JP3489385B2 - 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法 - Google Patents

車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法

Info

Publication number
JP3489385B2
JP3489385B2 JP8171597A JP8171597A JP3489385B2 JP 3489385 B2 JP3489385 B2 JP 3489385B2 JP 8171597 A JP8171597 A JP 8171597A JP 8171597 A JP8171597 A JP 8171597A JP 3489385 B2 JP3489385 B2 JP 3489385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
pulley
switching mechanism
transmission
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8171597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10274319A (ja
Inventor
潤二 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP8171597A priority Critical patent/JP3489385B2/ja
Publication of JPH10274319A publication Critical patent/JPH10274319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3489385B2 publication Critical patent/JP3489385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プーリの溝幅を変
更することにより無段階で変速比の変更を行なうう、車
両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両に搭載される
変速機として無段階で変速を行なう無段自動変速機が開
発されている。そして、このような無段自動変速機とし
ては、例えば溝幅を変更可能に構成された一対のプーリ
間に無端ベルトを掛け渡したベルト式変速装置、いわゆ
るCVT(=Continuously Variable Transmission)
が広く知られている。
【0003】ところで、このようなベルト式変速装置に
関する技術のうち、例えば特公平4−48978号公報
や特開平5−280612号公報には、変速装置の機構
を収納するケースをトルクコンバータケースとトランス
ミッションケースとから構成し、トランスミッションケ
ースに入力プーリ軸を軸支する中間壁を設け、この中間
支壁により区画された空間内に油圧制御機構又は前後進
切替機構を設けた技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、変速装置のケース全体の剛性が比
較的低いという課題がある。すなわち、特公平4−48
978号公報や特開平5−280612号公報等に開示
された技術では、トルクコンバータケース内にトルクコ
ンバータと前後進切替機構とを設けているため、トルク
コンバータ直後の部分に前後進切替機構を収納するため
の大きな開口部が形成されてしまい、これによりケース
全体の剛性が低下してしまうのである。
【0005】なお、中間壁をなくして、前後進切替機構
も含んだ入力軸全体をトルクコンバータ直後とトランス
ミッション後側とで軸支する手法も考えられるが、入力
プーリ側の軸を支持する距離(ベアリングスパン)が長
くなってしまい、入力プーリ軸の剛性が低下してしまう
という課題がある。本発明は、このような課題に鑑み創
案されたもので、変速装置のケースの剛性を向上させる
とともに、同時に入力プーリ軸の剛性を向上させるよう
にした、車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用ベルト式変速装置は、エンジンからの
駆動力が動力伝達手段を介して入力される第1の軸と同
軸上に設けられ前後進切替機構を介して該回転駆動力が
入力される駆動プーリと、該駆動プーリから掛け渡され
た無端ベルトを介して該駆動プーリからの回転駆動力が
伝達される従動プーリとからなる変速機構と、該変速機
構を収納するケーシングとをそなえ、該駆動プーリ及び
該従動プーリの溝幅を変更することにより該駆動プーリ
と該従動プーリとの間の変速比を変更する車両用ベルト
式変速装置において、該ケーシングが、該動力伝達手段
を収納するハウジング部材と、該前後進切替機構と該駆
動プーリと該従動プーリとを収納するトランスミッショ
ンケースとからなる2分割構造により構成され、該ハウ
ジング部材の該トランスミッションケース側に、該第1
の軸を軸支する軸支部を有する隔壁が一体に形成され
とともに、該前後進切替機構が、該トランスミッション
ケースとは別体に形成された切替機構ケース内に収納さ
れ、該切替機構ケースの一端が該ハウジング部材の該隔
壁、又は該トランスミッションケースに取り付けられ、
該切替機構ケースの他端が軸受けを介して該駆動プーリ
の一端を軸支するように構成されていることを特徴とし
ている。
【0007】また、請求項2記載の本発明の車両用ベル
ト式変速装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、
前後進切替機構と該駆動プーリとが、該軸受けの内周側
においてスプライン結合されていることを特徴としてい
る。
【0008】また、請求項3記載の本発明の車両用ベル
ト式変速装置の組み立て方法は、請求項1又は2に記載
された車両用ベルト式変速装置の組み立て方法であっ
て、該前後進切替機構がクラッチ,ブレーキ及び遊星歯
車機構を備え、該クラッチを組み立ててアッセンブリ化
し第1の軸に取り付ける第1工程と、該遊星歯車機構を
組み立ててアッセンブリ化する第2工程と、該切替機構
ケース内にブレーキを組み付けてアッセンブリ化する第
3工程と、該第1の軸のアッセンブリと、該遊星歯車機
構のアッセンブリと、該切替機構ケースのアッセンブリ
とをこの順番に組み付けて、該切替機構ケースを該ハウ
ジング部材の隔壁にボルトにより締結する第4工程とか
らなることを特徴としている。 また、請求項4記載の本
発明の車両用ベルト式変速装置の組み立て方法は、上記
請求項3記載の構成において、該第3工程後、該隔壁に
形成された支持部に、該第1の軸を支持するリアクショ
ンシャフトサポートを取り付ける工程を有することを特
徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としての車両用ベルト式変速装置について説明す
