JPH08302809A - 躯体の施工方法 - Google Patents

躯体の施工方法

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JPH08302809A
JPH08302809A JP10985395A JP10985395A JPH08302809A JP H08302809 A JPH08302809 A JP H08302809A JP 10985395 A JP10985395 A JP 10985395A JP 10985395 A JP10985395 A JP 10985395A JP H08302809 A JPH08302809 A JP H08302809A
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beams
floor
pillar
joined
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Application number
JP10985395A
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English (en)
Inventor
Yutaka Saito
豊 斉藤
Kazuji Goto
和司 後藤
Yutaka Kamiya
豊 神谷
Terukichi Sakaguchi
輝吉 坂口
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無駄のないバランスのとれた躯体を構成する
ことができるとともに、部材の製作、運搬等の面からコ
ストを削減することのできる躯体の施工方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 各柱12の側面に受けブラケット15を形成
しておき、これを所定の位置に立設した後、梁13の両
端部を受けブラケット15,15上に仮置きし、これら
梁13上にハーフPC床板23を敷設した後に、柱12
と梁13,13,…とを剛接合し、しかる後に床コンク
リート24を打設して床22を形成する構成とした。こ
のとき、柱12の側面と、各梁13の端面に設けた接合
プレート17a,17bとの間には充填材19a,19
bを充填し、これら柱12と各梁13の接合プレート1
7a,17bとを緊張状態で定着されたPC鋼棒21,
21,…で圧着接合する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば中高層の建築物
等において、柱,壁等の鉛直部材を鉄筋コンクリート造
とし、梁を鉄骨造とする場合等に適用するのに好適な躯
体の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、建築物の躯体構造として
は、鉄骨造(以下、「S造」と称する)、鉄筋コンクリ
ート造(以下、「RC造」と称する)、鉄骨鉄筋コンク
リート造等、種々の形式のものがあるが、近年、生産性
の向上、耐震性の向上等を目的として、RC造とS造と
の混合構造が採用されている。混合構造を採用して、例
えば柱をRC造、梁をS造とした躯体では、言うまでも
なく、異種材料どうしの接合となる柱と梁との接合部の
処理が課題となっている。
【0003】従来、このような異種材料どうしの柱と梁
との接合構造としては、例えば以下に示すようなものが
あった。図3に示すように、柱1をRC造とし、梁2を
S造とした躯体3では、柱1に、梁2と同一断面形状を
有した鉄骨からなるブラケット4,4,…を一体に設け
ておき、各梁2を接合プレート5,高張力ボルト6等の
接合手段で各ブラケット4に接合することによって、柱
1と各梁2とを接合する構造となっている。
【0004】現場における鉄筋の配筋、型枠の組み立
て、コンクリートの打設といった手間のかかる作業を削
減するために、図4に示すように、柱7をプレキャスト
コンクリート造(以下、「PC造」と称する)とした躯
体9では、S造の梁8と同一断面形状を有した鉄骨から
なるブラケット10,10,…を柱7と一体に設けてお
き、柱7と各梁8とをブラケット10を介して接合する
構造となっている。
【0005】周知のように、このような構造の躯体を施
工するに際しては、まず、柱1,7を立設した後に梁
2,8を架設し、これら柱1,7と梁2,8とを接合し
た後に、この梁2,8上に図示しない床を敷設してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の躯体の施工方法には、以下のような問題
が存在する。まず、前記した施工方法では、図3および
