JP3004550B2 - 塗膜の表面保護フィルム - Google Patents
塗膜の表面保護フィルムInfo
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Description
時や保管時における塗膜保護のために一時的に使用する
塗膜の表面保護フィルムに関する。
に、石、砂塵、埃、鉄粉、ガス等による塗膜の損傷、光
沢変化、変色などの外観の劣化による商品価値の低下が
問題になっている。特に、輸送や保管の時間の長い輸出
車で発生の確率が高く、従来から油性または水性のワッ
クス系塗膜保護剤が用いられてきた。しかしながら、ワ
ックス系塗膜保護剤は、鉄粉、鳥の糞、酸性雨等に対し
ては塗膜保護性能が不充分であり、さらにワックス自体
の塗膜への浸透による悪影響がある。そして3ヵ月以上
に渡り屋外に長期間放置しておくと剥離性が困難になっ
たり、ワックスを除去する際の廃液による公害問題や廃
液の処理問題が発生するものであった。このため特開平
2−300281号公報や特開平3−221169号公
報に示されるように、粘着フィルムを自動車のボディ表
面に貼り塗装塗膜を保護する方式が提案されている。
用いられている透明なオレフィンフィルムを支持体とし
た粘着フィルムでは、耐候性が不充分で長期の屋外使用
に耐えられない。また、このような粘着フィルムを用い
自動車のボディ表面に貼り付けておき、長期間屋外に暴
露しておくと、フィルムが劣化し、自動車のボディ表面
からフィルムを剥がす際に、粘着剤が支持体であるフィ
ルムと共に剥がれず塗膜の表面に粘着剤が転着し塗膜を
汚す恐れがあった。また、アクリル系粘着剤を用いた場
合には、接着力の経時変化が大きく、長期間屋外で使用
すると接着力が高まり剥離が困難になる。一方、ポリイ
ソブチレン系粘着剤は、接着力の経時変化が少なく剥離
性に優れるが、接着性の耐候性が不充分なので、長期間
屋外で使用すると凝集力が低下し糊残りが発生し易いと
いう問題があった。
軟な傾向があり、極めて僅かな圧力でも温度や貼り付け
時間によって変形し、面粗さの変化による光沢変化が生
じたり、応力の掛かり易い気泡や見切り部のエッジ部で
の変形によるフィルム貼り跡が発生し易い。また、塗膜
の種類により樹脂や添加剤が異なり、ポリイソブチレン
系粘着剤は表面の極性の変化や添加物のブリードの影響
を受け易く、接着力の変動が大きく、改善が望まれてい
る。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、上記問
題点を解決した塗膜の表面保護フィルムを提供すること
を目的とする。
チレン5〜40重量%及び残部プロピレンからなる樹脂
分100重量部に耐候性向上剤を0.1〜10重量部加
え、190〜370nmの紫外線の最大透過量が5%以
下としたオレフィン系フィルムを支持体とし、これにポ
リイソブチレン、ブチルゴム及びポリブテンの何れか1
種以上のゴム成分を主成分とする粘着剤であってゴム成
分100重量部に対し、離型剤0.5〜10重量部を含
有するものを塗布してなる塗膜の表面保護フィルムに関
する。
フィン系フィルムは、プロピレンとエチレンとのホモポ
リマーの混合物、コポリマー又はホモポリマーとコポリ
マーとの混合物の状態で存在しており、エチレンの含有
量が5〜40重量%のものである。エチレンが5重量%
未満では耐寒性が低下し、40重量%を越えるとフィル
ムが軟らかくなり過ぎて好ましくない。更に、改質のた
めにブテン等のα−オレフィン、更には酢酸ビニル、メ
チルメタクリレート等のモノマーを共重合させてもよ
い。また、支持体の耐候性、耐熱性、加工性及び作業性
の向上を目的に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可
塑剤等を添加してもよい。
の白色のものが好ましい。カーボンブラック等による着
色フィルムは、隠蔽性や遮光性に優れ、少量の添加で紫
外線の透過量を10%以下にすることができるが、吸収
による熱上昇が大きく、夏期には直射日光により80℃
以上の高温になるため、低Tg化した塗膜では熱変形等
の問題が発生し易い。一方、マンセル表色系でN8以上
の白色の場合は、温度上昇が60〜70℃と小さく好ま
しい。しかし、白色の場合、顔料の遮光性が小さいため
に支持体自体の耐候性が不充分であり、耐候性向上剤の
添加が必要である。耐候性向上剤としては、アミン系、
キノリン系、ヒドロキノン系、フェノール系、亜燐酸エ
ステル系等の老化防止剤、酸化防止剤、又はサリチル酸
誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒ
ンダードアミン系等の紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げ
られ、特にヒンダードアミン系のものが相溶性、耐候性
