JP2007303544A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰力波形に圧力サージを生じさせることが無く車両における乗心地を向上することができる緩衝器を提供することであり、また、他の目的は、緩衝器の無用な大型化を回避して緩衝器の車両への搭載性を満足させることである。
【解決手段】緩衝器を、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンで区画した二つの圧力室の一方を第一の抵抗要素を介して第一のアキュムレータに接続し、各圧力室のうち他方を第二の抵抗要素を介して第二のアキュムレータに接続し、ピストンに設けた二つの圧力室を連通する流路の途中に減衰バルブを設ける構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来、この種緩衝器にあっては、一般的には、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入したピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、上記各圧力室を連通する流路と、流路の途中に設けた減衰バルブとを備えて構成されている。
そして、このような緩衝器では、ピストンがシリンダに対して相対移動するときに、流路を介して各圧力室内の液体を交流させ、つまり、流路を介して液体を一方の圧力室から他方の圧力室へ、他方の圧力室から一方の圧力室へ移動させ、流路の途中に設けた減衰バルブで液体の流れに抵抗を与えて各圧力室内の圧力に差を生じせしめて減衰力を発生させるようにしている。
ところで、特に、車両において車体上下方向の振動を減衰させるために使用される緩衝器にあっては、車体の固有振動数領域、すなわち、バネ上共振周波数領域と、車軸側部材の固有振動数領域、すなわち、バネ下共振周波数領域の二つの周波数領域において、高い減衰力を発揮することが望まれ、逆に、これら二つの周波数領域以外では、低い減衰力を発揮することが望まれる。
というのは、上記した二つの周波数領域では、車体或いは車軸側部材が共振してしまい車両における乗心地が著しく悪化し、また、車体姿勢の安定に好ましくないことから、その二つの周波数領域の振動を充分に減衰する必要があるので緩衝器は高い減衰力の発揮が期待され、それ以外の周波数領域では緩衝器が高い減衰力を発揮すると車両における乗心地を害するので、比較的低い減衰力を発揮することが期待されるのである。
上記要求から、緩衝器にあっては、振動速度や振動周波数に依存して減衰力を変化させるような設定が望ましく、特に、振動速度に依存して減衰力を変化させるものにあっては、緩衝器の減衰バルブを、たとえば、減衰力調整可能な減衰バルブとする提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
また、減衰力調整可能な減衰バルブを採用することに変えて、他の提案では、緩衝器の一方の圧力室にアキュムレータを接続するとともに、他方の圧力室に接続される二つのアキュムレータを接続し、さらに、他方の圧力室に接続されるアキュムレータのうち一つは、液体の流れに対しインダクタンスとして機能するチューブを介して他方の圧力室に接続してある。
なお、他の提案における緩衝器にあっては、インピーダンス法を用いて説明すると、インダクタンスとして機能する長いチューブとキャパシタンスとして機能するアキュムレータの共振周波数(圧力振動に対する共振周波数)においては、アキュムレータと他方の圧力室間の液体の流れの抵抗が小さくなり、他方、他方の圧力室に各アキュムレータが並列に接続されて、この並列回路の抵抗は並列回路の共振周波数において大きくなって、他方の圧力室と各アキュムレータとの液体の交流は妨げされることになる。
したがって、上記並列回路の共振周波数をバネ上共振周波数とバネ下共振周波数に割り当て、バネ上共振周波数とバネ下共振周波数との間にチューブとアキュムレータの共振周波数を割り当てることによって、車両に好ましい周波数依存の減衰力を発揮させている。
特開2005−308178号公報(図1) 特開平6−307485号公報(図5)
上述のような提案の緩衝器にあっては、振動速度或いは振動周波数に依存して車両にとって好ましい減衰力を発揮することができるのであるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、減衰力を調整可能な減衰バルブを採用する緩衝器では、高い周波数の振動に対する応答性には限界があって、図12中破線に示すように、緩衝器の伸縮の切り替わり時に緩衝器のストロークに対する減衰力波形に圧力サージによる影響、すなわち、伸縮の切り換わり時に大きな減衰力が生じる場合があり、その結果、車両における乗心地を悪化させ、騒音が発生する不具合がある。
このような不具合は、上記提案にあるような減衰力調整機構を採用する減衰バルブ特有な現象ではなく、パイロット圧で開閉動作を行うタイプの減衰バルブに一般的に見られる。
また、振動速度に依存して減衰力を可変にする減衰バルブを搭載した緩衝器にあっては、厳密には、振動周波数に依存して減衰力を発揮するものではないので、この点で、車両における乗心地に最適とならない場合もある。
転じて、上記の如くの周波数依存の減衰力を発揮させる上では、インダクタンスとして機能するチューブとキャパシタンスとして機能するアキュムレータを他方の圧力室に接続する必要があり、特に、インダクタンスとして機能するチューブは長くなるので、アキュムレータの搭載が必須でありただでさえ大型化が避けられない緩衝器の大きさがさらに大きくなって車両への搭載性が悪化することとなり、サスペンションへの適用が困難となる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、減衰力波形に圧力サージを生じさせることが無く車両における乗心地を向上することができる緩衝器を提供することであり、また、他の目的は、緩衝器の無用な大型化を回避して緩衝器の車両への搭載性を満足させることである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、ピストンに設けられ上記二つの圧力室を連通する流路と、流路の途中に設けた減衰バルブと、一方の圧力室に接続される第一のアキュムレータと、一方の圧力室と第一のアキュムレータとを交流する液体の流れに抵抗を与える第一の抵抗要素と、他方の圧力室に接続される第二のアキュムレータと、他方の圧力室と第二のアキュムレータとを交流する液体の流れに抵抗を与える第二の抵抗要素とを備えた。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、周波数に依存して車両に最適となるように減衰力を可変とすることが可能であって、また、緩衝器のピストン部における減衰バルブには高い応答性を求めることが無いので、緩衝器の発生減衰力が安定するとともに緩衝器が安価となって経済性の点でも有利となり、また、そのような減衰バルブを使用することによる乗心地の悪化や異音の発生と言う不具合も解消されるので緩衝器の実用性も向上することになる。
そして、緩衝器に周波数依存の減衰力を発生させる際に、第一および第二のアキュムレータとシリンダ内とをインダクタンスとして機能するチョーク通路のような長い通路にて接続する必要は無いので、緩衝器の大型化が回避され、車両への搭載性が従来緩衝器に比較して飛躍的に向上することになり、車両への搭載性が満足される。
以下、本発明の緩衝器を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の概念図である。図2(A)は、一実施の形態の緩衝器の減衰バルブの周波数流量特性を示す図である。図2(B)は、一実施の形態の緩衝器の減衰バルブの流量圧力損失特性を示す図である。図3(A)は、第一の抵抗要素と第一のアキュムレータの総合および第二の抵抗要素と第二のアキュムレータの総合の周波数流量特性を示す図である。図3(B)は、第一の抵抗要素と第一のアキュムレータの総合および第二の抵抗要素と第二のアキュムレータの総合の流量圧力損失特性を示す図である。図4は、一実施の形態における緩衝器の周波数減衰力特性を示す図である。図5は、具体的な緩衝器の一例を示す図である。図6は、具体的な緩衝器の他の例を示す図である。図7は、具体的な緩衝器の別の例を示す図である。図8は、緩衝器に適用される減衰バルブの一例を示す図である。図9は、緩衝器に適用される減衰バルブの他の例を原理的に示す図である。図10は、緩衝器に適用される減衰バルブの別の例を原理的に示す図である。図11は、緩衝器に適用される具体的な減衰バルブを示す図である。図12は、緩衝器のストロークに対する減衰力波形を示す図である。
一実施の形態における緩衝器D1は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1内にピストン2で区画した二つの圧力室R1,R2と、ピストン2に設けられ上記二つの圧力室R1,R2を連通する流路3と、流路3の途中に設けた減衰バルブ4と、一方の圧力室R1に接続される第一のアキュムレータA1と、一方の圧力室R1と第一のアキュムレータA1とを交流する液体の流れに抵抗を与える第一の抵抗要素5と、他方の圧力室R2に接続される第二のアキュムレータA2と、他方の圧力室R2と第二のアキュムレータA2とを交流する液体の流れに抵抗を与える第二の抵抗要素6とを備えて構成されている。
