JPH08312644A - 直線案内装置および平面案内装置 - Google Patents

直線案内装置および平面案内装置

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JPH08312644A
JPH08312644A JP12355095A JP12355095A JPH08312644A JP H08312644 A JPH08312644 A JP H08312644A JP 12355095 A JP12355095 A JP 12355095A JP 12355095 A JP12355095 A JP 12355095A JP H08312644 A JPH08312644 A JP H08312644A
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ball
guide device
moving body
track rail
sheet metal
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JP12355095A
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Hiroshi Teramachi
博 寺町
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THK Co Ltd
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THK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 載置物を軽負荷にて水平方向へ移動させる直
動ベアリング装置を形成させる無限循環路を備えた直線
案内装置および平面案内装置に関し、室内構造物に対す
る直動ベアリングを形成させ得ることを目的とする。 【構成】 軌道レールおよび移動体は、中央部に設けた
水平部と、この水平部の両側端から斜め末広がりに折り
曲げた2つの斜面部とを有する板金構造体からなり、こ
の斜面部の先端には断面略円弧状に湾曲させた負荷ボー
ル溝を備え、これら軌道レールおよび移動体は、両者の
各負荷ボール溝を対向させて配置するとともに、この対
向させた各負荷ボール溝間にボ−ルを介装し、前記移動
体には、各斜面部にボ−ル循環路を備え、さらに、前記
軌道レールと前記移動体との非対向面側の表面の少なく
とも一方には弾性部材を被着させたことを特徴とするよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、載置物を軽負荷にて水
平方向へ移動させる無限循環路を備えた直線案内装置お
よび平面案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の無限循環路を備えた直線案内装置
は、机、書類箱および材料棚等に組み込まれている抽出
箱のように、物を格納あるいは載置した容器を円滑に摺
動せしめる場合に利用されるものであった(例えば、実
公昭54−34093号公報参照)。
【0003】この直線案内装置は、抽出箱の側面の外枠
に取り付けるため、幅が狭く高さが高く移動方向に長い
形状に形成させ、竪型にして使用するようにしているも
ので、取付台を設けた金属製の枠材に収容された負荷ボ
ールが、ボール接触角を垂直にされ、上下に配置された
枠材に形成されたレールに沿って転動できるようにして
あり、引出しの側面に取り付けることができる極めて幅
の薄い小さな構造部品としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の直線案内装置
は、机等の引出しの側面に取り付けられる部品として、
幅が狭く高さが高く移動方向に長く構成し、竪型にして
使用する枠材にボールが転動するレール部品であり、床
と設置物との間に介装するための幅広で高さが低く移動
方向に長い形状に形成し、横型にして使用する構成にさ
れていない。従って、床に設置する室内構造物を載置さ
せるための直線案内装置としては、設置すること自体が
難しく、また、設置したとしても高さが不必要に高くな
り、設置する床の平面度の影響も受け易く、床の平面度
が悪いと座りが悪いばかりか、円滑な直線移動に支障が
生じるという問題点があった。
【0005】本発明は、従来の技術における前記問題点