の向上効果に優れることから好ましい。耐候性向上剤の
添加量は0.1〜10重量部とされる。0.1重量部未
満では効果がなく、10重量部を越えると添加剤の粘着
剤への移行による悪影響がある。顔料としては、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛等の白
色顔料が挙げられる。オレフィン系フィルムの着色は、
通常行われる顔料の添加又は支持体背面への印刷等によ
る。着色の程度は、フィルムの耐候性向上のため紫外線
の最大透過量が190〜370nmの範囲で5%以下、
好ましくは1%以下である。
ブチレンは、イソブチレンの重合体であり、ブチルゴム
はイソブチレンとイソプレンとの共重合体を主成分と
し、カルボン酸基、水酸基等の架橋性官能基を持ったモ
ノマーを重合したり、塩素化したものが挙げられる。ポ
リブテンはイソブチレンと1−ブテン、n−ブテン等の
構造異性体との共重合体である。これらの中の1種又は
混合物を用いる。主成分の数平均分子量(Mn)は15
〜60万であることが必要である。15万未満では粘着
剤の凝集力、耐候性が不充分であり、60万を越えると
低温領域での接着力の低下や、応力の掛かり易い気泡や
見切り部等のエッジ部での変形によるフィルム貼り跡が
発生し易くなる。分子量の測定方法は、高速液体クロマ
トグラフ法、粘度法、超遠心法、光散乱法、膜浸透圧
法、沸点上昇法等があるが、高速液体クロマトグラフ法
が簡便であり、一般的な方法として広く用いられてお
り、好ましい測定法である。
鹸、シリコーン、弗素樹脂、ワックスやアルキルカルバ
メートのような長鎖アルキル基含有物が挙げられる。特
に、シリコーンがフィルム貼り跡の発生がなく、接着力
の経時的な上昇抑制の効果が大きく好ましい。シリコー
ン樹脂としては、(Si−O−Si)で示されるシロキ
サン結合を骨格とする各種分子量のもの及び変性を行っ
たもので、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコ
ーンオイル等のストレートシリコーンオイル、ポリオキ
シアルキレンとの共重合物やアミノ変性シリコーンのよ
うな変性シリコーンオイル、あるいはこれらのエマルジ
ョンが挙げられる。離型剤の添加量は、主成分のゴムに
対して0.5〜10重量部である。0.5重量部未満で
はフィルムの貼り跡の発生防止や接着力上昇抑制の効果
が得られず、10重量部を越えると離型剤による接着力
の低下あるいは転着が著しく、好ましくない。
ン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ダ
ンマル、コパール、シェラック等の天然樹脂系のもの
や、脂肪族、芳香族、脂環族等の石油樹脂系、アルキル
フェノール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹
脂系、キシレン樹脂系のものが挙げられる。特にテルペ
ンフェノール樹脂系のものは、ポリイソブチレンに対す
る相溶性も良好であり、適度な極性もあることから本用
途の粘着付与剤として好ましい。粘着付与剤の添加量は
1〜20重量部必要であり、1重量部未満では接着力向
上の効果が得られず、20重量部を越えると塗膜への粘
着付与剤の転着が顕著になったり、粘着剤の凝集力低下
による糊残りが発生する。
向上剤を添加するのが好ましい。ここで、耐候性向上剤
としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、フ
ェノール系、亜燐酸エステル等の老化防止剤、酸化防止
剤、あるいはサリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸
収剤、光安定剤等が挙げられ、特にベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤が相溶性、耐候性の向上効果に優れる
ことから好ましい。耐候性向上剤の添加量は0.1〜1
0重量部とされる。0.1重量部未満では効果がなく、
10重量部を越えると添加剤の粘着剤への移行による悪
影響がある。本発明に用いる粘着剤は、上記成分の他に
軟化剤、着色剤等の一般的に配合される配合剤を添加し
てよいことは勿論である。
の透過量が波長190〜370nmの範囲で10%以下
である着色されたポリオレフィン系フィルムを支持体と
するものである。そして支持体を構成するマトリックス
樹脂は、プロピレンが主成分であり、エチレン成分を5
重量%から40重量%含有するものであり、プロピレン
成分は構造的に日光に対して耐性がなく、エチレン成分
を含有させることで耐光性を補う。しかしエチレン成分
は耐熱性が不充分でプロピレン成分で使用に耐える耐熱
性を生じさせる。これらにより高い耐候性を得ることが