る。図1はその全体構成を示す模式的断面図、図2はそ
の要部を拡大して示す図であって、この図1に示すよう
に、この変速装置には、内部の機構を収納するケーシン
グ1が設けられている。このケーシング1は、トルクコ
ンバータハウジング(ハウジング部材)3とトランスミ
ッションケース5とにより2分割可能に構成されてお
り、ボルト1aにより締結されている。また、トルクコ
ンバータハウジング3には、ケーシング1の内部の空間
を2つに区画するための隔壁3aが一体に形成されてお
り、トルクコンバータハウジング3とトランスミッショ
ンケース5とが一平面上で分割されるように構成されて
いる。
【0010】ケーシング1の内部には、第1軸2,第2
軸(セカンダリシャフト)4及び第3軸(トランスファ
シャフト)6が設けられており、第1軸2に入力された
回転駆動力は、セカンダリシャフト4及びトランスファ
シャフト6を介してディファレンシャル(差動機構)2
7に伝達され、左右の出力軸(ドライブシャフト)24
が駆動されるようになっている。
【0011】また、図1,図2に示すように、第1軸2
上には、エンジン側から順にトルクコンバータ(動力伝
達手段)8,前後進切替機構10,ドライブプーリ(駆
動プーリ)12,オイルポンプ13等が設けられ、セカ
ンダリシャフト4上には、ドリブンプーリ(従動プー
リ)18,パーキングギア16,トランスファドライブ
ギア14等が設けられている。さらに、トランスファシ
ャフト上6には、トランスファドリブンギア20及びフ
ァイナルドライブピニオンギア22が設けられており、
ファイナルドライブピニオンギア22は、出力軸(ドラ
イブシャフト)24上に設けられたファイナルギア26
に噛合している。
【0012】このうち、第1軸2は、中空の入力軸(イ
ンプットシャフト)2Aと、ドライブプーリ12の一部
と一体形成された中空のプライマリシャフト2Bとから
構成されている。また、これらのインプットシャフト2
A及びプライマリシャフト2B内には、オイルポンプド
ライブシャフト2Cが相対回転可能に配設されている。
【0013】また、インプットシャフト2Aは、リアク
ションシャフト36a,リアクションシャフトサポート
36b等を介して軸支されている。ところで、トルクコ
ンバータ8は、図2に示すように、上述のトルクコンバ
ータハウジング3内に収納されており、このトルクコン
バータ8から出力された回転駆動力は、インプットシャ
フト2Aを介して前後進切替機構10に伝達されるよう
になっている。
【0014】ここで、トルクコンバータ8は、通常のオ
ートマチックトランスミッションと同様に構成されたも
のであり、ポンプ8a,タービン8b及びステータ8c
をそなえている。ポンプ8aはドライブプレート8dを
介してエンジンのクランクシャフトに接続されており、
このポンプ8aが回転駆動されるとトルクコンバータ8
内の作動油を介して、ポンプ8aの回転エネルギがター
ビン8bに伝達されるようになっている。また、タービ
ン8bは、タービンハブ8eを介してインプットシャフ
ト2Aにスプライン結合されており、タービン8bに伝
達された回転駆動力によりインプットシャフト2Aが回
転駆動されるようになっている。なお、このトルクコン
バータ8は、ドライブプレート8dからの駆動力を直接
タービン8bに伝達する直結(ロックアップ)機構をそ
なえている。
【0015】また、トルクコンバータ8の後方(図2
中、左側)には、前後進切替機構10が設けられてい
る。この前後進切替機構10は、インプットシャフト2
Aからプライマリシャフト2Bへ伝達される回転駆動力
の回転方向を切り替えたり、プライマリシャフト2Bへ
の駆動力の伝達を絶つためのものである。ここで、前後
進切替機構10は、図2に示すような円筒状ケース(切
替機構ケース)28内に収納されており、円筒状ケース
28内には、遊星歯車機構30,クラッチ32及びブレ
ーキ34等が設けられている。なお、この円筒状ケース
28は、トルクコンバータハウジング3の隔壁3aにボ
ルト28aにより取り付けられており、変速装置全体の
剛性の向上が図られている。
【0016】遊星歯車機構30は、2つのピニオンギア
を有するダブルピニオン式の遊星歯車機構として構成さ
れており、サンギア30a,第1ピニオンギア30b,
第2ピニオンギア30c,プラネタリキャリア30d及
びアニュラスギア(リングギア)30eから構成されて
いる。なお、図2に示すように、本実施形態では、サン
ギア30aはインプットシャフト2Aに一体に形成され
ている。また、第1ピニオンギア30b及び第2ピニオ
ンギア30cは互いに噛合しながらプラネタリキャリア
30dに軸支され、第1ピニオンギア30bはサンギア
30aに、第2ピニオンギア30cはアニュラスギア3
0eに噛合している。
【0017】また、プラネタリキャリア30dは、ドラ
イブプーリ12側端部に設けられた軸支持部30d−1
を有し、この軸支持部30d−1がドライブプーリ12
とスプライン結合されている。また、上述のブレーキ3
4は、アニュラスギア30eの外周側と円筒状ケース2
8の内周側との間に配設されており、アニュラスギア3
0eの回転を規制するために設けられている。このブレ
ーキ34は、アニュラスギア30eに噛み合ってアニュ
ラスギア30eと一体に回転するブレーキディスク34
aと、円筒状ケース28に噛み合って円筒状ケース28
に対して回転方向に固定された複数のブレーキプレート
34bとをそなえており、これらのプレート34a,3
4bがそれぞれ交互に配設されている。また、円筒状ケ
ース28内のドライブプーリ12側端部には、円筒状の
ブレーキピストン34cが設けられており、円筒状ケー
ス28とブレーキピストン34cとの間に形成された油
圧室34dに作動油が供給されると、ブレーキピストン
34cがリターンスプリング34eの付勢力に抗して図
2中右方向に駆動されて、ブレーキプレート34bに当
接するようになっている。
【0018】そして、このようにブレーキピストン34
cが駆動されると、ブレーキピストン34cによりブレ
ーキプレート34bが押圧されて、各プレート34aと
各ディスク34bとの間の摩擦力によりアニュラスギア
30eの回転が規制されるようになっているのである。
一方、クラッチ32は、サンギア30aとプラネタリキ
ャリア30dとの間の相対回転を規制すべく設けられて
おり、上述のブレーキ34と同様に、複数のクラッチデ
ィスク32aと複数のクラッチプレート32bとが交互
に配設されている。ここで、クラッチディスク32a
は、プラネタリキャリア30dの本体から軸方向に延び
た円筒部分のスプラインに噛み合っており、クラッチデ
ィスク32aとプラネタリキャリア30dとが一体に回
転するようになっている。
【0019】また、クラッチプレート32bは、図2に
示すクラッチリテーナ32fの外側の円筒部分のスプラ
インに噛み合い、クラッチリテーナ32fと一体に回転
するようになっている。ここで、クラッチリテーナ32
fは、リアクションシャフトサポート36に摺接しなが
