JPH06270328A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH06270328A
JPH06270328A JP6669393A JP6669393A JPH06270328A JP H06270328 A JPH06270328 A JP H06270328A JP 6669393 A JP6669393 A JP 6669393A JP 6669393 A JP6669393 A JP 6669393A JP H06270328 A JPH06270328 A JP H06270328A
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JP
Japan
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resin coating
coating layer
primer layer
layer
primer
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Pending
Application number
JP6669393A
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English (en)
Inventor
Yasushi Goto
靖志 五藤
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂被覆層側が高温、金属体側が低温という
温度勾配下で長期間使用しても、金属体表面の錆や腐
食、樹脂被覆層の膨れや剥離等が発生しにくい、耐蝕
性、耐熱水性、耐久性等の優れた積層体を得る。 【構成】 鋼板2の表面に、有機チタネート(ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン)のプ
ライマー組成物を塗布し、加熱・焼結したプライマー層
3が形成され、その上にポリタンニン酸からなるプライ
マー組成物を塗布し、加熱・乾燥させたプライマー層4
が形成され、更にその上に押出機で溶融混練したシラン
架橋ポリエチレンを融着した樹脂被覆層5が形成されて
いる積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐蝕性、接着性、接着
耐久性等に優れた、金属体と合成樹脂(以下単に「樹
脂」と称する)との積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属に耐蝕性を持たせるために、
その表面に、耐蝕性に優れた樹脂被覆層を、接着剤を使
用することなく直接融着して設けた積層体、あるいは接
着剤層を介して設けた積層体が知られている。このよう
な積層体は、屋根材、外壁材、雨樋のような建材、家電
製品のハウジング、自動車部材等の用途に広く使用され
ている。
【0003】これらの積層体においては、金属と樹脂被
覆層との初期接着強度は概して強く、短期間の使用に対
してはほぼ良好な使用結果が得られている。
【0004】しかし、長期間使用する間に、樹脂被覆層
の表面からの水や薬品の吸収、熱による接着剤の劣化等
によって金属と樹脂被覆層との接着強度が低下して、接
着界面での剥離や樹脂被覆層の収縮が発生し、その結
果、金属に錆や腐食が発生することがあり、大きな事故
につながることがあった。
【0005】そこで、金属体と樹脂被覆層との接着性を
更に向上させるために、特開平3−281667号公報
には、金属体表面に有機チタネートのアルコキシドまた
はその初期縮合物とポリフェニレンサルファイド樹脂粉
とからなるプライマー組成物を塗布して焼き付けた焼結
プライマー層を形成し、その上に樹脂を被覆して耐蝕性
の優れた樹脂被覆層を形成する技術が提案されている。
この技術は、金属との密着性の良好な上記プライマー層
には、焼結によって微細なクラックが形成され、このク
ラック中に溶融樹脂が入り込んで、いわゆる「アンカー
効果」が発揮されるために、金属と樹脂被覆層との高い
密着性が得られることを利用したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開平3−
281667号公報記載の積層体においても、樹脂被覆
層が高温、金属が低温というように、樹脂被覆層と金属
体との間に大きい温度勾配がある過酷な条件下で長期間
使用するような場合、金属体の樹脂被覆層との接着面に
錆が発生したり、その結果、金属体から樹脂被覆層が剥
離したり、樹脂被覆層に膨れが発生して、長期間の使用
に耐えられないことがある。
【0007】これは、樹脂被覆層側が高温で金属体側が
低温というように、せまい距離を隔てて大きい温度勾配
があるような場合、樹脂被覆層表面からの吸水や樹脂被
覆層内での水の浸透が促進されて、樹脂被覆層中を拡散
