JP2010071422A - 緩衝器 - Google Patents

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JP2010071422A JP2008241245A JP2008241245A JP2010071422A JP 2010071422 A JP2010071422 A JP 2010071422A JP 2008241245 A JP2008241245 A JP 2008241245A JP 2008241245 A JP2008241245 A JP 2008241245A JP 2010071422 A JP2010071422 A JP 2010071422A
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Abstract

【課題】応答性良く最適な減衰力を発揮して、車両における乗り心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
【解決手段】シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を二つの圧力室R1,R2に区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3とを備え、伸縮作動時に一方の圧力室R2をシリンダ外装置10に連通する配管Lを介して作動流体をシリンダ1内に流出入させながら所定の減衰作用をする緩衝器において、シリンダ1の一端を封止する封止部材4に配管Lを連結するとともに配管L内を一方の圧力室R2へ連通させる中空なジョイント5を設け、当該ジョイント5に配管から一方の圧力室R2へ向かう作動流体の流れのみを許容するチェック弁6と、一方の圧力室R2から配管Lへ向かう作動流体の流れに抵抗を与える弁要素7を設けた。
【選択図】図2

Description

この発明は、緩衝器に関し、特に伸縮作動時にシリンダ外装置に配管を介して作動流体を流出入させながら所定の減衰作用をする緩衝器の改良に関する。
従来、この種伸縮作動時に調圧シリンダに配管を介して作動流体を流出入させながら所定の減衰作用をする緩衝器としては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるロッドと、ピストンに設けた二つの圧力室を連通するバルブとで構成され、作動流体として作動油を用いて四輪車両の懸架装置に組み込まれて使用されている。
そして、この懸架装置にあっては、緩衝器が車体と車軸との間であって車両の左右にそれぞれ介装されるとともに、一方の緩衝器のいずれか一方の圧力室と他方の緩衝器のいずれか一方の圧力室を配管を介して調圧シリンダに連結している。
上述の調圧シリンダは、第一シリンダ内に摺動自在に挿入されて第一シリンダ内に第一作動室を隔成する第一フリーピストンと、第二シリンダ内に摺動自在に挿入されて第二シリンダ内に第二作動室を隔成するとともに第一フリーピストンと受圧面積を同じくし第一フリーピストンと同期して作動する第二フリーピストンと、第一作動室を圧縮する方向に第一フリーピストンを附勢するとともに第二作動室を圧縮する方向に第二フリーピストンを附勢する気室と、第一作動室と第二作動室とを連通するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える絞り通路とを備えて構成され、第一作動室を車両左側に配置された緩衝器の一方の圧力室に連通し、第二作動室の車両右側に配置された緩衝器の一方の圧力室に連通している(たとえば、特許文献1参照)。
なお、この調圧シリンダにあっては、第一シリンダと第二シリンダが同軸となるように配置され、第一フリーピストンと第二フリーピストンと連結して、単一の気室でこれらフリーピストンを附勢するようにしている。
さて、このように構成された懸架装置にあっては、左右の緩衝器が同位相で伸縮する場合には、双方の緩衝器のシリンダ内に流出入する作動油の流量が同じとなるため、第一フリーピストンと第二フリーピストンは互いの変位を規制することなく同期して作動して気室を圧縮あるいは膨張させることになって、作動油が絞り通路を通過しないので、双方の緩衝器はピストンに設けたバルブのみによって減衰力を発揮する。
