JP2020097666A - 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体 - Google Patents

塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減が抑制され得る塩化ビニル樹脂成形体を形成可能な塩化ビニル樹脂組成物を提供する。【解決手段】(a)塩化ビニル樹脂と、(b)可塑剤と、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を含み、(c)エステル化合物の含有量が、(a)塩化ビニル樹脂100質量部当たり15質量部以下である塩化ビニル樹脂組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体に関するものである。
塩化ビニル樹脂は、一般に、耐寒性、耐熱性、耐油性などの特性に優れているため、種々の用途に用いられている。
具体的には、例えば、自動車インスツルメントパネル等の自動車内装部品の形成には、塩化ビニル樹脂成形体からなる表皮や塩化ビニル樹脂成形体からなる表皮に発泡ポリウレタン成形体等の発泡体を裏打ちしてなる積層体などの自動車内装材が用いられている。
そして、表皮として用いられる塩化ビニル樹脂成形体は、例えば、塩化ビニル樹脂と、可塑剤とを含む塩化ビニル樹脂組成物をパウダースラッシュ成形などの既知の成形方法を用いて成形することにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、例えば特許文献1では、所定の平均重合度の塩化ビニル樹脂100質量部に対して、所定の可塑剤を100〜200質量部含む塩化ビニル樹脂組成物を用いて、耐熱老化性に優れる塩化ビニル樹脂成形体を製造することができるとの報告がされている。
国際公開第2014/091867号
ところで、塩化ビニル樹脂成形体と発泡ポリウレタン成形体との積層体では、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤が発泡ポリウレタン積層体側に移行することで塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量が低減し、その結果、塩化ビニル樹脂成形体の柔軟性などの物性が損なわれることがある。
そこで、本発明は、発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減が抑制され得る塩化ビニル樹脂成形体を形成可能な塩化ビニル樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該塩化ビニル樹脂組成物から形成された塩化ビニル樹脂成形体、および、当該塩化ビニル樹脂成形体を有する積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した。そして、本発明者は、可塑剤を含む塩化ビニル樹脂組成物に対し、脂肪族リン酸エステルまたは脂肪族亜リン酸エステルを所定量添加して塩化ビニル樹脂成形体を形成すれば、得られる塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(a)塩化ビニル樹脂と、(b)可塑剤と、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を含み、前記(c)エステル化合物の含有量が、前記(a)塩化ビニル樹脂100質量部当たり15質量部以下であることを特徴とする。このように、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を、(a)塩化ビニル樹脂および(b)可塑剤と所定の割合で併用して塩化ビニル樹脂組成物を調製すれば、得られる塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を抑制することができる。そして、その結果、塩化ビニル樹脂成形体の柔軟性などの物性の低下を防止することができる。
ここで、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、前記(c)エステル化合物の含有量が、前記(b)可塑剤100質量部当たり0.06質量部以上9質量部以下であることが好ましい。(b)可塑剤に対する(c)エステル化合物の含有量が上記下限以上であれば、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減をより抑制することができる。また、(b)可塑剤に対する(c)エステル化合物の含有量が上記上限以下であれば、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体の表面に(c)エステル化合物がブリードすることを抑制することができる。
そして、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、前記(c)エステル化合物が、アルキル基の炭素数が1以上8以下のリン酸トリアルキルエステルを含むことが好ましい。(c)エステル化合物として、アルキル基の炭素数が1以上8以下のリン酸トリアルキルエスエルを使用すれば、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を効果的に抑制することができる。
また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、前記(c)エステル化合物が、アルキル基の炭素数が12以上24以下の亜リン酸トリアルキルエステルを含むことが好ましい。(c)エステル化合物として、アルキル基の炭素数が12以上24以下の亜リン酸トリアルキルエステルを使用すれば、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を更に効果的に抑制することができる。
更に、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、粉体成形に用いられることが好ましい。塩化ビニル樹脂組成物を粉体成形に用いれば、例えば自動車インスツルメントパネル用表皮などの自動車内装材として良好に使用し得る塩化ビニル樹脂成形体が容易に得られるからである。
そして、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、パウダースラッシュ成形に用いられることが好ましい。塩化ビニル樹脂組成物をパウダースラッシュ成形に用いれば、例えば自動車インスツルメントパネル用表皮などの自動車内装材として良好に使用し得る塩化ビニル樹脂成形体が容易に得られるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、上述した塩化ビニル樹脂組成物のいずれかを成形してなることを特徴とする。上記塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル樹脂成形体は、長期に亘って使用した場合であっても、柔軟性などの物性の低下が少ない。
ここで、本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、自動車インスツルメントパネル表皮用であることが好ましい。本発明の塩化ビニル樹脂成形体を自動車インスツルメントパネルの表皮として用いれば、当該表皮が、エアバック展開時に破片が飛散することなく設計通りに割れると共に、予期しない位置で破損し難くなる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の積層体は、発泡ポリウレタン成形体と、上述した塩化ビニル樹脂成形体のいずれかとを有することを特徴とする。発泡ポリウレタン成形体および上述の塩化ビニル樹脂成形体を有する積層体は、例えば自動車インスツルメントパネル等の自動車内装部品の形成に用いられる自動車内装材として良好に使用し得る。
本発明によれば、発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減が抑制され得る塩化ビニル樹脂成形体を形成可能な塩化ビニル樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、当該塩化ビニル樹脂組成物から形成された塩化ビニル樹脂成形体、および当該塩化ビニル樹脂成形体を有する積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂成形体および当該塩化ビニル樹脂成形体を有する積層体を製造する際に用いることができる。ここで、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて製造した塩化ビニル樹脂成形体は、例えば、パウダースラッシュ成形などの粉体成形により製造することができる。そして、当該塩化ビニル樹脂成形体および積層体は、例えば、自動車インスツルメントパネル用の表皮など、自動車内装材の一部として用いることができる。
