JP3112756B2 - 複合管 - Google Patents

複合管

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JP3112756B2 JP04302309A JP30230992A JP3112756B2 JP 3112756 B2 JP3112756 B2 JP 3112756B2 JP 04302309 A JP04302309 A JP 04302309A JP 30230992 A JP30230992 A JP 30230992A JP 3112756 B2 JP3112756 B2 JP 3112756B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は複合管に関し、特に給
水、給湯、排水等の用途に適した複合管に関する。
【従来の技術】従来、給水、給湯、排水等の用途に使用
される管としては、金属管の内面に接着剤層を介して管
状の樹脂被覆層を設けた複合管、あるいは接着剤を使用
することなく直接、金属管の内面に樹脂を溶融接着して
被覆した複合管等が知られている。特にポリオレフィン
樹脂のライニングを施した複合管は、耐蝕性や、圧力・
衝撃等の外力に対して優れ、且つ安価なために広く用い
られている。しかし、ポリオレフィン樹脂は分子中に極
性基を有しないために、金属との接着性が悪く、金属管
との接着面から剥離し易いという問題点を持っている。
【0001】このような問題点を解決するために、特開
昭52−78983号公報には、シランカップリング剤
によりグラフト変性させたポリオレフィン樹脂を用い
て、金属との良好な接着性を得る方法が開示されてい
る。この方法によって得られるシラングラフト変性させ
たポリオレフィン樹脂は、分子内にアルコキシシラン基
(Si−OR基、R:アルキル基)を有しており、アル
コキシシラン基は水分や酸によって加水分解反応を起こ
してシラノール基(Si−OH基)に変化する。このシ
ラノール基は極性基であるため、金属との接着性を持
ち、高温状態での接着耐久性においても非常に優れてい
る。また、シラングラフト変性ポリオレフィン樹脂は熱
水により容易に架橋し、且つ、耐熱性も従来のポリオレ
フィン樹脂に比べて優れているという利点がある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シラン
グラフト変性ポリオレフィン樹脂を溶融接着した複合管
も、長期間使用すると管内を流れる温水や熱水が僅かづ
つ樹脂層の表面から吸収され、樹脂被覆層内を拡散して
樹脂被覆層と金属の界面に達する。界面に達した水はそ
こに溜まって金属を錆びさせるとともに、水の拡散圧力
も加わって、樹脂被覆層を金属から引き剥がそうとし、
これによって金属と樹脂の接着強度が低下し、やがては
樹脂被覆層が金属面から完全に剥離してしまう。そし
て、このような状態で管内が減圧状態になると、樹脂被
覆層が管内部へ向かって潰れ、いわゆる管閉塞が生じ
て、管としての機能を果たさなくなる。
【0003】本発明は上記のような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであって、耐水性、耐熱水性、耐久
性等に優れた金属管とシラングラフト変性ポリオレフィ
ン樹脂層とよりなる複合管を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の複合管は、金属管の内面に不動態皮膜が
形成され、該不動態皮膜の内面に有機チタネート系プラ
イマー組成物を焼結したプライマー層が形成され、プラ
イマー層の内面にシラングラフト変性ポリオレフィン樹
脂が溶融接着された樹脂被覆層が形成されていることを
要旨とするものである。
【0005】本発明において使用される金属管の材料と
しては、鉄鋼、アルミニウム及びその合金、銅及びその
合金等が挙げられる。
【0006】金属管の内面は、プライマー層との密着性
を良好にするために、サンドブラスト、塩酸、硫酸、硝
酸等による錆等の酸化膜除去処理、アルカリ等による脱
脂処理等を施すことが好ましい。
【0007】本発明において、金属管の内面に形成され
る不動態皮膜とは、例えば鉄のような「卑」な金属の表
面に形成された、空気中の酸素と水によって錆を生じる
ことのない、貴金属の表面のように安定した酸化皮膜で
ある。不動態皮膜の形成方法としては、例えば鉄鋼の場
合、濃硝酸中に浸漬する方法、あるいは、ステンレス鋼
の場合、5%程度の硝酸と15%程度の塩酸の混酸中に
浸漬する方法等が挙げられる。
【0008】本発明において、有機チタネート系プライ
マー組成物としては、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(ト
リエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス
(ラクタト)チタン等が挙げられる。
【0009】金属管の内面に形成された不動態皮膜の内
面に有機チタネート系プライマー組成物を焼結したプラ
イマー層を形成する方法としては、金属管の内面に、ロ
ール、刷毛、コーティングロッド等の通常の塗布手段を
使用してプライマー組成物を塗布後、これを加熱して乾
燥・焼結する。
【0010】プライマー組成物の加熱方法としては、バ
ーナーで加熱する、熱風を吹付ける、誘導加熱を使用す
る等の公知の加熱方法が挙げられる。加熱温度は、30
0〜450℃、好ましくは350〜420℃とする。
【0011】本発明において、シラングラフト変性ポリ
オレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂にシランカップ
リング剤と有機過酸化物を混合し、加熱溶融することに
よって得られる。
【0012】ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
線形低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン等が挙げられる。
【0013】シランカップリング剤としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等が挙げられる。
【0014】また、有機過酸化物としては、ジメチルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサ
イド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0015】金属管の内面にシラングラフト変性ポリオ
レフィン樹脂を溶融接着した樹脂被覆層を形成する方法
としては、例えば、予め製管され、不動態皮膜及びその
上(内面)にプライマー層が形成された金属管の内面
に、押出機で混練・溶融したシラングラフト変性ポリオ
レフィン樹脂を押出し被覆する方法、不動態皮膜及びそ
の上にプライマー層が形成された帯状金属板を連続的に
円形に曲げ加工及び溶接して製管しつつ、その内面に溶
融した上記樹脂を連続的に押出して被覆する方法等が挙
げられるが、大量生産には後者の方が適しており、且つ
効率的である。
【0016】
【作用】本発明の複合管の内面は、金属の表面に不動態
皮膜が形成されており、この不動態皮膜は電気化学的に
安定しているので、金属の表面には錆が発生し難い。
【0017】不動態皮膜の上には、有機チタネート系プ
ライマー組成物を焼結したプライマー層が形成されて強
固に密着している。
【0018】また、プライマー層の上には、金属との接
着性に優れたシラングラフト変性ポリオレフィン樹脂が
溶融接着され、且つ、プライマー層はプライマー組成物
が焼結されたものであって、その表面には無数の微細な
クラックがあり、溶融したシラングラフト変性ポリオレ
フィン樹脂がクラック内に入りこんで、いわゆるアンカ
ー効果が発揮されるので、プライマー層とシラングラフ
ト変性ポリオレフィン樹脂が強固に接着された樹脂被覆
層が形成される。
【0019】上記の結果、本発明の複合管は、各層間が
強固に接着された、従って全体として非常に強い防食被
覆が形成された構造となっおり、長期間の使用で水、熱
水、等が樹脂被覆層中を拡散しても、容易に各層間の剥
離が発生することがない。また、たとえ水や熱水が金属
と樹脂被覆層の界面に達しても金属は錆び難く、従って
錆による接着強度の低下が阻止される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を、実施例により説明する。 (実施例1)厚さ1.5mm、巾271mmの、コイル
状の冷延鋼板フープ材を連続的に巻きほどきながら、リ
ン酸ソーダ系脱脂剤で脱脂処理した後、10%硝酸溶液
に浸漬してエッチングし、更に60%硝酸溶液に浸漬し
て、表面に不動態皮膜を形成した。
【0021】次いで、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナト)チタンを均一に塗布し、350℃に加
熱して乾燥・焼結させてプライマー層を形成し、ロール
フォーミング装置で円管状に成形し、両縁部を溶接して
鋼管を製造しつつ、鋼管内に挿入した樹脂押出成形金型
から、押出機で200℃で混練・溶融したシラングラフ
ト変性ポリエチレン(MI(190℃): 0.7g/10分)を押出
し接着して、3mmの厚さの樹脂被覆層を形成した複合
管を得た。
【0022】なお、シラングラフト変性ポリエチレン
は、ポリエチレン樹脂(MI(190℃):10g/10分,密
度:0.932g/cm3)に、ビニルトリメトキシシランとジ−
t−ブチルパーオキサイドを混合し、加熱溶融して得ら
れたものである。
【0023】次いでこの複合管について、JIS K6
854「接着剤の剥離接着強さ試験方法」によって剥離
接着強度を測定した結果、42.3kgf/20mmで
あった。
【0024】更に、この複合管1mに90℃の熱水を2
0000時間通水した後取り出し、上記と同様に剥離接
着強度を測定した結果、38.5kgf/20mmであ
った。
【0025】(実施例2)厚さ0.5mm、巾271m
mのステンレス鋼板フープ材を用いたこと、5%硝酸と
15%塩酸の混酸に浸漬してエッチングして不動態皮膜
を形成したこと、及び有機チタネート系プライマー組成
物としてジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ナト)チタンを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法
で複合管を得た。
【0026】この複合管について、実施例1と同じ方法
で剥離接着強度を測定した結果、39.8kgf/20
mmであった。
【0027】更に、実施例1と同じ方法で90℃の熱水
を20000時間通水した後の剥離接着強度を測定した
結果、37.5kgf/20mmであった。
【0028】(比較例)リン酸ソーダ系脱脂剤で脱脂処
理した後、10%硝酸溶液に浸漬してエッチングを行っ
た(不動態皮膜は形成されていない)以外は、実施例1
と同じ方法で複合管を得た。
【0029】この複合管について、実施例1と同じ方法
で剥離接着強度を測定した結果、39.3kgf/20
mmであった。
【0030】更に、実施例1と同じ方法で90℃の熱水
を20000時間通水した後の剥離接着強度を測定しよ
うとしたところ、樹脂被覆層が金属面から完全に剥離し
てしまった。
【0031】以上、実施例1、2、及び比較例の結果
を、表1にまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の複合管は、金属の表面に錆が発生し難い不動態皮膜が
形成されており、不動態皮膜の上には、有機チタネート
系プライマー組成物を焼結したプライマー層が形成され
て強固に密着している。更に、プライマー層の上には、
金属との接着性に優れたシラングラフト変性ポリオレフ
ィン樹脂が溶融接着され、且つ、プライマー層の表面に
無数に形成された微細なクラック内に入りこんだ樹脂被
覆層が形成されているので、全体として非常に強い防食
被覆が形成された構造となっおり、長期間の使用で水、
熱水等が樹脂被覆層中を拡散しても、金属と樹脂被覆層
との剥離や金属の錆が容易に発生することがなく、耐熱
水性、耐蝕性、耐久性が優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内面に不動態皮膜が形成され、
    該不動態皮膜の内面に有機チタネート系プライマー組成
    物を焼結したプライマー層が形成され、プライマー層の
    内面にシラングラフト変性ポリオレフィン樹脂が溶融接
    着された樹脂被覆層が形成されていることを特徴とする
    複合管。
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