図4のいずれの構造であっても、柱1,7と、梁2,8
とを接合した後に、その上に床を敷設する構成となって
いる。このため、床の自重により発生する梁2,8の曲
げモーメントは、柱1,7と梁2,8との接合部に集中
し、しかも長期にわたって作用することになる。したが
って、柱1,7と梁2,8との接合部には、前記曲げモ
ーメントに抗するための高い接合強度が要求され、これ
に対応するために、柱1,7、梁2,8のサイズアップ
や、接合部への補強材の増加等を招いている。また、梁
2,8においては、柱1,7との接合部すなわちその両
端部に比較して、中央部にかかる応力が低くなってい
る。しかし、一般に梁2,8は、その長さ方向に同一断
面形状を有しているため、中央部には許容応力に対して
実際に作用する応力が低く、余裕、言い換えれば無駄の
ある構造となっている。もちろん、これに対して、部材
の断面形状を応力に応じて変化させることも可能である
が、これには多大なコストがかかるのは言うまでもな
い。
【0007】また、図3に示した構造の躯体3を施工す
るには、各梁2を柱1に接合するためのブラケット4,
4,…を施工現場で取り付けなければならない。このた
め、柱1の鉄筋1aの配筋組立時に、ブラケット4を現
場合わせで精度よく取り付けなければならず、しかも接
合部の構造が非常に複雑であるため、これが非常に手間
のかかる作業となっている。
【0008】さらに、図4に示した構造の躯体9では、
柱7には、梁8を接合するためのブラケット10が設け
られているが、このようなブラケット10は、予め工場
での柱7の製作時に取り付けておくのが一般である。し
たがって、工場での柱7の製作時には、前記柱1(図3
参照)での施工現場における作業と同様の手間がかかる
ということに変わりはない。しかも柱7を建て込んだと
きにブラケット10が正確な位置になるように、これを
精度よく取り付けておかなければならず、精度確保にも
非常に手間がかかることになる。さらには、製作した柱
7を工場等から施工現場に運搬するときには、側面にブ
ラケット10,10,…が突出した形態となっているた
め、これによって運搬用の車両等に搭載できる量が制限
され、運搬効率が非常に悪く、運搬の手間およびコスト
がかかるという問題があり、改善の余地があった。
【0009】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、無駄のないバランスのとれた躯体を構成す
ることができるとともに、部材の製作、運搬等の面から
コストを削減することのできる躯体の施工方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建築物の躯体を構築するに際して、定められた位置に設
けた柱、壁等の鉛直部材の側面に、一定寸法側方に突出
する受け部を形成しておき、梁の端部を前記鉛直部材の
前記受け部上に載置した後、該梁上に、床の少なくとも
一部を先行施工し、しかる後に、前記鉛直部材と前記梁
とを接合することを特徴としている。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載の躯
体の施工方法において、予め、前記梁の端部に、その上
部に水平方向に突出する支持部と、接合すべき鉛直部材
の側面と平行に位置する接合プレートとを一体に形成し
ておき、前記梁を架設するときに、該梁の支持部を前記
鉛直部材の受け部上に載置した後、前記接合プレート
と、前記鉛直部材または該鉛直部材をはさんで対向する
他の梁の接合プレートとにPC鋼材を通し、該PC鋼材
を緊張させて定着させることを特徴としている。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の躯体の施工方法において、前記鉛直部材の側面と
前記梁の接合プレートとの間に、充填材を充填すること
を特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、定められた位置に設
けた柱,壁等の鉛直部材の側面に受け部を形成してお
き、梁の端部を前記鉛直部材の受け部上に載置した後
に、床の少なくとも一部を先行施工し、しかる後に、鉛
直部材と梁とを接合する構成とした。このようにして、
床の少なくとも一部を先行施工した時点で、鉛直部材と
梁とは接合されていないので、当然のことながら、床の
荷重による曲げモーメントが鉛直部材と梁との接合部に
作用することはない。そして、この後に鉛直部材と梁と
を接合することによって、梁を、その自重と先行施工し
た床の荷重とによってたわんだ状態で柱に接合すること
になるので、鉛直部材と梁との接合部にかかる応力を従
来に比較して大幅に削減することができる。