(塩化ビニル樹脂組成物)
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(a)塩化ビニル樹脂と、(b)可塑剤と、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を含み、(c)エステル化合物の含有量が、(a)塩化ビニル樹脂に対して所定の範囲内であることを特徴とする。また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、上記成分に加え、任意に、添加剤などを更に含有していてもよい。
そして、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、上記所定の成分を所定量含んでいるため、当該塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減が抑制される。そして、その結果、塩化ビニル樹脂成形体の柔軟性などの物性の低下を防止することができる。
<(a)塩化ビニル樹脂>
ここで、塩化ビニル樹脂組成物に用いられる(a)塩化ビニル樹脂としては、例えば、1種類又は2種類以上の塩化ビニル樹脂粒子を含有することができ、任意に、1種類又は2種類以上の塩化ビニル樹脂微粒子を更に含有することができる。中でも、(a)塩化ビニル樹脂は、少なくとも塩化ビニル樹脂粒子を含有することが好ましく、塩化ビニル樹脂粒子および塩化ビニル樹脂微粒子を含有することがより好ましく、1種類の塩化ビニル樹脂粒子および2種類の塩化ビニル樹脂微粒子を併用することが更に好ましい。
なお、本明細書において、「樹脂粒子」とは、粒子径が30μm以上の粒子を指し、「樹脂微粒子」とは、粒子径が30μm未満の粒子を指す。
また、(a)塩化ビニル樹脂は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法など、従来から知られているいずれの製造法によっても製造され得る。
<<組成>>
(a)塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル単量体単位からなる単独重合体の他、塩化ビニル単量体単位を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有する塩化ビニル系共重合体が挙げられる。塩化ビニル系共重合体を構成し得る、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体(共単量体)の具体例としては、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのアリルアミンおよびその誘導体類;などが挙げられる。以上に例示される単量体は、共単量体の一部に過ぎず、共単量体としては、近畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)第75〜104頁に例示されている各種単量体が使用され得る。これらの共単量体は、1種のみを用いても良く、2種以上を用いても良い。なお、上記(a)塩化ビニル樹脂には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、(1)塩化ビニルまたは(2)塩化ビニルと前記共単量体とがグラフト重合された樹脂も含まれる。
ここで、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリ
ルを意味する。
<<塩化ビニル樹脂粒子>>
塩化ビニル樹脂組成物において、塩化ビニル樹脂粒子は、通常、マトリックス樹脂(基材)として機能する。なお、塩化ビニル樹脂粒子は、懸濁重合法により製造することが好ましい。
[平均重合度]
ここで、塩化ビニル樹脂粒子の平均重合度は、800以上であることが好ましく、1600以上であることがより好ましく、2600以上であることが更に好ましく、5000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2900以下であることが更に好ましい。塩化ビニル樹脂粒子の平均重合度が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の物理的強度を十分確保しつつ、低温下における引張伸びをより良好にできるからである。また、塩化ビニル樹脂粒子の平均重合度が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物の溶融性が向上すると共に、当該組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の平滑性を向上させることができるからである。
なお、本発明において「平均重合度」は、JIS K6720−2に準拠して測定することができる。
[平均粒子径]
また、塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、通常30μm以上であり、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、500μm以下が好ましく、250μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物の粉体流動性がより向上するからである。また、塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物の溶融性がより向上すると共に、当該組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の平滑性をより向上させることができるからである。
なお、本発明において、「平均粒子径」は、JIS Z8825に準拠し、レーザー回折法により体積平均粒子径として測定することができる。
[含有割合]
そして、(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂粒子の含有割合は、(a)塩化ビニル樹脂100質量%に対して70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、100質量%とすることができ、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂粒子の含有割合が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の物理的強度を十分確保できる共に、低温下における引張伸びをより向上できるからである。また、(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂粒子の含有割合が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物の粉体流動性が更に向上するからである。
<<塩化ビニル樹脂微粒子>>
塩化ビニル樹脂組成物において、塩化ビニル樹脂微粒子は、通常、ダスティング剤(粉体流動性改良剤)として機能する。なお、塩化ビニル樹脂微粒子は、乳化重合法により製造することが好ましい。
[平均重合度]
ここで、塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度は、(a)塩化ビニル樹脂が含有する塩化ビニル樹脂微粒子全体として500以上であることが好ましく、700以上であることがより好ましく、2500以下であることが好ましく、2300以下であることがより好ましい。そして、例えば、ダスティング剤として異なる平均重合度を有する2種類の塩化ビニル樹脂微粒子を併用する場合は、一方の塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度を500以上1200以下とし;他方の塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度を1600以上2500以下とする:等、適宜選択することができる。ダスティング剤としての塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物の粉体流動性がより良好になると共に、当該組成物を用いて形成される塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びがより向上するからである。また、塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物の溶融性がより向上し、当該組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の表面平滑性がより向上するからである。
