JP3407164B2 - 躯体構造 - Google Patents

躯体構造

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JP3407164B2
JP3407164B2 JP08988095A JP8988095A JP3407164B2 JP 3407164 B2 JP3407164 B2 JP 3407164B2 JP 08988095 A JP08988095 A JP 08988095A JP 8988095 A JP8988095 A JP 8988095A JP 3407164 B2 JP3407164 B2 JP 3407164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば中高層の建築物
等において、柱,壁等の鉛直部材を鉄筋コンクリート造
とし、梁を鉄骨造とする場合等に適用するのに好適な躯
体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、建築物の躯体構造として
は、鉄骨造(以下、「S造」と称する)、鉄筋コンクリ
ート造(以下、「RC造」と称する)、鉄骨鉄筋コンク
リート造等、種々の形式のものがあるが、近年、生産性
の向上、耐震性の向上等を目的として、RC造とS造と
の混合構造が採用されている。混合構造を採用して、例
えば柱をRC造、梁をS造とした躯体では、言うまでも
なく、異種材料どうしの接合となる柱と梁との接合部の
処理が課題となっている。
【0003】従来、このような異種材料どうしの柱と梁
との接合構造としては、例えば以下に示すようなものが
あった。図3に示すように、柱1をRC造とし、梁2を
S造とした躯体3では、柱1に、梁2と同一断面形状を
有した鉄骨からなるブラケット4,4,…を一体に設け
ておき、各梁2を接合プレート5,高張力ボルト6等の
接合手段で各ブラケット4に接合することによって、柱
1と各梁2とを接合する構造となっている。
【0004】現場における鉄筋の配筋、型枠の組み立
て、コンクリートの打設といった手間のかかる作業を削
減するために、図4に示すように、柱7をプレキャスト
コンクリート造(以下、「PC造」と称する)とした躯
体9では、S造の梁8と同一断面形状を有した鉄骨から
なるブラケット10,10,…を柱7と一体に設けてお
き、柱7と各梁8とをブラケット10を介して接合する
構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の躯体構造には、以下のような問題が存在
する。まず、図3に示した躯体3の構造では、各梁2を
柱1に接合するためのブラケット4,4,…を施工現場
で取り付けなければならない。このため、柱1の鉄筋1
aの配筋組立時に、ブラケット4を現場合わせで精度よ
く取り付けなければならず、しかも接合部の構造が非常
に複雑であるため、これが非常に手間のかかる作業とな
っている。
【0006】また、図4に示した躯体9の構造では、い
ずれも、柱7には、梁8を接合するためのブラケット1
0が設けられているが、このようなブラケット10は、
予め工場での柱7の製作時に取り付けておくのが一般で
ある。したがって、工場での柱7の製作時には、前記柱
1(図3参照)での施工現場における作業と同様の手間
がかかるということに変わりはない。しかも柱7を建て
込んだときにブラケット10が正確な位置になるよう
に、これを精度よく取り付けておかなければならず、精
度確保にも非常に手間がかかることになる。さらには、
製作した柱7を工場等から施工現場に運搬するときに
は、側面にブラケット10,10,…が突出した形態と
なっているため、これによって運搬用の車両等に搭載で
きる量が制限され、運搬効率が非常に悪く、運搬の手間
およびコストがかかるという問題があり、改善の余地が
あった。本発明は、以上のような点を考慮してなされた
もので、部材の製作、運搬等の面からコストを削減する
ことのできる躯体構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
鉄筋コンクリート造またはプレキャストコンクリート造
の柱,壁等の鉛直部材と、鉄骨造の梁とを備えてなる建
築物の躯体構造であって、前記鉛直部材には、その側面
に水平方向に突出する受け部が形成され前記梁の端部
には、その上部に下部よりも水平方向に突出する支持部
と、接合すべき鉛直部材の側面と平行に位置する接合プ
レートとが一体に形成されるとともに、下部にも接合す
べき鉛直部材の側面と平行に位置する接合プレートとが
一体に形成されてなり、前記梁の支持部が前記鉛直部材