を解消するためのものであり、そのための課題は、床に
設置する室内構造物に対して有効に機能する直線案内装
置および平面案内装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の直線案内装置は、直線状に形成した軌道レール
と、この軌道レール上にボ−ルを介して載置されて前記
軌道レールに沿って直線的に移動する移動体とからなる
直線案内装置において、前記軌道レールおよび前記移動
体は、中央部に設けた水平部と、この水平部の両側端か
ら斜め末広がりに折り曲げた2つの斜面部とを有する板
金構造体からなり、この斜面部の先端には断面略円弧状
に湾曲させた負荷ボール溝を備え、これら軌道レールお
よび移動体は、両者の各負荷ボール溝を対向させて配置
するとともに、この対向させた各負荷ボール溝間にボ−
ルを介装し、前記移動体には、各斜面部の根元部に形成
した無負荷ボール通路と、この無負荷ボール通路の端部
と前記負荷ボール溝の端部とを連通させる方向転換路に
より形成されたボ−ル循環路を備え、さらに、前記軌道
レールと前記移動体との非対向面側の表面の少なくとも
一方には弾性部材を被着させたことを特徴とする。
【0007】そして、請求項2記載の直線案内装置は、
前記移動体が、2枚の板材を重ね合わせ、その2枚重ね
の内側に前記負荷ボール溝と前記無負荷ボール通路と前
記方向転換路とを形成させることにより、前記ボール循
環路を前記各斜面部に形成させたことを特徴としたもの
である。
【0008】そしてまた、請求項3記載の直線案内装置
は、前記弾性部材が弾性ゴムまたは弾性プラスチックで
あることを特徴としたものである。
【0009】そしてまた、請求項4記載の直線案内装置
は、前記軌道レールの水平部の中央部に、前記移動体側
に向かって凹むとともに長手方向へ延びる凹部を形成さ
せることを特徴としたものである。
【0010】また、請求項5記載の平面案内装置は、直
交する無限循環路を備えた移動体と、該移動体に嵌め合
わせて直交方向へ相対的に移動する2つの軌道レールと
を備えた平面案内装置において、前記移動体は、中央部
に設けた水平部と、この水平部の両側端から斜め末広が
りに折り曲げた2つの斜面部とを有し、前記各斜面部の
先端には断面略円弧状に湾曲させた負荷ボール溝を延設
し、前記各斜面部の根元部には無負荷ボール通路を形成
し、この無負荷ボール通路の端部と前記負荷ボール溝の
端部とに方向転換路を連通したボ−ル循環路を形成させ
た板金構造体を2つ備え、この各板金構造体を、凸面側
の前記水平部を当接させる方向へ向けるとともに前記斜
面部を互いに直交方向へ向けて一体に固着させ、前記各
軌道レールは、中央部に設けた水平部と、この水平部の
両側端から斜め末広がりに折り曲げた2つの斜面部とを
有し、この各斜面部の先端には断面略円弧状に湾曲させ
た負荷ボール溝を備えた板金構造体からなり、各軌道レ
ールおよび前記移動体は、両者の各負荷ボール溝を対向
させて配置するとともに、この対向させた各負荷ボール
溝間にボ−ルを介装し、さらに、前記各軌道レールと前
記移動体との各板金構造体の非対向面側に位置する表面
の少なくとも一方には弾性部材を被着させたことを特徴
とする。
【0011】
【作用】このように構成したことにより、本発明の直線
案内装置を適用すると、移動体が軌道レールの負荷ボー
ル溝に案内されて軽負荷で直線移動することができるよ
うになり、さらに、前記軌道レールと前記移動体との非
対向面側の表面の少なくとも一方に被着させた弾性部材
により取付箇所に生じている凹凸の影響をなくして直線
性を精密に維持するとともに動作時の振動を減衰させ、
振動等により直線案内装置に力が加えられた場合であっ
ても、水平方向の力に対しては前記移動体が無限循環路
から多数のボールを循環させて前記軌道レールに沿って
直線移動することにより力を逃がし、垂直方向の力に対
しては板金構造体の撓みと前記弾性部材の弾性力によっ
て緩衝させ、さらに、板金構造としたことにより構造全
体の高さが低くなるため、据付けを容易にすることがで
きるようになる。
【0012】また、本発明による平面案内装置を適用す
ると、2つの直線案内装置が移動体側を背中合わせにし
て一体に組合わされるとともに移動方向を直交させて重
ねられたことにより、各軌道レールが移動体に対して直
交する方向へ自由に移動するため、平面的に移動する案
内装置が簡易に構成できるようになる。そして、弾性部
