JPH0829917B2 - クレーンの安全装置 - Google Patents

クレーンの安全装置

Info

Publication number
JPH0829917B2
JPH0829917B2 JP1251249A JP25124989A JPH0829917B2 JP H0829917 B2 JPH0829917 B2 JP H0829917B2 JP 1251249 A JP1251249 A JP 1251249A JP 25124989 A JP25124989 A JP 25124989A JP H0829917 B2 JPH0829917 B2 JP H0829917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
radius
allowable
load
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1251249A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03115091A (ja
Inventor
英昭 吉松
憲彦 林
秀樹 絹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP1251249A priority Critical patent/JPH0829917B2/ja
Publication of JPH03115091A publication Critical patent/JPH03115091A/ja
Publication of JPH0829917B2 publication Critical patent/JPH0829917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jib Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、旋回可能なブームを備えたクレーンにおい
て、吊り荷の重量に応じて限界作業領域を設定し、これ
に基づき強制的な駆動停止や警報等の安全動作を行わせ
る安全装置に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、旋回可能なブームを備えたクレーンでは、そ
の座屈、転倒等を防ぐため、作業状態が安全領域を超え
た場合に強制的にクレーンを自動停止させるといった安
全装置が備えられている。
従来、このような装置では、許容条件が旋回角に拘ら
ず360°全域に亘って同等に設定されていたが、クレー
ンに備えられるアウトリガジャッキは常に完全に張出さ
れるとは限らず、小幅の道路等、作業場所によっては一
部のアウトリガジャッキの張出し量が各々異なることが
あるため、この場合には旋回角によっても許容条件を変
える必要がある。
そこで、特開昭57-27893号公報には、クレーンの作業
状態を時々刻々検出し、その検出値と各状態に対応して
記憶された吊上げ能力の設定値からクレーンの定格荷重
を定め、この定格荷重と実荷重との比較に基づいて安全
動作を行うようにしたものが示されている。
また、実開昭62-89289号公報には、各アウトリガジャ
ッキの張出し量に応じてブームの旋回許容範囲を記憶し
ておき、実際の作業状態がこの範囲を超えた場合に旋回
駆動およびブーム駆動を停止させるようにしたものが示
されている。上記旋回許容範囲としては、左右でアウト
リガジャッキの張出し量が異なる場合、ブームの旋回方
向について安定区間と不安定区間とに分け、安定区間に
は最大作業領域を設定し、不安定区間には上記最大作業
領域よりも小さい中間作業領域を設定している。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭57-27893号公報の装置では、算出された定格荷
重と実荷重とを比較するものであるため、ブーム長およ
び作業半径が固定された状態で現在の荷重を吊上げられ
るか否かを判断するには都合がよいが、この荷重を吊上
げた状態でどの位置まで旋回できるかといった限界作業
領域を把握するのは困難である。
また、実開昭62-89289号公報に示される装置では、安
定区間から不安定区間に移行する際に許容作業範囲が急
激に減少するため、この時点で強制的にクレーンが自動
停止される確率が高い。しかし、現実の許容作業領域は
クレーンの旋回角に応じて連続的に変化するものであ
り、上記のようにある旋回角を境に断続的に減少するも
のではないので、クレーンの運転者に違和感を与えると
ともに、作業可能領域を必要以上に狭めてしまう不都合
がある。
本発明は、このような事情に鑑み、作業者にとって限