ら支持されるとともに、インプットシャフト2Aにスプ
ライン結合された部材であり、これにより、クラッチプ
レート32bはサンギア30a及びインプットシャフト
2Aと一体に回転するようになっている。
【0020】また、クラッチリテーナ32fの端部に
は、クラッチ作動用ピストン32cが配設されており、
クラッチリテーナ32fとクラッチピストン32cとの
間に形成された油圧室32dに作動油が供給されると、
クラッチピストン32cがリターンスプリング32eの
付勢力に抗して図2中左方向に駆動されて、クラッチプ
レート32bに当接するようになっている。
【0021】そして、このようにクラッチピストン32
cが駆動されると、クラッチピストン32cによりクラ
ッチプレート32bが押圧されて、各プレート32a,
32b間の摩擦力によりサンギア30aとプラネタリキ
ャリア30dとの間の相対回転が規制されて、プラネタ
リキャリア30dがサンギア30aと一体に回転するよ
うになっているのである。
【0022】したがって、クラッチ32をオンにし、ブ
レーキ34をオフにすると、プラネタリキャリア30d
とサンギア30aとが一体して回転して、サンギア30
aに入力された回転駆動力が、そのままドライブプーリ
12のプライマリシャフト2Bに伝達される。すなわ
ち、この場合には、インプットシャフト2Aとドライブ
プーリ12とは等速で回転することになる。
【0023】また、クラッチ32をオフにし、ブレーキ
34をオンにした場合には、円筒状ケース28に対して
アニュラスギア30eが固定される。したがって、サン
ギア30aに回転駆動力が入力されると、第1ピニオン
ギア30b及び第2ピニオンギア30cが自転しながら
サンギア30aの回転方向と逆方向に公転することにな
り、これにより、ピニオンキャリア30dもサンギア3
0aと逆方向に回転するのである。
【0024】さらに、クラッチ32及びブレーキ34を
両方ともオフにすると、インプットシャフト2Aからプ
ライマリシャフト2Bへの回転駆動力が遮断され、ニュ
ートラル状態となる。このように、前後進切替機構10
では、クラッチ32及びブレーキ34の作動を制御する
ことにより、ドライブプーリ12に伝達される回転方向
の切り替え制御が行なわれるようになっているのであ
る。
【0025】なお、本実施形態では、前後進切替機構1
0にダブルピニオン式の遊星歯車機構30を用いている
が、この前後進切替機構10としては、このような機構
に限定されるものではなく、シングルピニオン式の遊星
歯車機構や、シンクロメッシュ式の切替機構であっても
よい。さて、前後進切替機構10と隣接した位置には、
ドライブプーリ(駆動プーリ)12が設けられている。
このドライブプーリ12は、プライマリシャフト2Bと
一体に形成された固定プーリ12aと、プライマリシャ
フト2B上に設けられ軸方向に移動可能な可動プーリ1
2bとからなっており、各プーリ12a,12bのそれ
ぞれ対向する面には、略円錐状の動力伝達面12a−
1,12b−1が形成されている。そして、これらの動
力伝達面12a−1,12b−1によりプーリ12a,
12b間にはV字状の溝12cが形成されている。
【0026】また、プライマリシャフト2Bの一端(図
2中右端)は、プラネタリキャリア30dの軸支持部3
0d−1及びベアリング40を介して円筒状ケース28
の端部に軸支されており、他端(図2中左端)はベアリ
ング42を介してトランスミッションケース5に軸支さ
れている。そして、本装置では、上述のように、プライ
マリシャフト2Bを円筒状ケース28の端部に軸支する
ことにより、プライマリシャフト2Bの軸受け距離(又
はベアリングスパン、図1参照)を短縮化することがで
き、プライマリシャフト2Bの剛性向上が図られてい
る。すなわち、このプライマリシャフト2Bには、後述
のスチールベルト(無端ベルト)44によりセカンダリ
シャフト4方向へ大きな曲げモーメントが作用すること
になるが、上述のようにベアリングスパンを短縮化する
ことで、このような張力に対する曲げ剛性を向上させる
ことができるのである。
【0027】ところで、本変速装置では、上記円筒状ケ
ース28のベアリング40の配設位置近傍においてプラ
イマリシャフト2Bとプラネタリキャリア30dとがス
プライン結合されている。すなわち、図2に示すよう
に、ベアリング40の配設位置において、プライマリシ
ャフト2Bの外周部とプラネタリキャリア30dの軸支
持部30d−1の内周部とがスプラインにより噛み合
い、さらにこの軸支持部30d−1の外周側が、ベアリ
ング40により軸支持されるようになっている。
【0028】また、プライマリシャフト2Bの他端(図
2中左端)はベアリング42を介してトランスミッショ
ンケース5に軸支されている。そして、このようにベア
リング40の内周側において、プライマリシャフト2B
とプラネタリキャリア30dとをスプライン結合すると
いう構成により、前後進切替機構10とドライブプーリ
12とを高剛性で、且つコンパクトに構成できるのであ
る。また、詳しくは後述するが、このような構成によ
り、変速装置の組み立て自体も容易なものとすることが
できるのである。
【0029】一方、セカンダリシャフト4上におけるド
ライブプーリ12に対向する位置には、ドリブンプーリ
(従動プーリ)18が設けられている。ドリブンプーリ
18もドライブプーリ12と同様に構成されており、固
定プーリ18a及び可動プーリ18bをそなえている。
また、各プーリ18a,18bのそれぞれ対向する面に
は、略円錐状の動力伝達面18a−1,18b−1が形
成されており、やはりV字状の溝18cが形成されてい
る。
【0030】また、ドライブプーリ12の溝12cとド
リブンプーリ18の溝18cとの間には無端ベルトとし
てのスチールベルト44が掛け渡されており、このスチ
ールベルト44を介してドライブプーリ12の回転駆動
力がドリブンプーリ18に伝達されるようになってい
る。つまり、ドライブプーリ12側においては、スチー
ルベルト44と動力伝達面12a−1,12b−1との
間の摩擦力によりドライブプーリ12の回転駆動力がス
チールベルト44に伝達され、ドリブンプーリ18側に
おいては、スチールベルト44と動力伝達面18a−
1,18b−1との間の摩擦力によりドリブンプーリ1
8が回転駆動されるようになっているのである。
【0031】そして、固定プーリ12a,18aと可動
プーリ12b,18bとの間の距離、すなわち溝12
c,18cの幅を変更することにより、変速比が変更さ
れるようになっている。このため、ドライブプーリ12
には、可動プーリ12bを駆動してドリブンプーリ12
の溝12cの幅寸法を変更するための油圧ピストン機構
60が付設されている。
【0032】ここで、ドライブプーリ12及び油圧ピス
トン機構60について説明すると、可動プーリ12b
は、固定プーリ12aと一体形成されたプライマリシャ
フト2B上にボールスプライン機構46を介して設けら
れており、このボールスプライン機構46により可動プ
ーリ12bはプライマリシャフト2Bに対して相対回転
