図は、第2図の動力伝達装置を詳細に説
明する図である。第1図は、第2図の副変速機を拡大し
て説明する図である。 14:副変速機(遊星歯車装置) 34:出力軸(回転軸) 56:サンギヤ 58:リングギヤ 60,62:遊星ギヤ 70:キャリヤ 72:前進クラッチ(クラッチ) 74:ハウジング 148:スプライン軸部 150:クラッチドラム(回転軸側回転体) 152:連結部材(回転軸側回転体) 157:プレート(摩擦部材) 159:クラッチハブ(キャリヤ側回転体) 161:ディスク(摩擦部材)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スプライン歯が形成された回転軸と、該回
    転軸の軸端部において相対回転不能にスプライン嵌合さ
    れるサンギヤと、該サンギヤと噛み合う遊星ギヤを回転
    可能に支持するキャリヤと、前記遊星ギヤと噛み合うリ
    ングギヤと、前記回転軸とともに回転する回転軸側回転
    体により支持された摩擦部材と前記キャリヤとともに回
    転するキャリヤ側回転体により支持された摩擦部材とが
    摩擦係合させられることにより、該回転軸とキャリヤと
    の間を連結するクラッチとを備え、前記回転軸側回転体
    が前記サンギヤの非軸端側に隣接した状態で前記回転軸
    にスプライン嵌合される形式の遊星歯車装置において、 前記回転軸側回転体をハウジングにより回転可能に支持
    し、且つ該回転軸側回転体と前技サンギヤとを相互に嵌
    め合せたことを特徴とする遊星歯車装置。
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