JPH08311181A - 高分子量脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

高分子量脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法

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JPH08311181A
JPH08311181A JP14543895A JP14543895A JPH08311181A JP H08311181 A JPH08311181 A JP H08311181A JP 14543895 A JP14543895 A JP 14543895A JP 14543895 A JP14543895 A JP 14543895A JP H08311181 A JPH08311181 A JP H08311181A
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昭男 松田
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 成形加工性を有する生分解性脂肪族ポリエス
テル共重合体及びその製造方法。 【構成】 一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
素数2〜12の脂肪族基、pはモル分率を示す)で表わ
されるエステル部と、一般式(2) (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qはモ
ル分率を示す)で表わされるエステル部とからなり、p
の値が0.02〜0.30の範囲にある数平均分子量が
15,000〜80,000である生分解性高分子量脂
肪族ポリエステル共重合体。脂肪族ジカルボン酸又は脂
肪族ジカルボン酸ジエステル(A)と、脂肪族ジオール
(B)と、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸エステ
ル又はラクトン(C)を触媒の存在下で重縮合反応させ
ることで、数平均分子量15,000以上の脂肪族ポリ
エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子量脂肪族ポリエス
テル共重合体及びその製造方法に関し、さらに詳しく言
えば成形加工可能な実用物性を有し、土中や水中の微生
物等により分解する生分解性脂肪族ポリエステル共重合
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの特徴は、軽くて、丈夫で
あることや、分解しにくい等の性質にある。特に汎用プ
ラスチックは、工業的に大量生産され日常生活や産業分
野で、広く利用されその使用量が著しく増加している。
多くのプラスチックは自然環境中で分解されないため、
近年プラスチックの廃棄による環境破壊が問題とされる
ようになって来た。そのため最近環境中で微生物によっ
て分解する生分解性を有するポリマーの開発が求められ
はじめている。
【0003】最近、生分解性脂肪族ポリエステルとして
有望なものがいくつか開発されているが、それぞれ下記
に示すような問題点がある。ポリヒドロキシブチレート
(PHB)を代表とする微生物産生の種々の脂肪族ポリ
エステルが開発されているが、現段階では生産性が低く
コスト高であり、医用材料として研究されている。また
PHBは融点と熱分解温度との温度差が小さく、成型加
工時の熱分解が問題となる。ポリカプロラクトンは、工
業化されている数少ない脂肪族ポリエステルであり、生
分解性を有するポリマーであるが、融点が60℃と低い
ため耐熱性に問題があり、用途が限定されている。ポリ
ラクチドは生体吸収性材料として医用分野で用いられて
いる。しかし、原料の乳酸やグリコール酸は高価であ
り、そのポリマーの製造工程は脱水反応による低分子量
重合体の合成、熱分解によるラクチドの生成、さらにラ
クチドの開環重合による高分子量重合体の合成のごとく
複雑であるため、得られるポリマーは高価である。ま
た、最近、乳酸から直接高分子量重合体を製造する方法
が報告されているが(特開平6−65360)、溶液重
合反応であるために再沈による溶媒の分離、回収、ポリ
マーの洗浄等の工程が必要とされ製造工程は依然複雑で
ある。
【0004】α,ω−脂肪族ジオールと、α,ω−脂肪
族ジカルボン酸との重縮合によって製造される脂肪族ポ
リエステルについては、数多くの合成研究が報告されて
きた(ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイアテ
ィ、51巻2560ペーシ、(1929)、54巻15
59ページ(1932)、ディー マクロモレキュール
ケミー、5巻、5ページ、(1950))。しかし、脂
肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオ
ールを出発原料として脱水縮合反応及び脱ジオール反応
によって合成されるので、脱水反応や脱ジオール反応に
よって生成する水やジオールを反応系内から効率よく取
り除かないと反応が平衡状態となり分子量を大きくする
ことができない。また、重縮合反応を高温で行うので、
ポリマーの熱分解反応による分子量低下が起こる。また
