JP2761547B2 - 接着性樹脂組成物及びそれを用いた被覆鋼管 - Google Patents
接着性樹脂組成物及びそれを用いた被覆鋼管Info
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Description
し、特に金属と熱可塑性樹脂とを適度な接着力で接着す
る接着性樹脂組成物に関する。また、本発明は被覆鋼管
に関し、特に被覆層が適度な接着力で接着している被覆
鋼管に関する。
金属の耐食性、外観、食品衛生上の改善等のために金属
管の内外面や、金属板、電線ケーブル、銅線等にポリエ
チレンを被覆したり、貼り合わせたりしている。この場
合、ポリエチレンと各種金属物品との接着性を改良する
ために、不飽和カルボン酸又はその無水物による変性ポ
リエチレンを含有する種々の組成物が知られている。
もしくはその誘導体をグラフトした特定のメルトインデ
ックス比の実質的に中低圧法エチレン重合体の変性エチ
レン重合体と炭化水素系合成ゴムとからなる組成物を開
示している。
着剤を塗布して加熱処理した金属体に、エチレン・α−
オレフィンランダム共重合体を添加した不飽和カルボン
酸またはその無水物で変性したポリエチレンを加熱接着
する方法を開示している。
びポリイソブチレンからなるシートを金属箔と貼り合わ
せた積層板を開示している。
チレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体及び必
要に応じてゴム状重合体を配合したポリエチレン組成物
と、ポリアミドとの多層積層構造物を開示している。
樹脂と、ポリエチレンとの接着性を改良するものとし
て、線状低密度ポリエチレンを不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体で変性したポリエチレンと合成ゴムとの組
成物を開示している。
チレンと合成ゴムとの混合物に不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体を反応させて変性した組成物を開示してい
る。
るいはそれを用いた積層物においては、金属及び熱可塑
性樹脂等の被着体と、ポリエチレンとの接着強度は改良
されているものの、被着体の予熱温度が低い場合におけ
る接着性が十分でないという問題がある。変性ポリエチ
レンまたはそれを含む組成物は、その樹脂の融点以上で
被着体に被覆できないと十分な接着性が発現しない。そ
のため、通常は被着体を樹脂の融点近くまで予熱してお
き、溶融樹脂を被覆する。しかしながら、例えば金属体
の片面又は両面を逐次に被覆するような場合、金属体の
予熱温度が先に被覆した樹脂の融点近くになると、樹脂
の軟化により剥離や、流垂が生じるという問題がある。
そこで、予熱温度を低下させることが考えられるが、そ
うすると上述した通り十分な接着性が得られないという
問題がある。また上記各組成物は、予熱温度を高くした
場合には、強固に接着しすぎるため、鋼管に被覆した場
合などには、溶接接合時の剥離が困難になるという問題
がある。
を解決しうるものとして、変性ポリエチレン、ポリイソ
ブチレン及び/又はエチレンブテンゴム、並びに変性ポ
リイソブチレン及び/又はエチレンブテンゴムからなる
種々の接着性樹脂組成物が提案されている。
ックス7〜50g/10分の線状低密度ポリエチレンに、不
飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる変
性ポリエチレン50〜95重量%、及び(B) ポリイソブチレ
ン及び/又は該ポリイソブチレンに不飽和カルボン酸も
しくはその誘導体を反応させてなる変性ポリイソブチレ
ン5〜50重量%からなる変性ポリエチレン組成物を開示
している。
に不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてな
る変性ポリエチレンが20重量%以上70重量%未満、(B)
未変性ポリエチレンが0〜85重量%、並びに(C) エチレ
ンブテンゴム及び/又は該エチレンブテンゴムに不飽和
カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる変性エ
チレンブテンゴムが30重量%を越えて80重量%以下から
なる変性ポリエチレン組成物を開示している。
ックス7〜50g/10分の線状低密度ポリエチレンに、不
飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる変
性ポリエチレン10〜85重量%、(B) メルトインデックス
0.1 〜5g/10分の線状低密度ポリエチレン5〜80重量
%、(C) メルトインデックス12〜50g/10分の線状低密
度ポリエチレン5〜80重量%及び(D) ポリイソブチレン
及び/又は該ポリイソブチレンに不飽和カルボン酸もし
くはその誘導体を反応させてなる変性ポリイソブチレン
5〜50重量%からなるポリエチレン組成物を開示してい
る。
ックス0.1 〜50g/10分の線状低密度ポリエチレンに、
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる
変性ポリエチレン10〜90重量%、(B) 未変性ポリエチレ
ン0〜85重量%、(C) ポリイソブチレン及び/又は該ポ
リイソブチレンに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体
を反応させてなる変性ポリイソブチレン5〜50重量%、
並びに(D) エチレンブテンゴム及び/又は該エチレンブ
テンゴムに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応
させてなる変性エチレンブテンゴムもしくは変性ポリノ
ルボルネン5〜50重量%からなるポリエチレン組成物を
開示している。
ックス7〜50g/10分の線状低密度ポリエチレンに、不
飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる変
性ポリエチレン10〜94重量%、(B) 未変性ポリエチレン
0〜84重量%、(C) ポリイソブチレン及び/又は該ポリ
イソブチレンに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を
反応させてなる変性ポリイソブチレン5〜50重量%、及
び(D) 無機充填剤1〜30重量%からなる変性ポリエチレ
ン組成物を開示している。
トインデックス7〜50g/10分の線状低密度ポリエチレ
ンに、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させ
てなる変性ポリエチレン10〜90重量%、(B) 未変性ポリ
エチレン(但し、高密度ポリエチレンを除く)0〜85重
量%、(C) 高密度ポリエチレン及び/又は該高密度ポリ
エチレンに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応
させてなる変性高密度ポリエチレン5〜50重量%及び
(D) ポリイソブチレン及び/又は該ポリイソブチレンに
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を反応させてなる
変性ポリイソブチレン5〜50重量%からなる接着性ポリ
エチレン組成物を開示している。
昭62-119240 号、特開昭62-119245号、特開昭62-119247
号及び特開昭62-119248 号に記載された各組成物は、
被着体の予熱温度が低い場合での接着強度(剥離強度)
は向上しているものの、いまだ100 ℃程度のより低い予
熱温度では十分でないという問題がある。
性ポリエチレンは、100 ℃程度の低い予熱温度での接着
強度は大きいものの、今度は逆に被覆樹脂層の剥離(例
えば鋼管どうしを接合するときに行う被覆樹脂層の意図
的な剥離)が困難である。すなわち、二次加工性が必ず
しも十分でないという問題がある。
脂組成物としては、100 ℃程度の低い予熱温度において
十分な接着力を発揮する(例えば、被覆鋼管に用いた場
合には、ネジ切り加工に耐えうる)とともに、二次加工
に際しては、その剥離が困難でないことが必要である。
則(昭和34年総理府令第55号)の指定に基づき、水
道管、ガス管などには、ポリエチレン又はこれと同等以
上の防食効果を有する被膜が配管の外面から1.5 mm以上
でありコーティング材料が配管の外面に密着している被
覆鋼管の使用が義務づけられている。
てコーティング材料の接着強度が大きすぎると、上述し
たように鋼管どうしを接合するときに行う被覆樹脂層の
剥離を行うのが困難であるという問題がある。一方接着
強度が小さすぎるとネジ切り加工等ができないという問
題がある。
の低い予熱温度であっても、十分な接着力を発揮すると
ともに、二次加工時にその剥離が容易であるような適度
な接着力を有する接着性樹脂組成物を提供することであ
る。
が適度な接着力で接着しており、ネジ切り加工等に耐え
うる接着力を有するとともに、溶接接合等のための剥離
処理を容易に行うことができる被覆鋼管を提供すること
である。
の結果、本発明者らは、接着性に優れた所定の範囲内の
メルトインデックスを有する線状低密度ポリエチレンに
不飽和カルボン酸又はその無水物を反応させた変性ポリ
エチレンと、エチレン−酢酸ビニル共重合体とをそれぞ
れ所定の割合で配合することにより、100 ℃程度の低い
予熱温度であっても、十分な接着力を発揮するととも
に、二次加工時にその剥離が容易であるような適度な接
着力を有する組成物を得ることができることを見出し
た。また本発明者らは、この接着性樹脂組成物を介して
鋼管の外面を被覆すれば、被覆層が適度な接着力で接着
しており、かつ接合溶接時などの二次加工時に被覆層の
剥離が容易な被覆鋼管が得られることを見出した。以上
の発見に基づき本発明に想到した。
7〜50g/10分のメルトインデックスを有する線状低密
度ポリエチレンに不飽和カルボン酸又はその無水物を反
応させた変性ポリエチレン40重量%を超えて50重量%以
下と、エチレン−酢酸ビニル共重合体60重量%未満50重
量%以上とを含有することを特徴とする。
分のメルトインデックスを有する線状低密度ポリエチレ
ンに不飽和カルボン酸又はその無水物を反応させた変性
