JP2000143899A - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂組成物

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JP2000143899A
JP2000143899A JP31382198A JP31382198A JP2000143899A JP 2000143899 A JP2000143899 A JP 2000143899A JP 31382198 A JP31382198 A JP 31382198A JP 31382198 A JP31382198 A JP 31382198A JP 2000143899 A JP2000143899 A JP 2000143899A
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propylene
polypropylene
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JP31382198A
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Akihisa Sanou
章寿 茶納
Masabumi Hattori
正文 服部
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属と接着層界面の内部応力を減少させ、陰
極剥離を改善すると共に接着強度を向上させることがで
きる接着性樹脂組成物、特にポリプロピレンが被覆用樹
脂として使用される高温領域での陰極剥離性、接着強度
を改良した接着性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 23℃における曲げこわさが400MP
a以上のポリプロピレン(「成分(A)」)と、プロピ
レンの含有量が50〜90重量%のプロピレンとα−オ
レフィンとの共重合体エラストマー(「成分(B)」)
とを含む組成物であって、成分(A)/成分(B)の重
量比が50/50〜95/5の範囲にあり、かつ成分
(A)及び成分(B)の少なくとも一方が、不飽和カル
ボン酸又はその無水物(以下、「不飽和カルボン酸等」
と略記する)の含有量が成分(A)と成分(B)との合
計量に対して0.01重量%以上となるように不飽和カ
ルボン酸等で変性されたものを含有する接着性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不飽和カルボン酸又
はその無水物で変性された、ポリプロピレン及びプロピ
レン・α−オレフィン共重合体エラストマーからなる接
着性と陰極剥離性が改良された接着性樹脂組成物に関
し、特にポリプロピレンにより被覆されたパイプ等の鋼
材において、ポリプロピレンと鋼材との接着性・耐久性
に優れた接着性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油、天然ガス等の天然資源を輸送した
り、通信用・送電用のケーブルを通したりするためのパ
イプラインを構成する鋼管は、地上、地中、河川、沼沢
地、海中等の様々な場所で、そして寒冷地方から熱帯地
方までに及ぶ多様な気象条件下で使用される可能性があ
る。そして、一旦敷設あるいは埋設された後は、数十年
にわたる長期間の使用に耐えることが求められている。
従って、この種の鋼管は、地球上の様々な気象条件・環
境条件に長期にわたって対応できることが要求される。
【0003】このため、用いる鋼管の耐久性、特に鋼管
を構成する鋼材の耐腐食性が大きな問題であった。この
鋼材の腐食を防止するためにパイプライン用鋼管の防蝕
被覆としては、ポリオレフィン等の樹脂で鋼管を被覆す
る方法が採られ、良好な結果を与えている。しかしなが
ら、近年は、原油等の粘度を低下させることにより輸送
コストを節減するために、パイプラインの操業温度を7
0〜80℃以上にする例が増えてきているが、こうした
温度では従来被覆用樹脂として多用されてきたポリエチ
レンでは耐熱性が不足する可能性がある。そこで被覆用
樹脂として耐熱性に優れるポリプロピレンを使用するケ
ースが増加している。
【0004】ポリプロピレンを用いる鋼管被覆において
は、ポリエチレンによる鋼管被覆と同様、鋼管と被覆用
樹脂であるポリプロピレンとの間にこれらの両者を接着
させるための接着層が通常設けられる。こうした鋼管被
覆用の接着層に用いられる接着性樹脂には、接着性、耐
熱性、衝撃性、陰極剥離性などの性能が求められる。こ
のようなポリプロピレン鋼管被覆用に用いられる接着性
樹脂としては、不飽和カルボン酸で変性したポリプロピ
レンが知られている。この不飽和カルボン酸変性ポリプ
ロピレンには、接着強度を向上させるためにエラストマ
ー成分を配合することが提案されている(特公昭54−
40112号公報)が、エラストマーを多く用い過ぎる
と、逆に接着強度が低下してしまうという問題がある。
【0005】他方、要求性能の一つである陰極剥離は、
金属と接着層との界面の残留内部応力を低下させること