触媒量を増大させると熱分解反応の他に着色が促進され
る他に、脂肪族ポリエステルの架橋等が起こり、見かけ
上の分子量と分子量分布の大きい架橋したポリマーとな
り、ポリマーの性能を低下させてしまう。このようなこ
とからこれまで直鎖状のポリマーは6,000〜10,
000程度の分子量のものしか得られず、繊維やフィル
ムとして加工するには十分ではなかった。
【0005】これらの脂肪族ポリエステルの分子量を向
上させるために、へキサメチレンジイソシアネートなど
のジイソシアネート類で連結させることが報告されてい
る(ポリマー ジャーナル、2巻、387頁、1971
及び特開平4−189822)。しかし、これらの連結
剤を用いる方法はプレポリマーの分子量を揃える必要が
あること、重合反応途中で連結剤を添加しなければなら
ない等、操作が煩雑である。また、ポリマー鎖中にエス
テル結合以外のウレタン結合を有すること、さらにポリ
マーの物性として着色やミクロゲルの生成が見られるこ
と等から成形加工において問題である。
【0006】このように重縮合法による脂肪族ポリエス
テルには合成法や物性に上記のような問題点があるため
に、脂肪族ポリエステルは高分子量重合体(ポリマー)
として用いられるよりも、低分子量重合体(オリゴマ
ー)や両末端に水酸基などの官能基を有する反応性オリ
ゴマーとして可塑剤、潤滑油等の添加剤に、塗料や接着
剤等のベースレジンとして広く用いられて来た。そのた
め工業的には、ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレート等の芳香族ポリエステルの研究とは
対照的に、脂肪族ポリエステルの高分子量化の製造に関
する研究はほとんど検討されていない。
【0007】ポリマーの生分解性評価については、これ
までにいくつかの研究がなされている。脂肪族ポリエス
テル、特に脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールから重
縮合によって誘導される低分子量の脂肪族ポリエステ
ル、たとえばポリエチレンアジペート、ポリブチレンア
ジペート等のカビによる分解(ジャーナル オブ ファ
ーメンタル テクノロジー 52巻、393ページ(1
974))や、酵素による分解(ポリマー サイエンス
テクノロジー、3巻、61頁(1973)、アグリカ
ルチャー アンド バイオロジカル ケミストリー41
巻、265頁(1977)、42巻、1071頁(19
78))等微生物分解に関する報告があり、生分解性を
有するポリマーとして注目されている。しかし高分子量
のポリマーの生分解性についての報告は見られない。
【0008】実用的な面から言えば、生分解性を制御す
ることは重要な課題である。しかし、ポリエチレンアジ
ペートやポリカプロラクトンなどのように融点の低く
(60℃前後)、耐熱性の劣るポリマーは工業用材料と
しての実用性は低いが、生分解速度が大である傾向があ
り、生分解性に関しては優れたポリマーと言える。一
方、ポリブチレンサクシネートのような融点が高いもの
(100℃以上)は、実用性を期待できるが生分解速度
が小であるから、生分解性の点からみると、むしろ劣っ
たポリマーと言える。このように材料の耐熱性を向上さ
せ、強度を大きくすることと生分解速度を大きくするこ
とは一致しないので、現段階では生分解速度を自在に制
御調整することができると共に生分解性も優れたポリマ
ーはこれまでに見あたらず、その開発が待たれるところ
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に見られる諸問題を解決することを目的とす
る。すなわち、本発明はフィルムや繊維等に成形加工可
能な材料であり、実用性のある物性を有すると共に生分
解性を有する高分子量脂肪族ポリマー及びその製造方法
を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原料である脂肪族
ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸ジエステルと、脂
肪族ジオールと、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸
エステル又はラクトンとを特定の割合で反応させること
により、高分子量脂肪族ポリエステル共重合体を製造し
得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明によれば、一般式(1)
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
素数2〜12の脂肪族基、pはポリエステル共重合体中
に含まれる前記一般式(1)で示されるエステル部のモ
ル分率を示す)で表わされるエステル部と、一般式
(2)
【化2】 (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qはポ
リエステル共重合体中に含まれる前記一般式(2)で表
されるエステル部のモル分率を示す)で表されるエステ
ル部とからなり、pの値が0.02〜0.30の範囲に
ある数平均分子量15,000以上の生分解性高分子量
脂肪族ポリエステル共重合体が提供される。また、本発