以下、詳しく説明すると、シリンダ1は筒状とされており、このシリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2によって、シリンダ1は、作動油等の液体が充填される二つの圧力室R1,R2が形成されている。また、シリンダ1内にはピストンロッド7が移動自在に挿入され、その一端はピストン2に連結されている。
そして、ピストン2には、上記各圧力室R1,R2を連通する流路3が設けられており、この流路3の途中には、開度を変更することによって流路3の通過する液体の流れに与える抵抗を可変とする減衰バルブ4が設けられている。
この減衰バルブ4は、図示するところでは、弁体4aと、流路3を閉じる方向に弁体4aを附勢するバネ4bと、上記バネ4bに対向する推力を発揮するソレノイド4cとを備えて構成されており、ソレノイド4cへの電力供給は、緩衝器D1の外部に設けたコントローラCによって行われ、このコントローラCはピストンロッド7の軸芯部に配設したライン4dを介してソレノイド4cに接続されている。
そして、基本的には、緩衝器D1が伸縮する場合、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図1中上下方向に相対移動する場合、上記した各圧力室R1,R2内の液体はピストン2に設けた流路3を介して交流することになるが、この流路3を通過する液体の流れに上記した減衰バルブ4で抵抗を与えることによって、各圧力室R1,R2内の圧力に差を生じせしめて、緩衝器D1に減衰力を発生させるようになっている。
また、この緩衝器D1は、たとえば、シリンダ1およびピストンロッド7の一方を車両の車体側に連結し、シリンダ1およびピストンロッド7の他方を車両の車軸側に連結することで、車両の車体振動を減衰するために使用される。
さらに、本実施の形態における緩衝器D1のシリンダ1の側方には、二つのアキュムレータA1,A2が設けられており、一方の第一のアキュムレータA1は、第一の抵抗要素5を介して一方の圧力室R1に連通され、他方の第二のアキュムレータA2は、第二の抵抗要素6を介して他方の圧力室R2に連通されている。
したがって、本実施の形態における緩衝器D1にあっては、緩衝器D1の伸縮時には、各圧力室R1,R2内の液体は、流路3を介して交流するのみならず、一方の圧力室R1と第一のアキュムレータA1とを液体が交流するとともに、他方の圧力室R2と第二のアキュムレータA2とを液体が交流するようになっている。
なお、各アキュムレータA1,A2の構成であるが、アキュムレータA1,A2内には液体と液体加圧用の気体とが封入されており、特に、各アキュムレータA1,A2が接続されている各圧力室R1,R2内への気体の漏洩の心配がなければ、各アキュムレータA1,A2内の気体と液体とを分離する可撓壁を設けなくともよいが、その恐れがある場合には、ゴム等で形成した可撓壁で気体と液体とを分離する構造を採用するとよい。
続いて、このように構成された緩衝器D1の作用について説明する。まず、緩衝器D1が伸長する場合、ピストン2がシリンダ1に対し図1中上方側に移動し、ピストン2のシリンダ1に対する変位に応じてピストンロッド7がシリンダ1から退出する。
このピストン2の移動によって一方の圧力室R1の容積が減少し他方の圧力室R2の容積が増大するので、流路3を介して一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ液体が移動するとともに、シリンダ1内で不足となるピストンロッド7がシリンダ1から退出する体積分の液体は、上記した第一のアキュムレータA1或いは第二のアキュムレータA2から供給される。
そして、緩衝器D1は、この伸長時には、一方の圧力室R1内の圧力と一方の圧力室R1のピストン受圧面積(ピストン2の断面積からピストンロッド7の断面積を引いた値)を乗算した値から、他方の圧力室R2内の圧力とピストン2の断面積を乗算した値を引いて算出される減衰力を発揮することになる。
他方、緩衝器D1が圧縮される場合には、上記とは逆に、ピストン2のシリンダ1に対し図1中下方への移動によって、一方の圧力室R1の容積が増大し他方の圧力室R2の容積が減少するので、流路3を介して他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ液体が移動するとともに、ピストン2のシリンダ1に対する変位に応じてピストンロッド7がシリンダ1内に侵入するので、シリンダ1内で過剰となるピストンロッド7のシリンダ1内へ進入する体積分の液体は、上記した第一のアキュムレータA1或いは第二のアキュムレータA2によって吸収される。
そして、緩衝器D1は、この圧縮時には、他方の圧力室R2内の圧力とピストン2の断面積を乗算した値から、一方の圧力室R1内の圧力と一方の圧力室R1のピストン受圧面積を乗算した値を引いて算出される減衰力を発揮することになる。
ここで、緩衝器D1の発生する減衰力は、各圧力室R1,R2の伸縮時における圧力差をコントロールすることで設定することができ、減衰バルブ4の設定、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6の設定によって、その減衰力の周波数特性(振動周波数と減衰力との関係)を決定することができる。
たとえば、減衰バルブ4の周波数流量特性を、図2(A)に示すように、周波数の増加とともに流量が漸減するように設定し、また、その流量圧力損失特性を図2(B)に示すように、流量の増加とともに圧力損失が増加するに設定しておく。他方、第一の抵抗要素5と第一のアキュムレータA1の総合、および、第二の抵抗要素6と第二のアキュムレータA2の総合の流量圧力損失特性は、図3(B)に示すように、流量の増加とともに圧力損失が漸増するように設定しておくと、上記緩衝器D1の伸縮の周波数に対する減衰力の特性である周波数減衰力特性は、図4に示すように、周波数が低い時と高い時に発生減衰力を大きく、その中間であるときには減衰力を小さく設定することができる。
なお、第一の抵抗要素5と第一のアキュムレータA1の総合、および、第二の抵抗要素6と第二のアキュムレータA2の総合の周波数流量特性は、減衰バルブ4の周波数流量特性の設定によって、図3(A)に示すように、周波数の増加とともに流量が漸増するようになる。
また、第一の抵抗要素5と第一のアキュムレータA1の総合、および、第二の抵抗要素6と第二のアキュムレータA2の総合の流量圧力損失特性は、図3(A)のように、圧力損失が流量の二乗に比例するような特性の他、流量に比例するような特性とされてもよい。
この周波数減衰力特性につき、詳しく説明すると、緩衝器D1に入力される振動の周波数が低い低周波領域のときには、緩衝器D1のストロークが大きく、また、振動周期が長いので、シリンダ1で過不足となる液体量も多くなることから、第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2内の圧力変動が大きくなる。そして、たとえば、緩衝器D1が伸長する場合には、その伸長のストロークの程度が進むにつれ第一のアキュムレータA1は次第に蓄圧され、第一のアキュムレータA1への液体の流れは妨げられるようになり、液体は主として減衰バルブ4を介して一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ移動することになり、緩衝器D1は大きな減衰力を発揮する。他方、緩衝器D1が圧縮される場合には、圧縮のストロークの程度が進むにつれ第二のアキュムレータA2は次第に蓄圧され、第二のアキュムレータA2への液体の流れは妨げられるようになり、液体は主として減衰バルブ4を介して他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ移動することになり、緩衝器D1は大きな減衰力を発揮する。したがって、周波数が低い振動に対しては、緩衝器D1は大きな減衰力を発揮する。
つづき、緩衝器D1に入力される振動の周波数が先ほどより高くなって中間領域の周波数となると、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6を通過する流量はその周波数流量特性によって周波数が低いときより少なくなるので、第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2内の圧力変動は先ほどより小さくなる。したがって、この場合、周波数が低いときより第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2へ液体が流れ込みやすくなるとともに、減衰バルブ4における流量も確保され、緩衝器D1は周波数が低いときより小さい減衰力を発揮するようになる。
そして、緩衝器D1に入力される振動の周波数がさらに高くなって高周波領域の振動となると、今度は、減衰バルブ4の周波数流量特性によって、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との減衰バルブ4を通じて液体の交流が妨げられるようになることから、液体は主として一方の圧力室R1と第一のアキュムレータA1とで交流するとともに、他方の圧力室R2と第二のアキュムレータA2とで交流するようになる。すると、液体は主として第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6を通過するようになって、その通過液体量が増加するので、第一の抵抗要素5と第一のアキュムレータA1の総合、および、第二の抵抗要素6と第二のアキュムレータA2の総合の流量圧力損失特性によって、緩衝器D1は高い周波数となる領域で大きな減衰力を発揮することとなる。
そして、減衰力が大きくなるときの周波数の設定を、バネ上共振周波数とバネ下共振周波数に合致するようにしておくことによって、緩衝器D1に大きな減衰力を発生させることによって車体或いは車軸側部材が共振してしまう周波数帯域の振動をよく減衰させ車両における乗心地を向上させるとともに車体姿勢を安定させることができ、また、上記二つの共振周波数領域外の振動入力時には緩衝器D1に小さい減衰力を発生させることによって、この二つの共振周波数領域外の振動入力時における乗心地を向上させることが可能となる。
この場合、具体的には、減衰バルブ4は、高周波振動に対しては、開度が低下するような設定とすれば、つまり、周波数が高くなるとソレノイド4cへの通電量を小さくするような設定にすれば、図4中実線に示すが如くの周波数減衰力特性を発揮することができ、減衰バルブ4は、高周波振動に対する高い応答性を備えておく必要が無い。この場合、抑制手段はソレノイド4cということになる。
そして、一般に、減衰バルブは高い応答性を諸元とすると、弁体等が振動しやすくなり、高周波数領域の振動の入力時に液体の流れに安定した抵抗を与えることが難しくなるが、上述のように減衰バルブ4は高い応答性を備える必要が無いので、減衰バルブ4の諸元を安定した動作を行える範囲内に設定することが可能となる。
そして、減衰バルブ4に高周波領域の応答性を求めないと、通常、その周波数領域において、減衰バルブ4の開弁の応答性が悪くなり、流路3の開放が緩衝器D1の振動に対して遅れるようなことになって、緩衝器D1の伸縮の切り換わり時に、圧力のサージが発生して車両の乗心地が悪化する他、異音を発生するような不具合が生じる危険があるが、本実施の形態の緩衝器D1にあっては、高周波振動時の減衰バルブ4の応答性が低くて開弁の応答が振動に対して遅れるような事態となっても、各圧力室R1,R2は、それぞれ第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2に接続されているので、第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2が上記圧力サージを発生させるような液体を吸収するので、図12中実線で示すように、上記圧力サージの発生を抑制することができ、これによって車両における乗心地を向上するとともに緩衝器D1の異音発生を抑制することもできる。
言い換えれば、圧力サージによる弊害を除去することができるので、動作の安定した減衰バルブ4を緩衝器D1に適用することが可能となって、緩衝器D1に安定した減衰力を発揮させて、車両搭乗者に違和感を与えてしまうような不具合も解消されることになる。
すなわち、本実施の形態の緩衝器D1にあっては、周波数に依存して車両に最適となるように減衰力を可変とすることが可能であって、また、緩衝器D1のピストン2部における減衰バルブ4には高い応答性を求めることが無いので、緩衝器D1の発生減衰力が安定するとともに緩衝器D1が安価となって経済性の点でも有利となり、また、そのような減衰バルブ4を使用することによる圧力サージの発生を防止可能であるので乗心地の悪化や異音の発生と言う不具合も解消されるので緩衝器D1の実用性も向上することになる。
そして、緩衝器D1に周波数依存の減衰力を発生させる際に、第一および第二のアキュムレータA1,A2とシリンダ1内とをインダクタンスとして機能するチョーク通路のような長い通路にて接続する必要は無いので、緩衝器D1の大型化が回避され、車両への搭載性が従来緩衝器に比較して飛躍的に向上することになる。
さらに、この実施の形態においては、減衰バルブ4は、ソレノイド4cへ供給する電流を制御することによって開度を調節することが可能であることから、流路3を通過する液体の流れに与える抵抗を調節することによって、図4中実線から図4中破線に示す周波数減衰力特性の範囲内(斜線部分)で、緩衝器D1が発生する周波数に対する減衰力を可変にすることができる。
また、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6については、オリフィスとしておくと、上記の周波数に対する図3の如くの特性を発揮させることが容易となるので好ましい。そして、このようにオリフィスとしておくことによって、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6の設置にあたり、緩衝器D1のシリンダ1の側方に長い通路を設ける必要が無く、また、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6をオリフィスとしておくことによって第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2をシリンダ1の外周を覆うようにして設けることができ、緩衝器D1の外径の大型化をより回避することが可能である。
また、第一の抵抗要素5および第二の抵抗要素6をリーフバルブとすることも可能である。この場合には、特に、ピストン2速度が極低速時に、緩衝器D1に比較的大きな減衰力を発生させることが可能となる利点がある。
つづき、上記した構成をより具体化した緩衝器D1について説明する。図5に示すように、より具体的な緩衝器D1は、シリンダ1の外方に設けられる外筒10と、外筒10とシリンダ1との間に設けた中間筒11とを備え、シリンダ1と中間筒11との間の隙間に第二のアキュムレータA2を形成するとともに、中間筒11と外筒10との間の隙間に第一のアキュムレータA1を形成してある。
そして、その他の構成は、上述した緩衝器D1と同様の構成としてあり、シリンダ1内には摺動自在にピストン2が挿入され、シリンダ1内はピストン2で二つの圧力室R1,R2に区画され、ピストン2は、上記二つの圧力室R1,R2を連通する流路3が設けられて、この流路3の途中には上述の減衰バルブ4が設けられている。
また、上記したシリンダ1、中間筒11および外筒10の上端には、これら部材の上端を封止しピストンロッド7を摺動自在に軸支するヘッド部材16が設けられるとともに、シリンダ1、中間筒11および外筒10の下端には、これら部材の下端を封止するボトム部材17が設けられ、このヘッド部材16およびボトム部材17でシリンダ1、中間筒11および外筒10の一体化が図られている。
そして、この緩衝器D1の図5中上方側の一方の圧力室R1は、シリンダ1の上端側部に設けた孔11aによって中間筒11とシリンダ1との間の隙間内に連通されている。さらに、シリンダ1の下端を閉塞するボトム部材17には、他方の圧力室R2を中間筒11とシリンダ1との間の隙間に連通する通路17aが形成され、さらに、この通路17aの途中には、第二の抵抗要素であるオリフィス孔14が設けられている。
また、中間筒11の中間部とシリンダ1の中間部との間には、中間筒11とシリンダ1との間の隙間を上下に分割する環状の仕切部材15が設けられており、この仕切部材15によって、中間筒11とシリンダ1との間の隙間を介しての一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との連通が遮断されている。
そして、中間筒11とシリンダ1との間の隙間であって上記仕切部材15より下方の空間には、液体と気体が封入されており、この中間筒11とシリンダ1との間の隙間であって上記仕切部材15より下方の空間で第二のアキュムレータA2を形成している。
さらに、中間筒11とシリンダ1との間の隙間であって上記仕切部材15より上方の空間は、中間筒11の仕切部材15より上方であってその近傍に設けた第一の抵抗要素であるオリフィス孔13によって外筒1と中間筒11との間の隙間に連通されており、この外筒10と中間筒11との間の隙間には液体と気体が封入されており、この外筒10と中間筒11との間の隙間で第一のアキュムレータA1を形成している。なお、オリフィス孔13をシリンダ1に設けて、孔11aを中間筒11に設けるようにしてもよい。
より具体的な緩衝器D1は、上記のように構成され、そして、このように中間筒11と外筒10をシリンダ1の外方に設けて第一のアキュムレータA1と第二のアキュムレータA2でシリンダ1を取り囲むようにして配置するようにしたので、緩衝器D1のストローク長を無駄にしないばかりか緩衝器D1の外径をよりスリムにすることができ、緩衝器D1を車両に適用する場合に通常の緩衝器に比較してもさほど大きな取付スペースを必要としないので、車両への搭載性を損なうことが無く、緩衝器D1の実用性を向上させることが可能である。
さらに、中間筒11を設けて、シリンダ1の上方側となる一方の圧力室R1と第一のアキュムレータA1との接続に際し、中間筒11とシリンダ1との間の隙間を通路として使用することで、通路取付位置(この場合、孔11a)をシリンダ1の上方に配置することができ、緩衝器D1のストローク長を無駄にすることもない。
なお、第一のアキュムレータA1における液面は、緩衝器D1が伸縮動作を呈しても中間筒11に設けたオリフィス孔13より常に上方側に位置するような配慮がなされ、第二のアキュムレータA2における液面についても、緩衝器D1が伸縮動作を呈してもシリンダ1の端部を閉塞するボトム部材17に設けた通路17aより上方側に位置するような配慮がなされることは当然である。
つづき、より具体的な緩衝器D1としては、図6に示すような構成を採用することも可能である。この図6に示すより具体的な緩衝器D1にあっては、シリンダ1の側部に第一のアキュムレータA1と第二のアキュムレータA2を設けてある。
詳しくは、シリンダ1の上方側の側部には、L字状の管路20が取付けられており、この管路20は、第一のアキュムレータA1を形成する中空なハウジング21内と一方の圧力室R1とを連通している。
そして、上記ハウジング21は、上下端が閉塞された円筒状とされ、ハウジング21内は上記管路20を通じて一方の圧力室R1内に連通されるほかは密封状態とされている。
また、ハウジング21内には、摺動自在にフリーピストン23が収納されて気室G1と液室L1とが隔成されており、さらに、液室L1は、ハウジング21内に設けた隔壁部材22によって上下の部屋a1,b1に区画されている。
そして、上記した隔壁部材22には、通路22a,22bが設けられ、通路22aの下端は隔壁部材22の下方に積層したリーフバルブ24によって閉塞されるとともに、通路22bの上端は隔壁部材22の上方に積層したリーフバルブ25によって閉塞され、これらリーフバルブ24,25によって第一の抵抗要素を構成してある。
さらに、シリンダ1の下方側の側部にも、L字状の管路26が取付けられており、この管路26は、第二のアキュムレータA2を形成する中空なハウジング27内と他方の圧力室R2とを連通している。
そして、上記ハウジング27は、上下端が閉塞された円筒状とされ、ハウジング27内は上記管路26を通じて他方の圧力室R2内に連通されるほかは密封状態とされている。
また、ハウジング27内には、摺動自在にフリーピストン29が収納されて気室G2と液室L2とが隔成されており、さらに、液室Lは、ハウジング27内に設けた隔壁部材28によって上下の部屋a2,b2に区画されている。
そして、上記した隔壁部材28には、通路28a,28bが設けられ、通路28aの上端は隔壁部材28の上方に積層したリーフバルブ30によって閉塞されるとともに、通路28bの下端は隔壁部材28の上方に積層したリーフバルブ31によって閉塞され、これらリーフバルブ30,31によって第二の抵抗要素を構成してある。なお、リーフバルブ24,25,30,31は、積層リーフバルブとして構成されてもよい。
この場合、第一および第二のアキュムレータA1,A2をシリンダ1の側部に設けたので、緩衝器D1のストローク長を無駄にしないことは無論として、第一および第二の抵抗要素の搭載スペースを大きく取ることが可能となって第一および第二の抵抗要素にオリフィス以外の種々のバルブを採用することができ、特に、第一および第二の抵抗要素に上記したリーフバルブ24,25,30,31を採用する場合には、緩衝器D1の減衰力のチューニングが非常に簡単となる利点がある。
さらに、第一および第二のアキュムレータA1,A2の容量を大きく確保することが可能となるので、緩衝器D1の周波数減衰力特性の設計の自由度が高まる。
なお、この場合、第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2がシリンダ1の側部に設けられているが、管路20,26については、特に、液体の流れに対し特別な作用を呈する必要は無く各管路20,26を長く設定しなければならない制約が無いので、第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2をシリンダ1の側部近傍に設けるようにすることができるから、この点で緩衝器D1の外径を無用に大型化してしまうことが無い点で実用性が向上し、車両への搭載性も向上することになる。
さらに、より具体的な緩衝器D1としては、図7に示すような構成を採用することが可能である。この図7に示すより具体的な緩衝器D1にあっては、シリンダ1の側部外周に第一のアキュムレータA1を設けるとともに、シリンダ1内の図7中下方、すなわち、他方の圧力室R2の下方に第二のアキュムレータA2を設けている。
詳しくは、シリンダ1の上方側の側部には、シリンダ1を覆う、環状のケース32を取付けてあって、このケース32は、シリンダ1側に凹部を備えた形状となっており、この凹部とシリンダ1の側部とで第一のアキュムレータA1を形成しており、ケース32内と第一のアキュムレータA1とを連通するオリフィス孔1aがシリンダ1の上方であってケース32に対向する部位に位置決められて設けられており、このオリフィス孔1aは第一の抵抗要素として機能する。
他方、第二のアキュムレータA2は、シリンダ1内に設けた隔壁部材33によって他方の圧力室R2の下方に形成されており、シリンダ1内周の隔壁部材33よりさらに下方にはフリーピストン34が摺動自在に挿入され、このフリーピストン34でシリンダ1内の隔壁部材33より下方側は、液室L3と気室G3とに区画されている。
さらに、上記した隔壁部材33には、他方の圧力室R2と上記液室L3とを連通する通路33a,33bが設けられ、通路33aの下端は隔壁部材33の下方に積層したリーフバルブ35によって閉塞されるとともに、通路33bの上端は隔壁部材33の上方に積層したリーフバルブ36によって閉塞され、これらリーフバルブ35,36によって第二の抵抗要素を構成してある。なお、リーフバルブ35,36は、積層リーフバルブとして構成されてもよい。
この場合、第一のアキュムレータA1のハウジングを構成するケース32をシリンダ1の側部外周に直接的に設け、また、第二のアキュムレータA2をシリンダ1内に設けるような構成としたので、緩衝器D1の外径をスリムにすることができ、車両への搭載性をも満足させるので、緩衝器D1の実用性が向上することになる。
そして、上記構成によって、特に、第二の抵抗要素の搭載スペースを大きく取ることが可能となって第二の抵抗要素にオリフィス以外の種々のバルブを採用することができ、第二の抵抗要素に上記したリーフバルブ35,36を採用する場合には、緩衝器D1の減衰力のチューニングが非常に簡単となる利点がある。
さらに、第一および第二のアキュムレータA1,A2の容量を大きく確保することが可能となるので、緩衝器D1の周波数減衰力特性の設計の自由度が高まる。
なお、この図7に示した構成では、第二のアキュムレータA2のみをシリンダ1内に設けるようにしているが、緩衝器D1のストローク長確保の点で問題が無い場合には、シリンダ1内であって一方の圧力室R1の上方にピストンロッド7が軸芯部を貫く隔壁部材を設けて、上記隔壁部材の上方に第一のアキュムレータA1を形成するようにしてもよい。
つづいて、緩衝器D1のピストン2に設けられる減衰バルブ4のバリエーションについて説明する。緩衝器D1に周波数依存した減衰力を発生させるには、本実施の形態の減衰バルブ4のように減衰力調整機構(バネ4bとソレノイド4c)を備えたものの他に、たとえば、図8に示すように、流路3a,3bの途中に環状の弁座を設けてこれにバネ等による附勢力を受けて着座するポペット型の弁体を設けるようなポペット弁を採用することが可能である。なお、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通する流路3を、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の流れを許容する流路3aと、他方の圧力室R2から他方の圧力室R1への液体の流れを許容する流路3bの二つの流路で構成してある。この場合、上記したように、高周波数振動に対する応答性が要求されないので、通常では不安定になりやすい直動型の上記ポペット弁の応答性を低下させて使用するが可能となるので、このような弁を使用しても緩衝器D1が発生する減衰力を安定させることが可能である。
さらに、図9に示すように、流路3を、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の流れを許容する流路3aと、他方の圧力室R2から他方の圧力室R1への液体の流れを許容する流路3bの二つの流路で構成し、そのそれぞれ流路3a,3bに減衰バルブ4のソレノイド4cを廃して、代わりに、パイロット流路4eを介して各流路3a,3bの上流側の圧力をパイロット圧として弁体4aを開弁する方向に作用させるものを採用することができる。このパイロット流路4eには、抑制手段であるオリフィス4fを設けてあり、緩衝器D1に高周波振動が入力される場合、オリフィス4fに作用によってパイロット圧の上昇が遅れることになり減衰バルブ4の応答性が低くなるようになっており、図2に示した各特性を満たすことができる。
さらに、減衰バルブ4を、図10に示すバルブとすることも可能である。この場合、流路3は、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の流れを許容するメイン流路M1と、他方の圧力室R2から他方の圧力室R1への液体の流れを許容するメイン流路M2の二つの流路M1,M2で構成されている。
そして、図10に示す減衰バルブ4は、各メイン流路M1,M2の途中に設けられメイン流路M1,M2と上流側の圧力(開パイロット圧力)で開弁するメインバルブV1,V2と、パイロット流路P1,P2の途中にそれぞれ設けられパイロット流路P1,P2の上流側の圧力(開パイロット圧)で開弁するサブバルブV3,V4とを備えて構成される。
メインバルブV1,V2は、それぞれ、メイン流路M1,M2の上流側の圧力を開パイロット圧として開弁方向に作用させる構成とされる一方で、パイロット流路P1,P2側の圧力を閉パイロット圧として閉弁方向に作用させるようになっている。なお、このメインバルブV1,V2は、閉弁状態で液体の通過を許容する図示しないオリフィス通路を備えている。
また、サブバルブV3,V4は、それぞれパイロット流路P1,P2の上流側の圧力を開パイロット圧として開弁方向に作用させる構成とされる一方、バネSの附勢力をこの開パイロット圧に対向させて作用させるようにしてあり、バネSの附勢力はソレノイドSolの吸引力でコントロールすることができるようになっている。そして、このサブバルブV3,V4は、メインバルブV1,V2に作用させる閉パイロット圧をコントロールするためのバルブである。
さらに、パイロット流路P1,P2の上流には、それぞれ、オリフィスO1,O2と、このオリフィスO1,O2に並列し上流から下流へと向かう流れを阻止する逆止弁C1,C2が設けられている。
また、さらに、パイロット流路P2の圧力を閉パイロット圧としてサブバルブV3を閉じる方向に作用させる開弁抑止流路X1がパイロット流路P2の途中に設けられ、この開弁抑止流路X1の途中には、オリフィスX2と、このオリフィスX2と並列されるとともに、サブバルブV4方向への流れのみを許容する逆止弁X3が設けられ、これとは逆に、パイロット流路P1の圧力を閉パイロット圧としてサブバルブV4を閉じる方向に作用させる開弁抑止流路Y1がパイロット流路P1の途中に設けられ、この開弁抑止流路Y1の途中には、オリフィスY2と、このオリフィスY2と並列されるとともに、サブバルブV3方向への流れのみを許容する逆止弁Y3が設けられている。なお、この開弁抑止流路X1,Y2、オリフィスX2,Y2および逆止弁X3,Y3の構成で抑止手段を形成している。
この図10に示す減衰バルブ4の動作を説明すると、緩衝器D1が伸長してピストン2がシリンダ1に対して上方に移動すると一方の圧力室R1の圧力が高まりメイン流路M1を介して他方の圧力室R2へ移動しようとする。
このとき、ピストン2のシリンダ1に対する速度が低い場合、パイロット流路P1内の圧力がさほど高くならないため、サブバルブV3を開くことができず、結果、メインバルブV1に作用する開パイロット圧と閉パイロット圧との間にメインバルブV1を開弁させるだけの差圧を生じさせないので、メインバルブV1もまた閉じた状態となり、一方の圧力室R1内の液体はメインバルブV1のオリフィス通路のみを介して他方の圧力室R2へ移動することとなる。
そして、ピストン速度が高くなると、パイロット流路P1内の圧力も高くなり、サブバルブV3が開弁する。そして、このサブバルブV3の開弁によってメインバルブV1に作用する閉パイロット圧が低下し、開パイロット圧と閉パイロット圧との間にメインバルブV1を開弁させるだけ差圧が生じて、メインバルブV1が開弁する状態となり、一方の圧力室R1内の液体はメインバルブV1の開弁によって他方の圧力室R2へ移動することとなる。
なお、ピストン2がシリンダ1に対して下方に移動する、すなわち、緩衝器D1が圧縮される状況にあっても、緩衝器D1の伸長時と同様に、ピストン2速度が低いときには、メインバルブV2は閉弁状態に維持され、ピストン2速度が高くなると、メインバルブV2が開弁されることとなる。
つづき、この減衰バルブ4の周波数特性について説明すると、緩衝器D1の振動周波数が高くなると、パイロット流路P1から分岐する開弁抑止流路Y1およびパイロット流路P2から分岐する開弁抑止流路X1によって各サブバルブV3,V4への作用する閉パイロット圧は、逆止弁X3,Y3とオリフィスX2,Y2の作用によって、低下しにくくなる。すなわち、閉パイロット圧の解消が抑制されることになる。
すると、サブバルブV3,V4は、緩衝器D1の振動周波数が高くなると、その開弁が抑制されて開弁しにくくなり、結果、メインバルブV1,V2にあっても、開弁が抑制されることになる。
したがって、この図10に示した減衰バルブ4も振動周波数が高い場合には、抑止手段を設けて高周波振動に対して通過流量が著しく低下するような設定となっており、液体通過が妨げられることになり、図2に示した特性を呈することができる。
すると、この図10に示した減衰バルブ4を上記緩衝器D1に適用することによって、図4に示した周波数減衰特性を実現することができるのである。そして、サブバルブV3,V4が開弁する開パイロット圧は、ソレノイドsolによって調節することが可能であるから、この図10の減衰バルブ4によっても、図4中実線から図4中破線に示す周波数減衰力特性の範囲内(斜線部分)で、緩衝器D1が発生する周波数に対する減衰力を可変にすることができる。
また、この図10に示した減衰バルブ4では、パイロット流路P1,P2の途中にオリフィスO1,O2を設けており、緩衝器D1の伸縮の切り換わり時に、メインバルブV1,V2の開弁の応答性が低下するが、このように高周波振動に対して応答性が低下に対しても、第一および第二のアキュムレータA1,A2によって一方および他方の圧力室R1,R2への液体の吸収と供給が行われるので、圧力サージを生じる恐れが無いのは上述の通りである。
なお、上記した図10の減衰バルブ4の具体的な構成の一例を示すと、図11に示すように、具体的な減衰バルブ4は、流路3の途中に設けられ上流側圧力によって流路3を開放するメインバルブ41と、流路3を閉じる方向にメインバルブ41を附勢する附勢手段たるバネ42と、バネ42の附勢力を減ずる方向に吸引力を発生するソレノイド43と、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通するパイロット流路44と、パイロット流路44の途中に設けた伸側パイロット室45と圧側パイロット室46と、パイロット流路44の途中であって伸側パイロット室45と圧側パイロット室46との間に設けられ該パイロット流路44を開閉するサブバルブ51と、パイロット流路44の途中に並列して設けられる一方の圧力室R1から伸側パイロット室45へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィス47および一方の圧力室R1から伸側パイロット室45へ向かう流れのみを阻止する逆止弁48と、同様にパイロット流路44の途中に並列して設けられる他方の圧力室R2から圧側パイロット室46へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィス49および他方の圧力室R2から圧側パイロット室46へ向かう流れのみを阻止する逆止弁50とを備えている。
より詳しくは、ピストン2は、頂部が閉塞される筒状に形成され、その頂部には、ピストン2内外を連通する孔2aが設けられるとともに、側部にも、内外を連通する孔2bが設けられている。なお、ピストン2の外周には、ピストンリング2cが装着され、このピストンリング2cをシリンダ1の内周に摺接させて、シリンダ1内を図11中上方側となる一方の圧力室R1と下方側となる他方の圧力室R2とに区画している。
そして、このピストン2の内部上方には、スペーサ60が配置され、このスペーサ60に積層するようにしてピストン2の内部に、コアに巻装されたコイル43gとコイル43gによって励磁される固定鉄心43aとで構成される筒状のステータ43bとステータ43b内に移動自在に挿入される可動鉄心43cとを備えたソレノイド43が収納されている。なお、可動鉄心43cは、筒状とされるとともに、図11中下端内周には、その内方へ突出するフランジ部43dが設けられ、また、可動鉄心43cは、図11中下端から開穿されて可動鉄心43c内に連通される通孔43eを備えている。
また、固定鉄心43aには、ステータ43b内外を連通する通路43fが設けられており、この通路43fは、スペーサ60に設けた通路60aを介してピストン2の頂部に設けられる孔2aに連通されている。なお、このステータ43b内は、後述する伸側パイロット室45内に連通されており、パイロット流路44の一部を形成している。
そして、スペーサ60の通路60aの途中には、固定鉄心43cに設けた環状板で形成される逆止弁48が設置されており、この逆止弁48は、一方の圧力室R1からステータ43b内へ向かう流れのみを阻止するようになっている。また、この逆止弁48の外周には、オリフィス47として機能する切欠が設けられており、このオリフィス47としての切欠は、一方の圧力室R1からステータ43b内に連通される伸側パイロット室45へ向かう流れに抵抗を与えるようになっており、上記構成にてオリフィス47および逆止弁48がパイロット流路44に並列して設けられている。
さらに、ピストン2内には、スリーブ61が収容され、このスリーブ61は、筒状であって、その図11中上端側が小径とされて小径部61aが形成されるとともに、下端側が小径部より大径とされて大径部61bが形成され、この小径部61aの図11中下端から大径部61bの上端にかけて外周側に突出するフランジ部61cが形成されている。
そして、このスリーブ61は、その小径部61aが上記ソレノイド43のステータ43bの内周に挿入され、大径部61bがピストン2の内周に挿入されて、ピストン2内に収容される。
また、フランジ部61cの外周には、環状溝61dが形成され、この環状溝61d内に装着されたシール部材61eによって、このスリーブ61とピストン2の内周との間がシールされ、さらに、大径部61bの図11中下端側の側部には、ピストン2の孔2bに対向する孔61fが開穿されている。
そして、小径部61aの内周には、ソレノイド43の可動鉄心43cが摺動自在に挿入されており、この可動鉄心43c内には、サブバルブ51の一部を構成する第二ポペット53が摺動自在に挿入されている。
また、スリーブ61内であって、可動鉄心43cより図11中下方には、メインバルブ41が収容されている。このメインバルブ41は筒状であって、その内周側には、環状弁座41aが突設され、さらに、上記環状弁座41aの図11中下方となる他方の圧力室R2側には、内周側に突出するフランジ部41bが設けられ、このフランジ部41bには、フランジ部41bを上下に貫く通孔41cが開穿されて、通孔41cの途中にはオリフィス49が設けられ、さらに、フランジ部41bの他方の圧力室R2を向く面には環状の逆止弁座41dが設けられている。
そして、また、メインバルブ41の図11中下方側は、その外周部が拡径されて拡径部41eが形成されており、メインバルブ41は、この拡径部41eをスリーブ61の大径部61bの内周に摺接させるとともに、メインバルブ41の上端外周をスリーブ61の小径部61aの内周に摺接させて、スリーブ61内に収容されている。
このように、メインバルブ41がスリーブ61内に摺動自在に挿入されることによって、メインバルブ41の拡径部41eとメインバルブ41の外周とスリーブ61の小径部61aおよび大径部61bの内周とで仕切られる空間が形成され、該空間で圧側パイロット室46を構成し、この圧側パイロット室46は、メインバルブ41の側部であって拡径部41eの上方至近に開穿された通孔41fによってメインバルブ41内に連通されている。
また、ピストン2の最下端となる他方の圧力室R2に臨む開口端部の内周には、螺子部が形成されており、この螺子部にはナット100の外周が螺合される。そして、スリーブ61の大径部61bの下端には環状のディスク70が嵌合されており、詳しくは、このディスク70は、スリーブ61の下端内周に嵌合する凸部70aが設けられ、ピストン2の下端内周に螺着されるナット100によって下方から支持され、これによって、ピストン2内に、上述のスペーサ60、ソレノイド43、スリーブ61およびディスク70が固定されている。
また、上記凸部70aの図11中上面には、環状であってメインバルブ41の図11中下端が着座されるメイン弁座70bが突設されている。なお、このメイン弁座70bには、打刻オリフィス70cが設けられており、図10中のメインバルブV1,V2と同様に、メインバルブ41が着座した状態で少流量の液体の通過が許容されている。
そして、上記したディスク70の内周と、スリーブ61の大径部61bに設けられた孔61fおよびピストン2の孔2bによって緩衝器D1の一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とが連通されるようになっており、これらで流路3が形成されている。
したがって、メインバルブ41がメイン弁座70bに着座した状態では、流路3は閉塞され、この流路3を介しては一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との液体の交流は、上記打刻オリフィス70cを介して行われるものを除き、遮断され、メインバルブ41がメイン弁座70bから離座すると、流路3は開放されて流路3を介して一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との液体の交流が可能となり、この減衰バルブ4にあっては、このメインバルブ41とメイン弁座70bとの間の隙間を調節することによって、流路3を交流する液体の流れに与える抵抗を変化させることが可能である。
さらに、メインバルブ41内であってフランジ部41bより下方には、上記逆止弁座41dに着座する円板状の逆止弁50が設けられ、この逆止弁50は、この逆止弁50と、メインバルブ41の下端内周に嵌合されるリング状のストッパ62に保持されるスナップリング63と、の間に介装されるバネ64によって逆止弁座41dに着座する方向に附勢され、また、その外周には、切欠50aが設けられている。
ここで、他方の圧力室R2からメインバルブ41内の上方へ向かう液体は、逆止弁50を逆止弁座41dから離座させることができないので、上記切欠50a、通孔41cおよびオリフィス49を介してメインバルブ41内に移動することになる。他方、メインバルブ41内の図11中上方側から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対しては、逆止弁50が圧力によってバネ64の附勢力に抗して図11中下方に移動して開弁するので、液体は、フランジ部41bの内周側を通過することになる。
そして、上記したメインバルブ41の内周側は、圧側パイロット室46内に連通されるパイロット流路44の一部として機能し、オリフィス49は、他方の圧力室R2から圧側パイロット室46へ向かう流れに抵抗を与え、逆止弁50は、他方の圧力室R2から圧側パイロット室46へ向かう流れのみを阻止することになり、上記構成にてオリフィス49および逆止弁50がパイロット流路44に並列して設けられていることになる。
つづき、サブバルブ51について説明すると、サブバルブ51は、メインバルブ41の内周に収容されるとともに上記環状弁座41aに附勢手段たるバネ42の附勢力によって着座する筒状の第一ポペット52と、先端が第一ポペット52内に摺動自在に挿入されるとともにの該先端が第一ポペット52の内周に設けた第二の環状弁座52aに着座する筒状の第二ポペット53と、第二ポペット53の図11中上端となる後端側が摺動自在に挿入されるとともに第二ポペット53の後端を閉塞するガイド部材54とを備えて構成されている。
詳しくは、第一ポペット52は、筒状に形成されて、先端となる図11中下端は、先細りとなるように傾斜させてポペット型に形成され、この先端が、メインバルブ41の内周に設けた環状弁座41aに着座されるようになっている。そして、この第一ポペット52にあっては、その先端の内周の図11中上縁をもって、これを第二の環状弁座52aとしている。そして、さらに、第一ポペット52の上端には、内周側に突出するフランジ部52bが設けられ、第一ポペット52の側部には孔52cが開穿されて第一ポペット52の内外が連通されている。
また、第二ポペット53も筒状に形成されており、この第二ポペット53の先端となる図11中下端は、先細りとなるように傾斜させてポペット型に形成されている。この第二ポペット53は、第一のポペット52のフランジ部52bの内周に側部を摺接させて第一ポペット52内に先端側から摺動自在に挿入され、そのポペット型の先端が、上記した第一ポペット52の内周に設けた第二の環状弁座52aに着座されるようになっている。
そして、上記した第一ポペット52の内周と、第二ポペット53の外周とで仕切られる空間が形成され、該空間で伸側パイロット室45を構成し、この伸側パイロット室45は、上記孔52c、可動鉄心43cに設けた通孔43e、固定鉄心43aに設けた通路43f、スペーサ60に設けた通路60aおよびピストン2の頂部に設けられる孔2aを介して一方の圧力室R1に連通され、上記した各部でパイロット流路44の一部を形成している。
したがって、この図11に示した減衰バルブ4においては、パイロット流路44は、上記孔52c、可動鉄心43cに設けた通孔43e、固定鉄心43aに設けた通路43f、スペーサ60に設けた通路60a、ピストン2の頂部に設けられる孔2a、メインバルブ41の内周側、ストッパ62の内周側によって構成されていることになる。
さらに、上記した第二ポペット53の後端となる図11中上端側は、ソレノイド43の固定鉄心43aの軸芯部に保持される有底筒状のガイド部材54内に摺動自在に挿入されるとともに、また、可動鉄心43c内に挿入されている。
そして、第二ポペット53の内周側には段部53aが設けられており、この段部53aには、第二ポペット53内へ向かう流れのみに抵抗を与える片効きのオリフィスとしてオリフィス弁体66を積層し、このオリフィス弁体66とガイド部材54の底部との間には、附勢手段たるバネ42が介装されている。
上記したオリフィス弁体66は、図11に示すように、環状板本体66aと、環状板本体66aの内周の任意の部位から内周側に突出するようにして延びる腕66bと、腕66bの先端に設けたオリフィス孔を備えた円盤部66cとを備えて構成され、円盤部66cの外縁は、第二ポペット53の段部53aの内縁より大径に設定されるとともに、オリフィス弁体66を上記段部53aに積層すると、円盤部66cが第二ポペット53の段部53aに当接して段部53aを境として第二ポペット53内の上下は、オリフィス孔を介して連通されるようになっている。
このオリフィス弁体66は、上記したとおり、第二ポペット53の下方側から第二ポペット53の上方側であるバネ42が収納されている部屋rへ向かう液体の流れに対しては、上記腕66bを撓ませることによって、液体の流れに対して抵抗を殆ど与えないようになっており、逆に、上記バネ42が収納されている部屋rから第二ポペット53の下方へと向かう液体の流れに対しては、円盤部66cが段部53aに当接して液体にオリフィス孔のみを通過させることになって、オリフィスとして機能することになる。つまり、オリフィス弁体66は、第二ポペット53内へ向かう液体の流れのみに抵抗を与える片効きのオリフィスとして機能する。
戻って、上述の附勢手段たるバネ42は、固定鉄心43aに保持されているガイド部材54と第二ポペット53との間に介装されているので、バネ42は、第二ポペット53と第一ポペット52に押し付けて第二ポペット53を第二の環状弁座52aに着座させるとともに、第一ポペット52をメインバルブ41側に附勢し、第一ポペット52を環状弁座41aに着座させてメインバルブ41をもディスク70側へ向けて附勢し、このメインバルブ41をメイン弁座70bに着座させるように附勢力を発揮している。
またさらに、第二ポペット53の側部外周には鍔部53bが設けられており、この鍔部53bは、可動鉄心43cのフランジ部43dに当接可能な径に設定されている。したがって、ソレノイド43を励磁すると、可動鉄心43cが固定鉄心43bに吸引されることになるが、可動鉄心43cのフランジ部43dと鍔部53bとが当接するので、当該吸引力は第二ポペット53を介してバネ42を縮ませるように作用する。そして、上記吸引力が上記バネ42がもともと第二ポペット53を附勢している附勢力を超えない場合には、バネ42は縮むことが無く、バネ42の附勢力を減少させるように作用することになる。
したがって、上記ソレノイド43の電流量を制御することによって、バネ42の附勢力を調節することが可能であり、バネ42は、第一ポペット52、第二ポペット53およびメインバルブ41を附勢しているので、上記電流制御によって、第一ポペット52、第二ポペット53およびメインバルブ41の開弁圧を調節することが可能となっている。
また、上記第二ポペット53の後端側の外径は、第二の環状弁座52aの内径よりも大きく設定されるとともに、環状弁座41aの内径よりも小さく設定されている。
そして、(メインバルブ41の拡径部41eより図11中上方の外径の二乗)−(第二の環状弁座52の内径の二乗)>(メインバルブ41の拡径部41eの外周の二乗)−(メイン弁座70bの外径の二乗)の関係を満たすように設定され、第二ポペット53が第二の環状弁座52aから離座しない限り、メインバルブ41は伸側パイロット室45内のパイロット圧の作用によってメイン弁座70b側に附勢されて開弁しないように設定されている。なお、この伸側パイロット室45内のパイロット圧は同時に第二ポペット53を第二の環状弁座52aから離座させるように作用することになり、すなわち、伸側パイロット室45内に作用するパイロット圧は、メインバルブ41に対してはこれを閉じる閉パイロット圧として作用し、サブバルブ51の第二ポペット53に対してはこれを開く開パイロット圧として作用することになる。
また、(メインバルブ41の拡径部41eの外周の二乗)−(メインバルブ41の拡径部41eより図11中上方の外径の二乗)>(メイン弁座70bの内径の二乗)−(環状弁座41aの内径の二乗)の関係を満たすように各部が設定され、第一ポペット52が環状弁座41aから離座しない限り、メインバルブ41は圧側パイロット室46内のパイロット圧の作用によってメイン弁座70b側に附勢されて開弁しないように設定されている。なお、この圧側パイロット室46内のパイロット圧は同時に第一ポペット52を環状弁座41aから離座させるように作用することになり、すなわち、圧側パイロット室46内に作用するパイロット圧は、メインバルブ41に対してはこれを閉じる閉パイロット圧として作用し、サブバルブ51の第一ポペット52に対してはこれを開く開パイロット圧として作用することになる。
このように構成された図11に示す減衰バルブ4は、図10に示した構成を具体的構成としたものであるが、上述の如く構成することによって、図10中に示すメインバルブV1,V2を一つのメインバルブ41に集約することが可能であり、また、図10中のメインバルブV1,V2およびサブバルブV3,V4に使用するバネを一つのバネ42に集約することができ、さらに、図10中の二つのメイン流路M1,M2を一つの流路3に集約することができる構造上の利点がある。
つづいて、このように構成された減衰バルブ4の動作について説明すると、緩衝器D1が伸長する、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図11中上方に移動する場合であって、ピストン2の速度が低い場合には、一方の圧力室R1内の圧力上昇によって、一方の圧力室R1内の液体は、ピストン2の頂部に設けた孔2a、逆止弁48の外周に設けたオリフィス47として機能する切欠を通過して、パイロット流路44内に侵入する。
そして、ピストン2の図11中上方への移動によって上昇する一方の圧力室R1内の圧力は、伸側パイロット室45内にサブバルブ51の第二ポペット53を第二の環状弁座52aから離座させる開パイロット圧として作用するとともにメインバルブ41をメイン弁座70b側に押し付ける閉パイロット圧として作用する。
ピストン2の速度が低い場合、上記開パイロット圧が充分に大きくなく、第二ポペット53を開くことができず、すると、メインバルブ41もバネ42とこの伸側パイロット室45の閉パイロット圧によって附勢されてメイン弁座70bに着座した状態に維持され、流路3は開放されず、一方の圧力室R1内の液体は、打刻オリフィス70cを介して他方の圧力室R2内へ移動する。
そして、ピストン2速度が高くなって、伸側パイロット室45内の開パイロット圧が上昇して第二ポペット53をバネ42の附勢力に抗して第二の環状弁座52aから離座させるようになり、液体は、逆止弁50を開いて、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へパイロット流路44を介して移動するようになる。
さらに、その状態からピストン2の速度がさらに上昇して、メインバルブ41の拡径部41eの外径とメイン弁座70bの外径との間の面積を受圧面積として一方の圧力室R1内の圧力でメインバルブ41を図11中上方へ押し上げる力が、メインバルブ41の拡径部41eより図11中上方の外径と第二の環状弁座52aの内径との間の面積を受圧面積として、この受圧面積に第二ポペット53の開弁圧を乗じたメインバルブ41を下方に押し下げる力を上回るようになると、メインバルブ41はメイン弁座70bから離座して流路3を開放するようになる。なお、上記した第二ポペット53が開弁している状態では、パイロット流路44を介して伸側パイロット室45内に作用する開パイロット圧は、上記オリフィス47の圧力損失によって、常に第二ポペット53の開弁圧に調節される。
そして、ソレノイド43に通電する場合、ソレノイド43の吸引力によって、バネ42の附勢力を減じて、第二ポペット53の開弁圧を低くすることができるので、メインバルブ41が開弁する圧力を低くすることが可能であり、上述したところから明らかなように、ソレノイド43に電力供給しない場合が最もメインバルブ41の開弁圧が高くなり、最も高い減衰力を得ることが可能である。
すなわち、ソレノイド43へ供給する電流量によって、メインバルブ41の開弁圧を予め設定した範囲内で無段階に調節することが可能であるので、緩衝器D1の伸長側の減衰力を無段階に調節することが可能である。
転じて、緩衝器D1が圧縮される場合、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図11中下方に移動する場合であって、ピストン2の速度が低い場合には、他方の圧力室R2内の圧力上昇によって、他方の圧力室R2内の液体は、他方の圧力室R2から逆止弁50の切欠50a、通孔41cおよびオリフィス49を介してメインバルブ41内で形成されるパイロット流路44を通過して圧側パイロット室46内に侵入しようとする。
すると、ピストン2の図11中下方への移動によって上昇する他方の圧力室R2内の圧力は、圧側パイロット室46内にサブバルブ51の第一ポペット52を環状弁座41aから離座させる開パイロット圧として作用するとともにメインバルブ41をメイン弁座70b側に押し付ける閉パイロット圧として作用する。
ピストン2の速度が低い場合、上記開パイロット圧が充分に大きくなく、第一ポペット52を開くことができず、すると、メインバルブ41もバネ42とこの圧側パイロット室46の閉パイロット圧によって附勢されてメイン弁座70bに着座した状態に維持され、流路3は開放されず、他方の圧力室R2内の液体は、打刻オリフィス70cを介して一方の圧力室R1内へ移動する。
そして、ピストン2速度が高くなって、圧側パイロット室46内の開パイロット圧が上昇して第一ポペット52をバネ42の附勢力に抗して環状弁座41aから離座させるようになり、液体は、逆止弁48を開いて、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へパイロット流路44を介して移動するようになる。
さらに、その状態からピストン2の速度がさらに上昇して、メイン弁座70bの内径と環状弁座41aの内径との間の面積を受圧面積として他方の圧力室R2内の圧力でメインバルブ41を図11中上方へ押し上げる力が、メインバルブ41の拡径部41eの外周とメインバルブ41の拡径部41eより図11中上方の外径との間の面積を受圧面積として、この受圧面積に第一ポペット52の開弁圧を乗じたメインバルブ41を下方に押し下げる力を上回るようになると、メインバルブ41はメイン弁座70bから離座して流路3を開放するようになる。なお、上記した第一ポペット52が開弁している状態では、パイロット流路44を介して圧側パイロット室46内に作用する開パイロット圧は、上記オリフィス49の圧力損失によって、常に第一ポペット52の開弁圧に調節される。
そして、ソレノイド43に通電する場合、ソレノイド43の吸引力によって、バネ42の附勢力を減じて、第一ポペット52の開弁圧を低くすることができるので、メインバルブ41が開弁する圧力を低くすることが可能であり、上述したところから明らかなように、ソレノイド43に電力供給しない場合が最もメインバルブ41の開弁圧が高くなり、最も高い減衰力を得ることが可能である。
すなわち、ソレノイド43へ供給する電流量によって、メインバルブ41の開弁圧を予め設定した範囲内で無段階に調節することが可能であるので、緩衝器D1の圧縮側の減衰力を無段階に調節することが可能である。
以上述べたところでは、図11に示した減衰バルブ4のピストン2速度に対する動作であるが、つづいて、周波数減衰力特性について説明すると、第二ポペット53内に片効きのオリフィスとして機能するオリフィス弁体66が設けられており、このオリフィス弁体66は、上述のように、第二ポペット53内への液体の通過に対しては殆ど抵抗が無い状態となる一方で第二ポペット53内から液体がパイロット流路44側へ排出される流れに対しては、これを抑制するように機能することから、緩衝器D1の振動周波数が高くなると、オリフィスが流量の二乗に比例する抵抗を発揮する特性を備えているので、第二ポペット53とガイド部材54とで作られる部屋r内の圧力の低下が抑制されることになる。
すると、部屋r内の圧力で第二ポペット53を第二の環状弁座52aに押し付ける力は、緩衝器D1の振動周波数が高くなればなるほど、その低下が著しく妨げられ、第二ポペット53が開きにくくなり、上記部屋r内の圧力は第二ポペット53を介して第一ポペット52にも作用するので、第一ポペット52も開きにくくなることになる。
そして、この減衰バルブ4にあっては、上述したように、第二ポペット53あるいは第一ポペット52の開弁がメインバルブ41の開弁の条件となっているので、緩衝器D1の振動周波数が高くなると、メインバルブ41は開弁しなくなることになり、高周波振動に対しては、メインバルブ41を通過する液体の流量が漸減することになる。
すなわち、図11に示す減衰バルブ4の周波数流量特性は、周波数の増加とともに流量が漸減するようになり、また、その流量圧力損失特性も流量の増加とともに圧力損失が増加することになることから、この減衰バルブ4は、図2に示すが如くの特性を備えている。
したがって、この図11に示す減衰バルブ4を緩衝器D1に適用することで、緩衝器D1に周波数依存の減衰力を発生させることができることが理解できよう。そして、このような減衰バルブ4を使用することによって、減衰力調整も可能であり、また、伸側と圧側の減衰力調整について一つのソレノイド43でコントロールすることができ、その制御も非常に簡単となる利点があるとともに、バネ42の附勢力をソレノイド43で調節することによって緩衝器D1の発生減衰力を調節するので減衰力調整幅を大きく取れる利点がある。
なお、上記した図11の減衰バルブ4にあっては、特に高周波振動時に、応答性が低下する性質を有しているが、このような応答性の低下によって引き起こされる圧力サージは、上記した第一のアキュムレータA1および第二のアキュムレータA2が液体で過剰となる圧力室に対しては液体を吸収し、液体が不足する圧力室に対しては液体を供給することによって、その発生が防止されるのは上述した通りである。
以上で本発明の緩衝器の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器の概念図である。 (A)は、一実施の形態の緩衝器の減衰バルブの周波数流量特性を示す図である。(B)は、一実施の形態の緩衝器の減衰バルブの流量圧力損失特性を示す図である。 (A)は、第一の抵抗要素と第一のアキュムレータの総合および第二の抵抗要素と第二のアキュムレータの総合の周波数流量特性を示す図である。(B)は、第一の抵抗要素と第一のアキュムレータの総合および第二の抵抗要素と第二のアキュムレータの総合の流量圧力損失特性を示す図である。 一実施の形態における緩衝器の周波数減衰力特性を示す図である。 具体的な緩衝器の一例を示す図である。 具体的な緩衝器の他の例を示す図である。 具体的な緩衝器の別の例を示す図である。 緩衝器に適用される減衰バルブの一例を示す図である。 緩衝器に適用される減衰バルブの他の例を原理的に示す図である。 緩衝器に適用される減衰バルブの別の例を原理的に示す図である。 緩衝器に適用される具体的な減衰バルブを示す図である。 緩衝器のストロークに対する減衰力波形を示した図である。
符号の説明
1 シリンダ
1a,13,14 オリフィス孔
2 ピストン
2a,2b,11a,52c,61f 孔
2c ピストンリング
3,3a,3b 流路
4 減衰バルブ
4a 弁体
4b バネ
4c,sol,43 ソレノイド
4d ライン
4e,44,P1,P2 パイロット流路
4f,47,49,O1,O2,X2,Y2 オリフィス
5 第一の抵抗要素
6 第二の抵抗要素
7 ピストンロッド
10 外筒
11 中間筒
15 仕切部材
16 ヘッド部材
17 ボトム部材
17a 通路
20,26 管路
21,27 ハウジング
22,28,33 隔壁部材
22a,22b,28a,28b,33a,33b 通路
23,29,34 フリーピストン
24,25,30,31,35,36 リーフバルブ
32 ケース
41,V1,V2 メインバルブ
41a 環状弁座
41b,43d,52b,61c フランジ部
41c,43e,41f 通孔
41d 逆止弁座
41e 拡径部
42 附勢手段たるバネ
43f,60a 通路
43a 固定鉄心
43b ステータ
43c 可動鉄心
43g コイル
45 伸側パイロット室
46 圧側パイロット室
48,50,C1,C2,X3,Y3 逆止弁
50a 切欠
51,V3,V4 サブバルブ
52 第一ポペット
52a 第二の環状弁座
53 第二ポペット
53b 鍔部
53a 段部
54 ガイド部材
60 スペーサ
61 スリーブ
61a 小径部
61b 大径部
61d 環状溝
61e シール部材
62 ストッパ
63 スナップリング
64,S バネ
66 オリフィス弁体
66a 環状板本体
66b 腕
66c 円盤部
70 ディスク
70a 凸部
70b メイン弁座
70c 打刻オリフィス
100 ナット
A1 第一のアキュムレータ
A2 第二のアキュムレータ
a1,b1,a2,b2,r 部屋
C コントローラ
D1 緩衝器
G1,G2,G3 気室
L1,L2,L3 液室
M1,M2 メイン流路
R1 一方の圧力室
R2 他方の圧力室
X1,Y1 開弁抑止流路














Claims (10)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、ピストンに設けられ上記二つの圧力室を連通する流路と、流路の途中に設けた減衰バルブと、一方の圧力室に接続される第一のアキュムレータと、一方の圧力室と第一のアキュムレータとを交流する液体の流れに抵抗を与える第一の抵抗要素と、他方の圧力室に接続される第二のアキュムレータと、他方の圧力室と第二のアキュムレータとを交流する液体の流れに抵抗を与える第二の抵抗要素とを備えた緩衝器。
  2. 第一の抵抗要素と第二の抵抗要素はオリフィスであることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 減衰バルブは、流路を開閉する弁体と、弁体にパイロット圧を作用させるパイロット流路とを備え、パイロット圧で弁体を開弁動作させるように設定されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 減衰バルブは、所定の周波数以上の振動入力時に弁体の開弁を抑制する抑制手段を備えてなることを特徴とする請求項3に記載の緩衝器。
  5. 減衰バルブは、弁体が開弁する開弁圧を制御するソレノイドを備えてなることを特徴とする請求項3または4に記載の緩衝器。
  6. 減衰バルブは、流路の途中に設けられ上流側圧力によって流路を開放するメインバルブと、流路を閉じる方向にメインバルブを附勢する附勢手段と、附勢手段の附勢力を減ずる方向に吸引力を発生するソレノイドと、一方の圧力室と他方の圧力室とを連通するパイロット流路と、パイロット流路の途中に設けた伸側パイロット室と圧側パイロット室と、パイロット流路の途中であって伸側パイロット室と圧側パイロット室との間に設けられ該パイロット流路を開閉するサブバルブとを備え、パイロット流路の途中に、一方の圧力室から伸側パイロット室へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィスと一方の圧力室から伸側パイロット室へ向かう流れのみを阻止する逆止弁とを並列に設けるとともに、他方の圧力室から圧側パイロット室へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィスと他方の圧力室から圧側パイロット室へ向かう流れのみを阻止する逆止弁とを並列に設け、伸側パイロット室および圧側パイロット室に導入されるパイロット圧はメインバルブを閉じる方向に作用するとともサブバルブを開く方向に作用することを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  7. メインバルブは筒状に形成されるとともに内周に環状弁座を備え、サブバルブは、メインバルブの内周に収容されるとともに上記環状弁座に附勢手段の附勢力によって着座する筒状の第一ポペットと、先端が第一ポペット内に摺動自在に挿入されるとともに該先端が第一ポペットの内周に設けた第二の環状弁座に着座する筒状の第二ポペットと、第二ポペットの後端側が摺動自在に挿入されるとともに第二ポペットの後端を閉塞するガイド部材とを備え、附勢手段が第二ポペット内に収容されるとともにガイド部材と第二ポペットとの間に介装されて第一ポペットおよび第二ポペットを介して流路を閉じる方向にメインバルブを附勢してなり、第二ポペット内に第二ポペット内へ向かう流れのみに抵抗を与える片効きのオリフィスを設けたことを特徴とする請求項6に記載の緩衝器。
  8. シリンダの外方に外筒を設け、外筒とシリンダとの間に中間筒を設け、シリンダと中間筒との間の隙間に第二のアキュムレータを形成するとともに、中間筒と外筒との間の隙間に第一のアキュムレータを形成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の緩衝器。
  9. シリンダ内に第一のアキュムレータおよび第二のアキュムレータの一方または両方を形成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の緩衝器。
  10. シリンダの外方に第一のアキュムレータを形成するハウジングを設けるとともに、第二のアキュムレータを形成するハウジングを設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の緩衝器。
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