JPH08312147A - 屋根面部の吊り上げ方法 - Google Patents

屋根面部の吊り上げ方法

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JPH08312147A
JPH08312147A JP7117188A JP11718895A JPH08312147A JP H08312147 A JPH08312147 A JP H08312147A JP 7117188 A JP7117188 A JP 7117188A JP 11718895 A JP11718895 A JP 11718895A JP H08312147 A JPH08312147 A JP H08312147A
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JP
Japan
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roof
panel
roof surface
hoisting
hanging
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7117188A
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English (en)
Inventor
Osamu Ishiwatari
修 石渡
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Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
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Publication date
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 躯体に取付けられて屋根部を構築する屋根面
部を、破損するおそれなく、かつ容易に短時間で作業性
よく吊り上げて搬送する方法を提供する。 【構成】 工場等にて形成され、建築現場に搬送されて
一旦所定の場所に複数枚積み上げられた屋根パネル10
のうち、最上段のパネルを、クレーン1に取付けられた
吊り具30の吊り用ワイヤ42,44の両端部をそれぞ
れ屋根パネル10に係止させることにより吊り具30に
取付ける。そして、吊り具30をクレーン1で吊り上げ
る。吊り具30は、この状態において、屋根パネル10
が水平に吊り上げられるように、吊り用ワイヤ40の支
持位置を予め設定してあり、屋根パネル10は、水平状
態でそのまま上方に吊り上げられる。それから、パネル
を吊り上げた状態のままで、所定位置において、吊り具
30が備える調整手段を用いて吊り用ワイヤ40の支持
位置を変更することにより、この支持位置から係止位置
までの吊り用ワイヤ40の長さを変更して、屋根パネル
10を、屋根パネル10が構築する屋根の勾配に対応さ
せて傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構築する屋根の勾配に
対応して傾斜した状態で躯体に取付けられる屋根面部
を、吊り上げ機構により昇降される昇降部材に取付けら
れた吊り具を用いて吊り上げ搬送する屋根面部の吊り上
げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工業化住宅のひとつとして、構造
材を構成するパネルを箱状に組み合わせて建物を構築す
るパネル工法が知られている。
【0003】このパネル工法においては、基礎上に複数
の床パネルを敷設して床部を構築し、この床部上に複数
の壁パネルを立設固定して壁部を構築し、さらに、壁部
上や壁部間に架設された屋根梁上に複数の屋根パネルを
敷設して屋根部を構築し、建物が構築される。
【0004】建物構築の際に、床パネル100、壁パネ
ル110および屋根パネル120等の建築用パネルは、
図6に示すように、吊り具130を用いてクレーン14
0等の昇降部材により吊り上げられて、所定の場所へ搬
送され載置される。
【0005】屋根パネル120の場合、通常、予め屋根
パネル120を、屋根の勾配に合わせて傾斜した状態で
吊り上げて搬送し、そのまま壁部上や壁部間に架設され
た屋根梁上に載置固定する方法がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予め傾
斜した状態で屋根パネルを吊り上げる方法であると、吊
り上げる際に、屋根パネルの下端が地面に接触したり、
あるいは屋根パネルの下に同種のパネルまたはその他の