明によれば、脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン
酸ジエステル(A)と、脂肪族ジオール(B)と、オキ
シカルボン酸、オキシカルボン酸エステル又はラクトン
(C)を触媒の存在下で重縮合反応させて、数平均分子
量15,000以上の脂肪族ポリエステルを製造する方
法において、反応原料中の反応成分の使用モル比が、式 1.0≦(B)/(A)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.30 (4) (式中、Aは脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン
酸ジエステルの使用モル数、Bは脂肪族ジオールの使用
モル数、Cはオキシカルボン酸、オキシカルボン酸エス
テル又はラクトンの使用モル数を示す)を満足すること
を特徴とする前記生分解性高分子量脂肪族ポリエステル
共重合体の製造方法が提供される。
【0011】本発明で用いる脂肪族ジカルボン酸又は脂
肪族ジカルボン酸ジエステル(以下Aとする)として
は、次の一般式(5)で表されるものを挙げることがで
きる。 R3OOC−R1一COOR4 (5) 前記式中、R1は二価の脂肪族基を示し、R3及びR4
水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を示す。前記R1
示される二価脂肪族基としては、炭素数1〜12、好ま
しくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられ
る。好ましいアルキレン基は、−(CH2)2−、−(C
2)4−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基で
ある。また、二価脂肪族基R1は反応に不活性な置換
基、たとえば、アルコキシ基やケト基等を挙げることが
できる。また、その分子中に酸素やイオウ等のへテロ原
子を含有することもできる。R3及びR4が水素原子であ
るときには脂肪族ジカルボン酸を表わしている。脂肪族
ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コハク酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジ
グリコール酸などである。R3及びR4で示される脂肪族
基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキル基の他、シクロヘキシル基等の
炭素数5〜12のシクロアルキル基を挙げることができ
る。またR3及びR4で示される芳香族基としては、フェ
ニル基、ベンジル基等が挙げられる。R3及びR4として
は炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基が
好ましい。脂肪族ジカルボン酸ジエステルの具体例とし
ては、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、
アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸
ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチ
ル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチ
ル、ジグリコール酸ジメチル、ケトヒメリン酸ジメチ
ル、マロン酸ジメチル、メチルマロン酸ジメチル等が挙
げられる。これらのものは単独で用いてもよいし2種以
上組合わせて用いてもよい。
【0012】本発明で用いる脂肪族ジオール(以下Bと
する)としては、次の一般式(6)で表わされるものを
挙げることができる。 HO−R2−OH (6) 前記式中、R2は二価の脂肪族基を示す。二価脂肪族基
としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の鎖状又
は環状のアルキレン基が挙げられる。好ましいアルキレ
ン基は、−(CH2)2−、−(CH2)4−等の炭素数2〜6
の直鎖状低級アルキレン基である。また、二価脂肪族基
2は反応に不活性な置換基、たとえば、アルコキシ基
やケト基等を有することができる。また、その分子中に
酸素やイオウ等のへテロ原子を含有することもできる。
脂肪族ジオールの具体例としては、たとえば、エチレン
グリコール、1、3‐プロパンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、2−メチル−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンダメチ
レングリコール、へキサメチレングリコール、オクタメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等を用いることができる。これらのものは単独で用い
てよいし、2種以上組合せて用いてもよい。さらに1,
1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等の三官
能グリコールを少量併用してもよい。
【0013】本発明で用いるオキシカルボン酸及びオキ
シカルボン酸エステル(以下Cとする)としては、次の
