JPH08303681A - 給湯用複合管 - Google Patents

給湯用複合管

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JPH08303681A
JPH08303681A JP11062695A JP11062695A JPH08303681A JP H08303681 A JPH08303681 A JP H08303681A JP 11062695 A JP11062695 A JP 11062695A JP 11062695 A JP11062695 A JP 11062695A JP H08303681 A JPH08303681 A JP H08303681A
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JP
Japan
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polyethylene resin
silane
density
density polyethylene
composite pipe
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11062695A
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English (en)
Inventor
Keiko Nagoshi
恵子 名越
Shuichiro Ochiai
周一郎 落合
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属管の内面に酸化防止剤を含有するシラン
変性ポリエチレン樹脂が熔融被覆されてなる給湯用複合
管であって、熱水中への酸化防止剤の溶出が小さく抑え
られ、熱酸化による劣化が防止され、耐久性が改善され
た給湯用複合管を得る。 【構成】 金属管の内面に酸化防止剤を含有するシラン
変性ポリエチレン樹脂が熔融被覆されてなる給湯用複合
管であって、上記シラン変性ポリエチレン樹脂は、密度
が0.945〜0.965g/cm3 のシラン変性高密度
ポリエチレン樹脂からなる。特に、密度が0.945〜
0.965g/cm3 で且つメルトフローレート(MF
R)0.1〜3g/10分のシラン変性高密度ポリエチ
レン樹脂からなるものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐久性が改善された
給湯用複合管に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管の内面にシラン変性ポリエチレン
樹脂が熔融被覆されてなる複合管はすでに知られてお
り、給湯用の配管などに使用されている。この種の給湯
用複合管は、内面がシラン変性ポリエチレン樹脂の層か
らなるので、安価で化学的に安定で耐食性に優れた、ま
た金属管との接着性も良好である。
【0003】このような給湯用複合管において、内層の
シラン変性ポリエチレン樹脂としては、通常、低密度ポ
リエチレン樹脂をシラン化合物でグラフト変性したシラ
ン変性低密度ポリエチレン樹脂が使用されているが、耐
久性の点で不充分である。
【0004】すなわち、このような給湯用複合管を熱水
の過酷な条件下で使用すると、熱酸化によりシラン変性
低密度ポリエチレン樹脂の被覆層が劣化しやすく、比較
的短期間で被覆層にクラックが発生して、金属管に錆や
腐食が発生する。
【0005】この種の熱酸化による劣化を防止する目的
で、シラン変性ポリエチレン樹脂に、フェノール系、硫
黄系、リン系などの酸化防止剤を含有させることが行わ
れている(例えば、特開平3−290240号公報参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、酸化防止剤
を含有するシラン変性低密度ポリエチレン樹脂を使用
し、この樹脂を金属管の内面に熔融被覆した給湯用複合
管は、熱水の過酷な条件下で使用すると、熱水中へ酸化
防止剤が溶出していき、酸化防止剤による劣化防止効果
が著しく減殺されるという問題がある。
【0007】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、金属管の内面に酸化防止
剤を含有するシラン変性ポリエチレン樹脂が熔融被覆さ
れてなる給湯用複合管であって、熱水中への酸化防止剤
の溶出が小さく抑えられ、熱酸化による劣化が防止さ
れ、耐久性が改善された給湯用複合管を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、金属管の内
面に酸化防止剤を含有するシラン変性ポリエチレン樹脂
が熔融被覆されてなる給湯用複合管であって、上記シラ
ン変性ポリエチレン樹脂は、密度が0.945〜0.9
65g/cm3 のシラン変性高密度ポリエチレン樹脂から
なることを特徴とし、それにより、上記の目的を達成す
ることができる。
【0009】この発明において、金属管としては、鉄
管、鋼管、ステンレス管、アルミニウム管等が挙げられ
る。これ等の金属管の内面は、被覆層との接着性に悪影
響がでないように、通常、ブラスト処理、アルカリ等に
よる脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等による酸洗い処理等
が施される。さらに、接着性を良好にするために、有機
チタネートプライマーやエポキシプライマーなどによる
プライマー処理が施されていてもよい。
【0010】シラン変性高密度ポリエチレン樹脂は、高
