JPH0780991A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH0780991A
JPH0780991A JP23003693A JP23003693A JPH0780991A JP H0780991 A JPH0780991 A JP H0780991A JP 23003693 A JP23003693 A JP 23003693A JP 23003693 A JP23003693 A JP 23003693A JP H0780991 A JPH0780991 A JP H0780991A
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JP
Japan
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primer
layer
coating layer
resin
heating
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Application number
JP23003693A
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English (en)
Inventor
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Yasushi Goto
靖志 五藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接着強度、耐熱水性、耐蝕性、及び耐久性に優
れた積層体が得られる積層体の製造方法を提供する。 【構成】鉄の表面に有機チタネートプライマーを塗布し
た後、250 〜320 ℃に加熱してプライマー焼結層を形成
し、その表面に、シラノール縮合触媒としてジブチル錫
−o−フタレートの5%アセトン希釈液を塗布し250
℃の熱風で乾燥した後、シラングラフトポリエチレン樹
脂を、押出溶融被覆して被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属体表面にシラング
ラフトポリエチレン樹脂からなる被覆層が形成された、
接着強度、耐熱水性、耐蝕性及び接着耐久性に優れた積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属体に耐蝕性を持たせるため
に、その表面に、耐蝕性に優れた樹脂による耐蝕被覆層
が、接着剤層を介して設けられたか、或いは接着剤を使
用することなく直接融着して設けられた積層体が知られ
ている。これらの積層体は、屋根材、外壁材、雨樋、樹
脂被覆金属管等、耐蝕性と耐久性を要求される用途に広
く使用されている。
【0003】この場合、金属と耐蝕被覆層の初期接着強
度は概して強く短期間の使用に対しては、ほぼ良好な使
用結果が得られている。しかし、長期間使用する間に、
耐蝕被覆層の表面からの水の侵入、熱による接着剤層の
劣化等によって、金属と耐蝕被覆層との接着強度が低下
し、更に金属と樹脂の線膨張係数の大きな差に起因する
繰り返しせん断熱応力、耐蝕被覆層成形時の残留歪み等
の要因が加わって、接着界面での剥離や耐蝕被覆層の収
縮が発生し、その結果、金属表面の発錆・腐食の進行を
招来することがあり、大きな事故につながることがあっ
た。
【0004】そこで、このような問題を解決する為に、
金属体面に有機チタネートのアルコキシドからなるプラ
イマー組成物を塗布し、この塗膜を焼き付けて、有機チ
タネート焼結プライマー層を形成し、その上に樹脂を被
覆して耐蝕被覆層を形成する技術が提案されている(特
開平3−281667号公報、特開昭62−25514
0号公報)。この技術は、形成されたプライマー層が、
金属との密着性及び耐蝕被覆層との接着性にも優れてい
ることを利用したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
255140号公報や特開平3−281667号公報に
記載されたプライマー層を設けた積層体においても、熱
水と冷水に交互に浸漬されるような過酷な条件下で使用
される場合には、耐蝕被覆層の剥離や収縮が発生し、長
期間の使用に耐えられない場合があった。
【0006】本発明は、積層体の上記のような問題点に
鑑みてなされたものであって、プライマー層と耐蝕被覆
層の接着強度が高く、耐蝕性、耐熱水性、耐久性等に優
れた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明の積層体の製造方法
は、金属体の表面に有機チタネート系プライマーを塗布
した後、250〜320℃に加熱してプライマー焼結層
を形成し、その表面にシラノール縮合触媒を塗布した
後、シラングラフトポリエチレン樹脂を溶融被覆して被
覆層を形成することを特徴とし、このことにより上記の
目的が達成される。
【0008】本発明において金属体としては鉄、鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合
金、その他一般の金属が使用出来るが、特に鉄、鋼、及
びアルミニウムが好適である。又、金属体の形状は特に
限定されるものではなく、例えば、板状、管状、棒状の
ものが用いられる。
【0009】金属体の表面は、プライマー層との接着性
を良好にするために、サンドブラスト等の脱スケール処
理、アルカリ等による脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等に
よる錆等の酸化膜除去処理等を施すことが好ましい。し
かし、リン酸塩やクロム酸塩等による化成皮膜処理は接
着性の低下などの弊害を来たす場合があるので、これを
施さない方がよい。
【0010】本発明において用いられる有機チタネート
系プライマーの例としては、テトラ−i−プロポキシチ
タン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチ
ルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチ
タン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナ
ト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ル
アミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チ
タン等が挙げられる。
【0011】金属体表面に有機チタネート系プライマー
を塗布する方法としては、ロール、ブラシ、刷毛、コー
ティングロッド等通常の接着促進剤の塗布方法と同様の
方法を採用出来る。そして、このようにして塗布された
有機チタネート系プライマーを加熱・焼結して金属体表
面に焼き付ける方法としては、例えば、高温の熱風を吹
き付ける方法、バーナーによる加熱、又は誘導加熱を使
用する等の公知の加熱方法を採用することが出来る。
【0012】この金属体表面に形成される焼結プライマ
ー層の厚さは、一般に5〜100μm程度、好ましくは
10〜40μmとする。焼結したプライマー層にはひび割れ
したような微細な割れ目ができていることが電子顕微鏡
で観察出来る。
【0013】有機チタネート系プライマーの塗膜の加熱
温度は、次の理由により250〜320℃とする必要が
あり、好ましくは270〜300℃とする。即ち、加熱
・焼結温度が250℃未満では、大半の有機チタネート
が有するアルコキシル基の脱離が不完全となって加水分
解が充分に行われない為、金属体表面とプライマー層と
の良好な密着性が得られ難く、また、プライマー層のク
ラックが小さくなって樹脂被覆層へのアンカー効果が減
少すると考えられる。
【0014】一方、加熱・焼結温度が320℃を越える
とアルコキシル基の脱離が過度となる為、架橋促進剤で
あるシラノール縮合触媒との接着性が不十分となる。更
に、温度が450℃以上ではプライマー層がボロボロの
粉状となり、金属体表面への密着性、シラングラフトポ
リエチレン樹脂層への接着性が得られ難くなる。
【0015】本発明において、有機チタネート系プライ
マーの焼結層表面に、加熱溶融して被覆層を形成する際
に用いるシラングラフトポリエチレン樹脂は、通常、ポ
リエチレン樹脂、シランカップリング剤及びラジカル開
始剤の混合物を加熱してポリエチレン樹脂をグラフト変
性することによって得ることが出来る。ラジカル開始剤
はシランカップリング剤溶液として用いるのが好まし
い。
【0016】上記シラングラフトポリエチレン樹脂の原
料としてのポリエチレン樹脂は、通常の低密度・中密度
・高密度ポリエチレン、線状低密度(L−LD)ポリエ
チレン等から選択して使用され、好適には線状低密度
(L−LD)ポリエチレンが用いられる。
【0017】本発明において、上記シラングラフトポリ
エチレン樹脂は、プライマー焼結層との十分な接着性を
確保する為に、190℃におけるメルトインデックスが
通常、0.1〜15g/10分好ましくは0.3〜12g
/10分のものを用いる。
【0018】メルトインデックスが0.1g/10分未満
の場合は、シラングラフトポリエチレン樹脂を加熱溶融
して被覆層を形成する際に、ゲル分が発生する虞れあ
り、又、プライマー焼結層表面のクラックの中に進入し
難くアンカー効果が充分に発揮され難いことから、プラ
イマー焼結層と樹脂被覆層との接着性が充分に得られな
いものと推察される。メルトインデックスが、15g/
10分を越える場合は、明確な理由は不明であるが、ポリ
エチレン樹脂のグラフト変性が不十分であるか、樹脂に
グラフトされたシランカップリング剤の加水分解が不十
分なことに起因して、プライマー焼結層と樹脂被覆層と
の充分な接着強度が得られないものと推察される。
【0019】かかるシラングラフトポリエチレン樹脂
は、通常、次の様な方法で製造することが出来る。メル
トインデックスが上記特定の範囲のポリエチレン樹脂1
00重量部に対して、シランカップリング剤0.1〜1
0重量部、好ましくは0.25〜3.0重量部、及びラ
ジカル開始剤0.001〜2.0重量部、好ましくは0.
0015〜0.02重量部を配合した組成物を180℃〜200
℃程度に加熱する。
【0020】上記のシランカップリング剤としては、ガ
ラス繊維等の合成樹脂充填材・補強材の表面処理に用い
られる有機シラン化合物が広く用いられ、例えば、加水
分解可能なアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基)と不飽和炭化水素基もしくはハイドロ
カーボンオキシ基(例えばビニル基、アリル基、ブテニ
ル基で特にビニル基が好適)とを含む化合物が例示さ
れ、その代表例として、ビニルトリメトキシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0021】又、ラジカル開始剤としては有機過酸化物
やアゾ化合物があり、有機過酸化物の好適な例として
は、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイ
ド、又は2,5,−ジメチルー2,5−ジ(t−ブチル
パーオキサオイド)ヘキサン等が挙げられ、アゾ化合物
の例としてはアゾビスイソブチルニトリル、ジメチルア
ゾイソブチレート等を挙げることができるが、有機過酸
化物が好ましく用いられる。
【0022】本発明において架橋促進剤として使用され
るのシラノール縮合触媒は、水の存在下にケイ素と縮合
している加水分解性のアルコキシ基、アシロキシ基、オ
キシム基等を除去し、シロキサン結合を促進する作用を
有するものである。
【0023】例えばジブチル錫ジラウレイト、ジブチル
錫−o−フタレート、ジオクチル錫オキシド、ジブチル
錫ビスイソオクチルグリコレート、ジブチル錫ジオクテ
イト、ジブチル錫ジアセテイト、オクタン酸錫、2ーエ
チルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクタン酸
コバルト、2ーエチルヘキサン鉄等のカルボン酸の金属
塩、チタン酸ビス(アセチルアセトニル)ジーイソプロ
ピル、ジイソプロポキシチタニュウム(ジエチルアセト
アセテイト)、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトラ
ノニル、チタン酸エチレングリコール等のチタニウムキ
レート化合物あるいはチタン酸アルキル及びジルコン酸
テトラブチル等のジルコン酸アルキル等の有機金属化合
物等が挙げられ、ジブチル錫ジアセテイト、ジブチル錫
ジラウレイト等の有機錫化合物が好適に用いられる。
【0024】本発明において金属体表面にシラノール縮
合触媒を塗布するには、例えば、先ず液体や固体の状態
の縮合触媒をアルコールやケトン等の溶剤に希釈または
溶解して、縮合触媒の希釈液又は溶液を調整する。希釈
液又は溶液の濃度は、チタネートプライマー焼結層に均
一に塗布することが出来れば特に限定されるものではな
いが、シラノール縮合触媒の含有量において1〜10%
が好ましく、3〜7%よりが好ましい。
【0025】その塗布量は、乾燥後の厚さが2〜20μ
mとなるようにするのが好適である。例えば濃度が5%
の希釈液又は溶液を使用した場合には、1平方cm当り
0.05〜0.2gを塗布するのが好適である。乾燥の
方法としては、例えば、金属体面に塗布された塗膜を、
バーナー加熱、熱風吹き付け、誘導加熱等によって20
0〜250℃程度の温度で乾燥する方法が採用される。
【0026】なお、本発明において、被覆層に用いるシ
ラングラフトポリエチレン樹脂には線膨張係数の低減、
成形残留歪み開放による収縮の抑制等を目的として、無
機充填材を添加していてもよい。その具体例としては、
ガラス短繊維、アスベスト、ウォラストナイト、チタン
酸カリゥムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、タルク、
マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシュウム、
炭酸マグネシュウム、水酸化マグネシュウム、酸化マグ
ネシュウム、カオリンクレー、ロウ石クレー、カーボン
ブラック、グラファイト、酸化チタン等の、1種もしく
は2種以上の混合物が挙げられる。
【0027】これらの無機充填材には、ポリエチレン樹
脂とのなじみをよくする為に表面処理を施しておくこと
が好ましい。表面処理剤としてはシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、ジルコニウム系カップリン
グ剤、アルミニュウム系カップリング剤、ジルコアルミ
ネート系カップリング剤等のカップリング剤が挙げられ
る。シラングラフトポリエチレン樹脂には、更に、本発
明の効果を損なわないような酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤等を添加してもよい。
【0028】
【作用】本発明の積層体の製造方法においては、先ず金
属体の表面に有機チタネート系プライマーを塗布した
後、250〜320℃に加熱してプライマー焼結層を形
成する。このプライマー層は、特定の温度で焼結される
為に焼結層が金属体表面と強固に密着していると共に、
特定温度の焼結によって形成された溶融樹脂の進入に好
適な無数の微細なクラックに、溶融シラングラフトポリ
エチレン樹脂が進入して、プライマー焼結層と樹脂層と
の接触面積が増大すると同時に、クラック中に深く脚を
伸ばしているので、所謂アンカー効果が発揮され、樹脂
被覆層はプライマー焼結層を介して金属体と強固に接着
される。具体的には、積層被覆する樹脂がシラングラフ
トポリエチレン樹脂である為、熱や水に強い化学結合
(−Si−O−Ti−)により、ポリエチレン樹脂被覆
層とプライマー焼結層が強く接着されていると推察され
る。更に、本発明はプライマー焼結層の表面にシラノー
ル縮合触媒を塗布した後にシラングラフトポリエチレン
樹脂を溶融被覆して被覆層を形成するので、シラノール
縮合触媒がシラングラフトポリエチレン樹脂のシランカ
ップリング剤と有機チタネートとの縮合を促進する結
果、樹脂被覆層とプライマー焼結層とが更に強固に接着
された、接着耐久力に優れた積層体が得られ、過酷な加
熱ー冷却の繰り返しに対しても金属体表面と樹脂被覆層
との剥離が発生せず、しかも、曲げや引張り等の力の加
わる2次加工に際しても、プライマー層の割れに起因す
る被覆樹脂層の剥離も生じない2次加工性に優れた積層
体が得られるのである。
【0029】
【実施例】
(実施例1)縦120mm、横120mm、厚さ2mm
の鋼板の片面にアルカリ液による脱脂処理、硝酸による
酸化膜除去処理を施した後、プライマー組成物としてジ
ーiープロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
の60%イソプロパノール溶液を刷毛で塗布し、300
℃で5分間加熱・焼結して、厚さ30μmのプライマー
焼結層を形成した。
【0030】このプライマー焼結層の表面に、ジブチル
錫−o−フタレートの5%アセトン希釈液をスプレーに
より、1平方cm当り0.5gの塗布量にて塗布した。
更に熱風乾燥機による250℃の熱風を吹き付けて塗膜
を乾燥し、シラノール縮合触媒薄膜が形成された鋼板を
得た。
【0031】この鋼板を加熱プレス機にて200℃に昇
温し、表面に縦100mm、横100mm、厚さ2mm
の枠体を載せて枠体の中に、シラングラフト変性L−L
Dポリエチレン樹脂(JIS K 7210に準拠して
測定した190℃におけるメルトインデックス、0.7
g/10分)を押出機より190℃で溶融押出し、更にプ
レスして、厚さ2mmの樹脂被覆層を形成した積層体を
得た。
【0032】なお、上記シラングラフトポリエチレン樹
脂は、見掛け比重0.935、メルトインデックス5.0
g/10分のL−LDポリエチレン樹脂100重量部に
対し、シラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)1重
量部及び有機過酸化物(t−ブチルパーオキサイド)
0.04重量部を混合し、190℃で混練・溶融押出す
ることによりポリエチレン樹脂をグラフト変成したもの
をペレット状にしたものを用いた。
【0033】この積層体について、JIS K6854
「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準じて鋼板と樹脂
被覆層の剥離接着強度を測定した(但し巾10mmの
「T形剥離試験片」で実施)結果は、25.3kgf/
10mmであった。次いでこの積層体を90℃の熱水に
5分間浸漬し、その後20℃の冷水に5分間浸漬する操
作を10000サイクイル繰り返す加熱−冷却試験を行
った。試験終了後、鋼板とプライマー層、プライマー層
と樹脂被覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無を観
察した結果、いずれにも剥離、隙間の発生、収縮等の異
常は認められなかった。又、加熱−冷却試験終了後につ
いても前記と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着
強度を測定した結果は、22.9kgf/10mmであ
った。
【0034】(実施例2)外径114mm、厚さ2m
m、長さ2mの鋼管の内面に、実施例1と同じ表面処理
を施した後、回転ブラシで実施例1と同じプライマー組
成物を塗布し、300℃で5分間加熱・焼結して、厚さ
20μmのプライマー焼結層を形成した。次いで、この
プライマー層表面に、ジブチル錫−o−フタレートの5
%アセトン希釈液をスプレーにより、1平方cm当り
0.5gの塗布量にて塗布し、熱風乾燥機による250
℃の熱風を吹き付けて塗膜を乾燥した。その後実施例1
と同じシラングラフトポリエチレン樹脂を190℃で押
出し融着させて、厚さ2.5mmの樹脂被覆層が形成さ
れた複合管を得た。
【0035】この複合管の管端部をコニカル拡径法によ
り拡径して鍔返し加工し(鍔の外径144mm)、プラ
イマー層、樹脂被覆層の割れ及び各層間の剥離、隙間の
発生、収縮その他異常発生の有無を観察した結果、異常
は認められなかった。また、複合管の管内に90℃の熱
水を5000時間通水する熱水通水試験を行った後、各
層間の剥離、隙間の発生、収縮その他異常発生の有無を
観察した結果、異常は認められなかった。
【0036】(実施例3)ジブチル錫−o−フタレート
の5%アセトン希釈液の代わりに、ジオクチル錫オキシ
ドの5%アセトン希釈液を用いたこと以外は実施例1と
同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる積
層体を得た。
【0037】この積層体について実施例1と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
23.8kgf/10mmであった。次いで実施例1と
同じ方法で加熱−冷却試験を行い、試験終了後の鋼板と
プライマー層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間の剥
離その他異常発生の有無を観察した結果、いずれにも剥
離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなかった。
又、加熱−冷却試験終了後についても前記と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
22.2kgf/10mmであった。
【0038】(実施例4)ジブチル錫−o−フタレート
の5%アセトン希釈液の代わりに、ジブチル錫ビスイソ
オクチルグリコレートの5%アセトン希釈液を用いたこ
と以外は実施例1と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹
脂被覆層よりなる積層体を得た。
【0039】この積層体について実施例1と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
24.3kgf/10mmであった。次いで実施例1と
同じ方法で加熱−冷却試験を行い、試験終了後の鋼板と
プライマー層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間の剥
離その他異常発生の有無を観察した結果、いずれにも剥
離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなかった。
又、加熱−冷却試験終了後についても前記と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
22.3kgf/10mmであった。
【0040】(実施例5)ジブチル錫−o−フタレート
の5%アセトン希釈液の代わりに、ジブチル錫ジラウレ
ートの5%アセトン希釈液を用いたこと以外は実施例1
と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる
積層体を得た。
【0041】この積層体について実施例1と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
24.9kgf/10mmであった。次いで実施例1と
同じ方法で加熱−冷却試験を行い、試験終了後の鋼板と
プライマー層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間の剥
離その他異常発生の有無を観察した結果、いずれにも剥
離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなかった。
又、加熱−冷却試験終了後についても前記と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
23.0kgf/10mmであった。
【0042】(実施例6)有機チタネート系プライマー
の加熱条件を270℃で5分間とした以外は、実施例1
と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる
積層体を得た。この積層体について実施例1と同じ方法
で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果
は、23.5kgf/10mmであった。次いで実施例
1と同じ方法で加熱−冷却試験を行い、試験終了後の鋼
板とプライマー層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間
の剥離その他異常発生の有無を観察した結果、いずれに
も剥離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなかっ
た。又、加熱−冷却試験終了後についても上記と同じ方
法で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果
は、21.8kgf/10mmであった。
【0043】(実施例7)有機チタネート系プライマー
の加熱条件を300℃で5分間とし、ジブチル錫−o−
フタレートの5%アセトン希釈液を3%希釈液とした以
外は、実施例1と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂
被覆層よりなる積層体を得た。 この積層体につい
て実施例1と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着
強度を測定した結果は、23.9kgf/10mmであ
った。
【0044】次いで実施例1と同じ方法で加熱−冷却試
験を行い、試験終了後の鋼板とプライマー層、プライマ
ー層と樹脂被覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無
を観察した結果、いずれにも剥離、隙間の発生、収縮等
の異常は認められなかった。又、加熱−冷却試験終了後
についても上記と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の剥離
接着強度を測定した結果は、22.0kgf/10mm
であった。
【0045】(比較例1)ジブチル錫−o−フタレート
の5%希釈液を塗布しなかったこと以外は、実施例1と
同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる積
層体を得た。この積層体について実施例1と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果は、
22.1kgf/10mmであった。
【0046】次いで実施例1と同じ方法で加熱−冷却試
験を行い、試験終了後の鋼板とプライマー層、プライマ
ー層と樹脂被覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無
を観察した結果、いずれにも剥離、隙間の発生、収縮等
の異常は認められなかった。但し、加熱−冷却試験終了
後についても前記と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の剥
離接着強度を測定した結果は、16.8kgf/10m
mであった。
【0047】(比較例2)有機チタネートプライマー層
を設けず、又ジブチル 錫−o−フタレートの5%希釈
液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同じ方法で、
鋼板にアルカリ脱脂処理、硝酸による酸処理を施した
後、シラングラフトポリエチレン樹脂を溶融押出して鋼
板の表面に厚さ2mmの樹脂被覆層が形成された積層体
を得た。
【0048】比較例1と同じ被覆層樹脂を用いた以外は
実施例2と同じ方法で、鋼管、プライマー層及び樹脂被
覆層よりなる複合管を得た。この複合管について実施例
2と同じ方法で管端部を拡径して鍔返し加工し、プライ
マー層、樹脂被覆層の割れ及び各層間の剥離、隙間の発
生、収縮その他異常発生の有無を観察した結果、異常は
認められなかった。但し、複合管の管内に90℃の熱水
を5000時間通水する熱水通水試験を行った後、鍔返
し部の先端の一部にプライマー層と樹脂被覆層の剥離が
見られた。
【0049】(比較例3)被覆層樹脂に用いるシラング
ラフトポリエチレン樹脂は、実施例1と同じようにシラ
ングラフト変性し、得られたペレットを後恒温恒湿槽で
70℃×80%RH×40時間の加加湿処理を行った。
加湿処理後のMIは0.1g/10分以下、水分量は1
65ppmであった。実施施例1と同じ方法で鋼板、プ
ライマー層、及び樹脂被覆層よりなる積層体を得た。
【0050】被覆層樹脂表面を黙視観察したところ一部
発泡しているのが見うけられた。この積層体について実
施例1と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の接着強度を測
定した結果、18.7kgf/10mmであった。
【0051】次いで実施例1と同じ方法で加熱−冷却試
験を行い、鋼板とプライマー層、プライマー層と樹脂被
覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無を観察した結
果、剥離、隙間の発生、収縮等の異常の発生は認められ
なかった。但し、加熱−冷却試験終了後の鋼板と樹脂被
覆層間の剥離接着強度を測定した結果、11.5kgf
/10mmであった。
【0052】(比較例4)有機チタネート系プライマー
の加熱条件を230℃で5分間とした以外は、実施例1
と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる
積層体を得た。この積層体について実施例1と同じ方法
で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果
は、4.5kgf/10mmであった。次いで実施例1
と同じ方法で加熱−冷却試験を行ったところ、試験中に
樹脂被覆層が鋼板から剥れ落ちてしまった。
【0053】(比較例5)有機チタネート系プライマー
の加熱条件を450℃で5分間とした以外は、実施例1
と同じ方法で鋼板、プライマー層、樹脂被覆層よりなる
積層体を得た。この積層体について実施例1と同じ方法
で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果
は、2.8kgf/10mmであった。次いで実施例1
と同じ方法で加熱−冷却試験を行ったところ、試験中に
樹脂被覆層が鋼板から剥れ落ちてしまった。
【発明の効果】本発明の積層体の製造方法においては、
先ず金属体の表面に有機チタネート系プライマーを塗布
した後、特定温度に加熱してプライマー焼結層を形成す
るので、溶融樹脂の進入に好適な微細なクラックが形成
されたプライマー焼結層が金属体表面と強固に密着して
いると共に、溶融シラングラフトポリエチレン樹脂が前
記クラックに進入して、プライマー焼結層と樹脂層との
接触面積が増大すると同時に所謂アンカー効果が発揮さ
れ、樹脂被覆層はプライマー焼結層を介して金属体と強
固に接着される。更に、本発明はプライマー焼結層の表
面にシラノール縮合触媒を塗布した後にシラングラフト
ポリエチレン樹脂を溶融被覆して被覆層を形成するの
で、シラノール縮合触媒の存在により樹脂被覆層とプラ
イマー焼結層とが更に強固に接着され、接着強度、耐熱
水性、耐蝕性、耐久性及び二次加工時の耐久性に優れ
た、高耐久性が要求される樹脂被覆金属複合管等に用い
て好適な、積層体が得られるのである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属体の表面に有機チタネート系プライマ
    ーを塗布した後、250〜320℃に加熱してプライマ
    ー焼結層を形成し、その表面にシラノール縮合触媒を塗
    布した後、シラングラフトポリエチレン樹脂を溶融被覆
    して被覆層を形成することを特徴とする積層体の製造方
    法。
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