一般式(7)で表されるものを挙げることができる。 HO−R5−COOR6 (7) 前記式中、R5は二価の脂肪族基を示す。二価脂肪族基
としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の鎖状又
は環状のアルキレン基が挙げられる。また、二価脂肪族
基R5は反応に不活性な置換基、たとえば、アルコキシ
基やケト基等を有することができる。また、その分子中
に酸素やイオウ等のへテロ原子を含有することもでき
る。R6は水素、脂肪族基又は芳香族基であるが、脂肪
族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖
状又は分岐鎖状の低級アルキル基や、シクロヘキシル基
等の炭素数5〜12のシクロアルキル基、芳香族基とし
ては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。このオ
キシカルボン酸エステル及びオキシカルボン酸の具体例
としては、例えば、グリコール酸メチル、グリコール酸
エチル、L−乳酸メチル、L−乳酸エチル、D−乳酸メ
チル、D−乳酸エチル、D,L−乳酸メチル、D,L−
乳酸エチル、(R)−3−ヒドロキシブチルメチルエス
テル、(S)−3−ヒドロブチルメチルエステル、ヒド
ロキシピバリン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、ヒド
ロキシカプロン酸、ヒドロキシヘキサン酸等を挙げるこ
とができる。
【0014】本発明で用いるラクトン(C)としては、
次の一般式(8)で表されるものを挙げることができ
る。 前記式中、R6は二価の脂肪族基を示す。二価脂肪族基
としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。また、二価
脂肪族基R6は反応に不活性な置換基、たとえば、アル
コキシ基やケト基等を有することができる。また、その
分子中に酸素やイオウ等のへテロ原子を含有することも
できる。ラクトンの具体例としては、例えば、β−プロ
ピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε‐カ
プロラクトン、グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチ
ド、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,4−ジオキ
サン−3−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン等を
挙げることができる。
【0015】本発明のポリマーを製造するに際して用い
られる触媒は、リチウム、カリウムなどのアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカ
リ土類金属、スズ、アンチモン、ゲルマニウム等の典型
金属、鉛、亜鉛、カドニウム、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム、チタン、鉄等の遷移金属、ビス
マス、ニオブ、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、
エルビウム、イッテルビウム等のランタノイド金属の各
種化合物、例えば、カルボン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、
酸化物、水酸化物、水素化合物、アルコラート、アセチ
ルアセトネートキレート等を挙げることができる。ま
た、含窒素塩基性化合物や、ホウ酸、またはホウ酸エス
テルなども用いられる。
【0016】アルカリ金属化合物としては、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、
フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸リチウム、リン
酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二
水素リチウムなどが挙げられる。
【0017】また、アルカリ土類金属化合物としては、
具体的には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸
化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カル
シウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭
酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カル
シウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロ
ンチウムなどが挙げられる。
【0018】典型金属化合物としては、具体的には、ジ
ブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、三酸
化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスオキシ
ド、酢酸ビスマスオキシドなどが挙げられる。