ポリエチレン40重量%を超えて50重量%以下と、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体60重量%未満50重量%以上とを
含有する接着性樹脂組成物層を介して、熱可塑性樹脂を
外面に被覆してなることを特徴とする。
酸又はその無水物により線状低密度ポリエチレンを変性
したものである。
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボ
ン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、エンド−ビシ
クロ〔2,2,1 〕-5−ヘプテン-2,3−ジカルボン酸無水物
(無水ハイミック酸) 等のジカルボン酸無水物等が挙げ
られ、特に無水マレイン酸及びメタクリル酸が好まし
い。
としては、本発明においては接着性及び耐久性に優れて
いることから線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用す
る。線状低密度ポリエチレンは、クロム系またはチーグ
ラ系の触媒の存在下に、低圧の気相法、溶液法または液
相法でエチレンに炭素数4以上、好ましくは6以上のα
−オレフィンを20重量%以下程度共重合した短鎖分枝状
のポリエチレンであり、0.905 〜0.950 g/cm3 の密度を
有する。また、その分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)が3〜12のものが好ましい。
7〜50g/10分、好ましくは10〜20g/10分のメルトイ
ンデックス (190 ℃、2.16kg荷重) を有する。線状低密
度ポリエチレンのメルトインデックスが7g/10分未満
では、被着体の予熱温度が低い(100 〜140 ℃程度)場
合における接着性が十分でなく、一方50g/10分を越え
ると、得られる組成物の強度が不十分となる。
はその無水物の含有量は0.05〜1重量%、特に0.15〜0.
6 重量%の範囲内となるようなものであるのが好まし
い。不飽和カルボン酸又はその無水物による変性量が0.
05重量%未満では、ネジ切りなどの加工に耐えうる金属
との十分な接着強度が得られず、また1重量%を超える
と、こんどは逆に接着力が大きくなりすぎて、接着後そ
の剥離が困難となるため好ましくない。
メルトインデックスは1〜50g/10分の範囲内にある。
法のいずれでも製造することができる。溶液法の場合、
キシレン等の有機溶剤にポリエチレン、変性用不飽和カ
ルボン酸(又は酸無水物)及び触媒を溶解し、120 〜15
0 ℃の温度で攪拌しながら行う。また溶融混練法の場
合、上記出発物質を押出機や二軸混練機等に投入し、12
0 〜280 ℃の温度に加熱して溶融しながら混練する。い
ずれの場合にも、触媒として通常のラジカル重合用触媒
を用いることができ、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、過酸化アセ
チル、ターシャリーブチルペルオキシ安息香酸、過酸化
ジクミル、ぺルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、ター
シャリーブチルペルオキシピバレート、2,5-ジメチル-
2,5- ジターシャリーブチルペルオキシヘキシン等の過
酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化
合物類等が好ましい。触媒の添加量は変性用不飽和カル
ボン酸又はその無水物 100重量部に対して1〜 100重量
部程度である。
チレンと、変性モノマーとの配合割合は、線状低密度ポ
リエチレン100 重量部に対して、変性モノマー0.05〜1
重量部とするのが好ましい。
A) エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニルの
含有率が3〜20重量%の共重合体である。特に本発明に
おいては、酢酸ビニルの含有率が3〜10重量%の範囲内
にあるものを用いるのが好ましい。このようなエチレン
−酢酸ビニル共重合体のメルトインデックス(190 ℃、
2.16kg荷重)は、通常0.5 〜150 g/10分、好ましくは
1.0 〜10g/10 分である。
ニル共重合体との配合割合は、変性ポリエチレンが40重
量%を超えて50重量%以下、好ましくは45〜50重量%で
あり、エチレン−酢酸ビニル共重合体が60重量%未満50
重量%以上、好ましくは55〜50重量%である。線状低密
度ポリエチレンが40重量%以下では (エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体が60重量%未満では) 、接着力が低下し、
ネジ切り等の加工性が低下し、一方変性ポリエチレンが
50重量%を越えると (エチレン−酢酸ビニル共重合体が
50重量%未満では) 、こんどは逆に接着力が大きくなり
すぎて、剥離が困難となる。
物の成形加工性をコントロールするために、未変性の線
状低密度ポリエチレンを添加することができる。未変性
の線状低密度ポリエチレンを添加する場合、その添加量
は、接着性樹脂組成物100 重量部に対して50重量部以
下、好ましくは20重量部以下である。その添加量が50重