界作業領域が把握し易く、かつこの限界作業領域を安全
な範囲で広く確保することができるクレーンの安全装置
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、旋回可能なブームとアウトリガジャッキと
を備え、上記ブームの所定位置に吊り荷が吊下げられる
クレーンの安全装置であって、ブームの作業半径を検出
する作業半径検出手段と、旋回角を検出する旋回角検出
手段と、各アウトリガジャッキの張出し量を検出するア
ウトリガジャッキ検出手段と、上記吊り荷の重量および
各アウトリガジャッキの張出し量に応じてブームの旋回
角と許容作業半径とに関する限界作業領域を設定する限
界作業領域設定手段と、この設定された限界作業領域と
実際のブームの作業半径および旋回角とに基づいて安全
動作を行わせる作動手段とを備えるとともに、上記限界
作業領域を周方向について安定区間と不安定区間とに分
け、安定区間には第1の許容作業半径を設定し、不安定
区間中の最不安定区間には上記第1の許容作業半径より
も小さい第2の許容作業半径を設定し、それ以外の区間
には旋回角に応じて上記第1の許容作業半径から第2の
許容作業半径まで連続的に減少するような許容作業半径
を設定するように上記限界作業領域設定手段を構成した
ものである。
〔作用〕
上記構成によれば、第1の許容作業半径をもつ円弧、
第2の許容作業半径をもつ円弧、およびこれらの円弧を
つなぐ直径または曲線からなる、連続した線で囲まれた
限界作業領域が設定されるとともに、この限界作業領域
と実際のブームの旋回角及び作業半径とに基づいて安全
動作が行われる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第9図に示されるクレーン10は、鉛直方向の旋回軸10
1回りに旋回可能なブームフット102を備え、このブーム
フット102に、N個のブーム部材B1〜BNからなる伸縮可
能なブームBが取付けられている。このブームBは、水
平方向の回動軸103を中心に回動可能(起伏可能)に構
成され、その先端部(ブームポイント)にロープ104で
吊り荷Cが吊下げられている。なお、以下の説明でB
n(n=1,2,…,N)はブームフット102側から数えてn番
目のブーム部材を示すものとする。
また、このクレーン10のロアフレームの前後左右の4
隅には、側方に張出されるアウトリガジャッキ105が配
設されている。
このクレーン10には、第1図に示されるようなブーム
長センサ11、ブーム角センサ12、シリンダ圧力センサ1
3、アウトリガジャッキ張出し量センサ14、旋回角セン
サ15、角速度センサ16、およびロープ長センサ17が配設
され、各センサの検出信号が演算制御装置20に入力され
るとともに、この演算制御装置20からは、警報器31、デ
ィスプレイ画面をもつ表示装置32、および旋回駆動用の
油圧システム33に制御信号が出力されるようになってい
る。
第2図は、上記演算制御装置20の機能構成を示したも
のである。この演算制御装置20は、大別して、 1) 負荷率に関する演算制御 2) 限界作業領域に関する演算制御 の2つを行うように構成されている。
1) 負荷率の演算制御に関する機能構成 図において、作業半径算出手段21は、ブーム長センサ
11およびブーム角センサ12により各々検出されたブーム
長LBおよびブーム角φから吊り荷Cの作業半径Rを算出
するものである。吊上げ荷重算出手段22は、上記ブーム
長LB、ブーム角φ、およびシリンダ圧力センサ13により
検出されたブームアッパのシリンダ圧力pにより、実際
に吊上げられた吊り荷Cの荷重Wを算出するものであ
る。
負荷率算出手段23は、上記作業半径R、ブーム長LB
安全係数α、旋回角センサ15により検出された旋回角
θ、およびアウトリガジャッキ張出し量センサ14により
検出された各張出し量d1,d2,d3,d4に基づいて定格荷重W
0を算出するとともに、この定格荷重W0に対する実際の
吊上げ荷重Wの比、すなわち、負荷率W/W0を算出するも
のである。
第1警告制御手段291は、上記負荷率算出手段23によ
り算出された負荷率W/W0が90%以上となった時点で警報
器31へ制御信号を出力し、警報を行わせるものである。
第1停止制御手段は、上記負荷率W/W0が100%を超えた
時点で油圧システム30に制御信号を出力し、旋回動作を
除くクレーン動作(ブームBの伸長・倒伏、吊り荷Cの
巻上げ等)を強制的に停止させるものである。
以上の手段によって、負荷率W/W0が算出され、この負
荷率W/W0に基づいて安全動作が制御される。
2) 限界作業領域の演算制御に関する機能構成 限界作業領域設定手段24は、上記吊上げ荷重W、およ
