JPH08309945A - 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよびその製法 - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルムおよびその製法

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JPH08309945A
JPH08309945A JP12492795A JP12492795A JPH08309945A JP H08309945 A JPH08309945 A JP H08309945A JP 12492795 A JP12492795 A JP 12492795A JP 12492795 A JP12492795 A JP 12492795A JP H08309945 A JPH08309945 A JP H08309945A
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polyester
film
biaxially oriented
less
polyester film
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JP12492795A
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Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Koichi Abe
晃一 阿部
Toru Miyake
徹 三宅
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルBの少なくとも片面にポリエス
エルAを積層してなるフィルムであって、ポリエステル
Aが積層されている方の表面の中心線表面粗さが5nm
以上40nm以下、該表面の表層の粒子の含有量が0.
5重量%以下、該表面の長手方向の表面突起間隔Smが
15μm以下、該表面の表層部分の長手方向の屈折率が
1.665以上であることを特徴とする二軸配向積層ポ
リエステルフィルム。 【効果】 走行性、耐摩耗性に優れ、巻姿の良好なポリ
エステルフィルムを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二軸配向積層ポリエステ
ルフィルムおよびその製法に関し、特に、表面に微細な
突起を形成した二軸配向積層ポリエステルフィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムに高度な耐摩耗性
を付与する目的で、ポリエステル自身の結晶化を利用し
て表面突起を形成するフィルムが知られている(例えば
特開平7−1575号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリエステル自身の結晶化を利用して表面突起を形
成するフィルムには、金属ガイド上を高速で走行したと
きのキズ発生という問題点があった。すなわち、ポリエ
ステルフィルムの加工工程、たとえば包装材料における
印刷工程、磁気記録媒体用途における磁性層塗布工程、
あるいは感熱転写用途における感熱層塗布などの工程に
おいて、近年ますます加工速度が増大していることに伴
って、特に金属製の走行手段上における高速走行時に、
金属ガイド表面の微小突起によってフィルムに傷がつい
てしまうという問題である。
【0004】本発明は上記の問題点を解決し、高速で金
属ガイド上を走行したときの耐摩耗性に優れたフィルム
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的にそう本発明の
2軸配向積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルB
の少なくとも片面にポリエスエルAを積層してなるフィ
ルムであって、積層部分の表面の中心線表面粗さが5n
m以上40nm以下、該表面の表層の粒子の含有量が
0.5重量%以下、該表面の長手方向の表面突起間隔S
mが15μm以下、該表面の表層部分の長手方向の屈折
率が1.665以上であることを特徴とする二軸配向積
層ポリエステルフィルムからなる。
【0006】すなわち、表面の中心線平均粗さを5nm
以上40nm以下、好ましくは7nm以上30nm以
下、更に好ましくは10nm以上25nm以下とするこ
とにより、金属ロールなどのガイド手段上を走行すると
きに、小さな摩擦係数、すなわち良好な走行性をフィル
ムに付与することができる。表面の中心線平均表面粗さ
が5nmより小さい摩擦係数が大きくなりすぎてフィル
ムが相手部材に貼り付いてしまい、40nmより大きい
と、摩擦係数が小さくなりすぎて張力が安定しなくなる
ため好ましくない。
【0007】また、積層部における表層の粒子の含有量
が0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、更
に好ましくは0.3重量%以下とすることにより耐摩耗
性に優れたフィルムを得ることができる。積層部におけ
る表層の粒子の含有量が0.5重量%より大きいと、粒
子の周りにボイドが生じて突起が破壊されやすくなり、
金属ガイドなど硬いガイド手段上を走行するときにフィ
ルム表面に突起が削れてフィルム表面に傷が生じ易くな
ったり、削れにより生じた粉が走行手段上やフィルムの
表面に付着したりする。また、プラスチック製ガイド上
を走行するときにプラスチック製ガイドの表面が削れ、
発生した粉が走行手段上やフィルム表面上に付着しやす
