JP7345303B2 - 構造用途ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性接着剤組成物、すなわち、ホットメルト接着剤に関する。特に、本発明は、例えば、自動車などの構造部材の接着に適したホットメルト接着剤を提供する。
近年、自動車業界では、車体の軽量化ニーズが高まり、鋼材からアルミニウム合金、さらに、樹脂素材への置き換えが増えている。鋼材による構造部材に他の部材を接合するためには、溶接が用いられるが、鋼材とアルミニウム合金との溶接は非常に困難である。また、鋼材と異種材料との接合にボルトによる締結を用いれば軽量化に反する。
現在、自動車構造用途の接着剤として、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤および反応型アクリル系接着剤などが用いられている。構造部材として、金属よりも耐熱性が劣る樹脂を用いることになり、例えば、車体の塗装後に接着する場合は、加熱せずに硬化する湿気硬化型や2液常温硬化型の接着剤が検討され、自動車のボデー向け構造用接着剤として性能と作業性のバランスを考慮すると、ウレタン系接着剤への関心が特に高い。
特開2017-222155号公報 特開2017-190108号公報
従来の熱硬化型接着剤は、環境負荷の軽減のためリサイクルを考慮すると、不利である。さらに、熱硬化型接着剤を用いて線膨張係数の異なる異種材料間を接着すると、硬化時の加熱により異種材料が膨張した状態で硬化するので、冷却時の収縮寸法差により内部応力および歪みが発生してしまう。湿気硬化型や2液常温硬化型の接着剤は、自動車の組み立て工程の塗布に限定されるため、適用部位が制限され、製造工程が煩雑になり、また、塗装面に使用されるため、金属への接着性に劣る。
廃棄時に接合された部材を分類すること、硬化後に内部応力や歪みの発生を低減するには、熱可塑性接着剤組成物(ホットメルト接着剤)で接着することが非常に有用である。特許文献1には、貼り直し性を有する接着構造物およびその解体法が開示され、金属層と被着体との接着に熱可塑性ホットメルト接着剤が使用されている。しかしながら、自動車工業において、ホットメルト接着剤の適用箇所は、ダッシュボード、ヘッドランプ、ドア内装材などに限られており、例えば、特許文献2には、サンルーフ用の開口部周りの剛性を高めながらシワの発生を防ぐ目的で、天井材本体の車室外側表面にホットメルト接着剤をジグザグに折り返しながら車幅方向に塗布することが開示されている。一方、構造部材など大きな力の負荷のかかる箇所では、仮止め目的に使用されるのみであった。
そこで、本発明は、自動車の組み立て工程において、高い強度や耐久性を要する構造部材を接着することができる熱可塑性接着剤組成物を提供する。
本発明者らは、融点が150℃以上である第1の熱可塑性樹脂および融点が120℃以下である第2の熱可塑性樹脂を含み、前記第1の熱可塑性樹脂および前記第2の熱可塑性樹脂の少なくともいずれか一方がカルボニル基を有するホットメルト接着剤組成物を用いれば、十分なせん断接着強度が得られ、内部応力や歪みの発生が低減されることを見出した。
本発明によるホットメルト接着剤組成物により、例えば、鋼材とアルミ材とを接着すると、鋼材に対するせん断接着強度が2MPa以上であって、下記の特定条件にて測定したそり量が35mm以下である。
本発明によるホットメルト接着剤組成物を用いて、自動車の構造部材、例えば、ルーフの鋼材枠にアルミ部材を接着すれば、内部応力や歪みがなく十分なせん断接着強度が得られる。また、このようなホットメルト接着剤組成物による接着は、現行の自動車製造工程の中で実施することができ、接着剤塗布以外の新たな工程や特別の装置を導入する必要がない。
第1の金属部材、第2の金属部材および、前記第1の金属部材と第2の金属部材とが接着層を介して接着された複合体が受ける温度プロファイル。 鋼材による自動車のボデー骨格(ルーフ)の外観(a);アルミ材によるアウターパネルの外観(b)。 熱硬化性接着剤組成物で接着された2種類の部材。 ホットメルト接着剤組成物で接着された2種類の部材。 反り量の計測方法を説明する概略図。
本発明は、融点が150℃以上である第1の熱可塑性樹脂および融点が120℃以下である第2の熱可塑性樹脂を含み、前記第1の熱可塑性樹脂および前記第2の熱可塑性樹脂の少なくともいずれか一方がカルボニル基を有するホットメルト接着剤組成物であって、
20~95℃における鋼材に対するせん断接着強度が2MPa以上であって、
1000 mm×30 mmサイズの鋼材とアルミ材とを各接着剤を用いて接着して形成された三層の複合体を170℃にて20分間保持し、次いで、20℃65%RHにて24時間養生後、複合体の凸部を下にして水平な台上に載置し、水平台の面から長軸方向の両端の高さを計測し、2つの高さの平均値を反り量とし、ここに、複合体における接着剤の塗布面積は3000 mm2 (1000 mm×30 mm)であり、塗布厚は1 mmtであるとき、前記そり量が35mm以下である、ホットメルト接着剤組成物を提供する。
本発明のホットメルト接着剤組成物において、前記第1の熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン樹脂およびアクリル樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種を含み、前記第2の熱可塑性樹脂が、オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂およびウレタン樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種を含む。
本発明のホットメルト接着剤組成物において、前記第2の熱可塑性樹脂が少なくとも一種のアイオノマー樹脂を含む。
本発明に用いるアイオノマー樹脂としては、例えば、オレフィンと炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属カチオンで中和したもの;オレフィンと炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属カチオンで中和したもの;および、これらの混合物を挙げることができる。
前記オレフィンとしては、炭素数が2~8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好ましい。
前記炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げることができ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
前記α,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチルエステル等を挙げることができ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。
また、前記金属カチオンとしては、1価または2価の金属カチオンを挙げることができ、1価の金属カチオンとしては、Na+, K+, Ag+, Cu+などを挙げることができ、2価の金属カチオンとしては、Mg2+, Ba2+, Fe2+, Cu2+, Zn2+などを挙げることができる。
本発明のホットメルト接着剤組成物に用いるアイオノマー樹脂としては、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体およびK+, Na+, Mg2+, Zn2+よりなる群から選択され金属カチオンを含有するものがより好ましく、なかでも、エチレン-(メタ)アクリル酸二元共重合体またはエチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体のK+, Na+, Mg2+, Zn2+よりなる群から選択され金属カチオンによる中和物が特に好ましい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、金属酸化物を含んでいてもよい。金属酸化物を含むことによって、油分が付着した鋼材表面に対しても接着性を示すからである。このような金属酸化物として、例えば、MgO, SiO2, Al2O3, B2O3, CaO等またはこれらの組合せを用いることができる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、さらに、粘着付与剤を含んでいてもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、さらに、充填材を含んでいてもよい。前記充填材は、例えば、カオリンクレー、タルク、マイカよりなる群から選択される粘土鉱物である。
本発明のホットメルト接着剤組成物の180℃におけるせん断弾性率は、0.1 MPa以下である。接着時の温度にて接着剤が軟化ないし溶融するので、接着対象の部材に粘着し、部材の膨張に追従することができる。
本発明は、また、第1の金属部材、第2の金属部材および、前記第1の金属部材と第2の金属部材とが接着層を介して接着された複合体を提供する。このような複合体は、前記第1の金属部材の線膨張係数と前記第2の金属部材の線膨張係数との差が10×10-6/℃以上であって、前記接着層が上記の本発明によるホットメルト接着剤組成物からなる。
本発明において、例えば、第1の金属部材が鉄であり、第2の金属部材がアルミニウムである。
本発明の複合体は、例えば、自動車の構造部材、特に、鋼材によるボデー骨格(ルーフ)にアルミ製のアウターパネルが接着されたものが挙げられる。以下、接着作業を含み、市場で使用されるまでの過程において、上記複合体が経験する温度変化を図1の温度プロファイルを用いて説明する。
工程1:室温(0~35℃の間の温度、例えば、23℃)にて、200℃程度に加温して溶融した本発明のホットメルト接着剤をルーフのボデー骨格の塗布面に塗布する。
工程2:ボデー骨格(図2a)にアウターパネル(図2b)を適合させ、全体を約170℃に加温する。加温手段には、電着炉(オーブン)や加温したプレス機等が含まれる。約170℃の加温によりホットメルト接着剤組成物が軟化ないし溶融し、部材に粘着する。本発明のホットメルト接着剤組成物を構成する熱可塑性樹脂が有するカルボニル基により、金属部材に対する接着性が向上している。
工程3:室温にまで冷却するとホットメルト接着性組成物が硬化する。第1の金属部材と第2の金属部材との間には、10×10-6/℃以上の線膨張係数の差があるが、冷却工程においても本発明のホットメルト接着剤組成物は軟質性を有しているので金属部材の収縮に追従して、硬化時に、内部応力や歪みの発生が低減される。
工程4:接着されたアウターパネルとボデー骨格との複合体を塗装し、140℃程度の温度にて塗料を硬化させる。本発明のホットメルト接着剤組成物は、融点が150℃以上である第1の熱可塑性樹脂を含むので、接着層が完全に溶融することがない。塗装後、複合体は室温にまで冷却される。
工程5:自動車が完成して市場に出回ると、様々な環境下で使用されるため、ホットメルト接着剤組成物を介して接着された複合体は、例えば、寒冷地域での-30℃の低温から直射日光に照らされて110℃の高温までの広範囲の温度にさらされることが予想される。本発明のホットメルト接着剤組成物は、融点が120℃以上である第2の熱可塑性樹脂を含むので、接着層が溶融することがない。
鉄の線膨張係数は約10×10-6/℃であり、アルミニウムの線膨張係数は約24×10-6/℃である。その差は約14×10-6/℃であるので、23℃から170℃まで上昇させると、部材1mあたり2つの部材間で2mmのずれが生じる。逆に、170℃から23℃まで冷却するときに2mmの圧縮が行われる。
熱硬化性接着剤組成物により接着した場合、170℃の段階で硬化しているので接着層の剛性はすでに高く(図3b)、室温にまで冷却することにより内部応力および歪みが発生して、複合体に反りが生じる(図3c)。このような反りを回避しようとして剛性の低い組成物を用いれば、せん断接着強度に劣り、構造部材の接着に使用できない。
一方、ホットメルト接着剤組成物により接着した場合、170℃の段階では軟化または溶融している(図4b)。この状態から冷却する過程で接着層は硬化していくが、まだ合成が低いため、部材の収縮に追従し、室温に達したときの内部応力および歪みの発生が抑制または低減されており、複合体の反りはほとんど観測されない(図4c)。したがって、本発明のホットメルト接着剤組成物は、使用環境温度にて、高い剛性、または、せん断接着強度を有することができる。
[実施例1]
表1に記載する配合にて、アイオノマー樹脂(ハイミラン1652;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)20質量部、エチレン/アクリル酸共重合体(ニュクレルN1560;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)10質量部、ポリアミド(トーマイド1360;株式会社T&K TOKA製)60質量部およびフィラー(タルクMS;日本タルク株式会社製)10重量部を混合して、ホットメルト接着剤組成物1を得た。
得られたホットメルト接着剤組成物1を用いて、鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、同様に、油分が付着した鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、反り量ならびに180℃におけるせん断弾性率を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2および3]
実施例1と同様に、表1に記載する配合にて、アイオノマー樹脂(ハイミラン1652;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、エチレン/アクリル酸共重合体(ニュクレルN1560;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、酸変性オレフィン樹脂(タフマーMH7020;三井化学株式会社製)、ポリアミド(トーマイド1360;株式会社T&K TOKA製)およびフィラー(タルクMS;日本タルク株式会社製)を混合して、ホットメルト接着剤組成物2および3を得た。
得られたホットメルト接着剤組成物2または3を用いて、鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、同様に、油分が付着した鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、反り量ならびに180℃におけるせん断弾性率を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4~6]
実施例1と同様に、表1に記載する配合にて、アイオノマー樹脂(ハイミラン1652;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、エチレン/アクリル酸共重合体(ニュクレルN1560;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、酸変性オレフィン樹脂(タフマーMH7020;三井化学株式会社製)、ポリアミド(トーマイド1360;株式会社T&K TOKA製)、フィラー(タルクMS;日本タルク株式会社製)、金属酸化物(キョーワマグ150;協和化学株式会社製)、粘着付与剤(ニカノールH;三菱ガス化学株式会社製)を混合して、ホットメルト接着剤組成物4~6を得た。
得られたホットメルト接着剤組成物4~6のいずれかを用いて、鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、同様に、油分が付着した鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、反り量ならびに180℃におけるせん断弾性率を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1~3]
実施例1と同様に、表1に記載する配合にて、アイオノマー樹脂(ハイミラン1652またはハイミラン1855;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、エチレン/アクリル酸共重合体(ニュクレルN1560;三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、酸変性オレフィン樹脂(タフマーMH7020;三井化学株式会社製)、ポリアミド(トーマイド1360;株式会社T&K TOKA製)およびフィラー(タルクMS;日本タルク株式会社製)を混合して、ホットメルト接着剤組成物7~9を得た。
得られたホットメルト接着剤組成物7~9のいずれかを用いて、鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、同様に、油分が付着した鋼材とアルミ材とを接着して形成した複合体に対する20℃および95℃でのせん断接着強度、反り量ならびに180℃におけるせん断弾性率を測定した。結果を表1に示す。
[測定条件]
(1)せん断接着強度
100 mm×25 mmサイズの鋼材とアルミ材の表面をアセトンで拭いて清浄にし、清浄にした鋼材とアルミ材とを各接着剤を用いて接着して、三層の複合体を形成する。接着剤の塗布面積は250 mm2 (25×10 mm)であり、塗布厚は1 mmtである。この複合体をオーブン中で170℃×20分保持して焼き付けた。複合体をオーブンから取り出し、20℃65%RH×24時間養生後、複合体を引張試験器に設置し、50 mm/分の引張速度にてせん断接着強度を測定した。
(2)油分付着面に対するせん断接着強度
100 mm×25 mmサイズの鋼材とアルミ材の表面をアセトンで拭いて清浄にし、清浄にした鋼材とアルミ材表面に防錆油を2g/m2の量となるよう塗布したものを被着体とした以外は、上記に記載のせん断接着強度と同様の方法で測定を行った。
(3)反り量
1000 mm×30 mmサイズの鋼材とアルミ材とを各接着剤を用いて接着して、三層の複合体を形成する。接着剤の塗布面積は3000 mm2 (1000 mm×30 mm)であり、塗布厚は1 mmtであるこの複合体をオーブン中で170℃×20分保持して焼き付けた。複合体をオーブンから取り出し、20℃65%RH×24時間養生後、凸部を下にして、複合体を水平台5に試験体を載置し、水平台の面から長軸方向の両端の高さを計測し、それぞれ、h1およびh2とし、2つの値の平均値h(mm)を反り量とする(図5)。
Figure 0007345303000001
(4)せん断弾性率
等方性材料において、せん断応力τとせん断ひずみγとの関係は、せん断弾性率Gを用いて、式(2)の関係にある。
JIS K 7199およびK 7244に基づき、180℃において各接着剤のせん断応力およびせん断ひずみを測定し、式(2)を用いて、それらの値からせん断弾性率G(MPa)を求める。
実施例で作製されたホットメルト接着剤組成物1~6は、反り量が小さく、すなわち、内部応力や歪みが低減されており、かつ、20℃の低温領域から95℃の高温領域までの幅広い温度領域にて、十分高いせん断接着強度を維持していることが確認できた。
さらに、金属酸化物を添加したホットメルト接着剤組成物4~6は、従来接着しなかった油分が付着した鋼材表面に対しても接着性を示すことが確認できた。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、線膨張係数が大きく異なる異種材料同士を接着しても、組成物の硬化後に内部応力や歪みの発生が低減され、かつ、低温から高温までの幅広い環境温度下や、被着体の表面が清浄でない場合でも、十分なせん断接着強度を保持する。したがって、従来導入されていなかった、自動車の構造部材の接着に使用することができる。
1 第1の部材
2 第2の部材(第1の部材よりも大きな線膨張係数を有する)
3 熱硬化性接着剤組成物
4 ホットメルト接着剤組成物
5 水平台

Claims (9)

  1. 融点が150℃以上である第1の熱可塑性樹脂融点が120℃以下である第2の熱可塑性樹脂および充填剤を含み、
    前記第1の熱可塑性樹脂および前記第2の熱可塑性樹脂の少なくともいずれか一方がカルボニル基を有するホットメルト接着剤組成物であって、
    前記第1の熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂を含み、
    前記第2の熱可塑性樹脂は、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体およびK + , Na + , Mg 2+ , Zn 2+ よりなる群から選択され金属カチオンを含有する少なくとも一種のアイオノマー樹脂を含み、
    前記充填剤は、タルクであり、
    20~95℃における鋼材に対するせん断接着強度が2MPa以上であって、
    1000 mm×30 mmサイズの鋼材とアルミ材とを各接着剤を用いて接着して形成された三層の複合体を170℃にて20分間保持し、次いで、20℃65%RHにて24時間養生後、複合体の凸部を下にして水平な台上に載置し、水平台の面から長軸方向の両端の高さを計測し、2つの高さの平均値を反り量とし、ここに、複合体における接着剤の塗布面積は3000 mm2 (1000 mm×30 mm)であり、塗布厚は1 mmtであるとき、前記そり量が35mm以下である、
    ホットメルト接着剤組成物。
  2. 180℃におけるせん断弾性率が0.1 MPa以下である、請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 前記アイオノマー樹脂が、エチレン-(メタ)アクリル酸二元共重合体またはエチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体のK+, Na+, Mg2+, Zn2+よりなる群から選択され金属カチオンによる中和物である、請求項1または2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. さらに、金属酸化物を含む、請求項1~いずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  5. 前記金属酸化物が、MgO, SiO2, Al2O3, B2O3, CaOまたはこれらの組合せである、請求項に記載のホットメルト接着剤組成物。
  6. さらに粘着付与剤を含む、請求項1~いずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  7. さらに、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体を含む、請求項1~6いずれかに記載のホットメルト接着剤組成物。
  8. 第1の金属部材、第2の金属部材および、前記第1の金属部材と第2の金属部材とが接着層を介して接着された複合体であって、前記第1の金属部材の線膨張係数と前記第2の金属部材の線膨張係数との差が10×10-6/℃以上であって、前記接着層が請求項1~いずれかに記載のホットメルト接着剤組成物からなる、複合体。
  9. 第1の金属部材が鉄であり、第2の金属部材がアルミニウムである、請求項に記載の複合体。
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