量部を超えると得られる組成物の接着力が低下する。
改質を目的として、他の添加剤、例えば無機充填材、熱
安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、核
剤、帯電防止剤等を添加することができる。
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、必要に応じて
添加される線状低密度ポリエチレン及び各種添加剤を溶
融混練することにより得ることができる。溶融混練は、
出発物質を押出機や二軸混練機等の中において120 〜28
0 ℃で行う。
脂組成物は、金属材料及び各種熱可塑性樹脂、特に金属
材料に対して100 〜140 ℃と比較的低い予熱温度でも良
好な接着性を示す。
ム、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。
金属材料は、板状体、箔、筒状体、管状体、線、あるい
はその他の各種形状のものを用いることができる。
接着は、例えば接着性樹脂組成物をフィルム、シート等
に予め成形しておき熱融着する方法、押出機のダイの外
部でラミネートする方法、チューブ状またはシート状に
押出コーティングする方法、あるいは粉体塗装する方法
など公知の方法を用いることができる。
材料に対して油分除去、酸洗浄、ショットブラスト、ク
ロメート処理、リン酸亜鉛処理等の前処理を施すのが好
ましい。さらにプライマー処理としてエポキシ樹脂系の
プライマー等を介在させるとより効果的である。エポキ
シ樹脂系のプライマーとしては、耐熱性及び安定性の点
で一液性又は二液性の変性エポキシプライマーが好まし
い。
は、各種金属材料に対して適度な接着性を有するため、
ネジ切り加工等に耐えうる接着力を有するとともに、溶
接接合等のための剥離処理などが容易である。
組成物を介して熱可塑性樹脂を被覆してなる。
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレ
フィン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−10等のポリアミド、ポリビニルアル
コールを部分的にアセタール化した樹脂(ビニロン)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体を部分的に加水分解した
樹脂(エバール)、ポリエチレンテレフタレートやポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル等が挙げられるが、ポリエチレンが好ましい。ポリ
エチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン
等を用いることができ、特に高密度ポリエチレン及び中
密度ポリエチレンが好ましい。
にして製造することができる。鋼管にショットブラス
ト、グリッドブラスト又は酸洗い等の表面処理を行い洗
浄した後、クロメート処理を施す。前処理を施した鋼管
は、高周波誘導加熱等により100 〜140 に加熱し、この
鋼管の外面に前記接着性樹脂組成物を融点以上、好まし
くは120 〜280 ℃の温度でチューブ状に押出すか、ある
いはシート状物を管に巻き付けて被覆する。この接着性
樹脂層の厚さは使用目的等により異なるが、通常は0.1
〜0.25mm程度である。さらに、その上から外層材 (例え
ば高密度ポリエチレン)を融点以上、好ましくは140 〜
280 ℃の温度でチューブ状に押出すか、あるいはシート
状物を巻き付けることにより被覆した後、直ちに水冷す
る。水冷は、3分後の被塗物の表面温度が40℃以上とな
る条件で行うのが好ましい。また外層材は、通常1.0 〜
3.0mm 程度の管状に製造されており、その厚さは用途に
応じて適宜選択される。
外層用樹脂とを120 〜300 ℃でチューブ状あるいはシー
ト状にそれぞれ上記厚さとなるように共押出して、同時
に鋼管の外面に被覆することもできる。
は、適度な接着力で接着した被覆層を有し、その接着力
は、予熱温度が100 〜140 ℃の場合で3〜6.5 kgf/cm
(後述する実施例の剥離強度試験による) である。この
ような接着力とすることにより、ネジ切り加工等に耐え
うるとともに、溶接接合等のための剥離処理を容易に行
うことができる。
度が100 ℃程度の低温であっても、十分な接着力を発揮
するとともに、二次加工時にその剥離が容易であるよう
な適度な接着力を有する。
上記接着性樹脂組成物を介して熱可塑性樹脂で被覆して
なるので、被覆層が適度な接着力で接着しており、ネジ
切り加工等に耐えうるとともに、溶接接合等のための剥
離処理を容易に行うことができる。
必ずしも明らかではないが、適度な接着力を発揮するよ
うにメルトフローレートを選択した線状低密度ポリエチ
レンを不飽和カルボン酸またはその無水物により変性し
てなる変性ポリエチレンと、低温でも接着性を発現する
エチレン−酢酸ビニル共重合体とを、それぞれ鋼管との
接着性樹脂組成物として好適な物性を発揮するように所
定の割合で配合しているためであると考えられる。
明する。なお、原料となる樹脂成分としては、以下のも
