JPH08120936A - 高層建築構造物の構築工法とその構築用装置 - Google Patents
高層建築構造物の構築工法とその構築用装置Info
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- JPH08120936A JPH08120936A JP25855894A JP25855894A JPH08120936A JP H08120936 A JPH08120936 A JP H08120936A JP 25855894 A JP25855894 A JP 25855894A JP 25855894 A JP25855894 A JP 25855894A JP H08120936 A JPH08120936 A JP H08120936A
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- Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 建築構造物のリフトアップ工法の改良であ
る。特に天候に左右されることなく工事の展開ができ、
しかも高層化に伴って問題となっている組立資材の吊り
込み搬送と、建て方作業の効率化を目的とした構築工法
・構築装置を提供することにある。 【構成】 資材の吊り込みと建て方作業の重要な役割を
もつ揚重手段として重層式水平クレーン40と、移動式
クレーン80とを躯体構造部1に組み込み、前者で資材
の水平搬送を、後者で垂直搬送を分担し、さらに前者の
クレーンマスト20には組み立て過程にある躯体構造部
1を覆う全天候屋根50を装架し、2〜3階層分の組み
立てと、揚重手段のリフトアップとを繰り返して高層建
築物を構築することを特徴とする。
る。特に天候に左右されることなく工事の展開ができ、
しかも高層化に伴って問題となっている組立資材の吊り
込み搬送と、建て方作業の効率化を目的とした構築工法
・構築装置を提供することにある。 【構成】 資材の吊り込みと建て方作業の重要な役割を
もつ揚重手段として重層式水平クレーン40と、移動式
クレーン80とを躯体構造部1に組み込み、前者で資材
の水平搬送を、後者で垂直搬送を分担し、さらに前者の
クレーンマスト20には組み立て過程にある躯体構造部
1を覆う全天候屋根50を装架し、2〜3階層分の組み
立てと、揚重手段のリフトアップとを繰り返して高層建
築物を構築することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高層建築構造物の構
築工法と、この構築工法に用いる構築用装置に関するも
のである。特にその工法および装置の改良技術に関する
ものである。
築工法と、この構築工法に用いる構築用装置に関するも
のである。特にその工法および装置の改良技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】工期短縮や、施工作業における安全性の
確保や省力化、さらには施工作業時における風雨や粉塵
等からの影響を回避する、いわゆる建築現場の作業環境
の改善を狙いとしたリフトアップ工法と呼ばれる高層ビ
ルなどの新しい構築工法が開発され話題となっている。
例えばT−UP工法あるいはスマートシステム工法と呼
ばれる工法は、その代表的な工法である。
確保や省力化、さらには施工作業時における風雨や粉塵
等からの影響を回避する、いわゆる建築現場の作業環境
の改善を狙いとしたリフトアップ工法と呼ばれる高層ビ
ルなどの新しい構築工法が開発され話題となっている。
例えばT−UP工法あるいはスマートシステム工法と呼
ばれる工法は、その代表的な工法である。
【0003】ところで、前者T−UP工法と呼ばれる工
法は、まず、建設すべき構築物のコアとなるべき躯体部
分を先行して構築する。ついで、このコアとなる躯体部
分に油圧ジャッキで構成したリフトアップ装置を装架さ
せ、このリフトアップ装置を介して最上階に相当する躯
体部(通称ハット梁と呼んでいる)を組み立て架支させ
る。そして架支させた躯体部にジブクレーンおよび天井
走行クレーン等からなる資材の垂直および水平搬送手段
としての揚重装置を装備させる。ついでこの揚重装置を
駆動して資材を吊り込み、前記先行して構築した躯体部
まわりの構格部、つまり下層階の躯体構造部分と、同じ
く躯体上部の構格の組み立て建て方を行い、以下、前記
リフトアップ装置による最上階に相当する躯体部分と揚
重装置との一体的なリフトアップと、前記揚重装置によ
る資材の吊り込み建て方とを交互に繰り返し、もって所
望高さの高層構造物を効率的に構築するようにした工法
である。しかも、前記最上階の躯体上、すなわちハット
梁上には構築中の躯体内部へ雨水の降り込みを防止する
ための仮設屋根を設置し、天候に左右されることなく工
事の継続を可能にしたことを特徴とする技術である。
法は、まず、建設すべき構築物のコアとなるべき躯体部
分を先行して構築する。ついで、このコアとなる躯体部
分に油圧ジャッキで構成したリフトアップ装置を装架さ
せ、このリフトアップ装置を介して最上階に相当する躯
体部(通称ハット梁と呼んでいる)を組み立て架支させ
る。そして架支させた躯体部にジブクレーンおよび天井
走行クレーン等からなる資材の垂直および水平搬送手段
としての揚重装置を装備させる。ついでこの揚重装置を
駆動して資材を吊り込み、前記先行して構築した躯体部
まわりの構格部、つまり下層階の躯体構造部分と、同じ
く躯体上部の構格の組み立て建て方を行い、以下、前記
リフトアップ装置による最上階に相当する躯体部分と揚
重装置との一体的なリフトアップと、前記揚重装置によ
る資材の吊り込み建て方とを交互に繰り返し、もって所
望高さの高層構造物を効率的に構築するようにした工法
である。しかも、前記最上階の躯体上、すなわちハット
梁上には構築中の躯体内部へ雨水の降り込みを防止する
ための仮設屋根を設置し、天候に左右されることなく工
事の継続を可能にしたことを特徴とする技術である。
【0004】後者のスマートシステムと呼ばれている工
法は、油圧ジャッキからなるリフトアップ装置を備えた
4本のマストで、最上階に相当する塔屋階(通称ハット
トラスと呼んでいる)を支え、その下面に水平・垂直搬
送手段としての揚重装置を装備させ、この揚重装置を利
用して構築すべき構造物の下層階1フロア分の組み立て
を行い、そして、その1フロア分の施工が終了すると、
前記リフトアップ装置を駆動して前記搭屋階、つまりハ
ットトラスを1フロアだけリフトアップさせる。以下、
この要領で順次、次層階の組み立てと、リフトアップと
を交互に繰り返し、一種の積層工法により構造物の組み
立てを行うことを特徴とするものである。しかも、前記
T−UP工法と同様、前記ハットトラスには、雨水の降
り込みを防止する手段としての屋根シートと、本体外周
の養生手段としてのメッシュシートを装架させ、天候の
良し悪しに支配されることなく工事を展開できるように
したことを特徴とする工法技術である。
法は、油圧ジャッキからなるリフトアップ装置を備えた
4本のマストで、最上階に相当する塔屋階(通称ハット
トラスと呼んでいる)を支え、その下面に水平・垂直搬
送手段としての揚重装置を装備させ、この揚重装置を利
用して構築すべき構造物の下層階1フロア分の組み立て
を行い、そして、その1フロア分の施工が終了すると、
前記リフトアップ装置を駆動して前記搭屋階、つまりハ
ットトラスを1フロアだけリフトアップさせる。以下、
この要領で順次、次層階の組み立てと、リフトアップと
を交互に繰り返し、一種の積層工法により構造物の組み
立てを行うことを特徴とするものである。しかも、前記
T−UP工法と同様、前記ハットトラスには、雨水の降
り込みを防止する手段としての屋根シートと、本体外周
の養生手段としてのメッシュシートを装架させ、天候の
良し悪しに支配されることなく工事を展開できるように
したことを特徴とする工法技術である。
【0005】以上説明したようにT−UP工法もスマー
トシステム工法も資材の揚重手段を構築すべき最上階に