【0019】遷移金属化合物としては、具体的には、酢
酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カド
ニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネー
ト、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢
酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジル
コニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸チ
タン、テトラブトキシチタネート、テトライソプロポキ
シチタネート、チタニウムオキシアセチルアセトネー
ト、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなど
が挙げられる。
【0020】希土類化合物としては、酢酸ランタン、酢
酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢
酸イッテルビウムなどが挙げられる。
【0021】含窒素塩基性化合物としては、具体的に
は、テトラエチルアンモニウムヒドロオキシド、テトラ
エチルアンモニウムヒドロオキシド、テトラブチルアン
モニウムヒドロオキシド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロオキシドなどの脂肪族アミンや芳香族アミン
から誘導された有機アンモニウムヒドロオキシド類;ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類;R2
NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニ
ル、トルイルなどのアリール基などである)示される二
級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同じである)で
示される一級アミン類;アンモニア、テトラメチルアン
モニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウム
ボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート、テトラメチルアンモニウムテトラフェ
ニルボレートなどの塩基性化合物などが挙げられる。こ
れらのうち、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド
類が特に好ましい。ホウ酸エステルとしては、具体的に
は、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸ト
リヘプチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、
ホウ酸トリナフチルなどが挙げられる。
【0022】これらの触媒は単独で用いても、2種以上
組合せて用いてもよい。また、触媒量は原料として用い
られる脂肪族ジカルボン酸又はジエステル1モルに対し
て、10-7〜10-3モル、好ましくは10-6〜5×10
-4モルの量で用いることが好ましい。この範囲より触媒
量が少なくなると反応がうまく進行せず、反応に長時間
を要するようになる。一方、この範囲より多くなると重
合時のポリマーの熱分解、架橋、着色等の原因となり、
また、ポリマーの成形加工において熱分解等の原因とな
り好ましくない。
【0023】脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン
酸ジエステル(A)と、脂肪族ジオール(B)と、オキ
シカルボン酸、オキシカルボン酸エステル又はラクトン
(C)とを触媒の存在下で重縮合反応させる場合、これ
らの成分A、B、Cの割合を以下の条件式に合致するよ
うに選択することが必要である。 1.0≦(B)/(A)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.30 (4) これらの式において、Aは脂肪族ジカルボン酸又は脂肪
族ジカルボン酸ジエステルの使用モル数、Bは脂肪族ジ
オールの使用モル数、Cはオキシカルボン酸、オキシカ
ルボン酸エステル又はラクトンの使用モル数を示してい
る。オキシカルボン酸、オキシカルボン酸エステル又は
ラクトン1モル当りの脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジ
カルボン酸ジエステルの使用モル数mは、前記式(4)
により求めることができる。即ち、式(4)において、
C=1とすると次式を得ることができる。 0.02≦1/m+1≦0.30 (9) この不等式より、mの値は2.3≦m≦49となる。脂
肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸ジエステル
(A)の使用割合が前記範囲より少ない場合は、得られ
るポリマーは結晶性の高いものとなり柔軟性のない硬い
ものとなり、さらに生分解性の点でも未だ不十分のもの
となる。また、前記範囲より多い場合は、得られるポリ
マーは融点の低いものとなり、さらに結晶性が極端に低
下するために物性低下となり、フィルムや糸等の成形加
工に適当でない。
【0024】本発明により脂肪族ジカルボン酸又は脂肪
族ジカルボン酸ジエステルと、脂肪族ジオールと、オキ
シカルボン酸、オキシカルボン酸エステル又はラクトン
とを重縮合反応させる場合、反応初期の段階では80℃
〜250℃、好ましくは100℃〜200℃、さらに好
ましくは120℃〜180℃の反応温度で、0.5〜5
時間、好ましくは1〜4時間、窒素雰囲気下、常圧で反
応させ、次いで反応系を減圧しながら反応温度を高めて
反応を行い、最終的には180℃〜270℃、好ましく
は190℃〜240℃の反応温度で減圧度3Torr以
下、好ましくは1Torr以下で3〜6時間、反応を行
うことが好ましい。
【0025】本発明のポリマーを製造する場合、その原
料としては脂肪族ジカルボン酸ジエステルの使用が好ま
しく、これより重縮合反応を円滑に進行させることがで
きる。この脂肪族ジカルボン酸ジエステルの場合、不純
物として脂肪族ジカルボンや脂肪族カルボン酸を含む場
合があるが、このような不純物の存在は得られるポリマ
ーの分子量を低下させるので好ましくなく、本発明で
は、このような不純物は、脂肪族ジカルボン酸ジエステ
ルに対して0.1モル%以下、好ましくは0.01モル
%以下に保持するのがよい。本発明のポリマーの分子量
は、数平均分子量で15,000以上、好ましくは1
8,000以上であり、通常、18,000〜80,0
00の範囲である。また、本発明のポリマーの融点は、
通常80℃以上と高く、しかもその融点と分解温度との
差は100℃以上も高く、非常に熱成形しやすいもので
ある。本発明のポリマーにおいて、特に、前記一般式
(1)におけるR1が(CH2)で、R2が(CH24
あるものは、融点が高くかつ結晶性の高いものである。
なお、本明細書で言う数平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリ
スチレン換算の数平均分子量である。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。実施例中の脂肪族ポリエステルの種々の物性値は下
記の方法により測定して求めた。 (分子量及び分子量分布)ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)法を用いて標準ポリスチレンか
ら校正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。溶離液はクロロホルムを用いた。 (熱的性質)示差走査熱量分析装置(DSC)により融
点及びガラス転移点を求めた。また熱重量分析装置(T
G)により熱分解温度を求めた。また、実施例において
得られた脂肪族ポリエステルの生分解性は下記のように
して測定した。 (生分解性評価)本発明では生分解性試験は、土中埋め
込みによる方法と活性汚泥による方法の2種類を用い
た。以下にその試験方法を示す。 1.土中埋め込み試験 1)試験方法:恒温恒湿槽の中で市販の堆肥土壌を用い
て、ポリマーのプレスシートの埋め込み試験を30日間
行った。分解率は重量減少率で示した。 2)試験条件: (1)土壌 :市販の堆肥 (2)試料形態:40×40×0.15mmプレスシー
ト (3)試験温度:30℃ (4)試験期問:30日 2.活性汚泥による試験 1)試験方法:環保業第5号、薬発第615号及び49
基局392号に定められた微生物による化学物質の分解
度試験での測定方法を参考にして行った。 2)試験条件: (1)試験装置:閉鎖系酸素消費量測定装置(大倉電器製クーロメーター) (2)活性汚泥:都市下水処理場活性汚泥 (3)試料形態:粉末 (4)試験濃度:試料 100ppm(仕込量 30mg) 汚泥 30ppm(仕込量 9mg) (5)試験温度:25±1℃ (6)試験期間:4週間 3)分解度算出方法(酸素消費量から算出する) BOD:供試物質の生化学的酸素要求量(測定値)(m
g) B :基礎培養液の酸素消費量(測定値)(mg) TOD:理論的酸素要求量(理論値)(mg)
【0027】実施例1 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル43.84g、1,4−ブ
タンジオール27.49g、グリコール酸メチル2.7
0g、触媒としてアセチルアセトネート亜鉛26mgを
仕込み、窒素雰囲気下180℃で反応を開始した。1.
0時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧を開
始し、3.0時間後に反応温度210℃、真空度0.5
Torrに到達した後、さらに4.0時間反応を行っ
た。得られたポリマーは、Mn:42,800、Mw:
98,400、Mw/Mn:2.4の分子量及び分子量
分布を有し、融点111℃、熱分解温度315℃の熱的
性質を有した。得られたポリマーの13C−NMRによる
構造解析の結果、172ppmにコハク酸のエステル結
合のカルボニルの炭素に由来する吸収及び170ppm
にグリコール酸のエステル結合のカルボニルの炭素に由
来する吸収が各々観測された。また、1H−NMRより
ポリマー中のグリコール酸エステルの含有量は9mo1
%で仕込組成比と一致した。0.15x20x100m
mのポリマーダンベルを作成し、機械的強度を測定した
ところ弾性率42MPa、伸度260%であり、フィル
