JPH07290634A - 内面樹脂被覆金属管の製造方法 - Google Patents

内面樹脂被覆金属管の製造方法

Info

Publication number
JPH07290634A
JPH07290634A JP6091633A JP9163394A JPH07290634A JP H07290634 A JPH07290634 A JP H07290634A JP 6091633 A JP6091633 A JP 6091633A JP 9163394 A JP9163394 A JP 9163394A JP H07290634 A JPH07290634 A JP H07290634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
primer
coated metal
metal pipe
sintered layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6091633A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Yasushi Goto
靖志 五藤
Koji Matsumoto
晃治 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6091633A priority Critical patent/JPH07290634A/ja
Publication of JPH07290634A publication Critical patent/JPH07290634A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍔返し加工等の曲げ加工時にプライマー焼結
層の破壊や樹脂被覆層の剥離が発生せず、耐久性の優れ
た内面樹脂被覆金属管の製造方法を提供する。 【構成】 金属管の内面に、濃度20〜40重量%の有
機チタネート溶液からなるプライマーを塗布し、これを
加熱してプライマーの焼結層を形成し、その表面にメル
トインデックス0.2〜10g/10分のシラン変性ポ
リエチレン樹脂を押出被覆し、目的の内面樹脂被覆金属
管を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐久性に優れた内面
樹脂被覆金属管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂被覆金属体の製造方法として、特開
平5−169585号公報には、金属体面に、有機チタ
ネート溶液からなるプライマーを塗布し、これを加熱し
てプライマーの焼結層を形成し、その上にシラン変性ポ
リエチレン樹脂を押出被覆する方法が開示されている。
【0003】ここで、有機チタネート溶液としては、例
えば濃度60重量%の溶液が使用され、シラン変性ポリ
エチレン樹脂としては、例えばシラン変性直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
得られる内面樹脂被覆金属管は、有機チタネートを焼結
してなるプライマー層によって、金属体とシラン変性ポ
リエチレン樹脂の被覆層との接着性が相当に改善される
が、耐久性の点でまだ充分に満足すべきものではない。
【0005】すなわち、このような内面樹脂被覆金属管
は、一般に管端部を樹脂被覆層とともに外側に鍔返し加
工され、この鍔返し部にフランジを係止するルーズフラ
ンジ方式で接続され、熱水や薬液の移送に使用される。
【0006】上記鍔返し加工等の曲げ加工時には強い応
力がかり、曲げ加工部のプライマー焼結層の破壊(割
れ)や樹脂被覆層の剥離が発生することがあり、このよ
うな内面樹脂被覆金属管を接続して長期間にわたって使
用すると、金属管内面に錆や腐食が発生することがあ
る。
【0007】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、鍔返し加工等の曲げ加工
時にプライマー焼結層の破壊や樹脂被覆層の剥がれが発
生せず、耐久性の優れた内面樹脂被覆金属管の製造方法
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、金属管の
内面に、濃度20〜40重量%の有機チタネート溶液か
らなるプライマーを塗布し、これを加熱してプライマー
の焼結層を形成し、その表面にメルトインデックス0.
