JPH05169585A - 積層体 - Google Patents

積層体

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Publication number
JPH05169585A
JPH05169585A JP3316388A JP31638891A JPH05169585A JP H05169585 A JPH05169585 A JP H05169585A JP 3316388 A JP3316388 A JP 3316388A JP 31638891 A JP31638891 A JP 31638891A JP H05169585 A JPH05169585 A JP H05169585A
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JP
Japan
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synthetic resin
resin layer
layer
primer layer
laminate
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Pending
Application number
JP3316388A
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English (en)
Inventor
Yasushi Goto
靖志 五藤
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱水と冷水に繰り返し浸漬されるような過酷
な条件下で使用されても、金属管と耐蝕合成樹脂層の剥
離や耐蝕合成樹脂層の収縮がなく、耐蝕性、耐熱水性、
耐久性に優れた積層体を得る。 【構成】 鋼板2の表面に有機チタネートを焼結した酸
化チタンを主体とするプライマー層3が形成され、その
上にシラン架橋ポリエチレンからなる合成樹脂層4が融
着されて形成されている積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層体に関し、特に耐蝕
性、耐熱水性、耐久性に優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属に耐蝕性を持たせるために、
その表面に耐蝕層となる合成樹脂層を、接着剤層を介し
て設けた積層体、あるいは接着剤を使用することなく直
接融着する等によって設けた積層体が知られている。
【0003】これらの積層体においては、金属と合成樹
脂との初期接着強度は概して強く、短期間の使用に対し
てはほぼ良好な使用結果が得られている。しかし、長期
間使用する間に、合成樹脂層表面からの水や薬品の吸
収、熱等による接着剤や接着層の劣化等によって金属と
合成樹脂との接着強度が低下し、更に、金属と合成樹脂
の線膨張係数の大きな差に起因する繰り返し剪断熱応
力、合成樹脂層成形時の残留歪み等の要因が加わって接
着界面での剥離、収縮が発生し、それによって金属に
錆、腐食等が発生することが多く、大きな事故につなが
ることもあった。
【0004】このような問題を解決するために、金属の
表面にシランカップリング剤等の接着促進剤を塗布し、
その上に接着剤を介して、あるいは接着剤を使用するこ
となく直接融着して合成樹脂層を形成した積層体が知ら
れており、かなり顕著な接着性の改善が認められた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この改善され
た積層体も、熱水と冷水に繰り返し浸漬されるような過
酷な条件下で使用された場合、比較的短期間内に前記の
積層体と同様に、剥離、収縮、錆、腐食等が発生する結
果となった。
【0006】本発明は上記のような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、熱水と冷水に繰り返し浸漬
されるような過酷な条件に曝されても合成樹脂層が収縮
したり、金属体表面から剥離する等の問題がなく、耐蝕
性、耐熱水性、耐久性等に優れた積層体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の積層体は、金属体面に有機チタネートを
焼結してなるプライマー層(以下「プライマー層」と称
する)が形成され、その上に合成樹脂層が形成されてな
ることを要旨とするものである。
【0008】また、合成樹脂層がシラン架橋ポリエチレ
ンから形成されてなることを要旨とするものである。更
にまた、合成樹脂層に無機充填材が含有されてなること
を要旨とするものである。
【0009】本発明において、金属としては鉄、鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウム、銅、亜鉛等、一般に金属と
呼ばれるものがあげられる。また、金属体は板状のもの
に限られず、管、棒、その他の形状のものであってもよ
い。
【0010】金属体は、プライマー層との接着を良好に
するために、サンドブラスト、塩酸、硫酸、硝酸等によ
る錆等の酸化膜除去処理、アルカリ等による脱脂処理等