び上記アウトリガジャッキ張出し量センサ14で検出され
た各アウトリガジャッキ105の張出し量d1〜d4に基づ
き、クレーン10の限界作業領域、すなわちそのときの吊
り上げ荷重WでブームBの先端が移動できる領域を算出
するものである。この領域は、作業半径Rと旋回各θと
の関係式R=f(θ)で与えられる。また、残り角度算
出手段25は、ブームBが現在の位置から上記限界作業領
域を超えるまでに旋回できる残り角度θcを算出するも
のである。
一方、制動角加速度算出手段26は、上記作業半径R、
ブーム長LB、ブーム角φ、および角速度センサ16とロー
プ長センサ17により各々検出される角速度Ω0および吊
り荷の振れ径lに基づき、実際の制度角加速度βを算出
するものである。具体的には、第3図に示されるような
ブーム慣性モーメント算出手段261、許容角加速度算出
手段262、および実際角加速度算出手段263を備え、吊り
荷Cの振れを生じさせず、かつ強制停止時の慣性力に対
するブームBの横曲げ強度を考慮した制度角加速度βを
算出する。
所要角度算出手段27は、旋回制動開始前の角速度Ω0
に基づき、上記制動角加速度βで制動を開始してから停
止するまでにブームBが旋回する角度(所要角度)θr
を算出するものである。余裕角度算出手段28は、上記残
り角度θcと所要角度θrの差である余裕角度Δθを算出
するものである。
第2警告制御手段293は、算出された余裕角度Δθが
所定値以下となった時点で警報器31に制御信号を出力
し、警報を行わせるものである。第2停止制御手段294
は、上記余裕角度Δθが0となった時点で油圧システム
33内のモータへ制御信号を出力し、上記制動角加速度β
でブームBの旋回を制動停止させるとともに、作業半径
Rが大きくなる動作を強制的に停止させるものである。
以上の手段によって、限界作業領域が設定され、この
領域と現在の作業状態との比較により安全動作が制御さ
れるようになっている。
次に、この演算制御装置20が実際に行う演算内容およ
び制御内容を説明する。
1) 負荷率に関する演算制御 作業半径演算手段21は、まず、フレーム長LBおよびブ
ーム角φによってブームBの撓みを考慮に入れない作業
半径R′およびブームBの撓みによる誤差ΔRを求め、
両者から作業半径Rを算出する。吊上げ荷重算出手段22
は、算出された作業半径R、ブーム長LB、およびシリン
ダ圧力pから、実際に吊上げられた吊り荷Cの荷重Wを
算出する。負荷率算出手段23は、上記作業半径R、ブー
ム長LB、アウトリガジャッキ105の張出し量d1〜d4、お
よび予め定められた安全係数αに基づき、現在の旋回角
θに対応する定格荷重W0を作業半径と荷重とに基づいて
設定された定格荷重を記憶したメモリの中から呼び出す
か、あるいはこのメモリの値から補間演算で算出し、負
荷率W/W0を算出する。
この負荷率W/W0が90%以上の場合には、第1警告制御
手段291の出力信号を受けた警報器31から警報が発せら
れるため、作業者は、吊上げた荷Cによる荷重Wが定格
荷重W0に近いことを知ることができる。また、負荷率W/
W0が100%を超える場合、すなわち、実荷重Wが定格荷
重W0を上回る場合には、危険防止のため、第1停止制御
手段292の出力信号により旋回を除くクレーン10の作動
が強制的に停止される。
2) 限界作業領域に関する演算制御 限界作業領域設定手段24は、上記吊上げ荷重W、およ
び角アウトリガジャッキ105の張出し量d1〜d4に応じた
限界作業領域を設定する。
その設定要領を第4図に示す。まず、クレーン10の旋
回中心Oから各アウトリガジャッキ105の張出し位置FL,
FR,RL,RRへ直線を引き、アウトリガジャッキ105の張出
し量が少ない側(この図ではクレーン10の左側)に引い
た直線から予め定められた一定の角度φだけ中心側にず
らした線を境界線41,42とする。そして、この境界線41,
42を境としてクレーン10の右側の領域を安定区間とし、
この区間には、実際の吊上げ荷重Wに応じた最大の許容
作業半径(第1の許容作業半径)r1を設定する。すなわ
ち、この区間の限界作業領域は、上記半径r1をもつ円弧
43で囲まれた扇形になる。
これに対し、上記境界線41,42を境にしてクレーン10
の左側の領域は不安定区間とする。従来、この不安定区
間には上記第1の許容作業半径r1よりも小さな第2の許
容作業半径r2をもつ円弧44からなる限界作業領域が設定
されていたが(第4図の二点鎖線参照)、この装置で
は、第5図にも示されるように、各境界線41,42上の境
界点P1,P2から上記円弧44に接線L1.L2を引き、これらの
接線L1,L2、および上記円弧44の一部で囲まれる領域を
限界作業領域として設定する。
従って、この限界作業領域設定手段24で設定される限
