JPH06270332A - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JPH06270332A
JPH06270332A JP6669193A JP6669193A JPH06270332A JP H06270332 A JPH06270332 A JP H06270332A JP 6669193 A JP6669193 A JP 6669193A JP 6669193 A JP6669193 A JP 6669193A JP H06270332 A JPH06270332 A JP H06270332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer layer
resin coating
coating layer
resin
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6669193A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Takematsu
敏行 竹松
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Yasushi Goto
靖志 五藤
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6669193A priority Critical patent/JPH06270332A/ja
Publication of JPH06270332A publication Critical patent/JPH06270332A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属体及び樹脂被覆層との密着性が良好で凝
集強度の高いプライマー層を形成することによって、プ
ライマー層の金属面からの剥離を起こりにくくし、耐蝕
性、耐熱性、耐久性、二次加工性の優れた積層体を得
る。 【構成】 鋼板21の表面に、有機チタネート(ジ−i
−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン)に
繊維状充填材(チタン酸カリウムウイスカー)を添加し
たプライマー組成物を塗布後、400℃で加熱・焼結し
たプライマー層7が形成され、その上に押出機で溶融混
練したシラン架橋ポリエチレンをプレス・積層した樹脂
被覆層42が形成されている積層体11。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属体と合成樹脂(以下
単に「樹脂」と称する)との積層体に関し、耐蝕性、接
着性、接着耐久性、二次加工性等に優れた積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属に耐蝕性を持たせるために、
その表面に、耐蝕性に優れた樹脂被覆層を、接着剤を使
用することなく直接融着して設けた積層体、あるいは接
着剤層を介して設けた積層体が知られている。このよう
な積層体は、屋根材、外壁材、雨樋のような建材、家電
製品のハウジング、自動車部材等の用途に広く使用され
ている。
【0003】これらの積層体においては、金属と樹脂被
覆層との初期接着強度は概して強く、短期間の使用に対
してはほぼ良好な使用結果が得られている。
【0004】しかし、長期間使用する間に、樹脂被覆層
の表面からの水や薬品の吸収、熱による接着層や接着剤
の劣化等によって金属と樹脂被覆層との接着強度が低下
し、接着界面での剥離や樹脂被覆層の収縮が発生し、そ
の結果、金属に錆や腐食が発生することがあり、大きな
事故につながることがあった。
【0005】このような問題を解決するために、従来、
金属体表面に予めシランカップリング剤等の接着促進剤
を塗布して、金属体と樹脂の接着性を向上させることが
行われている。しかし、金属体表面にシランカップリン
グ剤等の接着促進剤を塗布しても、熱水と冷水に交互に
浸漬されるような過酷な条件下で使用される場合、金属
体表面と樹脂被覆層の接着の剥離や樹脂被覆層の収縮が
発生することがある。
【0006】そこで、金属体と樹脂被覆層との接着性を
更に向上させるために、特開平3−281667号公報
には、金属体表面に有機チタネートのアルコキシドまた
はその初期縮合物とポリフェニレンサルファイド(以下
PPSと略称する)樹脂粉とからなるプライマー組成物
を塗布し、この塗膜を焼き付けて、有機チタネートの焼
結プライマー層(以下単に「プライマー層」と称する)
を形成し、その上に樹脂を被覆して耐蝕性の優れた樹脂
被覆層を形成する技術が提案されている。この技術は、
金属との密着性の良好なプライマー層に微細なクラック
が発生し、このクラック中に溶融樹脂が入り込むことに
