JPH05278168A - 粘着フィルム又はシート - Google Patents

粘着フィルム又はシート

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JPH05278168A
JPH05278168A JP4339792A JP4339792A JPH05278168A JP H05278168 A JPH05278168 A JP H05278168A JP 4339792 A JP4339792 A JP 4339792A JP 4339792 A JP4339792 A JP 4339792A JP H05278168 A JPH05278168 A JP H05278168A
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Makoto Sasaki
信 佐々木
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大作 吉沢
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニルフィルム又はシートを用いた粘着
フィルム又はシートにおいて、表面に保護層を設けるこ
となく耐候性及び保護ワックス性に優れた粘着シート又
はフィルムを提供する。 【構成】 表面フィルム又はシートと該フィルム又はシ
ートの一面に塗布された粘着剤層とから成る粘着フィル
ム又はシートにおいて、該表面フィルム又はシートが、 (1)塩化ビニル樹脂 100重量部 (2)数平均分子量が1500〜4000のネオペンチルグリコール系ポリエス
テル可塑剤 10〜60重量部 (3)数平均分子量が360以上のエポキシ系可塑剤
2.0〜10.0重量部 (4)錫系安定剤 0.2〜1.0重量部 (5)バリウム−亜鉛系安定剤 2.0〜8.0重量部 (6)紫外線吸収剤 3.0〜15重量部 を含んで成ることを特徴とする粘着フィルム又はシー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性及び耐保護ワッ
クス性に優れた粘着フィルム又はシートに関する。この
フィルム又はシートは、ラベル、ステッカー、ストライ
プテープ、マーキング類、外装用フィルム等として使用
される。
【0002】
【従来の技術】粘着フィルム及びシートは、一般に、軟
質塩化ビニル樹脂組成物を表面基材として、その目的に
応じて、樹脂自身に顔料を練り込んで着色し片面に適切
な感圧又は、感熱型接着剤層を形成し剥離紙又は、剥離
フィルムを張り合わせて構成されている。軟質塩化ビニ
ル樹脂組成としては一般にプロピレングリコール系のポ
リエステル可塑剤、金属石ケン系、熱安定剤、顔料、必
要に応じて、紫外線吸収剤を添加したものが使用されて
いる。しかし、これらの塩ビ粘着剤フィルムやシートで
は、耐候性に乏しく、表面が白色化するチョーキング現
象をおこし、また、色あせ、光沢度低下等の問題があっ
た。更に、保護ワックス塗布後の耐候性試験において
は、劣化が促進されるという欠点があった。
【0003】粘着フィルム、シートの耐候性向上の対策
としては、例えば、特開平3−47751号公報には、
二層タイプの軟質塩化ビニルフィルムで数平均分子量が
1200〜8000のポリエステル可塑剤を用い、下層
の可塑剤量が上層より多いことを特徴として耐候性向上
を目的とすることが提案されている。しかし、この方法
では、ジオクチルフタレート等の低分子量の可塑剤を添
加する場合よりも耐候性は優れているが、特に一般の粘
着フィルム、シートでポリエステル系の可塑剤を用いた
ものとの優位性はほとんどない。以上の状況から、一般
的に粘着フィルムシートの耐候性向上策としては更に、
塩ビフィルムの上に、透明なアクリル系のフィルムラミ
ネート又は、透明樹脂を塗布することが行われている
(特開昭60−26076)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は塩化ビ
ニルフィルムを用いた粘着フィルム又はシートにおい
て、表面に保護層を設けることなく耐候性及び、保護ワ
ックス性に優れた粘着フィルム又はシートを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の塩
化ビニルフィルム又はシートをベースにした粘着フィル
ム又はシートに於て表面保護用の透明樹脂層を設けない
と、保護ワックス塗布後の耐候性が著しく悪くなる原因
を究明した結果、一般に使用されるポリエステル系可塑
剤はプロピレングリコール系であり、これがワックスを
塗布することにより表面にブリードし、光、熱、水にて
加水分解し、酸とアルコールを生成し、この酸が塩化ビ
ニル樹脂のポリエン現象をおこし耐候性を悪くすること
が判明した。このため、プロピレングリコール系可塑剤
に代る可塑剤を種々検討した結果、ネオペンチルグリコ
ール系のポリエステル可塑剤とエポキシ系可塑剤を併用
することにより、上記問題点が解決され耐候性が著しく
向上するという新しい知見を得、この知見に基づいて本
発明を完成させた。
【0006】従って本発明は、表面フィルム又はシート
と該フィルム又はシートの一面に塗布された粘着剤層と
から成る粘着フィルム又はシートにおいて、該表面フィ