界作業領域の境界線は、一般に作業半径Rと旋回角θと
の関係式R=f(θ)で表される。具体的に、安定区間
ではR=r1(一定)、不安定区間中の最不安定区間(円
弧44の部分)ではR=r2≦r1(一定)となる。また、こ
れ以外の領域、すなわち接線L1,L2の部分については、
第5図に示されるように、円弧44から直線L1へ移行する
ときの旋回角をθ0とすると、 Rcos(θ0−θ)=r2 が成立するので、接線L1は、 R=r2cos(θ0−θ) の直線式で表される。
なお、上記許容作業半径r1,r2は、吊上げ荷重Wに応
じて逐次算出するようにしてもよいし、吊上げ荷重Wを
何段階かに分けて各段階別にメモリに記憶させておいて
もよい。例えば、各アウトリガジャッキ105の張出し量d
1〜d4が一定の場合には、第6図に示されるように、各
吊上げ荷重Wに応じた限界作業領域は、全て略相似形に
なる(実戦62、二点鎖線61,63,64参照)。
残り角度算出手段25は、現在の作業半径Rおよび旋回
角θに基づき、旋回によって上記限界作業領域を超える
までの残り角度θcを算出する。
例えば、第6図において現在のブームポイントの位置を
Aとし、この位置Aを通る円弧と限界作業領域の領域線
との交点をCとすると、直線OA,OCのなす角度が残り角
度θcとなる。
一方、制動角加速度算出手段26は、次の手順を経るこ
とにより、ブームBの横まげ強度を考慮し、かつ荷振れ
を生じさせない制動角加速度βを算出する。
まず、ブーム慣性モーメント算出手段261は、各ブー
ム部材Bnの慣性モーメントInを次式に基づいて算出す
る。
In=In0+(W1/g)・Rn 2 ここで、In0は各ブーム部材Bnの重心回りの慣性モーメ
ント(定数)を示し、Wnは各ブーム部材Bnの自重、gは
重力加速度、Rnは各ブーム部材Bnの重量の旋回半径を示
す。
許容角加速度演算手段262は、次のようにして許容角
加速度β1を求める。
一般に、クレーン10のブームBおよびブームフット10
2は十分な強度を有しているが、ブーム長LBが長くなる
と、旋回制御時に発生する慣性力に起因してブームBに
大きな横曲げ力が作用する。この横曲げ力による強度的
な負担はブームフット102付近で最大となるので、ここ
では、旋回軸101回りのモーメントに基づいて強度評価
を行うようにしている。
具体的に、旋回制動時の角加速度をβ′とすると、ブ
ームBの旋回に起因してその旋回中心に作用するモーメ
ントNBは次式で表される。
ここで、Wは上記吊上げ荷重算出手段22で算出された
吊上げ荷重である。また、ブームBの横曲げ強度に関す
る定格荷重をW0′とすると、この強度についての許容条
件は次の式で表される。
NB/RB≦W0 … ただし、RB=LBcosφ この式に式を代入すると、 従って、この式を満たす最大の角加速度β′を許容
角加速度β1に設定すればよい。なお、上記定格荷重
W0′は一定の値に定めてもよいが、ブームBの撓みなど
を考慮して、ブーム長LBや作業半径Rが大きくなるほ
ど小さい値に設定するようにしてもよい。
実際角加速度算出手段263は、このようにして算出さ
れた許容角加速度β1と、角速度センサ16およびロープ
長センサ17の検出結果から求められるブーム角速度(減
速前の角速度)Ω0および荷振れ径lとに基づいて、実
際の制動角加速度βを算出する。
その算出要領を説明する。まず、クレーン10に吊下げ
られた吊り荷Cについて、第7図に示されるような単振
り子のモデルを考える。この系の微分方程式は次式で与
えられる。
+(g/l)η=−/l … V=V0+at … ここで、ηは吊り荷Cの振れ角、Vは時間tとともに
変化するブームポイントの旋回速度、V0は同ブームポイ
ントの旋回停止開始前の旋回速度(=RΩ0)、aはそ
の加速度を示す。式の両辺を時間tで微分して式の
右辺に代入し、かつ式の両辺にdη//dtを掛け、初期
条件(t=0でη=0,=0)の下で積分すると、次の
式が得られる。
(η+a/g)2+(/ω)2=(a/g)2 この式をηと/ωに関する位相平面上に表すと、第
8図に示されるように、点A(−a/g,0)を中心として
原点O(0,0)を通る円を描くことになる。この円を1
周するための時間、すなわち単振り子の状態が原点Oか
ら変化して同状態に復帰する周期Tは、T2π/ωで与え
られるため、クレーンの旋回停止を開始した時点(点
O)から時間nT(nは自然数)後に完全停止するように
角加速度βを設定すれば、吊り荷の振れなくクレーンを
停止させることができる。一方、上記ωは重力加速度g
および振れ径lで決定される一定値であるため、荷振れ
のない旋回停止が可能な角加速度βに次式より求められ
ること ができる。