よって、いわゆる「アンカー効果」が発揮されて、金属
と樹脂層との密着性が向上することを利用したものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開平3−
281667号公報記載の積層体においても、なお、熱
水と冷水に交互に浸漬されるような過酷な条件下で使用
すると樹脂被覆層が剥離し、長期間の使用に耐えられな
いことがある。また、鋼板類の折り曲げや深絞り、樹脂
ライニング鋼管の管端拡径等の二次加工を行った場合、
樹脂被覆層が剥離してしまうことがある。これは、樹脂
被覆層の熱伸縮あるいは二次加工によってプライマー層
が引っ張られ、それによってプライマー層が破壊し、そ
の結果、樹脂被覆層が剥離するものと考えられる。
【0008】本発明は上記のような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであって、プライマー層の凝集強度
を上げて、温度変化や二次加工によるプライマー層の破
壊を起こりにくくし、耐蝕性、耐熱性、耐久性、及び二
次加工性に優れた積層体を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の本発明積層体は、金属体表面に充
填材を添加した有機チタネートの焼結プライマー層が形
成され、該焼結プライマー層の上に合成樹脂被覆層が形
成されていることを要旨とするものである。
【0010】また、請求項2記載の本発明積層体は、請
求項1における充填材が繊維状充填材であることを要旨
とするものである。
【0011】本発明において、金属としては鉄、鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、その他一般に
金属と呼ばれるものが使用できる。また、金属体は板状
のものに限られず、管、棒、その他の形状のものであっ
てもよい。
【0012】金属体の表面は、プライマー層との接着を
良好にするために、サンドブラスト、塩酸、硫酸、硝酸
等による錆等の酸化膜除去処理、アルカリ等による脱脂
処理等を施すことが好ましい。
【0013】本発明において、有機チタネートとして
は、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブト
キシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)
チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−
ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ
ヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン、チタニウムステ
アレート、プロパンジオキシチタン(アセチルアセトナ
ト)(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0014】本発明において、有機チタネートに添加す
る充填材としては、アルミナ、酸化チタン、タルク、シ
リカ、マイカ等の粉粒体状あるいは鱗片状の充填材、ガ
ラス繊維、アスベスト、ウォラストナイト、カーボンウ
イスカー、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ・シリ
カ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、ムラ
イト繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維等の無機質
繊維状充填材、タングステン、鋼等の金属性繊維状充填
材等が挙げられる。
【0015】粉粒体状あるいは鱗片状充填材は、粒径が
0.1〜5μmのものが好ましい。粒径が5μmを超え
るものは、プライマー層中での分散が悪く、金属や樹脂
との接着性が悪くなることがある。
【0016】繊維状充填材は、繊維径が0.1〜5μ
m、繊維長が5μm〜1mmのものが好ましい。繊維長
が5μm未満のものは補強効果が低く、1mm超のもの
は、プライマー層中での分散が悪く、金属や樹脂との接
着性が悪くなることがある。
【0017】充填剤の添加量は、有機チタネート100
重量部に対し0.1〜5重量部とすることが好ましい。
0.1重量部未満ではプライマー層の温度変化による伸
縮を少なくする効果が薄く、5重量部超ではプライマー
層が硬くなって、二次加工性が逆に低下することがあ
る。
【0018】本発明に使用される樹脂としては、目的・
用途によって適宜選定されるが、金属との接着性の良い
架橋ポリオレフィン樹脂、ポリブテン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポ
リアミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0019】架橋ポリオレフィン樹脂の製造方法として
は、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂に、
シランカップリング剤と有機過酸化物を混合して加熱溶
融する方法がある。
【0020】架橋に使用されるシランカップリング剤と
しては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0021】また、有機過酸化物としては、ジメチルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサ
イド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0022】上記の樹脂には、凝集強度の向上、線膨張
係数の低減、樹脂被覆層形成時の成形残留歪みの低減等
の目的で、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、カオリンクレー、ロウ石クレ
ー、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、ガ
ラス短繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、ウオラス
トナイト等の充填材を添加してもよい。
【0023】また、これらの充填材には、樹脂とのなじ
みを良くするために、その表面にカップリング剤やプラ
ズマによる表面処理を施してもよい。カップリング剤と
しては、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等
が挙げられる。
【0024】なお、樹脂には、本発明の効果を阻害しな
いような酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加し
てもよい。
【0025】本発明において、金属体表面に有機チタネ
ートを塗布する方法としては、ロール、刷毛、コーティ
ングロッド、へら、スプレー等、通常の塗布手段を使用
することができる。
【0026】本発明において、金属体表面にプライマー
層を形成する方法としては、バーナーで加熱する、熱風
を吹付ける、赤外線ヒーターで照射する、誘導加熱を使
用する等の公知の加熱方法が挙げられる。また、焼結時
の金属体の加熱温度は、250〜450℃、好ましくは
300〜420℃とする。
【0027】プライマー層の厚さは、好ましくは0.1
〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmとする。
【0028】なお、プライマー層を形成する場合、気泡
の巻き込み等の欠陥をなくし、より均一なプライマー層
を得るため、あるいは所望の厚さのプライマー層を得る
ために、有機チタネートの塗布と焼結を各1回の操作で
なく、複数回に分けて行ってもよい。
【0029】プライマー層が形成された金属体表面に樹
脂被覆層を形成する方法としては、予め押出成形・射出
成形・カレンダー成形・圧縮成形等で成形した樹脂成形
体を熱圧着する方法、金属体表面に溶融した樹脂を直接
押出して圧着被覆する方法、流動浸漬あるいは静電付着
させた粉体状樹脂を加熱融着する方法、液状あるいは溶
剤に溶解した樹脂を塗布して加熱硬化させる方法等が挙
げられる。
【0030】また、積層体の一種としての、金属管の内
面に樹脂層が形成された複合管を製造する方法として
は、予めプライマー層が形成された金属の帯板材を、も
しくは連続的にプライマー層を形成しながら金属の帯板
材をプライマー層を内面側にして溶接製管しながら、管
内に樹脂を溶融押出しして融着する方法、金属管の内面
に予め押出成形等で成形された樹脂管を加熱加圧して膨
張させつつ接着する方法、ロールあるいはダイス等によ
って「しごき」をかけて縮径しつつ接着する方法等が挙
げられる。
【0031】なお、樹脂被覆層は、水や熱水の吸収や浸
透を少なくする目的で、前記のような充填材が添加され
た樹脂被覆層の上に、充填材が添加されていない樹脂被
覆層が形成された構成のものとしてもよい。また、遮音
性、断熱性を向上させる目的で、樹脂層を発泡ポリウレ
タン、発泡シラン架橋ポリエチレン等の発泡体層として
もよい。
【0032】
【作用】請求項1記載の本発明積層体は、金属体表面に
充填材を添加した有機チタネートの焼結プライマー層が
形成され、該プライマー層の上に樹脂被覆層が形成され
ているものである。
【0033】上記のプライマー層は、有機チタネート系
プライマー組成物が焼結される際に生成された酸化チタ
ンを主成分とし、金属体表面と強固に密着している。更
に、このプライマー層は充填材の添加によって凝集強度
が高められるために、温度変化によるその上の樹脂被覆