ム成形可能で柔軟性のある強靭なものであった。生分解
性試験を行った結果、土中埋め込み法ではプレスシート
の重量減少率27%であった。また活性汚泥法では分解
度50%であった。
【0028】実施例2 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル43.84g、1,4−ブ
タンジオール27.49g、DL−乳酸メチル1.04
g、触媒として酢酸亜鉛二水和物20mgを仕込んだ以
外は実施例1と同様に反応を行ない目的のポリマーを得
た。得られたポリマーは、Mn:32,400、Mw:
77,800、Mw/Mn:2.4の分子量及び分子量
分布を有し、融点112℃、熱分解温度311℃の熱的
性質を有した。得られたポリマーの13C−NMRによる
構造解析の結果、172ppmにコハク酸のエステル結
合のカルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。ま
た、1H−NMRよりDL−乳酸のメチル基の水素に由
来する吸収が1.5ppmに、またメチンの水素に由来
する吸収が5.1ppmに観測された。ポリマー中のD
L−乳酸エステルの含有量は3mol%でほぼ仕込組成
と一致した。0.15x20x100mmのポリマーダ
ンベルを作成し、機械的強度を測定したところ、弾性率
50MPa、伸度210%であり、フィルム成形可能で
柔軟性のある強靱なものであった。生分解性試験を行っ
た結果、土中埋め込み法ではプレスシートの重量減少率
18%であった。また活性汚泥法では分解度41%であ
った。
【0029】実施例3 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル43.84g、1,4−ブ
タンジオール27.49g、ε−カプロラクトン9.1
3g、触媒としてテトラブチルチタネート10mgを仕
込み、窒素雰囲気下170℃で反応を開始した。1.0
時間後、反応温度を徐々に上昇させながら、減圧を開始
し、3.5時間後に反応温度200℃、真空度0.5T
orrに到達した後、さらに3.5時間反応を行った。
得られたポリマーは、Mn:35,400、Mw:8
4,900、Mw/Mn:2.4の分子量及び分子量分
布を有し、融点98℃、熱分解温度322℃の熱的性質
を有した。得られたポリマーの13C−NMRによる構造
解析の結果、172ppmにエステル結合のカルボニル
の炭素に由来する吸収が観測された。また、1H−NM
Rよりε−カプロラクトンのα位のメチレンの水素に由
来する吸収が2.3ppm付近に観測され、ポリマー中
のε−カプロラクトンの組成比は20mol%でほぼ仕
込組成と一致した。0.15x20x100mmのポリ
マーダンベルを作成し、機械的強度を測定したところ、
弾性率32MPa、伸度340%であり、フィルム成形
可能で強じんなものであった。生分解性試験を行った結
果、土中埋め込み法ではプレスシートの重量減少率36
%であった。また活性汚泥法では分解度68%であっ
た。
【0030】実施例4 へリカルリボンの撹拌棒付き内容量1Lのガラス製4つ
口セパラブルフラスコにコハク酸ジメチルエステル29
0.28g、1,4−ブタンジオール167.20g、
グリコリド27.86g、触媒としてジルコニウムアセ
チルアセトネート80mgを仕込み、窒素雰囲気下18
0℃で反応を開始した。1.5時間後、反応温度を徐々
に上昇させながら、減圧を開始し、3.5時間後に反応
温度210℃、真空度0.5Torrに到達した後、さ
らに4時間反応を行った。得られたポリマーは、Mn:
34,500、Mw:86,200、Mw/Mn:2.
5の分子量及び分子量分布を有し、融点105℃、熱分
解温度316℃の熱的性質を有した。得られたポリマー
13C−NMRによる構造解析の結果、172ppmに
コハク酸のエステル結合のカルボニルの炭素に由来する
吸収が、170ppmにグリコリドのエステル結合のカ
ルボニルの炭素に由来する吸収が観測された。また、1
H−NMRよりポリマー中のグリコリドの含有量は12
mol%でほぼ仕込組成と一致した。0.15x20x
100mmのポリマーダンベルを作成し、機械的強度を
測定したところ、弾性率34MPa、伸度280%であ
り、フィルム成形可能で柔軟性のある強靭なものであっ
た。生分解性試験を行った結果、土中埋め込み法ではプ
レスシートの重量減少率30%であった。また活性汚泥
法では分解度62%であった。
【0031】実施例5 へリカルリボンの撹拌棒付き内容量1Lのガラス製4つ
口セパラブルフラスコにコハク酸ジメチルエステル29
0.28g、1,4−ブタンジオール167.20g、
ラクチド25.94g、触媒としてチタニウムオキシア
セチルアセトネート40mgを仕込み、窒素雰囲気下1
70℃で反応を開始した。1.5時間後、反応温度を徐
々に上昇させながら、減圧を開始し、3.5時間後に反
応温度210℃、真空度0.5Torrに到達した後、
さらに4時間反応を行った。得られたポリマーは、M
n:33,000、Mw:82,500、Mw/Mn:
2.5の分子量及び分子量分布を有し、融点107℃、
熱分解温度315℃の熱的性質を有した。得られたポリ
マーの13C−NMRによる構造解析の結果、172pp
mにコハク酸のエステル結合のカルボニルの炭素に由来