を施すことが好ましい。しかし、燐酸塩等による化成皮
膜処理は、プライマー層との接着を阻害する場合がある
ため、金属面に直接プライマー層を形成する方が好まし
い。
【0011】本発明において、有機チタネートとしては
テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシ
チタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタ
ン、テトラステアリルオキシチタン、ジ−i−プロポキ
シ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブト
キシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒド
ロキシ・ビス(ラクタト)チタン等があげられる。
【0012】これらの有機チタネートをロール、刷毛、
コーティングロッド等の通常の塗布手段で金属体面に塗
布し、塗膜をバーナー加熱、熱風吹付け、誘導加熱等に
よって300℃以上、好ましくは350〜420℃の温
度で焼結することによって、プライマー層が形成され
る。プライマー層の厚さは0.01〜100μm、好ま
しくは5〜50μmとする。
【0013】本発明の合成樹脂層に用いられる合成樹脂
としては、公知の合成樹脂が使用可能であるが、特に金
属との接着性の良好な合成樹脂が好ましく、例えばシラ
ン架橋ポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルアル
コール、ポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート等
の熱硬化性合成樹脂等が好適であるが、高い接着性が得
られる点から、シラン架橋ポリエチレンが特に好まし
い。
【0014】シラン架橋ポリエチレンを使用する場合、
ポリエチレン100重量部に対して有機シラン化合物
0.25〜3.0重量部とラジカル発生剤0.0015
〜0.02重量部の割合で変性されたものが好ましい。
有機シラン化合物が0.25重量部未満、あるいは有機
過酸化物が0.0015重量部未満の場合には、プライ
マー層と合成樹脂層の接着性が充分に得られ難い。
【0015】上記の有機シラン化合物は、分子中に加水
分解可能なメトキシル基、エトキシル基、βメトキシエ
トキシル基等のアルコキシル基やクロル基等を持ち、且
つ同じ分子中にビニル基、アクリル基、メタクリル基等
のような、ポリエチレン中に発生した遊離ラジカル部位
と反応する二重結合部位を持つ化合物であって、代表的
にはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビ
ニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等があげられる。
【0016】またラジカル発生剤としては有機過酸化物
やアゾ化合物があげられるが、ジクミルパーオキサイ
ド、ジブチルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機
過酸化物が好適である。
【0017】合成樹脂には、合成樹脂層の線膨張係数を
小さくし、且つ成形残留歪み開放による収縮を抑制する
目的で無機充填材を添加してもよい。無機充填材として
はガラス短繊維、アスベスト、ウォラストナイト、チタ
ン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、マイ
カ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、カオリンクレー、ロウ石クレー、カーボンブ
ラック、グラファイト、酸化チタン等の1種、もしくは
2種以上の混合物があげられる。
【0018】これらの無機充填材には、合成樹脂とのな
じみを良くするために表面処理を施すことが好ましい。
表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリ
ング剤等のカップリング剤があげられる。
【0019】また、無機充填材が添加された合成樹脂層
の上に、更に、無機充填材を含まない合成樹脂層を形成
してもよい。このような構成とすることによって、熱
水、水蒸気等の吸収・透過が抑制され、耐蝕性、耐熱水
性、耐久性が向上することが多い。
【0020】なお、合成樹脂には、本発明の効果を阻害
しないような酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添
加してもよい。プライマー層が形成された金属体面に合
成樹脂層を形成する方法としては、予め押出成形、射出
成形、カレンダー成形、圧縮成形等で成形した合成樹脂
成形体を接着剤を介して接着する方法、金属体面に溶融
した合成樹脂を押出被覆する方法、粉体状の合成樹脂を
静電付着させ加熱溶融して付着する方法、粉体状合成樹
脂の流動層中に加熱した金属体を浸漬して合成樹脂を溶
融させ付着する方法、液状あるいは溶剤に溶解した合成
樹脂を塗布して加熱硬化させて被覆する方法等があげら
れる。
【0021】なお、上記において使用される接着剤は、
接着強度、耐水性が良好なエポキシ系、ウレタン系、ア
クリル系等のものが好適である。また、金属管の内面に
