JPH08299761A - アンモニア分解除去方法 - Google Patents

アンモニア分解除去方法

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JPH08299761A
JPH08299761A JP7107210A JP10721095A JPH08299761A JP H08299761 A JPH08299761 A JP H08299761A JP 7107210 A JP7107210 A JP 7107210A JP 10721095 A JP10721095 A JP 10721095A JP H08299761 A JPH08299761 A JP H08299761A
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野島  繁
Kozo Iida
耕三 飯田
Rie Tokuyama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 各種排ガス等に含まれるアンモニアを無害な
窒素に分解除去する方法。 【構成】 アンモニアを含有するガスをアンモニア
分解触媒と接触させてアンモニアを分解除去する方法に
おいて、アンモニア分解触媒として、脱水された状態で
(1±0.8)R2 O・〔aM2 3 ・bAl2 3 〕・
cMeO・ySiO2 (式中、Rはアルカリ金属イオン
及び/又は水素イオン、MはVIII族元素、希土類元素、
チタン、バナジウム、クロム、ニオブ、アンチモン、ガ
リウムからなる群から選ばれた1種以上の元素、Meは
アルカリ土類元素、a≧0、b≧0、c≧0、a+b=
1、y/c>12、y>12)の化学組成を有する結晶
性シリケートよりなる担体及びその他の担体に活性金属
としてルテニウムを担持した触媒を使用するアンモニア
分解除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種排ガス等に含まれる
アンモニアを無害な窒素に分解除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アンモニアは肥料や硝酸の製造原料、冷
媒、排ガス中の窒素酸化物除去用還元剤等幅広い分野で
使用されている。したがって、各種化学品製造工場、冷
凍機等の廃棄物処理工場あるいは燃焼排ガス処理施設等
からは多量のアンモニアが排出される。アンモニアは特
異な刺激臭を有する気体であり大気中への放出は極力抑
える必要がある。しかし、生物の腐敗によるアンモニア
の生成や廃棄物中の冷媒からのアンモニアの放散、さら
に煙道排ガス中の窒素酸化物の還元に用いられるアンモ
ニアが未反応のまま大気放出される等、多くの場所でア
ンモニアが大気放出されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アンモニアの大気放出
を防ぐ方法の一つとしてケイソウ土等の担体に酸化鉄や
酸化ニッケルを担持させた触媒を利用して次の反応式に
よりアンモニアを無害な窒素に分解する方法が知られて
いる。
【化1】 2NH3 + 3/2O2 → N2 + 3H2 O (1) ところが、従来の触媒では前記反応以外に次のような副
反応によりNO,NO 2 ,N2 O等の生成が認められ、
新たに大気汚染を生じる恐れがあった。
【化2】 2NH3 + 5/2O2 → 2NO + 3H2 O (2) 2NH3 + 7/2O2 → 2NO2 + 3H2 O (3) 2NH3 + 2O2 → N2 O + 3H2 O (4)
【0004】本発明の目的は前記従来技術の問題点を解
決し、大気汚染のもととなる窒素酸化物を副生する恐れ
がなく、高い収率でアンモニアを分解除去することので
きるアンモニア分解除去方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)アンモ
ニアを含有するガスをアンモニア分解触媒と接触させて
アンモニアを分解除去する方法において、アンモニア分
解触媒として、脱水された状態で、(1±0.8)R2
・〔aM2 3 ・bAl2 3 〕・cMeO・ySiO
2 (式中、Rはアルカリ金属イオン及び/又は水素イオ
ン、MはVIII族元素、希土類元素、チタン、バナジウ
ム、クロム、ニオブ、アンチモン、ガリウムからなる群