建築部材等置かれている場合には、それらに接触するこ
とによって、吊り上げられる屋根パネルや下に位置する
建築部材等が破損するおそれが生じる。そこで、これを
避けるために、吊り上げ作業を細心の注意をはらって慎
重に行う必要があり、作業に時間がかかり作業性が悪い
という問題があった。
【0007】また、近年、さらなる工業化推進によって
品質の向上を図るとともに現場作業の簡略化および施工
工程数の減少による施工費用の削減、施工期間の短縮を
目的とし、予め工場等で付属部材や仕上げ材等を取り付
けた、いわゆるプレフィニッシュタイプの建築用パネル
が用いられるようになっている。このように、予め屋根
仕上げ材が取付けられている屋根パネルの場合、吊り上
げ時にパネル同士がぶつかって屋根仕上げ材が破損しな
いように、吊り上げ作業を特に慎重に行う必要が生ず
る。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的は、躯体に取付けられて屋根部を構築
する屋根面部を、破損するおそれなく、かつ容易に短時
間で作業性よく吊り上げて搬送する屋根面部の吊り上げ
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、構築する屋根の勾配に対応
して傾斜した状態で躯体に取付けられる屋根面部を、吊
り上げ機構により昇降される昇降部材に取付けられた吊
り具を用いて吊り上げ搬送する屋根面部の吊り上げ方法
において、前記吊り具を用いて屋根面部を水平状態で吊
り上げる工程と、前記屋根面部を吊り上げた状態で、前
記屋根の勾配に対応させて屋根面部を傾斜させる工程
と、を含むことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、吊り上げられる前記屋根面部は、複数の屋根面部を
水平に積み上げた、最上段に位置するものであることを
特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2において、前記屋根面部は、前記吊り具を構成す
る吊り用ワイヤが、前記昇降部材に支持され、かつ前記
屋根面部の少なくとも2箇所に係止されて吊り上げら
れ、前記吊り用ワイヤの支持位置から少なくとも一つの
係止位置までの吊り用ワイヤの長さを変更して、前記屋
根面部を傾斜させることを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3におい
て、前記吊り用ワイヤの支持位置を変更して、前記吊り
用ワイヤの支持位置から少なくとも一つの係止位置まで
の吊り用ワイヤの長さを変更することを特徴としてい
る。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項3におい
て、前記吊り用ワイヤの全長を変更して、前記吊り用ワ
イヤの支持位置から少なくとも一つの係止位置までの吊
り用ワイヤの長さを変更することを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、昇降部材に取
付けられた吊り具を用いて、まず、屋根面部を水平状態
で吊り上げて、その後、屋根面部を吊り上げた状態で、
構築する屋根の勾配に合わせて屋根面部を傾斜させる工
程とを含むので、屋根面部は水平状態で上方に吊り上げ
られ、吊り上げられた屋根面部が地面や下に位置する他
の建築部材等と接触するおそれが回避でき、吊り上げら
れる屋根面部あるいは他の建築部部材等が破損すること
を防止できる。しかも、水平状態に吊り上げる作業は、
容易に短時間で行えるので作業性が向上する。また、そ
の後、屋根面部はその取付け状態に合わせて傾斜されて
搬送されるので、躯体に取付ける際にそのまま壁部上や
屋根梁上等に載置することができ、取付けやすく作業性
がよい。
【0015】請求項2記載の発明にあっては、複数の屋
根面部が、建築現場において一旦水平に積み上げられ
て、その後順次吊り上げて取付けがされる所定位置まで
搬送される場合に、請求項1と同様の作用により、吊り
上げられた最上段の屋根面部の下端が次段の屋根面部に
接触することによって屋根面部が破損するおそれが回避
でき、屋根面部の破損を防止でき、かつ吊り上げ搬送作
業を容易に短時間で行うことができる。
【0016】特に、屋根面部が破損しやすい屋根仕上げ
材等を予め有している場合でも、屋根面部の吊り上げ搬
送作業を容易に短時間で行うことができる。
【0017】請求項3の発明にあっては、昇降部材に支
持され、かつ屋根面部の少なくとも2箇所に係止されて
屋根面部を吊り上げている吊り用ワイヤの支持位置から
少なくとも一つの係止位置までの長さを変更することに
より、被吊り上げ部材である屋根面部の傾き状態を、吊
