JPH09309186A - 防湿性を有する塩化ビニルシート - Google Patents

防湿性を有する塩化ビニルシート

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JPH09309186A
JPH09309186A JP12725196A JP12725196A JPH09309186A JP H09309186 A JPH09309186 A JP H09309186A JP 12725196 A JP12725196 A JP 12725196A JP 12725196 A JP12725196 A JP 12725196A JP H09309186 A JPH09309186 A JP H09309186A
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JP
Japan
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vinyl chloride
moisture
parts
weight
chloride resin
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JP12725196A
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English (en)
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Shigeru Maeda
繁 前田
Hiroshi Sugano
宏 菅野
Masao Kimata
正雄 木俣
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート加工時の耐熱持続性に優れ、初期着色
の悪化がなく、且つ防湿性を有する塩化ビニル樹脂シー
トを提供する。 【解決手段】 塩化ビニル樹脂組成物の配合処方によ
り、耐熱持続性に優れ、初期着色しにくい塩化ビニル樹
脂層を形成させ、さらに塩化ビニリデン樹脂層を積層さ
せることにより防湿性を付与させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】塩化ビニル樹脂は、様々な樹
脂の中でも物性バランス、コストパフォーマンスに優
れ、特にその優れた成形加工性から食品、医薬品包装を
はじめとする幅広い分野で使用されており、本発明は食
品、医薬品等の包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂のような含ハロゲン樹脂
は、加熱成形加工を行う際に、主として脱ハロゲン化水
素に起因する熱分解による物性の劣化、色調の悪化を生
じ、著しい不利益を招く。かかる不利益を避けるため、
1種または数種の熱安定剤をシート加工時に添加し、加
工工程での劣化を抑制する必要がある。このような目的
で、鉛、カドミウム、バリウム、亜鉛等の金属化合物の
組み合わせに、有機亜リン酸エステル、フェノール系化
合物、エポキシ系化合物を添加した熱安定剤が構成さ
れ、使用されてきた。しかし、カドミウム、鉛、バリウ
ム等の金属は毒性が強く、使用時あるいは廃棄処理時等
で問題となりやすいため、カドミウム、鉛、バリウム系
の金属化合物安定剤を使用しないカルシウム−亜鉛系の
金属化合物の組み合わせに、有機亜リン酸エステル、フ
ェノール系化合物、エポキシ系化合物を添加した熱安定
剤が構成され、使用されてきている。しかしながら脱ハ
ロゲン化水素に起因する熱分解、これに伴う耐熱持続
性、および初期着色(加工時の熱履歴において初期にお
いて色がつく現象)防止性がカドミウム、鉛、バリウム
系の金属化合物安定剤を含有した安定剤に比較して劣る
という欠点がある。
【0003】これらの欠点を解決するために、カルシウ
ム−亜鉛系の金属化合物安定剤に、下記一般式で表され
るβ−ジケトン化合物が熱安定剤、特に初期着色防止剤
として使用され、効果を上げている(特開昭52−47
948号)。 R−CO−CHX−CO−R (式中、Xは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基
を、Rはアルキル基またはアリール基を示す。) しかし、近年のカレンダー設備の大型化、高速化により