が規制されるとともに、軸方向に移動可能に設けられて
いる。
【0033】また、プライマリシャフト2Bの他端(図
2中左端)側には、プライマリシャフト2Bと一体に回
転し、可動プーリ12b方向に延びる円筒状の壁部48
aを有するシリンダ部48が設けられている。また、可
動プーリ12bの外周側には、このシリンダ部48の円
筒壁部48aを覆うような円筒壁部12b−2が形成さ
れている。さらに、このようなシリンダ部48と可動プ
ーリ12bとにより形成された空間内には、2つのピス
トン50,52が配設されており、このうちピストン5
0とシリンダ部48とにより油圧室54が形成され、ピ
ストン52と可動プーリ12bとにより油圧室56が形
成されている。
【0034】ここで、ピストン50は、可動プーリ12
bの軸端部に当接しており、可動プーリ12bに対する
軸方向への相対的な移動が規制されている。また、ピス
トン52は、シリンダ部48の壁部48aの先端部に当
接しており、シリンダ部48に対する軸方向への相対的
な移動が規制されている。また、ピストン50とシリン
ダ部48との間や、ピストン52と可動プーリ12bと
の間には、それぞれシール部材が介装されており、各油
圧室54,56の液密性が保持されている。
【0035】また、これらの油圧室54,56には、図
示しない制御手段(コントローラ)により同時に作動油
が供給されるようになっている。したがって、油圧室5
4に作動油が供給されると、ピストン50が図2中右方
向に駆動されて、可動プーリ12bが図2中右側に駆動
される。また、油圧室56に作動油が供給されると、ピ
ストン52は図中左方向に押圧されるが、このピストン
52は、シリンダ部48の壁部48aにより軸方向の位
置が規制されているので、可動プーリ12bが図中右側
に駆動されるのである。
【0036】なお、上述のように、可動プーリ12bを
移動させるための油圧ピストン機構60を2つのピスト
ン50,52をそなえたダブルピストンの油圧ピストン
機構としているのは、駆動プーリ12の溝幅を狭くする
とき(可動プーリ12bを図中右側に駆動するとき)に
は大きな力を必要とするからである。このためには、供
給される作動油の圧力自体を大きくすることも考えられ
るが、上述のようなダブルピストンの油圧ピストン機構
60とすることで、限られた空間内で、作動油の受圧面
積を略2倍とすることができ、効率的に大きな力を得る
ことができるのである。
【0037】また、このような油圧力は、オイルポンプ
13により供給されるようになっている。オイルポンプ
13は、第1軸2の後端側(左側)のトランスミッショ
ンケース5に取り付けられており、オイルポンプドライ
ブシャフト2Cにより駆動されるようになっている。ま
た、オイルポンプドライブシャフト2Cは、上述したよ
うに、インプットシャフト2A及びプライマリシャフト
2B内に相対回転可能に配設されており、エンジンのク
ランクシャフトと一体に回転するように取り付けられて
いる。
【0038】ところで、ドリブンプーリ18に入力され
た回転駆動力は、セカンダリシャフト4上のトランスフ
ァドライブギア14から図1に示すトランスファシャフ
ト6上のトランスファドリブンギア20に伝達されるよ
うになっている。ここで、図2に示すように、セカンダ
リシャフト4は、ドリブンプーリ18の固定プーリ18
aと一体に形成されており、その一端(図中右端)がベ
アリング64を介してトルクコンバータハウジング3に
支持され、他端(図中左端)がベアリング66を介して
トランスミッションケース5に支持されている。
【0039】また、このセカンダリシャフト4内には、
軸方向に作動油供給路4aが形成されており、トランス
ミッションケース5側に形成された作動油供給路5aを
介して可動プーリ18bを駆動するための作動油が供給
されるようになっている。また、図2に示すように、こ
のドリブンプーリ18では、上述のドライブプーリ12
と同様に、セカンダリシャフト4上にボールスプライン
機構68を介して可動プーリ18bが設けられており、
このボールスプライン機構68によりセカンダリシャフ
ト4に対して可動プーリ18bの相対回転が規制される
とともに、軸方向に移動可能に設けられている。
【0040】また、このドリブンプーリ18には、可動
プーリ18bを軸方向に駆動してドリブンプーリ18の
溝18cの幅を変更する油圧ピストン機構62が付設さ
れている。ここで、この油圧ピストン機構62について
説明すると、可動プーリ18bの外周側には、動力伝達
面18b−1と反対方向に延びる円筒壁部70が形成さ
れている。また、円筒壁部70の内周側には、ピストン
(セカンダリピストン)72が設けられており、このセ
カンダリピストン72の外周縁部が円筒壁部70の内周
面に当接するようになっている。
【0041】そして、これらの円筒壁部70とセカンダ
リピストン72とにより油圧室74が形成されている。
また、セカンダリピストン72は、セカンダリシャフト
4に対して軸方向及び回転方向とも固定されており、油
圧室74内には、セカンダリピストン72と可動プーリ
18bとに当接するリターンスプリング76が配設され
ている。なお、セカンダリピストン72と可動プーリ1
8bとの間には、シール部材が介装されており、これに
より油圧室74の液密性が保持されている。
【0042】したがって、油圧室74に作動油が供給さ
れていない状態では、リターンスプリング76の付勢力
(プリロード)のみが可動プーリ18bに作用して、可
動プーリ18bが図中左側に付勢される。そして、この
付勢力により動力伝達面18a−1,18b−1とスチ
ールベルト44との間に所望の摩擦力が生じ、ある程度
の挟持力(クランプ力)を発生させ、ドリブンプーリ1
8が滑ることなく回転駆動されるようになっているので
ある。
【0043】次に、ドライブプーリ12とドリブンプー
リ18との間における変速時の作用について説明する。
変速比が低速側に変更される場合には、ドライブプーリ
12側では、油圧室54,56内の作動油が排出され
て、可動プーリ12bが図中左方向に移動(駆動)され
ることにより、溝12cの幅が大きくなりスチールベル
ト44のドライブプーリ12側の回転半径が小さくな
る。
【0044】そして、ドリブンプーリ18側では、作動
油供給油路5a,4aを介して油圧室74に作動油が供
給されることにより、可動プーリ18bが図中左側に駆
動される。つまり、ドリブンプーリ18の溝18cの幅
寸法が狭くなってスチールベルト44の回転半径が大き
くなる。すなわち、プーリの変速比は、 変速比=(ドリブンプーリ18側のベルト回転半径)/(ドライブプーリ12 側のベルト回転半径)・・・・・・(1) となるので、変速比が大きく、すなわち低速側になる。
【0045】また、変速中もドライブプーリ12側の油
圧室54,56及びドリブンプーリ18側の油圧室78
にも適正な作動油が作用し、可動プーリ12b,18b
の付勢力により、動力伝達面12a−1,12b−1及
び動力伝達面18a−1,18b−1とスチールベルト