り上げた状態のままで容易に変化させることができる。
【0018】請求項4記載の発明にあっては、吊り用ワ
イヤの支持位置を適宜変更することにより、吊り用ワイ
ヤの支持位置から少なくとも一つの係止位置までの長さ
を所定の長さに容易に変更することができる。
【0019】請求項5記載の発明にあっては、吊り用ワ
イヤの全長を適宜変更することにより、前記吊り用ワイ
ヤの支持位置から少なくとも一つの係止位置までの長さ
を所定の長さに容易に変更することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づいて詳細に説明する。
【0021】(実施例1)図1は、実施例1に係る屋根
パネルの吊り上げ方法により、吊り具30を用いて屋根
パネル10を吊り上げた状態を示す図である。実施例1
において、屋根パネル10は、木質パネル工法による建
物に用いられる建築用パネルであり、壁パネル、屋根梁
等が構成する小屋組上に敷込まれて屋根部を構築する。
【0022】屋根パネル10は、図1に示すように、屋
根パネル本体12と、屋根パネル本体の表面に取付けら
れた屋根仕上げ材20とを含み構成されている。
【0023】図2(A)は、屋根パネル本体12を裏面
側から示す斜視図である。
【0024】屋根パネル本体12は、図2(A)に示す
ように、縦芯材14aと横芯材14b,14cを矩形状
に枠組みして形成された枠体16と、枠体の表面に取付
けられた面材18とを含み構成されている。枠体16の
棟側端部には、結合棟木28が取付けられ、枠体16の
軒側端部には、勾配調整材26が取付けられている。
【0025】また、枠体16の棟側端部の幅方向両端部
付近2箇所(図4参照)には、棟吊り金物24がそれぞ
れ取付けられている。この棟吊り金物24の取付け位置
を確保するために、結合棟木28は、図2(B)に示す
ように、棟吊り金物24の取付け位置において所定の隙
間をあけて分割された状態で枠体16に取付けられてい
る。棟吊り金物24は、屋根パネル10を吊り具30に
て吊り上げる際に、吊り具30と屋根パネル10との連
結を介在する部材であり、図1に示すように、L字状の
金物で、その上端付近に取付け穴24aを有している。
【0026】屋根仕上げ材20は、屋根パネル本体12
の表面に、屋根耐水シート、ルーフィング材、パッキン
材(いずれも図示略)等の部材を介して取付けられてい
る。
【0027】屋根パネル10は、予め工場等で形成され
て現場に搬送される。
【0028】吊り具30は、クレーン等の昇降部材に取
付けられて、屋根パネル10等の建築用パネルを吊り上
げるための部材である。
【0029】吊り具30は、吊り部32、吊り用ワイヤ
40および調整手段50とを含み構成されている。な
お、吊り用ワイヤ40は、ワイヤ40a,40b,40
cを組み合わせることにより構成されている。
【0030】吊り部32は、図1に示すように、下面が
開口した箱形のもので、その上部には、吊り上げ機構に
より昇降される昇降部材であるクレーン1に吊り具30
を連結するための連結部34が設けられている。
【0031】また、吊り部32の内部には、調整手段5
0が設けられている。
【0032】調整手段50は、図3に示すように、吊り
部32の背面側に設けられた、正逆回転可能な駆動用モ
ータ52と、吊り部32内に設けられた、駆動用モータ
52の駆動軸52aに直結された歯車(第1のギア部)
54と、この歯車54に噛合されて該歯車54の回転と
同時に反対方向に回転する第2のギア部56とを有して
いる。
【0033】第2のギア部56は、歯車(第1のギア
部)54に噛合される歯車56aと、該歯車56aの中
心部に設けられて該歯車56aの回転の中心となる棒軸
56bと該棒軸56bに固定されて歯車56aの前部に
位置し、歯車56aの回転と同時に同一方向に回転する
巻取り部56cとを含み構成されている。
【0034】この第2のギア部56の巻取り部56cに
は、その外周面が全周に及んで適当な深さに切り欠かれ
てなる切欠き部56dが設けられており、該切欠き部5
6dにはワイヤ40aが巻き付けられている。
【0035】また、吊り部32の内部には、第2のギア
部56の巻取り部56cの左右両側に、該巻取り部56
cと所定の間隔をあけてプーリ58,58が設けられて
いる。プーリ58は、第2にギア部56の棒軸56bと
平行に設けられた棒軸(図示略)を中心に正逆回転可能
に設けられており、巻取り部56cに巻付けられたワイ
ヤ40aを左右両側から押さえて外れを防止するための
ものである。
【0036】さらに、吊り部32の外部には、駆動用モ
ータ52の駆動および制御を行う操作部(図示略)が設
けられている。操作部は、吊り具30とは別体に用意さ