これに対して、左右の緩衝器が逆位相で伸縮する場合には、一方の緩衝器のシリンダからは作動油が流出し、他方の緩衝器のシリンダへは作動油が流入することになるので、第一フリーピストンと第二フリーピストンは互いの変位を規制しあって双方の変位が妨げられ、各緩衝器のシリンダにおいて過不足となる作動油の全流量が絞り通路を通過することになって、双方の緩衝器はピストンに設けたバルブのみならず絞り通路における抵抗を重畳させて先程よりも大きな減衰力を発揮するようになる。
それゆえ、この懸架装置にあっては、車体のロールに対しては左右の緩衝器が大きな減衰力を発揮して、当該ロールを抑制し、反対に、車体が上下方向の振動を呈する場合には、当該振動を減衰するだけの小さな減衰力を発揮して、車体姿勢を安定させるとともに車両における乗り心地を向上させることができるようになっている。
特開平8−132846号公報(第6頁左欄第7行目から同第18行目および第12頁左欄第6行目から同第9行目、図25)
上記した懸架装置では、調圧シリンダを左右の緩衝器に接続する構成を採用しているため、調圧シリンダと緩衝器とを接続する配管が非常に長い。また、一般的に、作動油は気体を含んでおり、気体を含んだ作動油は弾性を備え圧縮に対して僅かではあるが体積を減少させる。
したがって、緩衝器が伸長あるいは収縮してシリンダ内から作動油を排出する行程にあるときに、配管が長く配管内容積が大きいために調圧シリンダと緩衝器と間の配管内の作動油が弾性体として振る舞い圧力の伝播に遅延が生じて、当該行程における減衰力の発生応答性が損なわれるとともに、当該行程における減衰力が不足してしまうことがある。
これを防止するためには、配管内径を小さくして配管内容積を小さくすることが考えられるが、そのようにすると、今度は、配管内を作動油が通過するときに大きな抵抗が生じることになり、同行程における減衰力が過剰となってしまうばかりか、緩衝器の逆行程における減衰力も大きくなって、車両における乗り心地を損なってしまう。加えて、調圧シリンダへ接続される圧力室が拡大する行程にあっては、当該圧力室内が負圧となってエアレーションやキャビテーションを生じるといった新たな問題を抱え込むことになってしまう。
このように配管長さや配管内容積の調節のみでは、減衰力の発生応答性の改善と減衰力不足の解消、および車両の乗り心地の向上の全てを満足させることが困難で、仮に配管長と配管内容積の最適化を図ったとしても、車両に使用する緩衝器の仕様が変われば、その配管を使用できなくなるので汎用性に乏しく、製造工程も複雑化してしまう。
このような不具合は、調圧シリンダに接続される緩衝器のみならず、長い配管を通じてリザーバタンクをシリンダ内へ連通する緩衝器にあっても同様に生じることになる。
そこで、本発明は、上記の弊害を改善するために創案されたものであって、シリンダ外装置に配管を通じて連通される構成を採用しつつも、応答性良く最適な減衰力を発揮して、車両における乗り心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるロッドとを備え、伸縮作動時に一方の圧力室をシリンダ外装置に連通する配管を介して作動流体をシリンダ内に流出入させながら所定の減衰作用をする緩衝器において、シリンダの一端を封止する封止部材に配管を連結するとともに配管内を一方の圧力室へ連通させる中空なジョイントを設け、当該ジョイントに配管から一方の圧力室へ向かう作動流体の流れのみを許容するチェック弁と、一方の圧力室から配管へ向かう作動流体の流れに抵抗を与える弁要素を設けたことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、シリンダ外装置へ長い配管を介して接する必要があっても、弁要素とチェック弁とを備えているので、応答性を確保できるとともに最適な減衰力を発生することができ、車両における乗り心地を向上させることができる。
また、配管の設定によらずに緩衝器の応答性を確保できるとともに最適な減衰力を発揮できるので、配管の内径については、配管に接続される圧力室内の圧力を上昇させるために小径化する必要が無く、配管の設計自由度が高まる。換言すれば、緩衝器の仕様によって、配管の内径を都度変更しなければならないなどの製造上の煩わしさが解消され、配管の汎用性も向上することになる。
