JPH08302856A - 防汚性建築材料及び外装建材ユニット - Google Patents

防汚性建築材料及び外装建材ユニット

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JPH08302856A
JPH08302856A JP7135729A JP13572995A JPH08302856A JP H08302856 A JPH08302856 A JP H08302856A JP 7135729 A JP7135729 A JP 7135729A JP 13572995 A JP13572995 A JP 13572995A JP H08302856 A JPH08302856 A JP H08302856A
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和彦 水島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 頻繁なメンテナンスが不要で、抗菌・防黴性
に優れるだけでなく、シリコーンシーラント材から滲み
出て建材表面に付着したシリコーン系オイルを分解もし
くは改質することによって、通常の洗浄剤で除去不可能
な汚れの付着を防止し、従って通常の清掃作業で建築物
の美観を維持できる外装材、特にカーテンウォール等の
外装建材ユニットを提供する。 【構成】 枠材3にパネル材1、2をシリコーンシーラ
ント材6a、6bを介して固定してなる外装建材ユニッ
トおいて、上記シリコーンシーラント材に接する部位を
除き、枠材及び/又はパネル材の少なくともシリコーン
シーラント材近傍の表面に光の照射下で有機物質の分解
を行う光触媒作用を有する半導体を含む薄膜10をコー
ティングする。前記光触媒作用を有する半導体を含む薄
膜の上にさらに銀、銅等の抗菌性の金属を含む薄膜をコ
ーティングすることにより、より一層抗菌・防黴性に優
れた建材が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機物質の分解作用を
有する防汚性の建築材料(以下、建材と略称する)に関
し、さらに詳しくは、その表面に形成された光触媒作用
を有する半導体あるいはさらに抗菌性金属をコーティン
グしてなる抗菌・防黴・防汚性に優れた建材、及びそれ
を用いた外装建材ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】カーテンウォール等の外装建材の場合、
ガラス、金属、石材等のパネル材を枠材に固定し、水密
性、気密性を持たせる為のシール材として、耐候性に優
れ、適度な弾力を有するシリコーン系のシール材(シリ
コーンシーラント材)が広く使用されている。しかし、
シリコーンシーラント材は、時間が経過すると、その内
部に含有されたシリコーン系のオイルが表面に滲み出
し、さらには、風雨等によって飛散してパネル材や枠材
の表面(室外側表面)に付着する。このシリコーン系の
オイル上に汚れが付着し、建築物外装の黒ずみ汚れの原
因となっている。この汚れは通常の界面活性剤を用いた
洗浄剤によるビル清掃等で除去することができず、建築
物の美観を低下させる大きな問題となっている。
【0003】ところで、TiO2 に代表される光触媒作
用を有する半導体微粒子が、その光触媒作用により有機
物の分解を行い、その作用に基づき抗菌・防黴・防汚・
防臭作用を有することは従来から知られており、最近で
はそれらを利用して、細菌や黴が繁殖しにくい様々な材
料が研究、開発されている。例えば、特開平2−633
3号公報には酸化チタンの粒子表面に銅、亜鉛等の抗菌
性金属を担持させた抗菌性粉末について開示されてお
り、この粉末を樹脂、ゴム、ガラス等に配合することに
よって抗菌性組成物が得られ、また、公知の方法によ
り、電機機器、家具調度品、室内装飾材、食品等の包装
資材などの抗菌性処理のほか、環境衛生施設、機器類の
抗菌剤として上記粉末を利用できると教示している。特
開平6−65012号公報には、銀、銅、亜鉛、白金等