によって改善できることが知られている。この金属と接
着層界面における内部応力を減少させるためには、接着
層に用いる接着性樹脂組成物中のエラストマー量を増量
することが有効であるが、上記のようにエラストマーを
あまり多く配合すると接着強度の低下を招く原因となっ
てしまう。即ち、このような、接着強度が高く、かつ陰
極剥離も防止できるような接着性樹脂組成物が望まれて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を改良し、金属と接着層界面の内部応
力を減少させ、陰極剥離を改善すると共に接着強度を向
上させることができる接着性樹脂組成物、特にポリプロ
ピレンが被覆用樹脂として使用される高温領域での陰極
剥離性、接着強度を改良した接着性樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、エラストマー成分と
して特定のプロピレン・α−オレフィン共重合体エラス
トマーを用い、これとポリプロピレンとを不飽和カルボ
ン酸又はその無水物で変性したものを含む接着性樹脂組
成物により、上記の目標が達成されることを見い出して
本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、23℃における曲
げこわさが400MPa以上のポリプロピレン(以下
「成分(A)」と記す)と、プロピレンの含有量が50
〜90重量%のプロピレンとα−オレフィンとの共重合
体エラストマー(以下「成分(B)」と記す)とを含む
組成物であって、成分(A)/成分(B)の重量比が5
0/50〜95/5の範囲にあり、かつ成分(A)及び
成分(B)の少なくとも一方が、不飽和カルボン酸又は
その無水物(以下、「不飽和カルボン酸等」と略記す
る)の含有量が成分(A)と成分(B)との合計量に対
して0.01重量%以上となるように不飽和カルボン酸
等で変性されたものを含有する接着性樹脂組成物、に存
している。
【0009】また、本発明の要旨は、成分(B)がエチ
レン・プロピレン共重合体エラストマーである上記の接
着性樹脂組成物にも存しており、更に、本発明の別の要
旨は、23℃での曲げこわさと80℃での曲げこわさの
比が4以下である上述の接着性樹脂組成物にも存してい
る。更に本発明の他の要旨は、成分(A)/成分(B)
の重量比が50/50〜95/5の範囲にある混合物を
不飽和カルボン酸等により変性する上記のいずれかに記
載の接着性樹脂組成物の製造方法、に存している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における接着性樹脂組成物
に用いられる成分(A)のポリプロピレンとしては、プ
ロピレンの単独重合体だけでなくプロピレンと、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チル−ペンテン−1等のα−オレフィン、アクリル酸、
アクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸及びその誘導
体、酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、メチル
スチレン等の不飽和芳香族化合物等との、ランダム共重
合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体を用
いることができる。
【0011】これらの中でも、プロピレンの単独重合
体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体が好ましい。なお、本発
明においては成分(A)のポリプロピレンとしてランダ
ム共重合体を用いる場合は、そのコモノマー含有量は1
0%未満のものを用いるのが好ましい。コモノマー含有
量が10%以上になると、耐熱性が不十分になる可能性
がある。
【0012】本発明の組成物に用いる上記の成分(A)
のポリプロピレンは、23℃における曲げこわさが40
0MPa以上である必要がある。23℃における曲げこ
わさが400MPa未満では組成物とした時に、剛性や
耐熱性が不十分となり、接着強度が低下する傾向とな
る。なお、この曲げこわさは、通常3000MPa以下
のものを用いるのがよい。曲げこわさで示される剛性が
あまりに高い場合は、成形加工性や接着性に悪影響が出
る恐れがある。
【0013】本発明の接着性樹脂組成物に用いられる成
分(B)のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体エ
ラストマーとしては、プロピレンの含有量が50〜90
重量%のものを用いる。この共重合体エラストマー中の
プロピレンの含有量が50重量%未満では、ポリプロピ
レンとの相溶性が低下し接着性及び陰極剥離性が不十分
となり、一方、プロピレン含有量が90重量%を超えて
多くなると、エラストマーの柔軟性が失われて、やはり
接着性及び陰極剥離性が低下するため好ましくない。
【0014】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