層の伸縮や積層体の二次加工による引張りがかかって
も、プライマー層の破壊が起こりにくくなるものと考え
られる。
【0034】また、プライマー層の表面には、焼結によ
って無数の微細なクラックが形成されている。従って、
プライマー層の上に樹脂層を形成する場合、溶融樹脂あ
るいは接着剤がクラック中に浸入して、プライマー層と
樹脂層との接触面積が増大するとともに、クラック中に
深く脚を伸ばしているので、いわゆるアンカー効果が発
揮され、樹脂被覆層はプライマー層を介して金属体と強
固に接着される。
【0035】以上の結果、積層体に温度変化や二次加工
を加えても、樹脂被覆層が金属体から剥離しにくいもの
と考えられる。
【0036】なお、架橋ポリオレフィン樹脂をプライマ
ー層の上に融着する場合には、熱や水に強い化学結合
(−Si −O−Ti −)によって、樹脂とプライマー層
は更に強く接着される。
【0037】また、請求項2記載の本発明積層体は、金
属体表面に繊維状の充填材を添加した有機チタネートの
焼結プライマー層が形成され、該プライマー層の上に樹
脂被覆層が形成されている。
【0038】従って、繊維状の充填材がプライマー層に
平行方向に配向されて補強効果を発揮するために、温度
変化や二次加工よる金属面からのプライマー層の剥離
は、一層起こりにくくなるものと考えられる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明を実施例により図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は、本発明実施例1の積層体を示す断
面図である。縦150mm、横150mm、厚さ1.5
mmの冷延鋼板2の両面を脱脂剤で脱脂処理した後、1
0%硝酸溶液に浸漬してエッチングを行った。
【0040】次に、有機チタネートとしてジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの60%イ
ソプロパノール溶液100重量部に対し、アミノシラン
カップリング剤による表面処理を施した平均粒径5μm
のアルミナ粉末0.5重量部を混合したプライマー組成
物を上記の鋼板2の両面に均一に塗布し、400℃で5
分間加熱・焼結して、厚さ10μmのプライマー層3を
形成した。
【0041】次いで、プライマー層3の両面上に、押出
機で溶融混練して押出したシラン架橋ポリエチレン樹脂
を、190℃、圧力100kg/cm2 でプレスして積
層し、厚さ3mmの樹脂被覆層4が両面に形成された積
層体1を得た。
【0042】なお、上記のシラン架橋ポリエチレン(M
I(190℃):0.4g/10min)は、MI(1
90℃)10g/10min、密度0.932g/cm
3 のポリエチレン樹脂に、ビニルトリメトキシシランと
ジ−t−ブチルパーオキサイドを混合し、溶融・混練し
て製造したものである。
【0043】この積層体1を、90℃の熱水に5分間浸
漬し、その後20℃の冷水に5分間浸漬する操作を15
000サイクル繰り返す加熱−冷却試験を行った。試験
後、鋼板2とプライマー層3、プライマー層3と樹脂被
覆層4の各層間の剥離、樹脂被覆層4の収縮、鋼板2の
錆の発生、その他異常の有無を観察した結果、異常は認
められなかった。
【0044】(実施例2)図2は、本発明実施例2の複
合管を示す一部切欠正面図である。外径114mm、厚
さ5mmの鋼管6の内面に、実施例1と同じ表面処理を
施した後、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセト
ナト)チタンの60%イソプロパノール溶液100重量
部に対し、アミノシランカップリング剤による表面処理
を施した平均粒径5μmの酸化チタン粉末0.5重量部
を混合したプライマー組成物を回転ブラシで均一に塗布
し、400℃で5分間加熱・焼結して、厚さ10μmの
プライマー層31を形成した。
【0045】次いで、プライマー層31の上に、押出機
で溶融混練して押出した実施例1と同じシラン架橋ポリ
エチレン樹脂を鋼管6の内面側から圧着・積層して、樹
脂被覆層41の厚さが3mmの複合管5を得た。
【0046】この複合管5の管内に90℃の熱水を5分
間通水し、その後20℃の冷水を5分間通水する操作を
15000サイクル繰り返す加熱−冷却試験を行った。
試験後、鋼管6とプライマー層31、プライマー層31
と樹脂被覆層41の各層間の剥離、管端部の樹脂被覆層
の収縮、鋼管6の錆の発生、その他異常の有無を観察し
た結果、異常は認められなかった。
【0047】(実施例3)充填材として平均粒径2μm
のアルミナ粉末0.5重量部を用いた以外は、実施例1
と同じ方法で積層体を得た。
【0048】この積層体について、実施例1と同じ方法
で加熱−冷却試験を行い、試験後、鋼板とプライマー
層、プライマー層と樹脂被覆層の各層間の剥離、樹脂被