さらに、チェック弁および弁要素がジョイント内に収容されるので、緩衝器が伸縮する際に、これらがピストンに干渉しないので、チェック弁および弁要素の設置によって緩衝器のストローク長が犠牲となることが無い。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態における緩衝器のジョイント部分の拡大縦断面図である。図3は、一実施の形態における緩衝器をシリンダ外装置としての調圧シリンダに接続した状態を示す図である。図4は、一実施の形態における緩衝器をシリンダ外装置としてのリザーバタンクに接続した状態を示す図である。
この緩衝器Dは、図1および図2に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を二つの圧力室R1,R2に区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3と、シリンダ1の一端を封止する封止部材4と、封止部材4に設けられてシリンダ外装置に接続された配管Lをこの封止部材4に連結するとともに配管L内を一方の圧力室R2へ連通させる中空なジョイント5と、当該ジョイント5に配管Lから一方の圧力室R2へ向かう作動流体の流れのみを許容するチェック弁6と、一方の圧力室R2から配管Lへ向かう作動流体の流れに抵抗を与える弁要素7とを備えて構成され、圧力室R1,R2内には、作動流体として、たとえば、作動油等の液体が充填されている。
また、この緩衝器Dは、ジョイント5に接続される配管Lがシリンダ外装置に接続され、伸縮時にこの配管Lを介してシリンダ1内から作動流体をシリンダ外装置へ流出入させて減衰力を発揮するようになっている。
そして、たとえば、図3に示すように、シリンダ外装置が調圧シリンダ10とされる場合、緩衝器Dは調圧シリンダ10と協働して懸架装置を構成して機能し、図4に示すようにシリンダ外装置がリザーバタンクTとされる場合には、単独の緩衝器として機能する。なお、図3および図4においては、図の複雑化を避けるため緩衝器Dの構成を簡略化して図示してある。
なお、懸架装置として使用される場合には、2つの本発明に係る緩衝器Dを、たとえば、それぞれ車両の左前輪車軸と車体との間および車体の右前輪車軸と車体との間に介装して対として使用し、それぞれ封止部材4に設けたジョイント5を調圧シリンダ10から延設される配管L,Lに接続する。さらに、車体のピッチングやスクォートを防止する場合には二つの緩衝器Dを車体の前後に配置するようにすればよい。
戻って、本発明に係る緩衝器Dについて詳細に説明すると、シリンダ1は、図1中下端が封止部材4で閉塞されるとともに、図1中上端が環状のロッドガイド8によって閉塞されている。そして、シリンダ1内には、ピストン2が摺動自在に挿入され、シリンダ1内を上方側の圧力室R1と下方側の圧力室R2とに区画している。
また、ピストン2には、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通する減衰通路2aが設けられており、該減衰通路2aの途中には、減衰力発生要素2bが設けられており、当該減衰通路2aを通過する作動流体の流れに抵抗を与えるようになっている。なお、減衰力発生要素2bは、上記減衰通路2aを作動流体が通過する際に当該作動流体の流れに抵抗を与え、所定の圧力損失を生じさせるものであればよく、具体的にはたとえば、オリフィスやリーフバルブといった減衰バルブを採用することができる。なお、減衰通路2aは、図示したところでは、一つのみ設けられるようになっているが、複数設けるようにしてもよく、さらに、圧力室R1から圧力室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の減衰通路と圧力室R2から圧力室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の減衰通路を並列させて設けるようにしてもよい。
したがって、この緩衝器Dは、伸縮時に圧縮される圧力室R1(R2)から拡大する圧力室R2(R1)へピストン2に設けた減衰通路2aを通過して移動する作動流体の流れに抵抗を与えるようになっている。
ロッド3は、シリンダ1の上端に設けられてシリンダ1内を封止する環状のロッドガイド8に軸支されて、シリンダ1外へ突出させてあり、このロッド3の上端とシリンダ1の下端に設けられる図示しない取付部を介して緩衝器Dを、たとえば、車両における車体と車軸との間等に介装することができるようになっている。なお、ロッドガイド8の上方には、ロッド3の外周をシールするシール部材9が設けられており、シリンダ1とロッド3との間がこのシール部材9によってシールされ、シリンダ1は密閉状体に維持されている。