合成樹脂層が形成された積層体の場合、プライマー層が
形成された金属の帯板材をプライマー層を内面側にして
連続的に溶接製管しながら、管内に合成樹脂を溶融押出
しして融着する方法、金属管の内面に予め押出成形で成
形された合成樹脂管を加熱膨張させつつ接着する方法、
ロールあるいはダイス等によって「しごき」をかけ縮径
して接着する方法等があげられる。
【0022】更にまた、遮音性、断熱性等の向上を目的
として、合成樹脂層を発泡ポリウレタン、発泡シラング
ラフトポリエチレン等の発泡体層としてもよい。
【0023】
【作用】有機チタネートを焼結することによって、金属
体の表面に、酸化チタンを主体とするプライマー層が形
成される。このプライマー層は金属体の表面に強固に密
着して形成されているとともに、酸化防止力が強く、金
属体の表面に錆が発生するのを防ぐ。
【0024】このプライマー層を電子顕微鏡で観察する
と、その表面には無数の微細なひび割れが発生している
のが見られる。このプライマー層の表面に合成樹脂を被
覆して合成樹脂層を形成すると、両者の間には高い接着
強度が得られるが、これはプライマー層と合成樹脂の接
触面積、従って接着面積が著しく増大すること、更に、
ひび割れの中に合成樹脂が深く入り込んで、いわゆる
「アンカー効果」がもたらされ、その結果プライマー層
と合成樹脂層の接着強度が向上するものと推定される。
【0025】また、合成樹脂にシラン架橋ポリエチレン
を使用する場合には、溶融状態で押出して金属体面に接
着させることが容易であり、且つ金属との接着強度が優
れていて剥離し難い。
【0026】また、合成樹脂に無機充填材を添加するこ
とによって合成樹脂の線膨張係数が小さくなり、温度変
化による金属体と合成樹脂層の界面からの剥離の原因と
なる伸縮の差、熱応力、合成樹脂層成形時の残留歪み等
が著しく小さくなる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を、実施例により図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は、本発明実施例1の積層体を示す断
面図である。
【0028】鋼板2の片面にアルカリ液による脱脂処
理、硝酸による酸化膜除去処理を施した後、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの60%
イソプロパノール溶液を刷毛で塗布し、その塗膜を40
0℃で5分間加熱・焼結して、厚さ10μmのプライマ
ー層3を形成した。
【0029】次いでこのプライマー層3の表面に、直鎖
状低密度ポリエチレン100重量部に対しビニルメトキ
シシラン1重量部、有機過酸化物(パーブチルD)0.
01重量部を添加し、190℃で混練、変性したシラン
架橋ポリエチレンを押出、融着させて厚さ2mmの合成
樹脂層4を形成した積層体1を得た。
【0030】この積層体1について、JIS K685
4「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準じて(但し巾
10mmの「T形はく離試験片」で実施、以下同じ方法
で実施)プライマー層3と合成樹脂層4間の剥離接着強
度を測定した結果、20kgf/10mmであった。
【0031】次いで、この積層体1を85℃の熱水に5
分間浸漬し、その後20℃の冷水に5分間浸漬する操作
を5000サイクル繰り返す加熱−冷却テスト(以下
「加熱−冷却テストA」と称する)を行った。テスト終
了後、各層間の剥離その他異状発生の有無を観察した結
果、鋼板2とプライマー層3間、及びプライマー層3と
合成樹脂層4間ともに、剥離、隙間の発生、合成樹脂層
4の収縮等の異常は認められなかった。 (実施例2)図2は、本発明実施例2の積層体を示す断
面図である。
【0032】実施例1と同じ方法で鋼板21の片面にプ
ライマー層31を設け、その表面に厚さ0.2mmのエ
ポキシ系接着剤層5を設け、更にその上にシラン架橋ポ
リエチレンを押出、接着させて厚さ2mmの合成樹脂層
41を形成した積層体11を得た。
【0033】この積層体11のプライマー層31と合成
樹脂層41間の剥離接着強度を測定した結果、15kg
f/10mmであった。次いで加熱−冷却テストAを行
い、各層間の剥離その他異常発生の有無を観察した結
果、鋼板21とプライマー層31間、プライマー層31
と接着剤層5間、及び接着剤層5と合成樹脂層41間の
いずれにも、剥離、隙間の発生、収縮等の異常は認めら
れなかった。 (実施例3)図3は、本発明実施例3の積層体を示す断
面図である。
【0034】実施例1と同じ方法で鋼板22の片面にプ
ライマー層32を設け、その表面に厚さ1mmの発泡性
シラン架橋ポリエチレンを押出、融着し、その後これを
200℃に加熱、発泡させて、厚さ2mmの発泡体層6
を形成した積層体12を得た。
【0035】この積層体12のプライマー層32と発泡
体層6間の剥離接着強度を測定した結果、13kgf/
10mmであった。また、加熱−冷却テストAを行い、
各層間の剥離その他異常発生の有無を観察した結果、鋼
板22とプライマー層32間、プライマー層32と発泡
体層6間のいずれも、剥離、隙間の発生、収縮等の異常