れたリモコンである。一方、このリモコン(操作部)に
よる操作指令を受けるための受光部(図示略)が、駆動
用モータ52の近傍に、駆動用モータ52に連結して設
けられている。
【0037】吊り用ワイヤ40は、ワイヤ40a,40
b,40cよりなり、吊り部32を介してクレーン1に
より支持され、かつ被吊り上げ部材である屋根パネル1
0に係止される。
【0038】第2のギア部56の巻取り部56cが有す
る切欠き部56dに巻き付けられたワイヤ40aは、滑
り防止のために少なくとも2重に巻き付けられ、その両
端は吊り部32の下部開口面より下方へ延びている。こ
のワイヤ40aの両端は、図1および図4に示すよう
に、パネルハンガー48の両端部に取付けられている。
【0039】そして、さらにパネルハンガー48の両端
部には、ワイヤ40b,40cが設けられている。ワイ
ヤ40bは、パネルハンガー48の一方の端部において
支持されその両端は下方へ延びる。ワイヤ40cは、パ
ネルハンガー48の他方の端部において支持されその両
端は下方へ延びる。ワイヤ40cの両端には、ワイヤ4
0cを屋根パネル10に係止するための取付け金物4
6,46がそれぞれ設けられている。取付け金物46
は、屋根パネル10の軒側端部を挟んで係止するための
コ字状型の挟持部47とワイヤ40cの端部と連結する
ための連結部49とを有している。
【0040】次に、吊り具30を用いて、屋根パネル1
0を吊り上げ搬送する方法について述べる。
【0041】工場等にて形成された屋根パネル10は、
建築現場に搬送されて、一旦所定の場所に複数枚積み上
げられる。この積み上げは、図1に示すように、まず、
地面上に角材2をいげたに組んで、その上に、屋根パネ
ル10を屋根仕上げ材20が取り付けられている面を上
にして水平状態で、順次積み上げていくことにより行わ
れる。この際、屋根パネル10間には角材2を挟み込ん
で、屋根パネル10同士が直接重ならないようにしてい
る。
【0042】次に、クレーン1に取付けられた吊り具3
0を、最上段に位置する屋根パネル10の上方付近に位
置させて、吊り具30の吊り用ワイヤ40を構成するワ
イヤ40bの両端を屋根パネル10の棟吊り金物24,
24に、取付け穴24a,24aを介してそれぞれ係止
させる。
【0043】その次に、ワイヤ40cの両端部に設けら
れた取付け金物46,46をそれぞれ、屋根パネル10
の軒側端部の棟吊り金物24とほぼ対向する位置付近に
おいて、屋根パネル10を挟持部47によって挟持する
ことにより係止させる。
【0044】よって、吊り具30は、4箇所において屋
根パネル10に係止される。
【0045】そして、吊り具30をクレーン1で吊り上
げる。吊り具30は、この状態において、屋根パネル1
0が水平に吊り上げられるように、ワイヤ40aの支持
位置を予め設定してあり、屋根パネル10は、水平状態
でそのまま上方に吊り上げられる。
【0046】その後、吊り上げた状態のままで、所定位
置において、地上よりリモコン(操作部)を操作して、
駆動用モータ52を回転させることによって歯車54を
回転させ、第2のギア部56を回転させる。すると、第
2のギア部56の回転に伴って、第2のギア部56の巻
取り部56cに巻付けられていたワイヤ40aの支持位
置が変更される。この支持位置の変更により、支持位置
から屋根パネル10の棟部側の係止位置までの吊り用ワ
イヤ40の長さと支持位置から屋根パネル10の軒部側
の係止位置までの吊り用ワイヤ40の長さが変更され
る。本実施例においては、支持位置から屋根パネル10
の棟部側の係止位置までの吊り用ワイヤ40の長さ(図
1において右側)が短くなり、支持位置から屋根パネル
10の軒部側の係止位置までの吊り用ワイヤ40の長さ
(図1において左側)が長くなるように、調整手段50
を操作する。よって、屋根パネル10は、軒部側を下げ
た状態で傾斜される。この傾斜の角度は、屋根パネル1
0が構築する屋根の勾配に対応させる。
【0047】そして、図4に示すように、屋根勾配に対
応させて傾斜させた屋根パネル10を搬送し、建物70
の小屋組を構成している壁面部である屋切りパネル72
および屋根梁74上に載置固定する。この作業を順次繰
り返し、小屋組上に屋根パネル10を複数枚連設するこ
とにより屋根部を構築する。
【0048】このように、本実施例に係る屋根パネルの
吊り上げ方法によれば、屋根パネル10を、まず、水平
状態で吊り上げ、次に、吊り上げた状態で、屋根パネル
10を構築する屋根の勾配に対応させて傾斜させること
により、吊り上げ時に、積み上げられた下に位置するパ
ネルや地面等と、吊り上げる屋根パネル10とが接触す
るおそれが回避され、屋根パネル10の破損が防止され
