JPH08296692A - 周波数感応式減衰力調整装置 - Google Patents

周波数感応式減衰力調整装置

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JPH08296692A
JPH08296692A JP12733495A JP12733495A JPH08296692A JP H08296692 A JPH08296692 A JP H08296692A JP 12733495 A JP12733495 A JP 12733495A JP 12733495 A JP12733495 A JP 12733495A JP H08296692 A JPH08296692 A JP H08296692A
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JP
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spring constant
side accumulator
damping force
frequency
valve
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JP12733495A
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Tadashi Jo
忠 城
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】懸架支持能力(ばね特性)及び振動吸収能力
(減衰能力)を適正レベルに維持すると共に、減衰力の
周波数特性の変動を防止して車輌の乗心地や走行安定性
を改良できる周波数感応式減衰力調整装置を提供するこ
とである。 【構成】車体と車輪1との間に懸架シリンダ2が架設さ
れ、この懸架シリンダ2に異なる減衰力特性の絞り4
A,5Aを介して小容量の高ばね常数側アキュムレータ
4及び大容量の低ばね常数側アキュムレータ5を並列に
分岐して接続した周波数感応式減衰力調整装置におい
て、前記高ばね常数側アキュムレータの液圧室4Cと低
ばね常数側アキュムレータの液圧室5Cを接続する連通
路6Aを前記両絞り4A,5A通路と並列に設けると共
に、該連通路6Aに高ばね常数側アキュムレータ4に接
続された前記絞り4A,5Aの前後差圧に応じて開閉す
る弁手段を設けたこと

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輌のサスペンション装
置、詳しくは振動周波数に応じて減衰特性が変化するよ
うにしたサスペンション装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば実開平2−38130号公報に示
されるように、車体と車輪との間に懸架シリンダを架設
し、この懸架シリンダに絞りを介して複数のガスばねを
並列に接続した自動車用サスペンション装置が公知とな
っている。
【0003】この装置の実施例に一つは、高いばね常数
の特性を有する第1のアキュムレータとそれに接続する
開口面積の大きい絞り、及び低いばね常数の特性を有す
る第2のアキュムレータとそれに接続する開口面積の小
さい絞りとを、夫々そのまま懸架シリンダに並列状態に
接続した構成である。
【0004】この懸架シリンダに低周波振動が加わった
場合、第1のアキュムレータはそれに接続する開口面積
の大きい絞りにも拘わらず、小容量であるが故に高いば
ね常数を呈し、懸架シリンダからの液圧油の吸収はわず
かとなり、第2のアキュムレータに接続する開口面積の
小さい絞りを介して大容量の第2のアキュムレータに液
圧油のほとんどが吸収され、開口面積の小さい前記絞り
により所望の高減衰力特性を得る。
【0005】この懸架シリンダに高周波振動が加わった
場合、第2のアキュムレータに接続する開口面積の小さ
い絞りは、当該アキュムレータのばね常数が低いため、
液圧の高頻度の流出入変動に対応出来ず、殆ど閉塞状態
となる。このため、他方の第1のアキュムレータには、
当該アキュムレータに接続する開口面積の大きな絞りを
介する液圧油の流出入が集中して、開口面積の大きい絞
りにより、所望の低減衰力特性となる。
【0006】この装置は懸架シリンダの振動周波数に応
じて減衰力特性を変化させ、低周波数域では車体側ばね
上の共振を抑え、高周波域では車輪から車体への振動伝
達を減少させるためのものである。
【0007】しかし乍ら、この従来の懸架シリンダに高