カルシウム−亜鉛系の金属化合物安定剤やその他有機亜
リン酸エステル、エポキシ系化合物ジケトン化合物の安
定化助剤の組み合わせのみでは熱安定性が不足し、さら
なる耐熱持続性、及び初期着色防止性が求められてい
る。
【0004】カルシウム化合物は、熱分解しないという
効果を有することから用いられ、亜鉛化合物は初期着色
しにくいという効果を有することから用いられている。
しかし、カルシウム化合物は初期着色しやすいという課
題があり、初期着色防止のため亜鉛化合物を併用しなけ
ればならないが、亜鉛化合物が含有されるとシート加工
時にジンク・バーニング(亜鉛焼け)と称される急激な
熱分解を起こし、短時間の内に分解・黒変し耐熱持続性
が悪くなる課題があった。このジンク・バーニングの課
題はマンニトール、ソルビトール、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールやハイ
ドロタルサイト、ゼオライト、酸化物(カルシウム、マ
グネシウム)、水酸化物(カルシウム、マグネシウム)
等の無機塩で代表される補助安定剤を添加することによ
り解決される。しかし、多価アルコール物質は安定化時
間が比較的短く、また初期着色防止のため添加する亜鉛
化合物をその構造内に取り込み、初期着色が悪くなる傾
向がある。
【0005】特定結晶構造を有するハイドロタルサイト
化合物は、含ハロゲン化樹脂の安定剤として使用され
る。ハイドロタルサイト化合物は、塩化ビニル樹脂の熱
分解により生じた塩化水素を捕捉安定化させて中和する
作用があり、カルシウム−亜鉛系安定剤と併用され効果
を上げている。塩化ビニル樹脂シートはカレンダー圧延
加工により作製されるが、添加される滑剤は主にステア
リン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸化合物が使用され
る。しかし、カルボン酸基を持った酸系の滑剤ではハイ
ドロタルサイト化合物とカルボン酸が反応し、生じたマ
グネシウム石鹸化合物が赤く着色したり、塩酸の捕捉効
果が無くなり初期着色が悪くなるという欠点があった。
また一方、近年の包装、特に医薬品、食品包装において
は敏感な内容物が多くなり、特に医薬品などでは、湿気
により薬剤の性能が劣化することもあり、防湿性が強く
求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防湿性があ
り、シート加工時の耐熱持続性に優れ、初期着色の悪化
が無い塩化ビニルシートを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル樹
脂層(A)が、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、カ
ルシウムの化合物0.01〜2重量部、亜鉛の化合物
0.01〜2重量部、〔MgW・AlX・(OH)Y・(CO
3)Z〕mH2O(但し、W、X、Y、Zは2W+3X=Y
+2Zを満たす正の数で、Wは2≦W≦6の範囲にあ
り、mは正の数で2≦m≦4の範囲にある。)で示され
るハイドロタルサイト化合物0.01〜5重量部を添加
した組成物からなり、当該樹脂層(A)の少なくとも片
面に防湿層(B)を有する塩化ビニルシートであり、ま
たは、塩化ビニル樹脂層(A)が、塩化ビニル樹脂10
0重量部に対し、エポキシ化植物油0.1〜5重量部、
カルシウムの化合物0.01〜2重量部、亜鉛の化合物
0.01〜2重量部、〔MgW・AlX・(OH)Y・(CO
3)Z〕mH2O(但し、W、X、Y、Zは2W+3X=Y
+2Zを満たす正の数で、Wは2≦W≦6の範囲にあ
り、mは正の数で2≦m≦4の範囲にある。)で示され
るハイドロタルサイト化合物0.01〜5重量部、エス
テル系化合物0.01〜2重量部、β−ジケトン化合物
0.01〜1重量部を添加した組成物からなり、当該樹
脂層(A)の少なくとも片面に防湿層(B)を有する塩
化ビニルシートであり、更に該エステル系化合物が1〜
3価のグリセリンと高級脂肪酸との化合物よりなり、塩
化ビニル樹脂層(A)の塩化ビニル樹脂の平均重合度が
500〜1000であり、塩化ビニル樹脂層(A)が、
JISK6734の柔軟温度試験による柔軟温度が50
〜80℃であり、塩化ビニル樹脂層(A)の厚みが0.
