JPH10168354A - 耐候性樹脂組成物 - Google Patents

耐候性樹脂組成物

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JPH10168354A
JPH10168354A JP32841196A JP32841196A JPH10168354A JP H10168354 A JPH10168354 A JP H10168354A JP 32841196 A JP32841196 A JP 32841196A JP 32841196 A JP32841196 A JP 32841196A JP H10168354 A JPH10168354 A JP H10168354A
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weight
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coating layer
resin
weather
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JP32841196A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
Hiroshi Murayama
浩 村山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性劣化が生じ難く、柔軟性及び軟質フィ
ルムへの密着性及び変形追従性に優れたコーティングを
形成し得る耐候性樹脂組成物を得る。 【解決手段】 分子内に紫外線吸収性基を有するビニル
モノマーが共重合されているMw5000〜80000
0の紫外線吸収性樹脂100重量部に対し、Mw100
0〜10000の可塑剤0.5〜20重量部を配合して
なり、Tgが−5〜50℃である耐候性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性が高められ
た樹脂組成物に関し、より詳細には、屋外や屋内におい
て紫外線にさらされる部材の耐候性を高めるのに適した
耐候性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の製品や部材において、表面
に耐候性に優れたコーティング層を設けることが試みら
れている。例えば、屋外及び屋内において装飾もしくは
マーキングのために粘着シートが用いられているが、こ
の種の粘着シートにおいても耐候性の向上が強く求めら
れており、紫外線吸収剤を添加してなるコーティング層
により粘着シートの基材表面(粘着剤層が設けられてい
る側とは反対側の面)を被覆することが試みられてい
る。
【0003】特開平4−182185号公報には、透明
樹脂層、着色樹脂層及び接着剤層を積層してなる複合マ
ーキングシートが開示されており、ここでは、ウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂またはフッソ系樹脂などからな
る透明樹脂層に紫外線吸収剤を含有させることにより、
紫外線による劣化が抑制されるとされている。
【0004】しかしながら、特開平4−182185号
公報に開示されているように、紫外線吸収剤を含有した
樹脂層をコーティングした場合、紫外線吸収剤が経時に
よりブリードアウトし、紫外線遮蔽能力が低下するとい
う問題があった。また、高分子量の紫外線吸収剤を単独
で用いた場合、コーティングが硬くなり、例えばマーキ
ングシートのような軟質フィルムをベースフィルムとす
る製品にコーティングした場合、軟質フィルムに対する
密着性が十分でなかったり、フィルム全体を伸ばした場
合のコーティング層の追従性が悪く、クラックが生じた
りするという問題があった。
【0005】また、紫外線吸収剤含有コーティング層を
形成した後、経時により、粘着シート全体が硬くなり、
もろくなることもあった。他方、種々の製品や部材にお
いて耐汚染性を高めるための塗料として、アルコール性
水酸基及びラダー構造を有するシリコーンポリマーと、
末端イソシアネート基を有するウレタンオリゴマーまた
は末端水酸基を有するウレタンオリゴマー及びポリイソ
シアネートとを配合してなる塗料用樹脂組成物が提案さ
れている(特開平7−82525号公報)。
【0006】しかしながら、上記塗料用樹脂組成物を用
いて種々の部材の表面に塗膜を形成した場合、やはり、
経時により耐候性が劣化することがあった。また、マー
キングシートや装飾シートなどの粘着シートにおいてコ
ーティング層を形成するのに上記塗料用樹脂組成物を用
いた場合、コーティング層の軟質フィルムに対する密着
性が十分でなかったり、コーティング層を形成した後、
経時により粘着シート自体が硬くなり、もろくなるとい
う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経時
による紫外線遮蔽能力の劣化が生じ難く、かつコーティ
ング層を形成した場合のコーティング層の柔軟性に優れ
ており、軟質フィルムなどに対する密着性が良好であ
り、さらに、これらの部材の変形に対する追従性に優れ
たコーティング層を形成し得る耐候性樹脂組成物を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、上記のように耐候性
に優れているだけでなく、さらに、経時による耐汚染性
の低下が生じ難い、耐候性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、(A)分子内に紫外線吸収性基を有するビニルモノ