エラストマーとしては、プロピレン・エチレン共重合体
エラストマー、プロピレン・ブテン共重合体エラストマ
ー、プロピレン・エチレン・非共役ジエン三元共重合体
エラストマー等が代表的なものであるが、これらの中で
もプロピレン・エチレン共重合体エラストマーが好まし
い。
【0015】本発明の接着性樹脂組成物中の成分(A)
/成分(B)の重量比は50/50〜95/5の範囲で
あり、好ましくは60/40〜90/10である。この
比の値が95/5より成分(A)が多くなると、陰極剥
離性が悪化し、接着性も低くなる。一方、50/50よ
りも成分(A)が少なくなると、耐熱性が著しく低下す
るためやはり好ましくない。
【0016】本発明においては、成分(A)及び成分
(B)の少なくとも一方が、不飽和カルボン酸等の含有
量がこれら2つの成分の合計量に対して0.01重量%
以上となるように不飽和カルボン酸等で変性されたもの
を含有している必要がある。成分(A)のポリプロピレ
ン及び/又は成分(B)のプロピレンとα−オレフィン
との共重合体エラストマーを不飽和カルボン酸等の含有
量が0.01重量%以上となるように変性する方法は特
に限定されるものではなく、例えば成分(A)及び/又
は成分(B)を有機溶剤に溶解した溶液に不飽和カルボ
ン酸等およびラジカル発生剤を加え、通常60〜350
℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15
時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行
うことができる。
【0017】また他の方法としては、押出機等を使用し
て、成分(A)及び/又は成分(B)と不飽和カルボン
酸等とを反応させて変性させることもできる。この場合
の反応条件は、反応温度は通常これらの樹脂の融点以
上、例えば170〜280℃を用い、反応時間は通常
0.5〜10分間程度である。本発明においては、成分
(A)/成分(B)の重量比が50/50〜95/5の
範囲にある混合物を不飽和カルボン酸等により変性して
本発明の接着性組成物を製造するのが、接着強度及び不
飽和カルボン酸含有量やMFR(メルトフローレート)
の制御の点から好ましい。
【0018】いずれの変性方法を採用するにしても、上
記の変性用の不飽和カルボン酸等を効率良く反応させる
ために、ラジカル発生剤の存在下に変性反応を行うこと
が好ましい。上記ラジカル発生剤としては、有機過酸化
物を用いるのが好ましい。例えば、ベンゾイルペルオキ
シド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン
−3、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペ
ルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシフ
ェニルアセテート、t−ブチルペルオキシイソブチレー
ト、t−ブチルペルオキシ−sec−オクトエート、t
−ブチルペルオキシピバレート、クミルペルオキシピバ
レートなどのジアルキルペルオキシド、有機ペルオキシ
エステル、ジアシルペルオキシド等が用いられる。
【0019】これらの中ではベンゾイルペルオキシドな
どのジアシルペルオキシド及びジクミルペルオキシド、
ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好まし
い。
【0020】ラジカル発生剤は変性前の成分(A)及び
/又は成分(B)100重量部あたり、通常0.001
〜10重量部の割合で用いられる。このようにして得ら
れた組成物中の不飽和カルボン酸等の含有量は、0.0
1重量%以上のものを用いるが、中でも0.01〜10
重量%が好ましく、0.02〜3重量部が特に好まし
い。0.01重量%未満では接着性が不十分となり、1
0重量%を超えると、ポリプロピレンの溶融粘度が低下
するため、やはり接着性が劣る傾向となりやすい。
【0021】この不飽和カルボン酸等の含有量は、検量
線法を用いる赤外吸収スペクトル分析法により測定する
ことができる。また本発明の組成物のMFR(メルトフ
ローレート)は、3〜20(g/10分)であるのが成
形加工上好ましい。本発明においては、上記の必須成分
に加えて、必要に応じて通常ポリプロピレンの組成物に
使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で
添加しても構わない。このような配合剤としては、例え
ば熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、中和剤、防錆剤、顔料等を挙げることができ
る。
【0022】特に、本発明の組成物100重量部あた
り、フェノール系、硫黄系、又はリン系の酸化防止剤を
0.005〜2重量部、ハイドロタルサイト等の中和剤
を0.01〜0.2重量部配合すると本発明の効果が更
に向上するので好適である。本発明の組成物の23℃で
の曲げこわさと80℃での曲げこわさとの比は4以下で