相当するハット梁ないしハットトラスに装備し、それを
リフトアップさせながら立て方作業を展開するように構
成したものである。そのため、従来の一般的な構築工法
として知られているクライミングタワークレーンによる
構築工法に比較し、工期が短縮され、かつ天候に左右さ
れることなく工事ができ、常に整備された作業環境下で
工事の展開ができると言う優れた構築工法として評価さ
れている。
トシステム工法も資材の揚重手段を構築すべき最上階に
相当するハット梁ないしハットトラスに装備し、それを
リフトアップさせながら立て方作業を展開するように構
成したものである。そのため、従来の一般的な構築工法
として知られているクライミングタワークレーンによる
構築工法に比較し、工期が短縮され、かつ天候に左右さ
れることなく工事ができ、常に整備された作業環境下で
工事の展開ができると言う優れた構築工法として評価さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、T−U
P工法もスマートシステム工法にも次のような共通した
問題点が指摘されていた。 (1)T−UP工法、スマートシステム工法とも、前記
雨水等の降り込みを排除する手段としての屋根、つまり
ハット梁ないしハットトラスからなる屋根は、いずれも
全階層の構築が終了した時点で解体撤去しなければなら
ない。一部、本設躯体構造物として利用することを試み
られてはいるが、いずれにしても解体撤去作業が必要と
なっている。すなわち工事終了後に解体撤去作業という
高所作業をともなう過分な作業を必要としている。 (2)T−UP工法、スマートシステム工法とも、前記
雨水の吹き込みを抑止する手段としての屋根は、いずれ
も仮設屋根の領域をでるものではない。そのため横なぐ
りの雨風に対しては、万全ではない。 (3)資材の地上からの吊り込みと、建て方との重要な
作業の役割を分担する揚重装置は、垂直方向の作動と水
平方向の作動との組み合わせである。しかし従来の揚重
装置は、それらの作動を単一の揚重装置で分担するよう
になっている。そのため地上から資材を吊り込み、建て
方作業を終わり、再度地上から資材の吊り込み態勢に到
るまでの一連のサイクルタイムが長い。特に、その傾向
は構築物が高層であればある程長く、建て方作業の効率
性に大きな影響を与える問題点があった。
P工法もスマートシステム工法にも次のような共通した
問題点が指摘されていた。 (1)T−UP工法、スマートシステム工法とも、前記
雨水等の降り込みを排除する手段としての屋根、つまり
ハット梁ないしハットトラスからなる屋根は、いずれも
全階層の構築が終了した時点で解体撤去しなければなら
ない。一部、本設躯体構造物として利用することを試み
られてはいるが、いずれにしても解体撤去作業が必要と
なっている。すなわち工事終了後に解体撤去作業という
高所作業をともなう過分な作業を必要としている。 (2)T−UP工法、スマートシステム工法とも、前記
雨水の吹き込みを抑止する手段としての屋根は、いずれ
も仮設屋根の領域をでるものではない。そのため横なぐ
りの雨風に対しては、万全ではない。 (3)資材の地上からの吊り込みと、建て方との重要な
作業の役割を分担する揚重装置は、垂直方向の作動と水
平方向の作動との組み合わせである。しかし従来の揚重
装置は、それらの作動を単一の揚重装置で分担するよう
になっている。そのため地上から資材を吊り込み、建て
方作業を終わり、再度地上から資材の吊り込み態勢に到
るまでの一連のサイクルタイムが長い。特に、その傾向
は構築物が高層であればある程長く、建て方作業の効率
性に大きな影響を与える問題点があった。
【0007】この発明は、このような従来技術の問題点
を解消するとともに、全天候型で、しかも効率的な資材
の吊り込み、建て方作業を展開することのできる高層建
築物の構築工法と、その工法を実施するために使用する
構築装置を提供することを目的とするものである。
を解消するとともに、全天候型で、しかも効率的な資材
の吊り込み、建て方作業を展開することのできる高層建
築物の構築工法と、その工法を実施するために使用する
構築装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は前記
目的を達成する手段として、次のような手順工程により
高層建築物を構築するようにしたことにある。 (1)まず、建設すべき高層建築物の躯体を下から地上
2〜3階層分先行して構築する。 (2)前記先行して構築した下層階の躯体に油圧ジャッ
キ等で構成したリフトアップ装置を装架し、このリフト
アップ装置にクレーンマストを立設する。 (3)前記立設支持させたクレーンマストに資材の水平
搬送手段と建て方作業手段として使用する水平ジブを上
下多段状に組み付ける。つまり前記クレーンマストと、
上下2段の水平ジブからなる重層式水平クレーンを構成
して、前記リフトアップ装置に支持させる。 (4)さらに前記重層式水平クレーンにおけるクレーン
マストの頂部には、前記先行して構築した躯体の上方を
覆う屋根部と躯体外周を囲む周壁部とからなる全天候屋
根を装架し、屋根部の下面にはホイスト等からなる天井
走行クレーンの複数基を装備する。 (5)さらに前記先行して構築した躯体の複数個所に
は、前記(2)で装架したリフトアップ装置と同様な油
圧ジャッキなどからなるリフトアップ装置を装架すると
ともに、このリフトアップ装置にそれぞれ資材の仮置き
ステージを一体的に支持させ、この仮置きステージ上に
は地上から資材を吊り上げる垂直搬送手段としての移動
式クレーンをそれぞれ設置する。 (6)前記仮置きステージ上の移動式クレーンにより地
上からそれぞれ資材を吊り上げ、仮置きステージに仮置
きし、この仮置きした資材を前記重層式水平クレーンに
て水平搬送するとともに、前記先行して構築した下層階
の躯体上に複数層階分(2〜3階分)の躯体を建て増し
構築する。 (7)前記複数層階分の構築作業が終了すると、前記重
層式水平クレーンのタワーマストを支持するリフトアッ
プ装置および前記仮置きステージを支持するリフトアッ
プ装置をそれぞれ駆動して重層式水平クレーンおよび移
動式クレーンを前記建て方作業の終了した躯体、つまり
建て増しした躯体上にリフトアップさせ固定する。 (8)前記重層式水平クレーンおよ移動式クレーンのリ
フトアップを終了したのち、前記(6)(7)の作業を
繰り返し、所望階層の構築を行う。 (9)前記全天候屋根の下面に装架した天井走行クレー
ンを駆動して、前記重層式水平タワークレーンを解体撤
去するとともに、最上層階の躯体を構成する鉄骨柱およ
び梁部材を組み立てる。 (10)最上層階の組み立て作業が終了したのち、前記
天井走行クレーンを解体撤去するとともに、重層式水平
クレーンのクレーンマストをリフトアップ装置を介して
ジャッキダウンし、全天候屋根を降下させ、躯体側へ固
定させる。 (11)前記リフトアップ装置と移動式クレーンと、そ
のリフトアップ装置とを順に解体撤去して所望の高層建
築構造物を構築するようにしたことにある。
目的を達成する手段として、次のような手順工程により
高層建築物を構築するようにしたことにある。 (1)まず、建設すべき高層建築物の躯体を下から地上
2〜3階層分先行して構築する。 (2)前記先行して構築した下層階の躯体に油圧ジャッ
キ等で構成したリフトアップ装置を装架し、このリフト
アップ装置にクレーンマストを立設する。 (3)前記立設支持させたクレーンマストに資材の水平
搬送手段と建て方作業手段として使用する水平ジブを上
下多段状に組み付ける。つまり前記クレーンマストと、
上下2段の水平ジブからなる重層式水平クレーンを構成
して、前記リフトアップ装置に支持させる。 (4)さらに前記重層式水平クレーンにおけるクレーン
マストの頂部には、前記先行して構築した躯体の上方を
覆う屋根部と躯体外周を囲む周壁部とからなる全天候屋
根を装架し、屋根部の下面にはホイスト等からなる天井
走行クレーンの複数基を装備する。 (5)さらに前記先行して構築した躯体の複数個所に
は、前記(2)で装架したリフトアップ装置と同様な油
圧ジャッキなどからなるリフトアップ装置を装架すると