マーが共重合されている重量平均分子量5000〜80
0000の紫外線吸収性樹脂100重量部と、(B)重
量平均分子量1000〜10000の可塑剤0.5〜2
0重量部とを含み、ガラス転移温度が−5〜50℃の範
囲にあることを特徴とし、それによって耐候性に優れた
コーティング層を形成し得る耐候性樹脂組成物である。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に係る耐候性樹脂組成物において、(C)
シリコーン系樹脂25〜280重量部をさらに含むこと
を特徴とし、それによって耐候性だけでなく耐汚染性に
優れたコーティング層を形成し得る耐候性樹脂組成物が
提供される。以下、本発明の詳細を説明する。
【0011】(A)紫外線吸収性樹脂 本発明に係る耐候性樹脂組成物では、紫外線遮蔽性能を
与えるために上記紫外線吸収性樹脂が用いられている。
【0012】紫外線吸収性樹脂としては、分子内に紫外
線吸収性基を有するビニルモノマーが共重合されている
重量平均分子量5000〜800000の高分子量の紫
外線吸収性樹脂が用いられる。
【0013】上記紫外線吸収性基を有するビニルモノマ
ーとは、分子内に紫外線吸収性基とビニル基を有するも
のであり、上記ビニル基としては特に限定されないが、
上記紫外線吸収性基としては例えばベンゾトリアゾール
系及びベンゾフェノン系のものが用いられる。
【0014】上記ベンゾトリアゾール系のものとして
は、2−〔(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイル
オキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−〔(2’−ヒドロキシ−
3’−t−アミル−5’−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)フェニル〕−ベンゾトリアゾールなどを挙げる
ことができる。
【0015】上記ベンゾフェノン系のものとしては、2
−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾ
フェノン、2,3’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキ
シ−5−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノンな
どを挙げることができる。
【0016】また、上記紫外線吸収性基を有するビニル
モノマーと共重合されるモノマーとしては、上記ビニル
モノマーと共重合可能であり、上記ビニルモノマーの紫
外線吸収性基の紫外線遮蔽作用を阻害しない限り、特に
限定されるものではなく、例えば、アルキル基の炭素数
4〜14のアルキル(メタ)アクリレートの他、カルボ
キシル基含有ビニルモノマー、水酸基含有ビニルモノマ
ー、窒素含有ビニルモノマー等の極性基含有ビニルモノ
マーが挙げられる。
【0017】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、ブチルアクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用さ
れてもよいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0018】上記カルボキシル基含有ビニルモノマーと
しては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、(無水)マイレン酸、フマル酸、カルボキシ
エチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、上記水酸基
含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート
等が挙げられ、上記窒素含有ビニルモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロ
ラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙
げられ、これらは単独で使用されてもよいし、また2種
類以上併用されてもよい。
【0019】上記アルキル(メタ)アクリレート及び極
性基含有ビニルモノマー以外に、他のビニルモノマーが
含有され、共重合されてもよく、例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボルニル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0020】但し、上記紫外線吸収性残基を有するビニ
ルモノマーとしてシアノアクリレート系紫外線吸収性残
基を有するビニルモノマーを用いる場合は、シアノ基と
の反応性の高いカルボキシル基含有ビニルモノマー、水
酸基含有ビニルモノマーの併用は控えるか、添加量を適
宜減らす必要がある。
【0021】また、上記紫外線吸収性基を有するビニル
モノマーと、他のモノマーとの共重合割合についても、
本発明における紫外線遮蔽作用を発揮し得る限り、特に
限定されるものではなく、重量比で20対80〜80対
20の割合とすることができる。
【0022】上記紫外線吸収性基を有するビニルモノマ
ーと上記他のモノマーとを共重合して共重合体を得る方
法についても特に限定されず、例えば、加熱することに
より活性化されるラジカル重合開始剤の存在下で、溶液
重合より得ることができる。
【0023】上記溶液重合には、一般に熱重合開始剤が
用いられる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケ
トンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド
等のケトンパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、P−クロロベンゾイルパーオ
キサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ−t−(ブ
チルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキ
シピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の
アルキルパーエステル類、ジ−2−エチルヘキシルパー
オキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーカーボネ
ート類等の有機過酸化物の他に、2,2’−アゾビス−
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチル
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘ
キサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス
イソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレ
リックアシッド、2,2’−アゾビス−(2−アミノプ
ロパン)ジヒドロクロライド等のアゾビス系化合物が挙
げられる。
【0024】もっとも、上記紫外線吸収性樹脂の重量平
均分子量は5000〜800000の範囲にあることが
必要である。重量平均分子量が5000未満の場合に
は、塗膜成形性が低下し、800000を超えると、本
発明に係る耐候性樹脂組成物からなるコーティング剤の
粘度が高くなり、塗膜成形性が低下する。
【0025】(B)可塑剤 本発明では、上記特定の分子量の高分子量可塑剤が用い
られ、それによって本発明に係る耐候性樹脂組成物から
なる、例えばコーティング層を軟らかくすることがで
き、軟質フィルムとの密着性や伸ばされた際の追従性が
高められる。
【0026】特に、重量平均分子量1000〜1000
0の可塑剤が用いられているので、経時による可塑剤の
ブリードアウトが抑制され、耐候性樹脂組成物からなる
コーティング層の物性の安定化を図ることができると共
に、耐汚染性が良好に維持される。
【0027】上記可塑剤としては、例えば、アジピン
酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸などの二塩基
性酸と、グリコール、グリセリン類及び一塩基酸などと
のポリマーであるポリエステル系可塑剤が挙げられ、具
体的にはアジピン酸−プロピレングリコール系、アジピ
ン酸−1,3−ブチレングリコール系などが挙げられ
る。
【0028】また、市販品としては、品番:「アデカサ
イザーP−300」(重量平均分子量2000、旭電化
社製)、品番:「アデカサイザーPN−250」(重量
平均分子量1800、旭電化社製)、品番:「アデカサ
イザーPN−650」(重量平均分子量2400、旭電
化社製)、品番:「アデカサイザーPN−1030」
(重量平均分子量2000、旭電化社製)、品番:「P
−1500A」(重量平均分子量1500、新日本化学
社製)、品番:「BAA−15」(重量平均分子量18
00、大八化学社製)などのアジピン酸系可塑剤が挙げ
られる。
【0029】また、上記可塑剤は、紫外線吸収性樹脂1
00重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは2
〜10重量部の割合で用いられる。可塑剤の配合割合が
0.5重量部未満では、可塑剤を添加したことによる効
果、すなわち本発明に係る耐候性樹脂組成物よりなるコ
ーティング層を柔軟にする効果が少なくなり、さらに、
経時による耐候性樹脂組成物からなるコーティング層の
物性の劣化が生じ易くなり、他方、20重量部を超えて
配合すると、可塑剤を添加したことによる効果がそれ以
上高まらず、逆に、可塑剤のブリードアウトによる防汚
性能の低下がみられる。
【0030】ガラス転移温度 本発明に係る耐候性樹脂組成物は、上記紫外線吸収性樹
脂及び可塑剤を上記特定の割合で含むが、さらに、ガラ
ス転移温度が−5〜50℃、好ましくは5〜40℃の範
囲になることを特徴とする。ガラス転移温度が−5℃よ
り低い場合には、本発明に係る耐候性樹脂組成物からな
るコーティング層を設けた場合、コーティング層がタッ
ク感を持ち汚れが付着しやすくなり、50℃を超えると
フィルムが伸びた時に対する塗膜の追従性が低下する。
【0031】耐候性樹脂組成物の調製 本発明に係る耐候性樹脂組成物は、上記紫外線吸収性樹
脂と可塑剤とを混合することにより得られるが、この具
体的な方法については特に限定されず、例えば高分子量
紫外線吸収性樹脂を酢酸ブチルなどの適宜の溶剤に溶解
してなる溶液に上記可塑剤を添加しデイゾルバーで攪拌
混合することにより得られる。
【0032】(C)シリコーン系樹脂 請求項2に記載の発明では、上記紫外線吸収性樹脂及び
可塑剤に加えて、さらにシリコーン系樹脂が紫外線吸収
性樹脂100重量部に対し25〜280重量部の割合で
配合される。
【0033】上記シリコーン系樹脂をブレンドすること
により、本発明に係る耐候性樹脂組成物からなるコーテ
ィング層の耐汚染性をより一層高めることができる。シ
リコーン系樹脂の配合割合が25重量部よりも低くなる