【0014】請求項2記載の発明では、予め、梁の端部
に支持部と接合プレートとを一体に形成しておき、この
梁を架設するときに、その支持部を鉛直部材の受け部上
に載置した後、接合プレートと、鉛直部材または鉛直部
材をはさんで対向する他の梁の接合プレートとにPC鋼
材を通し、該PC鋼材を緊張させて定着させる構成とし
た。これにより、鉛直部材と梁の接合プレートとがPC
鋼材で剛接合されることになる。また、鉛直部材の側面
には、梁の端部を載置できるだけの長さを有した受け部
を形成するのみでよいので、従来の鉄骨製のブラケット
を設けた柱に比較して、鉛直部材の側面に突出する長さ
を小さくすることができる。しかも、受け部を柱と同一
材料で形成することにより、その製作も容易に行うこと
ができる。さらに、梁の端部に支持部を形成して、これ
を鉛直部材の受け部上に載置する構成としたので、梁の
建方作業を容易に行うことが可能となる。
【0015】請求項3記載の発明では、鉛直部材の側面
と前記梁の接合プレートとの間に充填材を充填する構成
とした。これにより、梁を接合せずに鉛直部材の受け部
上に載置しておき、床を先行施工した後に、梁と鉛直部
材とを接合する場合に、床の荷重による梁のたわみによ
って鉛直部材の側面と梁の接合プレートとの間に生じる
間隙を充填材で埋めることができ、梁から鉛直部材への
応力の伝達を確実に行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例を参照し
て説明する。ここでは、本発明に係る躯体の施工方法
を、例えば、柱をPC造、梁をS造とした躯体に適用す
る場合の実施例を用いて説明する。図1は、構築すべき
躯体の一部を示すものである。この図に示すように、構
築すべき躯体11は、柱(鉛直部材)12が断面視矩形
のPC造、これに接合される梁間方向および桁行方向の
各梁13が、それぞれH型鋼からなるS造とされてい
る。
【0017】これら柱12と梁13との接合部Aは、以
下に示すような構造となっている。内部に柱主筋12
a、帯筋12b等が配筋された柱12の各側面には、梁
13を接合すべき高さに、これを支持するためのコンク
リート製の受けブラケット(受け部)15が一体に形成
されている。
【0018】一方、接合すべき各梁13の端部の上部1
3aには、支持部16が、下部13bよりも水平方向に
一定寸法突出して形成されている。また、各梁13の端
部の上部13aと下部13bには、鋼板からなる接合プ
レート17a,17bが、それぞれ接合すべき柱12の
側面と平行な面内に位置するよう、溶接されて設けられ
ている。さらに、この接合プレート17a,17bと、
梁13の上下フランジ部との間には、補強プレート18
a,18bが設けられている。
【0019】このような柱12の側面と接合プレート1
7aとの間、および受けブラケット15の側面と接合プ
レート17bとの間には、例えば無収縮モルタルグラウ
ト等の充填材19a,19bが充填されている。また、
受けブラケット15の上面と梁13の支持部16の下面
との間には、同じく例えば無収縮モルタルグラウト等か
らなるレベル調整材20が、梁13のレベルを調整する
ために配設されている。
【0020】また、この柱12と、梁13,13,…
は、梁間方向の梁13A,13Aの軸線方向と、桁行方
向の梁13B,13Bの軸線方向の、互いに直交する二
方向に配設されたPC鋼棒(PC鋼材)21,21,…
によって接合されている。これらPC鋼棒21は、上下
方向においては、梁13の上部フランジ13cの上下に
2段、下部フランジ13dの上下に2段、計4段に配設
されている。また、前記各段においては、これらPC鋼
棒21は、梁間方向の梁13Aの軸線方向においては平
面視4本、桁行方向の梁13Bの軸線方向においては平
面視2本が、それぞれ並べて配置された構成となってい
る。
【0021】各PC鋼棒21は、柱12およびその両側
の接合プレート17aあるいは17bを貫通し、その両
端部に図示しない圧着グリップ等が圧着されることによ
って、所定のプレストレスを発揮した緊張状態で定着さ
れている。これによって、柱12とその両側に位置する
梁13,13とがPC鋼棒21,21,…で剛接合され
た状態となっている。
【0022】このようにして、柱12と梁13,13,
…は、その接合部Aにおいて、各梁13の支持部16
が、柱12の側面に一体に形成された受けブラケット1
5上に載置されるとともに、柱12と各梁13の端部に
設けられた接合プレート17a,17bとが、各梁13
の軸線方向に延在するPC鋼棒21,21,…で圧着接
合された構成となっており、さらに、柱12の側面と各
梁13の接合プレート17a,17bとの間には充填材