できる。またマンセル表色系でN8以上の白色の支持体
を使用すると、光線は支持体で反射され温度上昇が抑制
される。その結果、支持体や粘着剤が高い温度で応力緩
和することにより接触している塗装塗膜に生じる応力を
少なく抑えることができる。この塗装塗膜への応力は、
塗装塗膜に貼付跡を生じるなど好ましくない現象を生じ
る。
の支持体を使用すると、光線は支持体で反射され、温度
上昇は抑制されて塗装塗膜への応力は少なくなり貼付跡
を生じなくなるが、白色顔料は一般に遮光性が小さいた
め有害な紫外線が支持体内部まで浸透したり、場合によ
っては粘着剤層に達し組成物を分解させる。特に支持体
を白色にするために添加する着色剤は、支持体の光劣化
を促進する場合があり、その使用には特に注意しなけれ
ばならない。例えば、白色顔料として一般的な二酸化チ
タンでは、その表面に存在する水によりTi(4+)・
OH(−)の生成、光吸収による電子、正孔の生成を経
てOH・、H2 O2 等の活性種を生じるといわれており
分解を促進する。しかし支持体にヒンダードアミン系光
安定剤を含有させることにより、その弊害を除去し耐候
性を向上させることができる。ヒンダードアミン系光安
定剤は、これらのラジカルや過酸に対して有効に作用し
安定性を向上させる。また種々ある安定剤の中で樹脂と
の相溶性に優れているので、基材から粘着剤や被着体の
塗装塗膜に移行することがなく好適に使用できるもので
ある。
ので粘着剤層に達する量は少ないが長期間の暴露により
劣化を受ける。粘着剤が劣化すると被着体に粘着剤が残
ってしまう糊残りを生じるようになる。この場合、粘着
剤にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加すること
により、耐候性が更に向上し長期間の屋外使用に耐えら
れるようになる。
ン、ブチルゴム又はポリブテンのうち少なくとも一つを
主成分とする粘着剤を用いるので、アクリル系粘着剤の
ように経時的に粘着力が大きくなり剥離困難になること
はなく、耐候性においての欠点は、着色された支持体に
よる紫外線の吸収や粘着剤に添加した紫外線吸収剤によ
り改良できる。以上のことにより、本発明の自動車塗膜
保護用粘着フィルムを自動車のトランクやルーフあるい
はボンネット等の上に貼り付けて長期間屋外に暴露して
塗膜を汚染や傷から防止して、使用後粘着フィルムを除
去する際に、フィルムの劣化による除去作業性を低下さ
せることがなく、塗装塗膜への糊残りや光沢変化等のな
い良好な保護効果を実現できる。
これに限定されるものではない。なお、以下の記述で部
とあるのは全て重量部である。
8重量%ランダム共重合させたエチレンプロピレン共重
合樹脂(住友化学工業株式会社製)100部に対し、白
色着色剤として酸化チタン(石原産業株式会社製)10
部、ヒンダードアミン系光安定剤(チヌビン622L
D、ガイギー社商品名)0.5部添加して混練し、これ
をTダイ法で押出成形することによって厚み40μmの
フィルムを作製した。このフィルムは波長190〜37
0nmの光線透過量が1%以下であり、マンセル表色系
でN9の白色であった。このフィルムを支持体として用
い、表面にポリイソブチレン(MML−80、トーネッ
クス株式会社商品名、数平均分子量Mn=18万)10
0部に対し、紫外線吸収剤(チヌビン327、チバガイ
ギー社商品名)を3部添加してなる粘着剤を固形分で厚
さが10μmになるように塗布し、自動車塗膜保護用粘
着フィルムを作製した。これを黒色アクリル系自動車用
塗料塗装板にラミネートして試験した。この配合と試験
結果を表1に示す。
樹脂(住友化学工業株式会社製)92部に対し、ポリエ
チレン樹脂(住友化学工業株式会社製)8部、酸化チタ
ン(石原産業株式会社製)10部、ヒンダードアミン系
光安定剤(チヌビン622LD、ガイギー社商品名)
0.5部添加して混練し、これをTダイ法で押出成形す
ることによって厚み40μmのフィルムを作製した。こ
のフィルムは波長190〜370nmの光線透過量が1
%以下であり、マンセル表色系でN9の白色であった。
このフィルムを支持体として用い、表面にポリイソブチ
レン(MML−120、トーネックス株式会社商品名、
Mn=30万とオパノールB−15、BASFジャパン
株式会社商品名、Mn=4万を重量比で70/30で混
合)100部に対し、紫外線吸収剤(チヌビン327、
チバガイギー社商品名)を3部添加してなる粘着剤を固
形分で厚さが10μmになるように塗布し、自動車塗膜
保護用粘着フィルムを作製した。これを黒色アクリル系
自動車用塗料塗装板にラミネートして試験した。この配
合と試験結果を表1に示す。
樹脂(住友化学工業株式会社製)60部にポリエチレン
樹脂(住友化学工業株式会社製)40部、酸化チタン
(石原産業株式会社製)10部、ヒンダードアミン系光
安定剤(チヌビン622LD、ガイギー社商品名)0.
5部添加して混練し、これをTダイ法で押出成形するこ
とによって厚み40μmのフィルムを作製した。このフ
ィルムは波長190〜370nmの光線透過量が1%以
下であり、マンセル表色系でN9の白色であった。この
フィルムを支持体としてポリイソブチレン(MML−8
0、トーネックス株式会社商品名、Mn=18万)10
0部に対し、紫外線吸収剤(チヌビン327、チバガイ
ギー社商品名)を3部添加してなる粘着剤を固形分で厚
さが10μmになるように塗布し、自動車塗膜保護用粘
着フィルムを作製した。これを黒色アクリル系自動車用
塗料塗装板にラミネートして試験した。この配合と試験
結果を表1に示す。
8重量%ランダム共重合したエチレンプロピレン共重合
樹脂(住友化学工業株式会社製)100部に対し、酸化
チタン(石原産業株式会社製)10部、ヒンダードアミ
ン系光安定剤(チヌビン622LD、ガイギー社商品
名)0.5部添加して混練し、これをTダイ法で押出成
形することによって厚み40μmのフィルムを作製し
た。このフィルムは波長190〜370nmの光線透過
量が1%以下であり、マンセル表色系でN9の白色であ
った。このフィルムを支持体としてポリイソブチレン
(オパノールB150、BASFジャパン株式会社商品
名、Mn=43万)100部に対し、紫外線吸収剤(チ
ヌビン327、チバガイギー社商品名)を3部添加して
なる粘着剤を固形分で厚さが10μmになるように塗布
し、自動車塗膜保護用粘着フィルムを作製した。これを
黒色アクリル系自動車用塗料塗装板にラミネートして試
験した。この配合と試験結果を表1に示す。
樹脂(住友化学工業株式会社製)のみを用い、これをT
ダイ法で押出成形することによって厚み40μmのフィ
ルムを作製した。このフィルムは、波長190〜370
nmの光線透過量が50%以上であった。ポリプロピレ
ン樹脂フィルムを作製した他は、実施例1と同様にして
自動車塗膜保護用粘着フィルムを作製した。これを黒色
アクリル系自動車用塗料塗装板にラミネートして試験し
た。この配合と試験結果を表1に示す。
(ニッセツKP−1405、日本カーバイド工業株式会
社商品名)を用いた他は、実施例1と同様にして自動車
塗膜保護用粘着フィルムを作製した。これを黒色アクリ
ル系自動車用塗料塗装板にラミネートして試験した。こ
の配合と試験結果を表1に示す。
樹脂(住友化学工業株式会社製)50部に対しポリエチ
レン樹脂(住友化学工業株式会社製)50部、酸化チタ
ン(石原産業株式会社製)10部、ヒンダードアミン系
光安定剤(チヌビン622LD、ガイギー社商品名)
0.5部添加して混練し、これをTダイ法で押出成形し
厚み40μmのフィルムを作製した。このフィルムを支
持体としポリイソブチレン(MML−80、トーネック
ス株式会社商品名、Mn=18万)100部に対して紫
外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ
ベンゾフェノンを3部添加してなる粘着剤を、固形分で
厚さが10μmになるように塗布し、自動車塗膜保護用
粘着フィルムを作製した。これを黒色アクリル系自動車
用塗料塗装板にラミネートして試験した。この配合と試
験結果を表1に示す。
樹脂(住友化学工業株式会社製)100部に対し酸化チ
タン(石原産業株式会社製)10部、ヒンダードアミン
系光安定剤(チヌビン622LD、ガイギー社商品名)
0.5部添加して混練し、これをTダイ法で押出成形し
厚み40μmのフィルムを作製した。このフィルムを支
持体としポリイソブチレン(オパノールB246、BA
SFジャパン株式会社商品名、Mn=76万)100部
に対して紫外線吸収剤(チヌビン327、チバガイギー
社商品名)を3部添加してなる粘着剤を、固形分で厚さ
が10μmになるように塗布し、自動車塗膜保護用粘着
フィルムを作製した。これを黒色アクリル系自動車用塗
料塗装板にラミネートして試験した。この配合と試験結
果を表1に示す。
8wt%ランダム共重合したポリプロピレン樹脂(住友
化学工業株式会社製)100部を、Tダイ法で押出成形
