JP3257870B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JP3257870B2
JP3257870B2 JP21598193A JP21598193A JP3257870B2 JP 3257870 B2 JP3257870 B2 JP 3257870B2 JP 21598193 A JP21598193 A JP 21598193A JP 21598193 A JP21598193 A JP 21598193A JP 3257870 B2 JP3257870 B2 JP 3257870B2
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尚夫 池田
聖一 榎本
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属体表面にシラング
ラフトポリエチレン樹脂からなる被覆層が形成された、
接着強度、耐熱水性、耐蝕性及び接着耐久性に優れた積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属体に耐蝕性を持たせるため
に、その表面に、耐蝕性に優れた樹脂による耐蝕被覆層
が、接着剤層を介して設けられたか、或いは接着剤を使
用することなく直接融着して設けられた積層体が知られ
ている。これらの積層体は、屋根材、外壁材、雨樋、樹
脂被覆金属管等、耐蝕性と耐久性を要求される用途に広
く使用されている。
【0003】この場合、金属と耐蝕被覆層の初期接着強
度は概して強く短期間の使用に対しては、ほぼ良好な使
用結果が得られている。しかし、長期間使用する間に、
耐蝕被覆層の表面からの水の侵入、熱による接着剤層の
劣化等によって、金属と耐蝕被覆層との接着強度が低下
し、更に金属と樹脂の線膨張係数の大きな差に起因する
繰り返しせん断熱応力、耐蝕被覆層成形時の残留歪み等
の要因が加わって、接着界面での剥離や耐蝕被覆層の収
縮が発生し、その結果、金属表面の発錆・腐食の進行を
招来することがあり、大きな事故につながることがあっ
た。
【0004】そこで、このような問題を解決する為に、
金属体面に有機チタネートのアルコキシドからなるプラ
イマー組成物を塗布し、この塗膜を焼き付けて、有機チ
タネート焼結プライマー層を形成し、その上に樹脂を被
覆して耐蝕被覆層を形成する技術が提案されている(特
開平3−281667号公報)。この技術は、形成され
たプライマー層が、金属との密着性及び耐蝕被覆層との
接着性にも優れていることを利用したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
81667号公報に記載されたプライマー層を設けた積
層体においても、熱水と冷水に交互に浸漬されるような
過酷な条件下で使用される場合には、耐蝕被覆層の剥離
や収縮が発生し、長期間の使用に耐えられない場合があ
った。本発明者らは、有機チタネートを焼結するとプラ
イマー層の表面に多数の微細なクラックが生成して、プ
ライマー層と耐蝕被覆層との接触面積が増大し、且つ、
クラックの中に樹脂が食い込み、所謂「アンカー効果」
によって、プライマー層と耐蝕被覆層の接着強度が向上
するとの知見を得て、更に耐蝕被覆樹脂として用いるシ
ラングラフトポリエチレン樹脂の流動性等を特定して本
発明を完成した。
【0006】本発明は、積層体の上記のような問題点に
鑑みてなされたものであって、プライマー層と耐蝕被覆
層の接着強度が高く、耐蝕性、耐熱水性、耐久性等に優
れた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明の積層体の製造方法
は、金属体の表面に有機チタネート系プライマーを焼結
した層を形成し、その焼結層の表面に、190℃におけ
るメルトインデックスAが1〜50g/10分であるポリ
エチレン樹脂をシランカップリング剤とラジカル開始剤
との存在下に加熱して得られた190℃におけるメルト
インデックスBがメルトインデックスAの2分の1以下
であり且つ0.1〜15g/10分であるシラングラフト