2〜10g/10分のシラン変性ポリエチレン樹脂を押
出被覆することにより達成することができる。
【0009】この発明において、金属管としては、鉄
管、鋼管、ステンレス管、アルミニウム管等が挙げられ
る。これ等の金属管の内面は、プライマーとの接着性を
良好にするために、一般にブラスト処理、アルカリ等に
よる脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等による酸洗い処理等
が施される。但し、燐酸塩等による化成皮膜処理は、プ
ライマーの焼結層との接着を阻害する場合があるので、
かかる処理を施さずに金属管内面に直接プライマーの焼
結層を形成するほうが好ましい。
【0010】上記金属管の内面に、濃度20〜40重量
%の有機チタネート溶液からなるプライマーが塗布され
る。プライマーの塗布方法としては、ブラシ、刷毛、コ
ーティングロッド等の方法が採用される。また、初めか
ら金属管を用いることなく金属の帯状体を用い、これを
螺旋状に巻いて溶接し製管しながら上記プライマーを塗
布する方法も採用される。
【0011】有機チタネートとしては、テトラ−iso
−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テ
トラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラ
ステアリルオキシチタン、ジ−iso−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・
ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ
・ビス(ラクタト)チタン等が挙げられる。
【0012】これ等の有機チタネートは、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、iso−プロパノール等のアルコ
ール類、n−ヘキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、水等の溶剤の中から選ば
れる適当な溶剤により希釈され、有機チタネート溶液と
される。
【0013】有機チタネートの種類により、これを溶解
する溶剤が異なり、例えば、テトラ−iso−プロポキ
シチタンの溶剤としては、iso−プロパノール、トル
エン、クロロベンゼンが適当であり、ジ−iso−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの溶剤とし
ては、iso−プロパノールやトルエンが適当である。
【0014】ここで、有機チタネートの溶液濃度を20
〜40重量%と限定した理由は、次の通りである。
【0015】すなわち、有機チタネートの溶液濃度が2
0重量%未満では、塗布時の作業性がよく、プライマー
層が均一となるが、厚みを厚くすることができず、接着
耐久性が低下する。逆に、溶液濃度が40重量%を越え
ると、塗布時の作業性が悪く、均一なプライマー層が得
られず、しかも厚みが厚くなりすぎてプライマー焼結層
の延性が低下し、曲げ加工時に割れたり、樹脂被覆層が
剥がれることがある。特に、有機チタネートの溶液濃度
は25〜35重量%が好ましい。
【0016】金属管の内面に上記プライマーが塗布され
た後、加熱されてプライマーの焼結層が形成される。加
熱方法としては、熱風による加熱法、バーナーによる加
熱法、誘導加熱法等の公知の加熱法が採用される。加熱
温度は270〜420℃が好ましく、320〜400℃
がさらに好ましい。プライマー焼結層の厚さは5〜50
μm が好ましく、10〜30μm がさらに好ましい。
【0017】そして、上記プライマー焼結層の上に、メ
ルトインデックス0.2〜10g/10分のシラン変性
ポリエチレン樹脂が押出被覆される。シラン変性ポリエ
チレン樹脂の押出被覆には、一般にクロスヘッド金型を
付設したスクリュー型押出機が使用され、樹脂を溶融混
練しながら押出被覆される。樹脂被覆層の厚さは、一般
に0.05〜3mm程度とされる。
【0018】シラン変性ポリエチレン樹脂は、ポリエチ
レン樹脂に有機シラン化合物を加え、これをラジカル発
生剤の存在下で押出機やロールにより溶融混練し、ラジ
カル発生剤の作用によりポリエチレン樹脂に有機シラン
化合物をグラフトさせることにより得ることができる。
【0019】ここで、ポリエチレン樹脂としては、通常
の低密度、中密度、高密度ポリエチレン及び線状低密度
ポリエチレンが用いられ、特に線状低密度ポリエチレン
はグラフト効率がよく好適である。
【0020】また、有機シラン化合物は、加水分解可能
なアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基)を含み、且つ不飽和炭化水素基(例えば、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基で、特にビニル基が好
適)を含むものであって、その代表例として、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン
等がある。
【0021】また、ラジカル発生剤としては、ジクミル
パーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、2,5−ジ
−メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキサイド)ヘ
キサン等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリ
ル、ジメチルアゾイソブチレート等の有機アゾ化合物が
用いられる。
【0022】有機シラン化合物は、ポリエチレン樹脂1
00重量部に対して、一般に0.5〜5重量部、好まし
くは1〜3重量部が配合される。また、ラジカル発生剤
は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、一般に
0.0015〜2重量部、好ましくは0.0025〜
0.04重量部が配合される。
【0023】上記有機シラン化合物をグラフトさせた直
後のシラン変性ポリエチレン樹脂は、接着に必要な官能
基であるシラノール基の割合が充分でなく、加水分解に
よって適度のシラノール基を得るために、恒温恒湿槽等
を用いて、適当な条件(温度、湿度、時間)で加湿処理
を行う。場合によっては、樹脂を紙袋等に入れ特定の条
件で長期間保管する方法で加湿してもよい。
【0024】特に、恒温恒湿槽を用いて加湿処理を行う
方法が好適で、この加湿処理後に水滴が付着して湿った
感触がある場合は、押出被覆の際に気泡が発生する恐れ
があり、これを防止するためにオーブン等で50〜60
℃で約15分程度乾燥させるのが好ましい。
【0025】押出被覆に用いる上記シラン変性ポリエチ
レン樹脂のメルトインデックスを0.2〜10g/10
分と限定した理由は、次の通りである。なお、このメル
トインデックスは、JIS K 7210に基づいて試
験温度190℃、試験荷重2.16 kgf の条件で測定
された値である。
【0026】すなわち、メルトインデックスが0.2g
/10分未満では、過剰にグラフト変性や加水分解が行
われて樹脂の架橋がかなり進行しており、このような樹
脂を押出被覆する際にはゲルの発生が多く見られ、ま
た、プライマー焼結層に形成されるクラックの中に押出
被覆された溶融樹脂が入りにくくなり、充分なアンカー
効果が得られなくなり、金属管と被覆樹脂との接着力が
低下する。逆に、メルトインデックスが10g/10分
を超えると、グラフト変性や加水分解が充分に行われて
おらず、樹脂の架橋が充分に進行していないため、金属
管と被覆樹脂との接着性が低下する。
【0027】なお、上記シラン変性ポリエチレン樹脂に
は、線膨張係数の低減、成形収縮の抑制を目的として、
必要に応じて、ガラス短繊維、アスベスト、ウォラスト
ナイト、チタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイス
カー、タルク、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、カ
オリンクレー、ロウ石フレー、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化チタンカリウム、ホイスカ等の無機充填
材が含有されてもよい。
【0028】これ等の無機充填材には、シラン変性ポリ
エチレン樹脂とのなじみを良くするために表面処理を施
すのが好ましい。表面処理剤としては、シランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウム系カップ
リング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアル
ミネート系カップリング剤等のカップリング剤が挙げら
れる。
【0029】また、必要に応じて、カーボンブラック等
の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など公知の添加剤
が含有されてもよい。
【0030】
【作用】金属管の内面に、有機チタネート溶液からプラ
イマーを塗布し、これを加熱してプライマーの焼結層を
形成すると、有機チタネートの作用により主とし酸化チ
タンが生成し、これが金属管と強固に化学結合し、金属
管とプライマーの焼結層との接着性が向上する。
【0031】この場合、濃度20〜40重量%の有機チ
タネート溶液からプライマーを用いると、プライマーの
塗布作業性がよく均一に塗布でき、延性の良好なプライ
マー焼結層が形成され、曲げ加工時に強い応力がかかっ
てもプライマー焼結層の破壊(割れ)が防止される。
【0032】上記プライマー焼結層を電子顕微鏡で観察
すると、その表面に無数の小さなクラックが発生してお
り、このようにして形成されたプライマーの焼結層の表
面に、シラン変性ポリエチレン樹脂を押出被覆すると、
焼結層表面の無数の小さなクラックの中に溶融状態の樹
脂が入り込んでアンカー効果が生じる。しかも、被覆樹
脂中のシラン化合物の加水分解によるシラノール基によ
り熱や水に強い化学結合(−Si−O−Ti−)が生