の受け部上に載置されるとともに、前記鉛直部材と前記
梁の支持部及びその下部に設けられた接合プレートと
が、該梁の軸線方向に延在してその一端が前記接合プレ
ートに定着され、他端が前記鉛直部材または該鉛直部材
をはさんで対向する他の梁の支持部及びその下部に設け
られた接合プレートに定着された緊張状態のPC鋼材に
よって接合されていることを特徴としている。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の躯
体構造において、前記鉛直部材の側面と前記梁の接合プ
レートとの間に、充填材が充填されていることを特徴と
している。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、建築物の躯体が、鉄
筋コンクリート造またはプレキャストコンクリート造の
柱,壁等の鉛直部材と、鉄骨造の梁とを備えた構成とな
っており、前記鉛直部材の側面には水平方向に突出する
受け部を形成し、梁の端部には、その上部に下部よりも
水平方向に突出する支持部を設けるとともに、支持部と
その下部の各々に、鉛直部材の側面と平行な接合プレー
トを一体に形成する構成とした。そして、梁の支持部を
鉛直部材の受け部上に載置し、鉛直部材と前記梁の支持
部とその下部の各々に設けた接合プレートとを、その一
端が接合プレートに定着され、他端が鉛直部材または該
鉛直部材をはさんで対向する他の梁の支持部とその下部
の各々に設けた接合プレートに定着された緊張状態の
の軸線方向に延在するPC鋼材によって接合する構成と
した。これにより、鉛直部材と梁の接合プレートとがP
C鋼材で剛接合されることになる。また、鉛直部材の側
面には、梁の端部を載置できるだけの長さを有した受け
部を形成するのみでよいので、従来の鉄骨製のブラケッ
トを設けた柱に比較して、鉛直部材の側面に突出する長
さを小さくすることができる。しかも、受け部を柱と同
一材料で形成することにより、その製作も容易に行うこ
とができる。さらに、梁の端部に支持部を形成して、こ
れを鉛直部材の受け部上に載置する構成としたので、梁
の建方作業を容易に行うことが可能となる。
【0010】請求項2記載の発明では、鉛直部材の側面
と前記梁の接合プレートとの間に充填材を充填する構成
とした。これにより、梁を接合せずに鉛直部材の受け部
上に載置しておき、床を先行施工した後に、梁と鉛直部
材とを接合する場合に、床の荷重による梁のたわみによ
って鉛直部材の側面と梁の接合プレートとの間に生じる
間隙を、充填材で埋めることができ、梁から鉛直部材へ
の応力の伝達を確実に行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例を参照し
て説明する。ここでは、本発明に係る躯体構造を、例え
ば、柱をPC造、梁をS造とした躯体に適用する場合の
実施例を用いて説明する。図1は、構築すべき躯体の一
部を示すものである。この図に示すように、構築すべき
躯体11は、柱(鉛直部材)12が断面視矩形のPC
造、これに接合される梁間方向および桁行方向の各梁1
3が、それぞれH型鋼からなるS造とされている。
【0012】これら柱12と梁13との接合部Aは、以
下に示すような構造となっている。内部に柱主筋12
a、帯筋12b等が配筋された柱12の各側面には、梁
13を接合すべき高さに、これを支持するためのコンク
リート製の受けブラケット(受け部)15が一体に形成
されている。
【0013】一方、接合すべき各梁13の端部の上部1
3aには、支持部16が、下部13bよりも水平方向に
一定寸法突出して形成されている。また、各梁13の端
部の上部13aと下部13bには、鋼板からなる接合プ
レート17a,17bが、それぞれ接合すべき柱12の
側面と平行な面内に位置するよう、溶接されて設けられ
ている。さらに、この接合プレート17a,17bと、
梁13の上下フランジ部との間には、補強プレート18
a,18bが設けられている。
【0014】このような柱12の側面と接合プレート1
7aとの間、および受けブラケット15の側面と接合プ
レート17bとの間には、例えば無収縮モルタルグラウ
ト等の充填材19a,19bが充填されている。また、
受けブラケット15の上面と梁13の支持部16の下面
との間には、同じく例えば無収縮モルタルグラウト等か
らなるレベル調整材20が、梁13のレベルを調整する
ために配設されている。
【0015】また、この柱12と、梁13,13,…
は、梁間方向の梁13A,13Aの軸線方向と、桁行方
向の梁13B,13Bの軸線方向の、互いに直交する二
方向に配設されたPC鋼棒(PC鋼材)21,21,…