して上記有機チタネート系焼結プライマー層から金属体
との界面に達した水、あるいは端部の接着界面から侵入
した水が、同焼結プライマー層に形成されたクラックを
通って金属体の表面に到達し、金属をイオン化してその
表面を錆びさせあるいは腐食させて金属体と樹脂被覆層
の接着強度を低下させ、その結果金属体から樹脂被覆層
を剥離させてしまうものと考えられる。
【0008】本発明は上記のような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであって、金属体及び樹脂被覆層と
の良好な有機チタネート系焼結プライマー層を形成し
て、金属体と樹脂被覆層との接着を良好にするととも
に、同焼結プライマー層の表面に錆びや腐食が発生しに
くい性質に優れた別のプライマー層を形成し、それによ
って金属体と樹脂被覆層の剥離が起こりにくく、耐蝕
性、耐熱性、耐久性に優れた積層体を得ることを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の積層体は、金属体表面に有機チタネート
の焼結プライマー層が形成され、該有機チタネートの焼
結プライマー層の上にポリタンニン酸からなるプライマ
ー層が形成され、更に該ポリタンニン酸からなるプライ
マー層の上に合成樹脂被覆層が形成されていることを要
旨とするものである。
【0010】本発明において、金属としては鉄、鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、その他一般に
金属と呼ばれるものが使用できる。また、金属体は板状
のものに限られず、管、棒、その他の形状のものであっ
てもよい。
【0011】金属体の表面は、プライマー層との接着を
良好にするために、サンドブラスト、ショットブラスト
等のブラスト処理、塩酸、硫酸、硝酸等による錆等の酸
化膜除去処理、アルカリ等による脱脂処理等を施すこと
が好ましい。
【0012】本発明において、有機チタネートとして
は、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブト
キシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)
チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−
ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ
ヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン等が挙げられる。
【0013】本発明において使用されるポリタンニン酸
は、例えば、下記の化学式1で表されるようなタンニン
酸のモノマー(但し構造の一例を示したもの)を重合し
て、ポリマーとしたものである。
【0014】
【化1】
【0015】なお、通常には、ポリタンニン酸を0.1
〜50重量%含む溶液が用いられる。溶媒は、ポリタン
ニン酸の種類によって、水、アルコール類、ケトン類等
の中から適宜選ばれる。なお、ポリタンニン酸の濃度
は、0.1重量%未満では防錆効果を充分に発揮でき
ず、50重量%超では形成されたプライマー層が厚過ぎ
て、熱可塑性樹脂との接着性は逆に低下してしまう。
【0016】本発明に使用される樹脂は、金属との接着
性の良好なものが好ましく、シラン架橋ポリエチレン、
カルボン酸変性ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアミド等
の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂、ポリイソシアネート等の熱硬化性樹脂が挙げら
れる。
【0017】また、遮音性、断熱性等の向上を目的とし
て、例えば、発泡シラン架橋ポリエチレン、発泡ポリウ
レタン等の発泡性樹脂を使用してもよい。
【0018】上記の樹脂には、線膨張係数を低減させ、
あるいは樹脂被覆層形成時の残留歪みを低減させる目的
で、ガラス短繊維、タルク、マイカ、ウオラストナイ
ト、チタン酸カリウムウィスカー等の充填材を添加して
もよい。
【0019】本発明において、金属体表面に有機チタネ
ートの焼結プライマー層を形成する方法としては、ロー
ル、刷毛、コーティングロッド、へら、スプレー等、通
常の塗布手段によって金属体表面に有機チタネートを塗
布した後、バーナーで加熱する、熱風を吹付ける、赤外
線ヒーターで照射する、誘導加熱を使用する等の公知の
加熱方法で加熱し焼き付ける。焼結時の金属体の加熱温
度は、250〜450℃、好ましくは300〜420℃
とする。
【0020】有機チタネートの焼結プライマー層の厚さ
は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.