から選ばれた1種以上の元素、Meはアルカリ土類元
素、a≧0、b≧0、c≧0、a+b=1、y/c>1
2、y>12)の化学組成を有し、かつ下記表Aで示さ
れるX線回折パターンを有する結晶性シリケートよりな
る担体に活性金属としてルテニウムを担持した触媒を使
用することを特徴とするアンモニア分解除去方法(第1
発明)及び(2)前記ルテニウム触媒の担体がγ−Al
2 3 、θ−Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、TiO
2 ・ZrO2 、SiO2・Al2 3 、Al2 3 ・T
iO2 、SO4 /ZrO2 、SO4 /ZrO2 ・TiO
2 、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、フェリエライ
ト、モルデナイト及びゼオライトβよりなる群から選ば
れた少なくとも1種以上の多孔質物質であることを特徴
とする上記(1)記載のアンモニア分解除去方法(第2
発明)である。
【0006】前記第1発明触媒を構成する結晶性シリケ
ートは表Aに示すようなX線回折パターンを示す結晶構
造を有するのが特徴である。また、前記第1及び第2発
明触媒を構成する担体はいずれも酸性点を多く有してお
り、この酸性点が分解したNH3 を選択的にN2 に転換
する役目を有する。なお、第2発明のγ−Al2 3
θ−Al2 3 、ZrO2 、TiO2 は単独酸化物、T
iO2 ・ZrO2 、SiO2 ・Al2 3 、Al2 3
・TiO2 は複合酸化物であり、SO4 /ZrO2 、S
4 /ZrO2 ・TiO2 は硫酸根を配位したZrO2
またはZrO2・TiO2 であり一般的に固体超強酸と
呼ばれるものであり、前者は水酸化ジルコニウムZr
(OH)4 を1N硫酸に浸漬し、ろ過後、硫酸処理した
Zr(OH)4 を乾燥し、600℃で3時間焼成するこ
とによって得られ、後者はZr(OH)4 の代わりに、
複合水酸化物Zr(OH)4 ・Ti(OH)4 を用いて
前者と同様な方法によって得られるものである。また、
Y型ゼオライト、X型ゼオライトは共にフォージャサイ
ト型結晶構造を形成しており、細孔径は0.74nm、
酸素12員環を有するもので、Y型ゼオライトはSiO
2 /Al2 3 =3〜6、X型ゼオライトはSiO2
Al2 3 =2〜3のものをいう。ゼオライトβは細孔
径0.76×0.64nmを有し、酸素12員環を形成
するゼオライトである。なお、前記触媒は必要により、
アルミナゾル、シリカゾル等のバインダ成分やコージェ
ライト等の基材を使用し、ウオッシュコート法又はソリ
ッド法によりハニカム化して使用するのが好ましい。
【0007】
【表1】 VS:非常に強い M:中級 S:強い W:弱い (X線源 Cu)
【0008】
【作用】アンモニアを含有するガスを、100〜600
℃の温度で前記触媒に接触させることにより、ガス中の
アンモニアは窒素に分解される。この分解反応は選択的
に進行し、NO、NO2 、N2 O等の有害ガスが多く副
生することはない。さらに、前記触媒はSO2 が共存す
る排ガスにおいても、アンモニア分解活性が低下するこ
となく安定なアンモニア分解性能を保つ。また、SO2
をSO3 へ酸化させる能力は低いため酸性硫酸アンモニ
ウム生成の不具合点も見られない。また、前記触媒はア
ンモニアを含有する排ガス中にCOや炭化水素が共存し
た場合でもアンモニア分解活性、N2 選択性はほとんど
変わらない。こゝにいうN2 選択性とは分解したN3
らN2 へ変化した割合を示し、N2 選択率=生成したN
2 /消費したN3 ×100=〔1−(生成したNOx)
/(消費したNH3 )〕×100で定義されるものであ
る。
【0009】前記結晶性シリケート(第1発明)及び各
種担体(第2発明)に担持するルテニウムの金属はイオ
ン交換法によりこれらの金属イオンを含有させるか、ま
たは塩化物等の金属塩水溶液を含浸させる含浸法により
含有させることができる。担持するルテニウムは0.0
1wt%以上で十分に活性が発現し、好ましくは0.0
5wt%以上で高い活性を有する。
【0010】
【実施例】以下、本発明において使用する触媒の調製例
及びそれら触媒を用いた実施例をあげ、本発明の効果を
明らかにする。
【0011】(例1)(触媒の調製例) 〇(触媒1の調製) 水ガラス1号(SiO2 :30%):5616gを水:
5429gに溶解し、この溶液を溶液Aとした。一方、
水:4175gに硫酸アルミニウム:718.9g、塩
化第二鉄:110g、酢酸カルシウム:47.2g、塩
化ナトリウム:262g及び濃塩酸:2020gを混合
して溶解し、この溶液を溶液Bとした。溶液Aと溶液B
を一定割合で供給して沈殿を生成させ、十分攪拌してp
H=8.0のスラリを得た。このスラリを20リットル
のオートクレーブに仕込み、さらにテトラプロピルアン
モニウムブロマイドを500g添加し、160℃にて7
2時間水熱合成を行い、合成後水洗して乾燥させ、さら
に500℃、3時間焼成させ結晶性シリケート1を得
た。この結晶性シリケート1は酸化物のモル比で(結晶
水を省く)、0.5Na2 O・0.5H2 O・〔0.8
Al2 3 ・0.2Fe2 3 ・0.25CaO〕・2
5SiO2 の組成式で表され、結晶構造はX線回折で前
記表Aにて表示されるものであった。
【0012】上記結晶性シリケート1を4NのNH4
l水溶液40℃に3時間攪拌してNH4 イオン交換を実
施した。イオン交換後洗浄して100℃、24時間乾燥
させた後、400℃、3時間焼成してH型の結晶性シリ
ケート1を得た。
【0013】次に、上記H型の結晶性シリケート1:1
00gを塩化ルテニウム塩酸溶液(RuCl3 1.0
g/5%HCl−100cc)に含浸させ、Ruを0.
5wt%担持させ、蒸発乾固後、200℃で乾燥させ、
さらに500℃、空気雰囲気で5時間焼成し、粉末触媒
1を得た。得られた粉末触媒:100部に対してバイン
ダとしてシリカゾル:20部(SiO2 :20wt%)
及び水:200部を加え、スラリとして7.6mmピッ
チ、壁厚:1mmのコージェライトハニカム基材にウオ
ッシュコート法にて基材表面積あたり200g/m2
コートした。得られた触媒をハニカム触媒1とする。
【0014】〇 触媒2〜15の調製 上記ハニカム触媒1の調製での結晶性シリケート1の合
成法において、塩化第二鉄の代わりに塩化コバルト、塩
化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化ランタン、塩化セリ
ウム、塩化チタン、塩化バナジウム、塩化クロム、塩化
アンチモン、塩化ガリウム及び塩化ニオブを各々酸化物
換算でFe2 3 と同じモル数だけ添加した以外は結晶
性シリケート1と同様の操作を繰り返して結晶性シリケ
ート2〜12を調製した。これらの結晶性シリケートの
結晶構造はX線回折で前記表Aに表示されるものであ
り、その組成は酸化物のモル比(脱水された形態)で表
わして(0.5±0.3)Na2 O・(0.5±0.
3)H2 O・(0.2M2 3・0.8Al2 3
0.25CaO)・25SiO2 である。ここでMはC
o,Ru,Rh,La,Ce,Ti,V,Cr,Sb,
Ga,Nbである。
【0015】さらに、結晶性シリケート1の合成法にお
いて、酢酸カルシウムの代わりに酢酸マグネシウム、酢
酸ストロンチウム、酢酸バリウムを各々酸化物換算でC
aOと同じモル数だけ添加した以外は結晶性シリケート
1と同様の操作を繰り返して結晶性シリケート13〜1
5を調製した。これらの結晶性シリケートの結晶構造は
X線回折で前記表Aに表示されるものであり、その組成
は酸化物のモル比(脱水された形態)で表わして0.5
Na2 O・0.5H2 O・(0.2Fe2 3・0.8
Al2 3 ・0.25MeO)・25SiO2 である。
ここでMeはMg,Sr,Baである。
【0016】上記結晶性シリケート2〜15を用いてハ
ニカム触媒1と同様の方法でH型の結晶性シリケート2
〜15を得、このシリケートをさらにハニカム触媒1の
調製と同様の工程にて塩化ルテニウム溶液に含浸して粉
末触媒2〜15を得た。この粉末触媒をコージェライト
モノリス基材にコートしてハニカム触媒2〜15を得
た。以上のハニカム触媒1〜15の性状を下記表Bにま
とめて示す。
【0017】また、前記ハニカム触媒1の結晶性シリケ
ートの代わりに、γ−Al2 3 、θ−Al2 3 、Z
rO2 、TiO2 、TiO2 ・ZrO2 、SiO2 ・A
23 、Al2 3 ・TiO2 、SO4 /ZrO2
SO4 /ZrO2 ・TiO2、Y型ゼオライト、X型ゼ
オライト、フェリエライト、モルデナイト及びゼオライ
トβを用いて触媒1と同様の方法にてルテニウムを担持
