JP2689641B2 - 車両用動力伝達装置の副変速装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置の副変速装置

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JP2689641B2 JP1236628A JP23662889A JP2689641B2 JP 2689641 B2 JP2689641 B2 JP 2689641B2 JP 1236628 A JP1236628 A JP 1236628A JP 23662889 A JP23662889 A JP 23662889A JP 2689641 B2 JP2689641 B2 JP 2689641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用動力伝達装置において無段変速機な
どの主変速装置に接続して設けられる遊星歯車機構を備
えた副変速装置におけるクラッチ部材の耐久性を向上さ
せる技術に関するものである。
従来の技術 エンジンなどの駆動源からの動力を所望の変速比とな
るよう変速して伝達する動力伝達装置の一部分として、
例えばその入力軸に対する出力軸の回転方向を切り換え
るために主変速装置に接続して設けられる副変速装置が
ある。この副変速装置として利用される機構の一つに遊
星歯車機構があり、特に、車両用動力伝達装置における
副変速装置(前後進切換装置)としては、動力を比較的
滑らかに変速して伝達できること、或いは、装置として
比較的小型であることなどから遊星歯車機構を用いるこ
とが一般的である。たとえば、特開昭60−252857号や特
開昭61−130656号などに示されているように無断変速機
などの主変速装置を備えた車両用動力伝達装置における
副変速機(前後進切換装置)がそれである。
上記のような副変速装置として遊星歯車機構が用いら
れる場合には、一般に、その入力軸と出力軸とを直結す
る直結クラッチを組み合わせて構成されるとともに、例
えば主変速装置の出力軸が副変速装置の入力軸として用
いられ、主変速装置と副変速装置とが同心且つ直列に設
けられることにより、動力伝達装置全体が一層コンパク
トに構成されるようになっているのが普通である。
発明が解決しようとする課題 ところで、上記のような副変速装置においては、主変
速装置の出力軸に直結クラッチのクラッチドラムが円筒
状の連結部などを介してスプライン嵌合されており、そ
の出力軸に対し相対回転不能に支持されている。そのた
め、たとえば、主変速装置の伝達トルクが大きくなる
と、その出力軸が撓んだ状態で回転することから振れ回
りが発生し、その出力軸にスプライン嵌合している上記
連結部およびクラッチドラムなどに芯振れが生じるた
め、副変速装置の耐久性低下や騒音の原因となってい
た。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、主変速装置に連結される
副変速装置の耐久性を向上させることにある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するためには、連結クラッチを上記出
力軸の振れ回りを許容しつつ芯振れを起こさずに回転で
きるように支持すればよく、本発明の要旨とするところ
は、(a)一軸心まわりに相対回転可能に設けられたサ
ンギヤおよびリングギヤと、それらと噛み合う遊星ギヤ
と、その遊星ギヤを回転可能に支持するキャリヤとを備
え、主変速装置の出力軸が前記サンギヤと相対回転不能
に連結される遊星歯車機構と、(b)前記出力軸とスプ
ライン嵌合する円筒状の連結部を有し、上記出力軸と前
記キャリアとを直結する直結クラッチとを備えた車両用
動力伝達装置の副変速装置において、(c)前記連結部
の外周面と、前記出力軸を支持するハウジングまたはそ
れと一体の部材の内周面との間に、前記直結クラッチを
回転可能に支持する軸受を設けたことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、前記直結クラッチの円筒状の連結