によって接合されている。これらPC鋼棒21は、上下
方向においては、梁13の上部フランジ13cの上下に
2段、下部フランジ13dの上下に2段、計4段に配設
されている。また、前記各段においては、これらPC鋼
棒21は、梁間方向の梁13Aの軸線方向においては平
面視4本、桁行方向の梁13Bの軸線方向においては平
面視2本が、それぞれ並べて配置された構成となってい
る。
【0016】各PC鋼棒21は、柱12およびその両側
の接合プレート17aあるいは17bを貫通し、その両
端部に図示しない圧着グリップ等が圧着されることによ
って、所定のプレストレスを発揮した緊張状態で定着さ
れている。これによって、柱12とその両側に位置する
梁13,13とがPC鋼棒21,21,…で剛接合され
た状態となっている。
【0017】このようにして、柱12と梁13,13,
…は、その接合部Aにおいて、各梁13の支持部16
が、柱12の側面に一体に形成された受けブラケット1
5上に載置されるとともに、柱12と各梁13の端部に
設けられた接合プレート17a,17bとが、各梁13
の軸線方向に延在するPC鋼棒21,21,…で圧着接
合された構成となっており、さらに、柱12の側面と各
梁13の接合プレート17a,17bとの間には充填材
19a,19bが充填された構成となっている。
【0018】次に、接合部Aにおいて柱12と梁13と
が上記の様な構造で接合されてなる躯体11の施工方法
について説明する。予め、工場等において、柱12、梁
13等を所定の形状に製作する。この際、柱12には、
受けブラケット15を一体に形成するとともに、PC鋼
棒21,21,…を通すためのシース(図示なし)を埋
設しておく。
【0019】そして、この柱12,梁13等、所要の部
材を施工現場に搬入した後、施工現場においては、ま
ず、図2(a)に示すように、先に構築した基礎上の所
定位置に柱12,12,…を建て込む。
【0020】次いで、図1に示したように、各柱12の
建込み精度に応じて、受けブラケット15上に例えば無
収縮モルタルグラウト等のレベル調整材20を盛り、そ
の上面を架設すべき梁13のレベル(高さ)に合わせて
ならす。
【0021】そして、図2(a)に示したように、梁1
3を、その両端部を柱12,12の受けブラケット1
5,15上に載置して、互いに隣接する柱12,12間
に仮置きする。このとき、梁13の端部の支持部16
は、各柱12の側面に形成した受けブラケット15上
に、単に載置するのみとし、固定はしない。
【0022】このようにして梁13,13,…の仮置き
作業が完了した後、図2(b)に示すように、これら梁
13,13,…上に、床22を構成するハーフPC床板
23,23,…をセットする。この時点で、各梁13の
端部は固定されておらず回転拘束のない状態となってい
るので、梁13の自重と、支持するハーフPC床板23
の荷重とによって、梁13が下方にたわんでも、その端
部の変位が柱12等に何ら影響を及ぼすことはない。ま
た、このときのたわみ量を算出しておき、それに基づい
て、梁13には、予めキャンバー処理(むくり)を施し
ておく。
【0023】次いで、図1に示したように、各梁13の
端部の接合プレート17a,17bと、柱12,受けブ
ラケット15の側面との間隙に、例えば無収縮モルタル
グラウトからなる充填材19a,19bを充填する。
【0024】充填材19a,19bが硬化した後、図2
(b)に示したように、柱12のシース(図示なし)
と、その両側に接合すべき梁13,13の接合プレート
17a,17bの穴(図示なし)に所定本数のPC鋼棒
21,21,…を通す。そして、一方の梁13の接合プ
レート17a,17bから突出する各PC鋼棒21の一
端に圧着グリップ等を圧着する。続いて、他方の梁13
の接合プレート17a,17bから突出する各PC鋼棒
21の他端をジャッキ等の緊張手段で引張することによ
って、PC鋼棒21を緊張させ、所要のプレストレスを
発揮させる。そして、この状態で、PC鋼棒21の他端
に圧着グリップ(図示なし)を圧着する。これによっ
て、柱12と、これをはさんで対向する梁13,13
は、緊張状態で定着されたPC鋼棒21,21,…によ
って圧着接合されたことになる。
【0025】次いで、各ハーフPC床板23上に床コン
クリート24を打設して、床22を形成する。この後
は、上記の作業を繰り返すことによって、順次上階の躯
体11を施工していく。
【0026】上述した躯体11の構造では、柱12と梁
13,13,…の接合部Aにおいて、各梁13の支持部
16が、柱12の側面の受けブラケット15上に載置さ
れるとともに、柱12の側面と各梁13の接合プレート