は認められなかった。 (実施例4)図4は、本発明実施例4の積層体を示す断
面図である。
【0036】実施例1と同じ方法で鋼板23の片面にプ
ライマー層33を設け、その表面にアミノシランカップ
リング剤による表面処理を施した平均直径10μm、平
均繊維長0.4mmのガラス短繊維を合成樹脂100重
量部に対し20重量部添加したシラン架橋ポリエチレン
を押出、融着して厚さ2mmの無機充填材含有合成樹脂
層7を形成した積層体13を得た。
【0037】この積層体13のプライマー層33と無機
充填材含有合成樹脂層7間の剥離接着強度を測定した結
果、25kgf/10mmであった。また、加熱−冷却
テストAを行い、各層間の剥離その他異常発生の有無を
観察した結果、鋼板23とプライマー層33間、及びプ
ライマー層33と無機充填材含有合成樹脂層7間のいず
れも、剥離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなか
った。 (実施例5)図5は、本発明を給湯用管に応用した複合
管を示す一部切欠正面図である。
【0038】鋼帯板の片面にアルカリ液による脱脂処
理、硝酸による酸化膜除去処理を施した後、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの60%
イソプロパノール溶液を塗布し、その塗膜を400℃に
加熱、焼結して、厚さ10μmのプライマー層34を形
成した。
【0039】次いでこの鋼帯板を、プライマー層34を
内側にして連続的に溶接し、外径114.3mm、肉厚
2.0mmの鋼管8を製管しながら、シランカップリン
グ剤による表面処理を施した直径10μm、平均繊維長
0.4mmのガラス繊維を合成樹脂100重量部に対し
20重量部添加したシラン架橋ポリエチレンをプライマ
ー層34上に押出し融着させて、厚さ2.5mmの無機
充填材含有合成樹脂層71を形成した複合管14を得
た。
【0040】この複合管14のプライマー層34と無機
充填材含有合成樹脂層71間の剥離接着強度を測定した
結果、35kgf/10mm(但し接着界面での剥離で
はなく無機充填材含有合成樹脂層71の材料破壊)であ
った。
【0041】また、この複合管14の5mについて、9
0℃の熱湯を3分間通し、その後20℃の水道水を3分
間通す操作を13000サイクル繰り返す加熱−冷却テ
スト(以下「加熱−冷却テストB」と称する)を行っ
た。テスト終了後管端部を観察した結果、両管端部とも
無機充填材含有合成樹脂層71の剥離、収縮等の異常は
全く認められなかった。 (実施例6)ガラス繊維の代わりに、無機充填材として
直径0.1〜1.0μm、平均繊維長13μmのチタン
酸カリウムウィスカーを使用した以外は実施例5と同じ
方法によって複合管を得た。
【0042】この複合管のプライマー層と無機充填材含
有合成樹脂層の剥離接着強度を測定した結果、30kg
f/10mm以上(但し無機充填材含有合成樹脂層の材
料破壊)であった。
【0043】また、加熱−冷却テストBを行った結果、
両管端部とも無機充填材含有合成樹脂層の剥離、収縮等
の異常は認められなかった。 (実施例7)図6は実施例5と同じく、本発明を給湯用
管に応用した複合管を示す一部切欠正面図である。
【0044】実施例5と同じ方法で鋼管81を製管しな
がら、直径10μm、平均繊維長0.4mmのガラス繊
維を合成樹脂100重量部に対し20重量部添加したシ
ラン架橋ポリエチレン及び無機充填材を添加しないシラ
ン架橋ポリエチレンをプライマー層35上に二層同時押
出しして融着させ、厚さ2.0mmの無機充填材含有合
成樹脂層72、更にその内面に厚さ0.5mmの無機充
填材を含まない合成樹脂層42を形成した複合管15を
得た。
【0045】この複合管15のプライマー層35と無機
充填材含有合成樹脂層72間の剥離接着強度を測定した
結果、剥離接着強度は35kgf/10mm(但し無機
充填材含有合成樹脂層41の材料破壊)であった。
【0046】また、加熱−冷却テストBを行った結果、
両管端部とも剥離、収縮等の異常は認められなかった。 (比較例1)図7は、比較例1の積層体を示す断面図で
ある。
【0047】実施例1と同じ方法で鋼板24の片面に脱
脂処理及び酸化膜除去処理を施した後、その表面に3−
アミノプロピルトリエトキシシランを刷毛で塗布し、6
0℃の熱風を吹き付け乾燥して、厚さ0.1μmの接着
促進剤層9を形成した。
【0048】次いでこの接着促進剤層9の表面にシラン
架橋ポリエチレンを押出、融着させて厚さ2mmの合成
樹脂層43を形成した積層体16を得た。この積層体1
6の接着促進剤層9と合成樹脂層43間の剥離接着強度
を測定した結果、14kgf/10mmであった。
【0049】次いで、加熱−冷却テストAを行った結
果、テスト中に合成樹脂層43が鋼板24から剥がれ落
ちてしまった。 (比較例2)比較例1と同じ方法で鋼板の片面に接着促
進剤層を形成し、その表面に厚さ0.2mmのエポキシ
系接着剤層を設け、更にその上にシラン架橋ポリエチレ
ンを押出、接着させて厚さ2mmの合成樹脂層を形成し
た積層体を得た。
【0050】この積層体の接着促進剤層と合成樹脂層間
の剥離接着強度の測定を行った結果、12kgf/10
mmであった。次いで、加熱−冷却テストAを行った結