ここで、塩化ビニル樹脂組成物の溶融性を更に向上させる観点からは、ダスティング剤としての塩化ビニル樹脂微粒子の平均重合度は、基材としての塩化ビニル樹脂粒子の平均重合度よりも小さいことが好ましい。
[平均粒子径]
また、塩化ビニル樹脂微粒子の平均粒子径は、通常30μm未満であり、10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上であることが好ましい。塩化ビニル樹脂微粒子の平均粒子径が上記下限以上であれば、例えばダスティング剤としてのサイズを過度に小さくすることなく、塩化ビニル樹脂組成物の粉体流動性を更に良好に発揮できるからである。また、塩化ビニル樹脂微粒子の平均粒子径が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物の溶融性がより高まり、形成される塩化ビニル樹脂成形体の平滑性を更に向上させることができるからである。
[含有割合]
そして、(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂微粒子の含有割合は、(a)塩化ビニル樹脂100質量%に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂微粒子の含有割合が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物の粉体流動性が更に向上するからである。また、(a)塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂微粒子の含有割合が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びを更に良好にできるからである。
<(b)可塑剤>
また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(b)可塑剤を含むことを必要とする。そして、(b)可塑剤としては、後述する(c)エステル化合物に該当しないものであれば特に限定されることなく、既知の可塑剤を用いることができる。具体的には、可塑剤としては、以下の一次可塑剤および二次可塑剤などが挙げられる。
いわゆる一次可塑剤としては、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリ−n−プロピル、トリメリット酸トリ−n−ブチル、トリメリット酸トリ−n−ペンチル、トリメリット酸トリ−n−ヘキシル、トリメリット酸トリ−n−ヘプチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、トリメリット酸トリ−n−ノニル、トリメリット酸トリ−n−デシル、トリメリット酸トリ−n−ウンデシル、トリメリット酸トリ−n−ドデシル、トリメリット酸トリ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−n−テトラデシル、トリメリット酸トリ−n−ペンタデシル、トリメリット酸トリ−n−ヘキサデシル、トリメリット酸トリ−n−ヘプタデシル、トリメリット酸トリ−n−ステアリル、トリメリット酸トリ−n−アルキルエステル(ここで、トリメリット酸トリ−n−アルキルエステルが有するアルキル基の炭素数は一分子中で互いに異なっていてもよい。)などの、エステルを構成するアルキル基が直鎖状である直鎖状トリメリット酸エステル〔なお、これらのトリメリット酸エステルは、単一化合物からなるものであっても、混合物であってもよい。〕;
トリメリット酸トリ−i−プロピル、トリメリット酸トリ−i−ブチル、トリメリット酸トリ−i−ペンチル、トリメリット酸トリ−i−ヘキシル、トリメリット酸トリ−i−ヘプチル、トリメリット酸トリ−i−オクチル、トリメリット酸トリ−(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ−i−ノニル、トリメリット酸トリ−i−デシル、トリメリット酸トリ−i−ウンデシル、トリメリット酸トリ−i−ドデシル、トリメリット酸トリ−i−トリデシル、トリメリット酸トリ−i−テトラデシル、トリメリット酸トリ−i−ペンタデシル、トリメリット酸トリ−i−ヘキサデシル、トリメリット酸トリ−i−ヘプタデシル、トリメリット酸トリ−i−オクタデシル、トリメリット酸トリアルキルエステル(ここで、トリメリット酸トリアルキルエステルが有するアルキル基の炭素数は一分子中で互いに異なっていてもよい。)などの、エステルを構成するアルキル基が分岐状である分岐状トリメリット酸エステル〔なお、これらのトリメリット酸エステルは、単一化合物からなるものであっても、混合物であってもよい。〕;
ピロメリット酸テトラメチル、ピロメリット酸テトラエチル、ピロメリット酸テトラ−n−プロピル、ピロメリット酸テトラ−n−ブチル、ピロメリット酸テトラ−n−ペンチル、ピロメリット酸テトラ−n−ヘキシル、ピロメリット酸テトラ−n−ヘプチル、ピロメリット酸テトラ−n−オクチル、ピロメリット酸テトラ−n−ノニル、ピロメリット酸テトラ−n−デシル、ピロメリット酸テトラ−n−ウンデシル、ピロメリット酸テトラ−n−ドデシル、ピロメリット酸テトラ−n−トリデシル、ピロメリット酸テトラ−n−テトラデシル、ピロメリット酸テトラ−n−ペンタデシル、ピロメリット酸テトラ−n−ヘキサデシル、ピロメリット酸テトラ−n−ヘプタデシル、ピロメリット酸テトラ−n−ステアリル、ピロメリット酸テトラ−n−アルキルエステル(ここで、ピロメリット酸テトラ−n−アルキルエステルが有するアルキル基の炭素数は一分子中で互いに異なっていても良い。)などの、エステルを構成するアルキル基が直鎖状である直鎖状ピロメリット酸エステル〔なお、これらのピロメリット酸エステルは、単一化合物からなるものであっても、混合物であってもよい。〕;
ピロメリット酸テトラ−i−プロピル、ピロメリット酸テトラ−i−ブチル、ピロメリット酸テトラ−i−ペンチル、ピロメリット酸テトラ−i−ヘキシル、ピロメリット酸テトラ−i−ヘプチル、ピロメリット酸テトラ−i−オクチル、ピロメリット酸テトラ−(2−エチルヘキシル)、ピロメリット酸テトラ−i−ノニル、ピロメリット酸テトラ−i−デシル、ピロメリット酸テトラ−i−ウンデシル、ピロメリット酸テトラ−i−ドデシル、ピロメリット酸テトラ−i−トリデシル、ピロメリット酸テトラ−i−テトラデシル、ピロメリット酸テトラ−i−ペンタデシル、ピロメリット酸テトラ−i−ヘキサデシル、ピロメリット酸テトラ−i−ヘプタデシル、ピロメリット酸テトラ−i−オクタデシル、ピロメリット酸テトラアルキルエステル(ここで、ピロメリット酸テトラアルキルエステルが有するアルキル基の炭素数は一分子中で互いに異なっていてもよい。)などの、エステルを構成するアルキル基が分岐状である分岐状ピロメリット酸エステル〔なお、これらのピロメリット酸エステルは、単一化合物からなるものであっても、混合物であってもよい。〕;
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導体;
ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸誘導体;
ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;
ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソデシルセバケート、ジ−(2−ブチルオクチル)セバケートなどのセバシン酸誘導体;
ジ−n−ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエートなどのマレイン酸誘導体;
ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体;
トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレートなどのクエン酸誘導体;
モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン酸誘導体;
