JPH0687996A - 自己粘着性塩化ビニル系樹脂シート - Google Patents

自己粘着性塩化ビニル系樹脂シート

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JPH0687996A
JPH0687996A JP4264355A JP26435592A JPH0687996A JP H0687996 A JPH0687996 A JP H0687996A JP 4264355 A JP4264355 A JP 4264355A JP 26435592 A JP26435592 A JP 26435592A JP H0687996 A JPH0687996 A JP H0687996A
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phthalate
chloride resin
phosphate
resin sheet
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明アンカー層を形成しなくても水性やアル
コール性の印刷インクののりがよく、印刷層と自己粘着
性塩化ビニル系樹脂シートとの接着性がよく、また透明
アンカー層を形成した自己粘着性塩化ビニル系樹脂シー
トのように、透明アンカー層の割れによる印刷インクの
滲みや、印刷面の割れ等の問題のない自己粘着性塩化ビ
ニル系樹脂シートを提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、可
塑剤40〜90重量部を含有する塩化ビニル系樹脂シー
トであって、該塩化ビニル系樹脂シートの表面張力が3
5dyn/cm以上である自己粘着性塩化ビニル系樹脂シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板、金属板、光
沢面を有するプラスチック板などの平滑な表面に対して
シートの自己粘着力により貼り付けることができ、接着
剤や粘着剤を使用しない自己粘着性塩化ビニル系樹脂シ
ートに関し、特に水性インクやアルコール性インクなど
の印刷適性に優れる自己粘着性塩化ビニル系樹脂シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より使用されている自己粘着性塩化
ビニル系樹脂シートとしてはDOP、DBP、C7,C9,C
11混合フタル酸エステル等の可塑剤を単独または併用し
て塩化ビニル系樹脂に多量に配合し、カレンダー法又は
押出法でシート化したものを利用している。しかしなが
ら、この種の自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートは、該
シート表面に水性インクやアルコール性インクを印刷し
て自己粘着性ラベルとする場合、印刷インキののりが悪
く、印刷の鮮明さに欠け、印刷層と自己粘着性塩化ビニ
ル系樹脂シートとの接着性が劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の自己
粘着性塩化ビニル系樹脂シートの問題点を改善するため
に、上記の自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートの印刷を
施す面に、紫外線キュアータイプの透明アンカー層を形
成したものが開発されたが、印刷適性は良くなるもの
の、アンカー層が硬く、割れが生じることがあり、印刷
インクが滲んだり、印刷面が割れてしまうなどの問題が
新たに生じた。加えて、アンカー層が硬いため、塩化ビ
ニル系樹脂シートが収縮しても表面のアンカー層が収縮
しないため、塩化ビニル系樹脂全体がアンカー層を形成
していない側に湾曲してしまう等の問題が生じた。
【0004】本発明は、これら従来の自己粘着性塩化ビ
ニル系樹脂シートの欠点を改善し、透明アンカー層を形
成しなくても水性やアルコール性の印刷インクののりが
よく、印刷層と自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートとの
接着性がよく、また透明アンカー層を形成した自己粘着
性塩化ビニル系樹脂シートのように、透明アンカー層の
割れによる印刷インクの滲みや、印刷面の割れ等の問題
のない自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートを提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して、可塑剤40〜9
0重量部を含有させ、表面張力が35dyn/cm以上とした
自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートに関するものであ
る。更に好ましくは、表面張力が37dyn/cm以上の自己
粘着性塩化ビニル系樹脂シートに関する。また、前記可
塑剤がブチルベンジルフタレート、ビス−2−メトキシ
エチルフタレート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、クレジルジキシレニルホ
スフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ポ
リプロピレングリコールポリアジペート、ポリブチレン
グリコールポリアジペートの群から選ばれる1種以上で
ある自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートに関するもので
ある。また、前記可塑剤がブチルベンジルフタレート、
ビス−2−メトキシエチルフタレート、トリキシレニル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレ
ジルジキシレニルホスフェート、トリスジクロロプロピ
ルホスフェート、ポリプロピレングリコールポリアジペ
ート、ポリブチレングリコールポリアジペートの群から
選ばれる1種以上と一般的可塑剤の1種以上との併用で
ある自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートに関するもので
ある。
【0006】本発明で使用する塩化ビニル系樹脂として
は、塩化ビニルの単独重合体や塩化ビニルと他のモノマ
ーとの共重合体のほか、塩化ビニル樹脂と他の樹脂との
ブレンド物も使用できる。塩化ビニルと共重合させるモ
ノマーとしては、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、
マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エステル、アクリル酸エステル、高級ビニルエーテル
などが挙げられる。塩化ビニル樹脂にブレンドする他の
樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン樹
脂、塩素化ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂などが挙げられる。上記のモノマーあるいは共重
合体は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、10重
量部以下であることが望ましい。
【0007】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は650〜
2500のものが使用でき、好ましくは700〜200
0であり、更に好ましくは800〜1500である。ま
た、ASTM D−1243号に準拠する固有粘度は、
0.6〜1.2のものが使用できる。塩化ビニル系樹脂を2
種以上ブレンドして使用する場合には、ブレンドしたも
のの平均重合度および固有粘度が上記範囲であることが
好ましい。
【0008】本発明で使用する可塑剤としては、ブチル
ベンジルフタレート(BBP)、ビス−2−メトキシエ
チルフタレート(BMEP)、トリキシレニルホスフェ
ート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(C
DPP)、クレジルジキシレニルホスフェート(CDX
P)、トリスジクロロプロピルホスフェート(CDP
P)、ポリプロピレングリコールポリアジペート(PP
GPA)、ポリブチレングリコールポリアジペート(P
BGPA)等の1種以上を単独で、もしくは併用して使
用できる。上記可塑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して40〜90重量部、好ましくは45
〜73重量部、更に好ましくは49〜61重量部であ
る。
【0009】上記の可塑剤は一般的な可塑剤と併用して
使用することができるが、一般的な可塑剤と併用して使
用する場合は、一般的可塑剤の配合割合は得られる自己
粘着性塩化ビニル系樹脂シートの表面張力が35dyn/cm未
満にならない量でなければならない。好ましくは、一般
的可塑剤の配合割合は全可塑剤量の50重量%以下であ
る。併用できる一般的可塑剤としては、例えば、ジ−n
−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、
ジイソブチルフタレート、ジドデシルフタレート、ジベ
ンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジノ
ニルフタレート、オクチルカプリルフタレート、トリブ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクロ
ルエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ト
リス(イソプロピルフェニル) ホスフェート、ジブチル
セバケート、ジオクチルセバケート、トリアセチルグリ
セリン、グリセロールセバケート、ジイソデシルサクシ
ネート、ジイソデシルアジペート、ジ−n−ブチルマレ
エート、トリ−n−ブチルシトレート、メチルアセチル
リシノレート、ブチルオレエート、グリセリンモノリシ
ノレート、トリメリット酸エステル系可塑剤、塩素化パ
ラフィンなどの一般的可塑剤が使用できる。
【0010】本発明においては、上記の可塑剤以外に一
般に塩化ビニル系樹脂に使用される各種の添加剤、例え
ば、安定剤、非イオン系界面活性剤、紫外線吸収剤、抗
酸化剤、光安定剤などを添加することもできる。
【0011】安定剤としては、金属石鹸、エポキシ化合
物、有機ホスファイト系安定剤等の通常使用される安定
剤が使用でき、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸カドミウム、リシノール酸バリウム、オレイン
酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オクトイン酸亜
鉛等が挙げられ、エポキシ化合物としては、エポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリ
ン酸、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、エポキシ
ステアリン酸ステアリル、トリス(エポキシプロピル)
イソシアヌレート、3-(2- キセノキシ)-1,2- エポキ
シプロパン、エポキシビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、2,2-
ビス(4-ヒドロキシフェニル) プロパンとエピクロルヒ
ドリンの重縮合物が挙げられ、有機ホスファイト系安定
剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル) ホスファ
イト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニ
ルホスファイト等が挙げられる。またジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫マレエート、有機錫メルカプチド、
有機錫スルホンアミド等の錫系安定剤なども用いること
ができる。これらの安定剤は単独でまたは2種以上を併
用して使用でき、特にバリウム−亜鉛系、カルシウム−
亜鉛系、バリウム−カドミウム系等の複合安定剤とエポ
キシ化合物を使用するのが好ましい。安定剤の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1から1
0重量部、好ましくは1〜7重量部、更に好ましくは2
〜5重量部程度である。
【0012】非イオン系界面活性剤としてはソルビタン
脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ジ
グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪
酸・二塩基酸エステル等の多価アルコールと脂肪酸との
エステル、多価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸とのエ
ステル、或いはこれらにエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキ
サイドが付加された化合物等が挙げられ、具体的には、
ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソ
ルビタンステアレート・エチレンオキサイド2モル付加
物、ソルビタンステアレート・プロピレンオキサイド3
モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトール
ステアレート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ジ
グリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、
グリセリンステアレート、グリセリンパルミテート・エ
チレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレー
トアジペート・エチレンオキサイド3モル付加物、ソル
ビトールステアレートアジペート・エチレンオキサイド
2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバケート・
プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビトールパル
ミテートアジペートエチレンオキサイド3モル付加物等
が挙げられる。これらの非イオン系界面活性剤は単独ま
たは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
【0013】紫外線吸収剤としては、ハイドロキノンジ
サリチレート等のハイドロキノン系紫外線吸収剤、フェ
ニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレート
等のサリチリ酸系紫外線吸収剤、2,2’−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベ
ンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0014】抗酸化剤としては、フェノール系、チオジ
プロピオン酸エステル系、脂肪族サルファイト系等の抗
酸化剤を1種又は2種以上を用いることができる。
【0015】光安定剤としては、4-(フェニルアセトキ
シ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、トリス-(2,2,6,
6,−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,
6-トリカルボキシレート等のような下記の一般式で示さ
れるヒンダードアミン等の一般に使用されている光安定
剤を1種又は2種以上を用いることができる。一般式 (式中、Rは1〜4価のカルボン酸から誘導されるモノ
〜テトラアルシル基、R1 〜R4は炭素数1〜4のアル
キル基、nは1〜4の整数を示す。)
【0016】本発明の自己粘着性塩化ビニル系樹脂シー
トは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、可塑剤
40〜90重量部および必要に応じ他の添加剤を適当量
配合した配合物をヘンシェルミキサー、バンバリーミキ
サーなどによって混合し、カレンダー法あるいは押出法
により厚み0.05〜0.5mm、好ましくは0.075
〜0.25mm、更に好ましくは0.1〜0.2mmのシー
トに分出しすることにより得られる。
【0017】上記のようにして形成された自己粘着性塩
化ビニル系樹脂シートは、一方の面に印刷を施し、非印
刷面には剥離性を有する離型シートを貼着してラベルや
広告シートとするものである。
【0018】自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートへの印
刷は、通常塩化ビニル系樹脂シートの印刷に使用されて
いる油性インク、水性インク、アルコール性インクなど
の印刷インクが使用できるが、環境汚染、作業者の健康
などの点から水性またはアルコール性のインクが好まし
く、特に水性インクが好ましい。印刷方法も通常使用さ
れている印刷方法が使用でき、フレキソ印刷法、オフセ
ット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などが
使用できる。
【0019】自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートの非印
刷面に貼着する離型シートとしては、自己粘着性塩化ビ
ニル系樹脂シートをガラス板等に貼着させるときに、容
易に剥離できるものであれば、いづれのものでも使用で
き、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム、シリコン処理もしくは
テフロン処理した離型紙などが挙げられる。
【0020】
【実施例】以下に具体的な実施例を掲げさらに詳細に本
発明を説明する。 実施例1 下記に示す組成の配合物をヘンシェルミキサーで7分間
攪拌混合し、引続きバンバリーミキサーで4分間混練す
る。次に140℃〜170℃に加熱された第1混練ロー
ルで混練し、次いで90℃〜160℃に加熱されたスト
レーナーを通してスクリーニングし、スクリーニングさ
れた混練物は140℃〜170℃に加熱された第2混練
ロールで混練され、この混練物を160℃〜190℃に
加熱されたカレンダーに投入し圧延して厚み0.2mmの
自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを形成し、印刷インク
として塩化ビニル系樹脂のエマルジョンインクを使用
し、フレキソ印刷を行い、印刷適正を評価した。 塩化ビニル樹脂(平均重合度950) 100重量部 Ba−Zn系複合安定剤 2重量部 エポキシ化大豆油 2重量部 ブチルベンジルフタレート 55重量部 顔料 0.07重量部 《評価基準》 ◎……インクの乗りが極めてよい。 △……インクの乗りにムラがある。 ×……インクの乗りが極めて悪い。 また、得られたシートの表面張力をASTM D−25
78−84に準じた標準試薬により、製造直後、および
室温(約24℃)、湿度50%以上の条件下で2週間保
管した後に測定した。結果は表1に示す。
【0021】実施例2 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてビ
ス−2−メトキシエチルフタレートを使用する以外は実
施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを
得た。このシートについて実施例1と同様の測定を行っ
た。結果は表1に示す。
【0022】実施例3 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてブ
チルベンジルフタレート30重量部とジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(DOP)25重量部との混合可塑剤
を使用する以外は実施例1と同様にして自己粘着性塩化
ビニル樹脂シートを得た。このシートについて実施例1
と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
【0023】実施例4 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてト
リキシレニルホスフェートを使用する以外は実施例1と
同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得た。こ
のシートについて実施例1と同様の測定を行った。結果
は表1に示す。
【0024】実施例5 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてク
レジルジフェニルホスフェートを使用する以外は実施例
1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得
た。このシートについて実施例1と同様の測定を行っ
た。結果は表1に示す。
【0025】実施例6 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてポ
リプロピレングリコールポリアジペートを使用する以外
は実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シー
トを得た。このシートについて実施例1と同様の測定を
行った。結果は表1に示す。
【0026】実施例7 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてポ
リブチレングリコールポリアジペートを使用する以外は
実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シート
を得た。このシートについて実施例1と同様の測定を行
った。結果は表1に示す。
【0027】実施例8 実施例1の配合中Ba−Zn系複合安定剤に代えてCa
−Zn系複合安定剤を使用する以外は実施例1と同様に
して自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得た。このシー
トについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1
に示す。
【0028】実施例9 実施例1の配合中Ba−Zn系複合安定剤に代えてBa
−Cd系複合安定剤を使用する以外は実施例1と同様に
して自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得た。このシー
トについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1
に示す。
【0029】実施例10 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてブ
チルベンジルフタレート30重量部とビス−2−メトキ
シエチルフタレート25重量部との混合可塑剤を使用す
る以外は実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹
脂シートを得た。このシートについて実施例1と同様の
測定を行った。結果は表1に示す。
【0030】実施例11 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてブ
チルベンジルフタレート30重量部とトリキシレニルホ
スフェート25重量部との混合可塑剤を使用する以外は
実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シート
を得た。このシートについて実施例1と同様の測定を行
った。結果は表1に示す。
【0031】実施例12 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてブ
チルベンジルフタレート30重量部とポリプロピレング
リコールポリアジペート25重量部との混合可塑剤を使
用する以外は実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニ
ル樹脂シートを得た。このシートについて実施例1と同
様の測定を行った。結果は表1に示す。
【0032】実施例13 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてブ
チルベンジルフタレート20重量部とトリキシレニルホ
スフェート20重量部、ポリプロピレングリコールポリ
アジペート15重量部との混合可塑剤を使用する以外は
実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シート
を得た。このシートについて実施例1と同様の測定を行
った。結果は表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてジ
−2−エチルヘキシルフタレートを使用する以外は実施