02〜1mmであり、該防湿層(B)がポリクロロトリ
フルオロエチレン層、ポリプロピレン、ポリエチレン、
フッ化ビニリデン樹脂よりなり、該防湿層(B)の厚み
が1〜500μmである防湿性を有する塩化ビニルシー
トである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の塩化ビニル樹脂層(A)
に用いられる塩化ビニル樹脂は、平均重合度500〜1
000のものが使用され、平均重合度500未満である
と溶融粘度が低くなり、シートのこしが低下し、カレン
ダー等のシート加工性が悪くなり、平均重合度が100
0を超えると、溶融粘度が高くなり、シート加工時に高
い温度が必要となり、シート作製に支障をきたす。
【0009】塩化ビニル樹脂層(A)に用いられるカル
シウム化合物としては、炭酸塩、ケイ酸塩、オルソリン
酸塩、ヘプタン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、ステア
リン酸塩等のC8〜C22までの高級脂肪酸塩、1、2ヒ
ドロキシステアリン酸塩、乳酸塩、クエン酸、グルコン
酸塩、ソルビン酸塩、ロジン酸塩、アセト酢酸エチル
塩、安息香酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、ナ
フテン酸塩、水酸化物等が挙げられる。カルシウム化合
物の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
0.01〜2重量部が適当で、好ましくは0.05〜1
重量部が適当である。0.01重量部より少ないと、ジ
ンクバーニングが起こり熱安定性が悪くなり、2重量部
より多いと初期着色が悪くなる。
【0010】塩化ビニル樹脂層(A)に用いられる亜鉛
の有機化合物としては、炭酸塩、オルソリン酸塩、ヘプ
タン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、ステアリン酸塩等
のC8〜C22までの高級脂肪酸塩、ロジン酸塩、ジブチ
ルジチオカルバミン酸塩、サリチル酸塩、イソデカン
酸、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩等が挙げられる。亜
鉛化合物の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、0.01〜2重量部が適当で、好ましくは0.05
〜1重量部である。添加量が0.01重量部より少ない
と初期着色が悪くなり、2重量部より多いと、急激にジ
ンクバーニングが起こり熱安定性が悪くなる。
【0011】塩化ビニル樹脂層(A)に用いられるハイ
ドロタルサイト化合物は、一般式〔〔MgW・AlX・(O
H)Y・(CO3Z〕mH2O ただしW、X、Y、Zは
2W+3X=Y+2Zを満たす正の数、2≦W≦6、m
は正の数で2≦m≦4〕で表されるが、一般的には式
〔Mg6・Al2・(OH)16・(CO3)〕2H2Oで表され
るマグネシウムハイドロタルサイト化合物が使われる。
該ハイドロタルサイト化合物は、天然物でも合成物であ
っても良い。合成方法としては、例えば特公昭46−2
280号、同50−3039号、同51−29129号
における公知の方法を例示することができる。また本発
明におけるハイドロタルサイト類は粒子径に制限なく使
用でき、さらにはその表面をステアリン酸等の高級脂肪
酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、またはワ
ックス等で被履しても良い。ハイドロタルサイト化合物
の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.
01〜5重量部であり、好ましくは0.1〜1重量部で
ある。0.01重量部より少ないと効果が認められず、
5重量部よりも多いと性能の向上が小さく、発泡による
外観不良や機械強度の低下等が起きやすい。
【0012】本発明の塩化ビニル樹脂層(A)組成物に
はエポキシ化植物油を添加することができる。エポキシ
化植物油としては、例えば、エポキシ化アマニ油、エポ
キシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラ
ワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシス
テアリン酸オクチル、3−(2−キセノキシ)−1、2
−エポキシプロパン、エポキシ化ポリブタジエン、エポ
キシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−n−オクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ビス(9、10−エポキシステ
アリル)等が挙げられる。エポキシ化植物油の添加量は
塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
が好ましく、0.1重量部よりも少ないと塩化ビニル樹
脂の流動性が悪化し、カレンダー加工性に支障をきたし
やすく、5重量部よりも多いとシートの柔軟温度が低下
し、シートの剛性が低くなりシート加工、成形性に問題
となりやすい。
【0013】塩化ビニル樹脂層(A)組成物には有機ホ
スファイト化合物を添加することもできる。有機ホスフ
ァイト化合物としては、例えば、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、2−tert−ブチル−α(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)p−クメニ
ルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、4’4−
イソプロピリデン−ジフェノールアルキル(C12
15)ホスファイトが挙げられる。
【0014】塩化ビニル樹脂層(A)組成物にはβ−ジ
ケトン化合物を添加することができる。β−ジケトン化
合物の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て、0.01〜1重量部が好ましく、0.01重量部よ
りも少ないと初期着色防止効果がなく、1重量部よりも
多くても増量による効果はない。また塩化ビニル樹脂層
(A)組成物には光安定性を向上させたり、シート加工
後包装材等の使用の際に、内容物の光劣化を防止する目
的で紫外線吸収剤を添加させてもよく、紫外線吸収剤と
しては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、サリシレート系、置換アクリロニトリル系、各種の
金属塩、または金属キレート、特にニッケル、またはク
ロームの塩、またはキレート類、トリアジン系、ピペリ
ジン系等が挙げられる。
【0015】塩化ビニル樹脂層(A)組成物には、塩化
ビニル樹脂分子間に潜り込ませ塩化ビニル樹脂の分子間
力を弱め、加熱温度を下げて流動性を増し、同時に二次
転移温度を下げて塩化ビニル樹脂分子セグメントのミク
ロブラウン運動を可能にし、柔軟な弾性ゲルを得るため
に、通常塩化ビニル樹脂用添加剤として用いられる可塑
剤を添加することができる。可塑剤には、例えば、フタ
ル酸エステル化合物、脂肪族二塩基酸エステル化合物、
リン酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸エス
テル化合物、脂肪酸エステル化合物、多価アルコールエ
ステル化合物、ポリエステル系化合物等が挙げられる。
【0016】本発明の塩化ビニル樹脂層(A)シート
は、例えばカレンダー圧延方法にて作製されるが、添加
される滑剤にはエステル化合物が使用される。エステル
系化合物は、長鎖の脂肪酸とアルコールとのエステル系
結合による化合物である。脂肪酸には、長鎖の飽和、不
飽和のモノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン
酸があり、アルコールとしてはブタノール、オコタノー
ル等の一価アルコールと、エチレングリコール、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価ア
ルコールが有り、多数のエステル系化合物が酸とアルコ
ールとの組み合わせで作製される。使用されるエステル
系化合物はそのカルボン酸基がすべてアルコールと反応
し、エステル結合を形成しなければならない。これはハ
イドロタルサイト化合物とカルボン酸が反応し、生じた
マグネシウム石鹸化合物が赤く着色したり、塩酸の捕捉
効果がなくなり、初期着色が悪くなるためである。この
ため、使用されるエステル系化合物は、グリセリンと脂
肪酸の1〜3価のエステル化合物であることが好まし
く、添加量は塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.
01〜2重量部が好ましい。添加量が0.01重量部よ
りも少ないと、カレンダー等におけるシート加工時に問
題となりやすく、2重量部よりも多いと滑性過多とな
り、良好な外観シートが得られない。エステル系化合物
としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド、ス
テアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸トリグリセラ
イド等のステアリン酸グリセライド滑剤、オレイン酸グ
リセライド滑剤、パルチミン酸グリセライド滑剤等があ
る。また塩化ビニル樹脂層(A)の厚みは、0.02〜
1mmが好ましく、0.02mmよりも薄いとシート加
工が難く、1mmよりも厚いとシート加工後の成形加工
が難く、さらに好ましくは、0.05〜0.6mmであ
る。
【0017】本発明の塩化ビニル樹脂層(A)は、JI
S K6734に示される柔軟温度試験、すなわちクラ
ッシュベルグ柔軟温度測定により柔軟温度が50〜80
℃が好ましく、柔軟温度が高いほど耐熱性、すなわち熱
のかかった時の外観変化が少ないが、80℃より高くな
るとシート加工性や成形加工時に問題となりやすく、5
0℃より低いと耐熱性が悪く、加熱時の外観変化が大き
くなり成形加工時に問題となりやすく、好ましくは55
〜70℃である。また塩化ビニル樹脂層(A)は、求め
るシート加工性、性能に応じて、例えば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、滑剤、架橋剤、顔料、充填材、発泡
剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面
処理剤、加工助剤、離型剤、補強材などを包含させても
良い。
【0018】本発明の防湿層(B)に用いられる樹脂と
しては、防湿性の性質を有する樹脂であれば限定されな
いが、好ましくはポリクロロトリフルオロエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、フッ化ビニリデン樹脂で
あり、特にポリクロロトリフルオロエチレンが好まし
い。ポリクロロトリフルオロエチレン(以下PCTFE
という)は、求める防湿性が得られれば特に限定され
ず、エチレン型不飽和単量体等の共重合体、混合物であ
ってもよい。
【0019】PCTFE層(B)作製の方法も、特に限
定されないが、PCTFE組成物を熱溶融押し出し工法
等によりシート化する方法、あるいは塩化ビニル樹脂層
(A)を基材としてエマルジョン化、あるいは有機溶剤
に溶解させたPCTFE組成物を、塩化ビニル樹脂層
(A)を基材とし、コート、乾燥し、塩化ビニル樹脂層
(A)上に塗膜を形成させてもよい。またPCTFE層
(B)と塩化ビニル樹脂層(A)の積層の方法は、層間
の密着性が得られれば特に限定されず、例えばドライラ
ミネート、押出しラミネート、熱プレス、溶液コート等
の方法が挙げられる。また層間の密着性を向上させるた
め層間にウレタン、イソシアネート、アクリル、ポリエ
ステル、酢酸ビニル系等の接着剤が介在しても良い。P
CTFE層(B)の厚みは、1〜500μmが好まし
く、1μmよりも薄いと、良好なシートが得られず求め
る防湿性が得難く、500μmよりも厚いと成形加工し
難く問題となりやすく、好ましくは1〜250μmであ
る。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 〈実施例1〜7〉平均重合度700の塩化ビニル樹脂1
00重量部に表1に示す各添加剤を配合して155℃の
2本ロール間で3分間混練後、140℃で2分間熱盤プ
レスし、シート状の塩化ビニル樹脂層(A)を得た。得
られた塩化ビニル樹脂層(A)について黒化時間・初期
着色・柔軟温度・カレンダー加工性について評価した。
次に得られた塩化ビニル樹脂層(A)の片面、ないしは
両面に熱溶融押し出し工法により得られた求める厚みの
PCTFE層(B)をラミネートして本発明のシートを
得て、二次加工性・防湿性を評価した。尚、(A)・
(B)層間のアンカーコート剤は、セイコー化成(株)
製ラックスキンUB−520:U−4000=10:1
で配合後、酢酸エチルで5倍希釈したものを用いた。
【0021】〈実施例8〉実施例1と同様にして得られ
た塩化ビニル樹脂層(A)の片面に、ポリプロピレン
(ノーブレン S−131、住友化学工業(株)製)を
用い、熱溶融押出しにより厚み0.2mmのシートを得
て、防湿層(B)とし、塩化ビニル樹脂層(A)に積層
させた。なお積層の密着性向上のため、防湿層(B)を
コロナ放電処理し、接着剤(セイコー化成(株)製 ラ
ックスキンUB−520:U−4000=10:1で配
合後、酢酸エチルで5倍希釈したもの)を塗布、乾燥し
た後塩化ビニル樹脂層(A)を積層させた。 〈実施例9〉実施例1と同様にして得られた塩化ビニル
樹脂層(A)の両面に、ポリプロピレン(スミカセン
L−211、住友化学工業(株)製)を用い、熱溶融押
出しにより厚み0.3mmと0.15mmのシートを得
て、防湿層(B)とし、塩化ビニル樹脂層(A)の両面
に積層させた。なお積層の密着性向上のため、実施例8
と同様なコロナ放電処理を防湿層(B)に施した。 〈実施例10〉実施例1と同様にして得られた塩化ビニ
ル樹脂層(A)の片面に、フッ化ビニリデン樹脂(KF
ポリマー T−1100、呉羽化学工業(株)製)を用
い、熱溶融押出しにより厚み0.1mmのシートを得
て、防湿層(B)とし、塩化ビニル樹脂層(A)に積層
させた。なお積層の密着性向上のため、実施例8と同様
なコロナ放電処理を防湿層(B)に施した。
【0022】〈比較例1〜12〉平均重合度700の塩
化ビニル樹脂100重量部に表2、3に示す各添加剤を
配合して155℃の2本ロール間で3分間混練後、14
0℃で2分間熱盤プレスし、塩化ビニル樹脂層(A)を
得た。得られた塩化ビニル樹脂層(A)について黒化時
間・初期着色・柔軟温度・カレンダー加工性について評
価した。次に得られた塩化ビニル樹脂層(A)の片面、
ないしは両面に熱溶融押し出し工法により得られた求め
る厚みのPCTFE層(B)をラミネートして本発明の
シートを得て、二次加工性・防湿性を評価した。尚、
(A)・(B)層間に実施例1と同様のアンカーコート
剤を用いた。比較例9は塩化ビニリデン樹脂層(B)を
含まない例である。 〈比較例13〉平均重合度300の塩化ビニル樹脂10
0重量部に表2に示す各添加剤を配合して155℃の2
本ロール間で3分間混練後、140℃で2分間熱盤プレ
スを試みたが良好な塩化ビニル樹脂層(A)は得られな
かった。 〈比較例14〉平均重合度1300の塩化ビニル樹脂1
00重量部に表2に示す各添加剤を配合して155℃の
2本ロール間で3分間混練後、140℃で2分間熱盤プ
レスを試みたが、良好な塩化ビニル樹脂層(A)は得ら
れなかった。
【0023】各評価方法は次のとおりである。 (1)黒化時間(耐熱安定性) 得られた塩化ビニル樹脂層(A)を180℃に設定した
ギアー式老化試験機に入れ、10分ごとに試料を取り出
し褐色化、または黒化するまでの時間(分)を測定し
た。 (2)初期着色 得られた塩化ビニル樹脂層(A)を1mm厚に重ね、1
80℃で3分間予熱し、100kg/cm2×2分加圧
して板を作成し、色彩色差計により板の黄色度(b値)
を測定した。 (3)柔軟温度 JIS K6734により測定した。 (4)カレンダー加工性 塩化ビニル樹脂層(A)作製、混練時のカレンダーロー
ルからのシートの剥離性、ブリードやブルームなどのロ
ールの汚れ等を目視で観察した。 ○……問題なし、×……問題有り。 (5)二次加工性 プラグ付熱盤圧空成形機にて成形。成形の形状、成形後
のシートの送りを目視で観察した。 ○……問題なし、×……問題有り。 (6)防湿性 JIS Z0208により測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明に拠ると、シート加
工時の耐熱持続性に優れ、初期着色の悪化がなく、且つ
防湿性を有する塩化ビニル樹脂シートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 KGW C08L 27/06 KGW

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂層(A)が、塩化ビニル
    樹脂100重量部に対し、カルシウムの化合物0.01
    〜2重量部、亜鉛の化合物0.01〜2重量部、一般式
    (I)で示されるハイドロタルサイト化合物0.01〜
    5重量部を添加した組成物からなり、当該樹脂層(A)
    の少なくとも片面に防湿層(B)を有することを特徴と
    する防湿性を有する塩化ビニルシート。 〔MgW・AlX・(OH)Y・(CO3)Z〕mH2O ……(I) 但し、W、X、Y、Zは2W+3X=Y+2Zを満たす
    正の数で、Wは2≦W≦6の範囲にあり、mは正の数で
    2≦m≦4の範囲にある。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル樹脂層(A)が、塩化ビニル
    樹脂100重量部に対し、エポキシ化植物油0.1〜5
    重量部、カルシウムの化合物0.01〜2重量部、亜鉛
    の化合物0.01〜2重量部、一般式(I)で示される
    ハイドロタルサイト化合物0.01〜5重量部、エステ
    ル系化合物0.01〜2重量部、β−ジケトン化合物
    0.01〜1重量部を添加した組成物からなり、当該樹
    脂層(A)の少なくとも片面に防湿層(B)を有するこ
    とを特徴とする防湿性を有する塩化ビニルシート。 〔MgW・AlX・(OH)Y・(CO3)Z〕mH2O ……(I) 但し、W、X、Y、Zは2W+3X=Y+2Zを満たす
    正の数で、Wは2≦W≦6の範囲にあり、mは正の数で
    2≦m≦4の範囲にある。
  3. 【請求項3】 該エステル系化合物が1〜3価のグリセ
    リンと高級脂肪酸との化合物よりなることを特徴とする
    請求項2記載の防湿性を有する塩化ビニルシート。
  4. 【請求項4】 該塩化ビニル樹脂層(A)の塩化ビニル
    樹脂の平均重合度が500〜1000であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の防湿性を有する塩化
    ビニルシート。
  5. 【請求項5】 該塩化ビニル樹脂層(A)が、JIS
    K6734の柔軟温度試験による柔軟温度が50〜80
    ℃であることを特徴とする請求項1、2、3または4記
    載の防湿性を有する塩化ビニルシート。
  6. 【請求項6】 該塩化ビニル樹脂層(A)の厚みが0.
    02〜1mmであることを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5記載の防湿性を有する塩化ビニルシー
    ト。
  7. 【請求項7】 該防湿層(B)がポリクロロトリフルオ
    ロエチレン層、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ化
    ビニリデン樹脂よりなることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6記載の防湿性を有する塩化ビニ
    ルシート。
  8. 【請求項8】 該防湿層(B)の厚みが1〜500μm
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    または7記載の防湿性を有する塩化ビニルシート。
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