5〜10μmとする。
【0021】有機チタネートの焼結プライマー層の上に
ポリタンニン酸からなるプライマー層を形成する方法と
しては、有機チタネートの焼結プライマー層の上に、前
記と同様の塗布手段でポリタンニン酸を塗布後、バーナ
ー、熱風吹付け、赤外線ヒーター照射、誘導加熱等の加
熱方法で加熱・乾燥させる。加熱温度は50〜170
℃、加熱時間は3〜15分が好適である。
【0022】ポリタンニン酸からなるプライマー層の厚
さは、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは
0.05〜2μmとする。
【0023】ポリタンニン酸からなるプライマー層の上
に樹脂被覆層を形成する方法としては、予め押出成形・
射出成形・カレンダー成形・圧縮成形等で成形した樹脂
成形体を熱圧着する、接着剤を介して接着する、金属体
表面に溶融した樹脂を直接押出して圧着被覆する、流動
浸漬あるいは静電付着させた粉体状樹脂を加熱融着す
る、液状あるいは溶剤に溶解した樹脂を塗布して加熱硬
化させる等の方法が挙げられる。
【0024】なお、樹脂被覆層は、水や熱水の吸収や浸
透を少なくする目的で、前記のような充填材が添加され
た樹脂被覆層の上に、充填材が添加されていない樹脂被
覆層が形成された構成のものとしてもよい。
【0025】
【作用】本発明の積層体は、金属体表面に有機チタネー
トの焼結プライマー層が形成され、該有機チタネートの
焼結プライマー層の上にポリタンニン酸からなるプライ
マー層が形成され、更にその上に合成樹脂被覆層が形成
されたものである。
【0026】金属体表面に形成された有機チタネートの
焼結プライマー層は、有機チタネート系プライマー組成
物が焼結される際に生成された酸化チタンを主成分とす
る層であって、金属体表面と強固に密着しているととも
に、その表面には無数の微細なクラックが形成されてい
る。
【0027】従って、有機チタネートの焼結プライマー
層の上にポリタンニン酸からなるプライマー組成物を塗
布し、次いでこれを加熱・乾燥することによって、有機
チタネートの焼結プライマー層の上には、クラックの中
まで脚を下ろしたポリタンニン酸からなるプライマー層
が形成される。
【0028】このポリタンニン酸からなるプライマー層
の上に樹脂被覆層を形成すると、溶融樹脂あるいは接着
剤はクラックの中に進入し、プライマー層と樹脂との接
触面積が増大するとともに、アンカー効果によって、金
属体と強く接着される。
【0029】しかるに、通常、樹脂被覆層を浸透した
水、あるいは端部の接着界面から侵入した水は、金属面
に達して金属イオンを発生させ、その結果金属面に錆や
腐食を発生させるが、ポリタンニン酸からなるプライマ
ー層が形成されている場合、タンニン酸がキレート配位
子として錯体を形成することによって金属イオンが封じ
こまれ、金属体の表面に不動態の薄い防錆皮膜が形成さ
れるために、錆や腐食の進行が阻止され、金属体と樹脂
被覆層の接着力の低下が抑制されるものと考えられる。
【0030】また、使用されるプライマー組成物はポリ
マーであるために、形成される防錆皮膜は緻密であり、
冷熱繰り返し条件下に長期間曝露されても剥落しにく
く、従って樹脂との接着力が低下しにくい。
【0031】なお、ポリタンニン酸からなるプライマー
組成物は、リン酸塩による化成皮膜のように水洗等の処
理を必要せず、塗布・乾燥するだけで防錆皮膜が形成さ
れる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例により図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は、本発明実施例1の積層体を示す断
面図である。鋼板2の片面に、アルカリ液による脱脂処
理、硝酸による酸化皮膜除去処理を施した後、ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの60
%イソプロパノール溶液を刷毛で塗布し、400℃で5
分間加熱することによって焼結し、有機チタネートの焼
結プライマー層3を形成した。この焼結プライマー層3
の厚さは10μmであった。
【0033】次いで、焼結プライマー層3の上に、ポリ
タンニン酸溶液(テイカ社製 K−ポリマーLをメチ
ルエチルケトンで2倍に希釈したもの)を刷毛で塗布
し、150℃で10分間加熱・乾燥することによって、
ポリタンニン酸からなるプライマー層4を形成した。こ
のプライマー層4の厚さは1μmであった。
【0034】更に、ポリタンニン酸からなるプライマー
層4の上に、ポリエチレン100重量部に対しビニルト
リメトキシシラン1重量部、有機過酸化物(パーブチル
D)0.04重量部を添加し、190℃で混練・変性し