じ、被覆樹脂が架橋する。上記アンカー効果とこの化学
結合とにより、プライマー焼結層と被覆樹脂とが強固に
接着し、被覆樹脂の耐熱性も向上する。
【0033】この場合、メルトインデックス0.2〜1
0g/10分のシラン変性ポリエチレン樹脂を用いる
と、樹脂の流動性と接着に必要なシラノール基の割合と
が適当なものとなり、焼結層表面の無数の小さなクラッ
クの中に溶融状態の樹脂が深く浸入し金属面に達して上
記アンカー効果と化学結合とがより一層有効に働き、曲
げ加工時に強い応力がかかっても樹脂被覆層の剥離が防
止される。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 樹脂被覆金属管の製造 有機チタネート溶液からなるプライマーとして、ジ−i
so−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
(T−50:日本曹達社製)の25重量%i−プロパノ
ール溶液を用意した。
【0035】また、シラン変性ポリエチレン樹脂とし
て、線状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.935g/
cm3 、メルトインデックス5g/10分)100重量部
とビニルトリメトキシシラン1重量部とジブチルパーオ
キサイド0.04重量部とを混合し、これを押出機によ
り190℃で溶融混練しペレタイザーにかけてペレット
に成形し、これを恒温恒湿槽(温度40℃、相対湿度8
0%)で80時間加湿処理したペレット状樹脂を用意し
た。
【0036】このペレット状樹脂のメルトインデックス
は0.3g/10分であった。なお、加湿処理前のペレ
ット状樹脂のメルトインデックスは0.7g/10分で
あった。
【0037】先ず、鋼管(外径114mm、厚さ2mm、長
さ5m)の内面をアルカリ液による脱脂及び硝酸による
酸洗い処理し、この鋼管の内面に上記有機チタネート溶
液からなるプライマーを回転ブラシにより塗布し、これ
を誘導加熱により400℃で5分間加熱することによ
り、鋼管の内面にプライマーの焼結層を形成した。この
プライマー焼結層の厚さは12μm で、電子顕微鏡で観
察すると、その表面に無数の小さなクラック(ひび割
れ)が発生していた。
【0038】次いで、クロスヘッド金型を付設した押出
機を用いて、上記鋼管内面のプライマー焼結層の上に、
上記シラン変性ポリエチレン樹脂を190℃で溶融混練
しながら押出被覆して厚さ2.5mmの樹脂被覆層を形成
た。こうして内面樹脂被覆金属管を製造した。
【0039】内面樹脂被覆金属管の性能評価 上記内面樹脂被覆金属管を、慣用の鍔返し装置の管固定
用金型に取り付けて固定し、管端部にテーパー状雄金型
を挿入して押圧していき、管端部をテーパー状(45
°)に外向きに鍔返し加工を行った。次いで、テーパー
状雄金型を、凸状雄金型に取り替えて挿入して押圧して
いき、内面樹脂被覆金属管の管端部を最終的に20mm幅
にわたり90°外向きに鍔返し加工を行って、鍔返し内
面樹脂被覆金属管を作製した。
【0040】この鍔返し内面樹脂被覆金属管について、
鍔返しによって90°に屈曲された部分のプライマー焼
結層及び樹脂被覆層の割れ、各層間の剥がれや隙間の発
生、収縮その他の異常発生の有無を観察した(以下、常
温での性能試験と呼ぶ)。その結果、何ら異常は認めら
れなかった。また、上記返鍔返し内面樹脂被覆金属管を
80℃のオーブンに1週間入れた後、上記と同様に異常
発生の有無を観察した(以下、高温での性能試験と呼
ぶ)。この場合も、何ら異常は認められなかった。
【0041】さらに、上記内面樹脂被覆金属管の鍔返し
加工の際に、樹脂被覆金属管に予め連結用のルーズフラ
ンジを挿入しておいて、90°外向きに鍔返し加工を行
って、ルーズフランジ付きの鍔返し内面樹脂被覆金属管
を作製した。このルーズフランジ付きの鍔返し内面樹脂
被覆金属管を連結し、この管内に90℃の熱水を500
0時間循環させ、上記と同様に異常発生の有無を観察し
た(以下、熱水循環での性能試験と呼ぶ)。この場合
も、何ら異常は認められなかった。
【0042】実施例2 有機チタネート溶液からなるプライマーとして、ジ−i
so−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
(T−50:日本曹達社製)の35重量%i−プロパノ
ール溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。但し、プライマー焼結層の厚さは22μm である。
【0043】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかった。また、熱水循環での性能試験でも何ら異
常は認められなかった。
【0044】実施例3 シラン変性ポリエチレン樹脂として、線状低密度ポリエ
チレン樹脂(密度0.935g/cm3 、メルトインデッ
クス5g/10分)100重量部とビニルトリメトキシ
シラン1重量部とジブチルパーオキサイド0.01重量
部とを混合し、これを押出機により190℃で溶融混練