材が局所的に凹むことで設置箇所の不陸や凹凸の影響を
なくし、載置させた室内構造物を安定良く支持し、前記
各軌道レールの直線性を維持して円滑な平面動作を行わ
せることができるようにし、かつ、全体の高さを低く抑
え、安定性を向上させるようになる。さらに、移動体の
背中合わせに重ねた板金構造体の水平部に弾性部材を介
装させると、一方の直線案内装置に伝達された振動を減
衰させて、他方の直線案内装置に振動を直接的に伝達さ
せることを防止し、消音効果を向上させるようになる。
【0013】
【実施例】
〔直線案内装置の構成〕図1は実施例における直線案内
装置の斜視図、図2は実施例における直線案内装置の正
面縦断面図、図3は実施例における直線案内装置のボー
ル循環組立体の上半分を取り外してボール循環路に収納
されているボールが見えるようにした平面説明図であ
る。
【0014】実施例における直線案内装置10は、薄い
板状に形成されている軌道レール11と、その軌道レー
ル11に沿って移動自在に載置されている移動体である
ボール循環組立体12とからなる直線動作型の案内装置
を形成する。
【0015】軌道レール11は、正面からみると、図2
に示すように、中央部には上面側に向かって凹み、かつ
軸方向に延びる凹部を形成させて高低差を設けるととも
に低い方の下面を据付け面として複数のボルト孔13,
13を穿設した水平部11aと、その水平部11aの両
端縁から斜め上面側へそれぞれ対称形に先端側へ広がる
ように折り曲げた2つの斜面部11b,11bを形成
し、その各斜面部11b,11bの先端に軸方向へ延び
る断面円弧状の負荷ボール溝11c,11cを設けた板
金構造体11dとし、その板金構造体11dの外面(凸
面)側にはゴムまたはプラスチック等の中で強度が強く
弾性に富む材料から選ばれた弾性部材15を配設して接
着する。この弾性部材15は板金構造体側の面を軌道レ
ール11の外面に合わせて成形し、据付け側の面を一平
面に成形する。
【0016】ボール循環組立体12は、複数のボルト孔
14,14を穿設した水平部12aと、その水平部12
aの両端縁から軌道レール11に形成させたボール溝1
1c,11cに向かって斜め下面側へそれぞれ対称形に
先端側へ広がるように折り曲げた斜面部12b,12b
とからなり、その斜面部12b,12bの各先端に負荷
ボール溝12c,12cを形成するとともに斜面部12
b,12bの折れ曲がり側の根元部に無負荷ボール通路
となる無負荷ボール孔12d,12dを形成し、その無
負荷ボール孔12d,12dと負荷ボール溝12c,1
2cとの各端部を方向転換路12e,12e,12e,
12e(図3)によって連通させたボール循環路16を
形成して、ボール循環路16を備えた板金構造体12f
を形成し、その板金構造体12fの凸側表面にはゴムま
たはプラスチック等の中で強度が強く弾性に富む材料か
ら選ばれた弾性部材17を配設して接着する。この弾性
部材17は接着側の面を板金構造体12fの外面に合わ
せて形成し、外表面側を一平面に形成する。
【0017】ボール循環組立体12の水平部12aと斜
面部12b,12bとの折れ曲がり角度は、水平に対し
て時計回り方向で30〜45度とする。このボール循環
組立体12の板金構造体12fは、冷間ロール成形した
2枚の薄板を重ね合わせ、それぞれの2枚重ねの内側に
負荷ボール溝12c,12cと無負荷ボール孔12d,
12dと方向転換路12e,12e,12e,12eと
を形成させることにより、平面形状が競技場のトラック
(競争路)のような平行線の両端を半円で接続させた平
面形のボール循環路16,16を各斜面部12b,12
bに形成させる。重ね合わせた2枚の薄板は、ボール循
環路16の環状中央部をリベット止めして離れないよう
にする。ボール循環路16には所定数のボール18をリ
テーナ19によって等間隔で保持させて収容する。
【0018】〔直線案内装置の作用効果〕このように構
成した実施例の直線案内装置においては、直線動作型の
案内装置を形成しているため、ボール循環組立体12に
物品を載置してボルト止めすると、水平力が僅かでも床
面に加えられると、軌道レール11に沿って移動可能に
載置されているボール循環組立体12が軌道レール11
の長手方向に移動して、水平力を逃がし、ボール循環組
立体12に載置された物品に損傷を与えるほどの力を加
えずに済むようになる。このため、水平方向の荷重を受
けると荷重の加えられた方向へボール循環組立体12が