周波振動が加わった場合は、第1のアキュムレータだけ
が作動する結果、懸架シリンダに連通するアキュムレー
タのガス室は実質的に一つになりしかもそれが小容量の
ため、サスペンション装置としてのばね常数が急激に変
化する。このため、懸架シリンダの変位に対するばね特
性(反発力)が急激に大きくなって車体への突き上げ力
が増大し、乗心地が損なわれる。
【0008】更に、高周波域となる車輪側ばね下の共振
点近傍では、前記の低減衰力特性であるため、共振を抑
えるには減衰力が不足して懸架シリンダの変位に対する
所望の抵抗が得られず、走行安定性が損なわれる。
【0009】更に複数のアキュムレータには各々絞りが
接続されるが、これらの機器は取付位置が車輌内の他の
機器とのレイアウトの都合上、分散配置されることがあ
る。この場合は、各機器間は複雑な配管で懸架シリンダ
に接続される。この懸架装置に加わる振動周波数と減衰
力の関係(以下減衰力の周波数特性という)は、各々の
アキュムレータのガス容量及びこれに接続される絞りの
通路抵抗並びに配管通路の通路抵抗により定まる。絞り
は所謂オリフィス形状を有し、その通路抵抗は温度変化
の影響を受けにくい特性を有するが、長い配管通路の通
路抵抗は液圧油の温度変化の影響を受け易い性質があ
る。このため配管の内径、長さ、屈曲等に起因して、液
圧油の温度変化に伴い通路抵抗が変動し、前記減衰力の
周波数特性が変わってしまうという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な従
来技術の問題点を解決するためになされたもので、その
解決しようとする第1の課題は、懸架シリンダに設定周
波数以上の高周波振動が加わった場合に、サスペンショ
ン装置としての懸架支持能力(ばね特性)が悪化すると
同時に振動吸収能力(減衰能力)が低下することであ
り、第2の課題は、長い配管通路の通路抵抗が液圧油の
温度変化に伴い変動し、前記減衰力の周波数特性が変わ
ってしまうことである。
【0011】すなわち、本発明の目的とするところは、
上記の課題を解決して、懸架支持能力(ばね特性)及び
振動吸収能力(減衰能力)を適正レベルに維持すると共
に、減衰力の周波数特性の変動を防止して車輌の乗心地
や走行安定性を改良できる周波数感応式減衰力調整装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段を、実施例において使用する
符号を付して説明すると第1の手段は、「車体と車輪1
との間に懸架シリンダ2が架設され、この懸架シリンダ
2に異なる減衰力特性の絞り4A・5Aを介して小容量
の高ばね常数側アキュムレータ4及び大容量の低ばね常
数側アキュムレータ5を並列に分岐して接続した周波数
感応式減衰力調整装置において、前記高ばね常数側アキ
ュムレータ4の液圧室4Cと低ばね常数側アキュムレー
タ5の液圧室5Cを接続する連通路6Aを前記両絞り通
路と並列に設けると共に、該連通路6Aに高ばね常数側
アキュムレータ4に接続された絞り4Aの前後差圧に応
じて開閉する弁手段を設けたことを特徴とする周波数感
応式減衰力調整装置」とすることである。
【0013】また、課題を解決する第2の手段は、「車
体と車輪1との間に懸架シリンダ2が架設され、この懸
架シリンダ2に異なる減衰力特性の絞り4A・5Aを介
して小容量の高ばね常数側アキュームレータ4及び大容
量の低ばね常数側アキュームレータ5を並列に分岐して
接続した周波数感応式減衰力調整装置において、前記高
ばね常数側アキュームレータ4の液圧室4Cと低ばね常
数側アキュームレータ5の液圧室5Cとを共通の結合部
材6により一体的に結合すると共に、この結合部材6に
は懸架シリンダ2からの液圧通路3を接続し、該液圧通
路を前記高ばね常数側アキュームレータ4及び低ばね常
数側アキュームレータ5への長さの等しい分岐通路で結
合したことを特徴とする周波数感応式減衰力調整装置」
とすることである。
【0014】
【発明の作用】本発明は、上記のような手段を採ること
により、以下のように作用する。即ち、懸架シリンダ2
に予め設定された設定周波数(感応周波数)より高い振
動が作用すると、液圧油の流出入変動回数が増大するた
め(従来技術と同様)に、小さい開口面積の絞り5Aを
介して接続される大容量の低ばね常数側アキュムレータ
5は、小さい開口面積の前記絞り5Aに妨げられ、液圧
油の流出入に対応できず殆ど閉塞状態となるので、大き
い開口面積の絞り4Aを介して接続される小容量の高ば
ね常数側アキュムレータ4のみ作動する。
【0015】この時本発明においては、絞り4A前後の
差圧が増大して、弁手段7を開位置に切り換える。この
結果小容量の高ばね常数側アキュムレータ4の液圧室4
Cは弁手段7を介して大容量の低ばね常数側アキュムレ
ータ5の液圧室5Cと連通するので、懸架シリンダ2の
ガスばね常数が低下し、即ち、反発力を低くできる関係
上作動ストローク変位も大きく許容し得るので、アキュ
ムレータ4に対する得液圧油の流出入が更に増え、その
分絞り4Aによる発生減衰力を高くすることができる。
【0016】逆に懸架シリンダ2に前記設定周波数より
も低い振動が作用すると、小容量の高ばね常数側アキュ
ムレータ4への液圧油の流出入が減少するため、通路抵
抗の小さい絞り4Aの前後差圧が減少するので、弁手段
7は閉位置に復帰し、元の周波数特性に戻るのである。
【0017】一方、小容量の高ばね常数側アキュムレー
タ4及び大容量の低ばね常数側アキュムレータ5は、懸
架シリンダ2の液圧通路3に結合部材を介し長さの等し
い分岐通路で一体的に結合される。即ち分岐点から懸架
シリンダへの通路抵抗は双方のアキュムレータとも同一
となるので、例えば液圧油の油温変化に伴い、液圧通路
3の通路抵抗が変動したとしても、この変動の影響は双
方のアキュムレータに共通となるのである。
【0018】
【実施例】次に、本発明を図面に示した実施例に基づい
て説明する。図1に示す第1実施例においては、小容量
の高ばね常数側アキュムレータ4及び大容量の低ばね常
数側アキュムレータ5を、共通の結合部材6を介してそ
の両側に配設し、懸架シリンダ2からの液圧配管路3を
前記結合部材の通路3Aに接続する。通路3Aは、絞り
4Aを介して小容量の高ばね常数側アキュムレータ4の
液圧室4C、及び絞り5Aを介して大容量の低ばね常数
側アキュムレータ5の液圧室5Cに並列に分岐して接続
される。更に双方の液圧室は前記分岐通路とは別に併設
される連通路6Aにより開閉弁7を介して接続される。
なお、この連通路6Aに絞り6Bを配設すれば、感応周
波数以上の振動に対する減衰力を適宜大きくすることが
できる。さて、開閉弁7には前記分岐通路の分岐点から
延長されるパイロット通路6Eが設けられており、この
パイロット通路6Eにパイロット用絞り8及び逆止弁9
が並列に接続されると共に、パイロット圧力室7Aが設
けられており、該圧力室7Aのパイロット圧力は開閉弁
7を開位置に切替えるべく作用する。パイロット圧力室
7Aと反対側には、前記パイロット圧力に対抗する復帰
スプリング7Sが納められるスプリング室7Bが設けら
れ、ここに絞り4Aの下流側即ち高ばね常数側アキュム
レータ4の液圧室4Cの圧力が導かれている。従って開
閉弁には前記パイロット圧力室7Aに加わる絞り4Aの
上流側の圧力とスプリング室7Bに加わる絞り4Aの下
流側の圧力との差圧が作用して、復帰スプリング7Sの
付勢力と対抗する。
【0019】小容量の高ばね常数側アキュムレータ4に
は、可動隔壁としてのフリーピストン4Fが背面のガス
室4Gに封入された所定のガス圧力に付勢されて、ケー
ス4Kに摺動自在に収容されている。同様に大容量の低
ばね常数側アキュムレータ5には、可動隔壁としてのフ
リーピストン5Fが背面のガス室5Gに封入された所定
のガス圧力に付勢されて、ケース5Kに摺動自在に収容
されている。
【0020】そして、この小容量の高ばね常数側アキュ
ムレータ4と大容量の低ばね常数側アキュムレータ5の
各ガス室4G及び5Gに封入されるガス圧力は、所望の
懸架支持特性を発揮できるように所定の圧力に設定さ
れ、かつ同圧力に設定されていることが望ましい。
【0021】この様に構成したサスペンション装置の懸
架シリンダに振動が加わった場合の作動について以下に
説明する。
【0022】(作動説明A)懸架シリンダ2に低周波振
動が作用する領域では、懸架シリンダ2からの液圧油
が、各々接続される絞り4A・5Aを介して小容量の高
ばね常数側アキュムレータ4と大容量の低ばね常数側ア
キュムレータ5に流出入する。この場合、高ばね常数側
アキュムレータ4における内部の圧力変化は、それが小
容量のために急激なばね特性変化を生ずる。また低ばね
常数側アキュムレータ5よりも可動隔壁4Fの移動量は
小さく、高ばね常数側アキュムレータ4への液圧油の流
出入量も少ない。しかもこの高ばね常数側アキュムレー
タ4に接続される絞り4Aの開口面積は大きく設定して
あるため、液圧油の通路抵抗も小さい。このため絞り4
Aの前後差圧は殆ど発生せず、復帰スプリング7Aによ
り付勢されている開閉弁7は閉位置を保持する。
【0023】一方小容量の高ばね常数側アキュムレータ
4と並列分岐して接続される大容量の低ばね常数側アキ
ュムレータ5においては、大容量であることもあって、
液圧油の流出入量も多い。そしてこの低ばね常数側アキ
ュムレータ5に接続される絞り5Aの開口面積は小さく
設定してあるため、大きな通路抵抗が発生し、懸架シリ
ンダ2に大きな作動抵抗(以下減衰力という)が作用す
る。図2に示す区間Aはこの領域を表している。又大容
量の低ばね常数側アキュムレータ5が作動するので、懸
架シリンダ2のガスばね常数(荷重/変位)は設定され
た低いレベルを維持する。
【0024】(作動説明B)懸架シリンダ2に作用する
振動の周波数が高くなってくると、懸架シリンダ2から
の液圧油の流出入量は増加傾向となる。しかし低ばね常
数側アキュムレータ5は、これに接続される絞り5Aの
小さい開口面積に妨げられて液圧油の高い流出入変動回
数に対応できない遅れ回路となり、振動周波数の増大に
伴い徐々に閉塞状態となり、液圧油の流出入が減少す
る。
【0025】一方小容量の高ばね常数側アキュムレータ
4の液圧室には、懸架シリンダ2が大きい開口面積の絞
り4Aを介して接続されるので、前記液圧油は主に高ば
ね常数側アキュムレータ4に流入する。しかも絞り4A
の開口面積は前述のように大きく設定されているので、
通路抵抗は振動周波数の増大に伴い徐々に小さくなり、
懸架シリンダ2には小さな減衰力が作用するようにな
る。図2に示す区間Bはこの領域を表している。また小
容量の高ばね常数側アキュムレータ4が作動するので、
懸架シリンダ2のガスばね常数は懸架シリンダ2の変位
に対して所望の高ばね特性を呈して、必要な懸架支持作
用を得る。
【0026】(作動説明C)懸架シリンダ2に更に高い
高周波振動が作用する領域では、懸架シリンダの作動回
数が増える結果液圧油の流出入量が増大すると同時に、
小容量の高ばね常数側アキュムレータ4におけるガス反
発力は急激に上昇変化する状態となる。そして、この時
同時に高ばね常数側アキュムレータ4に接続される大き
い開口面積の絞り4Aへの流入増加油量に対する通路抵
抗が増加し、開閉弁7に加わる前記絞り4Aの前後差圧
による駆動力が、復帰スプリング7Sの付勢力に打ち勝
つと、開閉弁7を開位置に切換える。その結果高ばね常
数側アキュムレータ4の液圧室4Cは、連通路6Aに配
設される前記開閉弁7を介して低ばね常数側アキュムレ
ータの液圧室5Cと連通するので、ほぼ閉塞状態になっ
ている絞り5Aを迂回して、大容量の低ばね常数側アキ
ュムレータ5が懸架シリンダ2に接続される。このた
め、懸架シリンダ2のガスばね常数が低下するととも
に、その作動ストロークが増大する結果、液圧油の流出
入量が更に増大しその増加油量に相応する通路抵抗が大
きくなり、懸架シリンダ2には適正なばね反発力と高減
衰力が作用するようになる。図2に示す振動周波数f2
はこの状態を表している。
【0027】また絞り4Aの前後差圧は振動に相応し
て、ランダムに変動するが、開閉弁7へのパイロット通
路6Eにはパイロット用絞り8と逆止弁9が並列に配設
されており、逆止弁9が液圧油の逆流を阻止し、パイロ
ット用絞り8を介して徐々に還流するので、パイロット
室7Aの圧力は平滑化されて開閉弁7に作用する。この
結果開閉弁7は開位置を保持する。図2に示す区間Cは
この領域を表している。開閉弁7が開位置に切換わる周
波数f2を感応周波数といいこの値は絞り4Aの開口面
積と復帰スプリング7Sの付勢力により、自由に設定で
きる。
【0028】なお連通路6Aに絞り6Bを配設すれば、
これによる通路抵抗も減衰力として作用するので、懸架
シリンダの減衰力を適宜大きくすることができる。
【0029】(作動説明D)懸架シリンダに作用する振
動周波数が上記の高周波領域から前記感応周波数f2
下廻わるようになると、液圧油の流出入量が減少するた
め、絞り4Aの前後差圧は小さくなる。そのため、開閉
弁7に作用するパイロット圧力が低下し復帰スプリング
7Sの付勢力が前記パイロット圧力による駆動力に打ち
勝って、開閉弁7を閉位置に切り換える。この結果、高
ばね常数側アキュムレータ4の液圧室4Cと低ばね常数
側アキュムレータ5の液圧室5Cを接続する連通路6A
は遮断され、元の状態に戻る。なお、パイロット室7A
の圧力は絞りを介して徐々に開放されるので振動周波数
が急激に低下したとしても開閉弁7の閉位置への切換え
は緩やかに行われる。
【0030】図3に示す第2実施例は、前述した第1実
施例のフリーピストン型可動隔壁4F、5Fを伸縮自在