る。よって、吊り上げ作業が容易に短時間で行え作業性
が向上する。また、建物70には、屋根勾配に沿った状
態で搬送されてくるので、屋切りパネル72および屋根
梁74上に敷込む際にそのまま載置すればよく、屋根パ
ネル10の敷込み作業もやりやすい。
【0049】屋根パネル10を吊り上げたままで傾斜さ
せる工程も、吊り具30が備える調整手段50を用い
て、吊り部32を介してクレーン1により支持されてい
るワイヤ40aの支持位置を変更することにより、吊り
用ワイヤ40の支持位置から屋根パネル10の係止位置
までの長さを変え、容易に行うことができる。
【0050】(実施例2)図7は、実施例2に係る屋根
パネルの吊り上げ方法により、吊り具60を用いて屋根
パネル10を吊り上げた状態を示す図であり、図8は、
吊り具60の要部を示す図である。
【0051】屋根パネル10は、実施例1と同様の部材
であるので、同符号を用いその説明は省略する。
【0052】吊り具60は、クレーン等の昇降部材に取
付けられて、屋根パネル10等の建築用パネルを吊り上
げるための部材である。
【0053】吊り具60は、吊り部62、吊り用ワイヤ
64,66および調整手段80とを含み構成されてい
る。
【0054】吊り部62は、吊り上げ機構により昇降さ
れる昇降部材であるクレーン4に吊り具60を連結する
ための部分で、図7に示すように、その上部はクレーン
4に連結され、その下部には吊り用ワイヤ64および吊
り用ワイヤ66を支持するためのフック61が設けられ
ている。
【0055】吊り用ワイヤ64および吊り用ワイヤ66
は、吊り部62のフック61に掛けられ、その両端はそ
れぞれ下方に延びている。すなわち、吊り用ワイヤ64
および吊り用ワイヤ66は、吊り部62を介してクレー
ン4に支持されている。
【0056】吊り用ワイヤ66の端部には、吊り用ワイ
ヤ66を屋根パネル10に係止するための取付け金物6
8が設けられている。取付け金物68は、屋根パネル1
0の軒側端部を挟んで係止するためのコ字状型の挟持部
69と吊り用ワイヤ66の一方の端部を連結するための
連結部67とを有している。
【0057】また、取付け金物68の上端部には、調整
手段80が設けられている。
【0058】調整手段80は、巻取り用のドラム82、
ハンドル84、軸86および連結部材88を含み構成さ
れている。軸86は、連結部材88を介して取付け金物
68に正逆回転可能に取付けられている。ドラム82お
よびハンドル84は、軸86に取付け固定されている。
【0059】吊り用ワイヤ66の一方の端部は、取付け
金物68の連結部67に取付けられていて、他方の端部
はドラム82に巻付けられている。調整手段80は、所
定の長さで巻付けられた吊り用ワイヤ66を固定するス
トッパ(図示略)を有している。
【0060】なお、吊り具60が屋根パネル10を確実
に保持できるように、端部に取付け金物68および調整
手段80が設けられた吊り用ワイヤ66は、必要に応じ
て、複数用いられる。実施例2においては、一対の吊り
用ワイヤ66,66が用いられている。
【0061】次に、吊り具60を用いて、屋根パネル1
0を吊り上げ搬送する方法について述べる。
【0062】工場等にて形成された屋根パネル10は、
実施例1の場合と同様に、建築現場に搬送されて、一旦
所定の場所に複数枚積み上げられる。
【0063】次に、クレーン4に取付けられた吊り具6
0を、最上段に位置する屋根パネル10の上方付近に位
置させて、吊り具60の吊り用ワイヤ64の両端を屋根
パネル10の棟吊り金物24,24に、取付け穴24
a,24aを介してそれぞれ係止させる。
【0064】その次に、一対の吊り用ワイヤ66,66
の両端部にそれぞれ設けられた取付け金物68,68
を、屋根パネル10の軒側端部の棟吊り金物24とほぼ
対向する位置付近において、屋根パネル10を挟持部6
9によって挟持することによりそれぞれ係止させる。よ
って、吊り具60は、4箇所において屋根パネル10に
係止される。
【0065】そして、吊り具60をクレーン4で吊り上
げる。吊り具60は、この状態において、屋根パネル1
0が水平に吊り上げられるように、吊り用ワイヤ64,
66,66の支持位置を予め設定してあり、屋根パネル
10は、水平状態でそのまま上方に吊り上げられる。
【0066】その後、屋根パネル10を吊り上げた状態
のままで、所定位置において、まず、一方の吊り用ワイ
ヤ66の端部に設けられた調整手段80のストッパを解
除し、ハンドル84を回転することにより、軸86およ
びドラム82を回転させる。この回転により吊り用ワイ
ヤ66をさらにドラム82に巻付けたり、巻付けを解い
たりすることにより吊り用ワイヤ66の全長を変更する
ことができる。実施例2においては、ドラム82に巻付