ともに、このリフトアップ装置にそれぞれ資材の仮置き
ステージを一体的に支持させ、この仮置きステージ上に
は地上から資材を吊り上げる垂直搬送手段としての移動
式クレーンをそれぞれ設置する。 (6)前記仮置きステージ上の移動式クレーンにより地
上からそれぞれ資材を吊り上げ、仮置きステージに仮置
きし、この仮置きした資材を前記重層式水平クレーンに
て水平搬送するとともに、前記先行して構築した下層階
の躯体上に複数層階分(2〜3階分)の躯体を建て増し
構築する。 (7)前記複数層階分の構築作業が終了すると、前記重
層式水平クレーンのタワーマストを支持するリフトアッ
プ装置および前記仮置きステージを支持するリフトアッ
プ装置をそれぞれ駆動して重層式水平クレーンおよび移
動式クレーンを前記建て方作業の終了した躯体、つまり
建て増しした躯体上にリフトアップさせ固定する。 (8)前記重層式水平クレーンおよ移動式クレーンのリ
フトアップを終了したのち、前記(6)(7)の作業を
繰り返し、所望階層の構築を行う。 (9)前記全天候屋根の下面に装架した天井走行クレー
ンを駆動して、前記重層式水平タワークレーンを解体撤
去するとともに、最上層階の躯体を構成する鉄骨柱およ
び梁部材を組み立てる。 (10)最上層階の組み立て作業が終了したのち、前記
天井走行クレーンを解体撤去するとともに、重層式水平
クレーンのクレーンマストをリフトアップ装置を介して
ジャッキダウンし、全天候屋根を降下させ、躯体側へ固
定させる。 (11)前記リフトアップ装置と移動式クレーンと、そ
のリフトアップ装置とを順に解体撤去して所望の高層建
築構造物を構築するようにしたことにある。
【0009】さらに前記構築工法に使用する重層式水平
クレーンにおける水平ジブは、クレーンマストに対し旋
回自在に架支させるとともに、かつ水平ジブの長さ、つ
まりスパンを伸縮調節自在に構成した。またクレーンマ
ストの中間位置には、耐火被覆施工プラントないし溶接
機器を搭載する仮設機器の搭載ステージを装備した重層
式水平クレーンに構成したことを特徴とするものであ
る。
クレーンにおける水平ジブは、クレーンマストに対し旋
回自在に架支させるとともに、かつ水平ジブの長さ、つ
まりスパンを伸縮調節自在に構成した。またクレーンマ
ストの中間位置には、耐火被覆施工プラントないし溶接
機器を搭載する仮設機器の搭載ステージを装備した重層
式水平クレーンに構成したことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】この発明による構築工法は、以上説明した
(1)〜(11)の作業工程をもって高層建築構造物を
組み立て構築するものであるため、構築過程において、
風雨、とくに横なぐりの風雨があっても、その風雨の躯
体内部への降り込みを完全に遮断する。その結果、天候
に支配されることなく構築工事を展開することが可能で
ある。
(1)〜(11)の作業工程をもって高層建築構造物を
組み立て構築するものであるため、構築過程において、
風雨、とくに横なぐりの風雨があっても、その風雨の躯
体内部への降り込みを完全に遮断する。その結果、天候
に支配されることなく構築工事を展開することが可能で
ある。
【0011】また、その構築施工の重要な役割を分担す
る資材の揚重手段を二重式水平クレーンによる水平搬送
と、移動式クレーンによる垂直搬送とに分担して行うよ
うにしたので、資材の搬入および建て方作業が効率的に
展開できる。しかも前記資材の水平搬送を分担する水平
クレーンは、同一クレーンマストに2基の水平ジブを組
み付けた、いわゆる重層式水平クレーンとし、垂直搬送
を分担する移動式クレーンも資材の仮置きステージを一
体的に有するものとし、しかも、その複数基を構築中の
躯体上に設置するようにしたので、資材の吊り込み、建
て方作業がより効率的に展開できるようになった。
る資材の揚重手段を二重式水平クレーンによる水平搬送
と、移動式クレーンによる垂直搬送とに分担して行うよ
うにしたので、資材の搬入および建て方作業が効率的に
展開できる。しかも前記資材の水平搬送を分担する水平
クレーンは、同一クレーンマストに2基の水平ジブを組
み付けた、いわゆる重層式水平クレーンとし、垂直搬送
を分担する移動式クレーンも資材の仮置きステージを一
体的に有するものとし、しかも、その複数基を構築中の
躯体上に設置するようにしたので、資材の吊り込み、建
て方作業がより効率的に展開できるようになった。
【0012】
【実施例】この発明工法および装置の構成・作用を図面
に示す実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ま
ず、図1は、この発明による構築工法を高層ビルの建設
工事に適用した場合における工事中の正面図である。1
は建て方作業の終了した躯体構造部であり、10は、こ
の躯体構造部1に装架したリフトアップ装置である。な
お、このリフトアップ装置10としては、公知のクライ
ミング式タワークレーン等に用いられている装置を使用
した。すなわち複数本の油圧ジャッキの伸縮作動を利用
して尺取り虫の要領で躯体に沿ってせり上がるように構
成されたリフトアップ装置を用いた。20は、このリフ
トアップ装置10上に設置したクレーンマストである。
30および30は、このクレーンマスト20に上・下二
段に組み付け装備した水平ジブである。つまり、前記ク
レーンマスト20と、上・下二段の水平ジブ30および
30と、さらに前記クレーンマスト20を支えたジャッ
キアップ装置10との組み合わせからなる、いわゆるク
ライミング形式の重層式水平クレーン40としたもので
ある。なお、この重層式水平クレーン40の主たる役割
は、先に説明したように資材M,すなわち躯体を構成す
る支柱部材や梁部材の水平搬送と、その建て方作業を分
担するものである。
に示す実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ま
ず、図1は、この発明による構築工法を高層ビルの建設
工事に適用した場合における工事中の正面図である。1
は建て方作業の終了した躯体構造部であり、10は、こ
の躯体構造部1に装架したリフトアップ装置である。な
お、このリフトアップ装置10としては、公知のクライ
ミング式タワークレーン等に用いられている装置を使用
した。すなわち複数本の油圧ジャッキの伸縮作動を利用
して尺取り虫の要領で躯体に沿ってせり上がるように構
成されたリフトアップ装置を用いた。20は、このリフ
トアップ装置10上に設置したクレーンマストである。
30および30は、このクレーンマスト20に上・下二
段に組み付け装備した水平ジブである。つまり、前記ク
レーンマスト20と、上・下二段の水平ジブ30および
30と、さらに前記クレーンマスト20を支えたジャッ
キアップ装置10との組み合わせからなる、いわゆるク
ライミング形式の重層式水平クレーン40としたもので
ある。なお、この重層式水平クレーン40の主たる役割
は、先に説明したように資材M,すなわち躯体を構成す
る支柱部材や梁部材の水平搬送と、その建て方作業を分
担するものである。
【0013】50は、前記重層式水平クレーン40にお
けるクレーンマスト20の頂部に支持させた全天候屋根
で、前記躯体構造部1内への風雨の降り込みや吹き込み
を防止するためのものである。そのため、図示のように
躯体構造部1の上面を覆う屋根部51と、同じく躯体構
造部1の外周をカバーする周壁部52とをもって構成し
た。
けるクレーンマスト20の頂部に支持させた全天候屋根
で、前記躯体構造部1内への風雨の降り込みや吹き込み
を防止するためのものである。そのため、図示のように
躯体構造部1の上面を覆う屋根部51と、同じく躯体構
造部1の外周をカバーする周壁部52とをもって構成し
た。
【0014】さらに図1で示す60は、前記全天候屋根
50における屋根部51の下面に装架したホイスト61
からなる天井走行クレーンである。62は、この天井走
行クーン60の水平ガイドビームである。図示のよう
に、この水平ガイドビーム62は、前記屋根部51の下