なベローズ14B、15Bとしたもので、高ばね常数側
アキュムレータ14のベローズ14Bは小容量とし、低
ばね常数側アキュムレータ15のベローズ15Bは大容
量に設定したものである。第1実施例のフリーピストン
の作動には摺動抵抗が伴うが、この第2の実施例のベロ
ーズの場合には前記摺動抵抗はなく、作動応答性を向上
できる特徴がある。可動隔壁以外の構成及び作用・効果
は図1に示す第1実施例と同じであるので説明を省略す
る。
【0031】図4に示す第3実施例は、前述した第1実
施例の結合部材6を省略し、全ての構成要素を配管通路
で接続したものである。小容量の高ばね常数側アキュム
レータ24及び大容量の低ばね常数側アキュムレータ2
5がともにダイヤクラム24Bと25Bにて夫々のガス
室24G、25Gを区画してなる縦長の円筒体24K、
25Kである場合等においては、それを平行に配置し、
絞り4A、5Aを介して両者を長さの等しい分岐管で懸
架シリンダ2の液圧通路3に分岐接続すれば、比較的小
さいスペースに各機器を収容することができる。作用・
効果は第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0032】図5に示す第5実施例は、第1実施例で説
明した開閉弁を、例えば絞り4Aの前後差圧を検出して
自動的にON/OFFする圧力スイッチ等(図示せず)
を介して車載の電源に接続されるソレノイド17によっ
て開閉される電磁開閉弁としたものである。この場合に
は前記圧力スイッチに替えて懸架シリンダ2に加わる振
動周波数そのものを検知してソレノイド17をON/O
FFすることもできる。更にランダムに変動する前記絞
り4Aの前後差圧や懸架シリンダに加わる振動周波数を
図示しないコントローラに信号として入力し、該コント
ローラで演算処理して、平滑化された前後差圧として圧
力スイッチを作動させることもできるし、または振動周
波数が一定水準を超えるときに電圧として出力し、ソレ
ノイド17をON/OFFすることも容易にできる。
【0033】図6に示す第6実施例は、第1実施例で説
明した開閉弁を、運転者が運転席等から遠隔的に操作す
る手動開閉弁37としたもので、例えば絞り4Aの前後
差圧を表示する計器によって運転者が視認したり、路面
状況や車体振動を体感的に認識したりすることにより、
懸架シリンダに加わる振動周波数を好みに応じて選択で
きるようにリモコン操作可能としたものである。手動開
閉弁37は構造が簡単で故障しにくいという利点があ
る。
【0034】なお、上記各実施例では懸架シリンダ2か
らの液圧通路3を小容量の高ばね常数側アキュムレータ
4及び大容量の低ばね常数側アキュムレータ5に対し、
短くてしかも分岐長の等しい分岐通路を介して接続する
ので、液圧通路3が例えば長くあるいは屈曲していたと
しても短い分岐通路に接続される絞り4Aの前後差圧で
定まる感応周波数に対する影響は殆どないのである。
【0035】ところで、第1実施例では、高ばね常数側
アキュムレータ4と低ばね常数側アキュムレータ5とを
結合部材6を挟んで同軸上に配置する例を説明したが、
これら2つのアキュムレータは必ずしも同軸上にある必
要はなく、両者はある角度例えば図7に示す様に直角に
配置されていても良い。何故ならば本実施例で説明した
ように両者は「短くてしかも長さの等しい」分岐通路を
介して接続してさえあれば、目的を果たすからである。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
上記実施例にて例示した如く、感応周波数より高い高周
波振動域では、小容量の高ばね常数側アキュムレータの
液圧室と大容量の低ばね常数側アキュムレータの液圧室
が開閉弁手段を介して連通することにより、高周波振動
時に液圧油の流出入量を増大させて、この増加液圧油量
に見合った減衰力を向上させることができる。この結果
減衰力不足を招来することなく、減衰力を適正なレベル
迄大きくすることができ、しかも懸架シリンダのガスば
ね常数を低ばね特性にしてソフトな乗心地を得ることが
できるので、乗心地と走行安定性とを同時に改善するこ
とができる。
【0037】また懸架シリンダからの液圧通路は、長さ
の等しい分岐通路を介して小容量の高ばね常数側アキュ
ムレータ及び大容量の低ばね常数側アキュムレータに接
続されるため、例えば液圧油の油温変化に伴い液圧通路
の通路抵抗が変動したとしても、この変動の影響は双方
のアキュムレータに共通となるので、小容量の高ばね常
数側アキュムレータの分岐通路に接続される絞りの前後