移動して力を逃がすため、取り付けられている物品ある
いは装置が地震動等の大きな力による損傷を受けずに済
むような免震構造用の直線移動機構に応用することがで
きる。
【0019】軌道レール11が、中央部には水平部11
aと、その水平部11aの両端縁から斜め上方へそれぞ
れ対称形に先端側へ広がるように折り曲げた2つの斜面
部11b,11bとを形成し、その各斜面部11b,1
1bの先端に軸方向へ延びる断面円弧状の負荷ボール溝
11c,11cを設けた板金構造体11dに形成され、
また、ボール循環組立体12が、中央部の水平部12a
と、その水平部の両端縁から軌道レール11に形成させ
た負荷ボール溝11c,11cに向かって斜め下方へそ
れぞれ対称形に先端側へ広がるように折り曲げた斜面部
12b,12bとからなるため、載置された物品の重量
が掛かる方向に対する弾力を有し、上下方向の力が加え
られたとしても、緩衝作用を発揮して衝撃的な力を和ら
げ、ボール転動面の損傷を防止する。このようにボール
循環組立体12と軌道レール11とが板金構造を形成し
て、軌道レール11とボール循環組立体12との負荷ボ
ール溝11c,12cの近傍が、斜面部11bおよび斜
面部12bとして形成されているため、板金構造体11
d,12f自体がばね構造となり、縦方向の振動を吸収
して載置物の保護ができるようになり、また、高さの微
調節もできる。
【0020】ボール循環組立体12には、斜面部12
b,12bの各先端に負荷ボール溝12c,12cを形
成するとともに斜面部12b,12bの根元部に無負荷
ボール孔12d,12dを形成し、その無負荷ボール孔
12d,12dと負荷ボール溝12c,12cとの各端
部を方向転換路12e,12e,12e,12eによっ
て連通させたボール循環路16を形成させているため、
ボール循環組立体12の負荷ボール溝12c,12cが
軌道レール11に形成された負荷ボール溝11c,11
cと組み合わされて負荷ボール孔10aを形成し、この
負荷ボール孔10aと無負荷ボール孔12d,12dと
の間でボール18を回転させながら循環させることによ
り、軌道レール11に沿ってボール循環組立体12を軽
快に移動させ、載置された物品に対する水平方向の破壊
的な力の伝達を防止し、ボール転動面の損傷を防止して
円滑な直線移動を維持することができる。
【0021】そして、ボール循環組立体12が、折り曲
げ角を30〜45度となるようにして冷間ロール成形し
た2枚の薄板を重ね合わせ、それぞれの2枚重ねの内側
に、負荷ボール溝12c,12cと無負荷ボール孔12
d,12dと方向転換路12e,12e,12e,12
eとを形成させて、環状のボール循環路16を形成させ
たことにより、ボール循環組立体12自体が非常に薄い
板状に形成され、ボール循環路16の中央部をリベット
止めして離れないようにしているため、組立て容易で、
弾力のある製造容易な板金構造体を得ることができる。
【0022】軌道レール11とボール循環組立体12と
が、それぞれの板金構造体11d,12fの外面(凸
面)側に、接着側の表面を各板金構造体の外面に合わ
せ、床または物品の取付面側を一平面に形成させた弾性
部材15,17を接着させたため、床面または物品の取
付面が凹凸や不陸等の存在により平坦度が悪くても、弾
性部材15または弾性部材17が局所的に凹み、取付面
の凸部を取り込むことにより、取付面の平坦度の悪さを
補って、軌道レール11の直線度を維持し、ボール循環
組立体12を円滑に直線案内できるようにするととも
に、軌道レール11上をボール循環組立体12が直線移
動するときには、ボール18の転がり運動に伴う音の発
生とその伝達が、弾性部材15または弾性部材17の弾
性により吸収されて、騒音を緩和あるいは消音させるこ
とができる。特に、弾性部材15と弾性部材17とがゴ
ムの場合には、摩擦抵抗が大きいため床に置くだけ、ま
たは物品を載置させたままでも使用できるようになり、
ボルト締め等の相手部材との締結が不要になる。
【0023】〔平面案内装置の構成〕図4は実施例にお
ける平面案内装置の斜視図、図5は実施例における平面
案内装置の主要部を示す斜視部分断面図、図6は実施例
における平面案内装置のボール循環組立体を示す縦断面
図、図7は実施例における平面案内装置を取り付けたコ
ンピュータシステムを示す斜視説明図である。
【0024】実施例における平面案内装置20は、2つ
の直線案内装置10を背中合わせに重ねて構成したもの