のを使用した。 〔1〕線状低密度ポリエチレン LLDPE:〔メルトインデックス (190 ℃、2.16kg荷
重) 20g/10分、密度0.924 g/cm3 〕 〔2〕エチレン−酢酸ビニル共重合体 EVA:〔酢酸ビニル含有量5重量%、メルトインデッ
クス (190 ℃、2.16kg荷重) 2.3 g/10分〕
無水マレイン酸0.6 重量部と、パ−ヘキシン2,5 B(日
本油脂(株)製)0.05重量部とをドライブレンドした。
この混合物を内径45mm、L/D 比が30の二軸押出機に入
れ、 200℃で滞留時間が60秒となるように混練し、無水
マレイン酸変性ポリエチレン(CMPE)を得た。
のメルトインデックス (190 ℃、2.16kg荷重) は、12g
/10 分であり、無水マレイン酸のグラフト率は0.5 重量
%であった。
ビニル共重合体(EVA)とを第1表に示す割合ドライ
ブレンドした後、二軸押出機(45mmφ、L/D =30)を用
いて200 ℃、200 rpmで溶融混練して接着性樹脂組成
物を得た。
を各予熱温度で鋼板に接着した場合の剥離強度、耐塩水
性、ネジ切り性及び剥離特性の評価を行った。その結果
を組成とともに第1表に示す。
41)100mm×100mm×0.3mmを電解脱脂処理し
た後、加熱板上で所定温度に予熱し、この上に接着性樹
脂組成物のシート(厚さ1mm)と高密度ポリエチレンシ
ート(厚さ3mm)のシートとを設置し、220 ℃に加熱・
溶融して融着し、10秒間放置後に流水中に浸漬して冷却
して試験片を作成した。この試験片の樹脂層を幅1cmに
切断して一部を剥離してつかみ代とし、インテスコ引張
試験機を用い、剥離速度50mm/分での90°剥離強度
を23℃にて測定した(単位はkg/cm)。 (2) 耐塩水性:3%の塩化ナトリウム水溶液(50℃)
に上記試験片を浸漬し、30日後の剥離状態を観察し、
以下の基準により評価した。 ○:剥離なし。 △:5mm未満の剥離が認められる。 ×:5mm以上の剥離が認められる。
樹脂組成物は、被着体の予熱温度が100 ℃と低くとも適
度 (接着強度が3〜6.5 kgf/cmの範囲内) な接着性を示
し、かつ耐塩水性の優れるものであった。なお後述する
ように接着強度3〜6.5 kgf/cmは、ネジ切りが容易であ
るとともに、人の手により容易に剥離可能な強度であ
る。
20mmφ)×5.5 mのSGP材を用意した。
熱し、実施例2の接着性樹脂組成物と、中密度ポリエチ
レン(密度0.938 g/cm3 )とを接着性樹脂組成物が約0.
2 mm、中密度ポリエチレンが約1.3 mm、総厚さ1.5 mmと
なるようにチューブ状に共押出しして、鋼管の外面に被
覆し、3分後の被覆層の表面温度が40℃以上となる条件
下にて水冷して、被覆鋼管を得た。
覆鋼管における被覆層の接着力(雰囲気温度20℃)をそ
れぞれ10回ずつ測定し、その最大値、最小値及び平均
値をそれぞれ求めた。結果を第2表に示す。
の樹脂層に幅1cmの切り込みを入れ、一部を剥離してつ
かみ代とし、引張り試験機を用いて剥離強度を測定し
た。なお、引張り試験の条件は、引張り速度50mm/分、
剥離角度90°及び測定温度20℃であった。
(予熱温度120 ℃)として、同様に被覆鋼管を作製し、
各被覆鋼管における被覆層の接着力をそれぞれ10回ず
つ測定してその最大値、最小値及び平均値をそれぞれ求
めた。結果を第3表に示す。
の被覆鋼管は、種々の予熱温度及び雰囲気温度において
被覆層の接着強度が3〜6.5 kgf/cmの範囲内であり、種
々の条件下で、好適な接着力を発揮する被覆層を有する
ものであった。
接着性樹脂組成物と、中密度ポリエチレン(密度0.938
g/cm3 )とを接着性樹脂組成物が約0.2 mm、中密度ポリ
エチレンが約1.3 mm、総厚さ1.5 mmとなるようにチュー
ブ状に共押出しして、鋼管の外面に被覆し、3分後の被
覆層の表面温度が40℃以上となる条件下にて水冷して、
被覆鋼管を得た。
水性、耐塩水性、陰極剥離、耐ストレスクラッキング性
(ESCR)1カ月後の被膜の異常の有無、及びネジ切
りの可否を測定した。結果を第4表に示す。また、比較
のために、実施例5において、実施例2の接着性樹脂組
成物の代わりに、粘着剤(アスファルト系の粘着剤)を
使用した場合(比較例3)についても同様の物性試験を
行った。結果を第4表に示す。
被覆鋼管を1ケ月浸漬した後の鋼管と樹脂層の接着面へ
の水の浸透度を測定した(単位はmm)。 (2) 耐塩水性:5%塩化ナトリウム水溶液(23℃)に
被覆鋼管を1ケ月浸漬した後の水の浸透度を測定した
(単位はmm)。 (3) 陰極剥離:3%塩化ナトリウム水溶液(23℃)に
被覆鋼管を−3Vの電圧で14日間浸漬した後の剥離径を
測定した(初期ホール径3mmφ、単位はmmφ)。 (4) ESCR:被覆鋼管の被膜の軸方向及び円周方向に
50mmのノッチを入れ、1%リポノックス溶液(50℃)
中に1ケ月浸漬した後のノッチからのクラックの成長を
軸方向及び円周方向の2方向について測定し、異常の有
無を確認した。 (5) ネジ切り性:20℃及び50℃の雰囲気中で、ネジ切り
機(REX製)でJIS B0203 の管用テーパネジ加工を行
い、被膜のズレもなく良好にネジ加工ができたものを