の金属を含有した酸化チタン膜をコンクリート、ガラ
ス、プラスチック、セラミックス、金属等の材質からな
る基板にコーティングすることによって、該基板におい
て雑菌及び黴の繁殖を防止できる旨が開示されている。
しかしながら、このような光触媒作用を有する半導体
を、シリコーンシーラント材と組み合わせて用いられる
建材、特に外装建材ユニットの防汚性付与に利用した例
は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したようなシリコ
ーンシーラント材から滲み出たシリコーン系オイルの建
材表面への付着及びそれに起因する建築物外装の黒ずみ
汚れを防止するためには、前記のような光触媒作用を有
する半導体微粒子をシリコーンシーラント材に含有させ
ることが考えられる。しかしながら、この場合、半導体
微粒子の光触媒作用によってシリコーンシーラント材
(シリコーンゴム)自体が低分子量の化合物に分解され
たり、改質されるため、その水密・気密性が劣化してし
まう。従って、このようなシリコーンシーラント材を、
パネル材を枠材に固定し恒久的に水密・気密性を保持す
るためのシール材として用いることはできない。また、
光触媒作用を有する半導体をコーティングしたパネル材
を枠材にシリコーンシーラント材を介して固定した場合
にも、半導体の光触媒作用が直接、シリコーンシーラン
ト材に作用するため、上記と同様にシリコーンシーラン
ト材の水密・気密性が劣化してしまう。このため、シリ
コーンシーラント材から滲み出たシリコーン系オイルの
建材表面(室外側表面)への付着及びそれによる建築物
外装の黒ずみ汚れを防止するための有効な解決策はこれ
まで見い出されておらず、その清掃に多大の労力と経費
を要しているのが現状である。
【0005】従って、本発明の目的は、特別な装置、処
理等を要することなく、安全性、耐久性よく抗菌・防黴
性を発揮し、かつ頻繁なメンテナンスが不要であり、各
種の建築用資材として広範に用いることができる防汚性
の建材を提供することにある。さらに本発明の目的は、
抗菌・防黴性に優れるだけでなく、シリコーンシーラン
ト材から滲み出て建材表面に付着したシリコーン系オイ
ルを低分子量化合物に分解、又は改質することにより、
界面活性剤を用いた洗浄剤で取り除くことができない汚
れの付着を防止することによって、通常の清掃作業で建
築物の美観を維持できる外装材、特にカーテンウォール
等の外装建材ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の一側面によれば、シリコーンシーラント材
と組み合わせて用いられるアルミニウム、アルミニウム
合金、鉄、ステンレス鋼、ガラス、石材等からなる建材
において、シリコーンシーラント材に接する部位を除
き、少なくともシリコーンシーラント材近傍の部材表面
に光の照射下で有機物質の分解を行う光触媒作用を有す
る半導体を含む薄膜をコーティングしてなることを特徴
とする建材が提供される。好適な態様においては、部材
表面に前記光触媒作用を有する半導体と銀、銅等の抗菌
性の金属を含む薄膜をコーティングすることにより、よ
り一層抗菌・防黴性に優れた建材が提供される。この場
合の薄膜の構造は、光触媒作用を有する半導体を含む薄
膜の上に抗菌性金属を含む薄膜をコーティングした二層
構造としてもよく、あるいは半導体を含む薄膜中に抗菌
性金属が混在する一層構造としてもよい。なお、本明細
書中で言う「半導体(及び/又は抗菌性金属)を含む薄
膜」とは、半導体(及び/又は抗菌性金属)自体から薄
膜を形成する場合及び適当な媒体に半導体(及び/又は
抗菌性金属)微粒子を添加した混合物から薄膜を形成す
る場合のいずれの態様も含む概念を意味している。
【0007】さらに本発明の他の側面によれば、枠材に
ガラス、金属、石材等のパネル材をシリコーンシーラン
ト材を介して固定してなる外装建材ユニットであって、
上記シリコーンシーラント材に接する部位を除き、枠材
及び/又はパネル材の少なくともシリコーンシーラント
材近傍の表面に光の照射下で有機物質の分解を行う光触