で、2つの板金構造体12fを互いに直交する方向へ向
けて背中合わせに一体に組み付けた移動体21に対し
て、同一形状に形成された2つの軌道レール11,11
を組み合わせて、各軌道レール11,11が直交する方
向へ相対的に移動するようにした、載置させた物品が平
面内を自由に動作できる案内装置を形成する。
【0025】移動体21は、図6に示すように、中央部
に形成した水平部12aと、この水平部12aの両端縁
から軌道レール11に形成させた負荷ボール溝11c,
11cに向かって対称的に折り曲げた斜面部12b,1
2bとからなり、その斜面部12b,12bの先端には
負荷ボール溝12c,12cを形成するとともに斜面部
12b,12bの根元部には無負荷ボール孔12d,1
2dを形成し、この無負荷ボール孔12d,12dと前
記負荷ボール溝12c,12cとの各端部を方向転換路
12e,12eによって連通させて、所定数のボール1
8をリテーナ(図示せず)で等間隔に保持し収容させた
ボール循環路16を形成した板金構造体12fを2つ形
成し、互いの板金構造体12fに形成させたボール循環
路16の向きを90度回転させて、各水平部12a,1
2aの凸面側を重ね合わせるようにして背中合わせに重
ね、さらに、この背中合わせに重ねた両水平部12a,
12aの間に弾性ゴムまたは弾性プラスチックからなる
弾性部材21aを介装して、嵌め合わせた2つの軌道レ
ール11が互いに90度交差した方向へ移動できるよう
に形成する。
【0026】各軌道レール11は、中央部に高低差を設
けるとともに複数のボルト孔13を穿設した水平部11
aと、この水平部11aの両端縁から移動体21の負荷
ボール溝12c,12cに向かって対称的に斜めに折り
曲げ、各折り曲げた先端部に軸方向へ延びる断面円弧状
のボール溝11c,11cをそれぞれ形成させた斜面部
11bとからなる板金構造体11dを形成し、この板金
構造体11dの外面(凸面)側に弾性ゴムまたは弾性プ
ラスチックからなる弾性部材15を配設し接着する。
【0027】〔平面案内装置の作用効果〕このように構
成した実施例の平面案内装置においては、例えば図7に
示すように、床面40とコンピュータシステムの各装置
との間に複数個の平面案内装置20を介装し、各装置に
制振装置または緩衝装置30を取り付けると、直線案内
装置2つを直交させて配置しているため、振動が床面4
0に加えられても、装置側に取り付けられた軌道レール
11と移動体21とが移動して、載置させた装置を水平
移動させるとともに制振装置または緩衝装置30の制振
作用または緩衝作用によって水平方向分力を和らげある
いは逃がし、また、平面案内装置自体の弾力および弾性
体の弾性力によって振動の縦方向分力をやわらげて、載
置させた装置に損傷を与えるほどの力を加えずに済むよ
うになり、載置させた装置の破損を防止することができ
る。
【0028】軌道レール11の外面側に接着させた弾性
部材15により、床面40または装置の取付面に不陸や
凹凸等が存在して平坦度が悪くても、取付面の凸部に応
じて弾性部材15が局所的に凹むことにより外面側を変
形させて、軌道レール11の直線度を維持し、移動体2
1を円滑に直線案内できるようにするとともに、移動体
21の板金構造体12f,12fの間に介装させた弾性
部材21aの弾力と、板状に形成された各板金構造体1
2f,12f自体の弾力とにより、床面40に各装置を
安定良く据え付けさせることができる。
【0029】移動体21は、所定数のボール18をリテ
ーナで等間隔に保持し収容させたボール循環路16を形
成した2つの板金構造体12f,12fを、各板金構造
体12f,12fのボール循環路16の向きを直交させ
て、各水平部12a,12aを背中合わせに重ね、さら
に、背中合わせに重ねた両水平部12a,12aの間に
弾性ゴムまたは弾性プラスチックからなる弾性部材21
aを介装したことにより、床面40と各装置との間に介
装されると、嵌め合わせた2つの軌道レール11,11
が互いに直交方向へ移動できるようになり、自由に移動
させることにより床面方向の力が加えられてもその加え
られた力を逃がせるようになり、また、板金構造体12
f,12fの間に介装した弾性部材21aの弾力と薄い
板状に形成された板金構造体12f,12f自体の弾力
とにより、重量が加えられる方向の力を緩衝させられる
ようになって、地震動のように大きな振動が加えられた
としても、衝撃的な上下動を和らげ、水平動を逃がすこ