面に取り付けた構成とした。なお、この天井走行クレー
ン60はもっぱら前記重層式水平クレーン40の解体作
業と、最上層階を構成する支柱部材や梁部材の吊り込み
建て方作業の役割を分担するものである。実施例では2
基のホイスト61を装備した天井走行クレーン60とし
た。
50における屋根部51の下面に装架したホイスト61
からなる天井走行クレーンである。62は、この天井走
行クーン60の水平ガイドビームである。図示のよう
に、この水平ガイドビーム62は、前記屋根部51の下
面に取り付けた構成とした。なお、この天井走行クレー
ン60はもっぱら前記重層式水平クレーン40の解体作
業と、最上層階を構成する支柱部材や梁部材の吊り込み
建て方作業の役割を分担するものである。実施例では2
基のホイスト61を装備した天井走行クレーン60とし
た。
【0015】70は、建て方階の上面に敷設した資材の
仮置きステージで、80はこの仮置きステージ70の上
に搭載配備した移動式クレーンである。この移動式クレ
ーン80は、支柱部材や梁部材等の資材Mを地上から吊
り上げる垂直搬送手段としての役割を分担するものであ
る。さらに具体的に言えば、資材を地上から前記仮置き
ステージ70まで垂直搬送するためのものである。そし
て、仮置きステージ70に吊り上げた資材Mを前記重層
式水平クレーン40に吊り代えて水平搬送し、躯体構造
部材1上に順次建て継ぎ組み上げるようにした。なお、
仮置きステージ70から重層式水平クレーン40への吊
り代え手段の構成は、図3および図4に基づいて説明す
る。
仮置きステージで、80はこの仮置きステージ70の上
に搭載配備した移動式クレーンである。この移動式クレ
ーン80は、支柱部材や梁部材等の資材Mを地上から吊
り上げる垂直搬送手段としての役割を分担するものであ
る。さらに具体的に言えば、資材を地上から前記仮置き
ステージ70まで垂直搬送するためのものである。そし
て、仮置きステージ70に吊り上げた資材Mを前記重層
式水平クレーン40に吊り代えて水平搬送し、躯体構造
部材1上に順次建て継ぎ組み上げるようにした。なお、
仮置きステージ70から重層式水平クレーン40への吊
り代え手段の構成は、図3および図4に基づいて説明す
る。
【0016】前記仮置きステージ70は、その上に搭載
配備した移動式クレーン80とともに、階層の建て方進
行に応じて上昇させる必要がある。すなわち、前記重層
式水平クレーン40による躯体構造部1の建て方進行に
応じてリフトアップさせる必要がある。そこで、その手
段としては、前記重層式水平クレーン40のリフトアッ
プ装置10と同様に、油圧ジャッキからなるリフトアッ
プ装置90を躯体構造部1側に設置した。すなわち、仮
置きステージ70の下面と、躯体構造部1側との間に、
このリフトアップ装置90を装架し、油圧ジャッキの伸
縮作動により仮置きステージ70および移動式走行クレ
ーン80を一体的にリフトアップさせることができるよ
うに構成して設置した。
配備した移動式クレーン80とともに、階層の建て方進
行に応じて上昇させる必要がある。すなわち、前記重層
式水平クレーン40による躯体構造部1の建て方進行に
応じてリフトアップさせる必要がある。そこで、その手
段としては、前記重層式水平クレーン40のリフトアッ
プ装置10と同様に、油圧ジャッキからなるリフトアッ
プ装置90を躯体構造部1側に設置した。すなわち、仮
置きステージ70の下面と、躯体構造部1側との間に、
このリフトアップ装置90を装架し、油圧ジャッキの伸
縮作動により仮置きステージ70および移動式走行クレ
ーン80を一体的にリフトアップさせることができるよ
うに構成して設置した。
【0017】図2は、図1の平面図である。つまり建設
すべきビルの外形を示すもので、前記重層式水平クレー
ン40、仮置きステージ70等の構築作業に使用する重
機類の配置要領を示すものである。実施例においては、
図示のように構築すべきビルの外形を円形の高層ビルと
した。そのため、前記重層式水平クレーン40は、躯体
の中央に設置し、仮置きステージ70は外周寄りの2個
所に設置した。しかし、このような円形の高層ビルでな
く、四辺形その他多角形状の高層ビル建設にも対応する
ことは可能である。理由は請求項3に記載したように前
記重層式水平クレーン40における上下二段のそれぞれ
水平ジブ30および30をクレーンマスト20に対し旋
回台31および31を介して旋回可能な構造をもって架
支し、かつ水平ジブ30および30自体は、いずれもそ
の左右長さ、つまりスパンを伸縮自在なジブ構造として
いるからである。すなわち上下2段の水平ジブ30およ
び30を任意の角度をもって旋回させるとともに、さら
に各水平ジブ30,30自体のスパンを伸縮調節すれ
ば、資材Mの搬送領域を拡大調整することができ、その
結果四辺形その他多角形状等のビルの構築工事が可能と
なる。
すべきビルの外形を示すもので、前記重層式水平クレー
ン40、仮置きステージ70等の構築作業に使用する重
機類の配置要領を示すものである。実施例においては、
図示のように構築すべきビルの外形を円形の高層ビルと
した。そのため、前記重層式水平クレーン40は、躯体
の中央に設置し、仮置きステージ70は外周寄りの2個
所に設置した。しかし、このような円形の高層ビルでな
く、四辺形その他多角形状の高層ビル建設にも対応する
ことは可能である。理由は請求項3に記載したように前
記重層式水平クレーン40における上下二段のそれぞれ
水平ジブ30および30をクレーンマスト20に対し旋
回台31および31を介して旋回可能な構造をもって架
支し、かつ水平ジブ30および30自体は、いずれもそ
の左右長さ、つまりスパンを伸縮自在なジブ構造として
いるからである。すなわち上下2段の水平ジブ30およ
び30を任意の角度をもって旋回させるとともに、さら
に各水平ジブ30,30自体のスパンを伸縮調節すれ
ば、資材Mの搬送領域を拡大調整することができ、その
結果四辺形その他多角形状等のビルの構築工事が可能と
なる。
【0018】図3は、図1および図2で示した資材の仮
置きステージ70と、この仮置きステージ70上に載置
した移動式クレーン80の側面図である。この移動式ク
レーン80は、すでに説明したように、主として地上か
ら躯体を構成する資材M(支柱部材や梁部材など)を吊
り上げる。つまり垂直搬送手段としての役割をもつ揚重
装置である。そのため実施例においては、図示のよう
に、移動式水平ジブクレーンをもって構成した。そし
て、資材を揚重する場合は、仮想線で示すように、仮置
きステージ70の端からジブ80aの先端を突き出し、
地上から資材Mを吊り上げるように配置した。なお移動
式とする手段としては、図示のように走行輪81を有す
る水平ジブクレーンを用い、この走行輪81を仮置きス
テージ70上に敷設したガイドレール71に係合させた
形で設置した。なお、ガイドレール71に車輪81を係
合させる理由は、吊り荷作業時におけるクレーン自体の
反転等の事故発生を防止するためである。
置きステージ70と、この仮置きステージ70上に載置
した移動式クレーン80の側面図である。この移動式ク
レーン80は、すでに説明したように、主として地上か
ら躯体を構成する資材M(支柱部材や梁部材など)を吊
り上げる。つまり垂直搬送手段としての役割をもつ揚重
装置である。そのため実施例においては、図示のよう
に、移動式水平ジブクレーンをもって構成した。そし
て、資材を揚重する場合は、仮想線で示すように、仮置
きステージ70の端からジブ80aの先端を突き出し、
地上から資材Mを吊り上げるように配置した。なお移動
式とする手段としては、図示のように走行輪81を有す
る水平ジブクレーンを用い、この走行輪81を仮置きス
テージ70上に敷設したガイドレール71に係合させた
形で設置した。なお、ガイドレール71に車輪81を係
合させる理由は、吊り荷作業時におけるクレーン自体の
反転等の事故発生を防止するためである。
【0019】図4は、図3の平面図で、前記移動式水平
クレーン80によって吊り上げた資材Mを仮置きステー
ジ70に仮置きするための手段構成を示すものである。