そして、封止部材4は、側方から開口してジョイント5が螺着される取付孔4aと、図1中圧力室R2に臨む上面から開口して取付孔4aに通じる通孔4bとを備えて構成されている。
また、ジョイント5は、チェック弁6と弁要素7を収容する筒状の弁収容部5aと、弁収容部5aから伸びる中空な腕部5bと、腕部5bを貫いて封止部材4の取付孔4aに螺子締結されて腕部5bを封止部材4へ取付ける中空なボルト5cとを備え、弁収容部5a内が腕部5bとボルト5cの内部、取付孔4aおよび通孔4bを介して圧力室R2へ連通されている。
なお、封止部材4は、図示した構造に限定されず、シリンダ1の端部を封止できるものであればよく、また、ジョイント5についても、チェック弁6と弁要素7を収容するとともに、配管Lをシリンダ1内に連通させることが可能であれば、図示した構造そのものに限定されるものではない。また、図2中には図示していないが、腕部5bとボルト5cとの間、腕部5bと封止部材4との間に、それぞれシール部材を設けて、腕部5bとボルト5cとの間、腕部5bと封止部材4との間のそれぞれをシールするようにしてもよい。
弁収容部5a内には、円盤状のバルブディスク30が嵌合されており、このバルブディスク30には、これを図2中上下右方向に貫くポート31,32が設けられるとともに、中心には軸部材33が挿入される孔30aが設けられている。なお、ポート31は、ポート32より外周側に設けられている。
軸部材33は、バルブディスク30の孔30a内に挿入される軸部33aと、軸部33aより大径な頭部33bとを備えており、軸部33aの先端に螺着されるナット34によってバルブディスク30に固定されるようになっている。
そして、バルブディスク30の圧力室R2側には、環状のチェック弁6が積層され、バルブディスク30の反圧力室側にも、環状の弁要素7が積層され、これら環状板は内周側が軸部材33の軸部33aに固定されて外周側が撓むことができるように設定されている。
チェック弁6は、ポート31の圧力室R2側を開閉するようになっている。具体的には、チェック弁6は、配管L側からの圧力が圧力室R2側の圧力より大きくなると撓んでポート31を開放し、反対に、配管L側からの圧力が圧力室R2側の圧力より小さくなると、バルブディスク30へ押付けられてポート31を閉塞するようになっており、このチェック弁6は、ポート31を通過する作動流体の流れに極力抵抗を与えないようになっている。なお、チェック弁6にはポート32を閉塞しないように、孔6aを設けてある。また、チェック弁6は、上述したところでは、弁体を環状板として環状板でポートを開閉するようになっているが、これ以外にも他の形態の逆止弁とすることも可能である。
他方、弁要素7は、ポート31を閉塞しないようチェック弁6より小径に設定されており、ポート32の反圧力室R2側を開閉するようになっている。具体的には、弁要素7は、圧力室R2側からの圧力が配管L側の圧力より大きくなると撓んでポート32を開放し、反対に、圧力室R2側からの圧力が配管L側の圧力より小さくなると、バルブディスク30へ押付けられてポート32を閉塞するようになっており、ポート32を通過する作動流体の流れに抵抗を与えるようになっている。なお、弁要素7は、複数の環状板を積層して構成されているが、環状板の枚数は緩衝器Dで発生させる減衰力に応じて任意とすることができる。
なお、弁要素7は、上述したところでは、環状板でポートを開閉するリーフバルブとされているが、これ以外にも絞り弁やポペット弁といった他の形態の弁とすることも可能である。
このように、チェック弁6および弁要素7は、ジョイント5の弁収容部5a内に収容されたバルブディスク30に組みつけられており、バルブディスク30は、配管Lの端部に設けられて外周に螺子部を備えた管継手35を弁収容部5aの先端内周に捩じ込むと、弁収容部5aの内周に設けた段部5dと管継手35の先端とによって挟持され、弁収容部5a内で固定されるようになっている。
また、チェック弁6および弁要素7がジョイント5内に収容されるので、緩衝器Dが伸縮する際に、これらがピストン2に干渉しないので、チェック弁6および弁要素7の設置によって緩衝器Dのストローク長が犠牲となることが無い。
さらに、チェック弁6と弁要素7がジョイント5と配管Lの管継手35によって挟持されるバルブディスク30に組みつけられるので、ジョイント5に簡単にチェック弁6と弁要素7を設置することができ便利である。