くなるといった問題が生じる。
【0008】さらに、長手方向の表面突起間隔Smを1
5μm以下、好ましくは12μm以下、更に好ましくは
10μm以下、かつ長手方向の屈折率を1.665以
上、好ましくは1.670以上、更に好ましくは1.6
75以上とすることにより、高速で金属ガイド上を走行
したときの金属表面の微小突起による傷がつきにくいフ
ィルムが得られる。長手方向の表面突起間隔Smが15
μmより大きいか、長手方向の屈折率が1.675より
小さいと高速で金属ガイド上を走行したときの金属表面
の微小突起による傷がつき安くなってしまう。
【0009】上記のような表面粗さを持ち、積層部にお
ける突起を形成する粒子の含有量の小さなフィルムとし
ては、表面突起がポリエステルAの結晶に起因すること
が好ましい。しかしながら、従来の特開平5−1575
号公報に記載の方法で単純に長手方向の延伸倍率を大き
くしようとしても、エッジ部分に積層されているポリエ
ステルAが結晶化しすぎてしまい、安定にフィルムを製
膜することができない。本発明では溶融ポリマーの合流
を行う合流ブロックの形を工夫して、エッジ部分には積
層せず、ここで中央部分にのみ積層ようにすることによ
り目的のフィルムを安定に製膜することができるように
なった。
【0010】表面突起のうち、結晶に起因する突起の割
合は、80%以上、好ましくは90%以上であることが
好ましい。結晶に起因する突起の割合が80%より小さ
いと、金属ガイドなど硬いガイド手段上を走行するとき
にフィルムに傷がつきやすくなったり、粉が発生しやす
くなるといった問題が生じる。
【0011】ここで、表面突起がポリエステルAの結晶
に起因するものか否かについては、対象となる突起の下
をフィルム厚さ方向に適当な溶媒でエッチングしてい
き、その突起を形成する起因物が不溶物として残存する
場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内部析出
した粒子とする(I)。不溶物として残存するものが実
質的になかった場合は、その突起を形成する起因物は微
細結晶であると推定できる(II)。上記の溶媒として
は、例えば、フェノール/四塩化炭素(重量比:6/
4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。この方法で
視野を1mm2 とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起の割合と
して用いることが出来る。ただし、表面突起がポリエス
テルAの微細結晶からなるものか否かの判定法について
は、上記の方法に限定されるものではなく、適切な方法
を選択することができる。
【0012】また、最大高さRtと中心線平均粗さRa
との比、Rt/Raは10以下、好ましくは9以下であ
る場合に、耐摩耗性が一層良好となるので好ましい。
【0013】ポリエステルAは特に限定されないが、エ
チレンテレフタレ−ト、エチレン2,6-ナフタレ−ト、エ
チレンα,β−ビス(2-クロルフェノキシ)エタン-4,
4'-ジカルボキシレ−ト単位から選ばれた少なくとも一
種の構造単位を主要構成成分とする場合に、特に、エチ
レンテレフタレ−トを繰り返し単位に85モル%以上含
有するポリエステルの場合が好ましい。また、ポリエス
テルAの結晶化指数ΔTcgが10〜60℃、好ましく
は20〜50℃の範囲の場合に、本発明の表面形態が得
やすく、また、耐削れ性も一層良好となるので好まし
い。結晶化指数の小さなポリエステルとしては、結晶核
剤効果により結晶化速度の速いポリエチレンテレフタレ
ートが特に好ましい。結晶核剤効果を高め、結晶化指数
ΔTcgが小さいポリエステルを得るためには、エステ
ル交換、重合時に酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢
酸カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸ある
いはそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウ
ムを存在させることが有効である。特に望ましい組み合
わせは、酢酸マグネシウムとホスホン酸(またはその誘
導体)および酸化アンチモンであり、ホスホン酸(また
はその誘導体)としては、フェニルホスホン酸、ジメチ
ルフェニルホスホネートなどがあげられる。また、分子
の可動性を高め、結晶化速度が速いポリエステルを得る
ためには、柔軟可動成分を少量添加もしくは共重合する
ことが有効である。ここで柔軟可動成分とは、長い柔軟
鎖を主鎖に持ち、ポリエステルと親和性の高い、もしく
は共重合可能な長鎖脂肪族のジカルボン酸、長鎖脂肪族
のジオール、ポリアルキレングリコールを言い、特にポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘ
キサメチレングリコールなどのポリアルキレングリコー
ルを用いることが有効である。中でも特に、酢数平均分
子量が1000以上50000以下、好ましくは300
0以上30000以下のポリエチレングリコールを、ポ
リエステルに対して0.01重量%以上15重量%以
下、好ましくは0.1重量%以上13重量%以下、さら
に好ましくは1重量%以上10重量%以下の範囲で用い
ることが好ましい。ただし、ポリエステルAの製造方法
は上記になんら限定されるものではない。なお、本発明
の目的を阻害しない範囲内で、二種以上のポリエステル
を混合しても良い。
【0014】ポリエステルBの種類は特に限定されな
い。ポリエステルBの結晶化指数ΔTcgは、ポリエス