実施例においては、図示のように仮置きステージ70の
外周にV字状の誘導溝72を形成し、この誘導溝72の
深部(図4で左側)をコ字型に形成した。そして、この
コ字型深部の上面四隅に、テーパーを形成した受支突起
73を設け、図示では4個の受止突起73を設け、仮置
き資材の受支口74を形成した。なお、実施例では、図
4で示すように、この受支口74を並列に2ヶ所を設け
た。そして前記移動式クレーン80で吊り上げた資材M
を前記2ヶ所の受止口74、74に交互に掛け、いわゆ
る懸吊方式によって仮置きするように構成した。
クレーン80によって吊り上げた資材Mを仮置きステー
ジ70に仮置きするための手段構成を示すものである。
実施例においては、図示のように仮置きステージ70の
外周にV字状の誘導溝72を形成し、この誘導溝72の
深部(図4で左側)をコ字型に形成した。そして、この
コ字型深部の上面四隅に、テーパーを形成した受支突起
73を設け、図示では4個の受止突起73を設け、仮置
き資材の受支口74を形成した。なお、実施例では、図
4で示すように、この受支口74を並列に2ヶ所を設け
た。そして前記移動式クレーン80で吊り上げた資材M
を前記2ヶ所の受止口74、74に交互に掛け、いわゆ
る懸吊方式によって仮置きするように構成した。
【0020】さらにこの実施例においては、資材Mの吊
り上げ作業に用いる玉掛けに、図3および図5(A)お
よび(B)で示すような着脱式玉掛治具90を用いた。
すなわち前記移動式クレーン80により吊り上げた資材
Mを仮置きステージ70から前記重層式水平クレーン4
0に吊り換える際の作業を要領よく行うことができるよ
うにするため、着脱式玉掛治具90を用いた。
り上げ作業に用いる玉掛けに、図3および図5(A)お
よび(B)で示すような着脱式玉掛治具90を用いた。
すなわち前記移動式クレーン80により吊り上げた資材
Mを仮置きステージ70から前記重層式水平クレーン4
0に吊り換える際の作業を要領よく行うことができるよ
うにするため、着脱式玉掛治具90を用いた。
【0021】図5(A)(B)は、その着脱式玉掛治具
90の実施例を示す正面図である。まず、図5(A)は
前記図3および図4で説明したコ字型の受支口74にお
ける受支突起73に対応するテーパー面を外周に形成し
た盤体91の下面に吊りフック92を取り付け、この吊
りフック92を有する盤体91に連結ピン93を介して
玉掛金具94を着脱自在に連結した着脱式玉掛治具90
である。すなわち、前記仮置きステージ70上に搭載し
た移動式クレーン80の吊りワイヤに、前記着脱式玉掛
治具90を連結し、この玉掛治具90を介して資材Mを
吊り込み、仮置きステージ70の受支口74に、その着
脱式玉掛治具90における盤体91を落とし込み、つい
で前記連結ピン93を抜き取り懸架させるように構成し
た実施例である。図5(A)において仮想線で示すの
は、連結ピン93を抜き取り玉掛金具94を盤体91か
ら切り離した状態を示す。つまり、資材Mを仮置きステ
ージ70側に仮置きした状態を示すものである。
90の実施例を示す正面図である。まず、図5(A)は
前記図3および図4で説明したコ字型の受支口74にお
ける受支突起73に対応するテーパー面を外周に形成し
た盤体91の下面に吊りフック92を取り付け、この吊
りフック92を有する盤体91に連結ピン93を介して
玉掛金具94を着脱自在に連結した着脱式玉掛治具90
である。すなわち、前記仮置きステージ70上に搭載し
た移動式クレーン80の吊りワイヤに、前記着脱式玉掛
治具90を連結し、この玉掛治具90を介して資材Mを
吊り込み、仮置きステージ70の受支口74に、その着
脱式玉掛治具90における盤体91を落とし込み、つい
で前記連結ピン93を抜き取り懸架させるように構成し
た実施例である。図5(A)において仮想線で示すの
は、連結ピン93を抜き取り玉掛金具94を盤体91か
ら切り離した状態を示す。つまり、資材Mを仮置きステ
ージ70側に仮置きした状態を示すものである。
【0022】図5(B)は、前記盤体91側に半円弧状
の係合部95を設け、この係合部95に係止するフック
94aを設けた玉掛金具94とした実施例を示す。つま
りフック94aを掛け替えるのみで着脱できる構成とし
た実施例である。なお、着脱式玉掛治具90としては、
前記図面に示した実施例に限定されるものではない。例
えば、電磁力を利用して着脱自在に作動できる玉掛治具
とし、これを遠隔制御により、着脱操作するように構成
しておけば、掛け替作業の迅速さと、安全性はさらに向
上されることになる。
の係合部95を設け、この係合部95に係止するフック
94aを設けた玉掛金具94とした実施例を示す。つま
りフック94aを掛け替えるのみで着脱できる構成とし
た実施例である。なお、着脱式玉掛治具90としては、
前記図面に示した実施例に限定されるものではない。例
えば、電磁力を利用して着脱自在に作動できる玉掛治具
とし、これを遠隔制御により、着脱操作するように構成
しておけば、掛け替作業の迅速さと、安全性はさらに向
上されることになる。
【0023】図6以下図13は、本発明の構築工法を工
程順に示すものである。まず、図6は、建設すべき高層
ビルの躯体構造部1を下から3階まで構築した側面図で
ある。この場合は、図示のように移動式トラスブームク
レーン100を使用した。
程順に示すものである。まず、図6は、建設すべき高層
ビルの躯体構造部1を下から3階まで構築した側面図で
ある。この場合は、図示のように移動式トラスブームク
レーン100を使用した。
【0024】図7は、前記構築した躯体構造部1にリフ
トアップ装置10を設置し、このリフトアップ装置10
上にクレーンマスト20を立設するとともに、このクレ
ーンマスト20に、上・下二段の水平ジブ30および3
0を組み付け、クライミング形式の重層式水平クレーン
40を設置した工程を示す。クレーンマスト20の中間
に示す110は、溶接機器ないし耐火被覆施工プラント
を搭載する仮設機器の搭載ステージである。なお、前記
水平ジブおよび30および30は、先に説明したように
いずれもクレーンマスト20側に対し、旋回架台31お
よび31を介して保持され、つまり旋回自在に構成さ
れ、かつ水平ジブ30および30自体は、水平方向に伸
縮調節可能なテレスコープ形式のジブ構造に構成してい
る。旋回駆動機構および伸縮調節作動機構、さらには、
吊り荷作業の主要な役割を分担する吊りワイヤーの巻き
上げ装置、吊りワイヤーのワイヤーワーク等について
は、従来の公知技術を利用したので、その説明は省略す
る。
トアップ装置10を設置し、このリフトアップ装置10
上にクレーンマスト20を立設するとともに、このクレ
ーンマスト20に、上・下二段の水平ジブ30および3
0を組み付け、クライミング形式の重層式水平クレーン
40を設置した工程を示す。クレーンマスト20の中間
に示す110は、溶接機器ないし耐火被覆施工プラント
を搭載する仮設機器の搭載ステージである。なお、前記
水平ジブおよび30および30は、先に説明したように
いずれもクレーンマスト20側に対し、旋回架台31お
よび31を介して保持され、つまり旋回自在に構成さ
れ、かつ水平ジブ30および30自体は、水平方向に伸
縮調節可能なテレスコープ形式のジブ構造に構成してい
る。旋回駆動機構および伸縮調節作動機構、さらには、
吊り荷作業の主要な役割を分担する吊りワイヤーの巻き
上げ装置、吊りワイヤーのワイヤーワーク等について
は、従来の公知技術を利用したので、その説明は省略す
る。
【0025】図8は、図7で説明した重層式水平クレー
ン40の組み立て設置が終了したのち、クレーンマスト
20の頂部に全天候屋根50を組み立て装架させた工程
の正面図である。全体は、屋根部51と周壁部52とを
もって構成し、その屋根部51と周壁部52には、透明
性を備えたスレート板ないしシートを取り付け、雨水や
風の躯体構造部1内への侵入を阻止できる構成とした。
なお、周壁部52の下端部の内側には、ガイドローラ5
3を取り付け装備させた。すなわち構築工事の進展に応