β=−Ω0/nT =−ωΩ0/2nπ (nは自然数) また、ブームBの横曲げ強度に関しては|β|≦β1
が条件であるため、この条件を満たす範囲内で最小の自
然数nを選択することにより、必要最小時間で荷振れな
くクレーンを停止させるための実際の制動角加速度βを
得ることができる。
所要角度算出手段27は、現在の角速度(すなわち制動
前の角速度)Ω0に基づき、上記制動角加速度βで旋回
停止を行う場合に制動を開始してから完全に停止するま
でに必要な旋回角度(所要角度)θrを算出する。具体
的に、制動を開始してから完全停止するまでの所要時間
をtとすると、 Ω0+βt=0 θr=βt2/2+Ω0t の2式が成立するので、両式からtを消去することによ
り、所要角度θrが得られる。
余裕角度算出手段28は、制動を開始するまでに現在の
角速度Ω0で旋回できる角度、すなわち余裕角度Δθ
(=θc−θr)を算出する。例えば第6図において、位
置Cで完全停止するために制動を開始しなければならな
い位置をDとすると、上記余裕角度Δθは直線OA,ODの
なす角度となる。
第2停止制御手段294は、この算出された余裕角度Δ
θが0となった時点、例えば第6図ではブームBが位置
Dに到達した時点で、油圧システム33に制御信号を出力
することにより、ブームBの旋回制動および作業半径で
大きくなる動作の強制停止を行う。このとき、吊り荷C
の振れを防ぐため、上記制動角加速度βで停止するよう
に油圧モータ圧力PBを設定する。
この油圧モータ圧力PBの算出要領の一例を示す。い
ま、ブームB以外の旋回部材に関する慣性モーメントの
総和をIuとすると、旋回制動に必要なトルクTBは、 となる。一方、このトルクTBは油圧モータ側の条件と
次式の関係にある。
TB=(PBQH/200π)・i0/ηm … QH:モータ容量 i0:総減速比 ηm:機械効率 従って、この式を上記式に代入することにより、
実際の油圧モータ圧力PBを得ることができる。
これに対し、第2警告制御手段293は、上記余裕角度
Δθが0でなく所定値以下になった時点で警報器31に制
御信号を出力し、警報を行わせる。これによって作業者
は、あと残り僅かな旋回で、自動的に制動がかけられる
ことを知ることができる。
さらに、この演算制御装置20は、各値に関する情報信
号を表示装置32に出力し、第6図に示されるような画面
表示を行わせる。すなわち表示装置32は、その画面上
に、クレーン10のロアフレームの位置、各アウトリガジ
ャッキ105の張出し位置FL,FR,RL,RR、限界作業領域(例
えば吊上げ荷重Wが10tの場合には実線62)、さらには
作業半径Rおよび旋回角θの双方を示す線分60を表示す
る。これによって作業者は、現在の作業状態と限界作業
領域との関係を一目で把握することができる。
以上のように、この装置では、限界作業領域の設定に
関し、第4図に示されるような境界線41,42で安定区間
と不安定区間とに分けるとともに、不安定区間について
は、一律に第2の許容作業半径r2をもつ限界作業領域を
設定するのではなく、この第2の許容作業半径r2から第
1の許容作業半径まで連続的に変化するような限界作業
領域を設定するので、従来のように境界線41,42で断続
的に許容作業半径が変化するものに比べ、作業者は違和
感を感じることなく容易に限界作業領域を把握すること
ができ、また実際にクレーン10で作業できる範囲も大幅
に拡大することができる。具体的に、第4図の場合には
ハッチングで示された分だけ領域が拡大される。
また、同図における破線45は、各作業半径および旋回
角から算出される定格荷重W0から逆算して求められた限
界作業領域を示したものであるが、この破線45の領域に
比べ、本装置で設定される領域は非常に把握し易く、し
かもその作業可能範囲がほとんど変らないことが良く分
かる。特に、この装置のように限界作業領域が表示装置
32に表示されるものでは、作業者が受けるイメージの差
はより顕著となる。
さらに、ブームBの旋回によるロアフレームの捩り変
形は、ブームBがアウトリガジャッキ105のほぼ上方に
位置する点で最大となるため、上記破線45で示される長
方形状の領域の4隅の部分の実際の作業能力は計算で求
められた値よりも小さくなるので、この装置のように安
定区間全体を単一の円弧で設定した領域は、より現実に
即しているといえる。
なお、上記実施例では円弧43から円弧44へ移るまでの
領域を、円弧44への接線L1,L2で決めるようにしている
が、本発明では第1の作業半径r1から第2の作業半径r2
まで連続的に変化するものであればよく、例えばR=b
θ(bは定数)で示される曲線等、他の直線や曲線で決
めるようにしてもよい。
また、本発明は限界作業領域に基づいて安全動作が制