44との間に所望の摩擦力が生じ、ドライブプーリ12
からの駆動力をドリブンプーリ18へ低速状態で伝達す
ることができる。
【0046】また、変速比が高速側に変更される場合に
は、ドライブプーリ12側の油圧室54,56に作動油
が供給されることにより、可動プーリ12bが図中右方
向に駆動され、溝12cの幅が狭くなりスチールベルト
44のドライブプーリ12側の回転半径が大きくなる。
また、ドリブンプーリ18側では、油圧室74内の作動
油が排出されることにより可動プーリ18bが図中左方
向に移動して溝18cの幅が広くなり、スチールベルト
44の回転半径が小さくなる。したがって、変速比は上
記(1)式により小さくなり、高速側となる。
【0047】また、ドライブプーリ12側の油圧室5
4,56及びドリブンプーリ18側の油圧室74にも適
正な作動油が作用することにより可動プーリ12b,1
8bに付勢力が発生し、動力伝達面12a−1,12b
−1及び動力伝達面18a−1,18b−1とスチール
ベルト44との間に所望の摩擦力が生じ、ドライブプー
リ12からの駆動力をドリブンプーリ18へ高速状態で
伝達することができるのである。
【0048】ところで、油圧室74内に作動油が供給さ
れた状態、又は残留した状態でセカンダリシャフト4が
高速回転すると、油圧室74内の作動油に大きな遠心力
が作用することになる。このような遠心力は、回転中心
からの距離の2乗に比例し、回転半径方向のみならず油
圧室74の全方位に作用することになる。したがって、
油圧室74内に作動油が介在していると、セカンダリシ
ャフト4の回転時、特に高速回転時に油圧室74内が高
圧になり可動プーリ18bを図中左側へ付勢するような
力が生じてしまうことになり、所望の挟持力以上の挟持
力が発生してしまう。この場合、所望の変速比が達成さ
れなかったり、駆動力伝達面18a−1,18b−1と
スチールベルト44との間の磨耗が発生するおそれがあ
る。
【0049】そこで、本車両用ベルト式変速装置では、
油圧室74の外側に遠心バランス室78が設けられてお
り、このような遠心力による油圧力がキャンセルされる
ようになっている。すなわち、図2に示すように、油圧
ピストン機構62には、円筒壁部70及びセカンダリピ
ストン72を覆うようなバランシングキャップ80が設
けられており、このバランシングキャップ80とセカン
ダリピストン72とにより遠心バランス室78が形成さ
れているのである。
【0050】なお、このバランシングキャップ80は円
筒壁部70に固定されており、この遠心バランス室78
には、セカンダリシャフト4内に設けられた穴部4b,
4c及びパーキングギア16に設けられた穴16aを介
して作動油が供給されるようになっている。したがっ
て、セカンダリシャフト4の回転時、特に高速回転時に
は、遠心力により油圧室74内の特に外周側において作
動油が高圧となって油圧室74の容積を拡げようとする
力が発生するが、このときには、同時に遠心バランス室
78内の作動油も遠心力により高圧となり、遠心バラン
ス室78の容積を拡げようとする力が発生するのであ
る。これにより、バランシングキャップ80に作用する
力(図中右方向に作用する力)と可動プーリ18bに作
用する力(図中左方向に作用する力)とが相殺され、可
動プーリ18bを駆動させるような力がキャンセルされ
るのである。
【0051】一方、セカンダリシャフト4上には、上記
油圧ピストン機構62に隣接して、パーキングギア16
及びトランスファドライブギア14が設けられている。
これらのギア16,14はいすれもセカンダリシャフト
4にスプライン結合されており、セカンダリシャフト4
と一体に回転するように構成されている。このうち、ト
ランスファドライブギア14は、図1に示すように、ト
ランスファシャフト6にスプライン結合されたトランス
ファドリブンギア20に噛合しており、これらのトラン
スファドライブギア14及びトランスファドリブンギア
20により、セカンダリシャフト4の回転駆動力が減速
されてトランスファシャフト6に伝達されるようになっ
ている。
【0052】また、パーキングギア16は、セカンダリ
シャフト4の回転を拘束するものであり、図示しないト
ランスミッションレバーがパーキング位置(Pポジショ
ン)に操作されると、やはり図示しないパーキングスプ
ラグがパーキングギア16に噛み合い、セカンダリシャ
フト4の回転を拘束するようになっている。また、図1
に示すように、トランスファシャフト6は、その一端
(図中右端)側が、ベアリング90を介してトルクコン
バータハウジング3に支持され、他端が(図中左端)側
が、ベアリング92を介してトランスミッションケース
5に支持されている。
【0053】このうちベアリング90はトルクコンバー
タハウジング3に直接取り付けられている。一方、ベア
リング92は、図1に示すようなベアリングリテーナ9
4に取り付けられており、このベアリングリテーナ94
がボルト96によりトランスミッションケース5に取り
付けられている。また、トランスファシャフト6には、
ファイナルドライブピニオンギア22が一体に形成され
ており、このファイナルドライブピニオンギア22は出
力軸24上に設けられたファイナルギア26に噛合して
いる。そして、ファイナルドライブピニオンギア22か
ら伝達された駆動力は、ファイナルギア26を介してデ
ィファレンシャル27に伝達され、左右のドライブシャ
フト24が駆動されるようになっているのである。
【0054】本発明の一実施形態としての車両用ベルト
式変速装置は、上述のように構成されているので、エン
ジンからの駆動力は、トルクコンバータ8を介して前後
進切替機構10に伝達される。ここで、前後進切替機構
10は、円筒状ケース28内に収納されるとともに、こ
の円筒状ケース28が隔壁3aに取り付けられており剛
性の向上が図られている。
【0055】また、前後進切替機構10では、クラッチ
32及びブレーキ34の作動が制御されることにより、
ドライブプーリ12の正転,逆転及び中立が切り替えら
れる。そして、ドライブプーリ12に入力された回転駆
動力は、スチールベルト44を介してドリブンプーリ1
8に伝達される。ここで、ドライブプーリ12と一体に
形成されたプライマリシャフト2Bの一端(図中右端)
がプラネタリキャリア30dの軸支持部30d−1とベ
アリング40とを介して円筒状ケース28の端部に軸支
され、他端(図中左端)がベアリング42を介してトラ
ンスミッションケース5に軸支されることにより、プラ
イマリシャフト2Bのベアリングスパン(図1参照)が
短縮化され、プライマリシャフト2Bの剛性の向上が図
られている。特に、このプライマリシャフト2Bには、
スチールベルト44によりセカンダリシャフト4方向へ
曲げモーメントが作用することになるが、上述のように
ベアリングスパンを短縮化することで、このような張力
に対する曲げ剛性を向上させることができるのである。
【0056】また、本変速装置では、上記円筒状ケース
28のベアリング40の配設位置の内周方向においてプ