じて屋根50全体をリフトアップさせる際、円滑なリフ
トアップ作業が維持されるように配慮した。
ン40の組み立て設置が終了したのち、クレーンマスト
20の頂部に全天候屋根50を組み立て装架させた工程
の正面図である。全体は、屋根部51と周壁部52とを
もって構成し、その屋根部51と周壁部52には、透明
性を備えたスレート板ないしシートを取り付け、雨水や
風の躯体構造部1内への侵入を阻止できる構成とした。
なお、周壁部52の下端部の内側には、ガイドローラ5
3を取り付け装備させた。すなわち構築工事の進展に応
じて屋根50全体をリフトアップさせる際、円滑なリフ
トアップ作業が維持されるように配慮した。
【0026】さらに、前記全天候屋根50の屋根部51
の下面には、水平ガイドビーム62を取り付け、この水
平ガイドビーム62にホイスト61の2基を装架させ、
いわゆる天井走行のクレーン60を設けた。この天井走
行クレーン60の役割は、先に説明したように、重層式
水平クレーン40の解体撤去作業と、最上層階の支柱部
材や梁部材の吊り込み建て方作業を分担するものであ
る。
の下面には、水平ガイドビーム62を取り付け、この水
平ガイドビーム62にホイスト61の2基を装架させ、
いわゆる天井走行のクレーン60を設けた。この天井走
行クレーン60の役割は、先に説明したように、重層式
水平クレーン40の解体撤去作業と、最上層階の支柱部
材や梁部材の吊り込み建て方作業を分担するものであ
る。
【0027】図9は、前記リフトアップ装置10、重層
式水平クレーン40、全天候屋根50、天井走行クレー
ン60等の重機類の設置作業を終了したのち、リフトア
ップ装置10を駆動して重層式水平クレーン40をクラ
イミングさせた作業工程の側面図である。具体的には図
6の作業工程において構築した躯体構造部1の最上部、
つまり3階層の上部までクライミングさせ、5階層の上
面には、前記図3および図4で説明した資材Mの仮置き
ステージ70を設置した側面図である。この仮置きステ
ージ70上には、移動式クレーン80が搭載配備してい
ることは、すでに説明したとおりである。
式水平クレーン40、全天候屋根50、天井走行クレー
ン60等の重機類の設置作業を終了したのち、リフトア
ップ装置10を駆動して重層式水平クレーン40をクラ
イミングさせた作業工程の側面図である。具体的には図
6の作業工程において構築した躯体構造部1の最上部、
つまり3階層の上部までクライミングさせ、5階層の上
面には、前記図3および図4で説明した資材Mの仮置き
ステージ70を設置した側面図である。この仮置きステ
ージ70上には、移動式クレーン80が搭載配備してい
ることは、すでに説明したとおりである。
【0028】図10は、前記仮置きステージ70上の移
動式クレーン80によって、地上から資材M、すなわち
躯体を構成する支柱部材や梁部材を順次吊り上げるとと
もに、その吊り上げた資材Mを仮置きステージ70に仮
置きした,すなわち図3および図4において説明した受
支口74に懸吊し、それを前記重層式水平クレーン40
に吊り替えて水平搬送し、順次上層階の躯体構造部1を
建て増しする作業工程を示す。さらに具体的に言えば、
最上階より1階下の階までの構築を行った工程を示す。
動式クレーン80によって、地上から資材M、すなわち
躯体を構成する支柱部材や梁部材を順次吊り上げるとと
もに、その吊り上げた資材Mを仮置きステージ70に仮
置きした,すなわち図3および図4において説明した受
支口74に懸吊し、それを前記重層式水平クレーン40
に吊り替えて水平搬送し、順次上層階の躯体構造部1を
建て増しする作業工程を示す。さらに具体的に言えば、
最上階より1階下の階までの構築を行った工程を示す。
【0029】なお、実施例においては、重層式水平クレ
ーン40および移動式クレーン80を含む仮置きステー
ジ70のリフトアップは、躯体構造部材1の組み立て作
業が3階層分終了毎に行うようにした。もちろん2階層
毎であってもよい。
ーン40および移動式クレーン80を含む仮置きステー
ジ70のリフトアップは、躯体構造部材1の組み立て作
業が3階層分終了毎に行うようにした。もちろん2階層
毎であってもよい。
【0030】さらに実施例においては、すでに説明した
ように重層式水平クレーン40を構成するクレーンマス
ト20の中間に仮設機器の搭載ステージ110を装備さ
せたので、この搭載ステージ110上に、あらかじめ溶
接機器ないし、耐火被覆施工プラント等を設置しておく
ことにより、躯体構造部1の組み立て溶接や、鉄骨部材
に対する耐火被覆の吹き付け施工等を本体躯体構造部の
組み立てと併行して実施した。
ように重層式水平クレーン40を構成するクレーンマス
ト20の中間に仮設機器の搭載ステージ110を装備さ
せたので、この搭載ステージ110上に、あらかじめ溶
接機器ないし、耐火被覆施工プラント等を設置しておく
ことにより、躯体構造部1の組み立て溶接や、鉄骨部材
に対する耐火被覆の吹き付け施工等を本体躯体構造部の
組み立てと併行して実施した。
【0031】図11は、所定階層、つまり最上階より1
階下までの躯体構造部1の建て方作業が終了し、天井走
行クレーン60、すなわちホイスト61および61を利
用して重層式水平クレーン40の解体作業を開始した側
面図である。図示においては、上段の水平ジブ30を解
体しているところを示している。
階下までの躯体構造部1の建て方作業が終了し、天井走
行クレーン60、すなわちホイスト61および61を利
用して重層式水平クレーン40の解体作業を開始した側
面図である。図示においては、上段の水平ジブ30を解
体しているところを示している。
【0032】図12には、重層式水平クレーン40にお
ける上・下二段の水平ジブ30および30を解体撤去
し、天井走行クレーン60、つまりホイスト61および
61を利用して、最上層階を構成する支柱部材および梁
部材の建て方作業の工程を示す側面図である。
ける上・下二段の水平ジブ30および30を解体撤去
し、天井走行クレーン60、つまりホイスト61および
61を利用して、最上層階を構成する支柱部材および梁
部材の建て方作業の工程を示す側面図である。
【0033】図13は、本発明構築工法の最終工程を示
すものである。まず、前記天井走行クレーン60を取り
外し、ついでクレーンマスト20を支えていたリフトア
ップ装置10を作動して、全天候屋根50を降下させ、
降下させた全天候屋根50の屋根部51および周壁部5
2を本体の躯体構造部1に一体的に装架し、最後にクレ
ーンマスト20およびリフトアップ装置10を躯体構造
部1から解体撤去すれば、一連の構築作業が完了する。
図14は、前記図6から図13に至る作業工程を示すフ
ローチャートである。
すものである。まず、前記天井走行クレーン60を取り
外し、ついでクレーンマスト20を支えていたリフトア
ップ装置10を作動して、全天候屋根50を降下させ、
降下させた全天候屋根50の屋根部51および周壁部5
2を本体の躯体構造部1に一体的に装架し、最後にクレ
ーンマスト20およびリフトアップ装置10を躯体構造
部1から解体撤去すれば、一連の構築作業が完了する。
図14は、前記図6から図13に至る作業工程を示すフ
ローチャートである。
【0034】
【発明の効果】この発明による構築工法および構築装置
は、以上実施例を通して説明したことから理解されるよ
うに、資材の吊り込み、および建て方作業における揚重
手段を、移動式クレーンと重層式水平クレーンとによっ
て分担し、つまり資材の垂直揚重作業と水平搬送作業お
よび建て方作業とを役割分担させて行うようにしたこと
にある。その結果、従来のT−UP工法やスマートシス
テム工法に比較し、次のような点で、大きな改善効果を
発揮することができる。 (1)資材の水平搬送と建て方作業用のクレーンを重層
式の1マスト構造からなる、いわゆる重層式水平クレー
ンとしたので、吊り荷作業が2フックにより行うことが
できる。そのため資材の水平搬送および建て方作業を効
率的に展開することができる。特に1マスト構造である
ため、躯体構造部に形成される駄目穴開口が1ヶ所で済
み、最終的な仕上げ作業に対する影響が少ない。したが