して、ハニカム触媒16〜29を得た。これらの触媒1
6〜29を表Cにまとめて示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】(例2)(アンモニア分解除去例1) ハニカム触媒1〜29を用いてアンモニア分解試験を実
施した。反応管に40×50×150mmを3本直列に
設置したハニカム触媒1〜29を入れ、下記表Dの組成
のアンモニア含有ガスを全ガス量22Nm3 /hr、ハ
ニカム表面積当りのガス量35Nm3 /m2 ・hrの条
件で流し、反応温度300℃及び400℃でアンモニア
分解性能を調べた。
【0021】
【表4】
【0022】性能評価は反応初期状態におけるアンモニ
ア分解率及びNOx(NO、NO2、N2 O)生成率及
びSO2 酸化率を測定することによって行なった。な
お、アンモニア分解率及びNOx生成率は次の式により
求めた。
【数1】 〇アンモニア分解率(%)= 〔(入口NH3 −出口NH3 )/入口NH3 〕×100
【数2】 〇NOx生成率(%)= 〔(出口(N2 O×2+NO+NO2 ))/入口NH3 〕×100
【数3】 〇SO2 酸化率(%)=〔出口SO3 /入口SO2 〕×100 これらの測定結果を表Eにまとめて示す。
【0023】
【表5】
【0024】(例3)(アンモニア分解除去例2) ハニカム触媒1〜29を使用し実施例1と同一の条件に
て長時間通ガスすることにより耐久性評価試験を実施し
た。その結果、前記ガス条件にて1000時間供給後に
おいても表Eと同様のアンモニア分解率、NOx生成率
及びSO2 酸化率を維持しており、耐久性に優れた触媒
であることが確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明のアンモニア分解方法によれば、
SO2 の酸化やNOx等の副生成物を多く生ずることな
く、アンモニアを無害な窒素に分解することができる。
このような分解処理方法は従来なかったものであり、そ
の産業上の利用価値は極めて大きいものがある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 29/072 ZAB B01J 29/072 ZABA 29/076 ZAB 29/076 ZABA 29/12 ZAB 29/12 ZABA 29/22 ZAB 29/22 ZABA 29/67 ZAB 29/67 ZABA

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアを含有するガスをアンモニア
    分解触媒と接触させてアンモニアを分解除去する方法に
    おいて、アンモニア分解触媒として、脱水された状態で
    (1±0.8)R2 O・〔aM2 3 ・bAl2 3 〕・
    cMeO・ySiO2 (式中、Rはアルカリ金属イオン
    及び/又は水素イオン、MはVIII族元素、希土類元素、
    チタン、バナジウム、クロム、ニオブ、アンチモン、ガ
    リウムからなる群から選ばれた1種以上の元素、Meは
    アルカリ土類元素、a≧0、b≧0、c≧0、a+b=
    1、y/c>12、y>12)の化学組成を有し、かつ
    発明の詳細な説明の項に記載の表Aで示されるX線回折
    パターンを有する結晶性シリケートよりなる担体に活性
    金属としてルテニウムを担持した触媒を使用することを
    特徴とするアンモニア分解除去方法。
  2. 【請求項2】 前記ルテニウム触媒の担体がγ−Al2
    3 、θ−Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、TiO2
    ・ZrO2 、SiO2 ・Al2 3 、Al23 ・Ti
    2 、SO4 /ZrO2 、SO4 /ZrO2 ・Ti
    2 、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、フェリエライ
    ト、モルデナイト及びゼオライトβよりなる群から選ば
    れた少なくとも1種以上の多孔質物質であることを特徴
    とする請求項1記載のアンモニア分解除去方法。
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