例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得
た。このシートについて実施例1と同様の測定を行っ
た。結果は表1に示す。
【0034】比較例2 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてジ
ブチルフタレートを使用する以外は実施例1と同様にし
て自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを得た。このシート
について実施例1と同様の測定を行った。結果は表1に
示す。
【0035】比較例3 実施例1の配合中ブチルベンジルフタレートに代えてジ
−2−エチルヘキシルフタレート41重量部とブチルベ
ンジルフタレート14重量部とからなる複合可塑剤を使
用する以外は実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニ
ル樹脂シートを得た。このシートについて実施例1と同
様の測定を行った。結果は表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1で得られたフィルム2枚を自己粘
着させたものから、21cm×23cmの小片を得た。得ら
れた小片を、室温(24℃)、湿度50%の条件下で2
4時間保管した後、小片の2枚のフィルムを剥がす時の
張力を、張力試験機で測定した。その結果を表2に示
す。
【0038】実施例3、9、および比較例1で得られた
フィルムについても実施例1のフィルムと同様にフィル
ムを剥がす時の張力を、張力試験機で測定した。その結
果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表1からも明らかなように、室温時にお
ける表面張力が35dyn/cm以上を示す本発明の自己粘着
性塩化ビニル系樹脂シートは印刷適正が良好で、水性イ
ンクやアルコール性インクを使用して印刷した場合にお
いても印刷インクののりが良く、印刷が鮮明にできるも
のであることがわかる。一方、室温時における表面張力
が35dyn/cmに満たない比較例の自己粘着性塩化ビニル
系樹脂シートは、印刷適正が悪く、印刷が鮮明にできな
いものであった。
【0041】上記したように、本発明の自己粘着性塩化
ビニル系樹脂シートは、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、可塑剤40〜90重量部を配合してなる表面
張力35dyn/cm以上のものであるから、環境汚染のおそ
れのない水性インクやアルコール性インクを使用しても
印刷インクののりがよく、印刷が鮮明にでき、商品価値
の高い自己粘着性ラベルが、作業環境や作業者の健康を
害することなく製造できるという効果を奏するものであ
る。
【0042】また、表2からも明らかなように、特定の
可塑剤を使用した本発明の自己粘着性塩化ビニル樹脂シ
ートでは、比較例1のような、ジ−2−エチルヘキシル
フタレートを可塑剤として使用した場合に比べて、良好
な自己粘着性を示す。更に実施例3のフィルムからも明
らかなように、特定の可塑剤を通常使用される可塑剤と
混合して使用しても、通常使用される可塑剤のみを使用
した場合よりも良好な自己粘着性を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、可塑剤40〜90重量部を含有する塩化ビニル系樹
    脂シートであって、該塩化ビニル系樹脂シートの表面張
    力が35dyn/cm以上である自己粘着性塩化ビニル系樹脂
    シート。
  2. 【請求項2】 可塑剤が、ブチルベンジルフタレート、
    ビス−2−メトキシエチルフタレート、トリキシレニル
    ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレ
    ジルジキシレニルホスフェート、トリスジクロロプロピ
    ルホスフェート、ポリプロピレングリコールポリアジペ
    ート、ポリブチレングリコールポリアジペートの群から
    選ばれる1種以上である請求項1記載の自己粘着性塩化
    ビニル系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 可塑剤が、ブチルベンジルフタレート、
    ビス−2−メトキシエチルフタレート、トリキシレニル
    ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレ
    ジルジキシレニルホスフェート、トリスジクロロプロピ
    ルホスフェート、ポリプロピレングリコールポリアジペ
    ート、ポリブチレングリコールポリアジペートの群から
    選ばれる1種以上と一般的可塑剤の1種以上との併用で
    ある請求項1記載の自己粘着性塩化ビニル系樹脂シー
    ト。
  4. 【請求項4】 一般的可塑剤が、ジ−n−オクチルフタ
    レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジブチル
    フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソブチルフ
    タレート、ジドデシルフタレート、ジベンジルフタレー
    ト、ジシクロヘキシルフタレート、ジノニルフタレー
    ト、オクチルカプリルフタレート、トリブチルホスフェ
    ート、トリエチルホスフェート、トリクロロエチルホス
    フェート、トリオクチルホスフェート、トリス(イソプ
    ロピルフェニル) ホスフェート、ジブチルセバケート、
    ジオクチルセバケート、トリアセチルグリセリン、グリ
    セロールセバケート、ジイソデシルサクシネート、ジイ
    ソデシルアジペート、ジ−n−ブチルマレエート、トリ
    −n−ブチルシトレート、メチルアセチルリシノレー
    ト、ブチルオレエート、グリセリンモノリシノレート、
    トリメリット酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィンの
    群から選ばれる1種以上である請求項3記載の自己粘着
    性塩化ビニル系樹脂シート。
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