ルム又はシートが、 (1)塩化ビニル樹脂 100重量部 (2)数平均分子量が1500〜4000のネ オペンチルグリコール系ポリ エステル可塑剤 10〜60重量部 (3)数平均分子量が360以上のエポキシ系 可塑剤 2.0〜10.0重量部 (4)錫系安定剤 0.2〜1.0重量部 (5)バリウム−亜鉛系安定剤 2.0〜8.0重量部 (6)紫外線吸収剤 3.0〜15重量部 を含んで成ることを特徴とする粘着フィルム又はシート
を提供する。
【0007】本発明において使用する塩化ビニル樹脂
は、粘着テープ又はシートとして常用されている樹脂で
あり、塩化ビニル樹脂単体のみならず、酢酸ビニル等と
の共重合体も含む。具体的には、スミニットPX−N
(住友化学製)、ビニカP440(三菱化成ビニル
製)、ビニカP540(三菱化成ビニル製)等が有用で
ある。本発明で使用する可塑剤はネオペンチルグリコー
ル系のポリエステル可塑剤であり、数平均分子量が15
00〜4000の範囲ものであり、1600〜2500
0の範囲が特に好ましい。1500未満ではブリードし
て接着力低下をきたし、4000より大きいと粘度が高
い作業性がおちる。この様なネオペンチルグリコール系
ポリエステル可塑剤は、ネオペンチルアルコールとアジ
ピン酸等のカルボン酸化合物からなるエステル結合を有
する可塑剤と定義され、具体的にはダイヤサイザーD−
653(三菱化成ビニル製)等が挙げられる。
【0008】塩化ビニル樹脂組成物中の可塑剤の含有割
合は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して10〜60
重量部の範囲で25〜40重量部の範囲が特に好まし
い。可塑剤の含有率が10重量部より少ない場合粘着フ
ィルム、シートの柔軟性が欠けて使用上好ましくなく、
またフィルム成形上でも好ましくない。また、可塑剤の
含有率が60重量部より多い場合柔らかすぎてハンドリ
ング上好ましくなく、また表面が柔らかすぎて、傷がつ
き易く汚染されやすい。
【0009】同時に添加するエポキシ系可塑剤は数平均
分子量が360以上のものが必要で好ましくは、100
0位のものが望ましい。数平均分子量が360未満だと
感圧又は、感熱接着剤にブリードし、接着力に低下を生
じさせる。使用できるエポキシ系可塑剤としてはエポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ油、オクチル、エポキシ
ステアレート、エポキシ化モノエステル等が挙げられ
る。添加量は塩化ビニル樹脂100重量部に対して2.
0〜10.0重量部が好ましい。2.0重量部未満だと
耐候性が悪く、10.0重量部より多いと接着力が低下
するためである。
【0010】錫系熱安定剤の添加量は塩化ビニル樹脂1
00重量部に対し0.2〜1.0重量部の範囲が好まし
く、特に0.3〜0.4重量部が望ましい。添加量が
0.2重量部未満であると耐候性向上の効果に乏しくま
た1.0重量部より多い場合は、表面にブリードして表
面の接着不良、外観変化をおこす。使用できる錫系熱安
定剤としてはジブチル錫メルカプタイド系、ジブチル錫
ジラウレート系、ジブチル錫マレート系、オクチル錫メ
ルカプタイド系等が挙げられる。
【0011】バリウム−亜鉛系熱安定剤の添加量は塩化
ビニル樹脂100重量部に対し2.0〜8.0重量部の
範囲が好ましく、特に3.0〜5.0重量部添加が望ま
しい。添加量が2.0重量部未満であると耐候性向上の
効果に乏しくまた8.0重量部より多い場合はそれ以上
の耐候性向上にならない。バリウム−亜鉛系熱安定剤
は、カルボン酸化合物とバリウム及び亜鉛とから成る金
属石けんと定義される。具体的には旭電化工業製のアデ
カスタブAC−122,AC−158,AC−167,
AC−186,AC−243等が挙げられる。
【0012】紫外線吸収剤の添加量は塩化ビニル樹脂1
00重量部に対して3.0〜15重量部の範囲が好まし
く、特に8.0〜12重量部が望ましい。3.0重量部
未満の添加量では、耐候性向上の効果に乏しく、また、
12重量部より多くしてもそれ以上の効果が期待できず
不経済なためである。紫外線吸収剤としてはベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレー
ト系等が挙げられる。
【0013】フィルムの成形に当っては、上記の成分を
配合するための希釈用溶剤として、キシレン、石油ナフ
サ等を用いることができる。本発明の粘着フィルム又は
シート用の表面フィルム又はシートの成形は、フィルム
やシートの製造のための常法に従って行うことができ、
例えばカレンダー法、押出法、キャスティング法等を用
いることができる。シート又はフィルムの厚さは通常2
0μm〜500μm、そして好ましくは50μm〜10
0μmである。
【0014】本発明で使用する粘着フィルム及びシート
の粘着剤としては、特にその材質に制限がなく、アクリ
ル樹脂系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を用いることが
できる。屋外使用時における耐候性の点からアクリル樹
脂系粘着剤を主成分とする粘着剤を用いることが望まし
い。また、上記アクリル樹脂系粘着剤と組み合わせて、
エステルガム、ロジン系樹脂、クマロン樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリテルペン樹脂等の粘着付与剤を併用するこ
ともできる。
【0015】
【実施例】以下に実施例・比較例をあげて本発明を具体