媒作用を有する半導体を含む薄膜をコーティングしてな
ることを特徴とする外装建材ユニットが提供される。こ
の場合、通常の清掃作業で建築物の美観を維持できるよ
うにするためには、上記枠材及び/又はパネル材の室外
側表面に、光触媒作用を有する半導体を含む薄膜、又は
該半導体と抗菌性金属を含む薄膜をコーティングする必
要がある。
【0008】
【発明の作用及び態様】本発明の建材は、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス、ガラス等から
なる基材の表面に、光触媒作用を有する半導体を含む薄
膜(以下、光触媒膜という)を形成したものである。こ
のように、建材表面に光触媒作用を有する半導体微粒
子、例えば、TiO2が存在していることにより、この
半導体微粒子に太陽光線や蛍光灯の光が照射されると、
TiO2 表面に正孔(h+ )や電子(e- )が生じ光触
媒作用を示し、水や各種の有機物の分解が行われる。ま
た、この正孔の作用により空気中の酸素が還元され、酸
素ラジカルを生ずる。この酸素ラジカルは優れた殺菌作
用を有し、その結果、黴等が生じにくくなる。
【0009】本発明によれば、上記のような作用を有す
る建材から枠材及び/又はパネル材を製作するが、これ
らをシリコーンシーラント材と組み合わせてカーテンウ
ォール等の外装建材ユニットを構成する場合、上記枠材
及び/又はパネル材のシリコーンシーラント材と接する
部位を除いた表面(室外側表面)に光触媒膜がコーティ
ングされる様に構成する。このように構成したことによ
り、これらのユニットから組み立てられた外装建材(カ
ーテンウォール)は、日中は室外面にコーティングされ
た光触媒膜に太陽光線が照射され、コーティング面は光
触媒作用を発揮する。この光触媒作用によって、表面に
有機系の汚れが付着してもこれを速やかに分解する。ま
た、シリコーンシーラント材から飛散してくるシリコー
ン系オイルが外装建材表面に付着しても、上記光触媒作
用によってシリコーン系オイルは低分子量化合物に分解
されるか、改質され、通常の洗浄剤により除去不可能な
汚れが付着しなくなる。これらの効果によって、建築物
外装面の清掃等の頻度を低減させるばかりでなく、通常
の清掃作業で取り除くことが困難なシリコーン系オイル
に起因する汚れを防止することにより、通常の清掃作業
で建築物の美観を維持できるようになる。さらに、光触
媒作用による抗菌・防黴性によって黴等に起因する汚れ
を防止することができる。また、建材のシリコーンシー
ラント材と接触する部位には光触媒膜はコーティングさ
れていないので、光触媒作用が直接シリコーンシーラン
ト材に作用してシーラント材自体を分解もしくは改質す
ることはなく、従ってシーラント材の水密性、気密性を
劣化させることはない。
【0010】上記建材表面にコーティングされる半導体
としては、電子−正孔移動度比が比較的大きく、上記の
ような光触媒作用を有する半導体であればいずれも使用
可能であり、例えばTiO2 、RuO2 、Cs3 Sb、
InAs、InSb、GaAs等が挙げられるが、これ
らの中でも特にTiO2 が好ましい。このような光触媒
作用を有する半導体のコーティング方法としては、スパ
ッタ法、溶射法、レーザーアブレーション法、ゾル−ゲ
ル法、メッキ法など種々の方法を用いることができる。
また、適当な樹脂溶液中に半導体微粒子を分散させ、こ
れを建材表面に塗布・乾燥することによってもコーティ
ングすることができる。このような方法によって、建材
表面に極めて密着強度の高い光触媒膜が形成される。
【0011】建材表面にコーティングされる光触媒膜の
膜厚は、数nm〜1μmが適当である。1μm以上の膜
厚になると基材表面から剥離し易くなるので好ましくな
い。特に光触媒膜をコーティングした建材に穴を開けた
り、切断したりする加工時や、施工時に剥離が起きやす
くなる。一方、膜厚が薄くなれば光触媒作用も弱まるの
で、数nm以上、好ましくは10nm以上が望ましい。
【0012】なお、樹脂溶液中に半導体微粒子を分散さ
せ、これを建材表面に塗布するコーティング法の場合、
混合される半導体微粒子の割合は樹脂成分に対し0.0
1〜100重量%、好ましくは10重量%以上、100
重量%未満の範囲にあることが望ましい。0.01重量
%より少なくなると光触媒特性を発揮する半導体微粒子
の量が不足し、ひいては建材の充分な抗菌・防黴性が得
られず、一方、100重量%を超えると抗菌・防黴性の
発揮に関しては問題ないが、塗膜の密着性が著しく低下
するので好ましくない。使用する半導体微粒子の粒径
は、1nm〜1μm、好ましくは5nm〜0.5μmが
適当である。粒径が1nmより小さくなると量子サイズ
効果によりバンドキャップが大きくなり、紫外線などの
エネルギーの大きな光の照射下でないと光触媒性能が得
られないといった問題がある。また、粒径があまりに小
さ過ぎると取り扱いが困難であったり、分散性が悪くな
るという問題も生じてくる。取り扱い性の点からは5n
m以上の粒径が好ましい。一方、粒径が1μmを超える
と、半導体微粒子の担持性が悪くなり、基材表面に形成
される塗膜中の半導体微粒子含有量が少なくなる。さら
には、粒径が大きいと塗膜表面に比較的大きな半導体微
粒子が存在することになるため、表面の滑らかさが乏し
くなり、また表面に露出した粒子が脱落し易くもなる。
以上の点から、半導体微粒子は0.5μm以下の粒径が
好ましい。使用する樹脂材料としてはアクリル系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系、フッ素系等の種々の材料
が使用でき、また塗布方法としても電着塗装、静電塗装
等の種々の方法を採用できる。
【0013】前記光触媒作用を示す半導体をコーティン
グする部位は、外装建材全体に抗菌・防黴・防汚性を持
たせたい場合には、外装建材を構成する部材の全ての室
外側露出表面に光触媒膜をコーティングする。また、シ
リコーンオイルに起因する汚れの除去に重点を置く場合
には、シリコーンシーラント材が施工される部位から約
1mの範囲にわたってコーティングを行う。なお、外装
建材を構成する部材の室内側露出表面に光触媒膜をコー
ティングし、その光触媒作用により室内空気の清浄化も
行えるようにすることもできる。前記いずれのコーティ
ングにおいても、シリコーンシーラント材に接する部位
には光触媒膜のコーティングを行ってはならない。それ
は、光触媒作用によってシリコーンシーラント自体が分
解もしくは改質され、組み立てられた外装建材の水密・
気密性を低下させるからである。コーティングを行わな
い部位については、光触媒膜のコーティングに先立っ
て、予め樹脂材料のフィルムや、アルミ、鉄、ステンレ
ス等の金属箔などで該当部位をマスキングすることによ
って、光触媒膜がコーティングされないようにすること
ができる。
【0014】さらに本発明によれば、前記のように基材
表面に光触媒膜をコーティングした後、さらに銀、銅等
の抗菌作用を有する金属をコーティングすることによ
り、より一層抗菌・防黴効果に優れた建材が提供され
る。それによって、夜間、明かりが消えても抗菌・防黴
性が維持され、建物全体を常に清浄に保つことができ
る。上記抗菌・防黴性を有する金属のコーティング方法
としても、前記光触媒膜のコーティング方法と同様に、
スパッタ法、溶射法、レーザーアブレーション法、ゾル
−ゲル法、メッキ法など種々の方法を用いることができ
る。
【0015】コーティングされる抗菌性金属膜の膜厚
は、1μm以下とする必要がある。前記した光触媒膜の
場合と同様な膜の剥離の問題に加えて、1μmを超える
と建材表面に金属色が付き始め、美観上の問題が生じる
ほか、下地にある光触媒膜の光触媒作用を低下させるこ
とにもなる。従って、抗菌性金属膜の膜厚は、1μm以
下とする必要があり、好ましくは1〜100nm、特に
好ましくは1〜10nmである。また、このような抗菌
性金属は、必ずしも建材表面に膜状に付着させる必要は
なく、島状に分散して付着させる方が好ましい。
【0016】なお、本発明の建築材料としては、枠材、