覆層の収縮、鋼板の錆の発生、その他異常の有無を観察
した結果、異常は認められなかった。
【0049】(比較例1)有機チタネートプライマー
(充填材とも)を用いなかった以外は、実施例1と同じ
方法で積層体を得た。
【0050】この積層体について、実施例1と同じ方法
で加熱−冷却試験を行い、試験後、鋼板と樹脂被覆層間
の剥離、樹脂被覆層の収縮、鋼板の錆の発生、その他異
常の有無を観察した結果、樹脂被覆層が鋼板から完全に
剥離しているのが認められた。また、鋼板の全面にわた
って黒錆が発生しているのが認められた。
【0051】上記実施例1〜3、及び比較例1の結果
を、表1にまとめて示す。
【表1】
【0052】(実施例4)図3は、本発明実施例4の積
層体を曲げ加工している状態を示す断面図である。縦1
00mm、横100mm、厚さ1.6mmの熱間圧延鋼
板21の片面に、水酸化ナトリウム溶液による脱脂処
理、次いで硝酸による酸化膜除去処理を施した。
【0053】次に、有機チタネートとしてジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの60%イ
ソプロパノール溶液に対し、チタン酸カリウムウイスカ
ーを0.5%添加したプライマー組成物を刷毛で塗布
し、400℃で5分間加熱・焼結して、厚さ3μmのプ
ライマー層7を形成した。
【0054】次いで、プライマー層7の上に、押出機で
溶融混練して押出したシラン架橋ポリエチレン樹脂を、
190℃、圧力100kg/cm2 でプレスして積層
し、樹脂被覆層42の厚さ2mmの積層体11を得た。
【0055】なお、シラン架橋ポリエチレン(MI(1
90℃):0.4g/10min)は、MI(190
℃)10g/10min、密度0.932g/cm3
ポリエチレン樹脂に、ビニルトリメトキシシランとジ−
t−ブチルパーオキサイドを混合し、溶融・混練して製
造したものである。
【0056】この積層体11について、JIS K68
54「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準じて(但し
巾10mmの「T型剥離試験片」で実施)、剥離接着強
さを測定した結果、22.5kgf/10mmであっ
た。
【0057】次いで、この積層体11を90℃の熱水に
5分間浸漬し、その後20℃の冷水に5分間浸漬する操
作を10000サイクル繰り返す加熱−冷却試験を行っ
た。試験後、鋼板21とプライマー層7、プライマー層
7と樹脂被覆層42の各層間の剥離、樹脂被覆層42の
収縮、鋼板21の錆の発生、その他異常の有無を観察し
た結果、異常は認められなかった。また、加熱−冷却試
験後についても剥離接着強さを測定した結果、18.5
kgf/10mmであった。
【0058】更に、この積層体11を、樹脂被覆層42
を外側にして、曲げ内半径20mmで曲げる二次加工を
行った結果、樹脂被覆層42の剥離、ひび割れ等の異常
は見られなかった。
【0059】(実施例5)図4は、本発明実施例5の複
合管の管端部を鍔返し加工している状態を示す一部切欠
正面図である。厚さ2mmの鋼板に実施例4と同じ表面
処理を施し、ロールで管状に成形しながら、その内面に
実施例4と同じプライマー組成物を塗布し、400℃で
1分間加熱・焼結して厚さ3μmのプライマー層71を
形成し、引き続き連続的に溶接・製管しながら、押出機
で溶融混練し押出した実施例4と同じシラン架橋ポリエ
チレン樹脂を鋼管61の内面に被覆して、外径114m
m、樹脂被覆層43の厚さ2mmの複合管51を得た。
【0060】更にこの複合管51の管端部を30%の拡
径率で鍔返し加工し、鋼管61とプライマー層71、プ
ライマー層71と樹脂被覆層43の各層間の剥離、樹脂
被覆層43のひび割れ等の発生、その他異常の有無を観
察した結果、異常は認められなかった。
【0061】(比較例2)有機チタネートにチタン酸カ
リウムウイスカーを添加しない以外は、実施例4と同じ
方法で積層体を得た。
【0062】この積層体について、実施例4と同じ方法
で剥離接着強さを測定した結果、20.9kgf/10
mmであった。
【0063】次いで、この積層体を実施例4と同じ方法
で加熱−冷却試験を行った結果、樹脂被覆層の剥離、収
縮、鋼板の錆の発生等の異常は見られなかった。しか
し、加熱−冷却試験後の剥離接着強さは、8.9kgf
/10mmであった。
【0064】更に、この積層体に、実施例1と同じ曲げ
二次加工を行った結果、曲げ部分に鋼板と樹脂被覆層の
剥離が観察された。
【0065】(比較例3)有機チタネートにチタン酸カ
リウムウイスカーを添加しない以外は、実施例5と同じ
方法で複合管を得た。
【0066】この複合管の管端部を、実施例5と同じ方
法で鍔返し加工した結果、鍔返し部分に鋼管と樹脂被覆
層の剥離が観察された。
【0067】上記実施例4,5、及び比較例2,3の結