差圧で定まる感応周波数に対する影響を殆どなくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す概略図である。
【図2】懸架シリンダに加わる振動周波数に対する減衰
力特性を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す概略図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す概略図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す概略図である。
【図7】本発明の2つのアキュムレータの結合状態を示
す他の実施例である。
【符号の説明】
1 車輪 2 懸架シリンダ 3 液圧通路 4 小容量の高ばね常数側アキュムレータ 4A,5A 絞り 4C 小容量の高ばね常数側アキュムレータの液圧室 5 大容量の低ばね常数側アキュムレータ 5C 大容量の低ばね常数側アキュムレータの液圧室 6 結合部材 6A 連通路 7 開閉弁 7S 復帰スプリング 8 パイロット用絞り 9 逆止弁 17 電磁開閉弁 27 手動開閉弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と車輪との間に懸架シリンダが架設さ
    れ、この懸架シリンダに異なる減衰力特性の絞りを介し
    て小容量の高ばね常数側アキュムレータ及び大容量の低
    ばね常数側アキュムレータを並列に分岐して接続した周
    波数感応式減衰力調整装置において、前記高ばね常数側
    アキュムレータの液圧室と低ばね常数側アキュムレータ
    の液圧室を接続する連通路を前記両絞り通路と並列に設
    けると共に、該連通路に高ばね常数側アキュムレータに
    接続された前記絞りの前後差圧に応じて開閉する弁手段
    を設けたことを特徴とする周波数感応式減衰力調整装
    置。
  2. 【請求項2】前記弁手段が、前記絞りの上流側圧力を導
    くパイロット用絞りと逆止弁とを並列に組合せた圧力平
    滑化回路と、前記絞りの下流側圧力を導くパイロット油
    路とを備え、かつこの前後差圧を平滑化されたパイロッ
    ト圧力として加えて開弁方向に駆動すると共に、復帰ス
    プリングによって閉弁方向に付勢するように対抗させた
    ことを特徴とする請求項1記載の周波数感応式減衰力調
    整装置。
  3. 【請求項3】前記弁手段が、前記絞りの前後差圧を検出
    して作動する電磁開閉弁であることを特徴とする請求項
    1記載の周波数感応式減衰力調整装置。
  4. 【請求項4】前記弁手段が、運転者の操作により開閉操
    作可能な手動開閉弁であることを特徴とする請求項1記
    載の周波数感応式減衰力調整装置。
  5. 【請求項5】前記弁手段を設けた連通路には、減衰力設
    定の為の絞りを弁手段と直列に配した事を特徴とする請
    求項1記載の周波数感応式減衰力調整装置。
  6. 【請求項6】車体と車輪との間に懸架シリンダが架設さ
    れ、この懸架シリンダに異なる減衰力特性の絞りを介し
    て小容量の高ばね常数側アキュムレータ及び大容量の低
    ばね常数側アキュムレータを並列に分岐して接続した周
    波数感応式減衰力調整装置において、前記高ばね常数側
    アキュムレータの液圧室と、低ばね常数側アキュムレー
    タの液圧室とを共通の結合部材により一体的に結合する
    と共に、この結合部材には懸架シリンダからの液圧通路
    を接続し、該液圧通路を前記高ばね常数側アキュムレー
    タ及び低ばね常数側アキュムレータへの長さの等しい分
    岐通路で結合したことを特徴とする周波数感応式減衰力
    調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220252A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Nakamura Koki Kk 二段圧吸収式ピストン型アキュムレータ装置
JP2010071422A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器
WO2010038843A1 (ja) * 2008-10-02 2010-04-08 カヤバ工業株式会社 フロントフォーク

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