ポリエチレン樹脂であって、水分量が70〜150pp
mである該シラングラフトポリエチレン樹脂を、加熱溶
融被覆して被覆層を形成することを特徴とし、このこと
により上記の目的が達成される。
【0008】本発明において金属体としては鉄、鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合
金、その他一般の金属が使用出来るが、特に鉄、鋼、及
びアルミニウムが好適である。又、金属体の形状は特に
限定されるものではなく、例えば、板状、管状、棒状の
ものが用いられる。
【0009】金属体の表面は、プライマー層との接着性
を良好にするために、ブラスト処理、アルカリ等による
脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等による錆等の酸化膜除去
処理等を施すことが好ましい。更に必要に応じてリン酸
亜鉛、リン酸鉄、シュウ酸等による防錆処理を施しても
よいがリン酸等による化成皮膜処理は接着性を阻害する
虞れがあるので施さない方がよい。
【0010】本発明において用いられる有機チタネート
系プライマーの例としては、テトラ−i−プロポキシチ
タン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチ
ルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチ
タン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナ
ト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ル
アミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チ
タン等が挙げられる。
【0011】金属体表面に有機チタネート系プライマー
を塗布する方法としては、ロール、ブラシ、刷毛、コー
ティングロッド等通常の接着促進剤の塗布方法と同様の
方法を採用出来る。そして、このようにして塗布された
有機チタネート系プライマーを加熱・焼結して金属体表
面に焼き付ける方法としては、例えば、高温の熱風を吹
き付ける方法、バーナーによる加熱、又は誘導加熱を使
用する等の公知の加熱方法を採用することが出来る。
【0012】この金属体表面に形成される焼結プライマ
ー層の厚さは、一般に5〜100μm程度、好ましくは
10〜50μmとする。焼結したプライマー層にはひび割れ
したような微細な割れ目ができていることが電子顕微鏡
で観察出来る。
【0013】有機チタネート系プライマーの塗膜の加熱
・焼結温度は、通常300〜450℃、好ましくは35
0〜420℃とする。加熱・焼結温度が300℃未満で
は、大半の有機チタネートが有するアルコキシル基の脱
離が不完全となって加水分解が充分に行われず、450
℃を越えるとプライマー層のクラックが小さくなってア
ンカー効果が減少し、いずれの場合にも、金属体表面と
プライマー層との良好な接着性が得られ難いからであ
る。
【0014】本発明において、有機チタネート系プライ
マーの焼結層表面に、加熱溶融して被覆層を形成する際
に用いるシラングラフトポリエチレン樹脂は、190℃
におけるメルトインデックス(以下MIと略記する場合
がある)Aが1〜50g/10分であるポリエチレン樹
脂、シランカップリング剤及びラジカル開始剤の混合物
を加熱してポリエチレン樹脂をグラフト変性することに
よって得ることが出来る。ラジカル開始剤はシランカッ
プリング剤溶液として用いるのが好ましい。
【0015】上記シラングラフトポリエチレン樹脂の原
料としてのポリエチレン樹脂は、通常の低密度・中密度
・高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(L−
LD)等から選択して使用され、好適には線状低密度ポ
リエチレン(L−LD)が用いられる。
【0016】本発明において、上記シラングラフトポリ
エチレン樹脂は、190℃におけるメルトインデックス
Bが、ポリエチレン樹脂のメルトインデックスAの2分
の1以下で且つ0.1〜15g/10分好ましくは0.3