あるのが好適である。この比の値が4を超えると高温時
と低温時の剛性変化が大きくなり、高温での耐久性が不
足しやすくなる。
【0023】本発明の接着性樹脂組成物は、ポリオレフ
ィン樹脂と、鋼管用材料である炭素鋼、ステンレス鋼等
の合金鋼との接着に使用されるだけでなく、アルミニウ
ム、銅、ニッケル等の非鉄金属との接着や、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等の樹脂と
の、共押出フィルム、ブロー成型品、チューブ、あるい
はシート等における接着にも用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例により限定されるものではない。 <実施例1〜7、比較例1〜3> 1.接着性樹脂組成物の調製 成分(A)のポリプロピレン、及び成分(B)のプロピ
レンとα−オレフィンとの共重合体エラストマーをそれ
ぞれ表1に示す種類、量で配合した混合物に、この混合
物100重量部あたり、それぞれ表1に示す種類、量の
無水マレイン酸(表には「MAA」と記す)及び有機過
酸化物と、フェノール系酸化防止剤(チバガイギー社
製、イルガノックス1010)0.02重量部、リン系
酸化防止剤(同、イルガフォス168)0.01重量
部、中和剤(協和化学社製、アルカマイザー)0.02
重量部を加えて、スーパーミキサーを用いて1分間混合
した後、単軸押出機を用いて、温度200℃、スクリュ
−回転数100rpmの条件にて溶融混練した上で、押
出量8kg/hで紐状に押し出し、冷却後ペレット状に
切断して接着性樹脂組成物を得た。得られた組成物のM
FR(230℃、2.16kg荷重)及び無水マレイン
酸含量は表1に示す通りとなった。
【0025】2.樹脂被覆鋼板の作成 多層シート成形機を用い、内層用に上記で得た接着性樹
脂組成物を、外層用にプロピレン・エチレンブロック共
重合体を用い、成形温度230℃、ラインスピード3m
/分で、接着性樹脂層0.5mmとプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体層2mmとからなる二層シートを得
た。次にサンドブラスト鋼板(太佑機材社製、ブラスト
処理#20)に、クロメート処理剤を全クロム付着量が
500mg/m2 になるようにロールを用いて塗布した
上、190℃に加熱して乾燥した。次いでエポキシプラ
イマー(油化シェルエポキシ社製、E828:B002
=2:1)を100μmの厚さで塗布した後、80℃、
2時間架橋処理を行った。上記のプライマー塗布鋼板と
二層シートとをシートの接着性樹脂層が鋼板側になるよ
うに重ね合わせ、温度180℃で3分間予熱した後、温
度180℃、20kg/cm2 の圧力で3分間熱プレス
し、樹脂被覆鋼板を得た。
【0026】3.評価 以下に示す方法により鋼板との接着性、陰極剥離性及び
シート(組成物)の曲げこわさの評価を実施した。 (1)接着強度 接着樹脂層とプライマー塗布した金属との接着強度(k
g/cm)を下記の条件で測定した。 剥離幅 10mm 剥離状態 90度剥離 剥離速度 10mm/min 測定雰囲気温度 23℃、80℃
【0027】(2)陰極剥離性 ロイヤルダッチシェル社が制定したポリプロピレン被覆
鋼管パイプラインの陰極剥離試験に準拠して、下記の条
件で陰極剥離性(剥離の長さ、単位mm)を評価した。 試験温度 80℃ 試験日数 28日 電位差 1.5V
【0028】(3)曲げこわさ JIS K7106に従い成分(A)のポリプロピレン
については測定雰囲気温度23℃において、また組成物
については23℃と80℃の両方において、それぞれ曲
げ変形角度10°の条件で曲げこわさを測定した。なお
組成物については、その結果から23℃と80℃との曲
げこわさの比を算出した。評価結果を表1に接着性樹脂
組成物の配合と併せて示す。(成分(A)のポリプロピ
レンの曲げこわさは配合材料の項に記載した。)
【0029】<実施例8、比較例4> 1.組成物の調製とポリプロピレン/EVOH多層ブロ
ー成形体の製造 実施例8として実施例1で使用した接着性樹脂組成物
を、比較例4として比較例1で使用した接着性樹脂組成
物をそれぞれ用い、ポリプロピレンとガスバリア性樹脂
であるエチレン・ビニルアルコール共重合体(以下EV
OHと表す)との積層ブロー成型品を以下の方法により
製造した。
【0030】ポリプロピレンとして、プロピレン・エチ
レンランダム共重合体(日本ポリケム社製EG7F、M
FR(230℃、2.16kg荷重)1.3g/10
分)を、EVOHとしてクラレ・エバール(クラレ社製
EPF101A、エチレン含量32重量%、MFR(2
30℃、2.16kg荷重)1.3g/10分)を用い
て、ダイスの設定温度を220℃として、ポリプロピレ
ン/接着性樹脂組成物/EVOH/接着性樹脂組成物/
ポリプロピレンの層構成からなる3種5層のブロー成形
を実施した。
【0031】ブロー成型品の内容積は1リットル、平均
肉厚は1.5mmであり、各層の層構成比率はポリプロ
ピレンが各々42%、接着性樹脂樹脂組成物が各々4
%、EVOHが8%であった。このブロー成型品から幅