ブチルオレエート、グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノオレエートなどのオレイン酸誘導体;
メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸誘導体;
n−ブチルステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸誘導体(但し、12−ヒドロキシステアリン酸およびそのエステルを除く);
ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘導体;
トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートなどの芳香族リン酸化合物;
ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール誘導体;
グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;
エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエポキシ誘導体;
アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤;などが挙げられる。
また、いわゆる二次可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化植物油;塩素化パラフィン、トリエチレングリコールジカプリレートなどのグリコールの脂肪酸エステル、ブチルエポキシステアレート、フェニルオレエート、ジヒドロアビエチン酸メチルなどが挙げられる。
なお、これらの可塑剤は、1種のみを用いても良く、例えば、一次可塑剤、二次可塑剤などの2種以上を併用しても良い。また、二次可塑剤を用いる場合は、当該二次可塑剤と等質量以上の一次可塑剤を併用することが好ましい。
そして、上述した可塑剤の中でも、良好な引張伸びを得る観点からは、トリメリット酸エステルおよび/またはピロメリット酸エステルを用いることが好ましく、直鎖状トリメリット酸エステルを用いることがより好ましく、炭素数が異なるアルキル基を分子内に2つ以上有する直鎖状トリメリット酸エステルを用いることが更に好ましい。また、当該アルキル基の炭素数は6〜18であることがより好ましい。
[含有量]
ここで、(b)可塑剤の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部当たり40質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが更に好ましく、200質量部以下であることが好ましく、160質量部以下であることがより好ましい。(a)塩化ビニル樹脂に対する(b)可塑剤の含有量が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びを良好に保てるからである。また、(a)塩化ビニル樹脂に対する(b)可塑剤の含有量が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂成形体の、可塑剤によるべた付きを抑制することができるからである。
そして、(b)可塑剤がトリメリット酸エステルを含む場合、トリメリット酸エステルの含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、150質量部以下であることが好ましい。トリメリット酸エステルの含有量が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びをより良好に保てるからである。また、トリメリット酸エステルの含有量が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂成形体の、可塑剤によるべた付きをより抑制することができるからである。
また、トリメリット酸エステルの含有割合は、(b)可塑剤の合計含有量(100質量%)に対して、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、通常100質量%未満であり、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。トリメリット酸エステルの含有割合が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びを更に良好に保てるからである。また、トリメリット酸エステルの含有割合が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂成形体の、可塑剤によるべたつきを更に抑制できるからである。
更に、(b)可塑剤がピロメリット酸エステルを含む場合、ピロメリット酸エステルの含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、150質量部以下であることが好ましい。ピロメリット酸エステルの含有量が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の、低温での粘性を優れたものとすることができるからである。また、ピロメリット酸エステルの含有量が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂成形体の耐ブロッキング性をより向上することができるからである。
そして、ピロメリット酸エステルの含有割合は、(b)可塑剤の合計含有量(100質量%)に対して、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、通常100質量%未満であり、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。ピロメリット酸エステルの含有割合が上記下限以上であれば、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の、低温での粘性をより優れたものとすることができるからである。また、ピロメリット酸エステルの含有割合が上記上限以下であれば、塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂成形体の耐ブロッキング性を向上させることができるため、塩化ビニル樹脂成形体等をより容易に製造し得るからである。
また、(b)可塑剤としてトリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの双方を含む場合、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの合計含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、110質量部以上であることが更に好ましく、170質量部以下であることがより好ましい。トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの含有量を上記下限以上にすれば、例えば可塑剤としての効果が十分に発揮され、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の低温下における引張伸びを更に向上させることができるからである。また、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの含有量を上記上限以下にすれば、得られる塩化ビニル樹脂成形体の表面のべた付きを良好に抑えることができるからである。
なお、トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの形態は特に限定されないが、(a)塩化ビニル樹脂との混合容易性の観点から、また、形成された塩化ビニル樹脂成形体表面でのブルーミング発生(成形体表面に配合成分が折出し、表面が白くなる現象)を抑制する観点からは、常温で液体であることが好ましい。
また、トリメリット酸エステルおよび/またはピロメリット酸エステル以外のその他の可塑剤の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、3質量部以上が更に好ましく、30質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。トリメリット酸エステルおよび/またはピロメリット酸エステル以外のその他の可塑剤の含有量が上記範囲であれば、低温下における引張伸びがより良好な塩化ビニル樹脂成形体をより容易に製造することができるからである。
<(c)エステル化合物>