果を、表2にまとめて示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の本発明積層体は、熱水と冷水に交互に浸漬する
ような苛酷な使用条件に曝されても、金属体とプライマ
ー層、プライマー層と樹脂被覆層がそれぞれ強固に接着
されていて、樹脂被覆層の剥離、伸縮、及びそれらに起
因する錆の発生がなく、耐蝕性、耐熱水性、耐久性に優
れている。
【0070】また、請求項2記載の本発明積層体は、熱
水と冷水に交互に浸漬するような苛酷な使用条件に曝さ
れても、金属体とプライマー層、プライマー層と樹脂被
覆層がそれぞれ強固に接着されていて、樹脂被覆層の剥
離、伸縮、及びそれらに起因する錆の発生がなく、耐蝕
性、耐熱水性、耐久性に優れている。また、二次加工性
にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の積層体を示す断面図。
【図2】本発明実施例2の複合管を示す一部切欠正面
図。
【図3】本発明実施例4の積層体の使用態様を示す断面
図。
【図4】本発明実施例5の複合管の使用態様を示す一部
切欠正面図。
【符号の説明】
1,11 積層体 2,21 鋼板 3,31 プライマー層(粉粒体状充填材
添加) 4,41,42,43 樹脂被覆層 5,51 複合管 6,61 鋼管 7,71 プライマー層(繊維状充填材添
加)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属体表面に充填材を添加した有機チタ
    ネートの焼結プライマー層が形成され、該焼結プライマ
    ー層の上に合成樹脂被覆層が形成されていることを特徴
    とする積層体。
  2. 【請求項2】 充填材が繊維状充填材であることを特徴
    とする請求項1記載の積層体。
JP6669193A 1993-03-25 1993-03-25 積層体 Pending JPH06270332A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6669193A JPH06270332A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6669193A JPH06270332A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06270332A true JPH06270332A (ja) 1994-09-27

Family

ID=13323221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6669193A Pending JPH06270332A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06270332A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6726994B1 (en) Structural member of fluorine-containing polymer having adhesive property at high temperature and sliding material produced by using same
JP6189048B2 (ja) 複合体
WO2006054731A1 (ja) 樹脂ライニング鋼管およびその製造方法
JPH06270332A (ja) 積層体
JP3219538B2 (ja) 積層体の製造方法
JPH06166140A (ja) 積層体及びその製造方法
JPH05169585A (ja) 積層体
JPH06270328A (ja) 積層体
JP3257870B2 (ja) 積層体の製造方法
JPH0780991A (ja) 積層体の製造方法
JPH06115001A (ja) 積層体の製造方法
JPH05269919A (ja) 金属積層体
JPH06115002A (ja) 積層体の製造方法
JPH05329982A (ja) 積層体
JPH06115036A (ja) 積層体の製造方法
JP3112756B2 (ja) 複合管
JPH06270333A (ja) 積層体
JPH05293931A (ja) 積層体の製造方法
JP4656499B2 (ja) 自動車用モールディングおよびその製造方法
JPH07232402A (ja) 積層体及びその製造方法
JPH06304987A (ja) 複合管の製造方法
JP3302167B2 (ja) 樹脂被覆金属体の製造方法
JPH05118473A (ja) 複合管
JPH0628945B2 (ja) 鋼板とポリオレフインの積層体の製造方法
JPH05278159A (ja) 積層体の製造方法