17a,17bとの間には、充填材19a,19bが充
填され、これら柱12と各梁13の接合プレート17
a,17bとが、PC鋼棒21,21,…で圧着接合さ
れた構成となっている。これにより、接合部Aにおいて
柱12と梁13,13,…とをPC鋼材21,21,…
で剛接合することができる。このとき、PC鋼棒21に
導入するプレストレスを調整することによって、接合部
Aにおける柱12と梁13,13,…の接合強度を容易
に調整することが可能である。
【0027】しかも、柱12,受けブラケット15の側
面と、各梁13の接合プレート17a,17bとの間に
充填した充填材19a,19bによって、柱12と梁1
3との間での応力の伝達を確実に行うことができる。
【0028】また、施工時においては、梁13を柱12
の受けブラケット15上に単に載置するのみでよいの
で、梁13の架設作業を大幅に容易化することができ
る。しかも、柱12の受けブラケット15の上面にレベ
ル調整材20が配設され、この上に梁13を載置する構
成とされている。これにより、柱12を建て込んだ後
に、レベル調整材20でレベル調整を行うことができる
ので、柱12の建込み作業を容易に行うことができ、し
かも梁13を精度よく架設することができる。
【0029】また、柱12には、従来のように異種材料
である鉄骨からなるブラケット4,10等を設けること
なく、受けブラケット15を柱12と同一材料であるコ
ンクリートで一体に形成すればよいので、この柱12の
製作を容易に行うことが可能となる。さらには、この柱
12の運搬時においても、従来の鉄骨製のブラケット1
0(図4参照)に比較して、受けブラケット15の側方
への突出寸法が僅かなものとなっているため、運搬効率
を向上させることができる。したがって、施工コストは
もちろんのこと、部材の製作、運搬といった面からも効
率化を図り、これにかかるコストを大幅に削減すること
ができる。
【0030】また、上述した躯体11の施工方法では、
各柱12の側面に受けブラケット15を形成しておき、
これを所定の位置に立設した後、梁13の両端部を受け
ブラケット15,15上に仮置きし、これら梁13上に
ハーフPC床板23を敷設した後に、柱12と梁13,
13,…とを剛接合し、しかる後に床コンクリート24
を打設して床22を形成する構成とした。このようにし
て、ハーフPC床板23を先行施工した時点で、各梁1
3の端部は固定されておらず回転拘束のない状態となっ
ており、梁13の自重とハーフPC床板23の荷重とに
よって、梁13が下方にたわんでも、その変位が柱12
等の他の部材に何ら影響を及ぼすことがない。そして、
この後に、たわんだ状態の梁13を柱12に剛接合する
ことによって、接合部Aに梁13の自重とハーフPC床
板23の荷重とによる曲げモーメントが集中することが
なく、従来よりも柱12のサイズや補強材を抑さえるこ
とができる。また、梁13の両端部と中央部とを比較し
ても、応力分布はバランスのとれたものとなる。したが
って、躯体11全体を無駄のないバランスのとれた効率
のよいものとすることができ、各部材のサイズ、使用量
等を削減することが可能となる。
【0031】なお、上記実施例において、鉛直部材とし
て、PC造の柱12を用いたが、もちろん、受けブラケ
ット15を設け、柱,壁等の鉛直部材と梁とをPC鋼材
で剛接合するのであれば、鉛直部材は、RC造、PC
造、あるいはSRC造のいずれであってもよい。また、
梁13上に敷設する床22については、少なくともその
一部を先行施工するのであれば、ハーフPC構造に限定
するものではなく、もちろんフルPC構造であってもよ
い。もちろん、床を現場打ちコンクリートで構成する場
合であっても、上記の躯体構造による効果を奏すること
が可能である。さらには、PC鋼材として、例えばPC
鋼棒21を用いる構成としたが、所要のプレストレスを
発揮することができるのであれば、例えばPC鋼線,P
C鋼より線等であってもよく、また、ボンド、アンボン
ド工法を問うものではない。加えて、PC鋼材を定着す
る定着部材としても、前記実施例で挙げた圧着グリップ
に限定するものではなく、クサビ、ナット等他のものを
用いてもよいのは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る躯
体構造によれば、建築物の躯体が、鉄筋コンクリート造
またはプレキャストコンクリート造の柱,壁等の鉛直部
材と、鉄骨造の梁とを備えた構成となっており、前記鉛
直部材の側面には水平方向に突出する受け部を形成し、
梁の端部には、その上部に下部よりも水平方向に突出す
る支持部を形成するとともに、梁の支持部とその下部の