たシラン架橋ポリエチレンを、押出機で溶融・押出して
融着し、厚さ2mmの樹脂被覆層5を形成した積層体1
を得た。
【0035】この積層体1について、JIS K685
4「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準じて(但し巾
10mmの「T型剥離試験片」で実施)、樹脂被覆層5
の剥離接着強さを測定した結果、20kgf/10mm
であった。
【0036】次いで、この積層体1につき、樹脂被覆層
5の直径100mmの部分を50℃の温水、鋼板2側を
25℃の室温に500時間保つ温度勾配試験を行った。
試験終了後、樹脂被覆層5の表面の膨れ、樹脂被覆層5
の収縮、各層間の剥離、隙間の発生等を観察した結果、
異常は全く認められなかった。
【0037】(実施例2)図2は、本発明実施例2の積
層体を示す断面図である。実施例1と同じ方法で、鋼板
21の片面に有機チタネートの焼結プライマー層31、
その上にポリタンニン酸からなるプライマー層41を形
成した。次いで、ポリタンニン酸からなるプライマー層
41の上に、厚さ0.2mmのエポキシ系接着剤層6を
介して、実施例1と同じ方法でシラン架橋ポリエチレン
の樹脂被覆層51を形成した積層体11を得た。
【0038】この積層体11について、実施例1と同じ
方法で、樹脂被覆層51の剥離接着強さを測定した結
果、15kgf/10mmであった。
【0039】次いで、積層体11について、実施例1と
同じ方法で温度勾配試験を行い、試験終了後、樹脂被覆
層51の表面の膨れ、樹脂被覆層51の収縮、各層間の
剥離、隙間の発生等を観察した結果、異常は全く認めら
れなかった。
【0040】(実施例3)図3は、本発明実施例3の積
層体を示す断面図である。実施例1と同じ方法で、鋼板
22の片面に有機チタネートの焼結プライマー層32、
その上にポリタンニン酸からなるプライマー層42を形
成した。次いで、ポリタンニン酸からなるプライマー層
42の上に、厚さ1mmの発泡性シラン架橋ポリエチレ
ンを溶融・押出して融着し、その後200℃に加熱して
発泡させ、厚さ2mmの発泡樹脂被覆層52を形成した
積層体12を得た。
【0041】この積層体12について、実施例1と同じ
方法で、発泡樹脂被覆層52の剥離接着強さを測定した
結果、13kgf/10mmであった。
【0042】次いで、積層体12について、実施例1と
同じ方法で温度勾配試験を行い、試験終了後、発泡樹脂
被覆層52の表面の膨れ、発泡樹脂被覆層52の収縮、
各層間の剥離、隙間の発生等を観察した結果、異常は全
く認められなかった。
【0043】(実施例4)図4は、本発明実施例4の積
層体を示す断面図である。実施例1と同じ方法で、鋼板
23の片面に有機チタネートの焼結プライマー層33、
その上にポリタンニン酸からなるプライマー層43を形
成した。次いで、ポリタンニン酸からなるプライマー層
43の上に、アミノシランカップリング剤による表面処
理を施した、平均直径10μm、平均繊維長0.4mm
のガラス短繊維を樹脂100重量部に対し20重量部添
加したシラン架橋ポリエチレンを溶融・押出して融着
し、厚さ2mmの充填材含有樹脂被覆層53を形成した
積層体13を得た。
【0044】この積層体13について、実施例1と同じ
方法で、充填材含有樹脂被覆層53の剥離接着強さを測
定した結果、25kgf/10mmであった。
【0045】次いで、積層体13について、実施例1と
同じ方法で温度勾配試験を行い、試験終了後、充填材含
有樹脂被覆層53の表面の膨れ、充填材含有樹脂被覆層
53の収縮、各層間の剥離、隙間の発生等を観察した結
果、異常は全く認められなかった。
【0046】(比較例1)有機チタネートの焼結プライ
マー層及びポリタンニン酸からなるプライマー層を形成
しなかった以外は、実施例1と同じ方法で、鋼板の表面
にシラン架橋ポリエチレンの樹脂被覆層を形成した積層
体を得た。
【0047】この積層体について、実施例1と同じ方法
で樹脂被覆層の剥離接着強さを測定した結果、13kg
f/10mmであった。
【0048】次いで、実施例1と同じ方法で温度勾配試
験を行い、試験終了後、異常の有無を観察した結果、樹
脂被覆層の表面に直径約2mmの膨れが約100個発生
しているのが認められた。
【0049】(比較例2)有機チタネートの焼結プライ
マー層及びポリタンニン酸からなるプライマー層を形成
しなかった以外は、実施例2と同じ方法で、鋼板の表面
にエポキシ系接着剤を介してシラン架橋ポリエチレンの
樹脂被覆層を形成した積層体を得た。
【0050】この積層体について、実施例1と同じ方法
で樹脂被覆層の剥離接着強さを測定した結果、11kg
f/10mmであった。
【0051】次いで、実施例1と同じ方法で温度勾配試