部が、その外周面とハウジングまたはそれと一体の部材
の内周面との間に設けられた軸受を介して回転可能に支
持されることから、上記連結部およびこれに支持される
部材は出力軸によって芯出しされる必要がないので、そ
の連結部と出力軸とのスプライン嵌合は通常のスプライ
ン嵌合に比較してクリアランスが大幅に大きくされる。
このため、たとえば、主変速装置がベルト式無断変速機
である場合には、その伝動ベルトの張力に起因してその
出力軸が撓んだ状態で回転して振れ回りが発生したとし
ても、上記直結クラッチの連結部およびこれに支持され
るクラッチドラムなどは、それ自身は振れ回ることなく
回転し、上記出力軸の振れ回りを許容することができ
る。これにより、クラッチドラムをはじめ直結クラッチ
を構成する各部材や遊星歯車機構側の前記キャリアなど
の耐久性が高められるとともに騒音が抑制されるのであ
る。
なお、前記サンギヤは、好適には、前記出力軸とスプ
ライン嵌合するとともに前記直結クラッチの連結部と同
心且つ密に嵌合することにより、その連結部と同様に前
記軸受によってセンタリングされた状態に支持される。
これにより、上記サンギヤと前記出力軸とのスプライン
嵌合も通常のスプライン嵌合よりもクリアランスが大幅
に大きくされ得るため、出力軸の振れ回りを許容しつつ
サンギヤ自身が振れ回ることなく動力を伝達することが
でき、そのサンギヤをはじめ遊星歯車機構を構成する各
部材の耐久性が高められる。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は、本発明の一実施例の副変速装置(副変速機
14)を備えた車両用動力伝達装置を示す骨子図である。
この動力伝達装置は、FF車両の横置トランスアクスル内
に設けられるものである。図において、エンジン8の動
力はロックアップクラッチ付フルードカップリング10、
ベルト式無段変速機(以下、CVTという)12、副変速機
(副変速装置)14、減速ギヤ装置16、および差動歯車装
置18を経て駆動軸20に連結された駆動輪21へ伝達される
ようになっている。
流体継手10は、エンジン8のクランク軸22と接続され
ているポンプ翼車24と、CVT12の入力軸26に固定されポ
ンプ翼車24からのオイルにより回転させられるタービン
翼車28と、ダンパ30を介して入力軸26に固定されたロッ
クアップクラッチ32とを備えている。ロックアップクラ
ッチ32は、たとえば車速、エンジン回転速度、またはタ
ービン翼翼28の回転速度が所定値以上になると作動させ
られて、クランク軸22と入力軸26とを直結状態にするも
のである。
CVT12は、入力軸26および出力軸34にそれぞれ設けら
れた可変プーリ36および38と、それら可変プーリ36およ
び38に巻き掛けられた伝動ベルト40とを備えている。可
変プーリ36および38は、入力軸26および出力軸34にそれ
ぞれ固定された固定回転体42および44と、入力軸26およ
び出力軸34にそれぞれ軸方向の移動可能かつ軸回りの相
対回転不能に設けられた可動回転体46および48とから成
り、可動回転体46および48が油圧アクチュエータとして
機能する油圧シリンダ50および52によって移動させられ
ることによりV溝幅すなわち伝動ベルト40の掛け径(有
効径)が変更されて、CVT12の変速比γ(=入力軸26の
回転速度Nin/出力軸34の回転速度Nout)が変更されるよ
うになっている。油圧シリンダ50は所謂ダブルピストン
形式であって専ら変速比γを変更するために作動させら
れ、油圧シリンダ52は専ら伝動ベルト40のすべりが生じ
ない範囲で最小の挟圧力が得られるように作動させられ
る。
なお、油圧ポンプ54は図示しないCVT油圧制御装置の
油圧源を構成するものであって、エンジン8とともに回
転するポンプ翼車24によって常時回転駆動されるように
なっている。上記CVT油圧制御装置としては、たとえ
ば、特開昭62−9055号、特開昭62−196445号、および特
開平1−49749号に記載されたものの全体若しくは一部
が用いられ、CVT12および副変速機14が制御される。