って建物平面が狭い高層ビルの建設にはきわめて有利で
ある。 (2)一般に従来の揚重手段によれば、高層ビルになれ
ばなるほど、地上における玉掛け作業をはじめ垂直・水
平搬送、建て方作業に相当の時間を必要としている。例
えば地上階のレベルから建て方階のレベルまでの垂直搬
送には、玉掛け作業を含めると10分さらにそれを水平
搬送および建て方作業を含めると10分、合計20分を
費やしている。ところが、本発明においては、垂直・水
平搬送を別々のクレーン、つまり複数基の移動式クレー
ンと、重層式水平クレーンによって行うようにしたの
で、従来に比較し、2分の1に短縮することができるよ
うになった。その結果、工期の短縮が可能である。 (3)全天候屋根を設けたので、天候に左右されること
なく工事を展開することができ、前記(2)の効果とあ
いまって飛躍的な工期の短縮ができる。 (4)全天候屋根と重層式水平クレーンは、同時にリフ
トアップされる構成となっているため、そのリフトアッ
プ装置を構成する油圧ジャッキを自動制御油圧装置とし
て構成しておくことにより、短時間にリフトアップさせ
ることが可能で、そのため、リフトアップ装置の駆動操
作関連の作業要員も少人数で済み、コスト削減ができ
る。 (5)全天候屋根は躯体組み立て完了後、重層式水平ク
レーンを解体し、屋根を下降させ建物最上階の躯体とし
て、利用することができ、従来のように解体撤去する必
要はない。 (6)重層式水平クレーンは、従来のクライミング式タ
ワークレーン等にみられるようにブーム(ジブ)が立ち
上がることなく、いわゆる水平なジブによって構成され
ているため、上部に屋根が架けやすく、高層ビルのよう
な背丈の高い建築物の建て方重機としてふさわしい。 (7)重層式水平クレーンのクレーンマストの中間に
は、仮設機器搭載ステージを設け、このステージに耐火
被覆施工プラントないし溶接機等を搭載しておくことに
より、躯体を構築する際には必ず必要な耐火被覆材の施
工、溶接施工等を平行して行うことができる。またマス
トに設置しているため、クレンーンの上昇とともにクラ
イミングする。その結果、従来のように個別的に盛り替
える必要もなく、安全に、素早く、人工をかける必要も
ない。 (8)重層式水平クレーンのジブは、伸縮調節ができ、
かつ旋回自在であるため、平面が矩形の建物形状で、全
天候屋根があっても支障なく全域をカバーできる。
は、以上実施例を通して説明したことから理解されるよ
うに、資材の吊り込み、および建て方作業における揚重
手段を、移動式クレーンと重層式水平クレーンとによっ
て分担し、つまり資材の垂直揚重作業と水平搬送作業お
よび建て方作業とを役割分担させて行うようにしたこと
にある。その結果、従来のT−UP工法やスマートシス
テム工法に比較し、次のような点で、大きな改善効果を
発揮することができる。 (1)資材の水平搬送と建て方作業用のクレーンを重層
式の1マスト構造からなる、いわゆる重層式水平クレー
ンとしたので、吊り荷作業が2フックにより行うことが
できる。そのため資材の水平搬送および建て方作業を効
率的に展開することができる。特に1マスト構造である
ため、躯体構造部に形成される駄目穴開口が1ヶ所で済
み、最終的な仕上げ作業に対する影響が少ない。したが
って建物平面が狭い高層ビルの建設にはきわめて有利で
ある。 (2)一般に従来の揚重手段によれば、高層ビルになれ
ばなるほど、地上における玉掛け作業をはじめ垂直・水
平搬送、建て方作業に相当の時間を必要としている。例
えば地上階のレベルから建て方階のレベルまでの垂直搬
送には、玉掛け作業を含めると10分さらにそれを水平
搬送および建て方作業を含めると10分、合計20分を
費やしている。ところが、本発明においては、垂直・水
平搬送を別々のクレーン、つまり複数基の移動式クレー
ンと、重層式水平クレーンによって行うようにしたの
で、従来に比較し、2分の1に短縮することができるよ
うになった。その結果、工期の短縮が可能である。 (3)全天候屋根を設けたので、天候に左右されること
なく工事を展開することができ、前記(2)の効果とあ
いまって飛躍的な工期の短縮ができる。 (4)全天候屋根と重層式水平クレーンは、同時にリフ
トアップされる構成となっているため、そのリフトアッ
プ装置を構成する油圧ジャッキを自動制御油圧装置とし
て構成しておくことにより、短時間にリフトアップさせ
ることが可能で、そのため、リフトアップ装置の駆動操
作関連の作業要員も少人数で済み、コスト削減ができ
る。 (5)全天候屋根は躯体組み立て完了後、重層式水平ク
レーンを解体し、屋根を下降させ建物最上階の躯体とし
て、利用することができ、従来のように解体撤去する必
要はない。 (6)重層式水平クレーンは、従来のクライミング式タ
ワークレーン等にみられるようにブーム(ジブ)が立ち
上がることなく、いわゆる水平なジブによって構成され
ているため、上部に屋根が架けやすく、高層ビルのよう
な背丈の高い建築物の建て方重機としてふさわしい。 (7)重層式水平クレーンのクレーンマストの中間に
は、仮設機器搭載ステージを設け、このステージに耐火
被覆施工プラントないし溶接機等を搭載しておくことに
より、躯体を構築する際には必ず必要な耐火被覆材の施
工、溶接施工等を平行して行うことができる。またマス
トに設置しているため、クレンーンの上昇とともにクラ
イミングする。その結果、従来のように個別的に盛り替
える必要もなく、安全に、素早く、人工をかける必要も
ない。 (8)重層式水平クレーンのジブは、伸縮調節ができ、
かつ旋回自在であるため、平面が矩形の建物形状で、全
天候屋根があっても支障なく全域をカバーできる。
【図1】この発明による構築工法に基づいて、高層ビル
の建設工事を行っている工事中の正面図である。
の建設工事を行っている工事中の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】資材の仮置きステージと、この上に移動式クレ
ーン80を搭載設置した側面図である。
ーン80を搭載設置した側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】(A)および(B)は、それぞれ仮置きステー
ジに仮置きした資材を重層式水平クレーンに玉掛けする
ため、特別に設けた着脱式玉掛治具の実施例を示し、そ
の玉掛け要領を説明するための正面図である。
ジに仮置きした資材を重層式水平クレーンに玉掛けする
ため、特別に設けた着脱式玉掛治具の実施例を示し、そ
の玉掛け要領を説明するための正面図である。
【図6】躯体構造部を地上3階まで構築した工程を示
す。
す。
【図7】躯体構造部にリフトアップ装置と重層式水平ク
レーンを設置した工程を示す。
レーンを設置した工程を示す。
【図8】クレーンマストに全天候屋根を組み立て装架し
た工程を示す。
た工程を示す。
【図9】躯体構造部上にリフトアップ装置を介して移動
式クレーンおよび仮置ステージを設置するとともに、重
層式水平クレーンおよび移動式クレーン、仮置ステージ
をリフトアップし、地上5階までの躯体構造部を組み立
てた工程を示す。
式クレーンおよび仮置ステージを設置するとともに、重
層式水平クレーンおよび移動式クレーン、仮置ステージ
をリフトアップし、地上5階までの躯体構造部を組み立
てた工程を示す。
【図10】躯体構造部を最上階より1階下まで組み立て
た工程を示す。
た工程を示す。
【図11】最上階より1階下の階までの構築作業が終了
し、天井走行クレーンを利用して重層式水平クレーンの
解体作業を開始した工程を示す。
し、天井走行クレーンを利用して重層式水平クレーンの
解体作業を開始した工程を示す。
【図12】最終工程を示す。
【図13】この発明による構築工法を作業工程順に示す
工程図である。
工程図である。
【図14】1連の作業工程を示すフローチャートであ
る。
る。