密度ポリエチレン樹脂に、加水分解可能なアルコキシ基
を含み、且つ不飽和炭化水素基(ビニル基など)を含む
有機シラン化合物を加え、これをラジカル発生剤の存在
下で押出機やロールにより溶融混練し、ラジカル発生剤
の作用により高密度ポリエチレン樹脂に有機シラン化合
物をグラフトさせることにより得られる。
【0011】ここで、高密度ポリエチレン樹脂とは、密
度が0.942g/cm3 以上のものを意味し、密度が高
いほうが酸化防止剤の溶出防止効果が大きくなるので、
特に密度が0.945g/cm3 以上、更には0.950
g/cm3 以上の高密度ポリエチレン樹脂を用いるのが好
ましい。なお、高密度ポリエチレン樹脂の密度は、シラ
ングラフト化するとわずかに低下する。具体的には、も
との樹脂の密度が0.001〜0.002g/cm3 程度
低下する。
【0012】上記有機シラン化合物としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
メチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等が用いられる。これ等の有機シラ
ン化合物は、高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対
し、一般に0.01〜20重量部が配合される。
【0013】また、ラジカル発生剤としては、ジメチル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有
機過酸化物が用いられる。これ等の有機過酸化物は、高
密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、一般に0.
001〜1.5重量部が配合される。
【0014】この発明において、シラン変性高密度ポリ
エチレン樹脂としては、密度が0.945〜0.965
g/cm3 のものを用いる。この樹脂の密度が0.945
g/cm3 未満では酸化防止剤の溶出防止効果が充分でな
く、逆にこの樹脂の密度が0.965g/cm3 を越える
と被覆層の柔軟性が低下する。
【0015】さらに、上記シラン変性高密度ポリエチレ
ン樹脂は、メルトフローレートが0.1〜3g/10分
のものを用いるのが好適である。メルトフローレートが
0.1g/10分未満では、熔融被覆の際の成形性が悪
くなり、また金属管と被覆層との接着性も低下する。逆
に、メルトフローレートが3g/10分を超えると、被
覆層の機械的強度が低下し、また金属管と被覆層との接
着性も低下する。
【0016】なお、上記樹脂の密度及びメルトフローレ
ート(MFR)は、JIS K 6760に基づいて測
定された値である。密度の試験温度は23℃であり、メ
ルトフローレート(MFR)の試験温度は190℃、試
験荷重は2.16 kgf である。
【0017】この発明においては、シラン変性高密度ポ
リエチレン樹脂に公知の酸化防止剤が配合される。この
酸化防止剤は、酸素の存在下で熱などにより生成するパ
ーオキシラジカルの連鎖を阻止するラジカル連鎖禁止剤
と、生成したハイドロパーオキシサイドをラジカルを発
生しない形で分解する過酸化物分解剤とに分類され、特
にラジカル連鎖禁止剤と過酸化物分解剤とを併用するの
が好ましい。
【0018】上記ラジカル連鎖禁止剤としては、ヒンダ
ードフェノール系(商品名Irganox 1010な
ど)やヒンダードアミン系(商品名Chimasorb
944など)などが挙げられ、過酸化物分解剤として
は、有機リン系(商品名Irgafos 168など)
や硫黄系(DLTPなど)が挙げられる。
【0019】これ等の酸化防止剤は、上記シラン変性高
密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、一般に0.
1〜2重量部の範囲で含有されるのが好ましい。酸化防
止剤が少なすぎるとシラン変性高密度ポリエチレン樹脂
の熱酸化によ劣化を充分に防止することができず、逆に
多すぎると金属管との接着性が低下する。
【0020】なお、上記シラン変性高密度ポリエチレン
樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、金属不活性化
剤、ガラス短繊維、タルク、炭酸カルシウム、カオリン
クレー、カーボンブラック等の無機充填材が配合されて
もよい。
【0021】この発明において、金属管の内面に上記酸
化防止剤を含有するシラン変性高密度ポリエチレン樹脂
を熔融被覆するには、公知の方法が採用される。例え
ば、(1)クロスヘッド金型を用い、金属管の内面に上
記樹脂組成物を熔融押出して被覆する方法、(2)金属
の帯状体を管状に成形し接合端縁を溶接した直後に、そ
の内面に上記樹脂組成物を熔融押出して被覆する方法等
が採用される。被覆層の厚さは、一般に0.5〜3mm程
度に設定される。
【0022】なお、金属管の内面に上記樹脂組成物を熔
融被覆した後、被覆層を構成するシラン変性高密度ポリ
エチレン樹脂を常法により水架橋させる。それには、金
属管の内面に上記樹脂組成物を熔融被覆した複合管を熱
水に浸漬するか或いはこの複合管の内部に水蒸気を通
す。水架橋を促進させるために、上記樹脂組成物にジブ
チル錫ジラウレート等のシラノール縮合触媒を配合して
おいてもよい。こうして、この発明の給湯用複合管が得
られる。
【0023】
【作用】密度0.945〜0.965g/cm3 のシラン
変性高密度ポリエチレン樹脂に酸化防止剤を含有させた
シラン変性高密度ポリエチレン樹脂を用いると、酸化防
止剤を含有するシラン変性低密度ポリエチレン樹脂に比
べ、熱水中への酸化防止剤の溶出が少なく抑えられる。