副変速機14は、本実施例における主変速装置としての
CVT12の後段に直列に連結され且つ図示しないシフトレ
バーの操作位置に従って前進ギヤ段または後進ギヤ段に
択一的に切り換えられるダブルピニオン型の遊星歯車機
構からなる前後進切換装置であって、CVT12の出力軸34
と同軸的に設けられている。この遊星歯車機構は、副変
速機14の入力軸でもある出力軸34に一体的に設けられた
サンギヤ56と、このサンギヤ56と同心に設けられたリン
グギヤ58と、それらリングギヤ58およびサンギヤ56の一
方および他方の噛み合い且つ互いに噛み合う一対の遊星
ギヤ60および62と、サンギヤ56およびリングギヤ58と同
心に設けられたボス部64とこのボス部64から外周側へ延
びるフランジ部66とこのフランジ部66から上記ボス部64
の軸心と平行な方向へ突設されて一対の遊星ギヤ60およ
び62を回転可能に支持するキャリヤピン68とを有するキ
ャリヤ70とを備えている。
さらに、この遊星歯車機構は、二次側可変プーリ38の
固定回転体44とキャリヤ70との間を選択的に連結する前
進クラッチ72と、リンクギヤ58と位置固定のハウジング
74との間を選択的に連結する後進ブレーキ76とを備えて
いる。したがって、前進クラッチ72が係合させられる
と、固定回転体44とキャリヤ70との間が連結されて、出
力軸34とキャリヤ70とが一体的に回転するので、キャリ
ヤ70のボス部64と同心に連結された第1歯車78が前進方
向へ回転させられる。また、上記後進ブレーキ76が係合
させられると、ハウジング74とリングギヤ58との間が連
結されてリングギヤ58が非回転状態とされるので、出力
軸34と反対の方向、すなわち後進方向へキャリヤ70およ
び第1歯車78が回転させられる。この第1歯車78は、上
記副変速機14の出力歯車として機能する。
なお、上記のように本実施例では、前記出力軸34が主
変速装置の出力軸に対応し、また、前記前進クラッチ72
が直結クラッチに対応している。
第2歯車80および第3歯車82は、共通の軸部を介して
一体的に連結されており、第1歯車78の軸心と平行な軸
心まわりに回転可能に設けられている。第2歯車80は第
1歯車78と噛み合わせられており、第1歯車78よりも大
径である。第3歯車82は、第2歯車80よりも小径であ
り、差動歯車装置18の大歯車84と噛み合わされている。
上記第1歯車78、第2歯車80、および第3歯車82は、減
速歯車装置として機能している。
差動歯車装置18は、大歯車84と一体的に回転する一対
の差動小歯車86と、この差動小歯車86と噛み合い且つ駆
動軸20に連結された一対の差動大歯車88とを備えてい
る。したがって、副変速機14から伝達された動力は、差
動歯車装置18において左右の駆動軸20へ均等に分配され
た後、左右の駆動林21へ伝達される。
第2図は、第1図の骨子図に示された動力伝達装置を
更に詳しく示す図である。図において、ハウジング74
は、たとえば、アルミニウムダイキャスト製品であっ
て、ボルトにより互いに一体的に連結された第1ケース
74a、第2ケース74b、第3ケース74cから構成されてお
り、フルードカップリング10を収容する第1室90と、CV
T12を収容する第2室92と、副変速機14を収容する第3
室94と、減速ギヤ装置16および差動歯車装置18を収容す
る第4室96とが設けられている。図に表されているボル
ト98は、第1ケース74aと第2ケース74bとを固定してい
る。
油圧ポンプ54のロータ100は、歯車状を成しており、
相対回転可能に且つ偏心した状態でポンプ翼車24の円筒
部に嵌合されている。油圧ポンプケース102は、上記ロ
ータ100と噛み合う内周歯を備えており、第1ケース74a
の第1室90と第2室92との間の隔壁に相当する部分に形
成された穴103に嵌合された状態で、ボルト104により第
2ケース74bに固定されている。
第2ケース74bの一部には開口106が設けられている。
前進クラッチ72や後進ブレーキ76を制御するための制御
弁などが組み入れられたバルブボデー108には、アキュ
ムレータ110がボルト107により固定されており、バルブ
ボデー108がボルト112によって上記開口106の開口縁に
固定されることにより、アキュムレータ110が第2室92
内に収容されている。アキュムレータ110は、有底円筒
状の本体114とこの本体114内に摺動可能に嵌合されて内
容積を変化させるピストン116と内容積を小さくする方
向にピストン116を付勢するスプリング118とを備えてい
る。なお、バルブボデー108の一面には、作動油路を構
成するためのバルブプレート109がボルト111により固定
されており、それを覆うカバー113が前記ボルト112によ
って共締めにより固定されている。
アキュムレータ110は、前進クラッチ72または後進ブ
レーキ76を駆動する油圧アクチュエータと接続され、内
容積の変化により前記制御弁により供給された作動油圧
の上昇を緩和して前進クラッチ72または後進ブレーキ76
の係合を滑らかとするためのものである。上記のよう
に、アキュムレータ110が第2ケース74bと別体に構成さ
れているので、第2ケース74bにおいて巣穴の発生が抑
制されて第2ケース74b或いはアキュムレータ110の歩留
まりが向上するとともに、上記有底円筒状の本体114の
裏側部分の無駄肉が除去される。また、アキュムレータ
110が第2ケース74bと別体に構成されているので、第2
ケース74bから取り外した状態で単体の性能チェックが
可能となる。さらに、上記のように別体が構成されるこ
とにより、本体114内にピストン116を嵌合するための穴
あけ加工が簡単に行われ得て、その穴あけ加工に対応す
る第2ケース74bの加工ステーションが1つ不要とな
る。
前記CVT12の入力軸26は、第2ケース74bおよび第3ケ
ース74cに嵌め着けられたベアリング120および122によ
り、クランク軸22と同一軸線上において回転可能に支持
されている。CVT12の出力軸34は、第3ケース74cおよび
第2ケース74bに嵌め着けられたベアリング124および12
6により、入力軸26と平行な軸線まわりの回転可能に支
持されているとともに、副変速機14の入力軸としてその
一部が上記ベアリング126側から副変速機14内へ延び出
た状態とされている。一方、第1ケース74aには、第1
歯車78、第2歯車80および第3歯車82を支持するための
第4ケース74dが固定されている。この第4ケース74d
は、前記第3室94と第4室96との間の隔壁にも相当す
る。第1歯車78の軸部は、第1ケース74aおよび第4ケ
ース74dに嵌め着けられたベアリング128および130によ
り、出力軸34と同じ軸線上に回転可能に支持されている
とともに、その一部が上記ベアリング130側から副変速
機14内へ延び出た状態とされている。また、第2歯車80
および第3歯車82の共通の軸部も、第1ケース74aおよ
び第4ケース74dに嵌め着けられたベアリング132および
134により、第1歯車78と平行な軸線まわりの回転可能
に支持されている。そして、大歯車84が固定され且つ差
動小歯車86を回転可能に支持するピンが固定された差動
ケース136は、第1ケース74aおよび第2ケース74bに嵌
め着けられたベアリング138および140により回転可能に
支持されている。
なお、第1ケース74aの第4室96内には、第2歯車80
の差動歯車装置18側の一部を囲むように周壁144が突設
されており、大歯車84、第3歯車82、第2歯車80の回転
に伴って第4室96内の底部から掻き上げられた潤滑油が
この周壁144によって受けられ、さらにその潤滑油をベ
アリング138へ導くための潤滑油路146が設けられてい
る。これにより、高負荷が加えられるベアリング138が
好適に潤滑される。また、第2ケース74bには、第4室9
6の内壁面を流下する潤滑油を受けてベアリング140へ導
く潤滑油路147が設けられている。これによりベアリン
グ140が好適に潤滑されるようになっている。
第3図は、副変速機14および減速ギヤ装置16を詳しく
示す図である。図において、第2ケース74bを第3室94
側へ貫通させられた出力軸(すなわち、副変速機14の入