パネル材、シリコーンシーラント材からなる外装建材ユ
ニット(例えばカーテンウォール)、サイディング材、
屋根材などの目地にシリコーンシーラント材を用いる外
装建材、タイル材などの目地にシリコーンシーラント材
を用いる内装あるいは外装建材、建材と壁材との接合部
にシリコーンシーラント材を用いる外装建材などがあ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。図1及び図2は本発明の建
材を用いたカーテンウォールの施工例を示しており、図
1はガラスパネル1とアルミパネル2との枠材3による
連結部、図2はその組立状態を示している。ガラスパネ
ル1とアルミパネル2は、図2に示すように建築物(ビ
ル)の壁部に沿って垂直方向に交互に配置され、図1に
示すようにシリコーンシーラント6a、6bを介してそ
れぞれ枠材3に固定されている。枠材3はブラケット7
a、7bにより支柱(図示せず)に固定される。ガラス
パネル1とアルミパネル2の室外側表面には、それぞれ
シリコーンシーラント6a、6bと接触する部位を除き
TiO2 からなる光触媒膜10がコーティングされてお
り、また、枠材3の上枠材4及び下枠材5にもそれぞれ
室外側側面にTiO2 からなる光触媒膜10がコーティ
ングされている。なお、図1に点線で示すように、上枠
材4の室外側上端面4a及び下枠材5の室外側下端面5
aにも光触媒膜をコーティングすることができる。
【0018】次に、本発明の効果を具体的に確認した実
施例及び比較例を以下に示す。 実施例:5cm平方の純アルミニウム板上に、光触媒で
あるTiO2 の膜を膜厚が0.1μmとなるようにコー
ティングした。コーティングに際してはDCマグネトロ
ンスパッタ装置を使用し、以下の条件でコーティングを
行った。 ターゲット:Ti スパッタガス:Ar+O2 ガス圧(全圧):1.0Pa(O2 分圧:1×10-2
a) スパッタ時間:30分
【0019】比較例:比較例として何ら処理を行ってい
ない5cm平方の純アルミニウム板を使用した。
【0020】防汚性評価1:実施例で得られたTiO2
膜をコーティングしたAl板と、何ら処理をしていない
Al板の防汚性を調べるため、30cm×30cm×3
0cmの箱中に上記2種類のAl板と蛍光灯を設置し、
蛍光灯の照射下で1時間の間、常に煙草を燃焼させた。
その際の各Al板の重量の経時変化を図1に示す。
【0021】図1からわかるように、未処理のAl板は
時間の経過に伴い重量が増加しているが、TiO2 膜を
コーティングしたAl板ではほとんど重量が変化してい
ない。未処理Al板の重量増加は、煙草のヤニが付着し
たものである。TiO2 膜をコーティングしたAl板で
は、付着した煙草のヤニが、蛍光灯照明下での光触媒効
果によって分解・除去されたため、ほとんど重量が変化
しなかったものである。
【0022】防汚性評価2:実施例で得られたTiO2
膜をコーティングしたAl板と、何ら処理をしていない
Al板上に、それぞれシリコーンオイル1mgを塗布
し、その重量を測定した後、20日間屋外暴露した。暴
露後の試料を洗剤(界面活性剤:水=1:10)で洗浄
・乾燥し、暴露前の重量と比較した。表1に暴露後の重
量増加量を示す。
【表1】
【0023】表1からわかるように、未処理Al板の場
合に比較し、TiO2 膜をコーティングしたAl板の方
が重量増加が小さかった。また目視上も明らかにTiO
2 膜をコーティングしたAl板の方が清浄な表面となっ
ていた。これは、通常のシリコーンオイルには疎水性の
汚れが付着し易く、この汚れを前記洗剤で洗い流すこと
は困難であるが、TiO2 膜をコーティングしたAl板
の場合は、TiO2 の光触媒効果によってシリコーンオ
イルが分解あるいは改質されることによって、前記疎水
性の汚れが付着し難くなり、前記洗剤によってほとんど
の汚れを洗い流せるようになったものである。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の建材は、煙草の
ヤニのような有機物を分解する作用ばかりでなく、シリ