【0024】特に、上記シラン変性高密度ポリエチレン
樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.1〜3g/
10分のものは、熔融被覆の際の成形性がよく、しかも
被覆層の機械的強度もよく、さらに金属管との接着性も
良好である。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 シラン変性高密度ポリエチレン樹脂の調製 高密度ポリエチレン樹脂(密度0.964g/cm3 、メ
ルトフローレート5g/10分)100重量部とビニル
トリメトキシシラン2重量部とジ−t−ブチルパーオキ
サイド0.1重量部とを混合し、これを押出機により1
90℃で溶融混練しペレタイザーにかけてペレット状の
シラン変性高密度ポリエチレン樹脂を得た。このペレッ
ト状のシラン変性高密度ポリエチレン樹脂の密度は0.
963g/cm3 、メルトフローレートは0.5〜1.0
g/10分であった。
【0026】酸化防止剤含有のシラン変性高密度ポリエ
チレン樹脂の調製 このシラン変性高密度ポリエチレン樹脂100重量部
に、酸化防止剤としてテトラキス−〔メチレン−3−
(3' ,5' −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン(商品名Irganox
1010)0.16重量部を混合し、これを押出機によ
り190℃で溶融混練しペレタイザーにかけてペレット
状の酸化防止剤含有のシラン変性高密度ポリエチレン樹
脂を得た。
【0027】給湯用複合管の製造 鋼管(外径114mm、厚さ2mm、長さ5m)の内面をア
ルカリ液による脱脂及び硝酸による酸洗い処理した。こ
の鋼管の内面に、クロスヘッド金型を付設した押出機を
用いて、上記酸化防止剤含有のシラン変性高密度ポリエ
チレン樹脂を190℃で溶融混練しながら押出し熔融被
覆して、厚さ2.5mmの被覆層を形成した。その後、こ
の内面被覆鋼管を90℃の熱水の6時間浸漬することに
より樹脂を水架橋し乾燥して給湯用複合管を製造した。
【0028】給湯用複合管の性能評価 給湯用複合管に95℃の水道水を100cc/分の割合
で通湯し、一定時間ごとにサンプリングし、内層の被覆
層中の酸化防止剤の濃度を測定した。酸化防止剤の濃度
の測定は、金属管の内層から被覆層を剥離し、この被覆
層をミクロトームで100μm の厚さに切断し、得られ
た切片の分光光度計による吸光度から被覆層中の酸化防
止剤の濃度を定量し、濃度保持率(%)=(通湯後の被
覆層中の酸化防止剤の濃度)/(通湯前の被覆層中の酸
化防止剤の濃度)×100で表した。その結果を表1に
示す。
【0029】実施例2 シラン変性高密度ポリエチレン樹脂の調製において、高
密度ポリエチレン樹脂(密度0.964g/cm3 、メル
トフローレート5g/10分)100重量部に代えて、
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.950g/cm3 、メ
ルトフローレート5g/10分)100重量部を用い
た。この場合、ペレット状のシラン変性高密度ポリエチ
レン樹脂の密度は0.949g/cm3 、メルトフローレ
ートは0.5〜1.0g/10分であった。それ以外は
実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0030】比較例1 シラン変性高密度ポリエチレン樹脂の調製において、高
密度ポリエチレン樹脂(密度0.964g/cm3 、メル
トフローレート5g/10分)100重量部に代えて、
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.935g/cm
3 、メルトフローレート5g/10分)100重量部を
用いた。この場合、ペレット状のシラン変性直鎖状低密
度ポリエチレン樹脂の密度は0.934g/cm3 、メル
トフローレートは0.5〜1.0g/10分であった。
それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】上述の通り、この発明の給湯用複合管
は、金属管の内面に酸化防止剤を含有するシラン変性ポ
リエチレン樹脂が熔融被覆されてなる給湯用複合管であ
って、上記シラン変性ポリエチレン樹脂は、密度が0.
945〜0.965g/cm3 のシラン変性高密度ポリエ
チレン樹脂からなり、それにより熱水中への酸化防止剤
の溶出が小さく抑えられ、熱酸化による劣化が防止され
る。
【0033】特に、上記シラン変性高密度ポリエチレン
樹脂の密度が0.945〜0.965g/cm3 で且つメ
ルトフローレート(MFR)が0.1〜3g/10分の
ものは、上記の効果に加えて、熔融被覆の際の成形性が
よく、また被覆層の機械的強度もよく、さらに金属管と
の接着性も良好で、高温使用に耐え、従来のこの種の給
湯用複合管に比べ、耐久性が改善される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内面に酸化防止剤を含有するシ
    ラン変性ポリエチレン樹脂が熔融被覆されてなる給湯用
    複合管であって、上記シラン変性ポリエチレン樹脂は、
    密度が0.945〜0.965g/cm3 のシラン変性高
    密度ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする給湯用
    複合管。
JP11062695A 1995-05-09 1995-05-09 給湯用複合管 Withdrawn JPH08303681A (ja)