力軸)34の軸端部は小径に形成され、そこには、複数本
のスプライン歯が形成されたスプライン軸部148が設け
られている。前進クラッチ72に備えられたシリンダ本体
150および円筒状連結部材152は、相対回転不能に一体的
に連結されており、この円筒状連結部材152は上記スプ
ライン軸部148とスプライン嵌合しており、本実施例に
おける直結クラッチの連結部に相当するものである。円
環状のシリンダボアを備えたシリンダ本体150には円環
状のピストン154がリターンスプリング155により付勢さ
れた状態で摺動可能に嵌合されており、これらシリンダ
本体150、ピストン154、リターンスプリング155など
は、前進クラッチ72を作動させるための油圧アクチュエ
ータとして機能する。
上記前進クラッチ72は、シリンダ本体150、すなわち
クラッチドラムの外周部に相対回転不能且つ軸方向の移
動可能に係合させられた複数枚のプレート157と、キャ
リヤ70の一部に固定されたクラッチハブ159に相対回転
不能且つ軸方向の移動可能に係合させられるとともにプ
レート157間に交互に位置させられた複数枚のディスク1
61とを備えており、それらプレート157およびディスク1
61がピストン154によって相互に押圧されることにより
動力が伝達されるようになっている。
上記出力軸34を第3室94側へ貫通させるために第2ケ
ース74bの一部に設けられた貫通穴156には、スリーブ15
8が一体的に嵌め着けられており、上記円筒状連結部材1
52の一部がベアリング160を介してスリーブ158および第
2ケース74bにより支持されている。したがって、円筒
状連結部材152およびこれに支持される部材は出力軸34
によって芯出しされる必要がないことから、円筒状連結
部材152と出力軸34とのスプライン嵌合は通常のスプラ
イン嵌合に比べてクリアランスが大幅に大きくされてい
る。なお、この第2ケース74bの貫通穴156が形成された
部分は出力軸34を支持するための支持壁として機能して
いる。また、上記スリーブ158は、本実施例におけるハ
ウジング74と一体の部材に相当するものである。
また、第2ケース74bには、上記スリーブ158の外周面
の一部と貫通穴156の内周面との間を通して、シリンダ
本体150とピストン154とにより形成された圧力室へ作動
油圧を供給するための前進用油路162が形成されてい
る。また、上記スリーブ158には、スプライン軸部148へ
潤滑油を強制的に供給する潤滑油路164の一部を形成す
る貫通孔166が設けられている。この潤滑油路164には、
油圧ポンプ54により圧送された作動油の一部、たとえ
ば、ロックアップクラッチ32を作動させるなどのために
調圧されてフルードカップリング10へ供給されるクラッ
チ圧油の一部が供給される。
なお、上記前進クラッチ72を作動させるための油圧ア
クチュエータにおいて、ピストン154には、上記圧力室
へ作動油圧が供給されてその圧力室内の圧力が高い場合
には作動油の流出を阻止するが、その圧力室内の作動油
が排圧されて低くなると、作動油の流出を許容する逆止
弁168が設けられており、前進クラッチ72の切れ特性が
改善されている。
前記出力軸34のスプライン軸部148においては、円筒
状連結部材152に隣接した状態でサンギヤ56もスプライ
ン嵌合されている。この円筒状連結部材152のサンギヤ5
6側には円筒状の突起170が設けられている一方、サンギ
ヤ56の円筒状連結部材152側にも円筒状の突起172が設け
られており、それら突起170および172が相対回転可能且
つ液密に嵌合されている。これにより、サンギヤ56は円
筒状連結部材152と同様にクラッチケース74bにベアリン
グ160を介して支持されることとなり、出力軸34によっ
て芯出しされる必要がないことから、上記スプライン嵌
合も通常のスプライン嵌合に比較してクリアランスが大
幅に大きくされている。また一方、組付工程において出
力軸34が挿入される前においても、サンギヤ56の位置決
め(センタリング)ができることから、その組付けが容
易とされている。
また、上記のようにサンギア56が円筒状連結部材152
と嵌合させられることにより、潤滑油路164から貫通孔1
66を通してスリーブ158内のスプライン軸部148へ供給さ
れた潤滑油は、ゆるやかにスプライン嵌合されているス
プライン溝に沿ってサンギヤ56へ向かって送り出され
る。このスプライン軸部148のスプライン歯の一部は、
上記潤滑油の流量を確保するために必要に応じて除去さ
れる。このようにして送り出される潤滑油は、サンギヤ
56との嵌合部を通過し、サンギヤ56とキャリヤ70のボス
部64との間に介在させられたベアリング174に供給さ
れ、さらにこのベアリング174を通して外周側へ流出さ
せられるようになっている。これにより、スプライン軸
部148全体が好適に潤滑されるのに加えて、ベアリング1
74を通して外周側へ流出する潤滑油によりサンギヤ56や
その外周側に位置する遊星ギヤ60、62、リングギヤ58、
後進ブレーキ76などの潤滑が効果的に行われるようにな
っている。
また、円筒状連結部材152には、漏出孔175が設けられ
ており、ベアリング160、およびスリーブ158と円筒状連
結部材152との嵌合隙間を通過した潤滑油が漏出孔175か
ら遠心力により外周側へ流出させられて前進クラッチ72
の潤滑が行われるようになっている。さらに、サンギヤ
56に形成された円筒状の突起172にも、潤滑油を放出し
て前進クラッチ72のプレート157およびディスク161など
を潤滑するための漏出口177が設けられている。さらに
また、出力軸34とスリーブ158との嵌合隙間を通過した
潤滑油は、出力軸34を支持することにより高負荷が加え
られているベアリング126を潤滑するようになってい
る。
出力歯車78の軸端部は出力軸34の端部に液密に嵌合さ
れており、油圧シリンダ52へ作動油を供給するための、
出力歯車78および出力軸34の軸心を貫通する油路176が
設けられている。また、出力歯車78の軸端部にもスプラ
イン軸部178が形成されており、そのスプライン軸部178
には、キャリヤ70のボス部64がスプライン嵌合されてい
る。前述のように、円筒状のボス部64の一端から外周側
へ向かって伸びる円板状のフランジ部66には複数のキャ
リヤピン68が立設されており、遊星ギヤ60および62がニ
ードルベアリング180を介してキャリヤピン68により回
転可能に支持されている。それらキャリヤピン68の先端
部は、円環状の連結板182によって互いに連結されてい
る。
遊星ギヤ60は、遊星ギヤ62の軸心よりも外周側に位置
する軸心まわりに回転可能に設けられており、リングギ
ヤ58の内周歯と噛み合わされている。リングギヤ58は、
摺動ワッシャ184および186を介して、第2ケース74bに
固定された位置決め板188とキャリヤ70のフランジ部66
とに挟まれることにより、軸方向に位置決めされてい
る。後進ブレーキ76は、第2ケース74bに固設された円
環状のアンカー部材190と、このアンカー部材190の内周
面において相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けら
れた複数のプレート192と、リングギヤ58の外周面にお
いて相対回転不能且つ軸方向の移動可能であってプレー
ト192と交互に設けられた複数のディスク194とを備えて
おり、ピストン198によりプレート192およびディスク19
4が相互に押圧されることによりリングギヤ58の回転が
阻止される。ピストン198は、第2ケース74bに形成され
た円環状のシリンダボア196内に摺動可能に嵌合されて
おり、リターンスプリング199により戻されるようにな
っている。上記シリンダ196、ピストン198、リターンス
プリング199などは、後進ブレーキ76を作動させるため
の油圧アクチュエータとして機能する。
前記フランジ部66に立設されたキャリヤピン68には、
軸心方向に貫通し且つ一端が盲蓋200により閉塞された
貫通孔とこの貫通孔の中間部から内周側(キャリヤ70の
軸心側)へ抜ける孔とから成る貫通油路202が設けられ
ている。この貫通油路202は、遊星ギヤ60および62の内
周部および外周部を潤滑するために、フランジ部66の第
1歯車78側の一面から遊星ギヤ60および62へ向かって設
けられているのである。
キャリヤ70のフランジ部66には、筒状を成すレシーバ
部材204がキャリヤ70と同心に取り着けられている。こ
のレシーバ部材204は、第4ケース74dにおいてボス部64
を貫通させるために形成されている孔206内に所定の遊
びを形成しつつ嵌め入れられて先端部がベアリング130
に近接させられる円筒部208と、この円筒部208の端部か
ら離れる程大径となる円錐部210と、円錐部210の端部か
ら外周方向へ伸びる円板状部212とを順次備えており、
この円板状部212が、フランジ部66の第1歯車78側であ
って、前記貫通油路202の開口部よりも外周側に固定さ
れている。
上記の構成により、前述したように、車両の停止に拘
らず遊星歯車機構各部の潤滑が行われるのに加えて、車
両の走行時には上記レシーバ部材204によって導かれた
潤滑油によっても遊星歯車60および62や後進ブレーキ76
の潤滑が行われるようになっている。すなわち、車両の
走行中においては、第4室96内の下部に貯溜した潤滑油
は、大歯車84により内壁面に沿って掻き上げられ、第3
歯車82および第2歯車80に到達して周壁144に比較的大
量に受けられるとともに、第2歯車80の外周歯に付着し
た潤滑油はさらに第1歯車78との噛み合い部分へ運ばれ
る。これにより、第1歯車78の外周歯と第2歯車80の外
周歯との噛み合い部分からは、潤滑油が流出する。この
ようなポンプ作用により、第1ケース74aと第4ケース7
4dとにより囲まれた第1歯車78の外周部は、潤滑油の圧
が高められ、潤滑油の一部は、第1歯車78の軸心と平行
な方向へ向って流出し、ベアリング130を通過して筒状
のレシーバ部材204により受けられる。このようにして
受けられた潤滑油は、第3図の矢印に示されているよう
に、レシーバ部材204に導かれてキャリヤ70のフランジ
部66へ到達し、そこから貫通油路202を通して遊星ギヤ6
0および62のサンギヤ56側内周面へ供給される。これに
より、ニードルベアリング180および遊星ギヤ60および6
2の内周面が直接的に潤滑されて副変速機14の耐久性が
高められる。一般に、円滑且つ静粛に動力を伝達するた
めに、遊星歯車機構は通常の変速機よりも噛み合い精度
を高く保持する必要があり、特に各遊星ギヤ60および62
の歯車精度と支持精度とを高く維持することが要求され
るのである。なお、遠心力によって遊星ギヤ60および62
から外周側へ流動する潤滑油によってリングギヤ58およ
び後進ブレーキ76も潤滑される。
なお、第2図においては、理解を容易とするために、
入力軸26と出力軸34および第1歯車78と第2歯車80およ
び第3歯車82と駆動軸20の各軸心が共通の平面内に表さ
れているが、実際は、第4図に示すように、立体的に配
置されている。
以下、本実施例の作用効果を説明する。
本実施例においては、前記シリンダ本体150の内周部
に固設されて前記入力軸34とスプライン嵌合する円筒状
連結部材152が、その外周面とハウジング74と一体のス
リーブ158の内周面との間に設けられたベアリング160を
介して回転可能に支持されているので、上記出力軸34と
円筒状連結部材152とのスプライン嵌合は、通常のスプ
ライン嵌合に比べて大きなクリアランスを有している。
また、円筒状連結部材152に隣接するサンギヤ56が前記
突起170および172によってその円筒状連結部材152と同
心に嵌合し、同様に支持されることから、上記出力軸34
とサンギヤ56とのスプライン嵌合も通常のスプライン嵌
合に比べて大きなクリアランスを有している。
これにより、たとえば、伝動ベルト40の張力に起因し
て出力軸34が撓んだ状態で回転する場合においても、円
筒状連結部材152やシリンダ本体150などは、それ自身振
れ回ることなく回転しつつ前記出力軸34のスプライン軸
部148の振れ回りを許容することができるため、円筒状
連結部材152、シリンダ本体150、サンギヤ56などの芯振
れが生じることが解消されて、前進クラッチ72および遊