更に、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(a)塩化ビニル樹脂に対して、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を所定量含むことを必要とする。
<<脂肪族リン酸エステル>>
ここで、脂肪族リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリn−プロピル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリn−ブチル、リン酸トリn−ペンチル、リン酸トリn−へキシル、リン酸トリn−ヘプチル、リン酸トリn−オクチル、リン酸トリ2−エチルへキシル、リン酸トリn−ノニル、リン酸トリn−デシル、リン酸トリn−ウンデシル、リン酸トリn−ドデシル、リン酸トリn−テトラデシル、リン酸トリn−ヘキサデシル、リン酸トリn−オクタデシル(「リン酸トリステアリル」ともいう。)、リン酸トリn−コシル、リン酸トリn−テトラコシルなどが挙げられる。
中でも、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を効果的に抑制する観点から、アルキル基の炭素数が1以上8以下のリン酸トリアルキルエステルを用いることが好ましく、アルキル基の炭素数が1以上4以下のリン酸トリアルキルエステルを用いることがより好ましく、リン酸トリエチルを用いることが更に好ましい。
<<脂肪族亜リン酸エステル>>
また、脂肪族亜リン酸エステルとしては、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリn−プロピル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリn−ブチル、亜リン酸トリn−ペンチル、亜リン酸トリn−へキシル、亜リン酸トリn−ヘプチル、亜リン酸トリn−オクチル、亜リン酸トリn−エチルへキシル、亜リン酸トリn−ノニル、亜リン酸トリn−デシル、亜リン酸トリn−ウンデシル、亜リン酸トリn−ドデシル、亜リン酸トリn−テトラデシル、亜リン酸トリn−ヘキサデシル、亜リン酸トリn−オクタデシル(「亜リン酸トリステアリル」ともいう。)、亜リン酸トリn−コシル、亜リン酸トリn−テトラコシルなどが挙げられる。
中でも、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減をより抑制する観点から、アルキル基の炭素数が12以上24以下の亜リン酸トリアルキルエステルを用いることが好ましく、アルキル基の炭素数が16以上20以下の亜リン酸トリアルキルエステルを用いることがより好ましく、亜リン酸トリステアリルを用いることが更に好ましい。
[含有量]
そして、(c)エステル化合物の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に当たり15質量部以下であることを必要とし、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、1.5質量部以上であることが特に好ましく、12質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。(c)エステル化合物を上記の割合で含むことで、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、塩化ビニル樹脂成形体中の可塑剤量の低減を抑制することができる。
なお、本発明の塩化ビニル樹脂成形体を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を発泡ポリウレタン成形体に積層したときに(b)可塑剤量の低減をより効果的に抑制する観点から、(c)エステル化合物として、少なくとも脂肪族リン酸エステルを含むことが好ましい。また、(c)エステル化合物として脂肪族リン酸エステルと脂肪族亜リン酸エステルを併用する場合には、脂肪族リン酸エステルと脂肪族亜リン酸エステルとの比率(体積比)は特に限定されず、例えば1/1とすることができる。
<添加剤>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、上述した成分以外に、各種添加剤を更に含有してもよい。添加剤としては、特に限定されることなく、例えば、過塩素酸処理ハイドロタルサイト、ゼオライト、β−ジケトン、脂肪酸金属塩などの安定剤;離型剤;上記塩化ビニル樹脂微粒子以外のダスティング剤;及びその他の添加剤;などが挙げられる。
<<過塩素酸処理ハイドロタルサイト>>
塩化ビニル樹脂組成物が含有し得る過塩素酸処理ハイドロタルサイトは、例えば、ハイドロタルサイトを過塩素酸の希薄水溶液中に加えて撹拌し、その後必要に応じて、ろ過、脱水または乾燥することによって、ハイドロタルサイト中の炭酸アニオン(CO 2−)の少なくとも一部を過塩素酸アニオン(ClO )で置換(炭酸アニオン1モルにつき過塩素酸アニオン2モルが置換)することにより、過塩素酸導入型ハイドロタルサイトとして容易に製造することができる。上記ハイドロタルサイトと上記過塩素酸とのモル比は任意に設定できるが、一般には、ハイドロタルサイト1モルに対し、過塩素酸0.1モル以上2モル以下が好ましい。
ここで、未処理(過塩素酸アニオンを導入していない未置換)のハイドロタルサイト中の炭酸アニオンの過塩素酸アニオンへの置換率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは85モル%以上である。また、未処理(過塩素酸アニオンを導入していない未置換)のハイドロタルサイト中の炭酸アニオンの過塩素酸アニオンへの置換率は、好ましくは95モル%以下である。未処理(過塩素酸アニオンを導入していない未置換)のハイドロタルサイト中の炭酸アニオンの過塩素酸アニオンへの置換率が上記の範囲内にあることにより、塩化ビニル樹脂成形体をより容易に製造することができるからである。
なお、ハイドロタルサイトは、一般式:[Mg1−xAl(OH)]x+[(CO)x/2・mHO]x−で表される不定比化合物で、プラスに荷電した基本層[Mg1−xAl(OH)]x+と、マイナスに荷電した中間層[(CO)x/2・mHO]x−とからなる層状の結晶構造を有する無機物質である。ここで、上記一般式中、xは0より大きく0.33以下の範囲の数である。天然のハイドロタルサイトは、MgAl(OH)16CO・4HOである。合成されたハイドロタルサイトとしては、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HOが市販されている。合成ハイドロタルサイトの合成方法は、例えば特開昭61−174270号公報に記載されている。
ここで、過塩素酸処理ハイドロタルサイトの含有量は、特に制限されることなく、上記(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、7質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましい。過塩素酸処理ハイドロタルサイトの含有量が上記範囲であれば、塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル樹脂成形体の引張伸びをより良好に維持することができるからである。
<<ゼオライト>>
塩化ビニル樹脂組成物は、ゼオライトを安定剤として含有し得る。ゼオライトは、一般式:Mx/n・[(AlO・(SiO]・zHO(一般式中、Mは原子価nの金属イオン、x+yは単子格子当たりの四面体数、zは水のモル数である)で表される化合物である。当該一般式中のMの種類としては、Na、Li、Ca、Mg、Znなどの一価又は二価の金属及びこれらの混合型が挙げられる。
ここで、ゼオライトの含有量は、特に制限されることなく、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
<<β−ジケトン>>
β−ジケトンは、塩化ビニル樹脂組成物を成形して得られる塩化ビニル樹脂成形体の初期色調の変動をより効果的に抑えるために用いられる。β−ジケトンの具体例としては、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタンなどが挙げられる。これらのβ−ジケトンは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、β−ジケトンの含有量は、特に制限されることなく、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下が好ましい。