ライマリシャフト2Bとプラネタリキャリア30dとが
スプライン結合されている。すなわち、図1,図2に示
すように、ベアリング40の内周側において、プライマ
リシャフト2Bの外周部とプラネタリキャリア30dの
軸支持部30d−1の内周部とがスプラインにより噛み
合い、さらにこの軸支持部30d−1の外周側が、ベア
リング40により軸支持されている。
【0057】そして、このようにベアリング40の配設
位置の内周方向において、プライマリシャフト2Bとプ
ラネタリキャリア30dとをスプライン結合するという
構成により、前後進切替機構10とドライブプーリ12
とを高剛性で、且つコンパクトに構成できるのである。
また、このような構成により、変速装置の組み立て自体
も容易なものとすることができるのである。
【0058】一方、ドリブンプーリ18を介してセカン
ダリシャフト4に入力された回転駆動力は、トランスフ
ァドライブギア14からトランスファシャフト6上のト
ランスファドリブンギア20に伝達される。そして、ト
ランスファドライブギア14及びトランスファドリブン
ギア20を介してセカンダリシャフト4の回転駆動力が
減速されてトランスファシャフト6に伝達される。
【0059】また、トランスファシャフト6に入力され
た回転駆動力は、ファイナルドライブピニオンギア2
2,ファイナルギア26及びディファレンシャル27を
介して左右のドライブシャフト24に出力される。ま
た、本発明の車両用ベルト式変速装置では、内部の機構
を収納するケーシング1がトルクコンバータハウジング
3とトランスミッションケース5とに2分割され、さら
に、ケーシング1の内部の空間を2つに区画するための
隔壁3aがトルクコンバータハウジング3に一体に形成
されているため、ケーシング1全体の剛性を高めること
ができる利点がある。また、トルクコンバータハウジン
グ3とトランスミッションケース5とが一平面上で分割
されるように構成されているため、トルクコンバータハ
ウジング3及びトランスミッションケース5の結合面を
一面加工とすることができ、製造時の加工が容易となる
とともに加工工数を低減することができる利点がある。
また、ドライブプーリ12(プライマリシャフト2B)
の一端部をプラネタリキャリア30dの軸支部30d−
1,ベアリング40を介して円筒状ケース28の端部に
軸支するとともに、ドライブプーリ12(プライマリシ
ャフト2B)の他端(図中左端)をベアリング42を介
してトランスミッションケース5に軸支することによ
り、プライマリシャフト2Bの軸受け距離(ベアリング
スパン)を短縮化することができ、プライマリシャフト
2Bの剛性が向上する。特に、このプライマリシャフト
2Bには、スチールベルト44によりセカンダリシャフ
ト4方向へ大きな曲げモーメントが作用するが、上述の
ようにベアリングスパンを短縮化することで、このよう
な張力に対する曲げ剛性を一層向上させることができる
のである。
【0060】さらに、円筒状ケース28のベアリング4
0の配設位置の内径方向おいてプライマリシャフト2B
とプラネタリキャリア30dとをスプライン結合すると
ともに、円筒状ケース28内のベアリング40の外周側
ブレーキピストン34cを配設し、アニュラスギア30
eの外周側にブレーキディスク34a及びブレーキプレ
ート34を配設することにより、軸方向寸法を短縮化す
ることができ、変速装置全体を小型化することができる
のである。
【0061】さて、次に、本装置の組み付け手順につい
て簡単に説明すると、まず、クラッチリテーナ32f
に、クラッチピストン32c,リターンスプリング32
e,クラッチディスク32a及びクラッチプレート32
b等を取り付けアッセンブリ化し、これをインプットシ
ャフト2Aにスプライン結合する。また、プラネタリキ
ャリア30dに第1ピニオンギア30b,第2ピニオン
ギア30c,アニュラスギア30e,ピニオンシャフト
(図示省略)及びベアリング40等を組み付け、遊星歯
車機構30をアッセンブリ化する。
【0062】また、円筒状ケース28にブレーキピスト
ン34c,リターンスプリング34e,ブレーキディス
ク34a及びブレーキプレート34等を組み付けアッセ
ンブリ化する。そして、トルクコンバータハウジング3
の隔壁3aに形成された穴部(支持部)3bにリアクシ
ョンシャフトサポートアッセンブリ36を取り付け、ク
ラッチリテーナ32f及びインプットシャフト2Aのア
ッセンブリ、遊星歯車機構30のアッセンブリ、円筒状
ケース28のアッセンブリの順番に組み付けて、円筒状
ケース28をトルクコンバータハウジング3の隔壁3a
にボルト28aにより締結する。
【0063】また、トランスミッションケース5にドラ
イブプーリ12,ドリブンプーリ18,トランスファシ
ャフト6,ディファレンシャルギア26等を取り付け、
その後トルクコンバータハウジング3をトランスミッシ
ョンケース5に一致させて、ボルト1aにより締結す
る。このように、本車両用ベルト式変速装置によれば、
組み付け作業も比較的簡単なものとすることができ、製
造にともなう作業工数を低減することができるのであ
る。
【0064】なお、本発明の車両用ベルト式変速装置
は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。例え
ば上述の実施形態では、動力伝達手段としてトルクコン
バータを用いた例について説明したが、動力伝達手段と
してはトルクコンバータに限らず、フルードカップリン
グ,電磁クラッチ等を用いてもよく、この場合において
も上述した実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】例えば、図3は本発明の車両用ベルト式変
速装置の第1の変形例を示す図であって、この変形例で
は、プライマリシャフト2Bの支持構造のみが異なり、
これ以外は上述の実施形態と同様に構成されたものであ
る。すなわち、この変形例では、図に示すように、ベア
リング40の配設位置において、プラネタリキャリア3
0dの軸支持部30d−1の外周部とプライマリシャフ
ト2Bの内周部とがスプラインにより噛み合い、プライ
マリシャフト2Bの外周側がベアリング40により直接
支持されるようになっている。
【0066】そして、このように構成した場合であって
も、プライマリシャフト2Bの剛性を高めることができ
る利点があるほか、やはり軸方向寸法を短縮化すること
ができ、変速装置全体を小型化することができる利点を
有している。また、図4は本発明の車両用ベルト式変速
装置の第2の変形例を示す図であって、この変形例で
は、円筒状ケース28の取り付け構造が異なり、これ以
外は上述の実施形態と同様に構成されている。すなわ
ち、この変形例では、図4に示すように、円筒状ケース
28がボルト1bによりトランスミッションケース5に
締結されるようになっている。また、図4に示すよう
に、円筒状ケース28の円筒部28aとトランスミッシ
ョンケース5の円筒穴部5aとにより軸心の位置決めが
行なわれるようになっている。
【0067】この場合、本装置の組み付け手順が上述の