星歯車機構を備えた副変速機14の耐久性が向上させられ
るとともに騒音が低減される。
因に、本実施例のようなベアリング160がなく、それ
ら円筒状連結部材152、シリンダ本体150、サンギヤ56な
どの芯出しをするために通常の比較的密なスプライン嵌
合とされた場合では、高負荷高速回転時における前記ス
プライン軸部148の振れ回りに伴ってそれらの部材に芯
振れが生じやすく、耐久性低下や騒音の原因となってい
たのである。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例においては、出力軸34とサン
ギヤ56とのスプライン嵌合が通常のスプライン嵌合に比
べて大きなクリアランスを有していたが、必ずしもその
必要はなく、前記突起170および172が設けられず且つサ
ンギヤ56の芯出しをするための比較的密な通常のスプラ
イン嵌合とされていても、一応の効果が得られるのであ
る。
また、前述の実施例においては、ハウジング74の第2
ケース74bとベアリング160との中間にスリーブ158が設
けられていたが、そのようなスリーブ158が設けられず
に、直接第2ケース74bと円筒状連結部材152との間に上
記ベアリング160が設けられていてもよいし、スリーブ1
58に替わる他のものが介在させられていてもよいのであ
る。
また、前述の実施例においては、おのおの別体である
シリンダ本体150と円筒状連結部材152とサンギヤ56とが
同心に軸嵌合させられていたが、これに替えて、それら
シリンダ本体150と円筒状連結部材152とを一体に形成し
た複合部材や、サンギヤ56と円筒状連結部材152とを一
体に形成した複合部材などが用いられても、本発明の副
変速装置を構成することが可能である。
また、前述の実施例における副変速機14は、出力軸34
に対する第1歯車78の回転方向を切り換える前後進切換
装置としての副変速装置であったが、これ以外に、多段
階の前進ギヤ段などを備えたり、複数組の遊星歯車機構
が連結されて構成されたりした変速装置であってもよ
い。
また、前述の実施例におけるベルト式無段変速機(CV
T)12に替えて、他の形式の無段変速機や常時噛合い式
の有段変速機などが主変速装置として用いられていても
よい。
また、前述の実施例におけるベアリング160に替え
て、たとえば、含油軸受などの他の軸受部材が用いられ
ても差支えない。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の一実施例を含む動力伝達装置の骨子
図である。第2図は、第1図の動力伝達装置を詳しく示
す図である。第3図は、第2図の副変速機を拡大して説
明する図である。第4図は、第2図のハウジングの側面
よりみた各要素の配置を示す図である。 12:ベルト式無段変速機(主変速装置) 14:副変速機(副変速装置) 34:出力軸 56:サンギヤ 58:リングギヤ 60,62:遊星ギヤ 70:キャリヤ 72:前進クラッチ(直結クラッチ) 74:ハウジング 150:シリンダ本体(クラッチドラム) 152:円筒状連結部材(連結部) 158:スリーブ 160:ベアリング(軸受)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一軸心まわりに相対回転可能に設けられた
    サンギヤおよびリングギヤと、それらと噛み合う遊星ギ
    ヤと、該遊星ギヤを回転可能に支持するキャリアとを備
    え、主変速装置の出力軸が前記サンギヤと相対回転不能
    に連結される遊星歯車機構と、 前記出力軸スプライン嵌合する円筒状の連結部を有し、
    該出力軸と前記キャリアとを直結する直結クラッチと を備えた車両用動力伝達装置の副変速装置において、 前記連結部の外周面と、前記出力軸を支持するハウジン
    グまたはそれと一体の部材の内周面との間に、前記直結
    クラッチを回転可能に支持する軸受を設けたことを特徴
    とする車両用動力伝達装置の副変速装置。
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