JP2007303545A - 緩衝器 - Google Patents

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Tadashi Jo
忠 城
Hiroshi Nakanishi
博 中西
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Abstract

【課題】減衰力波形に圧力サージを生じさせることが無く車両における乗心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
【解決手段】緩衝器D1を、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1内にピストン2で区画した二つの圧力室R1,R2と、ピストン2に設けられ上記二つの圧力室を連通するとともに伸縮行程の両方で液体が流通する流路3と、流路3の途中に設けられた減衰バルブとを備え、減衰バルブ4が閉弁状態にあっても上記二つの圧力室R1,R2を連通する連通手段5を設け、該連通手段5は、リーフバルブ23を介して上記二つの圧力室R1,R2を連通するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来、この種緩衝器にあっては、一般的には、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入したピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、上記各圧力室を連通する流路と、流路の途中に設けた減衰バルブとを備えて構成されている。
そして、このような緩衝器では、ピストンがシリンダに対して相対移動するときに、流路を介して各圧力室内の液体を交流させ、つまり、流路を介して液体を一方の圧力室から他方の圧力室へ、他方の圧力室から一方の圧力室へ移動させ、流路の途中に設けた減衰バルブで液体の流れに抵抗を与えて各圧力室内の圧力に差を生じせしめて減衰力を発生させるようにしている。
ところで、上記流路を複数設けて、流路の一部を緩衝器の伸長時に液体が通過する一方通孔に設定するとともに、残りの流路を緩衝器の圧縮時に液体が通過する上記したものとは反対方向の一方通孔に設定し、上記一部の流路の途中に緩衝器の伸長時のみに作用する伸側の減衰バルブと、上記残りの緩衝器の圧縮時のみに作用する圧側の減衰バルブを備えた緩衝器があるが、これに対して、ピストンに上記二つの各圧力室を連通する流路を一つのみ設けて、当該流路を用いて緩衝器の伸縮の両行程で作動油を流通させるようにする緩衝器の提案がある。
このような単一の流路を備えた緩衝器にあっては、伸縮行程の両方で減衰力を発生する減衰バルブも単一となり、減衰バルブの開弁圧を制御する場合にあっても単一のソレノイドで済み、上記複数の流路と複数の減衰バルブを設けなくてはならない緩衝器に比較して、経済的に有利となるなどの利点がある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005−308178号公報(図1)
上述のような提案の緩衝器にあっては、伸縮時で共通の減衰バルブを使用できる点で有利となるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、上記提案の減衰バルブでは、緩衝器の伸縮の切り換わりの時点で、一端閉弁し、この閉弁した状態から流路の上流側の圧力の作用で開弁するようになっていることから、周波数の振動に対する応答性には限界があって、緩衝器に作用する振動の周波数が高くなると、閉弁状態から開弁するまでに時間がかかって、図11中破線で示すように、緩衝器のストロークに対する減衰力波形に圧力サージによる影響、すなわち、伸縮の切り換わり時に大きな減衰力が生じる場合があり、その結果、車両における乗心地を悪化させ、騒音が発生する不具合がある。
このような不具合は、上記提案にあるような減衰力調整機構を採用する減衰バルブ特有な現象ではなく、パイロット圧で開閉動作を行うタイプの減衰バルブに一般的に見られる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、減衰力波形に圧力サージを生じさせることが無く車両における乗心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、ピストンに設けられ上記二つの圧力室を連通するとともに伸縮行程の両方で液体が流通する流路と、流路の途中に設けられた減衰バルブとを備えた緩衝器において、減衰バルブが閉弁状態にあっても上記二つの圧力室を連通する連通手段を備え、該連通手段は、リーフバルブを介して上記二つの圧力室を連通するようにした。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、本実施の形態における緩衝器にあっては、緩衝器の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
また、一般に、減衰バルブは高い応答性を諸元とすると、弁体が振動しやすくなり、高周波数領域の振動の入力時に液体の流れに安定した抵抗を与えることが難しくなるが、連通手段を設けたことによって、減衰バルブに高い応答性を要求する必要が無いので、減衰バルブの諸元を安定した動作を行える範囲内に設定することが可能となる。言い換えれば、圧力サージによる弊害を除去することができるので、動作の安定した減衰バルブを緩衝器に適用することが可能となって、緩衝器に安定した減衰力を発揮させて、車両搭乗者に違和感を与えてしまうような不具合も解消されることになる。
以下、本発明の緩衝器を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器における減衰バルブの縦断面図である。図3は、一実施形態の一変形例の緩衝器の縦断面図である。図4は、一実施形態の一変形例の緩衝器の縦断面図である。図5は、一実施形態の他の変形例の緩衝器の縦断面図である。図6は、一実施形態の他の変形例の緩衝器における連通手段のリーフバルブの正面図である。図7は、減衰バルブの他の例を示す図である。図8は、減衰バルブの別の例を原理的に示す図である。図9は、減衰バルブの別の例を具体的に示す図である。図10は、減衰バルブのさらに別の例を具体的に示す図である。図11は、緩衝器のストロークに対する減衰力波形を示す図である。
一実施の形態における緩衝器D1は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1内にピストン2で区画した二つの圧力室R1,R2と、ピストン2に設けられ上記二つの圧力室R1,R2を連通するとともに緩衝器D1の伸縮行程の両方で液体が流通する流路3と、流路3の途中に設けた減衰バルブ4と、減衰バルブ4が閉弁状態にあっても上記二つの圧力室R1,R2を連通する連通手段5とを備えて構成されている。
また、シリンダ1は筒状とされており、このシリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2によって、シリンダ1は、作動油等の液体が充填される二つの圧力室R1,R2が形成されている。また、シリンダ1内にはピストンロッド7が移動自在に挿入され、その一端はピストン2に連結されている。
そして、基本的には、緩衝器D1が伸縮する場合、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図1中上下方向に相対移動する場合、上記した各圧力室R1,R2内の液体はピストン2に設けた流路3を介して交流することになるが、この流路3を通過する液体の流れに上記した減衰バルブ4で抵抗を与えることによって、各圧力室R1,R2内の圧力に差を生じせしめて、緩衝器D1に減衰力を発生させるようになっている。
また、上記緩衝器D1の伸縮に際し、ピストンロッド7がシリンダ1内に侵入或いはピストンロッド7がシリンダ1内から退出する体積分の液体がシリンダ1内で過不足となるが、この過不足分の液体は、シリンダ1内の図1中下方に摺動自在に挿入されたフリーピストン8で区画される気室Gの容積の増減によって補償される。つまり、この緩衝器D1は、図示するところでは、単筒型の緩衝器として構成されている。
また、この緩衝器D1は、シリンダ1およびピストンロッド7の一方を車両の車体側に連結し、シリンダ1およびピストンロッド7の他方を車両の車軸側に連結することで、車両の車体振動を減衰するために使用される。
以下、詳しく説明すると、ピストン2は、具体的には、図2に示すように、ピストンロッド7の先端に取付けられた段付き筒状のバルブハウジング21と、バルブハウジング21の下端開口部に取付けられる頂部を備えた筒部材22とで構成されている。バルブハウジング21は、大径部21aの側部に設けた孔21bによってその内外が連通され、また、筒部材22の頂部には、その内外を連通する孔22aとその孔22aより外周側に環状の弁座22bが設けられ、流路3は、上記した孔21b,22a、バルブハウジング21内および筒部材22内とで構成され、この流路3で上記各圧力室R1,R2を連通している。そして、この流路3の途中には、流路3の通過する液体の流れに与える抵抗を与える減衰バルブ4が設けられている。
この減衰バルブ4は、バルブハウジング21の小径部21cの内周に摺動自在に挿入した中空な弁体41と、弁体41を弁座22bに着座させるように附勢するバネ42と、弁体41の弁座22bに着座する弁頭41aに設けた穴41b内に摺動自在に挿入されるピン43と、穴41b内に収容されピン43と弁体41との介装されるバネ44とを備えて構成され、上記弁体41が弁座22bに着座することによって流路3を閉じ、流路3を通過する液体の上流側の圧力をパイロット圧としてこのパイロット圧を受けて弁体41が弁座22bから離座すると流路3を開放するようになっている。
なお、バネ42は、ピストンロッド7の軸芯部に挿通されるコントロールロッド7aの図2中下端と弁体41との間に介装され、このコントロールロッド7aの図2中上下方向の移動によってバネ42の弁体41に作用させている附勢力を調節することが可能なようになっており、これによって、弁体41の開弁圧を変化させることが可能とされている。
詳しくは、弁体41の弁頭41aには、側方から穴41b内へ通じる孔41cが開穿されるとともに、弁座22bに着座する部位より内周側から弁体41の背面に通じる通路41dが設けられ、通路41dの途中にはオリフィス41eが設けられている。
そして、弁体41は、緩衝器D1が伸縮していない状態では、バネ42の附勢力によって弁座22bに着座するように設定され、緩衝器D1が伸長する場合には、一方の圧力室R1内の圧力が上昇するので、一方の圧力室R1内の液体は孔21bを通じてバルブハウジング21内に流れ込み、バルブハウジング21内には一方の圧力室R1内の圧力が作用する。
緩衝器D1が伸長する場合における液体の流路3を通過する流れの上流側となるバルブハウジング21内の圧力は、パイロット圧として弁体41の弁頭41aにおける弁座22bに対する着座部分より外周側と孔41cを通じて穴41bの底部に作用し、バネ44と相俟って弁体41をバネ42の附勢力に抗して弁座22bから後退する力を発揮する。
そして、上記弁体41を後退させる力がバネ42の附勢力に打ち勝つようになると、弁体41は弁座22bから離座して減衰バルブ4が開弁し流路3が開放されることになる。
他方、緩衝器D1が圧縮される場合には、他方の圧力室R2内の圧力が上昇するので、他方の圧力室R2内の液体は孔22aを通じて弁座22bと弁体41とで作られる部屋に流れ込み、当該部屋内には他方の圧力室R2内の圧力が作用する。
緩衝器D1が圧縮される場合における液体の流路3を通過する流れの上流側となる部屋内の圧力は、パイロット圧として弁体41の弁頭41aにおける弁座22bに対する着座部分より内側であって穴41bより外側の部分に作用し、バネ44と相俟って弁体41をバネ42の附勢力に抗して弁座22bから後退する力を発揮する。
そして、上記弁体41を後退させる力がバネ42の附勢力に打ち勝つようになると、弁体41は弁座22bから離座して減衰バルブ4が開弁し流路3が開放されることになる。
なお、通路41dを通じて弁体41の背面側に他方の圧力室R2内の圧力が作用し、この圧力は弁体41の背部41gの外径を直径とした円を受圧面積として弁体41を弁座22bに押し付けるように作用するようになっているが、これは、弁体41の背面側が密閉されてしまうことを防いで弁体41が移動不能となってしまうことを防止するためであり、通路41dに設けたオリフィス41eを設けているのは、緩衝器D1の振動周波数が高くなったときに、弁体41の動きが不安定となってしまい弁体41が発振してしまうことを防止する目的である。
このように構成された減衰バルブ4にあっては、上記したように、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との間を交流する液体の流れの上流側の圧力をパイロット圧として開弁するように設定されており、上述したところから明らかなように、緩衝器D1の伸縮の切り換わり時には、パイロット圧が解消されるので、一端、弁体41が弁座22bに着座して閉弁することになる。
したがって、上記構成のみでは、緩衝器D1の伸長から圧縮へ或いは圧縮から伸長への切り換わり時には、減衰バルブ4が閉弁してしまうことから、緩衝器D1の振動周波数が高くなると、減衰バルブ4の応答性の限界によって、ストロークに対する減衰力波形に図11中破線で示すように、圧力サージが生じることになる。
そこで、本実施の形態の緩衝器D1においては、減衰バルブ4が閉じた状態においても各圧力室R1,R2の連通を許容する連通手段5を設けてあり、具体的には、この連通手段5は、筒部材22の頂部あって、上記した弁座22bの外周側に設けた筒部材22の内外を連通する通路22cと、この通路22cの途中に設けたリーフバルブ23とで構成されている。
詳しくは、通路22cは、筒部材22の頂部内面側に設けた環状溝22dと、この環状溝22dに筒部材22の頂部外面から開穿されて連通される複数の孔22eとで構成されている。
そして、上記環状溝22dは、その内周部下端から内方に向けて突出する段部で形成される内側シート部22fと、外周部上端から内方に向けて突出する段部に設けられる環状の外側シート部22gとを備えている。
他方、リーフバルブ23は、環板状に形成されて、内周側下面が上記内側シート部22fに着座して図2中下方から支持されるとともに、外周側上面が外側シート部22gに着座して図2中上方から支持されて、筒部材22の頂部に設けた通路22cの下端側を閉塞している。
したがって、このリーフバルブ23は、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対しては、その外周側が下方に撓んで、通路22cを開放し、反対に、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ向かう液体の流れに対しては、その内周側が図2中上方に撓んで、通路22cを開放するように設定され、いわゆる、両開きに設定されている。
すなわち、通路22cは、減衰バルブ4が閉じた状態となっても、減衰バルブ4を迂回するバイパス路として機能し、当該バイパス路である通路22cの途中に設けたリーフバルブ23で、緩衝器D1に所定の減衰力を発生させることができる。
つまり、振動周波数が高くなると、減衰バルブ4の応答性の限界によって緩衝器D1の伸縮の切り換わりに対して減衰バルブ4の開弁が追いつかなくなる傾向となって圧力サージが引き起こされる状況となっても、通路22cは、減衰バルブ4が閉じた状態となっても、リーフバルブ23が開いて開放されることから、図11中実線で示すように、圧力サージの発生を防止することが可能となる。
したがって、本実施の形態における緩衝器D1にあっては、緩衝器の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器D1が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
また、一般に、減衰バルブ4は高い応答性を諸元とすると、弁体41が振動しやすくなり、高周波数領域の振動の入力時に液体の流れに安定した抵抗を与えることが難しくなるが、上述のように連通手段5を設けたことによって、減衰バルブ4に高い応答性を要求する必要が無いので、減衰バルブ4の諸元を安定した動作を行える範囲内に設定することが可能となる。言い換えれば、圧力サージによる弊害を除去することができるので、動作の安定した減衰バルブ4を緩衝器D1に適用することが可能となって、緩衝器D1に安定した減衰力を発揮させて、車両搭乗者に違和感を与えてしまうような不具合も解消されることになる。
つづき、連通手段5は、図3に示すような構成としてもよい。この図3に示す一実施形態の一変形例の緩衝器D2は、連通手段5が異なる以外は、上述の緩衝器D1と同様の構成であり、この一変形例における連通手段5は、上述のピストン2を構成する筒部材22に設けるのではなく、シリンダ1の外方に設けられている。なお、以下の説明において、上述の一実施の形態における緩衝器D1と同様の部材にあっては説明が重複するので、同じ符号を付するのみとして詳しい説明を省略する。
詳しくは、連通手段5は、シリンダ1の外方に減衰バルブ4を迂回して一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通するバイパス路を形成する管路50を備え、さらに、この管路50の途中に、管路50を一方の圧力室R1に連通される通路50aと他方の圧力室R2に連通される通路50bとに区画する区画部材51が設けられている。
この区画部材51には、管路50aと管路50bとを連通する通路52,53が設けられており、一方の通路52の上端はリーフバルブ54で閉塞され、他方の通路53の下端はリーフバルブ55で閉塞されている。
したがって、管路50aから管路50bへ向かう液体の流れに対して通路52はリーフバルブ54で閉塞されているので、上記液体は、リーフバルブ55を下方に撓ませて通路53を介して一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ移動することになる。そして、この場合、上記リーフバルブ55によって通路53を液体が通過するときに所定の圧力損失を生じせしめて緩衝器D2に所定の伸側の減衰力を発揮させる。
逆に、管路50bから管路50aへ向かう液体の流れに対して通路53はリーフバルブ55で閉塞されているので、上記液体は、リーフバルブ54を下方に撓ませて通路52を介して他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ移動することになる。そして、この場合、上記リーフバルブ54によって通路52を液体が通過するときに所定の圧力損失を生じせしめて緩衝器D2に所定の圧側の減衰力を発揮させる。
したがって、この場合の連通手段5は、上記管路50と、リーフバルブ54,55とで構成されており、このように構成しても、減衰バルブ4が閉じた状態となっても一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との連通が許容されるので、緩衝器D2の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器D2が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
また、この緩衝器D2の場合、連通手段5におけるリーフバルブ54,55を設けるスペースを比較的大きく確保することが可能であるから、リーフバルブ54,55を一枚の環状板で構成せずに環状板を複数枚積層して構成することが可能で、この連通手段5を液体が通過するときの減衰力の設定の自由度が大きくなる利点がある。
さらに、この一変形例にあっては、シリンダ1の外方に管路50を設けるようにしているが、図4に示すように、シリンダ1の外方に外筒57を設けて、この外筒57とシリンダ1との間の隙間を連通手段5におけるバイパス路として機能させるような構成としても差し支えない。この場合、外筒57とシリンダ1との間に環状の区画部材58を設けて両開きのリーフバルブ59を設けておけばよい。
さらに、連通手段5を図5に示すような構成としてもよい。この図5に示す一実施形態の他の変形例における緩衝器D3は、連通手段5が異なる以外は、上述の緩衝器D1と同様の構成であり、この他の一変形例における連通手段5は、上述の減衰バルブ4の弁体41を弁座22bに直接着座させるのではなく、弁体41と弁座22bとの間にリーフバルブ60を介装させることで構成される。
このリーフバルブ60は、図6に示すように、環板状に形成されるとともに内周から外周側に向けて複数の切欠60aが設けられる形状とされている。
そして、他の変形例における減衰バルブ4にあっては、弁体41における弁頭41aには、弁座22bの外径より小径となる環状の切欠部61が形成されており、リーフバルブ60の内周が切欠部61の外周に嵌着されている。
また、リーフバルブ60の図5中外周側下端は、弁座22bに着座させてあり、弁体41は、弁座22bに着座するリーフバルブ60によって支持されるようになっている。
このように構成された連通手段5にあっては、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対して、一方の圧力室R1の圧力が弁体41を図5中上方へ移動させる程度に高くない場合、リーフバルブ60の弁座22bより内周側を撓ませて、切欠部61の図5中下面とリーフバルブ60との間にできる隙間およびリーフバルブ60の内周側に設けた切欠60aによって一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通し、逆に、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ向かう液体の流れに対して、他方の圧力室R2の圧力が弁体41を図5中上方へ移動させる程度に高くない場合、リーフバルブ60の外周側が図5中上方に撓んで弁座22bから離座して、リーフバルブ60と弁座22bとの間にできる隙間によって他方の圧力室R2と一方の圧力室R1とを連通する。
そして、緩衝器D3の伸縮時における一方の圧力室R1或いは他方の圧力室R2内の圧力が弁体41を上方に移動させる程度に高くなると、弁体41の上方の移動によってリーフバルブ60と弁座22bとの間に大きく隙間が形成されて流路3が開放され、減衰バルブ4は一実施の形態における緩衝器D1で説明したところと同様の機能を発揮する。なお、リーフバルブ60の切欠60aは、リーフバルブ60の内周に通じるように設けられずともよく、上記動作を呈する限りリーフバルブ60の内周に通じないように設けられるとされてもよい。
したがって、連通手段5をこのように構成しても、減衰バルブ4が閉じた状態にあっても、リーフバルブ60の上記作動によって流路3による一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との連通が許容されるので、緩衝器D3の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器D3が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
なお、上述したところでは、減衰バルブ4の開弁圧の調節をコントロールロッド7aの進退で行うようにしているが、これをソレノイドで行うような構成としてもよく、この場合には、図7に示すように、バルブハウジングの形状を段付き筒状とするのではなく、頂部を備えた筒状に形成し、このバルブハウジング65内に、コアに巻装されたコイル66と固定鉄心67とで形成されるステータ68と可動鉄心としての弁体41とで構成されるソレノイドSを収納すればよく、ソレノイドSの吸引力でバネ72の附勢力を調節して減衰バルブ4の開弁圧を調節することが可能である。
また、上述した各実施の形態では、ピストン2に連通手段5を設ける図2に示した緩衝器D1の場合には、シリンダ1の外方に筒を設けてこのシリンダ1と筒との間に気室を設けてリザーバを形成するようにしてもよく、また、気室Gをシリンダ1の下端に設けているが、図3に示した緩衝器D2にあっては、外筒57のさらに外方に筒を設けて、この筒と外筒57との間に気室を設けてリザーバを形成するようにしてもよい。なお、図1、図2および図5に示した緩衝器D1,D3のようにピストン2に連通手段5を設ける構成することで、シリンダ1の外方に連通手段5を設ける構成とすることに比較して、緩衝器の外径を小型とすることができる利点があり、このような構成とすることで車両へ搭載する際にスペースを取らず搭載性が向上し、また、懸架ばねを緩衝器の外周側に同軸配置することができるので、実用性が向上する。
つづき、本発明を図8に示す構成の減衰バルブ4に適用することも可能である。この場合、流路3は、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の流れを許容する主流路M1と、他方の圧力室R2から他方の圧力室R1への液体の流れを許容する主流路M2の二つの流路M1,M2で構成されている。他方、減衰バルブ4および連通手段5の構成以外の緩衝器の構成としては、上記した緩衝器D1と同様である。
そして、図8に示す減衰バルブ4は、各主流路M1,M2の途中に設けた図示しない主弁座から流路M1,M2の上流側の圧力(開パイロット圧力)で離座する主弁体を備えた主弁V1,V2と、パイロット流路P1,P2の途中にそれぞれ設けた図示しない副弁座からパイロット流路P1,P2の上流側の圧力(開パイロット圧)で離座する副弁体を備えた副弁V3,V4とを備えて構成される。
主弁V1,V2は、それぞれ、主弁体に主流路M1,M2の上流側の圧力を開パイロット圧として開弁方向に作用させる構成とされる一方で、パイロット流路P1,P2側の圧力を閉パイロット圧として閉弁方向に作用させるようになっている。
また、副弁V3,V4は、それぞれ、副弁体にパイロット流路P1,P2の上流側の圧力を開パイロット圧として開弁方向に作用させる構成とされる一方、バネSPの附勢力をこの開パイロット圧に対向させて作用させるようにしてあり、バネSPの附勢力はソレノイドSolの吸引力でコントロールすることができるようになっている。そして、この副弁V3,V4は、主弁V1,V2に作用させる閉パイロット圧をコントロールするためのバルブである。
さらに、パイロット流路P1,P2の上流には、それぞれ、オリフィスO1,O2と、このオリフィスO1,O2に並列し上流から下流へと向かう流れを阻止する逆止弁C1,C2が設けられている。
そして、この減衰バルブ4を迂回するための連通手段5は、各主流路M1,M2に並列して一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通するバイパス路Bと、バイパス路Bの途中に設けられるリーフバルブL1,L2とを備えて構成されている。
この図8に示す減衰バルブ4の動作を説明すると、緩衝器が伸長してピストン2がシリンダ1に対して上方に移動すると一方の圧力室R1の圧力が高まり主流路M1を介して他方の圧力室R2へ移動しようとする。
このとき、ピストン2のシリンダ1に対する速度が低い場合、パイロット流路P1内の圧力がさほど高くならないため、副弁V3を開くことができず、結果、主弁V1に作用する開パイロット圧と閉パイロット圧との間に主弁V1を開弁させるだけの差圧を生じさせないので、主弁V1もまた閉じた状態となり、一方の圧力室R1内の液体はバイパス路Bを介して他方の圧力室R2へ移動することとなる。
そして、ピストン速度が高くなると、パイロット流路P1内の圧力も高くなり、副弁V3が開弁する。そして、この副弁V3の開弁によって主弁V1に作用する閉パイロット圧が低下し、開パイロット圧と閉パイロット圧との間に主弁V1を開弁させるだけ差圧が生じて、主弁V1が開弁する状態となり、一方の圧力室R1内の液体は主弁V1の開弁によって他方の圧力室R2へ移動することとなる。
なお、ピストン2がシリンダ1に対して下方に移動する、すなわち、緩衝器D1が圧縮される状況にあっても、緩衝器D1の伸長時と同様に、ピストン2速度が低いときには、主弁V2は閉弁状態に維持され、バイパス路Bを介して液体が移動することになり、ピストン2速度が高くなると、主弁V2が開弁されることとなる。
つづき、この減衰バルブ4の周波数特性について説明すると、緩衝器の振動周波数が高くなると、主弁V1,V2の開弁に時間がかかるようになって、応答しきれないようになっていくが、上記したように各主弁V1,V2が閉弁した状態にあっても、上記連通手段5におけるバイパス路Bによって一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とが連通状態とされることから、緩衝器の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であり、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器が騒音を発生するような不具合が解消されることになる。
なお、上記した図8の減衰バルブ4の具体的な構成の一例を示すと、図9に示すように、具体的な減衰バルブ4は、流路3の途中に設けられ上流側圧力によって流路3を開放する主弁体71と、流路3を閉じる方向に主弁体71を附勢する附勢手段たるバネ72と、バネ72の附勢力を減ずる方向に吸引力を発生するソレノイド73と、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通するパイロット流路74と、パイロット流路74の途中に設けた伸側パイロット室75と圧側パイロット室76と、パイロット流路74の途中であって伸側パイロット室75と圧側パイロット室76との間に設けられ該パイロット流路74を開閉する副弁81と、パイロット流路74の途中に並列して設けられる一方の圧力室R1から伸側パイロット室75へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィス77および一方の圧力室R1から伸側パイロット室75へ向かう流れのみを阻止する逆止弁78と、同様にパイロット流路74の途中に並列して設けられる他方の圧力室R2から圧側パイロット室76へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィス79および他方の圧力室R2から圧側パイロット室76へ向かう流れのみを阻止する逆止弁80とを備えている。
より詳しくは、ピストン2は、頂部が閉塞される筒状に形成され、その頂部には、ピストン2内外を連通する孔2aが設けられるとともに、側部にも、内外を連通する孔2bが設けられている。なお、ピストン2の外周には、ピストンリング2cが装着され、このピストンリング2cをシリンダ1の内周に摺接させて、シリンダ1内を図9中上方側となる一方の圧力室R1と下方側となる他方の圧力室R2とに区画している。
そして、このピストン2の内部上方には、スペーサ90が配置され、このスペーサ90に積層するようにしてピストン2の内部に、コアに巻装されたコイル73gとコイル73gによって励磁される固定鉄心73aとで構成される筒状のステータ73bとステータ73b内に移動自在に挿入される可動鉄心73cとを備えたソレノイド73が収納されている。なお、可動鉄心73cは、筒状とされるとともに、図9中下端内周には、その内方へ突出するフランジ部73dが設けられ、また、可動鉄心73cは、図9中下端から開穿されて可動鉄心73c内に連通される通孔73eを備えている。
また、固定鉄心73aには、ステータ73b内外を連通する通路73fが設けられており、この通路73fは、スペーサ90に設けた通路90aを介してピストン2の頂部に設けられる孔2aに連通されている。なお、このステータ73b内は、後述する伸側パイロット室75内に連通されており、パイロット流路74の一部を形成している。
そして、スペーサ90の通路90aの途中には、固定鉄心43cに設けた環状板で形成される逆止弁78が設置されており、この逆止弁78は、一方の圧力室R1からステータ73b内へ向かう流れのみを阻止するようになっている。また、この逆止弁78の外周には、オリフィス77として機能する切欠が設けられており、このオリフィス77としての切欠は、一方の圧力室R1からステータ73b内に連通される伸側パイロット室75へ向かう流れに抵抗を与えるようになっており、上記構成にてオリフィス77および逆止弁78がパイロット流路74に並列して設けられている。
さらに、ピストン2内には、スリーブ91が収容され、このスリーブ91は、筒状であって、その図9中上端側が小径とされて小径部91aが形成されるとともに、下端側が小径部より大径とされて大径部91bが形成され、この小径部91aの図9中下端から大径部91bの上端にかけて外周側に突出するフランジ部91cが形成されている。
そして、このスリーブ91は、その小径部91aが上記ソレノイド73のステータ73bの内周に挿入され、大径部91bがピストン2の内周に挿入されて、ピストン2内に収容される。
また、フランジ部91cの外周には、環状溝91dが形成され、この環状溝91d内に装着されたシール部材91eによって、このスリーブ91とピストン2の内周との間がシールされ、さらに、大径部91bの図9中下端側の側部には、ピストン2の孔2bに対向する孔91fが開穿されている。
そして、小径部91aの内周には、ソレノイド73の可動鉄心73cが摺動自在に挿入されており、この可動鉄心73c内には、副弁81の一部を構成する第二ポペット83が摺動自在に挿入されている。
また、スリーブ91内であって、可動鉄心73cより図9中下方には、主弁体71が収容されている。この主弁体71は筒状であって、その内周側には、環状弁座71aが突設され、さらに、上記環状弁座71aの図9中下方となる他方の圧力室R2側には、内周側に突出するフランジ部71bが設けられ、このフランジ部71bには、フランジ部71bを上下に貫く通孔71cが開穿されて、通孔71cの途中にはオリフィス79が設けられ、さらに、フランジ部71bの他方の圧力室R2を向く面には環状の逆止弁座71dが設けられている。
そして、また、主弁体71の図9中下方側は、その外周部が拡径されて拡径部71eが形成されており、主弁体71は、この拡径部71eをスリーブ91の大径部91bの内周に摺接させるとともに、主弁体71の上端外周をスリーブ91の小径部91aの内周に摺接させて、スリーブ91内に収容されている。
このように、主弁体71がスリーブ91内に摺動自在に挿入されることによって、主弁体71の拡径部71eと主弁体71の外周とスリーブ91の小径部91aおよび大径部91bの内周とで仕切られる空間が形成され、該空間で圧側パイロット室76を構成し、この圧側パイロット室76は、主弁体71の側部であって拡径部71eの上方至近に開穿された通孔71fによって主弁体71内に連通されている。
また、ピストン2の最下端となる他方の圧力室R2に臨む開口端部の内周には、螺子部が形成されており、この螺子部にはナット130の外周が螺合される。そして、スリーブ91の大径部91bの下端には環状のディスク100が嵌合されており、詳しくは、このディスク100は、スリーブ91の下端内周に嵌合する凸部100aが設けられ、ピストン2の下端内周に螺着されるナット130によって下方から支持され、これによって、ピストン2内に、上述のスペーサ90、ソレノイド73、スリーブ91およびディスク100が固定されている。
また、上記凸部100aの図9中上面には、環状であって主弁体71の図9中下端が着座される主弁座100bが突設されている。したがって、この具体的な減衰バルブ4においては、主弁は、上記した主弁体71と主弁座100bとで構成され、減衰バルブ4を原理的に示した図8に示したところでは、主弁が二つ設けられていたが、この具体的な図9に示した減衰バルブ4にあっては、それらの機能が集約されて上記主弁体71と主弁座100bとで構成される一つの主弁にて図8の主弁V1,V2として機能する。
ている。なお、この主弁座100bには、打刻オリフィス100cが設けられており、図8中の主弁体V1,V2と同様に、主弁体71が着座した状態で少流量の液体の通過が許容されている。
そして、上記したディスク100の内周と、スリーブ91の大径部91bに設けられた孔91fおよびピストン2の孔2bによって緩衝器D1の一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とが連通されるようになっており、これらで流路3が形成されている。
したがって、主弁体71が主弁座100bに着座した状態では、流路3は閉塞され、この流路3を介しては一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との液体の交流は、上記打刻オリフィス100cを介して行われるものを除き、遮断され、主弁体71が主弁座100bから離座すると、流路3は開放されて流路3を介して一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との液体の交流が可能となり、この減衰バルブ4にあっては、この主弁体71と主弁座100bとの間の隙間を調節することによって、流路3を交流する液体の流れに与える抵抗を変化させることが可能である。
さらに、主弁体71内であってフランジ部71bより下方には、上記逆止弁座71dに着座する円板状の逆止弁80が設けられ、この逆止弁80は、この逆止弁80と、主弁体71の下端内周に嵌合されるリング状のストッパ92に保持されるスナップリング93と、の間に介装されるバネ94によって逆止弁座71dに着座する方向に附勢され、また、その外周には、切欠80aが設けられている。
ここで、他方の圧力室R2から主弁体71内の上方へ向かう液体は、逆止弁80を逆止弁座71dから離座させることができないので、上記切欠80a、通孔71cおよびオリフィス79を介して主弁体71内に移動することになる。他方、主弁体71内の図9中上方側から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対しては、逆止弁80が圧力によってバネ94の附勢力に抗して図9中下方に移動して開弁するので、液体は、フランジ部71bの内周側を通過することになる。
そして、上記した主弁体71の内周側は、圧側パイロット室76内に連通されるパイロット流路74の一部として機能し、オリフィス79は、他方の圧力室R2から圧側パイロット室76へ向かう流れに抵抗を与え、逆止弁80は、他方の圧力室R2から圧側パイロット室76へ向かう流れのみを阻止することになり、上記構成にてオリフィス79および逆止弁80がパイロット流路74に並列して設けられていることになる。
つづき、副弁81について説明すると副弁81は、主弁体71の内周に収容されるとともに上記環状弁座71aに附勢手段たるバネ72の附勢力によって着座する筒状の第一ポペット82と、先端が第一ポペット82内に摺動自在に挿入されるとともにの該先端が第一ポペット82の内周に設けた第二の環状弁座82aに着座する筒状の第二ポペット83と、第二ポペット83の図9中上端となる後端側が摺動自在に挿入されるとともに第二ポペット83の後端を閉塞するガイド部材84とを備えて構成されており、第一ポペット82と環状弁座71aとで図8に示す副弁V3を構成し、第二ポペット83と第二の環状弁座82aで図8に示す副弁V4を構成している。
詳しくは、第一ポペット82は、筒状に形成されて、先端となる図9中下端は、先細りとなるように傾斜させてポペット型に形成され、この先端が、主弁体71の内周に設けた環状弁座71aに着座されるようになっている。そして、この第一ポペット82にあっては、その先端の内周の図9中上縁をもって、これを第二の環状弁座82aとしている。そして、さらに、第一ポペット82の上端には、内周側に突出するフランジ部82bが設けられ、第一ポペット82の側部には孔82cが開穿されて第一ポペット82の内外が連通されている。
また、第二ポペット83も筒状に形成されており、この第二ポペット83の先端となる図9中下端は、先細りとなるように傾斜させてポペット型に形成されている。この第二ポペット83は、第一のポペット52のフランジ部82bの内周に側部を摺接させて第一ポペット82内に先端側から摺動自在に挿入され、そのポペット型の先端が、上記した第一ポペット82の内周に設けた第二の環状弁座82aに着座されるようになっている。
そして、上記した第一ポペット82の内周と、第二ポペット83の外周とで仕切られる空間が形成され、該空間で伸側パイロット室75を構成し、この伸側パイロット室75は、上記孔82c、可動鉄心73cに設けた通孔73e、固定鉄心73aに設けた通路73f、スペーサ90に設けた通路90aおよびピストン2の頂部に設けられる孔2aを介して一方の圧力室R1に連通され、上記した各部でパイロット流路74の一部を形成している。
したがって、この図9に示した減衰バルブ4においては、パイロット流路74は、上記孔82c、可動鉄心73cに設けた通孔73e、固定鉄心73aに設けた通路73f、スペーサ90に設けた通路90a、ピストン2の頂部に設けられる孔2a、主弁体71の内周側、ストッパ92の内周側によって構成されていることになる。
さらに、上記した第二ポペット83の後端となる図9中上端側は、ソレノイド73の固定鉄心73aの軸芯部に保持される有底筒状のガイド部材84内に摺動自在に挿入されるとともに、また、可動鉄心73c内に挿入されている。
そして、第二ポペット83の内周側には段部83aが設けられており、この段部83aとガイド部材84の底部との間には、附勢手段たるバネ72が介装されている。
戻って、上述の附勢手段たるバネ72は、固定鉄心73aに保持されているガイド部材84と第二ポペット83との間に介装されているので、バネ72は、第二ポペット83と第一ポペット82に押し付けて第二ポペット83を第二の環状弁座82aに着座させるとともに、第一ポペット82を主弁体71側に附勢し、第一ポペット82を環状弁座71aに着座させて主弁体71をもディスク100側へ向けて附勢し、この主弁体71を主弁座100bに着座させるように附勢力を発揮している。
またさらに、第二ポペット83の側部外周には鍔部83bが設けられており、この鍔部83bは、可動鉄心73cのフランジ部73dに当接可能な径に設定されている。したがって、ソレノイド73を励磁すると、可動鉄心73cが固定鉄心43bに吸引されることになるが、可動鉄心73cのフランジ部73dと鍔部83bとが当接するので、当該吸引力は第二ポペット83を介してバネ72を縮ませるように作用する。そして、上記吸引力が上記バネ72がもともと第二ポペット83を附勢している附勢力を超えない場合には、バネ72は縮むことが無く、バネ72の附勢力を減少させるように作用することになる。
したがって、上記ソレノイド73の電流量を制御することによって、バネ72の附勢力を調節することが可能であり、バネ72は、第一ポペット82、第二ポペット83および主弁体71を附勢しているので、上記電流制御によって、第一ポペット82、第二ポペット83および主弁体71の開弁圧を調節することが可能となっている。
また、上記第二ポペット83の後端側の外径は、第二の環状弁座82aの内径よりも大きく設定されるとともに、環状弁座71aの内径よりも小さく設定されている。
そして、(主弁体71の拡径部71eより図9中上方の外径の二乗)−(第二の環状弁座52の内径の二乗)>(主弁体71の拡径部71eの外周の二乗)−(主弁座100bの外径の二乗)の関係を満たすように設定され、第二ポペット83が第二の環状弁座82aから離座しない限り、主弁体71は伸側パイロット室75内のパイロット圧の作用によって主弁座100b側に附勢されて開弁しないように設定されている。なお、この伸側パイロット室75内のパイロット圧は同時に第二ポペット83を第二の環状弁座82aから離座させるように作用することになり、すなわち、伸側パイロット室75内に作用するパイロット圧は、主弁体71に対してはこれを閉じる閉パイロット圧として作用し、副弁81の第二ポペット83に対してはこれを開く開パイロット圧として作用することになる。
また、(主弁体71の拡径部71eの外周の二乗)−(主弁体71の拡径部71eより図9中上方の外径の二乗)>(主弁座100bの内径の二乗)−(環状弁座71aの内径の二乗)の関係を満たすように各部が設定され、第一ポペット82が環状弁座71aから離座しない限り、主弁体71は圧側パイロット室76内のパイロット圧の作用によって主弁座100b側に附勢されて開弁しないように設定されている。なお、この圧側パイロット室76内のパイロット圧は同時に第一ポペット82を環状弁座71aから離座させるように作用することになり、すなわち、圧側パイロット室76内に作用するパイロット圧は、主弁体71に対してはこれを閉じる閉パイロット圧として作用し副弁81の第一ポペット82に対してはこれを開く開パイロット圧として作用することになる。
このように構成された図9に示す減衰バルブ4は、図8に示した構成を具体的構成としたものであるが、上述の如く構成することによって、図8中に示す主弁体V1,V2を主弁体71と主弁座100bとで構成される一つの主弁に集約することが可能であり、また、図8中の主弁体V1,V2および副弁体V3,V4に使用するバネを一つのバネ72に集約することができ、さらに、図8中の二つの主流路M1,M2を一つの流路3に集約することができる構造上の利点がある。
そして、上記のように構成される具体的な減衰バルブ4に対して、連通手段5は、ディスク100の図9中上端であって主弁座100bの外周側と図9中下端とを連通する通路101と、この通路101の途中に設けたリーフバルブ110とで構成されている。
詳しくは、通路101は、ディスク100の図9中下面側に設けた環状溝102と、この環状溝102にディスク100の図9中上面から開穿されて連通される複数の孔103とで構成されている。
そして、上記環状溝102は、その内周部下端から内方に向けて突出する段部で形成される内側シート部102aと、外周部上端から内方に向けて突出する段部に設けられる環状の外側シート部102bとを備えている。
他方、リーフバルブ110は、環板状に形成されて、内周側下面が上記内側シート部102aに着座して図9中下方から支持されるとともに、外周側上面が外側シート部102bに着座して図9中上方から支持されて、ディスク100に設けた通路101の下端側を閉塞している。
したがって、このリーフバルブ110は、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対しては、その外周側が下方に撓んで、通路101を開放し、反対に、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ向かう液体の流れに対しては、その内周側が図9中上方に撓んで、通路101を開放するように設定され、いわゆる、両開きに設定されている。
すなわち、通路101は、上記図9に示す減衰バルブ4が閉じた状態となっても、減衰バルブ4を迂回するバイパス路として機能し、当該バイパス路である通路101の途中に設けたリーフバルブ110で、緩衝器に所定の減衰力を発生させることができる。
つづいて、このように構成された減衰バルブ4の動作について説明すると、緩衝器が伸長する、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図9中上方に移動する場合であって、ピストン2の速度が低い場合には、一方の圧力室R1内の圧力上昇によって、一方の圧力室R1内の液体は、ピストン2の頂部に設けた孔2a、逆止弁78の外周に設けたオリフィス77としての切欠を通過して、パイロット流路74内に侵入する。
そして、ピストン2の図9中上方への移動によって上昇する一方の圧力室R1内の圧力は、伸側パイロット室75内に副弁81の第二ポペット83を第二の環状弁座82aから離座させる開パイロット圧として作用するとともに主弁体71を主弁座100b側に押し付ける閉パイロット圧として作用する。
ピストン2の速度が低い場合、上記開パイロット圧が充分に大きくなく、第二ポペット83を開くことができず、すると、主弁体71もバネ72とこの伸側パイロット室75の閉パイロット圧によって附勢されて主弁座100bに着座した状態に維持され、流路3は開放されず、一方の圧力室R1内の液体は、打刻オリフィス100cを介して他方の圧力室R2内へ移動する。
そして、ピストン2速度が高くなって、伸側パイロット室75内の開パイロット圧が上昇して第二ポペット83をバネ72の附勢力に抗して第二の環状弁座82aから離座させるようになり、液体は、逆止弁80を開いて、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へパイロット流路74を介して移動するようになる。
さらに、その状態からピストン2の速度がさらに上昇して、主弁体71の拡径部71eの外径と主弁座100bの外径との間の面積を受圧面積として一方の圧力室R1内の圧力で主弁体71を図9中上方へ押し上げる力が、主弁体71の拡径部71eより図9中上方の外径と第二の環状弁座82aの内径との間の面積を受圧面積として、この受圧面積に第二ポペット83の開弁圧を乗じた主弁体71を下方に押し下げる力を上回るようになると、主弁体71は主弁座100bから離座して流路3を開放するようになる。なお、上記した第二ポペット83が開弁している状態では、パイロット流路74を介して伸側パイロット室75内に作用する開パイロット圧は、上記オリフィス77の圧力損失によって、常に第二ポペット83の開弁圧に調節される。
そして、ソレノイド73に通電する場合、ソレノイド73の吸引力によって、バネ72の附勢力を減じて、第二ポペット83の開弁圧を低くすることができるので、主弁体71が開弁する圧力を低くすることが可能であり、上述したところから明らかなように、ソレノイド73に電力供給しない場合が最も主弁体71の開弁圧が高くなり、最も高い減衰力を得ることが可能である。
すなわち、ソレノイド73へ供給する電流量によって、主弁体71の開弁圧を予め設定した範囲内で無段階に調節することが可能であるので、緩衝器の伸長側の減衰力を無段階に調節することが可能である。
転じて、緩衝器が圧縮される場合、すなわち、シリンダ1に対してピストン2が図9中下方に移動する場合であって、ピストン2の速度が低い場合には、他方の圧力室R2内の圧力上昇によって、他方の圧力室R2内の液体は、他方の圧力室R2から逆止弁80の切欠80a、通孔71cおよびオリフィス79を介して主弁体71内で形成されるパイロット流路74を通過して圧側パイロット室76内に侵入しようとする。
すると、ピストン2の図9中下方への移動によって上昇する他方の圧力室R2内の圧力は、圧側パイロット室76内に副弁81の第一ポペット82を環状弁座71aから離座させる開パイロット圧として作用するとともに主弁体71を主弁座100b側に押し付ける閉パイロット圧として作用する。
ピストン2の速度が低い場合、上記開パイロット圧が充分に大きくなく、第一ポペット82を開くことができず、すると、主弁体71もバネ72とこの圧側パイロット室76の閉パイロット圧によって附勢されて主弁座100bに着座した状態に維持され、流路3は開放されず、他方の圧力室R2内の液体は、打刻オリフィス100cを介して一方の圧力室R1内へ移動する。
そして、ピストン2速度が高くなって、圧側パイロット室76内の開パイロット圧が上昇して第一ポペット82をバネ72の附勢力に抗して環状弁座71aから離座させるようになり、液体は、逆止弁78を開いて、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へパイロット流路74を介して移動するようになる。
さらに、その状態からピストン2の速度がさらに上昇して、主弁座100bの内径と環状弁座71aの内径との間の面積を受圧面積として他方の圧力室R2内の圧力で主弁体71を図9中上方へ押し上げる力が、主弁体71の拡径部71eの外周と主弁体71の拡径部71eより図9中上方の外径との間の面積を受圧面積として、この受圧面積に第一ポペット82の開弁圧を乗じた主弁体71を下方に押し下げる力を上回るようになると、主弁体71は主弁座100bから離座して流路3を開放するようになる。なお、上記した第一ポペット82が開弁している状態では、パイロット流路74を介して圧側パイロット室76内に作用する開パイロット圧は、上記オリフィス79の圧力損失によって、常に第一ポペット82の開弁圧に調節される。
そして、ソレノイド73に通電する場合、ソレノイド73の吸引力によって、バネ72の附勢力を減じて、第一ポペット82の開弁圧を低くすることができるので、主弁体71が開弁する圧力を低くすることが可能であり、上述したところから明らかなように、ソレノイド73に電力供給しない場合が最も主弁体71の開弁圧が高くなり、最も高い減衰力を得ることが可能である。
すなわち、ソレノイド73へ供給する電流量によって、主弁体71の開弁圧を予め設定した範囲内で無段階に調節することが可能であるので、緩衝器の圧縮側の減衰力を無段階に調節することが可能である。
減衰バルブ4は、上述のように動作するのであるが、緩衝器の振動周波数が高くなると、伸側パイロット室75または圧側パイロット室76に圧力が閉じこまれて主弁体71の開弁が遅れるようになってくる。すなわち、減衰バルブ4の応答性の限界によって緩衝器の伸縮の切り換わりに対して減衰バルブ4の開弁が追いつかなくなる傾向となって圧力サージが引き起こされる状況となるが、連通手段5における通路101は、減衰バルブ4が閉じた状態となっても、リーフバルブ110が開いて開放されることから、図11中実線で示すように、圧力サージの発生を防止することが可能となる。
したがって、具体的な減衰バルブ4を備えた緩衝器にあっても、緩衝器の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
また、図9に示すような減衰バルブ4を使用することによって、減衰力調整も可能であり、また、伸側と圧側の減衰力調整について一つのソレノイド73でコントロールすることができ、その制御も非常に簡単となる利点があるとともに、バネ72の附勢力をソレノイド73で調節することによって緩衝器の発生減衰力を調節するので減衰力調整幅を大きく取れる利点がある。
さらに、図5に示す連通手段5と同様の構成を図9の減衰バルブ4に適用することも可能である。この場合、図10に示すように、上述の減衰バルブ4の主弁体71を弁座100bに直接着座させるのではなく、主弁体71と弁座100bとの間に図6に示したリーフバルブと同様のリーフバルブ120を介装させればよい。
このように構成された連通手段5にあっても、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ向かう液体の流れに対して、一方の圧力室R1の圧力が主弁体71を図10中上方へ移動させる程度に高くない場合、リーフバルブ120の弁座100bより内周側を撓ませて、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通し、逆に、他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ向かう液体の流れに対して、他方の圧力室R2の圧力が弁体41を図10中上方へ移動させる程度に高くない場合、リーフバルブ120の外周側が図10中上方に撓んで弁座100bから離座して、リーフバルブ120と弁座100bとの間にできる隙間によって他方の圧力室R2と一方の圧力室R1とを連通する。
そして、緩衝器の伸縮時における一方の圧力室R1或いは他方の圧力室R2内の圧力が弁体71を上方に移動させる程度に高くなると、弁体71の上方の移動によってリーフバルブ120と弁座100bとの間に大きく隙間が形成されて流路3が開放され、減衰バルブ4は一実施の形態における緩衝器D1で説明したところと同様の機能を発揮する。
したがって、連通手段5をこのように構成しても、減衰バルブ4が閉じた状態にあっても、リーフバルブ120の上記作動によって流路3による一方の圧力室R1と他方の圧力室R2との連通が許容されるので、緩衝器の伸縮の切り換わり時における圧力サージの発生を防止することが可能であるから、車両における乗心地を向上することができるとともに、緩衝器が騒音を発生するような不具合が解消されるのである。
また、上記図8から図10に示した実施の形態においては、連通手段5をピストン2に設けるようにしているが、これを、図3、図4に示した緩衝器D2のように、シリンダ1の外方に設ける構成としてもよいことは勿論である。
なお、減衰バルブ4の構成としては、上記に示した具体的なものに限られるものではなく、高周波振動時に圧力サージを発生してしまうような減衰バルブに対して連通手段が有効に機能することは明らかである。
以上で本発明の緩衝器の各実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器における減衰バルブの縦断面図である。 一実施形態の一変形例の緩衝器の縦断面図である。 一実施形態の一変形例の緩衝器の縦断面図である。 一実施形態の他の変形例の緩衝器の縦断面図である。 一実施形態の他の変形例の緩衝器における連通手段のリーフバルブの正面図である。 減衰バルブの他の例を示す図である。 減衰バルブの別の例を原理的に示す図である。 減衰バルブの別の例を具体的に示す図である。 減衰バルブのさらに別の例を具体的に示す図である。 緩衝器のストロークに対する減衰力波形を示す図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
2a,2b,21b,22a,22e,41c,82c,91f,103 孔
2c ピストンリング
3 流路
4 減衰バルブ
5 連通手段
7 ピストンロッド
7a コントロールロッド
8 フリーピストン
21,65 バルブハウジング
21a,91b 大径部
22 筒部材
22b 弁座
22c,41d,50a,50b,52,53,73f,90a,101 通路
22d,91d,102 環状溝
22f,102a 内側シート部
22g,102b 外側シート部
23,55,59,60,110,120,L1,L2 リーフバルブ
41 弁体
41a 弁頭
41b 穴
41e,77,79,O1,O2 オリフィス
41f 背面底部
42,44,72,94,SP バネ
43 ピン
50 管路
51,58 区画部材
57 外筒
60a,80a 切欠
61 切欠部
66,73g コイル
67,73a 固定鉄心
68,73b ステータ
71 主弁体
71b,73d,82b,91c フランジ部
71c,71f,73e 通孔
71a 環状弁座
71d 逆止弁座
71e 拡径部
73,S,Sol ソレノイド
73c 可動鉄心
74,P1,P2 パイロット流路
75 伸側パイロット室
76 圧側パイロット室
78,80,C1,C2 逆止弁
81,V3,V4 副弁
82 第一ポペット
82a 第二の環状弁座
83 第二ポペット
83a 段部
83b 鍔部
84 ガイド部材
90 スペーサ
91 スリーブ
91a 小径部
91e シール部材
92 ストッパ
93 スナップリング
100 ディスク
100a 凸部
100b 主弁座
100c 打刻オリフィス
130 ナット
B バイパス路
D1,D2,D3 緩衝器
M1,M2 主流路
R1 一方の圧力室
R2 他方の圧力室
V1,V2 主弁

Claims (10)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、ピストンに設けられ上記二つの圧力室を連通するとともに伸縮行程の両方で液体が流通する流路と、流路の途中に設けられた減衰バルブとを備えた緩衝器において、減衰バルブが閉弁状態にあっても上記二つの圧力室を連通する連通手段を備え、該連通手段は、リーフバルブを介して上記二つの圧力室を連通することを特徴とする緩衝器。
  2. 減衰バルブは、流路を開閉する弁体と、弁体にパイロット圧を作用させるパイロット流路とを備え、パイロット圧で弁体を開弁動作させるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 減衰バルブは、弁体が開弁する開弁圧を制御するソレノイドを備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 連通手段は、減衰バルブを迂回するバイパス路と、当該バイパス路の途中に設けたリーフバルブとを備えてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器。
  5. 減衰バルブは、流路の途中に設けた主弁座と、流路の途中に設けられ上流側圧力によって主弁座から離座して流路を開放する主弁体と、主弁体を主弁座側の方向に附勢して主弁体を主弁座に着座させる附勢手段と、附勢手段の附勢力を減ずる方向に吸引力を発生するソレノイドと、一方の圧力室と他方の圧力室とを連通するパイロット流路と、パイロット流路の途中に設けた伸側パイロット室と圧側パイロット室と、パイロット流路の途中であって伸側パイロット室と圧側パイロット室との間に設けられ該パイロット流路を開閉する副弁体とを備え、パイロット流路の途中に、一方の圧力室から伸側パイロット室へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィスと一方の圧力室から伸側パイロット室へ向かう流れのみを阻止する逆止弁とを並列に設けるとともに、他方の圧力室から圧側パイロット室へ向かう流れに抵抗を与えるオリフィスと他方の圧力室から圧側パイロット室へ向かう流れのみを阻止する逆止弁とを並列に設け、伸側パイロット室および圧側パイロット室に導入されるパイロット圧は主弁体を主弁座側へ押し付けるように作用するととも副弁体を開く方向に作用することを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  6. 主弁体は筒状に形成されるとともに内周に環状弁座を備え、副弁体は、主弁体の内周に収容されるとともに上記環状弁座に附勢手段の附勢力によって着座する筒状の第一ポペットと、先端が第一ポペット内に摺動自在に挿入されるとともに該先端が第一ポペットの内周に設けた第二の環状弁座に着座する筒状の第二ポペットと、第二ポペットの後端側が摺動自在に挿入されるとともに第二ポペットの後端を閉塞するガイド部材とを備え、附勢手段が第二ポペット内に収容されるとともにガイド部材と第二ポペットとの間に介装されて第一ポペットおよび第二ポペットを介して流路を閉じる方向に主弁体を附勢することを特徴とする請求項5に記載の緩衝器。
  7. 連通手段は、環板状のリーフバルブを備え、該リーフバルブの一端外周部を流路の途中に設けた環状の弁座に着座させ、該リーフバルブの他端内周部を弁体に着座させてなることを特徴とする請求項2または3に記載の緩衝器。
  8. 連通手段は、主弁体を迂回するバイパス路と、当該バイパス路の途中に設けたリーフバルブとを備えてなることを特徴とする請求項5または6に記載の緩衝器。
  9. 連通手段は、環板状のリーフバルブを備え、該リーフバルブの一端外周部を流路の途中に設けた主弁座に着座させ、該リーフバルブの他端内周部を主弁体に着座させてなることを特徴とする請求項5または6に記載の緩衝器。
  10. バイパス路は、ピストン内に設けられることを特徴とする請求項4または8に記載の緩衝器。
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