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JP11062695A JPH08303681A (ja) 1995-05-09 1995-05-09 給湯用複合管

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JP11062695A JPH08303681A (ja) 1995-05-09 1995-05-09 給湯用複合管

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JPH08303681A true JPH08303681A (ja) 1996-11-22

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ID=14540549

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007504309A (ja) * 2003-09-05 2007-03-01 ボレアリス テクノロジー オイ 架橋性高圧ポリエチレン組成物、その製造法、それから製造された管及びケーブル
KR102584144B1 (ko) * 2023-04-03 2023-10-05 세인스틸 주식회사 실링부의 이탈 방지 및 밀폐력이 향상된 이음쇠가 구비된 피복 코팅 스테인리스 강관 및 그의 설치방법
KR102584146B1 (ko) * 2023-04-03 2023-10-05 세인스틸 주식회사 밀폐력이 향상된 이음쇠와 각도조절이 용이한 연결구가 구비된 피복 코팅 스테인리스 강관 및 그의 설치방법

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KR102584146B1 (ko) * 2023-04-03 2023-10-05 세인스틸 주식회사 밀폐력이 향상된 이음쇠와 각도조절이 용이한 연결구가 구비된 피복 코팅 스테인리스 강관 및 그의 설치방법

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Legal Events

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Effective date: 20040319

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761