けられた吊り用ワイヤ66の巻付けを解いて吊り用ワイ
ヤ66の全長を長くする方向にハンドル84を回転さ
せ、所定の位置で停止してストッパをかける。次に、他
方の吊り用ワイヤ66の端部に設けられた調整手段80
も同様に操作する。
【0067】吊り用ワイヤ66の全長が長くなったこと
により、吊り用ワイヤ66の支持位置がずれ、吊り用ワ
イヤ66の支持位置から屋根パネル10の軒部側の係止
位置までの吊り用ワイヤ66の長さ(図7において左
側)が長くなる。吊り用ワイヤ64の支持位置から屋根
パネル10の棟部側の係止位置までの吊り用ワイヤ64
の長さ(図7において右側)は変わらないので、屋根パ
ネル10は、軒部側を下げた状態で傾斜される。この傾
斜の角度は、屋根パネル10が構築する屋根の勾配に対
応させる。
【0068】そして、実施例1と同様に、屋根勾配に対
応させて傾斜させた屋根パネル10を搬送し、建物70
の小屋組を構成している壁面部である屋切りパネル72
および屋根梁74上に載置固定する。この作業を順次繰
り返し、小屋組上に屋根パネル10を複数枚連設するこ
とにより屋根部を構築する。
【0069】このように、実施例2に係る屋根パネルの
吊り上げ方法によれば、屋根パネル10を吊り上げたま
まで傾斜させる工程が、吊り具60が備える調整手段8
0を用いて、吊り部62を介してクレーン4により支持
されている吊り用ワイヤ66の全長を変更することによ
り、吊り用ワイヤ66の支持位置から屋根パネル10の
軒側端部の係止位置までの長さを変え、容易に行うこと
ができる。
【0070】その他の作用効果については、実施例1と
同様であるので説明は省略する。
【0071】本発明は、上記実施例に限定されず、本発
明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であ
る。
【0072】例えば、吊り用ワイヤの支持位置から少な
くともひとつの係止位置までの長さを変更する調整手段
は、実施例1および実施例2の機構に限定されず種々の
機構が考えられる。
【0073】例えば、図5に示すように、歯車90とこ
の歯車90に巻き掛けられた吊り用ワイヤ92とを含
み、構成された吊り具であってもよい。歯車90は正逆
回転可能な状態で、昇降部材に連結されている。吊り用
ワイヤ92は、歯車90に巻き掛けられることにより、
歯車90を介して昇降部材に支持され、かつその両端部
はそれぞれ屋根面部に係止される。吊り用ワイヤ92は
歯車90の歯91と噛合する溝94をその内周面に有し
ている。この吊り具によれば、図示しない駆動手段によ
り歯車90を回転させることにより、吊り用ベルト92
は所定方向に送り出され、その支持位置を変更させるこ
とができる。
【0074】また、実施例1においては、吊り用ワイヤ
が3本のワイヤを組み合わせて構成されている場合につ
いて説明したが、これに限定されず、吊り用ワイヤは適
宜複数のワイヤの組み合わせにより構成されていてもよ
いし、あるいは1本のワイヤよりなっていてもよい。
【0075】実施例2において、屋根パネルの棟側端部
に係止される吊り用ワイヤが固定されている場合につい
て説明したが、棟側端部に係止される吊り用ワイヤも長
さが変更できるものでもよい。また、吊り用ワイヤの昇
降部材による支持位置が固定されているものでもよく、
この場合も吊り用ワイヤの長さを変更することにより、
支持位置から屋根面部の係止位置までの長さを変更する
ことが可能である。
【0076】実施例1および実施例2においては、吊り
具の吊り用ワイヤを屋根面部の棟側端部および軒側端部
に係止する場合を例にとって説明したが、屋根面部を確
実に保持することができれば、吊り用ワイヤの係止位置
は限定されない。ただし、吊り上げた状態で、屋根面部
の傾き状態を変化させることができるように、吊り用ワ
イヤは屋根面部の少なくとも2箇所に係止されているこ
とが必要である。
【0077】さらに、屋根部を構築する屋根面部として
屋根パネルを例にとって説明したが、吊り具を用いて搬
送され、躯体に屋根勾配に沿って取付けられ屋根部を構
築する部材であればよく、屋根パネルには限定されな
い。同様に、建物はパネル工法により構築されるものに
限定されず、軸組工法等にも本発明は適用可能である。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、屋根面部
の破損が防止でき、しかも、吊り上げ作業は、容易に短
時間で行えるので作業性が向上する。また、屋根面部を
躯体に取付けやすく、作業性がよい。
【0079】請求項2記載の発明によれば、吊り上げら
れた最上段の屋根面部の下端が次段の屋根面部に接触す
ることによってパネルが破損するおそれが回避でき、屋
