JPH05329982A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH05329982A
JPH05329982A JP14171192A JP14171192A JPH05329982A JP H05329982 A JPH05329982 A JP H05329982A JP 14171192 A JP14171192 A JP 14171192A JP 14171192 A JP14171192 A JP 14171192A JP H05329982 A JPH05329982 A JP H05329982A
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JP
Japan
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polyethylene resin
layer
primer
coating
resin
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Application number
JP14171192A
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English (en)
Inventor
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Yasushi Goto
靖志 五藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱−冷却が繰り返される過酷な条件下での
使用に対しても金属表面から被覆樹脂層が剥離せず、か
つ、曲げや引張り加工等の2次加工性の点でも優れた金
属−樹脂積層体を提供する。 【構成】 金属材料の表面に有機チタネート系カップリ
ング剤とポリエチレン樹脂粉体の混合物からなるプライ
マーを焼結した層を形成し、その焼結層を介して接着性
ポリエチレン樹脂からなる被覆樹脂層を形成した構造と
し、プライマー焼結層に用いるポリエチレン樹脂粉体
は、粒径が5〜200μmで、有機チタネート系カップ
リング剤に対して1〜10重量%配合し、被覆樹脂層に
用いる接着性ポリエチレン樹脂は、ビニルアルコキシシ
ラングラフトポリエチレン樹脂とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐蝕性、初期接着性、
耐薬品性および接着耐久性に優れたポリエチレン系樹脂
と金属との積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料の耐蝕性を改善させるため、従
来、金属板の表面に、接着層を介して耐蝕層となる合成
樹脂層を形成した積層体や、あるいは接着層を使用する
ことなく金属板の表面に合成樹脂層を直接融着した積層
体等が知られている。このような積層体は、屋根材や壁
材、樹脂被覆金属管等として使用される。
【0003】ところで、これらの積層体は、長期にわっ
たて使用すると、水や熱による化学的劣化、あるいは合
成樹脂の成形歪みによる応力によって接着力が低下す
る。そこで従来、この問題を解決するために、シランカ
ップリング剤等を接着促進剤として金属材料の表面に塗
布して乾燥させ、その上に更に接着剤層を介して合成樹
脂層を設けたり、あるいは接着剤層を用いることなく直
接融着させるという対策が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
対策を行った積層体においても、熱水と冷水に交互に浸
漬されるという過酷な条件下で使用された場合には、金
属表面の接着促進剤は、塗布後単に乾燥されただけであ
るため、金属と合成樹脂がそれぞれ伸縮を繰り返すこと
により発生するせん断応力に耐えきれず、剥離してしま
うという問題があった。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、加熱−冷却が繰り返されるという過酷な条件下
での使用に対しても金属表面から樹脂層が剥離せず、し
かも曲げや引張り加工等の2次加工性の点でも優れた金
属−樹脂積層体の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の積層体は、金属材料の表面に有機チタネー
ト系カップリング剤とポリエチレン樹脂粉体の混合物に
よるプライマーを焼結した層を形成し、その焼結層を介
して、接着性ポリエチレン樹脂からなる層を形成した積
層体で、プライマー焼結層に用いるポリエチレン樹脂粉
体は粒径が5〜200μmで、有機チタネート系カップ
リング剤に対して1〜10重量%配合され、被覆樹脂層
に用いる接着性ポリエチレン樹脂は、ポリエチレン樹
脂、シラン化合物およびラジカル発生剤とからなるビニ
ルアルコキシシラングラフトポリエチレン樹脂であるこ
とによって特徴づけられる。
【0007】本発明において、金属材料としては、鉄、
鋼、ステンレス、アルミニウム等の任意の金属を使用す
ることができるが、特に鉄、鋼およびアルミニウムが好
適である。金属材料の表面は、ブラスト処理、アルカリ
等による脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理、
更に必要に応じてリン酸亜鉛、リン酸鉄、シュウ酸等に
よる防錆処理を施してもよいが、リン酸等の化成皮膜処
理は接着性を阻害する場合があるので好ましくは施さな
い方がよい。
【0008】本発明に用いられるプライマーは、重量%
で有機チタネート90〜99%とポリエチレン樹脂粉体
10〜1%からなり、有機チタネートとしてはテトラ−
i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラス
テアリルオキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(ア
セチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス
(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビ
ス(ラクタト)チタン等が挙げられる。
【0009】本発明においてプライマー中のポリエチレ
ン樹脂粉体は、前記したように1〜10%の範囲である
が、この範囲より多くても少なくても接着耐久性に悪影
響を及ぼす。また、このポリエチレン樹脂粉体は冷凍粉
砕により微粉化したもので5〜200μmの粒径のもの
を用いるが、より好ましくは粒径10〜150μmの範
囲とする。粒径が200μmを越えると、プライマーと
ともに加熱するとき溶融に必要な時間が長くなってプラ
イマー層の焼き付け等の際に悪影響を及ぼし、金属や被
覆樹脂との密着力が低下する可能性がある。一方、粒径
が5μm未満では、プライマー中での分散性が悪く凝集
しやすいため、加熱溶融の際に長時間を要してプライマ
ー層の焼き付け時に悪影響を及ぼし、被覆樹脂との密着
力が低下する可能性がある。
【0010】また、このポリエチレン樹脂粉体の密度、
M.Iは特に限定はされないが、密着性の点から、被覆
樹脂層に用いるものと同等の接着性ポリエチレン樹脂を
用いるのが好ましい。
【0011】以上のような有機チタネート系プライマー
を金属材料表面に塗布し、その後250〜450°C、
好ましくは350〜420°Cの温度で焼結することに
より有機チタネート系焼結プライマー層(以下、焼結層
と称する)が得られる。この焼結層の肉厚は5〜100
μm程度が適当であるが、10〜50μmとすることが
より好ましい。
【0012】なお、金属材料の表面に有機チタネート系
プライマーを塗布する方法としてはロール、ブラシ、刷
毛、コーティングロッド等の通常の接着促進剤の塗布と
同等の方法を採用できる。そして、このようにして塗布
された有機チタネート系プライマーを焼結する方法とし
ては、高温の熱風を吹きつける方法、バーナーによる加
熱、または誘導加熱を使用する等の公知の加熱方法を採
用することができる。
【0013】本発明において被覆樹脂層として用いるシ
ラングラフトポリエチレン樹脂は、ポリエチレン樹脂を
シラン化合物と有機過酸化物の存在下に加熱し、ポリエ
チレン樹脂をグラフト変性することによって得ることが
できる。ラジカル発生剤はシラン溶液として用いるのが
好ましい。
【0014】上記のシラン化合物は、加水分解可能なア
ルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基)を含み、かつ、不飽和な炭化水素基またはハイドロ
カーボンオキシ基(例えばビニル基、アリル基、ブテニ
ル基で特にビニル基が好適)を含むものであって、その
代表例として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル
メチルジエトキシシラン等がある。
【0015】また、ラジカル発生剤としては有機酸化物
やアゾ化合物があり、アゾ化合物としてはアゾビスイソ
ブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等を挙げ
ることができるが、有機酸化物が特に好ましい。
【0016】有機酸化物としては、ジクミルパーオキサ
イド、ジブチルパーオキサイド、あるいは2,5−ジ−
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキサイド)ヘキ
サン等が好適である。
【0017】本発明におけるシラングラフトポリエチレ
ンは、ポリエチレン樹脂100重量部に対して有機シラ
ン化合物0.1〜10重量部の範囲で配合することがで
きるが、より好ましくは0.25〜3.0重量部で、ま
た、ラジカル発生剤(有機過酸化物)は0.001〜
2.0重量部、より好ましくは0.0015〜0.02
重量部で配合し、変性されたものである。
【0018】このような接着性ポリエチレン樹脂層を金
属材料の表面の焼結層を介して形成する方法としては、
溶融した接着性ポリエチレン樹脂を押出し被覆する溶融
押出し被覆法、粉体樹脂を静電付着させ加熱溶融により
被覆する粉体塗装法のほか、プレス、シート圧着等の一
般的な方法を用いることができる。
【0019】なお、本発明においては、線膨張係数の低
減、成形収縮の抑制を目的として、接着性ポリエチレン
樹脂内にガラス短繊維、タルク、マイカ、チタン酸カリ
ウムウィスカ等の公知の充填材を添加してもよく、ま
た、本発明の効果を損なわないような酸化防止剤、紫外
線吸収剤、着色剤等の配合剤を用いることを妨げない。
【0020】
【作用】有機チタネート系プライマーが鉄、アルミニウ
ム等の金属材料の表面に塗布され、焼き付けけが施され
ることにより生成される、主として酸化チタンからなる
プライマー層は、強固な化学結合により金属表面との密
着性に優れるとともに、電子顕微鏡等で観察すると、そ
の表面に無数の小さなひび割れが発生していることがわ
かる。シラングラフトポリエチレン樹脂をこのようなプ
ライマー層の上に被覆すると、このひび割れの中に樹脂
が入り込むことによるアンカー効果による接着力と、被
覆樹脂層中のシラン化合物の加水分解によるシラノール
基がシロキサン結合することによる接着力とにより、被
覆樹脂とプライマー層が堅固に相互接着する。更に、プ
ライマー中にはポリエチレン樹脂粉体を添加しているた
め、より相溶性が向上して熱融着による接着力も得られ
る。このようなことから、接着耐久力に富んだ積層体と
なる。
【0021】また、有機チタネート単独のプライマー層
では、比較的延性が低く、2次加工時にプライマー層が
割れて被覆樹脂が剥離する場合があったが、本発明の構
成においてはポリエチレン樹脂粉体がバインダー的な働
きをするためか、このようなプライマー層の割れが生じ
ず、加工性に優れていることも確認された。
【0022】
【発明の効果】本発明では、金属材料の表面と被覆樹脂
層を形成する接着性ポリエチレン樹脂との間に、有機チ
タネート系プライマー層を介在させ、このプライマー層
は、その内部に5〜200μmの粒径を持つポリエチレ
ン樹脂粉体が1〜10重量%配合され、かつ、焼結され
たものであって、被覆樹脂層の接着性ポリエチレン樹脂
としてビニルアルコキシシラングラフトポリエチレン樹
脂を用いているから、プライマー層と被覆樹脂層は、ア
ンカー効果による接着、シロキサン結合による接着、お
よび相溶性向上に伴う熱融着による接着によって相互に
堅固に接着され、また、このプライマー層は、焼結時に
生成された酸化チタンを主成分とする層となって金属表
面に対して良好な密着性を持つため、金属材料に対して
も強固に密着することになり、過酷な加熱−冷却の繰り
返しに対しても金属材料と被覆樹脂間の剥離が発生せ
ず、しかも、曲げや引張り等の2次加工に際しても、プ
ライマー層内のポリエチレン樹脂粉体が有効に機能し
て、プライマー層の割れに起因する被覆樹脂層の剥離も
生じず、2次加工性にも優れた積層体が得られ、屋根材
や壁材、あるいは樹脂被覆金属管等に用いるのに適した
積層体となり得る。
【0023】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、比
較例とともに説明する。 (実施例1−1)有機チタネートは「Ti(O-iC3H7)2 OC
(CH3)CHCOCH3 2,ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセトナト)チタン」の60%イソプロパノール溶液と
した。ポリエチレン樹脂粉体はLL−D(ρ=0.92
0、M.I=2.0g/10m in)で冷凍粉砕したもの
で、平均粒子径30μmのものを使用した。そして、こ
のような有機チタネート95重量部とポリエチレン樹脂
粉体5重量部とをポリ容器に入れてよくかき混ぜてお
く。
【0024】また、シラングラフトポリエチレン樹脂
は、シラン化合物「CH2=CHSi(OCH3)3,ビニルトリメトキ
シシラン」1重量部と、過酸化物「ジブチルパーオキサ
イド」0.01重量部とを混合したものを、ポリエチレ
ン樹脂(ρ=0.935、M.I=5.0g/10m in)
が押出し機内で190°Cに昇温されている状態で混練
し、変性させたものを用いた。
【0025】120mm×120mm×厚さ2mmの鋼
板に対し、アルカリ液による脱脂、硝酸による酸洗処理
を施し、その処理面に上記した有機チタネートとポリエ
チレン樹脂粉体の混合物を刷毛で塗布し、400°Cで
5分間加熱(乾燥・焼き付け処理)することにより、焼
結層を得た。得られた焼結層(プライマー層)の厚さは
40μmであった。
【0026】この焼結層の表面に、100mm×100
mm×厚さ2mmのシートを形成できるスペーサを載
せ、その中央にシラングラフトポリエチレン樹脂を19
0°Cの溶融状態で必要量だけ押出し、上方からプレス
機にてプレスし、厚さ2mmの被覆樹脂層を持つ積層体
を得た。
【0027】この積層体について、JIS K-6854「接着剤
の剥離接着強さ試験方法」に準じて(ただし幅10mm
の「T型剥離試験片」で実施)、焼結層と接着性ポリエ
チレン樹脂層間の剥離接着強度を測定した結果、24.
4kg/10mmであった。
【0028】次いで、この積層体を90°Cの熱水に5
分間、その後20°Cの冷水に5分間浸漬する、という
操作を10000サイクル繰り返す加熱−冷却テストを
行った。このテスト終了後、積層体の端部を観察した結
果、接着性ポリエチレン樹脂層(被覆樹脂層)の剥離、
収縮、鋼板との間の隙間の発生等の異常は全く認められ
なかった。そして、このテスト終了後に上記した試験法
で同様に剥離接着強度を測定した結果、20.6kg/
10mmであった。
【0029】(実施例1−2)有機チタネート、ポリエ
チレン樹脂粉体、シラングラフトポリエチレン樹脂につ
いて、それぞれの種類および製造方法に関しては実施例
1−1と全く同様とした。
【0030】そして、外径114mm、長さ5mの鋼管
にアルカリ液による脱脂、硝酸による酸洗処理を施した
後、この鋼管の内面に上記した実施例1−1におけるプ
ライマー組成物(有機チタネート+ポリエチレン樹脂粉
体の混合物)を回転ブラシにより塗布し、これを誘導加
熱により400°C×5分間加熱(乾燥・焼き付け処
理)することによって焼結層を得た。得られた焼結層
(プライマー層)の厚さは30μmであった。この焼結
層を介して鋼管の内周面を、シラングラフトポリエチレ
ン樹脂を190°Cで溶融押出被覆し、厚さ2.5mm
の被覆樹脂層が形成された複合管を得た。
【0031】次にこの複合管を、図1に模式的断面図で
示すように、管端部を冷間で拡径して、つば返し形状に
2次加工した。なお、図において1は鋼管、2は焼結
層、3は被覆樹脂層である。この成形加工後において、
焼結層(プライマー層)の割れや被覆樹脂層の剥離は認
められなかった。そして、このような2次成形加工後の
複合管の内面に、90°Cの熱水を5000時間通すテ
ストを行ったが、被覆樹脂層の剥離および焼結層の割れ
は見出せなかった。
【0032】(実施例2−1)実施例1−1と同様の有
機チタネートプライマー90重量部に対し、平均粒子径
100μmのポリエチレン樹脂粉体10重量部をよくか
き混ぜ、プライマー組成物を作った。また、シラングラ
フトポリエチレン樹脂は、実施例1−1と同様の方法
で、ビニルトリメトキシシラン2重量部とジブチルパー
オキサイド0.01重量部とを混合し、ポリエチレン樹
脂100重量部内に190°Cに昇温した押出機内で混
練・変性したものを用いた。
【0033】実施例1−1と同様な方法で、鋼板の表面
にプライマー組成物の焼結層を厚さ40μmで形成した
後、その上に上記のシラングラフトポリエチレン樹脂を
プレスし、2mmの被覆樹脂層を持つ積層体を得た。
【0034】この積層体について、前記した方法によっ
て剥離接着強度を測定した結果、25.7kg/10m
mであった。次いで、実施例1−1と同様にこの積層体
を10000サイクル繰り返す加熱−冷却テストを行っ
た。試験終了後に端部を観察した結果、接着性ポリエチ
レン樹脂層(被覆層)の剥離、収縮、鋼板との間の隙間
の発生等の異常は認められなかった。そして、このテス
ト終了後の剥離強度を測定した結果、21.2kg/1
0mmであった。
【0035】(実施例2−2)有機チタネート、ポリエ
チレン樹脂粉体、シラングラフトポリエチレン樹脂につ
いては、その種類および製造方法は実施例2−1と同様
とし、実施例1−2と同様の鋼管の内面に焼結層を形成
し、その表面にシラングラフトポリエチレン樹脂を溶融
押出被覆し、厚さ2.5mmの被覆樹脂層を持つ複合管
を得た。
【0036】この複合管の管端部を図1のように冷間で
拡径してつば返し形状に2次加工したが、焼結層の割
れ、被覆樹脂層の剥離は見られなかった。そして、その
後、実施例1−2と同様の熱水を通すテストを行った
が、同様に被覆樹脂層の剥離およびプライマー層の割れ
は発生しなかった。
【0037】(比較例1−1−1)実施例1−1と同様
にして鋼板の表面にアルカリ処理、硝酸による酸洗処理
を施した後、その表面に、実施例1−1と全く同じシラ
ングラフトポリエチレン樹脂を直接溶融押出ししてプレ
スし、鋼板の表面に厚さ2mmの被覆樹脂層を持つ積層
体を得た。
【0038】この積層体について、実施例1−1と同じ
方法で鋼板と被覆樹脂層管の剥離接着強度を測定した結
果、20.9kg/10mmであった。次いで、実施例
1−1と同じ方法で加熱−冷却テストを行った後、同様
に剥離接着強度を測定したところ、8.9kg/10m
mであった。
【0039】(比較例1−1−2)実施例1−1と同様
にして鋼板の表面にアルカリ処理、硝酸による酸洗処理
を施した後、その表面に、有機チタネートを塗布して4
00°Cで5分間加熱することにより、厚さ40μmの
焼結層を得た。ただし、この例においては、実施例1−
1と相違して、この焼結層内にポリエチレン樹脂粉体を
配合していない。
【0040】この焼結層の上に、実施例1−1と同じシ
ラングラフトポリエチレン樹脂を溶融押出ししてプレス
し、鋼板の表面に厚さ2mmの被覆樹脂層を持つ積層体
を得た。
【0041】この積層体について実施例1−1と同じ方
法で剥離接着強度を測定した結果、21.6kg/10
mmであった。次に、この積層体を、90°Cの熱水に
5分間、その後20°Cの冷水に5分間浸漬する操作を
10000サイクル繰り返すという実施例1−1と同じ
加熱−冷却テストを行った後、端部を観察した結果、樹
脂被覆層の剥離、収縮、鋼板との間の隙間の発生等の異
常は認められなかったものの、テスト終了後の剥離接着
強度は17kg/10mmに低下していた。
【0042】(比較例1−2)有機チタネート、シラン
グラフトポリエチレン樹脂について、種類および製造方
法を実施例1−1と同様とし、焼結層内にはポリエチレ
ン樹脂粉体を配合せずに他は実施例1−2と同様の複合
管を製造した。
【0043】すなわち、外径114mm、長さ5mの鋼
管にアルカリ液による脱脂処理、硝酸による酸洗処理を
施した後、その鋼管の内周面に有機チタネートのみのプ
ライマーを回転ブラシによって塗布し、これを誘導加熱
により400°C×5分間加熱(乾燥・焼き付け処理)
することにより、厚さ30μmの焼結層を得た。
【0044】この焼結層を介して、鋼管の内周面に対し
てシラングラフトポリエチレン樹脂を190°Cで溶融
押出被覆し、厚さ2.5mmの樹脂被覆層を持つ複合管
を得た。次いでこの複合管の管端に、実施例1−2と同
様にして冷間拡径によるつば返し部を形成した。この2
次加工の直後に加工部分を観察したところ、被覆樹脂層
の剥離は見出せなかったものの、その管内面に90°C
の熱水を5000時間通すテストを行った後において
は、つば部の端部にプライマー層の一部割れが見られ、
被覆樹脂層の剥離も見出された。
【0045】(比較例2−1−1)実施例2−1と同様
にして鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、硝酸による酸洗
処理を施し、その表面に実施例2−1と全く同じシラン
グラフトポリエチレン樹脂を直接溶融押出しして融着さ
せ、鋼板の表面に厚さ2mmの被覆樹脂層を持つ積層体
を得た。
【0046】この積層体について、実施例1−1と同じ
方法で鋼板と被覆樹脂層間の剥離接着強度を測定した結
果、21.3kg/10mmであった。次に、この積層
体に対して実施例1−1と同様の加熱−冷却テストを行
った後、剥離接着強度を測定したところ、10kg/1
0mmであった。
【0047】(比較例2−1−2)実施例2−1と同様
の有機チタネートと平均粒子径100μmのポリエチレ
ン樹脂粉体を用意し、その配合比を代えて、有機チタネ
ート80重量部に対してポリエチレン樹脂粉体20重量
部を混合したプライマー組成物を作った。被覆樹脂層と
して用いるシラングラフトポリエチレン樹脂は、実施例
2−1と同じものとした。
【0048】そして、鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、
硝酸による酸洗処理を施し、その表面に、実施例1−1
と同様の方法で、上記のプライマー組成物を塗布した後
に加熱し、厚さ40μの焼結層を得た後、その表面にシ
ラングラフトポリエチレン樹脂を溶融押出ししてプレス
し、厚さ2mmの被覆樹脂層を持つ積層体を得た。
【0049】この積層体について同様にして剥離接着強
度を測定した結果、22kg/10mmであった。その
後、この積層体に実施例1−1と同様の10000サイ
クルの加熱−冷却テストを行った。テスト終了後に端部
を観察した結果、被覆樹脂層の剥離、収縮、鋼板との間
の隙間の発生等の異常は認められなかったものの、テス
ト後の剥離接着強度は10kg/10mmに低下してい
た。
【0050】(比較例2−1−3)実施例2−1と同様
の有機チタネート90重量部に対し、平均粒子径250
μmのポリエチレン樹脂粉体10重量部を混合したプラ
イマー組成物を作るとともに、鋼板の表面にアルカリ脱
脂処理、硝酸による酸洗処理を施し、その表面に上記の
プライマー組成物を塗布し、実施例1−1と同様の方法
で焼結して厚さ40μmの焼結層を得た。この焼結層の
表面に、実施例2−1と全く同じシラングラフトポリエ
チレン樹脂を溶融押出ししてプレスし、厚さ2mmの被
覆樹脂層を持つ積層体を得た。
【0051】この積層体について、同様の方法で剥離接
着強度を測定した結果、20.2kg/10mmであっ
た。次いでこの積層体に対して実施例1−1と同様の1
0000サイクルの加熱−冷却テストを行った。テスト
終了後に端部を観察したところ、被覆樹脂層の剥離、鋼
板との間の隙間の発生の異常は認められなかったが、被
覆樹脂層は鋼板の端部から1mm収縮していることが認
められた。そして、このテスト後の剥離接着強度は、
3.5kg/10mmに低下していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例および比較例における複合管に対
して行った2次加工の説明図
【符号の説明】
1 鋼管 2 焼結層 3 被覆樹脂層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料の表面に有機チタネート系カッ
    プリング剤とポリエチレン樹脂粉体の混合物によるプラ
    イマーを焼結した層が形成され、その焼結層の上に接着
    性ポリエチレン樹脂からなる層を形成した積層体であっ
    て、上記ポリエチレン樹脂粉体は、粒径が5〜200μ
    mで上記有機チタネート系カップリング剤に対して1〜
    10重量%配合され、上記接着性ポリエチレン樹脂は、
    ポリエチレン樹脂、シラン化合物およびラジカル発生剤
    とからなるビニルアルコキシシラングラフトポリエチレ
    ン樹脂であることを特徴とする積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8572903B2 (en) 2010-01-28 2013-11-05 The Sherwin-Williams Company Device, kit and method for sealing roof penetrations

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