とで、破壊的な力が伝達されることを防止する。このた
め、床面と物品、装置、あるいは浮き床等との間に介装
されると、大きな振動が加えられたとしても、重量が加
えられる方向の力を緩衝し、床面方向の力を水平移動に
より逃がしてやることで、物品あるいは装置の破壊的な
損傷を防止することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明における請求項1記
載の直線案内装置では、軌道レールおよび移動体が板金
構造体として形成されたことにより、軽量で弾力の大き
な構造体を構成でき、直線案内装置全体の高さを低くく
抑えることができて、据え付けを容易にすることができ
る。そして、対向させた各負荷ボール溝間にボ−ルを介
装し、移動体にはボ−ル循環路を備えたことにより、移
動体を軌道レールの負荷ボール溝に案内されて軽負荷で
直線移動することができる。さらに、軌道レールと移動
体との表面の少なくとも一方には弾性部材を被着させた
ことにより、取付箇所に生じている凹凸の影響をなくし
て直線度を維持できるとともに動作時の振動を減衰させ
ることができる。また、振動等により直線案内装置に大
きな力が加えられた場合、水平方向の力に対しては移動
体が多数のボールを循環させて軌道レールに沿って直線
移動することにより力を逃がし、垂直方向の力に対して
は板金構造体が撓むことにより生じる弾性力と弾性部材
の弾力によって緩衝させることができて、載置させた物
品に過大な荷重が加えられないように保護することがで
きる。
【0031】そして、請求項2記載の直線案内装置で
は、移動体は2枚の薄板を重ね合わせて、その2枚重ね
の内側に負荷ボール溝と無負荷ボール孔と方向転換路と
を形成させたことにより、移動体を全体的に薄く軽量に
形成でき、しかも構造強度を強くすることができる。
【0032】そしてまた、請求項3記載の直線案内装置
では、弾性部材を弾性ゴムまたは弾性プラスチックとし
たことにより、弾性が大きなわりに丈夫な構造形態に成
形することができ、耐振性を強化することができる。
【0033】そしてまた、請求項4記載の直線案内装置
では、軌道レールの中央部に、移動体側に向かって凹
み、かつ軸方向に延びる凹部を形成させたことにより、
軌道レールの構造強度を高めることができるとともに中
央部の弾性体量を多くして床側の不陸あるいは小凹凸の
影響を効果的になくすことができる。
【0034】また、請求項5記載の平面案内装置では、
2つの直線案内装置が移動体側を背中合わせにして一体
に組み合わされるとともに移動方向を直交させた装置を
形成して、各軌道レールが移動体に対して直交する方向
へ自由に移動できるようにしたことにより、平面的に移
動する案内装置を簡易に実現できる。そして、移動体は
負荷ボール溝を有するボ−ル循環路を設けた2つの板金
構造体を互いに直交方向へ向けて一体に固着させ、各軌
道レールは負荷ボール溝を備えた板金構造体を形成し、
各軌道レールおよび移動体は両者の各負荷ボール溝を対
向させて、この対向させた各負荷ボール溝間にボ−ルを
介装したことによって、前記移動体の負荷ボール溝に沿
って前記各軌道レールを移動させることにより、載置物
を平面的に円滑に移動させることができる。
【0035】平面的に移動できるため大きな水平振動を
逃がすことができ、また、前記移動体と前記各軌道レー
ルとが、各板金構造体および板金構造体を撓ませて効果
的に縦振動を緩衝させることができて、載置物に過大な
荷重を加えることがないように保護することができる。
さらに、前記各軌道レールと前記移動体との各板金構造
体の非対向面側表面の少なくとも一方には弾性部材を被
着させたことにより、弾性部材が局所的に凹み外形を変
形することで、設置箇所の不陸や凹凸の影響をなくし、
載置させた室内構造物を安定良く支持することができる
とともに前記各軌道レールの直線性を維持することがで
きる。
【0036】そしてさらに、床と浮き床(またはXYテ
ーブル)との間に介装すると、載置させた構造物を安定
良く支持でき、大きな水平振動を逃がすことができると
ともに効果的に縦振動を緩衝させることができて、平面
的に自由かつ軽快に移動する静かな平面案内装置を備え
た制振装置あるいは免振装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における直線案内装置を示す斜
視図である。
【図2】実施例の直線案内装置を示す正面縦断面図であ