根面部の破損を防止でき、かつ吊り上げ搬送作業を容易
に短時間で行うことができる。
【0080】特に、屋根面部が破損しやすい屋根仕上げ
材を予め有している場合でも、屋根面部の吊り上げ搬送
作業を容易に短時間で行うことができる。
【0081】請求項3から請求項5記載の発明によれ
ば、被吊り上げ部材である屋根面部の傾き状態を、吊り
上げた状態のままで容易に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る吊り上げ方法により、吊り具を
用いて屋根パネルを吊り上げた状態を示す図である。
【図2】同図(A)は、屋根パネル本体を裏面側から示
す斜視図であり、同図(B)は、屋根パネル本体の棟側
端部を示す斜視図である。
【図3】吊り具の調整手段を示す断面図である。
【図4】屋根パネルを搬送し、建物の小屋組上に載置す
る状態を示す斜視図である。
【図5】変形例の吊り具の要部を示す斜視図である。
【図6】パネル工法による建物の構築方法を示す斜視図
である。
【図7】実施例2に係る吊り上げ方法により、吊り具を
用いて屋根パネルを吊り上げた状態を示す図である。
【図8】実施例2に係る吊り上げ方法に用いる吊り具の
要部を示す側面図である。
【符号の説明】
1,4 クレーン 2 角材 10 屋根パネル 12 屋根パネル本体 20 屋根仕上げ材 24 棟吊り金物 26 勾配調整材 28 結合棟木 30,60 吊り具 32,62 吊り部 40,64,66 吊り用ワイヤ 40a,40b,40c ワイヤ 46,68 取付け金物 50,80 調整手段 70 建物 72 屋切りパネル 74 屋根梁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構築する屋根の勾配に対応して傾斜した
    状態で躯体に取付けられる屋根面部を、吊り上げ機構に
    より昇降される昇降部材に取付けられた吊り具を用いて
    吊り上げ搬送する屋根面部の吊り上げ方法において、 前記吊り具を用いて屋根面部を水平状態で吊り上げる工
    程と、 前記屋根面部を吊り上げた状態で、前記屋根の勾配に対
    応させて屋根面部を傾斜させる工程と、を含むことを特
    徴とする屋根面部の吊り上げ方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 吊り上げられる前記屋根面部は、複数の屋根面部を水平
    に積み上げた、最上段に位置するものであることを特徴
    とする屋根面部の吊り上げ方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記屋根面部は、前記吊り具を構成する吊り用ワイヤ
    が、前記昇降部材に支持され、かつ前記屋根面部の少な
    くとも2箇所に係止されて吊り上げられ、 前記吊り用ワイヤの支持位置から少なくとも一つの係止
    位置までの吊り用ワイヤの長さを変更して、前記屋根面
    部を傾斜させることを特徴とする屋根面部の吊り上げ方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記吊り用ワイヤの支持位置を変更して、前記吊り用ワ
    イヤの支持位置から少なくとも一つの係止位置までの吊
    り用ワイヤの長さを変更することを特徴とする屋根面部
    の吊り上げ方法。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記吊り用ワイヤの全長を変更して、前記吊り用ワイヤ
    の支持位置から少なくとも一つの係止位置までの吊り用
    ワイヤの長さを変更することを特徴とする屋根面部の吊
    り上げ方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015132057A (ja) * 2014-01-09 2015-07-23 トヨタホーム株式会社 建物の外壁用フレームの積載方法及び建物の製造方法
EP3467228A1 (de) * 2017-10-06 2019-04-10 Roto Frank Ag Dachfenster zur montage in einer dachöffnung eines dachs, dachanordnung sowie verfahren zum montieren eines dachfensters
CN111021740A (zh) * 2019-12-05 2020-04-17 北京市第五建筑工程集团有限公司 一种采光顶屋面组合吊装体系施工方法

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