<<脂肪酸金属塩>>
塩化ビニル樹脂組成物が含有し得る脂肪酸金属塩は、特に制限されることなく、任意の脂肪酸金属塩とすることができる。中でも、一価脂肪酸金属塩が好ましく、炭素数12〜24の一価脂肪酸金属塩がより好ましく、炭素数15〜21の一価脂肪酸金属塩が更に好ましい。脂肪酸金属塩の具体例としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸亜鉛、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛等である。脂肪酸金属塩を構成する金属としては、多価陽イオンを生成しうる金属が好ましく、2価陽イオンを生成しうる金属がより好ましく、周期表第3周期〜第6周期の、2価陽イオンを生成しうる金属が更に好ましく、周期表第4周期の、2価陽イオンを生成しうる金属が特に好ましい。最も好ましい脂肪酸金属塩はステアリン酸亜鉛である。
ここで、脂肪酸金属塩の含有量は、特に制限されることなく、上記(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下が更に好ましい。脂肪酸金属塩の含有量が上記範囲であれば、塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル樹脂成形体の色差の値を更に小さくできるからである。
<<離型剤>>
離型剤としては、特に制限されることなく、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸エステルおよび12−ヒドロキシステアリン酸オリゴマーなどの12−ヒドロキシステアリン酸系潤滑剤が挙げられる。ここで、離型剤の含有量は、特に制限されることなく、上記(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下とすることができる。
<<その他のダスティング剤>>
塩化ビニル樹脂組成物が含有し得る、上記塩化ビニル樹脂微粒子以外の、その他のダスティング剤としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウムなどの無機微粒子;ポリアクリロニトリル樹脂微粒子、ポリ(メタ)アクリレート樹脂微粒子、ポリスチレン樹脂微粒子、ポリエチレン樹脂微粒子、ポリプロピレン樹脂微粒子、ポリエステル樹脂微粒子、ポリアミド樹脂微粒子などの有機微粒子;が挙げられる。中でも、平均粒子径が10nm以上100nm以下の無機微粒子が好ましい。
ここで、その他のダスティング剤の含有量は、特に制限されることなく、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、10質量部以上とすることができる。その他のダスティング剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、その他のダスティング剤は、上述した塩化ビニル樹脂微粒子と併用してもよい。
<<その他の添加剤>>
塩化ビニル樹脂組成物が含有し得るその他の添加剤としては、特に制限されることなく、例えば、着色剤(顔料)、耐衝撃性改良剤、過塩素酸処理ハイドロタルサイト以外の過塩素酸化合物(過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等)、酸化防止剤、防カビ剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、光安定剤、発泡剤等が挙げられる。
着色剤(顔料)の具体例は、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カーボンブラックである。1種または2種以上の顔料が使用される。
キナクリドン系顔料は、p−フェニレンジアントラニル酸類が濃硫酸で処理されて得られ、黄みの赤から赤みの紫の色相を示す。キナクリドン系顔料の具体例は、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレットである。
ペリレン系顔料は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物と芳香族第一級アミンとの縮合反応により得られ、赤から赤紫、茶色の色相を示す。ペリレン系顔料の具体例は、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、ペリレンマルーン、ペリレンバーミリオン、ペリレンボルドーである。
ポリアゾ縮合顔料は、アゾ色素が溶剤中で縮合されて高分子量化されて得られ、黄、赤系顔料の色相を示す。ポリアゾ縮合顔料の具体例は、ポリアゾレッド、ポリアゾイエロー、クロモフタルオレンジ、クロモフタルレッド、クロモフタルスカーレットである。
イソインドリノン系顔料は、4,5,6,7−テトラクロロイソインドリノンと芳香族第一級ジアミンとの縮合反応により得られ、緑みの黄色から、赤、褐色の色相を示す。イソインドリノン系顔料の具体例は、イソインドリノンイエローである。
銅フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン類に銅を配位した顔料で、黄みの緑から鮮やかな青の色相を示す。銅フタロシアニン系顔料の具体例は、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーである。
カーボンブラックは、炭素を主成分とし、酸素、水素、窒素を含む黒色顔料である。カーボンブラックの具体例は、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ボーンブラックである。
耐衝撃性改良剤の具体例は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンなどである。塩化ビニル樹脂組成物では、1種又は2種以上の耐衝撃性改良剤が使用できる。なお、耐衝撃性改良剤は、塩化ビニル樹脂組成物中で微細な弾性粒子の不均一相となって分散する。塩化ビニル樹脂組成物では、当該弾性粒子にグラフト重合した鎖及び極性基が(a)塩化ビニル樹脂と相溶し、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成した塩化ビニル樹脂成形体の耐衝撃性が向上する。
酸化防止剤の具体例は、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、亜リン酸塩などのリン系酸化防止剤などである。
防カビ剤の具体例は、脂肪族エステル系防カビ剤、炭化水素系防カビ剤、有機窒素系防カビ剤、有機窒素硫黄系防カビ剤などである。
難燃剤の具体例は、ハロゲン系難燃剤;リン酸エステル等のリン系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機水酸化物;などである。
帯電防止剤の具体例は、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル類、スルホン酸塩類等のアニオン系帯電防止剤;脂肪族アミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン系帯電防止剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類等のノニオン系帯電防止剤;などである。
充填剤の具体例は、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、クレーなどである。
光安定剤の具体例は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ニッケルキレート系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などである。
発泡剤の具体例は、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のスルホニルヒドラジド化合物などの有機発泡剤;フロンガス、炭酸ガス、水、ペンタン等の揮発性炭化水素化合物、これらを内包したマイクロカプセルなどの、ガス系の発泡剤;などである。
<塩化ビニル樹脂組成物の調製方法>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、上述した成分を混合して調製することができる。