そして、この緩衝器Dが伸長する場合には、上方側の圧力室R1内がピストン2によって圧縮され、作動流体が拡大する下方側の圧力室R2内へ移動する。その際に、シリンダ1からロッド4が退出するためシリンダ1内で作動流体が不足するが、圧力室R2が減圧されるのでチェック弁6がポート31を開放して配管Lを介してシリンダ外装置から作動流体が殆ど抵抗無く圧力室R2へ供給されることになる。
反対に、緩衝器Dが収縮する場合には、下方側の圧力室R2内がピストン2によって圧縮され、作動流体が拡大する上方側の圧力室R1内へ移動する。その際に、シリンダ1内へロッド4が侵入するためシリンダ1内で作動流体が過剰となるが、圧力室R2が圧縮されるので弁要素7が撓んでポート31を開放して配管Lを介してシリンダ外装置へ過剰となる作動流体が移動し、このシリンダ外装置への作動流体の流れに弁要素7で抵抗を与えることにより、圧力室R2の速やかなる圧力上昇を促すことができる。
つまり、緩衝器Dが収縮する場合、シリンダ外装置たる調圧シリンダ10へ接続する配管Lが長くても、シリンダ1外へ押し出される作動流体の流れに対して弁要素7によって抵抗を与えるようになっているので、配管Lに接続される下方側の圧力室R2の速やかな圧力上昇を実現でき、緩衝器Dは応答性良く、かつ、最適な大きさの減衰力を発揮できる。反対に、緩衝器Dが伸長する場合には、シリンダ1外で作動流体が不足するが、チェック弁6が開いて配管Lからシリンダ1内へ殆ど抵抗無く速やかに作動流体が供給されるので、配管Lに接続されて拡大する圧力室R2内で負圧を生じず、エアレーションやキャビテーションが引起されることもなく、また、減衰力が過剰となってしまうこともないので、緩衝器Dに狙い通りの最適な大きさの減衰力を発揮させることができる。
他方、シリンダ外装置としての調圧シリンダ10について説明すると、調圧シリンダ10は、図3に示すように、第一シリンダ11と、第一シリンダ11内に摺動自在に挿入されて第一シリンダ11内に第一作動室12を隔成する第一フリーピストン13と、第二シリンダ14と、第二シリンダ14内に摺動自在に挿入されて第二シリンダ14内に第二作動室15を隔成するとともに第一フリーピストン13と受圧面積を同じくし第一フリーピストン13に連結されてこれと同期して作動する第二フリーピストン16と、第一作動室12を圧縮する方向に第一フリーピストン13を附勢するとともに第二作動室15を圧縮する方向に第二フリーピストン16を附勢する附勢手段たる気室17と、第一作動室12と第二作動室15とを連通するとともに通過する作動流体の流れに抵抗を与える絞り通路18とを備えて構成されており、たとえば、第一作動室12を配管Lを介して車体左側に配置される緩衝器Dの一方の圧力室R2へ連通し、第二作動室15を同じく配管Lを介して車体右側に配置される緩衝器Dの一方の圧力室R2へ連通してある。
第一シリンダ11は第二シリンダ14より小径に設定されており、第一シリンダ11の図3中下端に鍔部11aを設けて当該鍔部11aを第二シリンダ14の上端に結合している。さらに、第一フリーピストン13は、第二フリーピストン16より小径に設定されて、第二フリーピストン16の上方から立ち上がって第二フリーピストン16に一体化されている。すなわち、第一フリーピストン13と第二フリーピストン16は同期して図3中上下方向へ変位するようになっている。
また、絞り通路18は、第一フリーピストン13の図3中上端から開口して側部へ通じ、第一作動室12と第二作動室15とを連通している。さらに、この場合、気室17は、第二シリンダ14内に第二フリーピストン16によって区画されており、気室17は、内部の圧力で第一フリーピストン13および第二フリーピストン16を図3中上方へ附勢しており、これによって第一作動室12および第二作動室15が加圧されている。
そして、第一フリーピストン13が第一作動室12の圧力を受ける受圧面積は、第二フリーピストン16が第二作動室15の圧力を受ける受圧面積とが同じに設定され、第一作動室12と第二作動室15内へ流出入する作動流体量が一致する場合には、当該作動流体量に応じて第一フリーピストン13と第二フリーピストン16が変位し気室17の圧縮あるいは拡大させて、緩衝器D,Dで過不足となる作動流体量を補償する。
他方、第一作動室12と第二作動室15内へ流出入する作動流体量が一致しない場合には、第一作動室12と第二作動室15へ流出入する作動流体量のうち一致する量に対して第一フリーピストン13と第二フリーピストン16が変位して気室17で当該一致分の作動流体量を補償するが、第一作動室12と第二作動室15へ流出入する作動流体量の差分については第一フリーピストン13と第二フリーピストン16が互いの変位を規制しあうので気室17を拡大も圧縮もできず、当該差分の作動流体量は絞り通路18を通過するようになる。