可、そうでないものを不可として評価した。なお、粘着
剤を使用した比較例3については、ネジ切り性の評価は
行わなかった。
鋼管は、耐水道水性、耐塩水性、陰極剥離性及びネジ切
り性が良好であり、ESCRによる異常も無かった。特
に耐水道水性に優れていた。
組成物は、被着体の予熱温度が100 ℃程度の低温であっ
ても、十分な接着力を有するとともに、二次加工時にそ
の剥離が容易であるような適度な接着力を発揮する。こ
のような本発明の接着性樹脂組成物は、金属と各種熱可
塑性樹脂との接着用に、特に金属管の被覆層用として好
適である。
した本発明の被覆鋼管は、鋼管の外面を上記接着性樹脂
組成物を介して熱可塑性樹脂で被覆してなるので、被覆
層が適度な接着力で接着しており、ネジ切り加工等に耐
えうる接着力を有するとともに、溶接接合等のための剥
離処理を容易に行うことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 7〜50g/10分のメルトインデックスを
有する線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン酸又は
その無水物を反応させた変性ポリエチレン40重量%を超
えて50重量%以下と、エチレン−酢酸ビニル共重合体60
重量%未満50重量%以上とを含有することを特徴とする
接着性樹脂組成物。 - 【請求項2】 7〜50g/10分のメルトインデックスを
有する線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン酸又は
その無水物を反応させた変性ポリエチレン40重量%を超
えて50重量%以下と、エチレン−酢酸ビニル共重合体60
重量%未満50重量%以上とを含有する接着性樹脂組成物
層を介して、熱可塑性樹脂を外面に被覆してなることを
特徴とする被覆鋼管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35563492A JP2761547B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 接着性樹脂組成物及びそれを用いた被覆鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35563492A JP2761547B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 接着性樹脂組成物及びそれを用いた被覆鋼管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184378A JPH06184378A (ja) | 1994-07-05 |
JP2761547B2 true JP2761547B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=18444981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35563492A Expired - Lifetime JP2761547B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 接着性樹脂組成物及びそれを用いた被覆鋼管 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2761547B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109401643A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-03-01 | 金旸(厦门)新材料科技有限公司 | 一种具有高粘接力钢带增强聚乙烯螺旋波纹管专用粘接树脂材料及其制备方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5237016B2 (ja) * | 2008-08-20 | 2013-07-17 | 大丸産業株式会社 | 被覆用樹脂組成物及び被覆鋼材 |
KR101966498B1 (ko) * | 2016-08-31 | 2019-04-05 | 주식회사 투에이취켐 | 분체도료 조성물 |
-
1992
- 1992-12-18 JP JP35563492A patent/JP2761547B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN109401643A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-03-01 | 金旸(厦门)新材料科技有限公司 | 一种具有高粘接力钢带增强聚乙烯螺旋波纹管专用粘接树脂材料及其制备方法 |
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JPH06184378A (ja) | 1994-07-05 |
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