19a,19bが充填された構成となっている。
【0023】次に、接合部Aにおいて柱12と梁13と
が上記の様な構造で接合されてなる躯体11の施工方法
について説明する。予め、工場等において、柱12、梁
13等を所定の形状に製作する。この際、柱12には、
受けブラケット15を一体に形成するとともに、PC鋼
棒21,21,…を通すためのシース(図示なし)を埋
設しておく。
【0024】そして、この柱12,梁13等、所要の部
材を施工現場に搬入した後、施工現場においては、ま
ず、図2(a)に示すように、先に構築した基礎上の所
定位置に柱12,12,…を建て込む。
【0025】次いで、図1に示したように、各柱12の
建込み精度に応じて、受けブラケット15上に例えば無
収縮モルタルグラウト等のレベル調整材20を盛り、そ
の上面を架設すべき梁13のレベル(高さ)に合わせて
ならす。
【0026】そして、図2(a)に示したように、梁1
3を、その両端部を柱12,12の受けブラケット1
5,15上に載置して、互いに隣接する柱12,12間
に仮置きする。このとき、梁13の端部の支持部16
は、各柱12の側面に形成した受けブラケット15上
に、単に載置するのみとし、固定はしない。
【0027】このようにして梁13,13,…の仮置き
作業が完了した後、図2(b)に示すように、これら梁
13,13,…上に、床22を構成するハーフPC床板
23,23,…をセットする。この時点で、各梁13の
端部は固定されておらず回転拘束のない状態となってい
るので、梁13の自重と、支持するハーフPC床板23
の荷重とによって、梁13が下方にたわんでも、その端
部の変位が柱12等に何ら影響を及ぼすことはない。ま
た、このときのたわみ量を算出しておき、それに基づい
て、梁13には、予めキャンバー処理(むくり)を施し
ておく。
【0028】次いで、図1に示したように、各梁13の
端部の接合プレート17a,17bと、柱12,受けブ
ラケット15の側面との間隙に、例えば無収縮モルタル
グラウトからなる充填材19a,19bを充填する。
【0029】充填材19a,19bが硬化した後、図2
(b)に示したように、柱12のシース(図示なし)
と、その両側に接合すべき梁13,13の接合プレート
17a,17bの穴(図示なし)に所定本数のPC鋼棒
21,21,…を通す。そして、一方の梁13の接合プ
レート17a,17bから突出する各PC鋼棒21の一
端に圧着グリップ等を圧着する。続いて、他方の梁13
の接合プレート17a,17bから突出する各PC鋼棒
21の他端をジャッキ等の緊張手段で引張することによ
って、PC鋼棒21を緊張させ、所要のプレストレスを
発揮させる。そして、この状態で、PC鋼棒21の他端
に圧着グリップ(図示なし)を圧着する。これによっ
て、柱12と、これをはさんで対向する梁13,13
は、緊張状態で定着されたPC鋼棒21,21,…によ
って圧着接合されたことになる。
【0030】次いで、各ハーフPC床板23上に床コン
クリート24を打設して、床22を形成する。この後
は、上記の作業を繰り返すことによって、順次上階の躯
体11を施工していく。
【0031】上述した躯体11の施工方法では、各柱1
2の側面に受けブラケット15を形成しておき、これを
所定の位置に立設した後、梁13の両端部を受けブラケ
ット15,15上に仮置きし、これら梁13上にハーフ
PC床板23を敷設した後に、柱12と梁13,13,
…とを剛接合し、しかる後に床コンクリート24を打設
して床22を形成する構成とした。このようにして、ハ
ーフPC床板23を先行施工した時点で、各梁13の端
部は固定されておらず回転拘束のない状態となってお
り、梁13の自重とハーフPC床板23の荷重とによっ
て、梁13が下方にたわんでも、その変位が柱12等の
他の部材に何ら影響を及ぼすことがない。そして、この
後に、たわんだ状態の梁13を柱12に剛接合すること
によって、接合部Aに梁13の自重とハーフPC床板2
3の荷重とによる曲げモーメントが集中することがな
く、従来よりも柱12のサイズや補強材を抑さえること
ができる。また、梁13の両端部と中央部とを比較して
も、応力分布はバランスのとれたものとなる。したがっ
て、躯体11全体を無駄のないバランスのとれた効率の
よいものとすることができ、各部材のサイズ、使用量等
を削減することが可能となる。
【0032】また、梁13を柱12の受けブラケット1
5上に単に載置するのみでよいので、梁13の架設作業
を大幅に容易化することができる。しかも、柱12の受
けブラケット15の上面にレベル調整材20を配設し、
この上に梁13を載置する構成となっている。これによ
り、柱12を建て込んだ後に、レベル調整材20でレベ
ル調整を行うことができるので、柱12の建込み作業を