的に説明する。実施例1. ・ペースト用塩化ビニル樹脂 100重量部 (住友化学社製 スミリット PX−N) ・ネオペンチルグリコール系ポリエステル可塑剤 25 (三菱化成ビニール製 ダイヤサイザー D−653) ・エポキシ系可塑剤 5 (旭電化工業製 アデカサイザー O−130P) ・錫系熱安定剤(旭電化工業製 アデカスタブ 1292) 0.5 ・バリウム−亜鉛系金属石鹸(旭電化工業製 AC−141) 5 ・紫外線吸収剤(チバガイギー製 チヌビン P) 3 ・希釈用溶剤(キシレン) 50 上記各成分をラボミキサーで15分間十分攪拌しキャス
ティング法により50μの透明フィルムを得た。アクリ
ル系粘着剤(RM−87261住友スリーエム製)を剥
離紙上に塗布し、上記フィルムとラミネートし、粘着フ
ィルムを得た。このフィルムをアルミ板に貼り付け右半
分に、ユシロ化学製ガードワックスを塗布し、QUV試
験機(Qパネル製)にて3000時間の促進耐候性試験
を実施した後外観変化を観察した。
【0016】また、アルミ板に貼り付け後室温(21±
2℃)と80±2℃で240時間放置した後接着力を測
定し(JISZ−0237の方法により)、下記式を用
いて接着力保持率を計算した。
【0017】
【数1】
【0018】この値は100%以上であることが必要で
ある。更に、フィルムの外観およびハンドリング性を検
討した。フィルムの外観は初期フィルムの表面状態をお
もに目視および手触りで判断し、ハンドリング性は、初
期フィルムを180°に折り曲げて、フィルムにひびが
はいるかいなかで判断した。
【0019】表4に結果を示すが、耐候性、フィルム外
観およびハンドリング性の判断基準は、以下のとおりで
ある。耐候性 〇 異常なし △ 微黄変、一部ブラウンスポット発生、チョーキン
グ発生 × 黄変、全部ブラウンスポット発生、チョーキング
発生 ×× 褐色変、全部ブラウンスポット発生、チョーキン
グ発生外 観 〇 フィルム表面ベタツキなし、ごみ等の付着なし △ フィルム表面にベタツキが少々あり、若干のごみ等
の付着あり × フィルム表面にベタツキがあり、多量のごみ等の付
着ありハンドリング性 〇 ひびの発生なし △ 若干のひび発生 × ひび発生実施例2〜8. 各成分の仕込み組成を表1に示すように
変えた以外は実施例1と同様にして、粘着フィルムを作
成した。
【0020】表4に実施例1と同様にして測定した結果
をまとめて示す。比較例1〜15. 各成分の仕込み組成を表2〜3に示す
ように変えた以外は実施例1と同様にして粘着フィルム
を作成した。表4に実施例1と同様にして測定した結果
をまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27:06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面フィルム又はシートと該フィルム又
    はシートの一面に塗布された粘着剤層とから成る粘着フ
    ィルム又はシートにおいて、該表面フィルム又はシート
    が、 (1)塩化ビニル樹脂 100重量部 (2)数平均分子量が1500〜4000のネ オペンチルグリコール系ポリエステル可 塑剤 10〜60重量部 (3)数平均分子量が360以上のエポキシ系 可塑剤 2.0〜10.0重量部 (4)錫系安定剤 0.2〜1.0重量部 (5)バリウム−亜鉛系安定剤 2.0〜8.0重量部 (6)紫外線吸収剤 3.0〜15重量部 を含んで成ることを特徴とする粘着フィルム又はシー
    ト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3617172A1 (de) * 1985-05-23 1986-11-27 Honda Giken Kogyo K.K., Shibuya, Tokio/Tokyo Filtermedium
KR20030002350A (ko) * 2001-06-28 2003-01-09 삼진프라스틱공업 주식회사 식품 포장용 피이,브이,씨이 필름의 제조방법과 이에 의해제조 한 식품 포장용 피이,브이,씨이 필름
JP2016037542A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 アキレス株式会社 印刷物保護フィルム用基材
JP2020097665A (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3617172A1 (de) * 1985-05-23 1986-11-27 Honda Giken Kogyo K.K., Shibuya, Tokio/Tokyo Filtermedium
KR20030002350A (ko) * 2001-06-28 2003-01-09 삼진프라스틱공업 주식회사 식품 포장용 피이,브이,씨이 필름의 제조방법과 이에 의해제조 한 식품 포장용 피이,브이,씨이 필름
JP2016037542A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 アキレス株式会社 印刷物保護フィルム用基材
JP2020097665A (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体

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