実施形態と一部において異なる。まず、円筒状ケース2
8に、ベアリング40,ブレーキ34,遊星歯車機構3
0,クラッチ32及びインプットシャフト2Aを組み付
け、前後進切替機構10をアッセンブリ化する。次に、
トランスミッションケース5にドライブプーリ,ドリブ
ンプーリ18,トランスファシャフト6,ディファレン
シャルギア26等を取り付け、さらにアッセンブリ化さ
れた前後進切替機構10を組み付ける。その後トルクコ
ンバータハウジング3をトランスミッションケース5に
一致させて、ボルト1aにより締結する。
【0068】このように、本車両用ベルト式変速装置に
おいても、組み付け作業性を簡単にすることができ、作
業工数を低減することができる。また、円筒状ケース2
8の中心合わせをトランスミッションケース5により行
なうことにより、円筒状ケース28の支持位置が、プラ
イマリシャフト2Bの軸支ベアリング40に近づき、支
持剛性をさらに高めることができる。
【0069】そして、このように構成した場合であって
も、上述した実施形態と同様の効果を奏する利点があ
る。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用ベルト式変速装置によれば、変速装置のケ
ーシングをトルクコンバータハウジングとトランスミッ
ションケースとからなる2分割構造により構成し、トル
クコンバータハウジングに、第1の軸を軸支する軸支部
をそなえた隔壁を一体に形成することにより、ケーシン
グ全体の剛性を高めることができる利点がある。すなわ
ち、トルクコンバータの後方(駆動プーリ側)がトルク
コンバータハウジングと一体の隔壁になっているため、
従来の車両用ベルト式変速装置のケースに比べて大幅に
剛性が向上するという利点がある。
【0071】また、前後進切替機構をトランスミッショ
ンケースとは別体に形成された切替機構ケース内に収納
し、切替機構ケースの一端をトルクコンバータハウジン
グに取り付け、切替機構ケースの他端が軸受けを介して
該駆動プーリの一端を軸支することにより、第1の軸の
軸受け距離(ベアリングスパン)を短縮化することがで
きるという利点がある。そして、このようなベアリング
スパンの短縮化により、第1の軸の剛性が大幅に向上す
る利点を有している。特に、この第1の軸には、無端ベ
ルトにより従動プーリ方向へ大きな曲げモーメントが作
用するが、上述のようにベアリングスパンを短縮化する
ことで、このような張力に対する曲げ剛性を一層向上さ
せることができるのである。さらには、変速装置の組み
立て自体も容易なものとすることができる利点がある。
【0072】また、請求項の本発明の車両用ベルト式
変速装置によれば、第1の軸と駆動プーリとを切替機構
ケースに設けられた軸受け近傍においてスプライン結合
することにより、第1の軸の軸方向寸法を短縮化するこ
とができ、変速装置全体を軽量、小型化することができ
る利点を有している。また、請求項3又は4の本発明の
車両用ベルト式変速装置の組み立て方法によれば、組み
付け作業も比較的簡単なものとすることができ、製造に
ともなう作業工数を低減することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における全体構成を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における要部を拡大して示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における第1の変形例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における第2の変形例を示す図である。
【符号の説明】 1 ケーシング 2 第1軸 2A 入力軸(インプットシャフト) 2B プライマリシャフト 2C オイルポンプドライブシャフト 3 トルクコンバータハウジング(ハウジング部材) 3a 隔壁 3b 穴部(支持部) 4 第2軸(セカンダリシャフト) 5 トランスミッションケース 6 第3軸(トランスファシャフト) 8 トルクコンバータ 8a ポンプ 8b タービン 8c ステータ 8d ドライブプレート 8e プレート 10 前後進切替機構 12 ドライブプーリ(駆動プーリ) 12a 固定プーリ 12b 可動プーリ 12a−1,12b−1 動力伝達面 12b−2 円筒壁部 12c 溝 13 オイルポンプ 14 トランスファドライブギア 16 パーキングギア 18 ドリブンプーリ(従動プーリ) 18a 固定プーリ 18b 可動プーリ 18a−1,18b−1 動力伝達面 18c 溝 20 トランスファドリブンギア 22 ファイナルドライブピニオンギア 24 出力軸(ドライブシャフト) 26 ファイナルギア 27 ディファレンシャル 28 円筒状ケース(切替機構ケース) 28a ボルト 30 遊星歯車機構 30a サンギア 30b 第1ピニオンギア 30c 第2ピニオンギア 30d プラネタリキャリア 30d−1 軸支持部 30e アニュラスギア(リングギア) 32 クラッチ 32a クラッチディスク 32b クラッチプレート 32c クラッチピストン 32d 油室 32e リターンスプリング 32f クラッチリテーナ 34 ブレーキ 34a ブレーキディスク 34b ブレーキプレート 34c ブレーキピストン 34d 油室 34e リターンスプリング 36 リアクションシャフトサポート 40,42 ベアリング 44 スチールベルト(無端ベルト) 46 ボールスプライン機構 48 シリンダ部 48a 壁部 50,52 ピストン 54,56 油圧室 60,62 油圧ピストン機構 64 66 ベアリング 68 ボールスプライン機構 70 円筒壁部 72 ピストン(セカンダリピストン) 74 油圧室 76 リターンスプリング 78 遠心バランス室 80 バランシングキャップ 90,92 ベアリング 94 ベアリングリテーナ 96 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−83953(JP,A) 特開 平2−195059(JP,A) 特開 昭63−297865(JP,A) 特開 平7−174198(JP,A) 特開 平5−280612(JP,A) 実開 昭58−67158(JP,U) 実開 昭63−201255(JP,U) 実開 昭58−67159(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/00 - 57/12 F16H 3/00 - 3/78 F16H 9/00 - 9/26 F16H 47/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力が動力伝達手段を
    介して入力される第1の軸と同軸上に設けられ前後進切
    替機構を介して該回転駆動力が入力される駆動プーリ
    と、該駆動プーリから掛け渡された無端ベルトを介して
    該駆動プーリからの回転駆動力が伝達される従動プーリ