御されるものであれば適用が可能であり、その具体的な
制御内容は問わない。本発明が適用されるクレーンの種
類も問わず、旋回可能なブームを備え、その所定位置に
荷が吊り下げられるものであればよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、吊上げ荷重およびアウトリガ
ジャッキの張出し量に基づきブームの旋回角及び許容作
業半径に関して設定される限界作業領域について、安定
区間には第1の許容作業半径を設定し、不安定区間中の
最不安定区間には第2の許容作業半径を設定し、それ以
外の領域では上記第1の許容作業半径から第2の作業半
径まで連続的に変化するような許容作業半径を設定する
ようにしたものであるので、従来に比べ、作業者にとっ
て限界作業領域が把握し易く、またより広い作業可能範
囲を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるクレーンに備えられ
た演算制御装置の入出力関係を示した図、第2図は同演
算制御装置の機能構成図、第3図は同演算制御装置にお
ける制動角加速度算出手段の機能構成図、第4図は上記
演算制御装置により設定される限界作業領域を示すR−
θ平面図、第5図は同限界作業領域の要部を示すR−θ
平面図、第6図は表示装置により表示される画像を示す
R−θ平面図、第7図は吊り荷の状態を単振り子として
表わした説明図、第8図は同吊り荷の振れ角と振れ速度
に関する式を位相空間上に表わしたグラフ、第9図は上
記クレーンの側面図である。 10……クレーン、105……アウトリガジャッキ、11……
ブーム長センサ(作業半径検出手段を構成)、12……ブ
ーム角センサ(作業半径検出手段を構成)、14……アウ
トリガジャッキ張出し量センサ(アウトリガジャッキ検
出手段)、20……演算制御装置、21……作業半径算出手
段(作業半径検出手段を構成)、24……限界作業領域算
出手段、293……第2警告制御手段(作動手段)、294…
…第2停止制御手段(作動手段)、B……ブーム、C…
…吊り荷、R……作業半径、r1……第1の許容作業半
径、r2……第2の許容作業半径、W0……定格荷重。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】旋回可能なブームとアウトリガジャッキと
    を備え、上記ブームの所定位置に吊り荷が吊り下げられ
    るクレーンの安全装置であって、ブームの作業半径を検
    出する作業半径検出手段と、ブームの旋回角を検出する
    旋回角検出手段と、各アウトリガジャッキの張出し量を
    検出するアウトリガジャッキ検出手段と、上記吊り荷の
    重量および各アウトリガジャッキの張出し量に応じてブ
    ームの旋回角と許容作業半径とに関する限界作業領域を
    設定する限界作業領域設定手段と、この設定された限界
    作業領域と実際のブームの作業半径および旋回角とに基
    づいて安全動作を行わせる作動手段とを備えるととも
    に、上記限界作業領域を周方向について安全区間と不安
    定区間とに分け、安全区間には第1の許容作業半径を設
    定し、不安定区間中の最不安定区間には上記第1の許容
    作業半径よりも小さい第2の許容作業半径を設定し、そ
    れ以外の区間には旋回角に応じて上記第1の許容作業半
    径から第2の許容作業半径まで連続的に減少するような
    許容作業半径を設定するように上記限界作業領域設定手
    段を構成したことを特徴とするクレーンの安全装置。
JP1251249A 1989-09-27 1989-09-27 クレーンの安全装置 Expired - Fee Related JPH0829917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1251249A JPH0829917B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 クレーンの安全装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1251249A JPH0829917B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 クレーンの安全装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03115091A JPH03115091A (ja) 1991-05-16
JPH0829917B2 true JPH0829917B2 (ja) 1996-03-27

Family