コーンオイルに起因する汚れを減少させる作用を有する
ことが確認できた。このように、シリコーンシーラント
材と接触する部位を除き、表面に光触媒作用を有する半
導体を含む薄膜をコーティングしてなる枠材や、表面に
光触媒作用を有する半導体を含む薄膜をコーティングし
てなるガラス、金属、石材等のパネル材とをシリコーン
シーラント材と組み合わせて外装建材を構成した場合に
は、光触媒膜によるシリコーンシーラント材自体の分解
や改質による水密・気密性の劣化を生ずることなく、光
触媒作用によって有機物汚れや黴に起因する汚れを効果
的に防止できるばかりでなく、建築物の美観を大きく低
下させるシリコーンオイルに起因する汚れの原因である
シリコーンオイル自体を分解あるいは改質する作用を示
し、これによって、通常の界面活性剤を用いた洗浄のみ
で外装建材の表面は清浄に保たれる。また、清掃の頻度
自体も低減でき、長期にわたって清浄な建築物外装が維
持できる。さらに、前記光触媒作用を有する半導体と共
に抗菌性金属を併用することにより、より一層抗菌・防
黴・防汚性に優れた建材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建材を用いたカーテンウォールの
ガラスパネルとアルミパネルとの枠材による連結部を概
略的に示す部分断面図である。
【図2】本発明の建材を用いたカーテンウォールの部分
概略斜視図である。
【図3】実施例で得られたTiO2 膜をコーティングし
たAl板と、何ら処理をしていないAl板について、密
閉空間、蛍光灯照射下での煙草の煙の暴露試験における
重量の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラスパネル 2 アルミパネル 3 枠材 4 上枠材 5 下枠材 6a,6b シリコーンシーラント 7a,7b ブラケット 10 TiO2 光触媒膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水島 和彦 富山県下新川郡朝日町明野127−7 (72)発明者 竹田 昭彦 東京都墨田区立花3丁目17番5号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンシーラント材と組み合わせて
    用いられる建築材料において、シリコーンシーラント材
    に接する部位を除き、少なくともシリコーンシーラント
    材近傍の部材表面に光の照射下で有機物質の分解を行う
    光触媒作用を有する半導体を含む薄膜をコーティングし
    てなることを特徴とする建築材料。
  2. 【請求項2】 前記光触媒作用を有する半導体がTiO
    2 、RuO2 、Cs3 Sb、InAs、InSb及びG
    aAsからなる群から選ばれた半導体材料である請求項
    1に記載の建築材料。
  3. 【請求項3】 前記部材表面に光触媒作用を有する半導
    体と抗菌性金属を含む薄膜をコーティングしてなる請求
    項1又は2に記載の建築材料。
  4. 【請求項4】 枠材にパネル材をシリコーンシーラント
    材を介して固定してなる外装建材ユニットであって、上
    記シリコーンシーラント材に接する部位を除き、枠材及
    び/又はパネル材の少なくともシリコーンシーラント材
    近傍の表面に光の照射下で有機物質の分解を行う光触媒
    作用を有する半導体を含む薄膜をコーティングしてなる
    ことを特徴とする外装建材ユニット。
  5. 【請求項5】 枠材及び/又はパネル材の室外側表面
    に、光触媒作用を有する半導体を含む薄膜をコーティン
    グしてなる請求項4に記載の外装建材ユニット。
  6. 【請求項6】 前記枠材及び/又はパネル材表面に光触
    媒作用を有する半導体と抗菌性金属を含む薄膜をコーテ
    ィングしてなる請求項4又は5に記載の外装建材ユニッ
    ト。
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