したがって、双方の緩衝器Dが同位相で伸縮してピストン速度に差が無い状態では、双方の緩衝器Dのシリンダ1から排出あるいはシリンダ1へ流入する作動流体の流量が同じとなって、第一フリーピストン13と第二フリーピストン16とが同期して変位し、気室17を拡大あるいは圧縮するようになり、作動流体は絞り通路18を通過することがない。すると、緩衝器Dは、収縮する場合は、ピストン2における減衰通路2aとジョイント5内に収容した弁要素7とで応答性良く、かつ、最適な大きさの減衰力を発揮し、反対に、伸長する場合には、ピストン2における減衰通路2aのみによって最適な大きさの減衰力を発揮することになる。
対して、双方の緩衝器Dがピストン速度に差を持って伸縮したり、逆位相の伸縮を呈したりするときには作動流体が上記絞り通路18を通過するようになり、緩衝器Dは、伸長する場合には、ピストン2に設けた減衰通路2aに上記絞り通路18における抵抗を重畳させ、収縮する場合には、上記に加えて弁要素7における抵抗をさらに重畳させて、緩衝器D内の圧力室R1,R2間に大きな差圧を生じさせて双方の緩衝器Dが同期して伸縮する場合よりも大きな減衰力を発揮する。
すなわち、車体が走行中にロールした場合には、各緩衝器Dは通常より大きい減衰力を発生して車体のロールを抑制し、車体がロールすることなく上下動する場合には、通常の緩衝器として作用することができる。なお、双方の緩衝器Dが車体の前後に配置される場合には、各緩衝器Dはピッチングやスクォートした時に通常より大きい減衰力を発生して車体のピッチングやスクォートを抑制し、車体がピッチングやスクォートすることなく上下動する場合には、通常の緩衝器として作用することができる。また、車両の対角線上に配置される緩衝器Dの二つを調圧シリンダ10に接続するようにしてもよく、この場合には、ロールだけでなくピッチングやスクォートに対しても緩衝器Dが大きな減衰力を発揮することになる。
なお、調圧シリンダ10における第一フリーピストン13と第二フリーピストン16との連結に当たっては、これらより小径な軸を使用して連結するようにしてもよい。また、調圧シリンダ10における第一シリンダ11と第二シリンダ14の内径を同径に設定してこれらを並列配置して、第一シリンダ11内に挿入される第一フリーピストン13と第二シリンダ14内に挿入される第二フリーピストン16と第一シリンダ11および第二シリンダ14に干渉しないようにU字状などに設定される連結棒にて連結して同期して作動するようにしてもよい。
また、この緩衝器を単体で使用する場合には、ジョイント5に図4に示すようなリザーバタンクTの配管Lに接続することとなる。なお、リザーバタンクTは、上端および下端が封止された中空のリザーバタンク本体20と、リザーバタンク本体20内に摺動自在に挿入したフリーピストン21とで構成され、リザーバタンク本体20には配管Lが接続されている。さらに、リザーバタンク本体20内は、フリーピストン21により補償室22と気室23とに区画されて、この配管Lを通じて、補償室22と緩衝器Dの一方の圧力室R1とが連通されている。すなわち、緩衝器Dの伸縮に伴い生じるシリンダ1内の容積変化が、気室23の容積変化によって補償されるようになっている。
この場合にも、緩衝器Dは、伸長する場合には、ピストン2に設けた減衰通路2aのみによって、収縮する場合には、上記に加えて弁要素7における抵抗をさらに重畳させて、減衰力を発揮する。したがって、リザーバタンクTと緩衝器Dとを接続する配管Lが長くなっても、緩衝器Dは応答性良く最適な大きさの減衰力を発揮することができる。
このように、この緩衝器Dにあっては、シリンダ外装置へ長い配管Lを介して接する必要があっても、弁要素7とチェック弁6とを備えているので、応答性を確保できるとともに最適な減衰力を発生することができ、車両における乗り心地を向上させることができる。
また、配管Lの設定によらずに緩衝器Dの応答性を確保できるとともに最適な減衰力を発揮できるので、配管Lの内径については、配管Lに接続される圧力室R2内の圧力を上昇させるために小径化する必要が無く、配管Lの設計自由度が高まる。換言すれば、緩衝器Dの仕様によって、配管Lの内径を都度変更しなければならないなどの製造上の煩わしさが解消され、配管Lの汎用性も向上することになる。
なお、上述したところでは、シリンダ外装置を調圧シリンダ10あるいはリザーバタンクTとしているが、これ以外にも、緩衝器Dに配管Lを介して接続されて緩衝器Dのシリンダ1との間で作動流体を行き来させて緩衝器Dが減衰作用を呈することができるものであれば、これをシリンダ外装置とすることができる。
また、上記したところでは、緩衝器Dの圧側の圧力室R2を配管Lにてシリンダ外装置へ連通するようにしているが、伸側の圧力室R1をシリンダ外装置へ連通するようにしてもよい。この場合には、緩衝器Dの伸長時に弁要素7が圧力室R1の速やかな圧力上昇を実現し、伸長時の減衰力発生応答性が確保されることになり、緩衝器Dは、伸圧両側で最適な大きさの減衰力を発生することが可能となる。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器のジョイント部分の拡大縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器をシリンダ外装置としての調圧シリンダに接続した状態を示す図である。 一実施の形態における緩衝器をシリンダ外装置としてのリザーバタンクに接続した状態を示す図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
2a 減衰通路
2b 減衰力発生要素
3 ロッド
4 封止部材
4a 封止部材における取付孔
4b 封止部材における通孔
5 ジョイント
5a ジョイントにおける弁収容部
5b ジョイントにおける腕部
5c ジョイントにおけるボルト
6 チェック弁
6a チェック弁における孔
7 弁要素
8 ロッドガイド
9 シール部材
10 シリンダ外装置としての調圧シリンダ
11 第一シリンダ
11a 第一シリンダにおける鍔部
12 第一作動室
13 第一フリーピストン
14 第二シリンダ
15 第二作動室
16 第二フリーピストン
17 附勢手段たる気室
18 絞り通路
20 リザーバタンク本体
21 リザーバタンクにおけるフリーピストン
22 リザーバタンクにおける補償室
23 リザーバタンクにおける気室
30 バルブディスク
30a バルブディスクにおける孔
31,32 ポート
33 軸部材
33a 軸部材における軸部
33b 軸部材における頭部
34 ナット
35 管継手
D 緩衝器
L,L 配管
R1,R2 圧力室
T シリンダ外装置としてのリザーバタンク

Claims (3)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるロッドとを備え、伸縮作動時に一方の圧力室をシリンダ外装置に連通する配管を介して作動流体をシリンダ内に流出入させながら所定の減衰作用をする緩衝器において、シリンダの一端を封止する封止部材に配管を連結するとともに配管内を一方の圧力室へ連通させる中空なジョイントを設け、当該ジョイントに配管から一方の圧力室へ向かう作動流体の流れのみを許容するチェック弁と、一方の圧力室から配管へ向かう作動流体の流れに抵抗を与える弁要素を設けたことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記ジョイントと上記配管の端部に設けられてこのジョイントに螺着される管継手とで挟持されてジョイント内に収容固定されるバルブディスクを設け、このバルブディスクにチェック弁と弁要素とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. シリンダ外装置は、第一シリンダ内に摺動自在に挿入されて第一シリンダ内に第一作動室を隔成する第一フリーピストンと、第二シリンダ内に摺動自在に挿入されて第二シリンダ内に第二作動室を隔成するとともに第一フリーピストンと受圧面積を同じくし第一フリーピストンと同期して作動する第二フリーピストンと、第一作動室を圧縮する方向に第一フリーピストンを附勢するとともに第二作動室を圧縮する方向に第二フリーピストンを附勢する附勢手段と、第一作動室と第二作動室とを連通するとともに通過する作動流体の流れに抵抗を与える絞り通路とを備え、第一作動室あるいは第二作動室が配管を介して一方の圧力室へ連通されることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
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