10mmの短冊状のサンプルを切り出し接着性の評価を
行った。切り出したサンプルの平均厚みは1.5mmで
あった。
【0032】2.接着強度の測定 接着評価は引張試験機(試験速度:50mm/分、23
℃)を用いて、Tピール剥離法で接着強度を評価した。
これらの結果を表2に示す。なお、表中の配合材料の記
号は、それぞれ以下の樹脂、有機過酸化物を示す。 A1:プロピレン・エチレンブロック共重合体(日本ポ
リケム社製BC8D、MFR(230℃、2.16kg
荷重)=0.7g/10分、23℃における曲げこわさ
=1100MPa) A2:プロピレン・エチレンランダム共重合体(日本ポ
リケム社製EG8、MFR(230℃、2.16kg荷
重)=0.7g/10分、23℃における曲げこわさ=
830MPa) A3:ホモポリプロピレン(日本ポリケム社製EA9、
MFR(230℃、2.16kg荷重)=0.5g/1
0分、23℃における曲げこわさ=1200MPa) B1:プロピレン−エチレン共重合体エラストマー(三
井化学社製タフマーS4030、プロピレン含量74%
MFR(230℃、2.16kg荷重)=0.5g/
10分) B2:エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(三
井化学社製タフマーP0680、プロピレン含量32
%、MFR(230℃、2.16kg荷重)=0.7g
/10分) C1:ベンゾイルペルオキシド希釈物(日本油脂社製ナ
イパーBW) C2:2, 5−ジメチル−2, 5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製パーヘキシン25
B)
【0033】<結果の評価>表1から明らかなように、
実施例1〜7で示される本発明の組成物を用いた被覆鋼
板は、エラストマーの組成が本発明の範囲外の比較例
1、含有量が範囲外の比較例2、及びエラストマーの組
成と不飽和カルボン酸等の含有量がともに範囲外の比較
例3と比べて、特に高温(80℃)における接着強度、
陰極剥離が良好であり、また曲げこわさの比も4以下
と、高温と低温との条件差による剛性の変化が小さく、
高温での耐久性が優れている。また、表2からも本発明
の組成物(実施例8)において接着強度が良好となって
いることが知られる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の接着性樹脂組成物を用いた樹脂
被覆鋼管は強い接着強度と良好な陰極剥離性を、特に高
温領域において発現することができる。また、EVOH
等の他種樹脂との接着強度も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB03B AK07A AK07G AK53B AK64A AK64G AK66G AL02A AL05G AL07G AL09G BA02 CB00 DA11 EJ05B EJ34B EJ69B GB90 JK04 JK04G JK06 JL11 4J002 BB12W BB14X BB15X BB21W BB21X GJ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 23℃における曲げこわさが400MP
    a以上のポリプロピレン(以下「成分(A)」と記す)
    と、プロピレンの含有量が50〜90重量%のプロピレ
    ンとα−オレフィンとの共重合体エラストマー(以下
    「成分(B)」と記す)とを含む組成物であって、成分
    (A)/成分(B)の重量比が50/50〜95/5の
    範囲にあり、かつ成分(A)及び成分(B)の少なくと
    も一方が、不飽和カルボン酸又はその無水物の含有量が
    成分(A)と成分(B)との合計量に対して0.01重
    量%以上となるように不飽和カルボン酸又はその無水物
    で変性されたものを含有することを特徴とする接着性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(B)がエチレン・プロピレン共重
    合体エラストマーである請求項1に記載の接着性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 23℃での曲げこわさと80℃での曲げ
    こわさの比が4以下である請求項1又は2に記載の接着
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(A)/成分(B)の重量比が50
    /50〜95/5の範囲にある混合物を不飽和カルボン
    酸又はその無水物により変性することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の接着性樹脂組成物の製
    造方法。
JP31382198A 1998-11-05 1998-11-05 接着性樹脂組成物 Pending JP2000143899A (ja)

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