し厚み40μmのフィルムを作製した。このフィルムに
ポリイソブチレン(MML−80、トーネックス株式会
社商品名、Mn=18万)100部からなる粘着剤を、
固形分で厚さが10μmになるように塗布し、自動車塗
膜保護用粘着フィルムを作製した。これを黒色アクリル
系自動車用塗料塗装板にラミネートして試験した。この
配合と試験結果を表1に示す。
レンプロピレンランダム共重合体樹脂 (*2)ガイギー社商品名:「チヌビン622LD」 (*3)BASFジャパン株式会社商品名:「オパノールB
246」 (*4)BASFジャパン株式会社商品名:「オパノールB
150」 (*5)トーネックス株式会社商品名:「MML−120」 (*6)トーネックス株式会社商品名:「MML−80」 (*7)BASFジャパン株式会社商品名:「オパノールB
15」 (*8)チバガイギー社商品名:「チヌビン327」 (*9)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 初期接着力:剥離角度90°、剥離速度200mm/分
で測定。 耐候性試験:スガ試験機株式会社製サンシャインウエザ
ーメーターを使用して、雰囲気温度43℃、50%R
H、ブラックパネル温度63℃、降雨12分/1時間の
条件で、500時間処理後の接着力、剥離したときの塗
装板剥離面及び支持体のフィルムの状態を評価した。 耐熱性試験:80℃の恒温槽に24時間放置後、接着
力、剥離したときの塗装板剥離面の状態を評価した。 注1 支持体フィルムが切断し剥離できないため測定不
能。 評価:「〇」気泡跡やフィルム貼付跡が無く良好なも
の。 「△」塗装の専門家がわかる程度の気泡跡やフィルム貼
付跡のあるもの。 「×」誰の目にも明らかな気泡跡やフィルム貼付跡があ
るもの。
して樹脂の主成分がプロピレンでありエチレン成分を5
重量%から40重量%含有し、紫外線の透過量が波長1
90〜370nmの範囲で10%以下である着色された
ポリオレフィン系フィルムを用いることにより、耐候性
が向上している。支持体に含有する安定剤は、実施例
1、比較例5の耐候性試験後のフィルムの比較から明ら
かなように添加して効果があり、種々検討した中ではヒ
ンダードアミン系光安定剤が特に有効であった。粘着剤
に添加する紫外線吸収剤は、実施例3、比較例3の比較
からベンゾトリアゾール系のものが有効であった。
重合したポプロピレン樹脂(住友化学製)92部に対
し、酸化チタン(石原産業製)8部及び耐候性向上剤と
してヒンダードアミン系のもの(MU41、住友化学
製)0.1部を添加して、Tダイ法で押し、厚さ40μ
mの基材フィルムの支持体を作製した。なお、支持体の
190〜370nmの紫外線の光透過率は1%以下、色
はマンセル表色系で9である。一方、ポリイソブチレン
(オパノールB80、BASF社、Mn=18万)10
0部に、耐候性向上剤としてベンゾトリアゾール系の紫
外線吸収剤(チヌビン327、チバガイギー製)3部、
テルペンフェノール樹脂系の粘着付与剤(YSポリスタ
ーT115、ヤスハラケミカル製)10部及びシリコー
ン系離型剤(KF−96、信越化学製)2部を添加した
粘着剤を、前記フィルムに固形分で厚さが10μmにな
るように塗布して、塗膜の表面保護フィルムを作製し
た。
樹脂(住友化学製)92部に対し、ポリエチレン樹脂
(住友化学製)8部、酸化チタン(石原産業製)8部及
び耐候性向上剤としてMU41の0.1部を添加し、T
ダイ法で押し、厚さ40μmの基材フィルムを作製し
た。この基材フィルムの190〜370nmの紫外線の
光透過率は1%以下、色はマンセル表色系で9である。
このフィルムに、ポリイソブチレンをオパノールB10
0(BASF社、Mn=25万)とオパノールB15
(BASF社、Mn=4万)との混合物(重量比で7
0:30)に変更した以外は実施例5と同じ粘着剤を、
実施例5と同様にして塗布し、表面保護フィルムを作製
した。
脂(住友化学製)だけで基材フィルムを作製した以外は
実施例5と同様にして表面保護フィルムを作製した。 (比較例7)ポリイソブチレンとしてオパノールB15
を用いた以外は実施例6と同様にして表面保護フィルム
を作製した。
添加しないこと(比較例8)、粘着付与剤を添加しない
こと(比較例9)、シリコーン系離型剤を添加しないこ
と(比較例10)以外は実施例5と同様にして表面保護
フィルムを作製した。
護フィルムを、二種類の自動車用塗料塗装板(A:アク
リル系クリヤー塗装板、B:硬質ポリエステル系ソリッ
ト塗装板)の各々に被着して(塗膜A及び塗膜Bとす
る)、初期接着力を測定し、また塗膜Aについて、耐候
性及び耐熱性の試験を行った。接着力は、幅が25mmの
フィルムの端部を90度の方向に毎分200mmの速度で
引っ張り、剥離したときの荷重(gf)を求めた。耐候性
は、スガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーター
を使用し、雰囲気温度43℃、湿度50%、ブラックパ
ネル温度63℃、降雨12分/1時間の条件で500時
間処理した後の接着力を測定し、剥離面及びフィルム全
体の外観を観察した。耐熱性は、80℃で24時間加熱
した後の接着力を測定し、剥離面の外観を観察した。こ
の結果を表2に示す。
比較例のものに比べて耐候性や耐熱性が勝っており、剥
離性に優れ、フィルムの劣化、糊残りやフィルム貼り付
け跡の発生が小である。
の塗膜保護のため一時的に使用する保護用粘着フィルム
として十分な耐候性を持ち、使用後の剥離性に優れ自動
車の塗膜に汚染を与えない良好な特性を有する粘着フィ
ルムを提供することができる。支持体に遮光性のフィル
ムを使用していることや支持体自体がプロピレン成分よ
りも耐候性に優れるエチレン成分を含有して耐候性を向
上させていることに加え着色剤の耐候性劣化の防止にヒ
ンダードアミン系光安定剤を添加して更に耐候性に優れ
たものとしているので剥離時において作業性を低下させ
ることは無い。添加剤は樹脂との相溶性に優れ粘着剤や
支持体表面への移行が無く優れたものであり、塗膜への
影響が無い。さらに、粘着剤は、塗膜との相互作用の小
さいポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリブテンのうち
少なくとも一つを主成分としているため塗膜性能を阻害
することが無い。以上の構成により塗膜に気泡跡や糊残
り等貼付跡の無い自動車塗膜保護用粘着フィルムを提供
することができ、自動車等の輸送、保管時に保護用粘着
フィルムとして塗装後間もない塗膜を紫外線から保護し
つつ塗膜の汚染や傷を防止する性能を十分に発揮するこ
とができる。
Claims (4)
- 【請求項1】エチレン5〜40重量%及び残部プロピレ
ンからなる樹脂分100重量部に耐候性向上剤を0.1
〜10重量部加え、190〜370nmの紫外線の最大
透過量が5%以下としたオレフィン系フィルムを支持体
とし、ポリイソブチレン、ブチルゴム及びポリブテンの
何れか1種以上のゴム成分を主成分とする粘着剤であっ
てゴム成分100重量部に対し、離型剤0.5〜10重
量部を含有するものを前記支持体に塗布してなる塗膜の
表面保護フィルム。 - 【請求項2】支持体の色がマンセル表色系でN8以上で
あり、耐候性向上剤がヒンダードアミン系光安定剤であ
る請求項1記載の塗膜の表面保護フィルム。 - 【請求項3】粘着剤が数平均分子量が15〜60万であ
るポリイソブチレン、ブチルゴム及びポリブテンの何れ
か1種以上を主成分とするゴム成分100重量部に対
し、粘着付与剤1〜20重量部及び耐候性向上剤0.1
〜10重量部からなる粘着剤である請求項1または2記
載の塗膜の表面保護フィルム。 - 【請求項4】粘着付与剤が水添テルペンフェノールてあ
り、かっ耐候性向上剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤である請求項3記載の塗膜の表面保護フィルム。
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