と、耐汚染性が低下することがあり、280重量部を超
えると、紫外線吸収性樹脂の割合が相対的に低くなるた
め、紫外線遮蔽能力が低下することがある。
【0034】上記シリコーン系樹脂としては、特開平7
−82525号に開示されているように、アルコール性
水酸基及びラダー構造を有するシリコーンポリマーを好
適に用いることができ、例えば、非置換またはモノアル
キル置換もしくはモノフェニル置換のトリアルコキシシ
ランまたはトリクロロシランとビニル基を有する置換ト
ルアルコキシシランまたはトリクロロシランとを共縮合
して得られたオリゴマーに、水酸基を有するビニルポリ
マーを共重合することにより得られる。
【0035】この場合の原料としては、メチルトリメト
キシシラン、エチルトリメトキシシランなどの低級アル
キルトリアルコキシシランや、メチルトリクロロシラ
ン、エチルトリクロロシランなどのアルキルトリクロロ
シランなどを例示することができる。
【0036】また、上記共重合成分としての水酸基を有
するビニルモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレートなどを例示す
ることができる。
【0037】請求項2に記載の発明で用いられる上記シ
リコーン系樹脂の重量平均分子量は、500〜5000
00の範囲にあることが、塗膜成形性が良好であるとい
う理由から好ましい。
【0038】粘着シートへの応用 本発明に係る耐候性樹脂組成物は、粘着シートの耐候性
及び耐汚染性を高めるのに好適に用いることができる。
すなわち、合成樹脂フィルムからなる基材の一面に粘着
剤層を形成してなる粘着シートにおいて、該基材の他面
に本発明に係る耐候性樹脂組成物からなるコーティング
層を形成することにより、粘着シートの耐候性及び耐汚
染性を高めることができる。
【0039】この場合、本発明に係る耐候性樹脂組成物
によりコーティングされる合成樹脂フィルムよりなる基
材については、特に限定されるものではないが、例え
ば、軟質ポリ塩化ビニル、ウレタン系樹脂もしくはアク
リル系樹脂からなるフィルムを用いることができる。ま
た、この合成樹脂フィルム基材は、透明であってもよ
く、着色されていてもよい。
【0040】さらに、上記合成樹脂フィルムよりなる基
材にも、耐候性を高めるために、紫外線吸収剤が含有さ
れていてもよく、さらに、物性を高めるために、可塑剤
や熱安定剤が添加されていてもよい。
【0041】上記合成樹脂フィルムよりなる基材の厚み
は、特に限定されるものではないが、40〜200μm
の範囲が好ましい。40μm未満より薄い場合には、フ
ィルムの腰が弱くなり、粘着テープの施工性が悪化する
ことがあり、200μmを超えると立体的な形状を有す
る部分へ塗布する場合にフィルム基材の追従性が十分で
ないことがある。
【0042】上記合成樹脂フィルムよりなる基材の背面
に本発明に係る耐候性樹脂組成物からなるコーティング
層を設ける場合、該コーティング層の厚みについては、
3〜100μmの範囲とすることが好ましい。3μmよ
り薄い場合には、本発明に係る耐候性樹脂組成物よりな
るコーティング層による紫外線遮蔽効果が十分でないこ
とがあり、100μmを超えると、シート全体の厚みが
厚くなり、各種被着体に粘着テープを施工するに際し、
施工性が低下することがある。
【0043】上記合成樹脂フィルムよりなる基材の表面
に本発明に係る耐候性樹脂組成物からなるコーティング
層を形成する方法についても、特に限定されるものでは
なく、ナイフコーター、コンマコーター、ロールコータ
ー、リバースコーターなどの適宜の塗工機を用いて行う
ことができる。
【0044】また、上記粘着シートの粘着剤層を形成す
る粘着剤の種類についても特に限定されず、アクリル系
粘着剤またはゴム系粘着剤を適宜用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリレ
ートと、該(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル
モノマーとを共重合してなるアクリル系ポリマーを主成
分とするものを用いることができる。より具体的な例を
挙げると、ブチルアクリレート70重量部、アクリル酸
10重量部、HEMA0.3重量部及び2−エチルヘキ
シルアクリレート9.7重量部を共重合してなり、重量
平均分子量約600000、分子量分布=4.0のアク
リル系ポリマーを主成分とするもの、ブチルアクリレー
ト50重量部、アクリル31重量部、HEMA0.3重
量部、2−エチルヘキシルアクリレート29.7重量部
のモノマー組成を共重合してなり、重量平均分子量約7
00000、分子量分布=4.0のアクリル系共重合体
などを挙げることができる。
【0045】上記粘着剤層の厚みについては、15〜7
0μmの範囲とすることが好ましい。15μmより薄い
と、粘着力や保持力が不足することがあり、70μmよ
り厚いと、貼付に際し粘着剤が側方にはみ出たりするこ
とがある。
【0046】また、装飾シートやマーキングシートを構
成する場合には、本発明に係る耐候性樹脂組成物により
背面がコーティングされた合成樹脂フィルム基材の片面
に粘着剤層を設けた構成において、さらに、通常、粘着
剤層側に表面が離型処理された離型紙が積層される。こ
れは、装飾シートやマーキングシートでは、使用に際し
所望の形状にカッティングされるため、カッティングに
際しての粘着剤のはみ出しを防止するために、離型紙を
被覆しておくことが好ましいからである。
【0047】上記離型紙についても、特に限定されるも
のではなく、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピ
レンなどの合成樹脂フィルムもしくは紙などからなるも
のを用いることができる。また離型紙の表面に離型性を
与えるための処理としては、シリコーン樹脂などの離型
性に優れた合成樹脂により処理する方法など、任意の方
法を用いることができる。
【0048】本発明に係る耐候性樹脂組成物は、軟質の
合成樹脂フィルムからなる基材を用いた粘着シートにお
いて、該基材の背面にコーティング層を設けるのに好適
に用いることができる。すなわち、軟質の合成樹脂フィ
ルムからなる基材を用いた粘着シートでは、フィルム基
材が軟質であるため、耐候性を高めるためのコーティン
グ層を強固に密着させること、及び粘着シートの伸びな
どの変形に対する追従性に優れたコーティング層の形成
が困難とされていた。
【0049】本発明に係る耐候性樹脂組成物よりなるコ
ーティング層は、上記特定の組成を有し、かつ上記特定
の範囲のガラス転移点を有するため、このような軟質の
フィルム基材に対する密着性に優れ、かつ軟質のフィル
ム基材の変形に対して優れた追従性を示す。
【0050】従って、本発明に係る耐候性樹脂組成物の
好ましい態様としては、軟質の合成樹脂フィルムからな
る基材と、該基材の片面に積層された粘着剤層と、該粘
着剤層を被覆するように配置された離型紙とを備える粘
着シートにおいて、上記基材の粘着剤層が設けられてい
る側とは反対側の面に、本発明に係る耐候性樹脂組成物
よりなるコーティング層が設けられていることを特徴と
する粘着シートが挙げられる。
【0051】もっとも、本発明に係る耐候性樹脂組成物
は、上記のような特定の粘着シートにのみ用いられてそ
の効果を発揮するものではなく、粘着シート以外の屋内
や屋外に配置される様々な部材の表面に耐候性や耐汚染
性を高めるためのコーティング層を形成する用途に一般
的に用いることができる。特に、上記粘着シートのよう
に、それ自体が変形し得る部材の場合、本発明に係る耐
候性樹脂組成物からなるコーティング層はそのような変
形に対する追従性に優れているため、特に好適に用いる
ことができる。
【0052】作用 請求項1に記載の発明に係る耐候性樹脂組成物では、紫
外線吸収性基を有するビニルモノマーが共重合されてい
る上記特定の分子量の紫外線吸収性樹脂を含むため、該
耐候性樹脂組成物からなるコーティング層を他の部材表
面に設けた場合、紫外線吸収性樹脂の作用によりコーテ
ィングされている部材に紫外線が達するのを効果的に抑
制することができる。しかも、上記紫外線吸収性樹脂
は、重量平均分子量が5000〜800000の範囲と
されており、上記コーティング層からブリードアウトし
難いため、紫外線遮蔽性能が長期間にわたり維持され
る。
【0053】また、上記高分子量紫外線吸収剤と上記特
定の分子量の可塑剤がブレンドされているため、本発明
に係る耐候性樹脂組成物よりなるコーティング層は柔軟
性に優れており、軟質フィルムなどへの密着性やコーテ
ィングされる部材の変形に対する追従性も良好である。
【0054】さらに、上記可塑剤が、比較的大きな分子
量を有するため、可塑剤がコーティング層からブリード
アウトし難いので、その点からも、本発明に係る耐候性
樹脂組成物からなるコーティング層を設けたとしても、
可塑剤の移行によるコーティングされる部材の物性変化
を抑制し得る。
【0055】また、上記高分子量の可塑剤の添加割合が
上記特定の割合とされているため、それによって耐汚染
性が維持される。さらに、請求項2に記載の発明のよう
に、上記シリコーン系樹脂を上記特定の割合で配合した
場合には、該シリコーン系樹脂により耐汚染性がより一
層高められる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0057】(実施例1)紫外線吸収性残基を有するメ
タクリルモノマーとして、MHB、すなわち2−〔2’
−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)
フェニル〕ベンゾトリアゾール30重量部と、ブチルア
クリレート50重量部と、2−エチルヘキシルアクリレ
ート20重量部とをラジカル重合開始剤(ベンゾイルパ
ーオキサイド)の存在下で溶液重合法により共重合し、
紫外線吸収性樹脂を得た。
【0058】得られた紫外線吸収性樹脂の重量平均分子
量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
たところ20000であり、ガラス転移温度は60℃で
あった。
【0059】上記紫外線吸収性樹脂100重量部に対
し、ポリエステル系可塑剤(旭電化社製、品番:アデカ
サイザーP−300、重量平均分子量:2000)6重
量部を添加し、十分に混合し、コーティング剤を得た。
なお得られたコーティング剤のがラス転移温度は35℃
であった。
【0060】塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製、品番:P
SH−10)100重量部と、ポリエステル系可塑剤
(旭電化社製、品番:P300)30重量部と、金属安
定剤(旭電化社製、商品名:MARK AR−551)
5重量部と、紫外線吸収剤(旭電化社製、品番:MAR
K1413)1重量部と、ソルベッソ60重量部と、酸
化チタン顔料(大日精化社製、品番:VT−771)4
0重量部とを混合することにより得た着色PVCオルガ
ノゾルをアルキド樹脂を塗布して離型処理した工程紙上
に塗工し、硬化させ、厚み60μmの着色軟質ポリ塩化
ビニルフィルムを得た。
【0061】上記着色軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片
面に、上記コーティング剤を乾燥後の厚みが25μmと
なるようにコーティングし、反対面にアクリル系粘着剤
を乾燥後の厚みが30μmとなるようにコーティング
し、粘着剤層上に上質紙にポリエチレンをラミネート
し、シリコーン樹脂をコーティングしたことよりなる離
型紙を積層し、粘着シートサンプルを得た。
【0062】(実施例2)紫外線吸収性樹脂を得るにあ
たってのモノマー組成を、MHB50重量部と、ブチル
アクリレート20重量部と、2−エチルヘキシルアクリ
レート30重量部とに変更し、重量平均分子量2500
00及びガラス転移温度65℃の紫外線吸収性樹脂を得
たこと、コーティング剤を得るにあたって用いたポリエ
ステル系可塑剤の配合割合を6重量部から8重量部に変
更し、ガラス転移温度43℃のコーティング剤としたこ
とを除いては、実施例1と同様にして粘着シートサンプ
ルを得た。
【0063】(実施例3)コーティング剤を得るにあた
って用いたポリエステル系可塑剤の配合割合を6重量部
から4重量部に変更したことを除いては、実施例1と同
様にして粘着シートサンプルを得た。なお、コーティン
グ剤のガラス転移温度は45℃であった。
【0064】(実施例4)MHBに代えて、2−ヒドロ
キシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノンを用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして重量平均分子量2
0000の紫外線吸収性樹脂を得、さらに同様にして粘
着シートを得た。なお、上記のようにして得たコーティ
ング剤のガラス転移温度は33℃であった。
【0065】(実施例5)コーティング層の乾燥後の厚
みを15μmに変更したことを除いては、実施例1と同
様にして粘着シートサンプルを得た。
【0066】(比較例1)実施例1においてMHBを用
いずにアクリル系モノマーだけで重合を実施し、得られ
たアクリル共重合体(重量平均分子量100000)1
00重量部に対し、紫外線吸収剤(チバガイギー社製、
商品名:チヌビンP)を3.0重量部添加して紫外線吸
収性樹脂に代えたことを除いては、実施例1と同様にし
て粘着シートサンプルを得た。なお、コーティング剤の
ガラス転移温度は42℃であった。
【0067】(比較例2)紫外線吸収性樹脂の分子量を
2000となるように共重合したことを除いては、実施
例1と同様にして粘着シートサンプルを得た。
【0068】(比較例3)実施例1において、コーティ
ング剤を調製するに際しポリエステル系可塑剤を用いな
かったことを除いては、実施例1と同様にして粘着シー
トサンプルを得た。なおコーティング剤のガラス転移温
度は、可塑剤を添加していないため60℃である。
【0069】(比較例4)実施例1において、紫外線吸
収性樹脂のモノマー組成を、MHB30重量部、ブチル
アクリレート10重量部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート10重量部及びメチルメタクリレート50重量部に
変更し、重量平均分子量220000、ガラス転移温度
77℃の紫外線吸収性樹脂を用いたこと(コーティング
剤のガラス転移温度は77℃)を除いては、実施例1と
同様にして粘着シートサンプルを得た。
【0070】(比較例5)コーティング層の乾燥後の厚
みを2μmに変更したことを除いては、実施例1と同様
にして粘着シートサンプルを得た。
【0071】(比較例6)コーティング剤に配合する可
塑剤を低分子量可塑剤(ジイソオクチルフタレート分子
量391)に変更したことを除いては、実施例1と同様
にして粘着シートサンプルを得た。
【0072】(実施例1〜5及び比較例1〜6の評価)
上記のようにして得た各粘着シートサンプルについて、
下記の要領で、耐候性評価、耐汚染性評価、フィ
ルム密着性評価及びフィルム経時物性評価を行った。
【0073】耐候性評価………スーパーUVテスター
(大日本プラスチックス社製)を用い、各粘着シートサ
ンプルに下記の条件で紫外線を照射し、100時間後、
200時間後及び300時間後の変色状態を色差計(日
本電飾製)を用いて評価した。
【0074】照射条件:90mW/cm2 、50℃、相
対湿度50%。 照射時間:100時間、200時間及び300時間。 なお、得られた色差が大きい程変色が大きいことを示
す。
【0075】耐汚染性評価………各粘着シートサンプ
ルを屋外でアルミニウム板よりなる被着体に貼付し、半
年後及び1年後に、粘着シート表面への汚れの付着状況
を、ウエスで乾拭きした後目視により5段階評価した。
評価基準は以下のとおりである。
【0076】5:ほとんど汚れ付着なし 4:極く一部に汚れが付着 3:全面的にうっすらと汚れが付着 2:全面的な汚れと共に部分的な汚れが付着 1:全面的に著しく汚れが付着していた。
【0077】フィルム密着性評価………各粘着シート
サンプルを15mm幅に切断し、長さ方向に10%、2
0%及び50%伸ばした時のコーティング層と着色軟質
フィルム層との密着度合を目視により3段階評価した。
評価基準は以下のとおりである。
【0078】3:コーティング層が全く剥離せず。 2:極く一部でコーティング層が剥離。 1:コーティング層が全面的に剥離または着色軟質フィ
ルムの破断。
【0079】フィルム経時物性評価………各粘着シー
トサンプルを40℃の温度に1カ月間維持し、エルメン
ドルフ引き裂き計を用いて引き裂き強度を測定し、フィ
ルムのもろさの変化を評価した。なお、各粘着シートサ
ンプル16枚について上記引き裂き強度を測定し、強度
の平均値を求めて評価を行った。また、引き裂き強度の
単位は(g)である。
【0080】上記評価結果を下記の表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】(実施例6)紫外線吸収性残基を有するメ
タクリルモノマーとしてMHB30重量部と、ブチルア
クリレート50重量部と、2−エチルヘキシルアクリレ
ート20重量部とをラジカル重合開始剤の存在下で溶液
共重合法により共重合し、紫外線吸収性樹脂を得た。
【0083】この紫外線吸収性樹脂の重量平均分子量を
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したと
ころ20000であり、ガラス転移温度は60℃であっ
た。メチルトリエトキシキラン70モル%と、メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン30モル%とを縮合
して得られたメタクリル変成ラダーシリコーンポリマー
30重量部と、メチルメタクリレート40重量部と、ブ
チルアクリレート20重量部と、ヒドロキシエチルメタ
クリレート10重量部と、トルエンと酢酸ブチルとを容
量比で70対30の割合で含む混合溶剤中で過酸化ベン
ゾイルを開始剤として80℃で重合し、平均分子量50
000のシリコーンポリマーを得た。
【0084】上記紫外線吸収性樹脂とシリコーンポリマ
ーとを重量比で1対1の割合で混合してなる混合樹脂1
00重量部に対し、ポリエステル系可塑剤(旭電化社
製、品番:アデカサイザーP−300、重量平均分子量
6000)8重量部を添加し、十分に混合し、コーティ
ング剤を得た。このコーティング剤のガラス転移温度は
35℃であった。次に、上記コーティング剤を用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして粘着シートサンプ
ルを得た。
【0085】(実施例7)紫外線吸収性樹脂を得るため
のモノマー組成を、MHB50重量部、ブチルアクリレ
ート20重量部及び2−エチルヘキシルアクリレート3
0重量部に変更し、分子量250000、ガラス転移温
度65℃の紫外線吸収性樹脂を用いたこと、並びに混合
樹脂に配合されるポリエステル系可塑剤の配合割合を8
重量部から9重量部に変更したこと以外は実施例6と同
様にしてコーティング剤を調製し(コーティング剤のガ
ラス転移温度は43℃)、以下、実施例1と同様にして
粘着シートサンプルを得た。
【0086】(実施例8)フェニルトリメトキシシラン
75モル%及びメタクリロキシプロピルトリメタキシシ
ラン25モル%とを縮合して得られたメタクリル変成ラ
ダー型シリコーンポリマー30重量部と、2−エチルヘ
キシルアクリレート20重量部と、ヒドロキシプロピル
メタクリレート20重量部とを、シクロヘキサン30重
量部、キシレン50重量部及び酢酸ブチル20重量部を
含む混合溶剤中でアゾビスイソブチロニトリルを開始剤
として90℃で重合し、平均分子量43000のシリコ
ーンポリマーを得た。
【0087】このシリコーンポリマーを用いたことを除
いては、実施例6と同様にしてコーティング剤を得(コ
ーティング剤のガラス転移温度は45℃)、以下、実施
例1と同様にして粘着シートサンプルを得た。
【0088】(実施例9)実施例6において、MHBに
代えて、2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾ
フェノンを用いたことを除いては、同様にしてコーティ
ング剤を得(コーティング剤のガラス転移温度は33
℃)、以下、実施例1と同様にして粘着シートサンプル
を得た。
【0089】(実施例10)コーティング層の厚みを乾
燥後で15μmに変更したこと以外は実施例6と同様に
して粘着シートサンプルを得た。
【0090】(実施例11)紫外線吸収性樹脂とシリコ
ーンポリマーとの混合比率を重量比で60対40に変更
したことを除いては、実施例1と同様にしてコーティン
グ剤を得(コーティング剤のガラス転移温度は38
℃)、以下、実施例1と同様にして粘着シートサンプル
を得た。
【0091】(比較例7)実施例6において、MHBを
用いずに、アクリルモノマーだけで重合を行い、得られ
たアクリル共重合体100重量部に対し、紫外線吸収剤
(チバガイギー社製、商品名:チヌビンP)を3.0重
量部添加したものを紫外線吸収性樹脂の代わりに用いた
ことを除いては、実施例6と同様にして粘着シートサン
プルを得た。なお、コーティング剤のガラス転移温度は
42℃であった。
【0092】(比較例8)紫外線吸収性樹脂の重量平均
分子量が2000となるように共重合を行ったことを除
いては、実施例6と同様にして粘着シートサンプルを得
た。なお、コーティング剤のガラス転移温度は40℃で
あった。
【0093】(比較例9)紫外線吸収性樹脂に添加され
るポリエステル系可塑剤を用いなかったことを除いて
は、実施例6と同様にして粘着シートサンプルを得た。
なお、コーティング剤のガラス転移温度は65℃であっ
た。
【0094】(比較例10)ポリエステル系可塑剤の添
加割合を8重量部から25重量部に変更したこと以外は
実施例6と同様にして粘着シートサンプルを得た。な
お、コーティング剤のガラス転移温度は−2℃であっ
た。
【0095】(比較例11)実施例6において、紫外線
吸収性樹脂を得るためのモノマー組成を、MHB30重
量部、ブチルアクリレート10重量部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10重量部及びメチルメタクリレート
50重量部に変更して重量平均分子量220000、ガ
ラス転移温度77℃の紫外線吸収性樹脂を用いたことを
除いては、実施例6と同様にして粘着シートサンプルを
得た。なお、コーティング剤のガラス転移温度は77℃
であった。
【0096】(比較例12)コーティング層の厚みを乾
燥後で2μmに変更したことを除いては、実施例6と同
様にして粘着シートサンプルを得た。
【0097】(比較例13)高分子量可塑剤を、ポリエ
ステル系可塑剤から低分子量可塑剤(ジイソオクチルフ
タレート)に変更したことを除いては、実施例6と同様
にして粘着シートサンプルを得た。
【0098】(比較例14)シリコーン系ポリマーを添
加しなかったことを除いては、実施例6と同様にして粘
着シートサンプルを得た。
【0099】(実施例6〜11及び比較例7〜14の評
価)上記のようにして得た各粘着シートサンプルについ
て、耐候性評価、耐汚染性評価、マジックインキ
防汚性、フィルム密着性評価及びフィルム経時物性
評価を行った。なお、マジックインキ防汚性以外につ
いては、前述した実施例1〜5の評価と同様にして行っ
た。また、マジックインキ防汚性の評価は以下の要領で
行った。
【0100】マジックインキ防汚性………油性マジッ
クを用い、各粘着シートサンプルの背面すなわちコーテ
ィング層が設けられている側の基材表面に太さ10mm
の黒いラインを引き、常温で1時間乾燥した後、表面を
乾いた布で拭き、黒いラインが消えた状況を以下の基準
に従って5段階評価した。
【0101】5:マジックインキの跡が全く認められな
いように拭き取ることができた。 4:マジックインキの跡がうっすらとわかる程度。 3:マジックインキの跡が容易にわかること。 2:部分的にマジックインキのラインが消えなかった。 1:マジックインキのラインがほとんど消えなかった。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る耐候性樹脂
組成物は、紫外線吸収性基を有するビニルモノマーが共
重合されている紫外線吸収性樹脂を含むため、耐候性樹
脂組成物からなるコーティング層を他の部材表面に形成
した場合、紫外線を遮蔽し、コーティングされている部
材の紫外線による劣化を防止することができる。
【0105】加えて、上記紫外線吸収性樹脂は、重量平
均分子量が5000〜800000と比較的高分子量で
あるため、上記コーティング層から経時によりブリード
アウトし難いため、紫外線遮蔽性能が長期間にわたって
維持される。
【0106】さらに、重量平均分子量1000〜100
00の高分子量可塑剤が上記特定の割合で配合されてい
るため、本発明に係る耐候性樹脂組成物よりなるコーテ
ィング層は十分に軟らかく、例えば、粘着シートの合成
樹脂フィルムのような軟らかい部材に対しての密着性に
優れ、かつこれらの変形に対する追従性も優れている。
【0107】すなわち、請求項1に記載の発明に係る耐
候性樹脂組成物は、上記高分子量紫外線吸収性樹脂と高
分子量可塑剤とを上記特定の割合で配合し、ガラス転移
温度が−5〜50℃の範囲とされているため、紫外線遮
蔽性能を長期間にわたり発揮させることができ、かつコ
ーティングすべき部材に対して、強固に密着されかつ該
部材の変形に無理なく追従し得るコーティング層を容易
に形成することが可能となり、それによって、例えば粘
着シートのフィルム基材のようなコーティング対象部材
の耐候性を効果的に高めることが可能となる。
【0108】また、請求項2に記載の発明では、上記耐
候性樹脂組成物に、さらに、シリコーン系樹脂が上記特
定の割合で配合されているため、該シリコーン系樹脂の
作用により、耐候性樹脂組成物からなるコーティング層
の耐汚染性も効果的に高められる。すなわち、請求項2
に記載の発明によれば、紫外線遮蔽効果を長期間にわた
って維持し得るだけでなく、耐汚染性についても長期間
にわたって維持されるコーティング層を容易に形成する
ことが可能となり、コーティング対象部材の経時による
紫外線劣化や汚染を確実に防止することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に紫外線吸収性基を有する
    ビニルモノマーが共重合されている重量平均分子量50
    00〜800000の紫外線吸収性樹脂100重量部
    と、 (B)重量平均分子量1000〜10000の可塑剤
    0.5〜20重量部とを含み、 ガラス転移温度が−5〜50℃の範囲にあることを特徴
    とする耐候性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)シリコーン系樹脂25〜280重
    量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の耐
    候性樹脂組成物。
JP32841196A 1996-12-09 1996-12-09 耐候性樹脂組成物 Pending JPH10168354A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003206442A (ja) * 2002-01-15 2003-07-22 Shin Etsu Chem Co Ltd 硬質保護被膜形成用コーティング剤及び光学物品
JP2010138310A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Dic Corp 2液型紫外線吸収着色塗料組成物
JP2015196797A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 リンテック株式会社 粘着シート

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