容易に行うことができ、しかも梁13を精度よく架設す
ることができる。
【0033】また、柱12には、従来のように異種材料
である鉄骨からなるブラケット4,10等を設けること
なく、受けブラケット15を柱12と同一材料であるコ
ンクリートで一体に形成すればよいので、この柱12の
製作を容易に行うことが可能となる。さらには、この柱
12の運搬時においても、従来の鉄骨製のブラケット1
0(図4参照)に比較して、受けブラケット15の側方
への突出寸法が僅かなものとなっているため、運搬効率
を向上させることができる。したがって、施工コストは
もちろんのこと、部材の製作、運搬といった面からも効
率化を図り、これにかかるコストを大幅に削減すること
ができる。
【0034】しかも、柱12,受けブラケット15の側
面と、各梁13の接合プレート17a,17bとの間に
充填材19a,19bを充填する構成としたので、この
充填材19a,19bによって、柱12と梁13との間
での応力の伝達を確実に行うことができる。
【0035】上述した躯体11の構造では、柱12と梁
13,13,…の接合部Aにおいて、各梁13の支持部
16が、柱12の側面の受けブラケット15上に載置さ
れるとともに、柱12の側面と各梁13の接合プレート
17a,17bとの間には、充填材19a,19bが充
填され、これら柱12と各梁13の接合プレート17
a,17bとが、PC鋼棒21,21,…で圧着接合さ
れた構成となっている。これにより、接合部Aにおいて
柱12と梁13,13,…とをPC鋼材21,21,…
で剛接合することができる。このとき、PC鋼棒21に
導入するプレストレスを調整することによって、接合部
Aにおける柱12と梁13,13,…の接合強度を容易
に調整することが可能である。
【0036】なお、上記実施例において、鉛直部材とし
て、PC造の柱12を用いたが、もちろん、受けブラケ
ット15を設けて、柱,壁等の鉛直部材と梁とを接合す
るのであれば、鉛直部材は、RC造、PC造、あるいは
SRC造のいずれであってもよい。また、その接合方法
は、上記PC鋼棒21を用いた方法に限らず、例えばピ
ン接合等、他の各種接合方法を用いてもよい。また、梁
13上に敷設する床22については、少なくともその一
部を先行施工するのであれば、ハーフPC構造に限定す
るものではなく、もちろんフルPC構造であってもよ
い。もちろん、床を現場打ちコンクリートで構成する場
合であっても、上記の躯体構造による効果を奏すること
が可能である。さらには、PC鋼材として、例えばPC
鋼棒21を用いる構成としたが、所要のプレストレスを
発揮することができるのであれば、例えばPC鋼線,P
C鋼より線等であってもよく、また、ボンド、アンボン
ド工法を問うものではない。加えて、PC鋼材を定着す
る定着部材としても、前記実施例で挙げた圧着グリップ
に限定するものではなく、クサビ、ナット等他のものを
用いてもよいのは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る躯
体の施工方法によれば、鉛直部材の側面に受け部を形成
しておき、梁の端部を前記鉛直部材の受け部上に載置し
た後、床の少なくとも一部を先行施工し、しかる後に、
鉛直部材と梁とを接合する構成とした。このようにし
て、床の少なくとも一部を先行施工した時点で、鉛直部
材と梁とは接合されていないので、当然のことながら、
床の荷重による曲げモーメントが鉛直部材と梁との接合
部に作用することはない。そして、この後に、先行施工
した床の荷重によってたわんだ状態の梁を鉛直部材に剛
接合することによって、鉛直部材と梁との接合部に作用
する曲げモーメントを、従来に比較して大幅に削減する
ことができる。したがって、柱のサイズや補強材を抑さ
えることができ、また梁の両端部と中央部とを比較して
も、応力分布がバランスのとれたものとなるので、躯体
全体を無駄のないバランスのとれたものとすることがで
きる。
【0038】請求項2に係る躯体の施工方法によれば、
予め、梁の端部に支持部と接合プレートとを一体に形成
しておき、この梁を架設するときに、その支持部を鉛直
部材の受け部上に載置した後、接合プレートと、鉛直部
材または鉛直部材をはさんで対向する他の梁の接合プレ
ートとにPC鋼材を通し、該PC鋼材を緊張させて定着
させる構成とした。これにより、梁を鉛直部材の受け部
上に載置するのみでよいので、梁の建込み作業を大幅に
容易化することができる。また、鉛直部材には、従来の
ように異種材料である鉄骨製のブラケット等を設けるこ
となく、柱と同一材料で受け部を一体に形成するのみで
よいので、この鉛直部材の製作を容易に行うことが可能