ここで、上記(a)塩化ビニル樹脂と、(b)可塑剤と、(c)エステル化合物と、必要に応じて更に配合される各種添加剤との混合方法としては、特に限定されることなく、例えば、上記塩化ビニル樹脂微粒子およびその他のダスティング剤を含むダスティング剤を除く成分をドライブレンドにより混合し、その後、ダスティング剤を添加、混合する方法が挙げられる。ここで、ドライブレンドには、ヘンシェルミキサーの使用が好ましい。また、ドライブレンド時の温度は、特に制限されることなく、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、200℃以下が好ましい。
<塩化ビニル樹脂組成物の用途>
そして、得られた塩化ビニル樹脂組成物は、粉体成形に好適に用いることができ、パウダースラッシュ成形により好適に用いることができる。
(塩化ビニル樹脂成形体)
本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、上述した塩化ビニル樹脂組成物を、任意の方法で成形することにより得られることを特徴とする。そして、本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、本発明の塩化ビニル樹脂成形物を成形してなるため、長期に亘って使用した場合であっても、柔軟性などの物性の低下が抑制されている。従って、本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、例えば自動車インスツルメントパネルおよびドアトリム等の自動車内装部品を形成する自動車内装材として好適に用いられる。具体的には、本発明の塩化ビニル樹脂成形体は、自動車インスツルメントパネルおよびドアトリムの表皮、特には自動車インスツルメントパネルの表皮として好適に用いることができる。
<<塩化ビニル樹脂成形体の成形方法>>
ここで、パウダースラッシュ成形時の金型温度は、特に制限されることなく、200℃以上とすることが好ましく、220℃以上とすることがより好ましく、300℃以下とすることが好ましく、280℃以下とすることがより好ましい。
そして、塩化ビニル樹脂成形体を製造する際には、特に限定されることなく、例えば、以下の方法を用いることができる。即ち、上記温度範囲の金型に本発明の塩化ビニル樹脂組成物を振りかけて、5秒以上30秒以下の間放置した後、余剰の塩化ビニル樹脂組成物を振り落とし、さらに、任意の温度下、30秒以上3分以下の間放置する。その後、金型を10℃以上60℃以下に冷却し、得られた本発明の塩化ビニル樹脂成形体を金型から脱型する。そして、脱型された塩化ビニル樹脂成形体は、例えば、金型の形状をかたどったシート状の成形体として得られる。
(積層体)
本発明の積層体は、発泡ポリウレタン成形体と、上述した塩化ビニル樹脂成形体とを有する。そして、本発明の積層体は、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成された塩化ビニル樹脂成形体を有しているため、長期に亘って使用した場合であっても、柔軟性などの物性の低下が抑制されている。従って、本発明の積層体は、例えば、自動車インスツルメントパネルおよびドアトリム等の自動車内装部品を形成する自動車内装材として好適に用いられ、特に、自動車インスツルメントパネル用に好適に用いられる。なお、本発明の積層体を長期に亘って使用した場合であっても柔軟性などの物性の低下が抑制される理由は明らかではない。
ここで、発泡ポリウレタン成形体と塩化ビニル樹脂成形体との積層方法は、特に限定されることなく、例えば、以下の方法を用いることができる。即ち、(1)発泡ポリウレタン成形体と、塩化ビニル樹脂成形体とを別途準備した後に、熱融着、熱接着、又は公知の接着剤などを用いることにより貼り合わせる方法;(2)塩化ビニル樹脂成形体上で発泡ポリウレタン成形体の原料となるイソシアネート類とポリオール類などとを反応させて重合を行うと共に、公知の方法によりポリウレタンの発泡を行うことにより、塩化ビニル樹脂成形体上に発泡ポリウレタン成形体を直接形成する方法;などが挙げられる。中でも、工程が簡素である点、および、種々の形状の積層体を得る場合においても塩化ビニル樹脂成形体と発泡ポリウレタン成形体とを強固に接着し易い点から、後者の方法(2)の方が好適である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、加熱(熱老化試験)後の塩化ビニル樹脂成形シートの低温引張伸び、および、加熱(熱老化試験)後の塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤残存率は、下記の方法で測定および評価した。
<低温引張伸び>
<<加熱(熱老化試験)後>>
発泡ポリウレタン成形体が裏打ちされた積層体を試料とした。当該試料をオーブンに入れ、温度130℃の環境下で600時間、加熱を行った。次に、加熱後の積層体から発泡ポリウレタン成形体を剥離して、塩化ビニル樹脂成形シートのみを準備した。当該塩化ビニル樹脂成形シートを、JIS K6251に記載の1号ダンベルで打ち抜き、JIS K7113に準拠して、引張速度200mm/分で、加熱後の、温度−20℃における塩化ビニル樹脂成形シートの引張破断伸び(%)を測定した。引張破断伸びの値が大きいほど、加熱(熱老化試験)後における塩化ビニル樹脂成形体の、低温での引張伸びが良好である。
<可塑剤残存量>
<<加熱(熱老化試験)後>>
発泡ポリウレタン層が裏打ちされた積層体を試料とした。当該試料をオーブンに入れ、温度130℃の環境下で600時間、加熱を行った。次に、加熱後の積層体から、塩化ビニル樹脂成形シートのみを剥離した。そして、得られた塩化ビニル樹脂成形シートから、50±0.2mg相当の塩化ビニル樹脂成形シート片を採取し、得られた塩化ビニル樹脂成形シート片をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた。更に、メタノールを加えて、当該塩化ビニル樹脂成形シート片を含む50mL溶液とした後に、得られた溶液の上澄み液をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)により分析することで、塩化ビニル樹脂成形シート中の主な可塑剤であるトリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステルの含有割合A(%)を測定した。なお、HPLCの条件は下記の通りである。
高速液体クロマトグラフ分析装置:Agilent社製「LC1260−II」
カラム:Agilent社製「ZORBAX Eclipse XDB−C8」
カラム温度:40℃
移動相A:アセトニトリル
移動相B:イオン交換水
グラジエント条件:0min(20体積%移動相B)、2.5min(0体積%移動相B)、8.0min(0体積%移動相B)
流速:1.0mL/min
検出器:ダイオードアレイ検出器(DAD)
シグナル:254nm
Ref:360nm
注入量:1μm
次に、下記式(1)を用いて、上記塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤の減少量B(部)を算出した。なお、積層体の加熱前後において、塩化ビニル樹脂成形シート中のその他の成分の含有量(g)は変化しないものとする。
B=[C−D×A/100]/[1−A/100]・・・(1)
なお、式(1)のCおよびDは、以下のものを示す。
C:塩化ビニル樹脂成形シートに配合された可塑剤(トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステル)の配合部数(部)
D:塩化ビニル樹脂成形シートに配合された全成分の配合部数の和(部)
次に、下記式(2)を用いて、塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤の残存量X(部)を求めた。
X=C−B・・・(2)
そして、比較例1における可塑剤の残存量を100として、実施例における可塑剤(トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステル)の残存量の値を指数化した。指数値が大きいほど、加熱(熱老化試験)後の、塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤(トリメリット酸エステルおよびピロメリット酸エステル)の低減が抑制されている。
(実施例1)
<塩化ビニル樹脂組成物の調製>
表1に示す配合成分のうち、可塑剤(トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステルおよびエポキシ化大豆油)と、ダスティング剤である塩化ビニル樹脂微粒子とを除く成分をヘンシェルミキサーに入れて混合した。そして、混合物の温度が80℃に上昇した時点で上記可塑剤を全て添加し、ドライアップ(可塑剤が、塩化ビニル樹脂である塩化ビニル樹脂粒子に吸収されて、上記混合物がさらさらになった状態をいう。)させた。その後、ドライアップさせた混合物が温度70℃以下に冷却された時点でダスティング剤である塩化ビニル樹脂微粒子を添加し、塩化ビニル樹脂組成物を調製した。
<塩化ビニル樹脂成形シートの製造>
上述で得られた塩化ビニル樹脂組成物を、温度250℃に加熱したシボ付き金型に振りかけ、任意の時間放置して溶融させた後、余剰の塩化ビニル樹脂組成物を振り落とした。その後、当該塩化ビニル樹脂組成物を振りかけたシボ付き金型を、温度200℃に設定したオーブン内に静置し、静置から60秒経過した時点で当該シボ付き金型を冷却水で冷却した。金型温度が40℃まで冷却された時点で、塩化ビニル樹脂成形体としての、145mm×175mm×1mmの塩化ビニル樹脂成形シートを金型から脱型した。
<積層体の形成>
得られた塩化ビニル樹脂成形シート2枚を、200mm×300mm×10mmの金型の中に、シボ付き面を下にして、2枚のシート同士が重ならないように敷いた。
別途、プロピレングリコールのPO(プロピレンオキサイド)・EO(エチレンオキサイド)ブロック付加物(水酸基価28、末端EO単位の含有量=10%、内部EO単位の含有量4%)を50部、グリセリンのPO・EOブロック付加物(水酸基価21、末端EO単位の含有量=14%)を50部、水を2.5部、トリエチレンジアミンのエチレングリコ−ル溶液(東ソー社製、商品名「TEDA−L33」)を0.2部、トリエタノールアミンを1.2部、トリエチルアミンを0.5部、および整泡剤(信越化学工業製、商品名「F−122」)を0.5部混合して、ポリオール混合物を得た。また、得られたポリオール混合物とポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)とを、インデックスが98になる比率で混合した混合液を調製した。そして、調製した混合液を、金型内に敷かれた塩化ビニル樹脂成形シート2枚の上に注いだ。
その後、その上から348mm×255mm×10mmのアルミニウム板で上記金型に蓋をして、金型を密閉した。金型を密閉してから5分間放置することにより、表皮としての塩化ビニル樹脂成形シート(厚さ:1mm)に、発泡ポリウレタン成形体(厚さ:9mm、密度:0.18g/cm)が裏打ちされた積層体が、金型内で形成された。そして、形成された積層体を金型から取り出して、上述の方法に従って、加熱(熱老化試験)後の、低温での引張伸び、および、塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤残存量を測定、算出した。結果を表1に示す。
(実施例2〜6)
塩化ビニル樹脂組成物の調製において、表1に示す通りに配合成分を変更した以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形シートおよび積層体を製造した。
そして、実施例1と同様の方法により測定、算出を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
塩化ビニル樹脂組成物の調製において、リン酸トリエチルを使用しなかった以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形シートおよび積層体を製造した。
そして、実施例1と同様の方法により測定、算出を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
塩化ビニル樹脂組成物の調製において、表1に示す通りに配合成分を変更した以外は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組成物した。そして、得られた塩化ビニル樹脂組成物を用いて塩化ビニル樹脂成形シートを製造したが、その後、塩化ビニル樹脂成形シートの表面に亜リン酸トリステアリルがブルームしてしまい、外観不良で使用に堪えないものであったため、これ以上の評価は実施しなかった。
Figure 2020097666
1)大洋塩ビ(株)製、製品名「TH−2800」(懸濁重合法、塩化ビニル樹脂、平均粒子径:145μm、平均重合度:2800)
2)新第一塩ビ(株)製、製品名「ZEST(登録商標)PQLTX」(乳化重合法、塩化ビニル樹脂、平均粒子径:1.8μm、平均重合度:800)
3)東ソー(株)製、製品名「リューロンペースト(登録商標)761」(乳化重合法、塩化ビニル樹脂、平均粒子径:1.7μm、平均重合度:2100)
4)花王(株)製、製品名「トリメックスN−08」(トリメリテート系可塑剤(n−C8、C10)
5)(株)ADEKA製、製品名「アデカサイザーUL−80」
6)(株)ADKEA製、製品名「アデカサイザーO−130S」
7)和光純薬工業(株)製、製品名「リン酸トリエチル」
8)和光純薬工業(株)製、製品名「亜リン酸トリステアリル」
9)協和化学工業(株)製、製品名「アルカマイザー5」
10)水澤化学工業(株)製、製品名「MIZUKALIZER DS」
11)昭和電工(株)製、製品名「カレンズ DK−1」
12)堺化学工業(株)製、製品名「SAKAI SZ2000」
13)(株)ADEKA製、製品名「アデカスタブ 522A」
14)(株)ADEKA製、製品名「アデカスタブLA−72」
15)堺化学工業(株)製、製品名「SAKAI SZ2000」
16)信越シリコーン(株)製、製品名「KF−9701」
17)大日精化(株)製、「DA PX 1720(A)ブラック」
表1より、リン酸トリエチル(脂肪族リン酸エステル)または亜リン酸トリステアリル(脂肪族亜リン酸エステル)を所定の割合で含有させた実施例1〜6では、リン酸トリエチルおよび亜リン酸トリステアリルのいずれも含有させなかった比較例1と比較して、低温下での引張伸びの低下を抑制しつつ、加熱(熱老化)試験後の塩化ビニル樹脂成形シート中の可塑剤量の低減を抑制し得ることが分かる。また、比較例2から、亜リン酸トリステアリルを所定の割合を超えて含有させると、塩化ビニル樹脂成形シートの外観が不良となり、使用に堪えなくなることが分かる。
本発明の塩化樹脂組成物を用いれば、発泡ポリウレタン成形体に積層したときに、可塑剤量の低減が抑制され得る塩化ビニル樹脂成形シートを形成することができる。
また、本発明によれば、長期に亘って使用した場合であっても柔軟性などの物性の低下が抑制された塩化ビニル樹脂成形体および積層体が得られる。

Claims (9)

  1. (a)塩化ビニル樹脂と、(b)可塑剤と、(c)脂肪族リン酸エステルおよび脂肪族亜リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種のエステル化合物を含み、
    前記(c)エステル化合物の含有量が、前記(a)塩化ビニル樹脂100質量部当たり15質量部以下である、塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 前記(c)エステル化合物の含有量が、前記(b)可塑剤100質量部当たり0.06質量部以上9質量部以下である、請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 前記(c)エステル化合物が、アルキル基の炭素数が1以上8以下のリン酸トリアルキルエステルを含む、請求項1または2に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 前記(c)エステル化合物が、アルキル基の炭素数が12以上24以下の亜リン酸トリアルキルエステルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  5. 粉体成形に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  6. パウダースラッシュ成形に用いられる、請求項5に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  7. 請求項5または6に記載の塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる、塩化ビニル樹脂成形体。
  8. 自動車インスツルメントパネル表皮用である、請求項7に記載の塩化ビニル樹脂成形体。
  9. 発泡ポリウレタン成形体と、請求項7または8に記載の塩化ビニル樹脂成形体とを有する、積層体。
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