テルAの結晶化指数ΔTcgより大きいと、延伸性に対
する影響が小さくなるので好ましい。また、ポリエステ
ルBには、粒子が含有されないことが望ましいが、含有
されていても良い。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステルBからなるフィルムの片面にポリエステルAが積
層されてなるフィルムであっても良いし、ポリエステル
Bからなるフィルムの両面にポリエステルAが積層され
てなるフィルムであっても良いが、より巻き特性の良好
なフィルムを得るためには、ポリエステルBからなるフ
ィルムの片面にポリエステルAが積層されてなるフィル
ムである方が好ましい。ポリエステルAの積層厚さは特
に限定されないが、積層厚さが3μm以下の時にフィル
ム製膜時の延伸性に対する影響が小さくなるので好まし
い。
【0016】次に、本発明フィルムの製造方法について
説明する。
【0017】ポリエステルBの少なくとも片面にポリエ
ステルAを積層した溶融押出フイルムを、静電印加キャ
スト法を用いて、冷却金属ロール表面で冷却し、未延伸
フィルムを得る。
【0018】次に未延伸フィルムの少なくとも片面に熱
処理を施す。ここで未延伸フィルムとは、口金から押し
出された直後の冷却固化される前の状態から、冷却固化
後、一軸方向にわずかに微延伸(2倍程度まで)された
ものまでを指す。この熱処理の目的は、延伸前のフィル
ム表面を好ましい結晶化度にまで結晶性を高めることで
あり、処理方法としては、押出し直後の温度の高いフ
ィルムを徐冷することにより結晶化させる方法、一旦
冷却、固化したフィルムを再加熱して結晶化させる方
法、一軸方向に微延伸させた状態で加熱処理する方
法、がある。これらの方法の一つをフイルムの製膜プロ
セスのなかで実施し、目標とする表面形態を得ることが
できるが、これらの方法を二つ以上併用して、フイルム
の製膜プロセスのなかで実施してもよい。
【0019】本目的に沿う表面形態を得るためには、
の方法が好ましいが、またはの方法を用いても、適
切な条件を採用することにより望ましい表面形態を得る
ことができる。の処理方法については、特に限定され
ないが、加熱ロールに巻き付けて熱処理する方法、ロー
ルに巻き付けた状態でロールと接触する反対の面から熱
風処理する方法、あるいはロールに巻き付けた状態でロ
ールと接触する反対の面から赤外線ヒータで熱処理する
方法、ロール/ロール間で赤外線ヒータで熱処理する方
法、ステンタを用いて加熱する方法等があるが、特にこ
れらの方法に限定されるものではない。熱処理条件とし
ては、100〜240℃の温度下で、0.5〜100秒
熱処理することが望ましい。より好ましくは、120〜
220℃で1〜50秒の熱処理条件が目標とする表面形
態を、フィルムの製膜プロセス中で効率良く得るために
望ましい条件である。
【0020】積層フィルムを製造する好ましい製造方法
は、上に記した溶融押し出しフィルムを作るとき、二台
の押出機からポリエステルA,Bをそれぞれ溶融して供
給したものを、2または3層のマニホールドまたは合流
ブロックを用いて、未延伸フィルムのエッジ部分にはポ
リエステルAを積層しないような形で、ポリエステルB
の片面または両面にポリエステルAに積層し、スリット
状の口金から溶融押し出す方法であるが、合流部分が矩
形の合流ブロックを用いて積層する方法が安定性、横方
向のばらつき防止の面から特に好ましい。
【0021】さらにこの未延伸フィルムを公知の方法で
二軸延伸、熱固定を行って二軸配向ポリエステルフィル
ムを得る。この延伸時に、フィルム表面付近に形成され
た結晶が非晶部よりも硬く変形しにくいため、表面に突
起が形成される。
【0022】延伸方法としては、最初に長手方法、次に
幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸を用いる事が有効であ
る。長手方向の延伸はポリエステルのガラス転移温度T
gより10℃以上高い高温で、5000〜50000%
/分の延伸速度で一度にもしくは数回に分けて3〜6倍
の範囲で行うことが有効である。また、横方向の延伸は
80〜160℃の温度で、1000〜20000%/分
の延伸速度で3〜7倍の範囲で行うことが好ましい。ま
た、いったん二軸延伸されたフィルムを少なくとも一方
向にさらに延伸しても良いが、延伸後の定長熱処理は1
70〜240℃で0.5〜60秒行うのが好ましい。さ
らに、幅方向の熱寸法安定性を高めるために、弛緩熱処
理を施すことが好ましい。
【0023】本発明の用途は特に限定されないが、特
に、工程内での耐摩耗性が要求されるような用途、例え
ば、磁気材料や包装材料、コンデンサや電気絶縁用のフ
ィルム、ラベル、カバーフィルムなどに最適である。
【0024】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0025】(1)中心線平均粗さRa、最大高さR
t、突起間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て、中心線平均粗さRa、最大高さRt、突起間隔Sm
を測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
【0026】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rt、Smなどの定義は、たとえば、奈良
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されているものである。
【0027】(2)粒子の含有量 顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組