験を行い、試験終了後、異常の有無を観察した結果、樹
脂被覆層の表面に直径約4mmの膨れが約50個発生し
ているのが認められた。
【0052】(比較例3)有機チタネートの焼結プライ
マー層及びポリタンニン酸からなるプライマー層を形成
しなかった以外は、実施例3と同じ方法で、鋼板の表面
に発泡樹脂被覆層を形成した積層体を得た。
【0053】この積層体について、実施例1と同じ方法
で発泡樹脂被覆層の剥離接着強さを測定した結果、8k
gf/10mmであった。
【0054】次いで、実施例1と同じ方法で温度勾配試
験を行い、試験終了後、異常の有無を観察した結果、発
泡樹脂被覆層が鋼板から約50%の面積にわたって剥離
しているのが認められた。
【0055】(比較例4)ポリタンニン酸からなるプラ
イマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同じ方法
で、鋼板の表面に樹脂被覆層を形成した積層体を得た。
【0056】この積層体について、実施例1と同じ方法
で発泡樹脂被覆層の剥離接着強さを測定した結果、20
kgf/10mmであった。
【0057】次いで、実施例1と同じ方法で温度勾配試
験を行い、試験終了後、異常の有無を観察した結果、樹
脂被覆層の表面に直径約1mmの膨れが10個発生して
いるのが認められた。
【0058】上記実施例1〜4、及び比較例1〜4の結
果を、表1にまとめて示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の積層体は、金属体の表面に形成された有機チタネート
の焼結プライマー層が、金属体の表面と樹脂被覆層の両
方に強固に接着されているとともに、有機チタネートの
焼結プライマー層の上に形成されたタンニン酸からなる
プライマー層が金属体の表面に不動態の薄い防錆皮膜を
形成し、錆や腐食の進行を阻止するので、樹脂被覆層が
高温、金属が低温というような温度勾配下で長期間使用
されても金属の表面に錆びや腐食が発生しにくく、その
結果金属体と樹脂被覆層の剥離、樹脂被覆層の膨れ等の
事故も起こりにくく、耐蝕性、耐熱性、耐久性に優れて
いる。
【0061】なお、ポリタンニン酸からなるプライマー
組成物は、リン酸塩による化成皮膜のように水洗等の処
理を必要としないので、水洗のための設備及び作業も不
要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の積層体を示す断面図。
【図2】本発明実施例2の積層体を示す断面図。
【図3】本発明実施例3の積層体を示す断面図。
【図4】本発明実施例4の積層体を示す断面図。
【符号の説明】
1,11,12,13 積層体 2,21,22,23 鋼板 3,31,32,33 有機チタネート焼結プライマ
ー層 4,41,42,43 ポリタンニン酸からなるプラ
イマー層 5,51 架橋ポリエチレン樹脂被覆層 52 発泡架橋ポリエチレン樹脂被
覆層 53 充填材含有架橋ポリエチレン
樹脂被覆層 6 エポキシ系接着剤層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属体表面に有機チタネートの焼結プラ
    イマー層が形成され、該有機チタネートの焼結プライマ
    ー層の上にポリタンニン酸からなるプライマー層が形成
    され、更に該ポリタンニン酸からなるプライマー層の上
    に合成樹脂被覆層が形成されていることを特徴とする積
    層体。
JP6669393A 1993-03-25 1993-03-25 積層体 Pending JPH06270328A (ja)

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JP6669393A JPH06270328A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 積層体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237621A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Japan Lifeline Co Ltd 医療用挿通器具およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008237621A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Japan Lifeline Co Ltd 医療用挿通器具およびその製造方法

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