各々の端面に、鉛直部材の側面と平行に位置する接合プ
レートを一体に形成した。そして、梁の支持部を鉛直部
材の受け部上に載置し、鉛直部材と前記梁の支持部とそ
の下部の各々に設けた接合プレートとを、その一端が接
合プレートに定着され、他端が鉛直部材または該鉛直部
材をはさんで対向する他の梁の支持部とその下部各々に
設けられた接合プレートに定着された緊張状態の梁の軸
線方向に延在するPC鋼材によって接合する構成とし
た。これにより、鉛直部材と梁とをPC鋼材で剛接合す
ることができる。しかもPC鋼材に導入するプレストレ
スを調整することによって、接合部における鉛直部材と
梁との接合強度を容易に調整することが可能である。ま
た、施工時においては、梁を鉛直部材の受け部上に載置
するのみでよいので、梁の建込み作業を大幅に容易化す
ることができる。また、鉛直部材には、従来のように異
種材料である鉄骨製のブラケット等を設けることなく、
柱と同一材料で受け部を一体に形成するのみでよいの
で、この鉛直部材の製作を容易に行うことが可能とな
る。さらに、この鉛直部材の運搬時においても、受け部
の側方への突出寸法が僅かなものとなっているため、運
搬効率を向上させることができる。したがって、施工コ
ストはもちろんのこと、部材の製作、運搬といった面か
らも効率化を図り、コストを大幅に削減することができ
る。
【0033】請求項2に係る躯体構造によれば、鉛直部
材の側面と前記梁の接合プレートとの間に充填材を充填
する構成とした。これにより、梁を接合せずに鉛直部材
の受け部上に載置しておき、床を先行施工した後に、梁
と鉛直部材とを接合する場合に、床の荷重による梁のた
わみによって、鉛直部材の側面と梁の接合プレートとの
間に生じる間隙を充填材で充填して埋めることができ、
梁から鉛直部材への応力の伝達を確実に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る躯体構造を適用した躯体の一例を
示す図であって、前記躯体を構成する柱と梁との接合部
の構造を示す(a)立面図、(b)平断面図である。
【図2】前記躯体の施工方法を示す図であって、(a)
柱に梁を仮置きした状態、(b)梁上に床の一部を先行
施工した状態を示す図である。
【図3】従来の躯体構造の一例を示す斜視図である。
【図4】従来の躯体構造の他の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
11 躯体 12 柱(鉛直部材) 13 梁 15 受けブラケット(受け部) 16 支持部 17a,17b 接合プレート 19a,19b 充填材 21 PC鋼棒(PC鋼材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−217035(JP,A) 特開 平6−173339(JP,A) 実開 平6−73204(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/16 E04B 1/30 E04B 1/58 508

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート造またはプレキャスト
    コンクリート造の柱,壁等の鉛直部材と、鉄骨造の梁と
    を備えてなる建築物の躯体構造であって、 前記鉛直部材には、その側面に水平方向に突出する受け
    部が形成され 前記梁の端部には、その上部に下部よりも水平方向に突
    出する支持部と、接合すべき鉛直部材の側面と平行に位
    置する接合プレートとが一体に形成されるとともに、下
    部にも接合すべき鉛直部材の側面と平行に位置する接合
    プレートとが一体に形成されてなり、 前記梁の支持部が前記鉛直部材の受け部上に載置される
    とともに、前記鉛直部材と前記梁の支持部及びその下部
    に設けられた接合プレートとが、該梁の軸線方向に延在
    してその一端が前記接合プレートに定着され、他端が前
    記鉛直部材または該鉛直部材をはさんで対向する他の梁
    支持部及びその下部に設けられた接合プレートに定着
    された緊張状態のPC鋼材によって接合されていること
    を特徴とする躯体構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の躯体構造において、前記
    鉛直部材の側面と前記梁の接合プレートとの間に、充填
    材が充填されていることを特徴とする躯体構造。
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