成分析を行い、ポリエステルのカルボニル基に起因する
ピークと、ポリエステル以外の物質に起因するピークの
比から求めた。なお、ピーク高さ比を重量比に換算する
ために、あらかじめ重量比既知のサンプルで検量線を作
成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対する
ポリエステル比率を求めた。また、必要に応じてX線マ
イクロアナライザーを併用した。また、ポリエステルは
溶解し粒子は溶解させない溶媒が選べる場合は、ポリエ
ステルを溶解し、粒子をポリエステルから遠心分離し、
粒子の重量百分率を求めた。
【0028】(3)フィルムの表層の粒子含有量 フィルムを幅1/2 インチにテープ状にスリットしたもの
を用い、ポリエステルAが積層されている側の表面に片
刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状態
で20cm走行させる(走行張力:500g、走行速
度:6.7cm/秒)。このとき片刃の先に付着したフ
ィルム表面の削れ物の粒子含有量を上記粒子含有量の測
定法に従って求めた。
【0029】(4)粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また1回の測定での視野
は一辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察
箇所を変えて粒子数5000個以上で、粒径との体積分
率から、次式で体積平均径dを得る。
【0030】d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。
【0031】粒子が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処
理法で大幅にダメージを受ける場合には、以下の方法を
用いてもよい。
【0032】フィルム断面を透過型電子顕微鏡を用い、
3000〜100000倍で観察する。TEMの切片厚
さは約1000オングストロームとし、場所を変えて5
00視野以上測定し、上記の式から体積平均径dを求め
る。
【0033】(5)結晶起因の突起の割合 対象となる突起の下をフィルム厚さ方向にフェノール/
四塩化炭素(重量比:6/4)の混合溶媒でエッチング
していき、その突起を形成する起因物が不溶物として残
存する場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内
部析出した粒子とする(I)。不溶物として残存するも
のが実質的になかった場合は、その突起を形成する起因
物は微細結晶であると推定できる(II)。この方法で
視野を1mm2 とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起の割合と
した。
【0034】(6)250m/分での耐摩耗性、摩擦係
数 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン
(表面粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行
速度250m/分、巻き付け角60゜、出側張力90
g、走行回数1回)。このとき、フィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あた
り2本未満は優、2本以上10本未満は良、10本以上
は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には
使用可能である。
【0035】また、このときの初期のμkを下記の式よ
り求めた。
【0036】μk=2.20log(90/T) ここで、Tは入側の張力である。このμkが0.30以
下だと滑り性良好、0.30を越えると滑り性不良と判
断した。このμk値0.30は、印刷工程など加工工程
で滑り性不良によるトラブルが発生するか否かの臨界点
である。
【0037】(7)350m/分での耐摩耗性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン
(表面粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行
速度350m/分、巻き付け角60゜、出側張力90
g、走行回数1回)。このとき、フィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あた
り2本未満は優、2本以上10本未満は良、10本以上
は不良と判定した。この条件での評価結果は一般に25
0m/分での耐摩耗性試験の結果よりも厳しくなるが、
高速な加工工程での実用特性として必要とされるもので
ある。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能であ
る。
【0038】(8)積層厚さ 透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加
速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(R
uO4 染色)で観察し、その界面をとらえ、その積層厚
さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶ
ことが通常であり、特に限定されないが、1万〜10万
倍が適当である。