しペレタイザーにかけてペレットに成形し、これを恒温
恒湿槽(温度40℃、相対湿度70%)で10時間加湿
処理したペレット状樹脂を用いた。
【0045】このペレット状樹脂のメルトインデックス
は2.2g/10分であった。なお、加湿処理前のペレ
ット状樹脂のメルトインデックスは3.5g/10分で
あった。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0046】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかった。また、熱水循環での性能試験でも何ら異
常は認められなかった。
【0047】実施例4 シラン変性ポリエチレン樹脂として、線状低密度ポリエ
チレン樹脂(密度0.935g/cm3 、メルトインデッ
クス20g/10分)100重量部とビニルトリメトキ
シシラン1重量部とジブチルパーオキサイド0.04重
量部とを混合し、これを押出機により190℃で溶融混
練しペレタイザーにかけてペレットに成形し、これを恒
温恒湿槽(温度40℃、相対湿度70%)で4時間加湿
処理したペレット状樹脂を用いた。
【0048】このペレット状樹脂のメルトインデックス
は4.5g/10分であった。なお、加湿処理前のペレ
ット状樹脂のメルトインデックスは10.3g/10分
であった。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0049】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかった。また、熱水循環での性能試験でも何ら異
常は認められなかった。
【0050】比較例1 有機チタネート溶液からなるプライマーとして、ジ−i
so−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
(T−50:日本曹達社製)の35重量%i−プロパノ
ール溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。但し、プライマー焼結層の厚さは7μm である。
【0051】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかった。しかし、熱水循環試験では管端より20
mmの樹脂被覆層に剥離が認められた。
【0052】比較例2 有機チタネート溶液からなるプライマーとして、ジ−i
so−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
(T−50:日本曹達社製)の80重量%i−プロパノ
ール溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。但し、プライマー焼結層の厚さは70μm である。
【0053】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験では何ら異常は認められなかった。しか
し、高温での性能試験では80℃のオーブンに入れ15
分後に鍔部全周にわたり樹脂被覆層の剥離が発生し、プ
ライマー焼結層の破壊(割れ)も多く発生した。なお、
熱水循環試験では何ら異常は認められなかった。
【0054】比較例3 シラン変性ポリエチレン樹脂として、線状低密度ポリエ
チレン樹脂(密度0.935g/cm3 、メルトインデッ
クス20g/10分)100重量部とビニルトリメトキ
シシラン1重量部とジブチルパーオキサイド0.04重
量部とを混合し、これを押出機により190℃で溶融混
練しペレタイザーにかけてペレットに成形し、これを恒
温恒湿槽(温度40℃、相対湿度70%)で8時間加湿
処理したペレット状樹脂を用いた。
【0055】このペレット状樹脂のメルトインデックス
は12.2g/10分であった。なお、加湿処理前のペ
レット状樹脂のメルトインデックスは14.0g/10
分であった。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0056】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかった。しかし、熱水循環試験では管端より10
0mmの樹脂被覆層に剥離が認められた。
【0057】比較例4 シラン変性ポリエチレン樹脂として、線状低密度ポリエ
チレン樹脂(密度0.920g/cm3 、メルトインデッ
クス2g/10分)100重量部とビニルトリメトキシ
シラン1重量部とジブチルパーオキサイド0.04重量
部とを混合し、これを押出機により190℃で溶融混練
しペレタイザーにかけてペレットに成形し、これを恒温
恒湿槽(温度40℃、相対湿度70%)で8時間加湿処
理したペレット状樹脂を用いた。
【0058】このペレット状樹脂のメルトインデックス
は0.1g/10分であった。なお、加湿処理前のペレ
ット状樹脂のメルトインデックスは0.3g/10分で
あった。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0059】得られた鍔返し内面樹脂被覆金属管の常温