果、テスト中に合成樹脂層が鋼板から剥がれ落ちてしま
った。 (比較例3)比較例1と同じ方法で鋼板の片面に接着促
進剤層を形成し、その表面に厚さ1mmの発泡性シラン
架橋ポリエチレンを押出、融着し、その後これを200
℃に加熱、発泡させて厚さ2mmの発泡体層を形成した
積層体を得た。
【0051】この積層体の接着促進剤層と発泡体層間の
剥離接着強度の測定を行った結果、9kgf/10mm
であった。次いで、加熱−冷却テストAを行った結果、
テスト中に合成樹脂層が鋼板から剥がれ落ちてしまっ
た。 (比較例4)図8は、比較例4の、従来技術による給湯
用複合管を示す一部切欠正面図である。
【0052】プライマー層を形成しない以外は実施例5
と同じ方法で、鋼管82の内面に直接、厚さ2.5mm
の無機充填材含有合成樹脂層73を形成した複合管17
を得た。
【0053】この複合管17の鋼管82と無機充填材含
有合成樹脂層73の間の剥離接着強度を測定した結果、
24kgf/10mmであった。また、加熱−冷却テス
トBを行った結果、両管端部で10mmにわたって無機
充填材含有合成樹脂層73の剥離が認められた。 (比較例5)無機充填材を添加しない以外は比較例4と
同じ方法で、鋼管と無機充填材を含まない合成樹脂層よ
りなる複合管を得た。
【0054】この複合管の鋼管と無機充填材を含まない
合成樹脂層間の剥離接着強度を測定した結果、17kg
f/10mmであった。また、加熱−冷却テストBを行
った結果、両管端部で50mmにわたって合成樹脂層の
剥離、及び25mmの合成樹脂層の収縮が認められた。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の積層体は、熱水と冷水による過酷な繰り返し加熱−冷
却によっても、金属体と合成樹脂層との剥離、隙間、収
縮等の異状が発生せず、耐熱水性、耐蝕性、耐久性に優
れている。
【0056】同様に、本発明を応用した複合管に熱水と
冷水を交互に頻繁に流しても、長期間にわたって合成樹
脂層が金属管から剥離したり収縮したりすることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の積層体を示す断面図である。
【図2】本発明実施例2の積層体を示す断面図である。
【図3】本発明実施例3の積層体を示す断面図である。
【図4】本発明実施例4の積層体を示す断面図である。
【図5】本発明を応用した実施例5の複合管を示す一部
切欠正面図である。
【図6】本発明を応用した実施例7の複合管を示す一部
切欠正面図である。
【図7】比較例1の積層体を示す断面図である。
【図8】比較例4の従来技術による給湯用複合管を示す
一部切欠正面図である。
【符号の説明】
1,11,12,13,16 積層体 14,15,17 複合管 2,21,22,23,24, 鋼板 3,31,32,33,34,35 プライマー層 4,41,42,43 合成樹脂層(無
機充填材なし) 5 接着剤層 6 発泡体層 7,71,72,73 無機充填材含有
合成樹脂層 8,81,82 鋼管 9 接着促進剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/80 // C08L 23:04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属体面に有機チタネートを焼結してな
    るプライマー層が形成され、その上に合成樹脂層が形成
    されてなることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 合成樹脂層がシラン架橋ポリエチレンか
    ら形成されてなることを特徴とする、請求項1記載の積
    層体。
  3. 【請求項3】 合成樹脂層に無機充填材が含有されてな
    ることを特徴とする、請求項1もしくは2記載の積層
    体。
JP3316388A 1991-10-24 1991-11-29 積層体 Pending JPH05169585A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27776391 1991-10-24
JP3-277763 1991-10-24

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JP3316388A Pending JPH05169585A (ja) 1991-10-24 1991-11-29 積層体

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010111904A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Nippon Parkerizing Co Ltd 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP2021072156A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社豊田中央研究所 接合体の処理方法

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