〜12g/10分で、樹脂の水分量が70〜150pp
m、好ましくは90〜120ppmであるものを選択す
る。
【0017】その理由は、メルトインデックスBが上記
条件を満足しないか、或いは水分量が上記条件を満足し
ないシラングラフトポリエチレン樹脂を用いた場合は、
プライマー焼結層と樹脂被覆層との接着性が十分ではな
く、本発明の目的とする積層体が得られないからであ
る。
【0018】メルトインデックスBが0.1g/10分未
満の場合は、シラングラフトポリエチレン樹脂を加熱溶
融して被覆層を形成する際に、ゲル分が発生することが
あり、又、プライマー焼結層表面のクラックの中に進入
し難くアンカー効果が充分に発揮され難いことから、プ
ライマー焼結層と樹脂被覆層との接着性が充分に得られ
ないものと推察される。メルトインデックスBが、15
g/10分を越えるかAの2分の1を越える場合は、明確
な理由は不明であるが、ポリエチレン樹脂のグラフト変
性が不十分であるか、樹脂にグラフトされたシランカッ
プリング剤の加水分解が不十分なことに起因して、プラ
イマー焼結層と樹脂被覆層との充分な接着強度が得られ
ないものと推察される。
【0019】更に、シラングラフトポリエチレン樹脂の
水分量と加熱溶融して得られる樹脂被覆層のプライマー
焼結層に対する接着(耐久)性との関係は、明確な理由
は不明であるが、樹脂の水分量が70ppm未満の場合
は樹脂にグラフトされたシランカップリング剤の加水分
解が不充分な為に、また水分量が150ppmを越える
場合は加熱溶融時に発泡し易い為に、共に充分な接着力
が得られないものと推察される。
【0020】かかるシラングラフトポリエチレン樹脂
は、通常、次の様な方法で製造することが出来る。MI
が上記特定の範囲のポリエチレン樹脂100重量部に対
して、シランカップリング剤0.1〜10重量部、好ま
しくは0.25〜3.0重量部、及びラジカル開始剤
0.001〜2.0重量部、好ましくは0.0015〜0.04重
量部を配合した組成物を180℃〜200℃程度に加熱
して、ポリエチレン樹脂をシラングラフト変性し、更に
必要に応じて恒温恒湿槽で加湿処理を行う。場合によっ
ては、シラングラフトポリエチレン樹脂のペレットを紙
袋に入れ長期間保管する方法等で加湿してもよい。
【0021】又、恒温恒湿による加湿処理後、樹脂表面
に水滴がついた場合、そのまま用いると樹脂被覆の際発
泡する可能性があるので50〜60℃で10〜15分程
度オーブンにて乾燥させた上で水分量を測定して用いる
のがよい。
【0022】上記のシランカップリング剤としては、ガ
ラス繊維等の合成樹脂充填材・補強材の表面処理に用い
られる有機シラン化合物が広く用いられ、例えば、加水
分解可能なアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基)と不飽和炭化水素基もしくはハイドロ
カーボンオキシ基(例えばビニル基、アリル基、ブテニ
ル基で特にビニル基が好適)とを含む化合物が例示さ
れ、その代表例として、ビニルトリメトキシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0023】又、ラジカル開始剤としては有機過酸化物
やアゾ化合物があり、有機過酸化物の好適な例として
は、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイ
ド、又は2,5,−ジメチルー2,5−ジ(t−ブチル
パーオキサオイド)ヘキサン等が挙げられ、アゾ化合物
の例としてはアゾビスイソブチルニトリル、ジメチルア
ゾイソブチレート等を挙げることができるが、有機過酸
化物が好ましく用いられる。
【0024】なお、本発明において、被覆層に用いるシ
ラングラフトポリエチレン樹脂には線膨張係数の低減、
成形残留歪み開放による収縮の抑制等を目的として、無
機充填材を添加していてもよい。その具体例としては、
ガラス短繊維、アスベスト、ウォラストナイト、チタン
酸カリゥムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、タルク、
マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシュウム、
炭酸マグネシュウム、水酸化マグネシュウム、酸化マグ
ネシュウム、カオリンクレー、ロウ石クレー、カーボン
ブラック、グラファイト、酸化チタン等の、1種もしく
は2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】これらの無機充填材には、ポリエチレン樹
脂とのなじみをよくする為に表面処理を施しておくこと
が好ましい。表面処理剤としてはシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、ジルコニウム系カップリン
グ剤、アルミニュウム系カップリング剤、ジルコアルミ
ネート系カップリング剤等のカップリング剤が挙げられ
る。シラングラフトポリエチレン樹脂には、更に、本発
明の効果を損なわないような酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤等を添加してもよい。
【0026】
【作用】本発明の積層体の製造方法においては、先ず金
属体の表面に有機チタネート系プライマーを焼結した層
を形成する。このプライマー層は、焼結される際に生成
された酸化チタンを主成分として金属体表面と化学結合
により強固に密着していると共に、焼結によって無数の
微細なクラックが形成されているので、シラングラフト
ポリエチレン樹脂で被覆する場合、溶融樹脂がクラック
中に進入して、プライマー焼結層と樹脂層との接触面積
が増大すると同時に、クラック中に深く脚を伸ばしてい
るので、所謂アンカー効果が発揮され、樹脂被覆層はプ
ライマー焼結層を介して金属体と強固に接着される。
【0027】更に、本発明の場合、積層被覆する樹脂が
シラングラフトポリエチレン樹脂である為、熱や水に強
い化学結合(−Si−O−Ti−)により、ポリエチレ
ン樹脂被覆層とプライマー層は強く接着されていると推
察される。
【0028】しかも、本発明においては、プライマー焼
結層表面に加熱溶融して被覆層を形成する際に用いるシ
ラングラフトポリエチレン樹脂は、メルトインデックス
Aが特定されたポリエチレン樹脂をシラングラフト変性
することによって得たものを用い、更にこのシラングラ
フトポリエチレン樹脂のMIと水分量を特定範囲に限定
することにより流動性とシランカップリング剤の加水分
解の度合を適性な範囲にしたので、ポリエチレン樹脂と
プライマー焼層とが更に強固に接着された、接着耐久力
に優れた積層体が得られるのである。
【0029】
【実施例】以下の実施例、比較例において、樹脂のメル
トインデックスの測定はJISK 7210「熱可塑性
プラスチックの流れ試験方法」に準拠し、荷重2Kgに
て行い、樹脂の水分量の測定・評価は、カールフィッシ
ャー装置(三菱化成社製:型式VA−06とCA06の
組み合わせ)を用いて行った。
【0030】(実施例1)縦120mm、横120m
m、厚さ2mmの鋼板の片面にアルカリ液による脱脂処
理、硝酸による酸化膜除去処理を施した後、プライマー
組成物としてジーiープロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナト)チタンの60%イソプロパノール溶液を刷毛で
塗布し、400℃で5分間加熱・焼結して、厚さ40μ
mのプライマー焼結層を形成した。次いでプライマー焼
結層が形成された鋼板を加熱プレス機にて200℃に昇
温し、このプライマー焼結層の上に縦100mm、横1
00mm、厚さ2mmの枠体を載せ、枠体の中に以下に
詳述するシラングラフトポリエチレン樹脂を押出機より
190℃で溶融押出し、更にプレスして、厚さ2mmの
樹脂溶融被覆層を形成した積層体を得た。
【0031】なお、シラングラフトポリエチレン樹脂
は、見掛け比重0.935、メルトインデックス5.0g
/10分のL−LDポリエチレン樹脂100重量部に対
し、シラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)1重量
部及び有機過酸化物(t−ブチルパーオキサイド)0.