【0039】(9)結晶化指数ΔTcg パーキングエルマ社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件和次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷
する。この試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点T
gを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの結
晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tcc、結晶
融解に基づく吸熱ピーク温度を融解温度Tm、同じよう
に降温時の結晶化発熱ピーク温度を降温結晶化温度Tm
cとした。TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化
指数△Tcgと定義する。
【0040】(10)長手方向の屈折率 アッベ屈折計を用いて、測定を行いたい表層の長手方向
の屈折率nMDを測定した。なお、光源はナトリウムD線
(波長589nm)で、マウント液は、ヨウ化メチレン
を用い、25℃65%RHにて測定した。
【0041】(11)フイルム温度 放射温度計、接触式表面温度計、またはサーモラベルを
フイルムに貼付けて測定した。なお溶融状態のフイルム
温度は、放射温度計、または溶融状態のフイルムに熱電
対を差し込んで測定した。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。
【0043】実施例、比較例 表1、2に示した触媒を用いて、常法により重合したポ
リエチレンテレフタレートもしくはエチレンテレフタレ
ートを主な繰り返し単位に持つ共重合ポリエステルを用
いた。粒子を添加する場合は、粒子を含むエチレングリ
コールを用いて、常法により重合したポリエチレンテレ
フタレートを用いた。
【0044】表3記載のポリエステルA,Bのペレット
を、それぞれ180℃で3時間乾燥後、2台の公知の押
出機を用いて、290℃で溶融押出しを行い、2層用、
もしくは3層用の矩形の合流ブロック(フィードブロッ
ク)で、未延伸フィルムの両端から10mmを除いた範囲
に積層されるように、表3記載の積層構成になるように
合流積層し、静電印加キャスト法を用いて、表面温度2
0℃の金属キャスティングドラム上に巻き付けて、冷
却、固化し、未延伸フィルムを得た。
【0045】この未延伸フィルムを、熱処理を行う場合
は表3に記載の条件で、公知のシリコーンゴム製ロール
上で加熱処理を行った後、表3に記載の延伸倍率で、ロ
ール間で、95℃、延伸速度2000%/分で縦方向に
延伸後、公知のステンタを用いて95℃で10000%
/分で幅方向に3.5倍延伸を行い、定長下で200℃
にて5秒間熱処理を行い、表3に記載の厚さの2軸配向
積層フィルムを得た。
【0046】上記の各実施例および比較例における、各
フィルム特性を表4に示す。2層構成のフィルムの場合
はポリエステルAが積層されている側の面の中心線平均
粗さRa、長手方向の突起間隔Sm、耐削れ性、摩擦係
数、長手方向の屈折率を測定した。
【0047】実施例では好ましい粒子濃度、中心線平均
粗さRa、長手方向の突起間隔Sm、長手方向の屈折率
を有するフィルムが得られ、250m/分での摩擦係
数、耐削れ性、350m/分での耐摩耗性に優れたフィ
ルムであったが、比較例で得られたポリエステルフィル
ムは、250m/分での摩擦係数、耐削れ性、350m
/分での耐摩耗性のいずれかの劣るフィルムであった。
【0048】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0049】
【発明の効果】特に金属ガイド上を高速で走行する際の
走行性、耐摩耗性に優れたポリエステルフィルムを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルBの少なくとも片面にポリ
    エスエルAを積層してなるフィルムであって、ポリエス
    テルAが積層されている表面の中心線表面粗さが5nm
    以上40nm以下、該表面の表層の粒子の含有量が0.
    5重量%以下、該表面の長手方向の表面突起間隔Smが
    15μm以下、該表面の表層部分の長手方向の屈折率が
    1.665以上であることを特徴とする二軸配向積層ポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルAの結晶化指数ΔTcgが
    10〜60℃の範囲である請求項1に記載の二軸配向積
    層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 上記表面の最大高さRtとRaの比、R
    t/Raが10以下である請求項1または2のいずれか
    に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 上記表面の突起の80%以上がポリエス
    テルAの結晶によって形成されたことを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の二軸配向積層ポリエス
    テルフィルム。
  5. 【請求項5】 未延伸フィルムの少なくとも片面に熱処
    理を施し、その後に該未延伸フィルムを二軸延伸する事
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリ
    エステルフィルムの製造方法。
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