する吸収が観測された。また、1H−NMRよりラクチ
ドのメチル基の水素に由来する吸収が1.5ppmに、
またメチンの水素に由来する吸収が5.1ppmに観測
された。ポリマー中のラクチド組成比は9mol%であ
り、ほぼ仕込組成比と一致した。0.15×20×10
0mmのポリマーダンベルを作成し、機械的強度を測定
したところ、弾性率33MPa、仲度280%であり、
フィルム成形可能で柔軟性のある強靭なものであった。
生分解性試験を行った結果、土中埋め込み法ではプレス
シートの重量減少率28%であった。また活性汚泥法で
は分解度63%であった。
【0032】比較例1 撹拌棒付き内容量200mlのガラス製4つ口フラスコ
にコハク酸ジメチルエステル43.84g、1,4−ブ
タンジオール28.39gを仕込み、実施例1と同様に
重合反応を行なった。得られたポリマーは、Mn:3
6,000、Mw:82,800、Mw/Mn:2.3
の分子量及び分子量分布を有し、融点118℃、熱分解
温度315℃の熱的性質を有した。0.15x20x1
00mmのポリマーダンベルを作成し、機械的強度を測
定したところ、弾性率55MPa、伸度150%であ
り、フィルム成形可能で強靭で硬いものであった。しか
し、生分解性試験を行った結果、土中埋め込み法ではプ
レスシートの重量減少率11%であったが、活性汚泥法
では分解度3%であり、生分解性に劣るものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明により得られる新規な高分子量脂
肪族ポリエステルは、フィルムや繊維等に成形加工可能
であり実用性のある物性を有すると共にポリマー主鎖中
にオキシカルボン酸エステル成分を含有しているので優
れた生分解性を有している。したがって、フィルム、繊
維、シート、ボトルなどの広範囲な用途を有している。
この高分子量脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン
酸又はそのジエステルと、脂肪族ジオールと、オキシカ
ルボン酸、オキシカルボン酸エステル又はラクトンを特
定の割合で反応させることにより容易に製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河本 憲治 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2固定化等プロジェクト室内 (72)発明者 松田 昭男 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 増田 隆志 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭
    素数2〜12の脂肪族基、pはポリエステル共重合体中
    に含まれる前記一般式(1)で示されるエステル部のモ
    ル分率を示す)で表わされるエステル部と、一般式
    (2) 【化2】 (式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、qはポ
    リエステル共重合体中に含まれる前記一般式(2)で表
    されるエステル部のモル分率を示す)で表されるエステ
    ル部とからなり、pの値が0.02〜0.30の範囲に
    ある数平均分子量15,000以上の生分解性高分子量
    脂肪族ポリエステル共重合体。
  2. 【請求項2】 R1が(CH22で、R2が(CH2)4
    表されるアルキレン基であることを特徴とする請求項1
    記載の生分解性高分子量脂肪族ポリエステル共重合体。
  3. 【請求項3】 脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボ
    ン酸ジエステル(A)と、脂肪族ジオール(B)と、オ
    キシカルボン酸、オキシカルボン酸エステル又はラクト
    ン(C)を触媒の存在下で重縮合反応させて、数平均分
    子量15,000以上の脂肪族ポリエステルを製造する
    方法において、反応原料中の反応成分の使用モル比が、
    式 1.0≦(B)/(A)≦1.05 (3) 0.02≦(C)/(A+C)≦0.30 (4) (式中、Aは脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン
    酸ジエステルの使用モル数、Bは脂肪族ジオールの使用
    モル数、Cはオキシカルボン酸、オキシカルボン酸エス
    テル又はラクトンの使用モル数を示す)を満足すること
    を特徴とする請求項1の生分解性高分子量脂肪族ポリエ
    ステル共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族ジカルボン酸ジエステル中に不純
    物として含まれる脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族カルボ
    ン酸の含有量が脂肪族ジアルキルエステルに対して0.
    1mol%以下に保持することを特徴とする請求項3記
    載の生分解性高分子量脂肪族ポリエステル共重合体の製
    造方法。
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