1……躯体構造部 10、90……リフトアップ装置 20……クレーンマスト 30……水平ジブ(ブーム) 40……重層式水平クレーン 50……全天候屋根 51……屋根部 52……周壁部 53……ガイドローラ 60……天井走行クレーン 61……ホイスト 62……水平ガイドビーム 70……仮置きステージ 71……ガイドレール 72……V字形誘導溝 73……受支突起 74……受支口 80……移動式クレーン(移動式水平ジブクレーン) 81……走行輪 90……着脱式玉掛治具 91……盤 体 92……吊りフック 93……連結ピン 94……玉掛金具 50……係合部 100……移動式トラスブームクレーン 110……仮設機器の搭載ステージ M……資材(支柱部材、梁部材など)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 英治 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 葉石 善一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 ビル等の高層建築構造物の構築工法であ
って、 (1)建設すべき高層建築物の躯体を地上複階層分を先
行して構築する工程 (2)前記先行して構築した躯体にリフトアップ装置を
装架し、このリフトアップ装置にクレーンマストを立設
支持させる工程、 (3)前記クレーンマストに、資材の水平搬送手段と建
て方作業手段として利用する上下2段の水平ジブを組み
付けて重層式水平クレーンを構成し、前記リフトアップ
装置上に設置する工程 (4)前記重層式水平クレーンを構成するクレーンマス
トの頂部に、前記先行して構築した躯体の上方を覆う屋
根部と躯体外周を囲む周壁部とからなる全天候屋根を装
架し、屋根部の下面にはホイスト等からなる天井走行ク
レーンを装備する工程 (5)前記先行して構築した躯体の複数個所にリフトア
ップ装置を装架し、このリフトアップ装置にそれぞれ資
材の仮置きステージを支持させ、仮置きステージには、
地上から資材を吊り上げる垂直搬送手段としての移動式
クレーンをそれぞれ配備設置する工程 (6)前記仮置きステージの移動式クレーンにより地上
から資材を吊り上げ、仮置きし、この仮置きした資材を
前記重層式水平クレーンにて水平搬送し、前記先行して
構築した下層階の躯体上に複数層階分を建て増し構築す
る工程 (7)前記複数層階分の躯体の建て増し構築作業が終了
したのち、前記二つのリフトアップ装置をそれぞれ駆動
して建て増し構築した躯体上へ前記重層式水平クレーン
および移動式クレーンと仮置きステージとをリフトアッ
プし固定する工程 (8)前記(6)および(7)の工程を繰り返し、所望
階層の躯体を構築する工程 (9)前記全天候屋根の下面に装架した天井走行クレー
ンを作動して、前記重層式水平クレーンの水平ジブ部分
を解体撤去するとともに、最上層階を構成する躯体構造
部の鉄骨柱および梁部材を組み立てる工程 (10)前記最上層階の鉄骨柱および梁部材の組立作業
が終了したのち前記天井走行クレーンを解体撤去すると
もに、重層式水平クレーンのマストをリフトアップ装置
を介してジャッキダウンし、全天候屋根を降下させ躯体
側に固定させる工程 (11)前記リフトアップ装置および移動式クレーン
と、そのリフトアップ装置を解体撤去する工程 以上の工程からなることを特徴とする高層建築構造物の
構築工法。 - 【請求項2】 前記重層式水平クレーンのクレーンマス
トの中間位置に仮設機器搭載ステージを装備させ、この
仮設機器搭載ステージに躯体鉄骨への耐火被覆施工用の
プラントあるいは溶接機等を搭載し、建て増しした鉄骨
に対する耐火被覆施工および溶接施工を行うことを特徴
とする請求項1記載の高層建築構造物の構築工法。 - 【請求項3】 重層式水平クレーンは、クレーンマスト
に対し、水平ジブを旋回自在に架支し、水平ジブは伸縮
自在に構成し、さらにクレンーンマストの中間位置に
は、仮設機器搭載ステージを装備してなる重層式水平ク
レーンであることを特徴とする高層建築構造物の構築用
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25855894A JPH08120936A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 高層建築構造物の構築工法とその構築用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25855894A JPH08120936A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 高層建築構造物の構築工法とその構築用装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120936A true JPH08120936A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17321902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25855894A Pending JPH08120936A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 高層建築構造物の構築工法とその構築用装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120936A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002371711A (ja) * | 2001-06-15 | 2002-12-26 | Penta Ocean Constr Co Ltd | 建物の構築方法 |
SG103828A1 (en) * | 2001-01-15 | 2004-05-26 | Penta Ocean Construction | Sheltered building construction method |
KR100881807B1 (ko) * | 2007-08-29 | 2009-02-03 | 고려대학교 산학협력단 | 더블 크레인 |
CN104563504A (zh) * | 2013-10-11 | 2015-04-29 | 卓越置业集团有限公司 | 一种空中造楼机 |
CN113107178A (zh) * | 2021-04-26 | 2021-07-13 | 中国五冶集团有限公司 | 工业厂房外墙围护墙施工用外架 |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP25855894A patent/JPH08120936A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG103828A1 (en) * | 2001-01-15 | 2004-05-26 | Penta Ocean Construction | Sheltered building construction method |
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JP4571760B2 (ja) * | 2001-06-15 | 2010-10-27 | 五洋建設株式会社 | 建物の構築方法 |
KR100881807B1 (ko) * | 2007-08-29 | 2009-02-03 | 고려대학교 산학협력단 | 더블 크레인 |
CN104563504A (zh) * | 2013-10-11 | 2015-04-29 | 卓越置业集团有限公司 | 一种空中造楼机 |
CN104563504B (zh) * | 2013-10-11 | 2016-08-17 | 深圳市协鹏建筑与工程设计有限公司 | 一种空中造楼机 |
CN113107178A (zh) * | 2021-04-26 | 2021-07-13 | 中国五冶集团有限公司 | 工业厂房外墙围护墙施工用外架 |
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