る。
【図3】実施例の直線案内装置の無限循環路を示す平面
説明図である。
【図4】本発明の実施例における平面案内装置を示す斜
視図である。
【図5】実施例の平面案内装置を示す部分断面斜視図で
ある。
【図6】実施例の平面案内装置を示す正面縦断面図であ
る。
【図7】実施例の平面案内装置の使用例を示す斜視説明
図である。
【符号の説明】
10 直線案内装置 10a 負荷ボール孔 11,22 軌道レール 11a 水平部 11b 斜面部 11c 負荷ボール溝 11d 板金構造体 12 ボール循環組立体(移動体) 12a 水平部 12b 斜面部 12c 負荷ボール溝 12d 無負荷ボール孔(無負荷ボール通路) 12e 方向転換路 12f 板金構造体 13,14 ボルト孔 15,17 弾性部材 16 ボール循環路 18 ボール 19 リテーナ 20 平面案内装置 21 移動体 21a 弾性部材 30 制振装置または緩衝装置 40 床面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線状に形成した軌道レールと、この軌道
    レール上にボ−ルを介して載置されて前記軌道レールに
    沿って直線的に移動する移動体とからなる直線案内装置
    において、 前記軌道レールおよび前記移動体は、中央部に設けた水
    平部と、この水平部の両側端から斜め末広がりに折り曲
    げた2つの斜面部とを有する板金構造体からなり、前記
    斜面部の先端には断面略円弧状に湾曲させた負荷ボール
    溝を備え、 これら軌道レールおよび移動体は、両者の各負荷ボール
    溝を対向させて配置するとともに、この対向させた各負
    荷ボール溝間にボ−ルを介装し、 前記移動体には、各斜面部の根元部に形成した無負荷ボ
    ール通路と、この無負荷ボール通路の端部と前記負荷ボ
    ール溝の端部とを連通させる方向転換路により形成され
    たボ−ル循環路を備え、 さらに、前記軌道レールと前記移動体との非対向面側の
    表面の少なくとも一方には弾性部材を被着させたことを
    特徴とする直線案内装置。
  2. 【請求項2】前記移動体は、2枚の板材を重ね合わせ、
    その2枚重ねの内側に前記負荷ボール溝と前記無負荷ボ
    ール通路と前記方向転換路とを形成させることにより、
    前記ボール循環路を前記各斜面部に形成させたことを特
    徴とする請求項1記載の直線案内装置。
  3. 【請求項3】前記弾性部材は弾性ゴムまたは弾性プラス
    チックであることを特徴とする請求項1記載の直線案内
    装置。
  4. 【請求項4】前記軌道レールの水平部の中央部に、前記
    移動体側に向かって凹むとともに軸方向へ延びる凹溝部
    を形成させることを特徴とする請求項1記載の直線案内
    装置。
  5. 【請求項5】直交する無限循環路を備えた移動体と、該
    移動体に嵌め合わせて直交方向へ相対的に移動する2つ
    の軌道レールとを備えた平面案内装置において、 前記移動体は、中央部に設けた水平部と、この水平部の
    両側端から斜め末広がりに折り曲げた2つの斜面部とを
    有し、前記各斜面部の先端には断面略円弧状に湾曲させ
    た負荷ボール溝を延設し、前記各斜面部の根元部には無
    負荷ボール通路を形成し、この無負荷ボール通路の端部
    と前記負荷ボール溝の端部とに方向転換路を連通したボ
    −ル循環路を形成させた板金構造体を2つ備え、この各
    板金構造体を、凸面側の前記水平部を当接させる方向へ
    向けるとともに前記斜面部を互いに直交方向へ向けて一
    体に固着させ、 前記各軌道レールは、中央部に設けた水平部と、この水
    平部の両側端から斜め末広がりに折り曲げた2つの斜面
    部とを有し、この各斜面部の先端には断面略円弧状に湾
    曲させた負荷ボール溝を備えた板金構造体からなり、 各軌道レールおよび前記移動体は、両者の各負荷ボール
    溝を対向させて配置するとともに、この対向させた各負
    荷ボール溝間にボ−ルを介装し、 さらに、前記各軌道レールと前記移動体との各板金構造
    体の非対向面側に位置する表面の少なくとも一方には弾
    性部材を被着させたことを特徴とする平面案内装置。
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