04重量部を混合し、190℃で混練・溶融押出するこ
とによりポリエチレン樹脂をグラフト変成して得た後、
ペレット状にして(190℃におけるMIは0.7g/
10min、水分量は60ppm)、その後恒温恒湿槽に
て40℃×80%×80時間の条件で加湿処理を行い、
これ(190℃におけるメルトインデックスBは0.3
g/10min、水分量は115ppm)を樹脂被覆層
用に供した。
【0032】この積層体について、JIS K6854
「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準じて鋼板と樹脂
被覆層の剥離接着強度を測定した(但し巾10mmの
「T形剥離試験片」で実施)結果は、25.9kgf/
10mmであった。次いでこの積層体を90℃の熱水に
5分間浸漬し、その後20℃の冷水に5分間浸漬する操
作を10000サイクイル繰り返す加熱−冷却試験を行
った。試験終了後、鋼板とプライマー層、プライマー層
と樹脂被覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無を観
察した結果、いずれにも剥離、隙間の発生、収縮等の異
常は認められなかった。又、加熱−冷却試験終了後につ
いても前記と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着
強度を測定した結果、22.8kgf/10mmであっ
た。
【0033】(実施例2)外径114mm、厚さ2m
m、長さ2mの鋼管の内面に、実施例1と同じ表面処理
を施した後、回転ブラシで実施例1と同じプライマー組
成物を塗布し、400℃で5分間加熱・焼結して、厚さ
30μmのプライマー焼結層を形成した。次いで、この
プライマー層表面(内面)に直ちに実施例1と同じシラ
ングラフトポリエチレン樹脂を190℃で押出し融着さ
せて、厚さ2.5mmの樹脂被覆層が形成された複合管
を得た。
【0034】この複合管の管端部をコニカル拡径法によ
り拡径して鍔返し加工し(鍔の外径144mm)、プラ
イマー層、樹脂被覆層の割れ及び各層間の剥離、隙間の
発生、収縮その他異常発生の有無を観察した結果、異常
は認められなかった。また、複合管の管内に90℃の熱
水を5000時間通水する熱水通水試験を行った後、各
層間の剥離、隙間の発生、収縮その他異常発生の有無を
観察した結果、異常は認められなかった。
【0035】(実施例3)実施例1と同じ方法で鋼板、
プライマー層、樹脂被覆層よりなる積層体を得た。但
し、被覆層に用いたシラングラフトポリエチレンは見掛
け比重0.919、メルトインデックス22g/10m
inのL−LDポリエチレン樹脂100重量部に対し、
シラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)1重量部及
び有機過酸化物(t−ブチルパーオキサイド)0.04
重量部を混合し、190℃で混練・溶融押出することに
よりポリエチレン樹脂をグラフト変成して得た後、ペレ
ット状にして(190℃におけるMIは10.5g/10
min、水分量は60ppm)、その後恒温恒湿槽にて
40℃×80%×8時間の条件で加湿処理を行い、これ
(190℃におけるメルトインデックスBは8.0g/
10min、水分量は95ppm)を樹脂被覆層用に供
した。
【0036】この積層体について実施例1と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果、2
4.8kgf/10mmであった。次いで実施例1と同
じ方法で加熱−冷却試験を行い、試験終了後の鋼板とプ
ライマー層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間の剥離
その他異常発生の有無を観察した結果、いずれにも剥
離、隙間の発生、収縮等の異常は認められなかった。
又、加熱−冷却試験終了後についても前記と同じ方法で
鋼板と樹脂被覆層間の剥離接着強度を測定した結果、2
2.5kgf/10mmであった。
【0037】(実施例4)実施例2と同じ方法で鋼管、
プライマー層及び樹脂被覆層よりなる複合管を得た。但
し、被覆層に用いたシラングラフトポリエチレン樹脂は
実施例3と同じものを用いた。この複合管について実施
例2と同じ方法で管端部を拡径して鍔返し加工し、プラ
イマー層及び樹脂被覆層の割れ、各層間の剥離、隙間の
発生、収縮その他異常発生の有無を観察した結果、異常
は認められなかった。次いで実施例2と同じ方法で熱水
通水試験を行った後、異常発生の有無を観察した結果、
鍔返し部を含め異常は認められなかった。
【0038】(比較例1)樹脂被覆層に用いるシラング
ラフトポリエチレン樹脂は、実施例1で加湿処理をしな
いものを用い、実施例1と同じ方法で鋼板、プライマー
層、及び樹脂被覆層よりなる積層体を得た。この積層体
について実施例1と同じ方法で鋼板と樹脂被覆層間の接
着強度を測定した結果、20.8kgf/10mmであ
った。
【0039】次いで実施例1と同じ方法で加熱−冷却試
験を行い、鋼板とプライマー層、プライマー層と樹脂被
覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無を観察した結
果、剥離、隙間の発生、収縮等の異常の発生は認められ
なかった。また、加熱−冷却試験終了後の鋼板と樹脂被
覆層間の剥離接着強度を測定した結果、15.9kgf
/10mmであった。
【0040】(比較例2)比較例1と同じ被覆層樹脂を
用いた以外は実施例2と同じ方法で、鋼管、プライマー
層及び樹脂被覆層よりなる複合管を得た。この複合管に
ついて実施例2と同じ方法で管端部を拡径して鍔返し加
工し、プライマー層、樹脂被覆層の割れ及び各層間の剥
離、隙間の発生、収縮その他異常発生の有無を観察した
結果、異常は認められなかった。但し、複合管の管内に
90℃の熱水を5000時間通水する熱水通水試験を行
った後、鍔返し部の先端の一部にプライマー層と樹脂被
覆層の剥離が見られた。
【0041】(比較例3)被覆層樹脂に用いるシラング
ラフトポリエチレン樹脂は、実施例1と同じようにシラ
ングラフト変性し、得られたペレットを後恒温恒湿槽で
70℃×80%RH×40時間の加加湿処理を行った。
加湿処理後のMIは0.1g/10分以下、水分量は1
65ppmであった。実施施例1と同じ方法で鋼板、プ
ライマー層、及び樹脂被覆層よりなる積層体を得た。被
覆層樹脂表面を黙視観察したところ一部発泡しているの
が見うけられた。この積層体について実施例1と同じ方
法で鋼板と樹脂被覆層間の接着強度を測定した結果、1
8.7kgf/10mmであった。
【0042】次いで実施例1と同じ方法で加熱−冷却試
験を行い、鋼板とプライマー層、プライマー層と樹脂被
覆層の各層間の剥離その他異常発生の有無を観察した結
果、剥離、隙間の発生、収縮等の異常の発生は認められ
なかった。但し、加熱−冷却試験終了後の鋼板と樹脂被
覆層間の剥離接着強度を測定した結果、11.5kgf
/10mmであった。
【0043】(比較例4)比較例3と同じ被覆層樹脂を
用いた以外は実施例2と同じ方法で、鋼管、プライマー
層及び樹脂被覆層よりなる複合管を得た。被覆層樹脂表
面を目視観察したところ部分的に発泡しているのが見う
けられた。アの複合管について実施例2と同じ方法で管
端部を拡径して鍔返し加工し、プライマー層、樹脂被覆
層の割れ及び各層間の剥離、隙間の発生、収縮その他異
常発生の有無を観察した結果、鍔部の端部にプライマー
層の一部割れがあり樹脂の剥離も見られた。また、複合
管の管内に90℃の熱水を5000時間通水する熱水通
水試験を行った後、各層間の剥離、隙間の発生、収縮そ
の他異常発生の有無を観察した結果、プライマー層と樹
脂被覆層の剥離が認められた。
【発明の効果】本発明の積層体の製造方法は、金属体の
表面に有機チタネート系プライマーを焼結した層を形成
し、その焼結層の表面に、メルトインデックスAが特定
されたポリエチレン樹脂から得られ、更にメルトインデ
ックスB及び水分量が特定されたシラングラフトポリエ
チレン樹脂を、加熱溶融被覆して被覆層を形成するの
で、金属体とプライマー層が強固に密着されており、プ
ライマー層と樹脂被覆層が強固に接着されているので、
接着強度、耐熱水性、耐蝕性、耐久性及び二次加工時の
耐久性に優れている積層体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属体の表面に有機チタネート系プライマ
    ーを焼結した層を形成し、その焼結層の表面に、190
    ℃におけるメルトインデックスAが1〜50g/10分で
    あるポリエチレン樹脂をシランカップリング剤とラジカ
    ル開始剤との存在下に加熱して得られた190℃におけ
    るメルトインデックスBがメルトインデックスAの2分
    の1以下であり且つ0.1〜15g/10分であるシラン
    グラフトポリエチレン樹脂であって、水分量が70〜1
    50ppmである該シラングラフトポリエチレン樹脂
    を、加熱溶融被覆して被覆層を形成することを特徴とす
    る積層体の製造方法。
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