での性能試験及び高温での性能試験では何ら異常は認め
られなかったが、性能試験の内面樹脂被覆金属管の樹脂
被覆層にはゲルの発生が認められた。また、熱水循環試
験では管端より60mmの樹脂被覆層に剥離が認められ。
【0060】
【発明の効果】上述の通り、この発明の内面樹脂被覆金
属管の製造方法は、金属管の内面に、濃度20〜40重
量%の有機チタネート溶液からなるプライマーを塗布
し、これを加熱してプライマーの焼結層を形成し、その
表面にメルトインデックス0.2〜10g/10分のシ
ラン変性ポリエチレン樹脂を押出被覆するもので、この
ような製造方法によれば、鍔返し加工等の曲げ加工時に
プライマー焼結層の破壊や樹脂被覆層の剥離が発生せ
ず、耐久性の優れた内面樹脂被覆金属管を得ることがで
きる。
【0061】したがって、この発明方法により得られる
内面樹脂被覆金属管は、特に管端部を樹脂被覆層ととも
に外側に鍔返し加工し、この鍔返し部にフランジを係止
するルーズフランジ方式で接続し、熱水や薬液の移送に
使用される配管として好適に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内面に、濃度20〜40重量%
    の有機チタネート溶液からなるプライマーを塗布し、こ
    れを加熱してプライマーの焼結層を形成し、その表面に
    メルトインデックス0.2〜10g/10分のシラン変
    性ポリエチレン樹脂を押出被覆することを特徴とする内
    面樹脂被覆金属管の製造方法。
JP6091633A 1994-04-28 1994-04-28 内面樹脂被覆金属管の製造方法 Pending JPH07290634A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6091633A JPH07290634A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 内面樹脂被覆金属管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6091633A JPH07290634A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 内面樹脂被覆金属管の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07290634A true JPH07290634A (ja) 1995-11-07

Family

ID=14031952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6091633A Pending JPH07290634A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 内面樹脂被覆金属管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07290634A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6815493B2 (ja) 鋼板表面処理用溶液組成物及びこれを用いて表面処理された鋼板
JP2006010063A (ja) 管端防食コア付樹脂ライニング鋼管およびその製造方法
WO2004011231A1 (ja) 樹脂ライニング鋼管およびその製造方法
WO2006054731A1 (ja) 樹脂ライニング鋼管およびその製造方法
JPH07290634A (ja) 内面樹脂被覆金属管の製造方法
JP4866254B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンを用いた電線・ケーブルの製造方法
JP4132687B2 (ja) 加工性、スポット溶接性に優れた耐熱プレコート鋼鈑
JP3302167B2 (ja) 樹脂被覆金属体の製造方法
JPH0780991A (ja) 積層体の製造方法
JPS6112516B2 (ja)
JPH05269919A (ja) 金属積層体
JP3219538B2 (ja) 積層体の製造方法
JP3257870B2 (ja) 積層体の製造方法
JPH05329982A (ja) 積層体
JPH06166140A (ja) 積層体及びその製造方法
JP4364315B2 (ja) 耐熱酸化劣化性および耐候性に優れたポリプロピレン被覆鋼管およびその製造方法
JP3112756B2 (ja) 複合管
JPH08303681A (ja) 給湯用複合管
JP4656499B2 (ja) 自動車用モールディングおよびその製造方法
JPH0866986A (ja) 積層体の製造方法
JPS6372377A (ja) ポリオレフイン樹脂粉体融着被覆鋼材の製造方法
JPH06115002A (ja) 積層体の製造方法
JPH0726707B2 (ja) 複合管
JPH07232402A (ja) 積層体及びその製造方法
JPH06115001A (ja) 積層体の製造方法