となる。さらに、この鉛直部材の運搬時においても、受
け部の側方への突出寸法が僅かなものとなっているた
め、運搬効率を向上させることができる。したがって、
施工コストはもちろんのこと、部材の製作、運搬といっ
た面からも効率化を図り、コストを大幅に削減すること
ができる。また、このようにして施工した鉛直部材と梁
は、PC鋼材で剛接合することができる。しかもPC鋼
材に導入するプレストレスを調整することによって、接
合部における鉛直部材と梁との接合強度を容易に調整す
ることが可能である。
【0039】請求項3に係る躯体の施工方法によれば、
鉛直部材の側面と前記梁の接合プレートとの間に充填材
を充填する構成とした。これにより、梁を接合せずに鉛
直部材の受け部上に載置しておき、床を先行施工した後
に、梁と鉛直部材とを接合する場合に、床の荷重による
梁のたわみによって、鉛直部材の側面と梁の接合プレー
トとの間に生じる間隙を充填材で充填して埋めることが
でき、梁から鉛直部材への応力の伝達を確実に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る躯体の施工方法を適用した躯体の
一例を示す図であって、前記躯体を構成する柱と梁との
接合部の構造を示す(a)立面図、(b)平断面図であ
る。
【図2】前記躯体の施工方法を示す図であって、(a)
柱に梁を仮置きした状態、(b)梁上に床の一部を先行
施工した状態を示す図である。
【図3】従来の躯体の施工方法を適用した躯体構造の一
例を示す斜視図である。
【図4】従来の躯体の施工方法を適用した躯体構造の他
の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 躯体 12 柱(鉛直部材) 13 梁 15 受けブラケット(受け部) 16 支持部 17a,17b 接合プレート 19a,19b 充填材 21 PC鋼棒(PC鋼材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 輝吉 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の躯体を構築するに際して、定め
    られた位置に設けた柱、壁等の鉛直部材の側面に、一定
    寸法側方に突出する受け部を形成しておき、梁の端部を
    前記鉛直部材の前記受け部上に載置した後、該梁上に、
    床の少なくとも一部を先行施工し、しかる後に、前記鉛
    直部材と前記梁とを接合することを特徴とする躯体の施
    工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の躯体の施工方法におい
    て、予め、前記梁の端部に、その上部に水平方向に突出
    する支持部と、接合すべき鉛直部材の側面と平行に位置
    する接合プレートとを一体に形成しておき、 前記梁を架設するときに、該梁の支持部を前記鉛直部材
    の受け部上に載置した後、前記接合プレートと、前記鉛
    直部材または該鉛直部材をはさんで対向する他の梁の接
    合プレートとにPC鋼材を通し、該PC鋼材を緊張させ
    て定着させることを特徴とする躯体の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の躯体の施工方法
    において、前記鉛直部材の側面と前記梁の接合プレート
    との間に、充填材を充填することを特徴とする躯体の施
    工方法。
JP10985395A 1995-05-08 1995-05-08 躯体の施工方法 Pending JPH08302809A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211450A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Shimizu Corp プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造
JP2015183469A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 四国化成工業株式会社 カーポートの屋根構造

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JP2007211450A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Shimizu Corp プレキャスト柱と鉄骨梁との接合構造
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