    とからなる変速機構と、 該変速機構を収納するケーシングとをそなえ、 該駆動プーリ及び該従動プーリの溝幅を変更することに
    より該駆動プーリと該従動プーリとの間の変速比を変更
    する車両用ベルト式変速装置において、 該ケーシングが、 該動力伝達手段を収納するハウジング部材と、 該前後進切替機構と該駆動プーリと該従動プーリとを収
    納するトランスミッションケースとからなる2分割構造
    により構成され、 該ハウジング部材の該トランスミッションケース側に、
    該第1の軸を軸支する軸支部を有する隔壁が一体に形成
    されるとともに、 該前後進切替機構が、該トランスミッションケースとは
    別体に形成された切替機構ケース内に収納され、 該切替機構ケースの一端が該ハウジング部材の該隔壁、
    又は該トランスミッションケースに取り付けられ、該切
    替機構ケースの他端が軸受けを介して該駆動プーリの一
    端を軸支するように構成されている ことを特徴とする、
    車両用ベルト式変速装置。
  2. 【請求項2】 該前後進切替機構と該駆動プーリとが、
    該軸受けの内周側においてスプライン結合されている
    とを特徴とする、請求項1記載の車両用ベルト式変速装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された車両用ベル
    ト式変速装置の組み立て方法であって、 該前後進切替機構がクラッチ,ブレーキ及び遊星歯車機
    構を備え、 該クラッチを組み立ててアッセンブリ化し第1の軸に取
    り付ける第1工程と、 該遊星歯車機構を組み立ててアッセンブリ化する第2工
    程と、 該切替機構ケース内にブレーキを組み付けてアッセンブ
    リ化する第3工程と、 該第1の軸のアッセンブリと、該遊星歯車機構のアッセ
    ンブリと、該切替機構ケースのアッセンブリとをこの順
    番に組み付けて、該切替機構ケースを該ハウジング部材
    の隔壁にボルトにより締結する第4工程とからなること
    を特徴とする、車両用ベルト式変速装置の組み立て方
    法。
  4. 【請求項4】 該第3工程後、該隔壁に形成された支持
    部に、該第1の軸を支持するリアクションシャフトサポ
    ートを取り付ける工程を有することを特徴とする、請求
    項3記載の車両用ベルト式変速装置の組み立て方法。
JP8171597A 1997-03-31 1997-03-31 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法 Expired - Fee Related JP3489385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8171597A JP3489385B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8171597A JP3489385B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10274319A JPH10274319A (ja) 1998-10-13
JP3489385B2 true JP3489385B2 (ja) 2004-01-19

Family

ID=13754108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8171597A Expired - Fee Related JP3489385B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3489385B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60011858T2 (de) 1999-09-10 2005-08-25 Mitsubishi Jidosha Kogyo K.K. Stufenloses Getriebe
JP5425830B2 (ja) * 2011-03-23 2014-02-26 ジヤトコ株式会社 トランスミッションケース

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10274319A (ja) 1998-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4467670A (en) Belt drive continuously-variable speed automatic transmission
JP3097439B2 (ja) 無段変速機の油路構造
KR100877277B1 (ko) 무단 변속기의 전후진 전환장치
EP1728012B1 (en) Belt type continuously variable transmission
US4543852A (en) Clutch assembly for a planetary forward reverse gear set
JPH06221395A (ja) 無段変速機の溝可変プーリ
JPH06221384A (ja) 変速機の前後進切換装置
US6066058A (en) Automatic transmission
JPH10252860A (ja) 無段式自動変速装置
US6086493A (en) Continuously variable transmission
JP3489385B2 (ja) 車両用ベルト式変速装置及びその組み立て方法
JPS60252857A (ja) ベルト式無段変速機
GB2058251A (en) Automotive transmission with continuously variable speed mechanism
JP3228174B2 (ja) 車両用ベルト式変速装置
JP3424492B2 (ja) 車両用ベルト式変速装置
JPH05180281A (ja) 車両用遊星歯車式自動変速機
JP3784915B2 (ja) 車両用ベルト式変速装置
JP2689594B2 (ja) 遊星歯車装置
JP3269419B2 (ja) ベルト式プーリ装置
JP2006132550A (ja) 無段変速機の組立構造および組立方法
JP4039272B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2003301902A (ja) 車両用ベルト式変速装置
JP2001124191A (ja) プラネタリ変速機構
JP4427778B2 (ja) ベルト式無段変速機
JPH05248518A (ja) 変速機の減速ギヤ支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031007

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees