JPH08302295A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JPH08302295A
JPH08302295A JP11323995A JP11323995A JPH08302295A JP H08302295 A JPH08302295 A JP H08302295A JP 11323995 A JP11323995 A JP 11323995A JP 11323995 A JP11323995 A JP 11323995A JP H08302295 A JPH08302295 A JP H08302295A
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JP
Japan
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coating film
acrylic resin
solvent
base material
soft
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Application number
JP11323995A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
Hideaki Akesato
秀昭 明里
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装飾や表示の為に使用する粘着シートであっ
て、紫外線吸収能力の長期持続性、基材の伸長にも追従
し得る塗膜密着性及び耐汚染性に優れたものを提供す
る。 【構成】 基材シートとして、軟質合成樹脂シートを使
用し、その一面に、紫外線吸収剤を含む軟質アクリル樹
脂系塗料からなる下塗り塗膜と、溶剤可溶型フッ素樹脂
系塗料からなる上塗り塗膜とがこの順に形成され、基材
の他面に粘着剤層が設けられてなる粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外もしくは屋内で、
主として装飾やマーキングの為に種々のものに貼着して
使用する粘着シートに関する。尚、本発明ではフィル
ム、テープ及びシートを敢えて区別することなく、これ
らを総称して単に「シート」と呼称する。
【0002】
【従来の技術】装飾やマーキングの為に使用する粘着シ
ートは、種々の品質特性を備えている必要があるが、中
でも被着体に貼着されて屋外暴露される機会が多いので
耐候性と被着体に対する追従性が要求される。また、当
然のことながら美粧性や識別性が付与されているから、
これらの品質を損なうことのないように、耐汚染性にも
優れている必要があり、これらの要求特性に応えるため
に従来から種々の対策が採られてきた。
【0003】先ず粘着剤については、比較的耐候性に優
れたアクリル系粘着剤が使用されると共に、基材につい
ては、耐候性と被着体に対する追従性とを兼備した軟質
塩化ビニル樹脂製シートのような軟質合成樹脂製シート
が汎用されてきた。
【0004】ところが、この程度の工夫だけでは、期待
し得る充分な効果が得られず、特に基材の耐候性を更に
向上させる為に、基材の表面に紫外線吸収剤を含む塗料
を塗布して紫外線をできるだけカットし、基材を構成す
る合成樹脂が、日光中の紫外線により分解して、変色し
たり脆弱化したりするのを防止することが図られてき
た。
【0005】例えば、特開平4−182185号公報に
は、基材の表面に、着色樹脂層を介して、溶剤可溶型フ
ッ素樹脂中に紫外線吸収剤を添加してなる塗料を塗布す
る技術が提案されており、また特開平6−122826
号公報には、基材の表面に、ウレタン硬化型樹脂等の特
定の合成樹脂中に高分子量型紫外線吸収剤を添加した紫
外線吸収性樹脂組成物からなる塗料を塗布する技術が提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術の何れにおいても、経時により、塗膜から紫外線吸収
剤がブリードアウトし易く、その為に紫外線のカット能
力を長時間持続することが出来ないばかりでなく、中に
は塗膜が比較的硬いものも含まれており、基材である軟
質合成樹脂シートの伸長に追従できず、該塗膜が基材表
面から剥離し易いという問題があり、耐汚染性について
も充分に改善されたものとはなっていないのが現状であ
る。
【0007】本発明は、上述のごとき従来技術の問題点
を解決し、紫外線吸収能力の長期持続性があり、基材の
伸長にも充分追従し得る塗膜密着性を有し、且つ耐汚染
性にも優れた粘着シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、「基材を構成
するシートとして軟質合成樹脂製シートを採用し、該基
材の一面に、紫外線吸収剤を含む軟質アクリル樹脂系塗
料の塗膜と、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料の塗膜とがこ
の順に積層されて、二層の塗膜が形成されてなること」
を骨子とするものである。
【0009】本発明の粘着シートの基材を構成する軟質
合成樹脂としては、この種粘着シートの基材として汎用
されているものが挙げられる。例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリル酸エステル等である。これら
のシートには通常、可塑剤、着色剤、安定剤が含まれて
いるが、必要に応じてその他の添加剤、例えば紫外線吸
収剤等を含んでいてもよい。
【0010】本発明において、下塗り塗膜形成用の塗料
として、軟質アクリル樹脂系塗料を使用する理由は、粘
着シートの基材に、アクリル樹脂特有の耐候性、耐水
性、耐油性を具有させると共に、更に重要なことは、そ
の優れた塗膜密着性を利用する為でもある。
【0011】ここで使用する軟質アクリル樹脂系塗料と
しては特に制限はないが、通常、アクリル系粘着剤の成
分として汎用されている成分をバインダーとしてそのま
ま採用できる。即ち、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主体とし、これに他の改質モノマー成分を導入し
て塗料の品質設計を行うのである。例えば(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分とし、これと他のビニ
ルモノマー等とを共重合させたものか挙げられる。
【0012】(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチ
ル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレ
ート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メ
タ)アクリレート等、アルキル基の炭素数が11以下の
アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0013】また、ビニルモノマーとしては、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等のカルボン酸含有モノマー、酢酸ビニル、スチ
レン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、テトラフルフリルアクリ
レート、ポリエチレングリコールアクリレート等が挙げ
られる。
【0014】本発明において、軟質アクリル樹脂系塗料
中に含有させる紫外線吸収剤としては、一般に汎用され
ている単量体もしくは二量体からなる分子量が約300
程度の所謂低分子量型のもの、例えば、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の
各種有機系のものが挙げられる。
【0015】ベンゾフェノン系としては、例えば、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシ−2′−カルボキシルベンゾフェノン等が
挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、例えば、2
−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フェニル)−5,6−ジクロロベンゾトリアゾール等が
挙げられ、シアノアクリレート系としては、例えばエチ
ル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が
挙げられる。
【0016】これらの低分子量型の有機系紫外線吸収剤
は、本来、経時によりブリードアウトし易いが、本発明
では、後述するように、塗膜が成分の異なる二種類の塗
料の重ね塗りにより形成され、しかもこの軟質アクリル
樹脂系塗料は下塗りに使用されているので、このブリー
ドアウトを阻止することが出来、使用しても差し支えな
いのである。
【0017】とは言っても、できれば、ブリードアウト
が全く無いか、或いは有ったとしても極く僅かな高分子
量型の紫外線吸収剤を使用する方が、基材や上塗り塗膜
とのより強固な密着性が得られるので好ましい。この高
分子量型紫外線吸収剤は、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル等の各種(メタ)アクリル酸エステルと、ベ
ンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基、シアノアクリ
レート基等の紫外線吸収性残基を持ち、(メタ)アクリ
ル酸エステルと共重合可能なモノマーとを共重合して高
分子量化したものである。
【0018】ここで言う紫外線吸収性残基を持ち、(メ
タ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーとして
は、例えば化1に示した式または式で示されるモノ
マー等が例示でき、これらを(メタ)アクリル酸エステ
ルと共重合したものである。この共重合体の分子量とし
ては、1000〜100万のものが好ましく用いられ、
より好ましい範囲としては、1万〜50万である。
【0019】
【化1】
【0020】軟質アクリル樹脂系塗料に対する紫外線吸
収剤の添加部数としては、低分子量型の場合、通常、樹
脂成分100重量部に対して0.1〜5重量部とするの
が好ましく、また高分子量型の場合、樹脂成分100重
量部に対して0.05〜20重量部とするのが好まし
く、より好ましくは0.1〜10重量部である。何れの
場合でも、添加部数がこれらの範囲に満たない場合は、
良好な紫外線吸収性能が得られず、逆にこれらの範囲を
超えると、塗膜が白濁したり、硬くなったりする為、被
着体への密着性が充分に得られなくなる。尚、これら紫
外線吸収剤は、樹脂成分に対して均一に練り込むことに
より容易に包含させることができる。
【0021】上記軟質アクリル樹脂系塗料中には、上記
紫外線吸収剤の他に、必要に応じて各種添加剤を添加す
ることは任意である。また、この軟質アクリル樹脂系塗
料によって形成される下塗り塗膜の厚みは、5〜20μ
mとするのがよく、5μmに満たない場合は所期の効果
が得られない場合があり、20μmを超えると、塗膜が
黄色味を帯びてくる場合がある。
【0022】本発明において、上塗り塗膜形成用の塗料
として、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料を使用する理由
は、粘着シートの基材の耐候性向上をより助長させるこ
との他、更に重要な狙いは、フッ素樹脂特有の撥水性及
び耐磨耗性を利用して、基材表面に優れた耐汚染性を付
与し、また、下塗り塗膜を被覆し保護することにより、
該下塗り塗膜中の紫外線吸収剤のブリードアウト及び昇
華により、経時による減少を防止乃至抑制するところに
ある。
【0023】本発明において使用する溶剤可溶型フッ素
樹脂系塗料とは、所謂有機溶剤可溶型常温硬化性のフッ
素樹脂系塗料を言い、フッ化オレフィン−ビニルエーテ
ル共重合体、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−6
フッ化エチレンの三元共重合体、フッ化ビニリデン−4
フッ化エチレン−6フッ化プロピレンの三元共重合体等
をバインダーとしたものが挙げられる。
【0024】また、これらフッ素樹脂系塗料のバインダ
ーとしては、これらのフッ素樹脂単独のものを使用する
他、これらのフッ素樹脂に対して、アクリル系樹脂を1
0〜70重量%混合したブレンド樹脂を用いると、塗膜
密着性がより向上し、前述の下塗り塗膜、ひいては基材
に対する追従性も改善されるので好適である。このとき
に使用するアクリル樹脂としては、2−エチルヘキシル
アクリレート−アクリル酸−酢酸ビニルの三元共重合体
等の軟質アクリル樹脂が好適である。
【0025】上記溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料中には、
必要に応じて前記の下塗り塗膜と同様に前記紫外線吸収
剤、その他の各種添加剤を添加することは任意である。
また、この溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料によって形成さ
れる塗膜の厚みは、3〜10μmとするのがよく、3μ
mに満たない場合は所期の効果が得られない場合があ
り、10μmを超えると、塗膜の黄色味の目立ち、塗膜
の柔軟性に欠ける場合がある。
【0026】本発明の粘着シートにおける粘着剤層形成
に与かる粘着剤としては、特に限定はなく、公知のもの
が採用可能である。具体例としては、例えばアクリル系
粘着剤が好ましく、その詳細は、前述の軟質アクリル樹
脂系塗料に係る記述と重複するので省略する。その他、
天然ゴム、合成ゴム等のゴム系粘着剤も採用可能であ
る。
【0027】
【作用】本発明の粘着シートは、基材の耐候性向上の基
本的手段として、基材の一面に紫外線吸収剤を含む下塗
り塗料からなる塗膜を形成したものであるから、基材の
変色・脆弱化を防止することができる。また、この塗料
は軟質アクリル樹脂をバインダーとするものであるか
ら、耐候性の向上をより助長すると共に、基材の伸長に
も充分追従し得る塗膜密着性を具有するものとなってい
る。
【0028】また、上記下塗り塗料の塗膜の面上に、溶
剤可溶型フッ素樹脂系塗料からなる上塗り塗膜を形成し
たものであるから、基材の表面には、フッ素樹脂の特性
である優れた耐候性と耐汚染性が具有されており、更に
下塗り塗料の塗膜の劣化を防止すると共に、該下塗り塗
料の塗膜に含まれている紫外線吸収剤のブリードアウト
による逸散を防止乃至抑制することが出来る。
【0029】尚、紫外線吸収剤として、高分子量型のも
のを使用したときは、経時での紫外線吸収剤のブリード
アウトが極めて少なく、経時での耐候性がさらに優れた
ものになる。
【0030】また、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料のブレ
ンド樹脂として、フッ素樹脂に対して、アクリル系樹脂
を混合したブレンド樹脂を使用したときは、より軟質の
上塗り塗膜が形成され、下塗り塗膜との密着性、ひいて
は基材の伸長に追従し得る塗膜密着性に優れたものとな
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0032】〔実施例1〕 (基材シートの成形)ポリ塩化ビニル(鐘淵化学社製、
PSH−10)100重量部、ポリエステル系可塑剤
(アデカアーガス社製、P−300)30重量部、金属
系安定剤(アデカアーガス社製、MARK−AR55
1)5重量部、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系低分子
量型、アデカアーガス社製、MARK−1413)1重
量部、酸化チタン顔料(大日精化社製、VT−771)
40重量部、溶剤(三菱化学社製、ソルベッソ)60重
量部の各成分を配合・調製して得た着色ポリ塩化ビニル
オルガノゾルを、工程紙上に乾燥時の厚みが50μmと
なるようにキャスティングキュアし、着色軟質ポリ塩化
ビニルのシートを成形した。
【0033】(軟質アクリル樹脂系塗料の調製)ベンゾ
フェノン基からなる紫外線吸収性残基を持つメタクリル
酸エステルと、メタクリル酸エステルとを50:50の
重量比率で共重合してなる分子量10万の高分子量型紫
外線吸収剤と、メタクリル酸エステルとアクリル酸エス
テルとを1:9の重量比率で共重合してなる分子量40
万のアクリル樹脂とを、高分子量型紫外線吸収剤と該ア
クリル樹脂とが3:1の重量比率となるように混合し、
軟質アクリル樹脂系塗料を得た。
【0034】(溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料の調製)フ
ッ素樹脂として、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン
−6フッ化プロピレンの三元共重合体を使用し、アクリ
ル樹脂として、2−エチルヘキシルアクリレート−アク
リル酸−酢酸ビニルの三元共重合体を使用し、これらフ
ッ素樹脂とアクリル樹脂とを2:1の重量比率で混合
し、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料を得た。
【0035】(粘着シートの製造)上述のようにして得
た基材、軟質アクリル樹脂系塗料及び溶剤可溶型フッ素
樹脂系塗料を用いて、先ず、基材の一面に、軟質アクリ
ル樹脂系塗料を、乾燥時の厚みが15μmとなるように
塗工して下塗り塗膜を形成した。次いで、該下塗り塗膜
の面上に、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料を、乾燥時の厚
みが5μmとなるように塗工して上塗り塗膜を形成し
た。次に、基材の他面に、アクリル系粘着剤を、乾燥時
の厚みが30μmとなるように塗工し、更にその上面に
剥離紙を積層して粘着シートのサンプルを得た。
【0036】〔実施例2〕軟質アクリル樹脂系塗料に含
める高分子量型紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾー
ル基からなる紫外線吸収性残基を持ったメタクリル酸エ
ステルとメタクリル酸エステルとを、40:60の重量
比率で共重合して得た分子量5万のものを使用したこと
以外は、実施例1と同様にして粘着シートのサンプルを
得た。
【0037】〔実施例3〕高分子量型紫外線吸収剤とア
クリル樹脂とを5:1の重量比率となるように混合し、
軟質アクリル樹脂系塗料を得たこと以外は、実施例1と
同様にして粘着シートのサンプルを得た。
【0038】〔実施例4〕軟質アクリル樹脂系塗料から
なる下塗り塗膜の乾燥時の厚みを10μmとしたこと以
外は実施例1と同様にして粘着シートのサンプルを得
た。
【0039】〔比較例1〕基材シートの一面に、軟質ア
クリル樹脂系塗料からなる下塗り塗膜や、溶剤可溶型フ
ッ素樹脂系塗料からなる上塗り塗膜を形成しなかったこ
と以外は、実施例1と同様にして粘着シートのサンプル
を得た。
【0040】〔比較例2〕溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料
からなる上塗り塗膜を形成せず、下塗り塗膜のみを基材
に形成したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シー
トのサンプルを得た。
【0041】〔比較例3〕軟質アクリル樹脂系塗料から
なる下塗り塗膜を形成せず、溶剤可溶型フッ素樹脂系塗
料からなる塗膜のみを基材に形成したこと以外は、実施
例1と同様にして粘着シートのサンプルを得た。
【0042】〔比較例4〕下塗り塗膜形成用塗料とし
て、ベンゾフェノン基からなる紫外線吸収性残基を持つ
メタクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルとを5
0:50の重量比率で共重合してなる分子量10万の高
分子量型紫外線吸収剤のみからなるものを使用したこと
以外は実施例1と同様にして粘着シートのサンプルを得
た。
【0043】上記各実施例及び比較例で得られた粘着シ
ートのサンプルについて、耐候性、基材の伸長に追従し
得る塗膜密着性及び耐汚染性の各試験項目について測定
乃至評価を行った。その結果を表1に示す。尚、測定・
評価方法は次の通りである。
【0044】耐候性:スーパーUVテスター(大日本プ
ラスチック社製)を用いて促進暴露を行い、64℃、6
4%RH、90mW/cm2 の設定条件で、ブランク、
144時間(3年間相当)、216時間(5年間相
当)、360時間(8年間相当)、432時間(10年
間相当)の各経時によるブランクとの色差(ΔE)を、
測定器(日本電飾社製、Σ−200)を用いて測定。
【0045】塗膜密着性:15mm幅にカットしたサン
プルについて、長手方向に10%、20%、50%の各
伸び率で、それぞれ伸長したときの、基材に対する塗膜
の密着性を目視により観察し、その結果について、次の
評価基準により評価した。 3:塗膜の剥離が全く認められない.2:極く一部に剥
離が認められる.1:全面的な剥離もしくは基材シート
の破断が認められる.
【0046】耐汚染性:サンプルを1mm厚みのアルミ
板に貼着し、屋外に暴露して半年間、及び1年間経過後
に、各サンプルの表面をウエスで乾拭きし、シート表面
の汚れ状態を目視により観察し、その結果について、次
の評価基準により評価した。 5:殆ど汚れの付着が認められない.4:極く一部に汚
れの付着が認められる 3:シートの全面が薄く汚れている.2:シートの全面
的な薄汚れの他に部分的に著しい汚れが認められる.
1:全面的に著しい汚れが認められる.
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から明らかなように、各実施例
のものは何れも満足すべき評価結果が得られたのに対
し、基材シートの一面に下塗り、及び上塗りの各塗膜を
設けなかった比較例1のものは、耐候性、耐汚染性共著
しく劣るものであった。また上塗り塗膜を設けなかった
比較例2のものは、フッ素樹脂の特性が得られず耐汚染
性に劣ると共に、下塗り塗膜中の紫外線吸収剤が逸散
し、耐候性の持続性にも乏しいものであった。
【0049】また、下塗り塗膜を設けなかった比較例3
のものは、当然耐候性に著しく劣るものであり、上塗り
塗膜の特性のみを具備したものであった。また、下塗り
塗膜形成用塗料として、軟質アクリル樹脂をブレンドし
なかった比較例4のものは、基材に対する塗膜密着性に
著しく劣るものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の粘着シートは、軟質合成樹脂シ
ートからなる基材の一面に、紫外線吸収剤を含む軟質ア
クリル樹脂系塗料からなる下塗り塗膜が形成され、更に
溶剤可溶型フッ素樹脂系塗料からなる上塗り塗膜が形成
されたものであるから、耐候性の長期持続性が著しく向
上し、更に、各塗膜の特性が活かされて、優れた耐汚染
性、塗膜密着性を兼備したものとなっている。従って、
装飾及びマーキング等の用途に用いて好適な粘着シート
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質合成樹脂製シートからなる基材の一
    面に、紫外線吸収剤を含む軟質アクリル樹脂系塗料から
    なる下塗り塗膜が形成され、該下塗り塗膜の面上に溶剤
    可溶型フッ素樹脂系塗料からなる上塗り塗膜が形成さ
    れ、基材の他面に粘着剤層が設けられてなることを特徴
    とする粘着シート。
JP11323995A 1995-05-11 1995-05-11 粘着シート Pending JPH08302295A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064595A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Sekisui Chem Co Ltd マーキングフィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064595A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Sekisui Chem Co Ltd マーキングフィルム
JP4514253B2 (ja) * 1999-08-26 2010-07-28 リンテック株式会社 マーキングフィルム

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