ID=17219957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1251249A Expired - Fee Related JPH0829917B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 クレーンの安全装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0829917B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2564060B2 (ja) * 1991-10-24 1996-12-18 株式会社神戸製鋼所 建設機械の安全装置
JPH0632588A (ja) * 1991-10-24 1994-02-08 Kobe Steel Ltd 建設機械の作業状態表示装置
JP2564061B2 (ja) * 1991-10-24 1996-12-18 株式会社神戸製鋼所 建設機械の安全装置
JPH07291589A (ja) * 1994-04-22 1995-11-07 Furukawa Co Ltd クレーンの過負荷防止装置
JP5876679B2 (ja) * 2011-07-08 2016-03-02 株式会社タダノ 性能線表示装置
JP6600753B2 (ja) 2017-02-09 2019-10-30 株式会社前田製作所 移動式クレーンの安全装置
CN114275679B (zh) * 2021-11-15 2023-06-23 中联重科股份有限公司 用于起重设备的控制方法、控制器、控制装置和起重设备

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5561597A (en) * 1978-10-27 1980-05-09 Tadano Tekkosho Kk Device for preventing overloading of crane

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03115091A (ja) 1991-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH085623B2 (ja) クレーンの安全装置
JP2564060B2 (ja) 建設機械の安全装置
US6170681B1 (en) Swing type machine and method for setting a safe work area and a rated load in same
US4942529A (en) Lift truck control systems
JPS6334073B2 (ja)
JPH0829917B2 (ja) クレーンの安全装置
KR960000109B1 (ko) 건설기계의 상부 선회체 선회정지 제어방법 및 그 제어장치
JPH07106876B2 (ja) 建設機械の安全装置
JP2564061B2 (ja) 建設機械の安全装置
JP2786177B2 (ja) クレーンの制御方法
JPH038698A (ja) 移動式クレーンのアウトリガ反力制限信号発生装置
JP2512821B2 (ja) クレ―ンの旋回停止制御方法および装置
JPH038699A (ja) 移動式クレーンのアウトリガ反力表示装置
JPS6234680B2 (ja)
JPH0632588A (ja) 建設機械の作業状態表示装置
JP3256087B2 (ja) クレーンの荷重演算装置
JP3281481B2 (ja) クレーンの荷重演算装置
EP3925919B1 (en) Lifting control device and mobile crane
JPS60137798A (ja) 建設機械の重心位置表示方法
EP3925920A1 (en) Dynamic-lift-off determination device, dynamic-lift-off control device, mobile crane, and dynamic-lift-off determination method
JP3596931B2 (ja) 建設機械の負荷状態検出装置
JPH01167199A (ja) クレーンの鉛直吊上げ方法
JPH0891774A (ja) クレーンの旋回停止制御方法および同装置
JP2782234B2 (ja) 自走式クレーンのアウトリガ反力制限信号発生装置
JPH0781888A (ja) クレーンの可動範囲表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees